JP2000053861A - 黒着色強化ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

黒着色強化ポリアミド樹脂組成物

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JP2000053861A JP11154048A JP15404899A JP2000053861A JP 2000053861 A JP2000053861 A JP 2000053861A JP 11154048 A JP11154048 A JP 11154048A JP 15404899 A JP15404899 A JP 15404899A JP 2000053861 A JP2000053861 A JP 2000053861A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性、外観および耐候性に優れた黒着
色強化ポリアミド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ポリアミドを30〜70重量部、
(B)ガラス繊維、マイカ、タルク、カオリン、ワラス
トナイトの群から選ばれる少なくとも1種の無機充填材
を70〜30重量部、(C)カーボンブラックを(A)
および(B)の総量100重量部に対して0.05〜1
0重量部、および(D)特定構造の銅フタロシアニン誘
導体を(C)100重量部に対して5〜100重量部含
むことを特徴とする黒着色強化ポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、初期外観(表面光
沢性)に優れ、金属代替が可能な機械的物性を有し、か
つ屋外、特に降雨に曝される使用条件下でも、黒色の退
色が少ない成形品を得ることができる黒着色強化ポリア
ミド樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、機械的および熱的性
質並びに耐油性に優れているため、自動車や電気・電子
製品等の部品に広く用いられている。また、ポリアミド
にガラス繊維等の無機充填材を配合した強化ポリアミド
樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐薬品性等が大きく向上
することにより、従来金属製であった部品を、軽量化お
よび工程の合理化等の観点から代替することも可能とな
り、近年積極的に検討が進められている。特に屋外で使
用するの用途に利用する場合には黒色の着色成形品の形
で利用されることが多い。その為、最も安価に、かつ容
易に耐候性を改善し、黒着色成形品を得る手段としてカ
ーボンブラックを添加することが行われている。しかし
ながら、ポリアミドに単にカーボンブラックを配合した
組成物は、多くの問題点があることが知られている。
【0003】例えば、無機充填材を含まないポリアミド
にカーボンブラックを配合した組成物から得られる製品
は、靱性が低下する等の問題が提起されている。その解
決手段として、カーボンブラックとともに特定の染料を
併用する方法が開示されている。例えば、ポリアミド樹
脂にカーボンブラックとニグロシンと配合した成形用配
合物(特公昭60−43379号公報)、およびナイロ
ンを含む熱可塑性樹脂にカーボンブラックと特定の銅フ
タロシアニン系染料とを配合して着色する方法(特公平
6−35540号公報、特公平6−35541号公報)
等が例示できる。
【0004】しかしながら、これらの開示技術には、無
機充填材を含む場合に成形品表面外観を向上させる方法
や降雨を伴う耐候性試験における黒色の退色を抑制する
方法に関しては、何ら示唆も開示もされていない。特に
ポリアミドに比較的高濃度の無機充填材を含有する場
合、外観や耐候性が問題になる場合が多い。一方、無機
充填材を含むポリアミドにカーボンブラックを配合した
場合には、得られる成形品の表面光沢度が大きく低下す
る等の問題が提起されている。その解決手段として、ガ
ラス繊維とカーボンブラックとを含むポリアミドに、さ
らに加えて、ニグロシンを配合した樹脂組成物(特開平
4−370148号公報)を用いることが提案されてい
る。
【0005】しかしながら、本発明者らの検討による
と、上記開示技術を用いて得られた成形品を降雨を伴う
耐候性試験に供した場合に、その成形品表面に無数のク
ラックが発生し、特にガラス繊維の含有量が比較的高い
場合は、ガラス繊維の表面への露出が著しく、屋外で使
用するには大きな問題であった。上記のように、これら
の先行技術では、得られる成形品が、表面外観性に優
れ、かつ金属代替可能な機械的特性を有し、さらに、屋
外、特に降雨に曝される使用条件下でも、黒色の退色が
少ない黒着色強化ポリアミド樹脂組成物に関してはなん
ら示唆も開示もされておらず、これらの特性を合わせも
つポリアミド樹脂組成物の開発が強く望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、屋
