JP3588383B2 - ポリアミド樹脂組成物及びそれからなるエンジンカバー材料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物に関するものであって、更に詳しくは、成形品の表面外観、寸法安定性、耐衝撃特性、及び成形加工性に優れたエンジンカバー材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド樹脂は、その優れた機械的特性、及び耐薬品性等の化学的性質から、主に、自動車分野や電気・電子分野に用いられているが、更に、ガラス繊維を始めとする無機充填剤による補強効果にも優れていることから自動車機構部品や電気・電子構造部品に用いられている。
【0003】
このようなポリアミド樹脂の機械的特性、例えば、耐衝撃特性を向上させるには、特公昭54−4743号公報に見られるがごとく、強化ポリアミド樹脂にエチレン系アイオノマーを配合して耐衝撃性を向上させる方法が採用されている。しかしながら、この様な方法では、強化ポリアミド樹脂の優れた特性である耐熱性や剛性を失ってしまい、厳しい特性を要求される用途には不充分であった。
【0004】
又、制振性を改良するために、例えば、特公平4−13596号公報に見られるがごとく、ポリアミド66に、オレフィンエラストマーをブレンドする事で改良しているが、外観が悪くなり、更に、実用物性が低下し、不充分である。
更に、寸法安定性を改良するために、ポリアミド樹脂に無機フィラーを混合する事は良く行われるが、表面外観の良好な成型品を得る事は難しく、ガラス繊維と無機粒状充填材の組合せで外観性の向上を図っているが、その多くは、効果が不充分である。
【0005】
又、エンジンカバー材料として、特開平2−91454号公報に見られるがごとく、ガラス長繊維PETのスタンピング成形のものが示されているが、成形方法の制約から、形状が限定されるので汎用性が少ない。
一方、着色成型品の表面外観の改良のために、着色マスターバッチの選定が重要であり、ポリアミド66ベースに、着色剤を添加したものよりも、ポリアミド6に着色剤を添加したものの方が外観が改良されると言われているが、その効果は不充分である。
【0006】
又、成形加工性の改良には、流動性の改良のために、ポリアミド樹脂の粘度を下げる事が一般的であるが、強度・剛性が低下し、好ましくない。成型機のシリンダー温度を上げ、流動性を改良する事も行われるが、樹脂の熱安定性を考えると好ましくない。一方、強度、剛性の向上のため、ポリアミド樹脂の粘度を上げる事も行われるが、強度、剛性は若干向上するものの、表面外観の良好な成型品を得る事は難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、成形品の表面外観、寸法安定性、耐衝撃特性、及び、成形加工性に優れたポリアミド樹脂組成物をエンジンカバー材料用途向けに提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリアミド成分として、ポリヘキサメチレンアジパミドと、ポリカプロアミドから構成され、ガラス繊維、炭素繊維、ミルドファイバーのうちから選ばれる少なくとも1種類以上の無機繊維状充填剤と、ウォラストナイト、焼成カオリン、タルク、チタン酸カリウム、酸化チタンから選ばれる少なくとも1種類以上の無機粒子状充填剤を特定比率で配合する事から成るポリアミド樹脂組成物であり、本組成物により上記課題が達成できる。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリアミド樹脂としては、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合によって得られるもの、環状ラクタム類の開環重合によって得られるもの、ω−アミノ酸の自己縮合物によって得られるものであれば良いが、具体的には、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612の脂肪族ポリアミド樹脂や、吸水特性、耐熱性、表面外観等を更に改良するため、主鎖に芳香環を有するポリアミドでも良く、これらの共重合樹脂及びブレンド樹脂でもよい。より好ましくはポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)と、ポリカプロアミド(ナイロン6)の組み合わせが良い。
【0010】