外、特に降雨に曝される使用条件下でも、黒色の退色が
少なく成形品外観に優れた黒着色強化ポリアミド樹脂組
成物を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
対して鋭意検討した結果、黒着色された無機充填材強化
のポリアミド樹脂において、カーボンブラックと特定の
銅フタロシアニン誘導体を特定量配合して黒着色するこ
とで、屋外、特に降雨に曝される使用条件下でも黒色の
退色が少なく、外観の優れた成形品を得ることが出来る
黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を見出し、本発明に至
った。すなわち、本発明の第一は、(A)ポリアミドを
30〜70重量部、(B)ガラス繊維、マイカ、タル
ク、カオリン、ワラストナイトの群から選ばれる少なく
とも1種以上の無機充填材を70〜30重量部、(C)
カーボンブラックを(A)および(B)の総量100重
量部に対して0.05〜10重量部、および(D)下記
一般式(I)及び/又は(II)で表される銅フタロシ
アニン誘導体を(C)100重量部に対して5〜100
重量部含むことを特徴とする黒着色強化ポリアミド樹脂
組成物である。
【0008】
【化2】 [式中、CuPcは置換または無置換の銅フタロシアニ
ン残基、Xは−CH2 −、−CH2 −CH2 −COO−
2 4 −または−CH2 −CH2 −COO−C 3 6
−、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に水素原子、
無置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル
基、アルキルアリール基、アリール基、アルコキシアル
キル基または複素環残基、R4 はアルキルアリール基、
アリール基、アルコキシアルキル基または複素環残基を
示し、しかもR1 とR2 、R3 とR4は相互に結合して
置換または無置換の複素環を形成してもよく、nは1〜
4(平均値)を示す。]
【0009】本発明の第二は、無機充填材(B)がガラ
ス繊維であって、該ガラス繊維の平均繊維径が15〜3
0μmであることを特徴とする本発明の第二に記載の黒
着色強化ポリアミド樹脂組成物である。本発明の第三
は、(D)銅フタロシアニンの配合量が、(B)無機充
填材100重量部に対して0.1〜8重量部であること
を特徴とする本発明の第一または第二に記載の黒着色強
化ポリアミド樹脂組成物である。本発明の第四は、ポリ
アミド(A)が、(a1 )結晶化温度が210℃以下で
且つそのモノマー構成単位に芳香環を含む半芳香族ポリ
アミド85〜100重量%、および(a2 )結晶化温度
が210℃以下である脂肪族ポリアミド0〜15重量%
からなるポリアミドであることを特徴とする本発明の第
一または第二に記載の黒着色強化ポリアミド樹脂組成物
である。
【0010】本発明の第五は、半芳香族ポリアミド(a
1 )が、アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンから
得られるヘキサメチレンアジパミド単位70〜95重量
%、およびイソフタル酸およびヘキサメチレンジアミン
から得られるヘキサメチレンイソフタラミド単位5〜3
0重量%から構成される半芳香族ポリアミドであること
を特徴とする本発明の第四に記載の黒着色強化ポリアミ
ド樹脂組成物である。本発明の第六は、ポリアミド
(A)に対して、銅フィタロシアニン誘導体以外の銅化
合物を銅原子として10〜1000ppm及び/又はホ
スファイト化合物を10〜10000ppm配合するこ
とを特徴とする本発明の第一、第二または第五に記載の
黒着色強化ポリアミド樹脂組成物である。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるポリアミド(A)は特に限定されず、例え
ば、ε−カプロラクタム、アジピン酸、セバシン酸、ド
デカ二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサメチレ
ンジアミン、テトラメチレンジアミン、2−メチルペン
タメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジアミン、メタキシリレンジアミン、ビス(3−メチ
ル−4アミノシクロヘキシル)メタン等のポリアミド形
成性モノマーを適宜組み合わせて得られるホモポリマー
単独、共重合体単独、ホモポリマー同士の混合物、共重
合体同士の混合物、共重合体とホモポリマーの混合物等
を用いることができる。このようなポリアミド樹脂の具
体例としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロ
ン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、ヘキサメチ
レンジアミンとイソフタル酸を重合してなるナイロン
(ナイロン6I)、イソフタル酸とビス(3−メチル−