各成分の構成比は、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)が、85〜99重量%であり、ポリカプロアミド(ナイロン6)は、1〜15重量%であるが、好ましくは、ポリヘキサメチレンアジパミドが、88〜98重量%であり、ポリカプロアミドは、2〜12重量%である。ポリヘキサメチレンアジパミドが、85量%未満では、機械物性が劣り、99重量%を超えると、成型品の表面外観が劣る。
【0011】
硫酸溶液粘度として、ポリヘキサメチレンアジパミドは2.0〜3.0の範囲が良いが、好ましくは2.2〜2.9が良い。ポリカプロアミドは3.0〜4.0の範囲が良いが、好ましくは3.1〜3.8が良い。ポリヘキサメチレンアジパミドが2.0と、ポリカプロアミドが3.0未満では、機械物性が劣り、ポリヘキサメチレンアジパミドが3.0と、ポリカプロアミドが4.0を超えると、成形品の表面外観が劣る。
【0012】
本発明に用いられる無機充填剤としては、無機繊維状充填剤と無機粒子状充填剤があるが、無機繊維状充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、ミルドファイバーが用いられる。ガラス繊維が好ましい。
ガラス繊維を用いる場合、ガラス繊維の形状としては任意のものが用いられるが、供給精度等の点から長さ1mm〜6mmのチョップドストランドの短繊維が好ましい。繊維径としては、6〜13μmのもので、濃度としては、ポリアミド樹脂100重量部に対して、5〜70重量部であるが、好ましくは6〜60重量部である。5重量部未満では、必要な機械強度が得られず、70重量部を超えると、成形品の表面外観が劣る。またポリアミド樹脂との接着性を向上させるため、これらの無機繊維状充填剤は、カップリング剤、集束剤等で表面処理したものを用いるのが好ましい。
【0013】
無機粒子状充填剤としては、ウォラストナイト、焼成カオリン、タルク、チタン酸カリウム、酸化チタンが用いられる。それらの形状としては任意のものを用いることができる。またポリアミド樹脂との接着性を向上させるため、これらの無機粒子状充填剤は、カップリング剤等で表面処理したものを用いるのが好ましい。ウォラストナイト、焼成カオリン、タルクが好ましい。粒子径としては、1〜2μmのもので、1μm未満では、成形性が不充分である。2μmを越えると、表面外観が劣る。濃度としては、ポリアミド樹脂100重量部に対して、9〜70重量部であるが、好ましくは10〜60重量部である。9重量部未満では、必要な機械強度が得られず、70重量部を超えると、成形品の表面外観が劣る。
【0014】
(B)ガラス繊維、炭素繊維、ミルドファイバーのうちから選ばれる少なくとも1種類以上の無機粒子状充填剤と、(C)ウォラストナイト、焼成カオリン、タルク、チタン酸カリウム、酸化チタンから選ばれる少なくとも1種類以上の無機粒子状充填剤の比は、0.4≦(B)/(C)≦0.65である。0.4未満では、強度・剛性が不充分であり、0.65を超えると、異方性が生じ、必要な寸法特性が得られない。
【0015】
無機充填剤として、ガラス繊維とウォラストナイト、焼成カオリン、タルク、チタン酸カリウム、酸化チタンから選ばれる少なくとも1種類以上のの組み合わせを用いる場合、ポリアミド重量部への配合方法は、一括して供給する方法やそれぞれを別々に多段供給する方法が用いられるが、ガラス繊維と無機粒子状充填剤を同時に供給する場合、強度・剛性の低下が見られ、不充分であり、本発明では、ポリアミド樹脂と無機粒子状充填剤を事前に混合するか、ガラス繊維の供給より手前に、無機粒子状充填剤を供給するのが好ましく、それにより強度・剛性の高いポリアミド樹脂組成物が得られる。
【0016】
本発明には、より良い外観を得るため、カラーマスターバッチを用いて着色する事が出来る。ポリエチレンとカーボンブラックその他の染料、及び、又は、顔料よりなるマスターバッチが好ましい。ポリアミド樹脂組成物100重量部に対して、1.0〜3.5重量部を添加する事を基準とするが、好ましくは1.2〜3.0重量部である。1.0重量部未満では、表面外観が劣り、3.5重量部を超えると機械強度が劣る。ポリエチレンは、低密度ポリエチレンが好ましい。
【0017】
これらのマスターバッチは、事前に配合・溶融混練し、ペレット状や、フレーク状にしたもので供給される。
又、本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂に添加される公知の物質、例えば熱可塑性樹脂、相溶化剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤、潤滑剤、結晶化促進剤、ガラスビーズ、シリカを本発明の目的を損なわない範囲で含有していても良い。これらの配合方法は、ポリアミド樹脂と共に配合・溶融混練する方法や無機充填剤と共に配合・混合する方法が用いられる。