4アミノシクロヘキシル)メタンを重合してなるナイロ
ン(ナイロンPACMI)などのホモポリマー、アジピ
ン酸とイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンを重合し
てなるナイロン(ナイロン66/6I共重合体)、アジ
ピン酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンを重合
してなるナイロン(ナイロン66/6T共重合体)、イ
ソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンを
重合してなるナイロン(ナイロン6I/6T共重合
体)、テレフタル酸と2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミンと2,4,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジアミンを重合してなるナイロン(ナイロンTMDT
共重合体)、イソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチ
レンジアミンとビス(3−メチル−4アミノシクロヘキ
シル)メタンを重合してなる共重合ナイロンとナイロン
6の混合物、MXD6ナイロンとナイロン66の混合物
等が挙げられる。
【0012】より好ましくは、ポリアミド(A)が、
(a1 )結晶化温度が210℃以下で且つそのモノマー
構成単位に芳香環を含む半芳香族ポリアミド85〜10
0重量%、および(a2 )結晶化温度が210℃以下で
且つそのモノマー構造単位に芳香環を含まない脂肪族ポ
リアミド0〜15重量%からなるポリアミドである。す
なわち、ポリアミド(A)が、(a1 )結晶化温度が2
10℃以下で且つそのモノマー構成単位に芳香環を含む
半芳香族ポリアミド単独の場合であっても良いし、該半
芳香族ポリアミド(a1 )85重量%以上100重量%
未満と(a2 )結晶化温度が210℃以下で且つそのモ
ノマー構成単位に芳香環を含まない脂肪族ポリアミドを
0重量%以上15重量%以下配合したポリアミド混合物
であっても良い。該ポリアミドを用いた場合、特に無機
充填材の配合量が多い場合において、より外観の良好な
成形品を得ることができる。
【0013】本発明で用いる半芳香族ポリアミド(a1
)および、脂肪族ポリアミド(a2)のいずれか一方
か、または両方の結晶化温度が210℃を越えると、成
形品の形状や、成形条件によっては得られる成形品の表
面に無機充填材が露出し、外観の良い成形品が得られな
い場合がある。本発明に用いられるポリアミドの結晶化
温度は、日本工業規格(JIS)K7121に準じ、D
SCを用いて、融点+30℃の温度で5分間保持した
後、20℃/分の降温速度で測定した結晶化ピークのト
ップ温度をいう。
【0014】本発明の(a1 )結晶化温度が210℃以
下で且つそのモノマー構成単位に芳香環を含む半芳香族
ポリアミドについてさらに詳しく以下に説明する。結晶
化温度が210℃以下で芳香環をそのモノマー構造単位
に含む半芳香族ポリアミドとしては、例えばテレフタル
酸とヘキサメチレンジアミンとから得られるヘキサメチ
レンテレフタラミド単位(以下「6T成分」と記す)、
イソフタル酸およびヘキサメチレンジアミンから得られ
るヘキサメチレンイソフタラミド単位(以下「6I成
分」と記す)、アジピン酸とメタキシリレンジアミンと
から得られるメタキシリレンアジパミド単位(以下「M
XD6成分」と記す)から選ばれた少なくとも1つを含
む半芳香族ポリアミド、および前記6T成分、6I成
分、およびMXD6成分から選ばれた少なくとも1つ
と、アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンから得ら
れるヘキサメチレンアジパミド単位(以下「66成分」
と記す)との共重合体であり、各単位の単独重合体及び
/又は共重合体とのブレンドでもよい。
【0015】本発明において特に好ましい半芳香族ポリ
アミド(a1 )としては、66成分が70〜95重量
%、および6I成分が5〜30重量%の範囲であるポリ
アミド66/6I共重合体であり、特に好ましいのは、
66成分が72〜93重量%、6I成分が7〜28重量
%の範囲である共重合体である。6I成分が5重量%よ
り少ないと、吸水後の実使用下において強度、剛性が低
下し、また成形時の成形収縮率が大きく、反り変形等の
問題が生じる。特に、大型の成形品になればなるほどわ
ずかな樹脂の成形収縮率の差で成形品全体が大きく反
り、その問題は大きくなる。6I成分が30重量%より
多いと、水による温度調節のされた100℃以下の温度
にある金型を使って成形した場合等において、無機充填
材が成形品表面上に浮き上がりやすくなり十分表面光沢
性の満足された成形品が得られない場合がある。更に、
金型内で十分冷却時間を取らなければ成形品が金型から
離型しなくなり、生産性が悪くなる場合がある。