【0018】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、自動車のエンジンカバー材料に好適であるだけではなく、その他の構造材料にも適している。具体的には、椅子の脚、座、机の脚、キャビン、ワゴンの部品等の家具用品、ノート型パソコンハウジング等のOA分野用品、インテークマニホールド、ドアミラーステイ、ホイールリム、ホイ−ルキャップ、ワイパー、モーターファン、シートロック部品、ギア、ランプハウジング、スポイラー、リレーブロック、スライドスイッチ、インヒビタースイッチ、コンビネーションスイッチレバー、オイルリザーバータンク、フューエルタンク、等の自動車内外装部品、プーリー、ギア、熱風器ハウジング等の電気分野用品、その他分野用品として、ホイールリム、ホイールスポーク、サドル、サドルポスト、ハンドル、スタンド、荷台等の自転車部品、バルブハウジング、釘、ネジ、ボルト、ボルトナット、タンク、ボトル等の用途がある。
【0019】
【実施例】
以下、実施例で示すが、これらの例は、例示のために示すもので本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例に記載したポリアミド樹脂組成物の評価は、次の方法に従って実施した。
【0020】
[評価方法]
以下の実施例及び比較例にて成形された試験片の評価は以下の通りである。
(1)硫酸溶液粘度
JIS K6810に従って、1gのポリマーを、98%濃度の硫酸100mlに溶解し、25℃で測定を行う。
(2)成形品表面外観
上記(3)で得た成形品の表面外観を目視で判断すると共に、HORIBA製グロスチェッカーIG−320を用いて表面光沢を測定した。
【0021】
更に、色差計を用いて、L値を求め、黒色度を表した。
(3)寸法特性
成形収縮率、反り率
実施例、比較例で得たポリアミド樹脂組成物のペレットを、東芝機械(株)製IS−150E射出成形機を用いて、スクリュー回転数150rpm,樹脂温度290℃、射出圧力670kg/cm2 の成形条件で、66mm×90mm、厚さ3mmの平板を成形して、JIS K6911に従って測定を行った。
(4)機械的物性
実施例、比較例で得た強化ポリアミド樹脂ペレットを、東芝機械(株)製IS−50EP射出成形機を用いて、スクリュー回転数200rpm,樹脂温度290℃の成形条件で、厚み3mmのASTMタイプ1を成形し、ASTM D638、D790、D256に従って引張試験、曲げ試験を行った。落錘衝撃強度は、東洋精機社製グラフィクインパクトテスターを用いて、試験を行ない、吸収エネルギーを求めた。
(5)成形流動性
実施例、比較例で得たポリアミド樹脂組成物のペレットを、東芝機械(株)製IS−50EP射出成形機を用いて、スクリュー回転数200rpm,樹脂温度290℃、射出圧力670kg/cm2 の成形条件で、幅6mm、厚み1.5mmのスパイラルフロー長さ(SFD)を測定した。
(6)耐熱エージング性
実施例、比較例で得た強化ポリアミド樹脂ペレットを、東芝機械(株)製IS−150E射出成形機を用いて、スクリュー回転数150rpm,樹脂温度290℃の成形条件で、厚み3mmのASTM短冊を成形し、加熱オーブンで180℃にて熱処理を行い、ASTM D638による引張強度測定を行い、強度低下の半減期を求め、低下の少ないものから順に、◎、○、△、×で表した。
[コンパウンド方法]
(イ)東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機を使用し、シリンダー設定温度280℃、スクリュ回転数300rpmの条件で、フィードホッパー、サイドフィード口1、2から、種々の材料を供給し、紡口より押し出されたストランドを冷却し、ペレタイズして、ポリアミド樹脂組成物を得た。各成分のフィードは、ポリアミド樹脂を、フィードホッパーから供給し、無機粒状物は、フィードホッパー、及び、又は、サイドフィード口1から供給し、ガラス繊維はサイドフィード口2から供給した。
(ロ)東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機を使用し、シリンダー設定温度280℃、スクリュ回転数300rpmの条件で、ポリアミド樹脂とガラス繊維をフィードホッパーから供給し、無機粒状物をサイドフィード口2から供給し、紡口より押し出されたストランドを冷却し、ペレタイズして、ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0022】
[ポリアミド種]:成分(A)
a1;旭化成工業(株)製レオナ1402(硫酸粘度2.8);ナイロン66