【0016】次に結晶化温度が210℃以下である脂肪
族ポリアミド(a2 )について説明する。これらの例と
しては、ナイロン6、ナイロン610、ナイロン61
2、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66/6共
重合体、またはこれらのブレンド物等が挙げられる。本
発明において使用するポリアミド(A)中には前記脂肪
族ポリアミド(a2)を0重量%以上15重量%以下配
合することができる。15重量%を超える場合には、機
械的物性が低下し、更に降雨を伴う耐候性での黒退色が
著しく好ましくない。
【0017】本発明に用いるポリアミドを製造する方法
としては、例えば、アジピン酸、イソフタル酸とヘキサ
メチレンジアミンの塩から溶融重合法、固相重合法、塊
状重合法、溶液重合法、またはこれらを組み合わせた方
法等、種々の重縮合を行うことができる方法が利用でき
る。また、アジピン酸クロライド、イソフタル酸クロラ
イドとヘキサメチレンジアミンから溶液重合、界面重合
等の方法によっても得ることができる。これらの中で好
ましくは、溶融重合もしくは溶融重合と固相重合の組み
合わせによる方法が経済的にも好ましい。
【0018】本発明に用いるポリアミドの分子量は、硫
酸溶液粘度ηr(ポリマー1gに対して95.5%硫酸
100ml、25℃測定)が1.5〜3.5、好ましく
は1.8〜3.0、更に好ましくは2.0〜2.8であ
る。ηrが1.5より低いと樹脂組成物が脆くなり、更
に成形時にシリンダーのノズル先端からのドローリング
が激しくなり成形できなくなる。また、ηrが3.5よ
り高いと樹脂の溶融粘度が高くなり過ぎて成形時に金型
のデザインによっては部分的に無機充填材の露出が見ら
れ表面光沢性が低下し好ましくない。ポリアミド(A)
の配合量としては30〜70重量部の範囲であり、好ま
しくは35〜67重量部である。配合量が30重量部よ
り少ない場合には樹脂の流動性が悪くなり薄肉部への樹
脂の充填が困難となるばかりでなく、表面光沢性の良い
成形品を得ることが困難となり、又70重量部より多い
と金属代替可能な外装材料として強度、剛性が不足す
る。
【0019】本発明に用いられる無機充填材(B)は、
ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、タルク、カオリン、ワ
ラストナイトの群から選ばれる少なくとも1種以上の無
機充填材であり、ガラス繊維とマイカ、ガラス繊維とカ
オリンまたは焼成カオリン、ガラス繊維とワラストナイ
トのように併用して用いることもできる。中でもガラス
繊維が好ましい。ガラス繊維は、通常熱可塑性樹脂に使
用されているものを使うことができ、繊維径や長さに特
に制限はなく、例えば直径が5〜30μmのチョップド
ストランド、ロービング、ミルドファイバーなどのいず
れを使用しても良い。チョップドストランドを用いる場
合にはその長さが0.1〜6mmの範囲で適宜選択して
用いることができる。
【0020】無機充填材は、その表面に通常公知のシラ
ン系カップリング剤を付与させたものを用いても良い。
例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシランなどが利用できる。無機充填材の配合量
としては30〜70重量部であり、好ましくは33〜6
5重量部である。配合量が30重量部より少ない場合に
は金属代替可能な材料として強度剛性が不足し、又70
重量部より多いと樹脂の流動性が悪くなり薄肉部への樹
脂の充填が困難となるばかりでなく、表面光沢性の良い
成形品を得ることが困難となる。
【0021】本発明において、特に好ましく用いられる
ものは、その平均繊維径が15〜30μmのガラス繊維
である。本発明におけるガラス繊維の平均繊維径は、黒
着色強化ポリアミド樹脂組成物ペレット中のガラス繊維
を300〜1000本無作為に抽出し、光学顕微鏡下に
て実測して求めたものであり、数平均繊維径をもって平
均繊維径とする。ガラス繊維径が15μmより細いと、
用途によっては外観、耐候性が十分でない場合がある。
ガラス繊維径が30μmよりも太いと所望する繊維長が
得られず、機械的特性、特に強度が充分でない場合があ
る。
【0022】本発明で用いるカーボンブラック(C)
は、特に限定されるものではないが、例えば、サーマル
ブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、
ケッチェンブラック、ファーネスブラック等を用いるこ
とができる。本発明におけるカーボンブラックの添加量
は、(A)および(B)の総量100重量部に対して
0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部で
ある。添加量が0.05重量部未満であると耐候性の改
良効果が充分発揮されず、また添加量が10重量部を超
えると強度、剛性等を損ねる恐れがあり好ましくない。
【0023】本発明で用いる銅フタロシアニン誘導体
(D)は、下記一般式(I)または(II)で表される
銅フタロシアニン誘導体である。
【化3】 [式中、CuPcは置換または無置換の銅フタロシアニ
ン残基、Xは−CH2 −、−CH2 −CH2 −COO−
2 4 −または−CH2 −CH2 −COO−C 3 6
−、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に水素原子、
無置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル
基、アルキルアリール基、アリール基、アルコキシアル
キル基または複素環残基、R4 はアルキルアリール基、
アリール基、アルコキシアルキル基または複素環残基を
示し、しかもR1 とR2 、R3 とR4は相互に結合して
置換または無置換の複素環を形成してもよく、nは1〜
4(平均値)を示す。]
【0024】本発明における銅フタロシアニン誘導体の
例としては、例えば、(アルキル)フタルイミドメチル
銅フタロシアニン、ジアルキルアミノメチル銅フタロシ
アニン、(アルキル)アニリノスルファモイル銅フタロ
シアニン、アルコキシプロピルスルホンアミド銅フタロ
シアニン、ジアルキルアミノプロピルスルホンアミド銅
フタロシアニン等が挙げられる。なかでも成形品外観の
点で(アルキル)アニリノスルファモイル銅フタロシア
ニン、アルコキシプロピルスルホンアミド銅フタロシア
ニン、ジアルキルアミノプロピルスルホンアミド銅フタ
ロシアニン等の銅フタロシアニンスルホンアミド誘導体
が好ましい。
【0025】本発明で用いる銅フタロシアニン誘導体の
製造方法としては、塩素原子、臭素原子、スルホン基等
で置換された銅フタロシアニンあるいは無置換の銅フタ
ロシアニンを用いて従来公知の方法により製造できる。
例えば、スルホンアミド置換銅フタロシアニンを製造す
る方法としては、公知の方法、例えば、銅フタロシアニ
ンをクロルスルホン酸に溶解し、ついで塩化チオニルで
処理し、銅フタロシアニンスルホクロライドを得、この
銅フタロシアニンスルホクロライドと各種アミンとを反
応させることにより得ることができる。
【0026】本発明における銅フタロシアニン誘導体
(D)の配合量は、カーボンブラック(C)100重量
部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜50重
量部である。カーボンブラックに対する銅フタロシアニ
ン誘導体の添加量が5重量部未満であると成形品表面に
無機充填材が露出しまた、屋外暴露においても退色が大
きい。また、銅フタロシアニン誘導体の添加量が100
重量部を越えても耐候性能は飽和してしまい経済的でな
い。より好ましい銅フタロシアニンの配合量は、カーボ
ンブラック(C)100重量部に対して5〜100重量
部であり、かつ(B)無機充填材100重量部に対して
0.1〜8重量部である。銅フタロシアニン誘導体の配
合量が無機充填材100重量部に対して0.1重量部未
満であると、成形品表面に無機充填材が露出しまた、屋
外暴露においても退色が大きい場合がある。また、銅フ
タロシアニン誘導体の配合量が無機充填材100重量部
に対して8重量部を越えると耐候性能は飽和してしまい
経済的でない場合がある。
【0027】本発明で用いる銅フタロシアニン誘導体以
外の銅化合物としては、塩化銅、臭化銅、フッ化銅、ヨ
ウ化銅、チオシアン酸銅、硝酸銅、酢酸銅、ナフテン酸
銅、カプリン酸銅、ラウリン酸銅、ステアリン酸銅、ア
セチルアセトン銅、酸化銅(I)、および酸化銅(I
I)などが例示できるが、これらの中では特にハロゲン
化銅、酢酸銅が好適に使用できる。該銅化合物の添加量
はポリアミドに対して、銅化合物を銅化合物中の銅を基
準として好ましくは10〜1000ppm、特に好まし
くは50〜800ppmである。添加量が10ppm未
満の場合には耐候性改良の効果が充分に得られず、また
添加量が1000ppmを超える場合には耐候性改良効
果が飽和してしまうとともに、金属に対する腐食、例え
ば重合反応器、押出機、成形機等の金属腐食、成形品内
にインサートされた金属の腐食が起こり易くなる場合が
あり好ましくない。
【0028】また、本発明における銅化合物はヨウ素化
合物と併用して用いることが特に好ましい。ヨウ素化合
物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシ
ウム、ヨウ化アンモニウムなどを例示でき、ヨウ素単体
でも良い。好ましくは、ヨウ化カリウムである。ヨウ素
化合物の配合量としては、ポリアミドに対してヨウ素元
素と銅元素のグラム原子比率([ヨウ素]/[銅])が
5〜30の範囲であることが好ましく、特に好ましくは
10〜25の範囲である。5より小さくなると十分な耐
候性改善効果がえられず、30より大きくなると金属に
対する腐食、例えば重合反応器、押出機、成形機等の金
属腐食、成形品内にインサートされた金属の腐食が起こ
り易くなる場合があり好ましくない。
【0029】本発明で用いるホスファイト化合物に特に