a2; 同上 ポリアミド (硫酸粘度2.6); 同上
a3;旭化成工業(株)製ポリアミド (硫酸粘度1.7); 同上
a4;宇部興産(株)製SF1022A (硫酸粘度3.2);ナイロン6
a5;宇部興産(株)製SF1022A (硫酸粘度2.3); 同上
ポリアミド種は表1、2にa1/a4、或いはa2/a4その他で表した。
【0023】
[ファイバ]:成分(B)
b1;ガラスファイバ
b2;炭素繊維
[無機粒子状充填材種]:成分(C)
c1;エンゲルハルド(株)製、サテントンW(焼成カオリン)
c2; 同上 、サテントンNo.5(焼成カオリン)
c3;長瀬産業(株)製、ウォラストナイト
c4;林化成(株)製、タルク
c5;富士チタン工業(株)製、酸化チタン
[カラーマスターバッチ種]:その他成分
d1;低密度ポリエチレンとカーボンブラックからなる組成物
d2;ナイロン66とカーボンブラックからなる組成物
【0024】
【実施例1】
成分(a1)旭化成工業(株)製レオナ1402(硫酸粘度2.8)、95重量%と成分(a4)宇部興産(株)製SF1022A(硫酸粘度3.2);ナイロン6の5重量%、からなる100重量部に、成分(c1)エンゲルハルド(株)製サテントンWを44重量部、マスタバッチを2.5重量部ドライブレンドし、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュ回転数300rpm)のフィードホッパーに80kg/hで供給した。更に、サイドフィード口2に、成分(b1)旭ファイバーグラス(株)製ガラス繊維チョップドストランド(03FT−2A)を18重量部に当たる量を10kg/hで供給し、紡口より押し出されたストランドを冷却し、ペレタイズして、ポリアミド樹脂組成物を得た。上述の方法で評価した結果を表1に示す。
【0025】
【実施例2】
実施例1と同様に、成分(a1)旭化成工業(株)製レオナ1402と成分(a4)を用いて、表1に示すように、成分(b1)ガラス繊維と成分(c1)無機粒状物の組成を変化させ、ポリアミド樹脂組成物を得た。上述の方法で評価した結果を表1に示す。
【0026】
【実施例3】
成分(a2)旭化成工業(株)製ポリアミド(硫酸粘度2.6)を94重量%用いた事、成分(a4)ポリカプロアミドを6重量%に変更した事、及び表1に記載の通り、成分(b1)ガラス繊維と成分(c1)無機粒状物の組成を変更した事以外は、実施例1と同様に実施し、ポリアミド樹脂組成物を得た。上述の方法で評価した結果を表1に示す。
【0027】
【実施例4】
成分(a1)を90重量%、成分(a4)ポリカプロアミドを10重量%に変更した事、成分(b1)ガラス繊維と成分(c1)無機粒状物の組成を変更した事、及びマスタバッチを添加しない事以外は、実施例1と同様に実施し、ポリアミド樹脂組成物を得た。上述の方法で評価した結果を表1に示す。
【0028】
【実施例5】
成分(c1)の代わりに、成分(c3)ウォラストナイトをフィードする事以外は、実施例1と同様に実施し、ポリアミド樹脂組成物を得た。上述の方法で評価した結果を表1に示す。
【0029】
【実施例6】
実施例1において、成分(b1)の代わりに、成分(b2)の炭素繊維(添加量は実施例1に同じ)にした以外は、全く同様に実施した。その結果を表3に示す。
【0030】
【実施例7】
実施例1において、成分(c1)の代わりに、成分(c4)のタルク(添加量は実施例1に同じ)にした以外は、全く同様に実施した。
【0031】
【実施例8】
実施例1において、成分(c1)の代わりに、成分(c5)の酸化チタン(添加量は実施例1に同じ)にした以外は、全く同様に実施した。その結果を表3に示す。
【0032】
【比較例1】
成分(a1)旭化成工業(株)製レオナ1402(硫酸粘度2.8)95重量%と成分(a4)宇部興産(株)製SF1022A (硫酸粘度3.2);ナイロン6の5重量%からなる100重量部に、成分(c2)エンゲルハルド(株)製サテントンNo.5を45重量部、(d1)マスタバッチを2.5重量部ドライブレンドし、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュ回転数300rpm)のフィードホッパーに80kg/hで供給した。更に、サイドフィード口2に、成分(b1)旭ファイバーグラス(株)製ガラス繊維チョップドストランド(03FT−2A)を16重量部に当たる量を9kg/hで供給し、紡口より押し出されたストランドを冷却し、ペレタイズして、ポリアミド樹脂組成物を得た。上述の方法で評価した結果を表2に示す。表面外観が優れない事と、耐熱エージング性が若干低い事が分かる。
【0033】
【比較例2】