制限はないが、例えば、トリオクチルホスファイト、ト
リラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、オ
クチルージフェニルホスファイト、トリスイソデシルホ
スファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェ
ニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシ
ル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイ
ト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルト
リデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2、4
ージーtーブチルフェニルホスファイト)、トリス(ブ
トキシエチル)ホスファイト、テトラトリデシルー4、
4’ーブチリデンビス(3ーメチルー6ーtーブチルフ
ェノール)ージホスファイト、4、4’ーイソプロピリ
デンージフェノールアルキルホスファイト(但し、アル
キル基は炭素数12〜15程度)、4、4’ーイソプロ
ピリデンビス(2ーtーブチルフェノール)・ジ(ノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホス
ファイト、テトラ(トリデシル)1、1、3ートリス
(2ーメチルー5ーtーブチルー4ーヒドロキシフェニ
ル)ブタンジホスファイト、テトラ(トリデシル)ー
4、4’ーブチリデンビス(3ーメチルー6ーtーブチ
ルフェノール)ジホスファイト、テトラ(炭素数1〜1
5の混合アルキル)ー4、4’ーイソプロピリデンジフ
ェニルジホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフ
ェニル)ホスファイト、4、4’ーイソプロピリデンビ
ス(2ーtーブチルフェノール)・ジ(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、9,10ージーヒドロー9ーオキサ
ー9ーオキサー10ーホスファフェナンスレンー10ー
オキサイド、トリス(3、5ージーtーブチルー4ーヒ
ドロキシフェニル)ホスファイト、水素化ー4、4’ー
イソプロピリデンジフェニルポリホスファイト、ビス
(オクチルフェニル)・ビス(4、4’ブチリデンビス
(3ーメチルー6ーtーブチルフェノール))・1、6
ーヘキサンオールジフォスファイト、ヘキサトリデシル
ー1、1、3ートリス(2ーメチルー4ーヒドロキシー
5ーtーブチルフェノール)ジホスファイト、トリス
(4、4’ーイソプロピリデンビス(2ーtーブチルフ
ェノール))ホスファイト、トリス(1、3ーステアロ
イルオキシイソプロピル)ホスファイト、9、10ージ
ヒドロー9ーホスファフェナンスレンー10ーオキサイ
ド、およびテトラキス(2、4ージーtーブチルフェニ
ル)4、4’ービフェニレンジホスファイトなどが挙げ
られる。
【0030】さらに、好ましいホスファイト化合物とし
てペンタエリスリトール型ホスファイト化合物が挙げら
れる。ペンタエリストール型ホスファイト化合物の具体
的な例としては、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフ
ェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・メチ
ル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−
t−ブチル−4 −メチルフェニル・2 −エチルヘキシル
・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t
−ブチル−4 −メチルフェニル・イソデシル・ペンタエ
リスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−
4 −メチルフェニル・ラウリル・ペンタエリスリトール
ジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフ
ェニル・イソトリデシル・ペンタエリスリトールジホス
ファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル
・ステアリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、
2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・シクロヘ
キシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −
ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・ベンジル・ペン
タエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチ
ル−4 −メチルフェニル・エチルセロソルブ・ペンタエ
リスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−
4 −メチルフェニル・ブチルカルビトール・ペンタエリ
スリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル・オクチルフェニル・ペンタエリスリ
トールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メ
チルフェニル・ノニルフェニル・ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ビス(2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メ
チルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,6 −ジ−t−ブチル−4 −エチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブ
チル−4 −メチルフェニル・2,6 −ジ−t−ブチルフェ
ニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ
−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4 −ジ−t−ブ
チルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、
2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・2,4 −ジ
−t−オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホス
ファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル
・2 −シクロヘキシルフェニル・ペンタエリスリトール
ジホスファイト、2,6 −ジ−t−アミル−4 −メチルフ
ェニル・フェニル・ペンタエリストリトールジホスファ
イト、ビス(2,6 −ジ−t−アミル−4 −メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6
−ジ−t−オクチル−4 −メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイトなどが挙げられる。
【0031】中でも、ビス(2,6 −ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,6 −ジ−t−ブチル−4 −エチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6
−ジ−t−アミル−4 −メチルフェニル)ペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(2,6 −ジ−t−オクチ
ル−4 −メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイトが挙げられ、特にビス(2,6 −ジ−t−ブチル
−4 −メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイトが好ましい。
【0032】上記ホスファイト化合物の添加量は(A)
ポリアミドに対して10〜10000ppmが好まし
く、特に好ましくは500〜8000ppmである。添
加量が10ppm未満の場合には使用される部品の、表
面の仕上げ状態や、部品が置かれる環境によっては耐候
性が充分ではない場合がある。より高い耐候性が必要な
場合は10000ppmを上限にホスファイト化合物を
添加することでさらに耐候性が改善される。しかしなが
ら、ホスファイト化合物の添加量が10000ppmを
超える場合には耐候性改良効果が飽和してしまう。また
重合、溶融混練等の製造時や、溶融成形加工時に分子量
が異常に増大してしまう場合があり、該分子量の増大の
ため、流動性が低下し、外観が損なわれたり、場合によ
っては成形自体が困難となる恐れがある。
【0033】本発明の黒着色ポリアミド樹脂組成物の製
造方法としては上記の(A)〜(D)成分および必要に
応じて用いられる各種の添加剤を混合し、混練すればよ
い。その際、配合、混練方法や順序には特に制限はな
く、通常用いられる混合機、例えば、ヘンシェルミキサ
ー、タンブラー、リボンブレンダー等で混合が行われ
る。混練機としては一般に単軸または2軸の押出機が用
いられる。このような押出機により、通常はまず上記本
発明の樹脂組成物からなるペレットが製造され、このペ
レットを圧縮成形、射出成形、押出成形等により任意の
形状に成形して所望の樹脂製品とすることができる。射
出成形条件としては特に限定はないが、成形温度が25