成分(a1)旭化成工業(株)製レオナ1402(硫酸粘度2.8)95重量%と成分(a4)宇部興産(株)製SF1022A(硫酸粘度3.2);ナイロン6の5重量%からなる100重量部に、成分(c2)エンゲルハルド(株)製サテントンWを48重量部、マスタバッチを2.5重量部ドライブレンドし、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュ回転数300rpm)のフィードホッパーに80kg/hで供給した。更に、サイドフィード口2に、成分(b1)旭ファイバーグラス(株)製ガラス繊維チョップドストランド(03FT−2A)を11重量部に当たる量を6kg/hで供給し、紡口より押し出されたストランドを冷却し、ペレタイズして、ポリアミド樹脂組成物を得た。上述の方法で評価した結果を表2に示す。表面外観が若干優れない事と、曲げ、引張りの機械物性、落錘衝撃強度が優れない事と、耐熱エージング性が優れない事が分かる。
【0034】
【比較例3】
ポリアミド樹脂に、成分(a4)ポリカプロアミドを用いないで、成分(a1)のみ100重量%を用いた事以外は、実施例1と同様の方法でポリアミド樹脂組成物を得た。上述の方法で評価した結果を表2に示す。表面外観が優れない事が分かる。
【0035】
【比較例4】
ポリアミド樹脂に、成分(a1)または成分(a2)のナイロン66のいずれも用いないで、成分(a4)のみ100重量%を用いた事以外は、実施例1と同様の方法でポリアミド樹脂組成物を得た。上述の方法で評価した結果を表3に示す。機械強度、寸法特性が優れないことが分かる。
【0036】
【比較例5】
実施例1において、成分(a3)が旭化成工業(株)製ポリアミドの硫酸溶液粘度が1.7である該成分の85%と成分(a5)宇部興産(株)製SF1013A、硫酸粘度が2.3であるナイロン6を15重量%、からなる100重量部を用いること以外は実施例1と全く同様に実施した。上述の方法で評価した結果を表3に示す。落錘衝撃強度、耐熱性が優れないことが分かる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるポリアミド樹脂組成物は、表面光沢性が良く、成型品の外観が良好で、寸法安定性に優れ、耐衝撃特性、及び、成形加工性に優れており、それからなる自動車エンジンカバー等の内外装部品は、優れた耐熱性、外観、寸法特性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる溶融混練押出機の略図である。
【符号の説明】
1 フィードホッパー
2 サイドフィード口1
3 サイドフィード口2
4 駆動モーター
5 溶融混練押出機
6 ストランドバス
7 ストランドカッター
Claims (5)
- (A)ポリアミド成分として、(a)アジピン酸及びヘキサメチレンジアミンから得られたポリヘキサメチレンアジパミドの25℃における硫酸溶液粘度が2.2〜2.9である該成分85〜99重量%と(b)ε−カプロラクタムから得られたポリカプロアミドの25℃における硫酸溶液粘度が3.1〜3.8である該成分1〜15重量%から構成されるポリアミド樹脂100重量部と、(B)ガラス繊維、炭素繊維、ミルドファイバーのうちから選ばれる少なくとも1種類以上の無機繊維状充填剤5〜70重量部と、(C)ウォラストナイト、焼成カオリン、タルク、チタン酸カリウム、酸化チタンから選ばれる少なくとも1種類以上の無機粒子状充填剤9〜70重量部から成るポリアミド樹脂組成物であって、且つ、0.4≦(B)/(C)≦0.65(重量比)であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
- 無機繊維状充填剤が、カップリング剤又は集束剤で表面処理されたガラス繊維であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- 無機粒子状充填剤が、カップリング剤で表面処理されたウォラストナイト、焼成カオリン、タルク、酸化チタンから選ばれる少なくとも1種類以上であり、平均粒径が1〜2μmであることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- 無機繊維状充填剤が、カップリング剤又は集束剤で表面処理されたガラス繊維であり、無機粒子状充填剤が、カップリング剤表面処理されたウォラストナイト、焼成カオリン、タルク、酸化チタンから選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を用いたエンジンカバー材料。
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