0℃〜310℃の範囲、金型温度が40℃〜120℃の
範囲で成形する方法が例示できる。
【0034】また、本発明の組成物を得るための混合順
序にしても特に制限はないが、(A)、(B)、
(C)、および(D)を一括して混練する方法、
(A)および(B)とを溶融混練後(C)および(D)
を混練する方法等が挙げられ、また、全部を溶融混練せ
ずに、いわゆるペレットブレンドする方法としては、
(A)の一部と(B)を溶融混練したものと(A)の残
りと(C)および(D)とを溶融混練したものをペレッ
トブレンドして加工に供する方法等を例示できる。また
予め、ポリアミド(a2 )にカーボンブラックと銅フタ
ロシアニン誘導体を高濃度で含むマスターペレットを製
造しておき、これと無機充填材配合ポリアミド樹脂とを
ブレンドまたは再混練して用いることもできる。さら
に、銅化合物、ホスファイト化合物は、ポリアミド
(A)の重合時にあらかじめ添加することができ、また
ポリアミド(A)と(B)及び/又は(C)及び/又は
(D)との溶融混練の際に添加することもできる。ポリ
アミドとガラス繊維の溶融混練においては、通常の単軸
または2軸押出機を用いることができ、適宜、スクリュ
ー構成・回転数、押出温度、およびガラス繊維の供給口
を選択することで、ガラス繊維のアスペクト比を所定の
範囲に制御することができる。
【0035】本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要
に応じ本発明の目的を損なわない範囲に於いて通常のポ
リアミド樹脂に添加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、
熱安定剤、光劣化防止剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核
剤、難燃剤等を添加することもできるし、他の熱可塑性
樹脂をブレンドしても良い。本発明により得られる組成
物を用いることにより、例えば、アウタードアハンド
ル、ホイールキャップ、ルーフレール、ドアミラーベー
ス、ルームミラーアーム、サンルーフデフレクター、ラ
ジエターファン、ベアリングリテーナー等の自動車部
品、および机および椅子の脚、座受け、肘掛け等の各種
オフィス部品、更には、車椅子部品、ドアハンドル、手
摺り、浴室等の握り棒、窓用ノブ、グレーティング材等
工業用途および雑貨用途に利用できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何
等限定されるものではない。尚、評価方法は下記の通り
である。 結晶化温度:JIS−K7121に準じ、ポリアミド樹
脂組成物約10mgを精秤し、パーキンエルマー社製D
SC7を用いて、融点+30℃の温度で5分間保持した
後、20℃/分の降温速度で測定した際に得られる結晶
化ピークのトップ温度を用いた。 ガラス繊維の平均繊維径:蟻酸中にポリアミド樹脂組成
物のペレットを入れ、ポリアミドを溶解させ、ガラス繊
維を沈殿させる。得られた沈殿物を光学顕微鏡下で観察
し、無作為に選んだ300〜1000本のガラス繊維の
直径を旭化成工業(株)製画像解析装置IP−1000
を用いて測定し、数平均繊維径を求めた。
【0037】引張特性:東芝機械(株)社製IS50E
P射出成形機を用い、シリンダー温度290℃で、充填
時間が約1秒になるように射出圧力、速度を適宜調整し
て試験片を得た。尚、金型温度は、80〜120℃の範
囲でポリアミドのガラス転移温度に応じて適宜設定し
た。得られた試験片を用い、ASTM−D638に準じ
て引張強度、引張伸度を測定した。 吸水時の曲げ弾性率:前項の引張特性に用いた試験片と
同様の方法で試験片を得、得られた成形品を室温23
℃、相対湿度50%に調整された恒温恒湿室に平衡吸水
率に至るまで静置後、ASTM−D790に準じて曲げ
弾性率を測定した。
【0038】表面光沢性:東芝機械(株)社製IS15
0E射出成形機を用いて、シリンダー温度290℃、金
型温度90℃および120℃で、充填時間が約1.5秒
になるように射出圧力、および速度を適宜調整し、10
0×90×3mmの射出成形板を得た。この平板を用
い、光沢計(HORIBA製IG320)を用いてJI
S−K7150に準じて60度グロスを測定した。 耐候性:上記表面光沢性の評価に用いたと同様にして、
金型温度120℃で得た射出成形板をキセノンアーク式
促進耐候試験機(アトラス社製XENOTEST 1200CPS) を用
いてブラックパネル温度83℃、1時間に12分の水ス
プレー条件にて300時間暴露し評価した。暴露前後の
表面光沢性と色調を測定し、それぞれ光沢保持率および
色差を求めた。測定方法は前記のとおりである。光沢保
持率は暴露前光沢度に対する暴露後の光沢度の百分率で
表され、この保持率が高い程、又色差(ΔE)が小さい
程耐候性が良好であると判断できる。尚、色差は、日本
電色社製色差計ND−300Aを用いて測定した。
【0039】本発明の実施例に用いた原料を以下に示
す。 (A)ポリアミド a1:後記する重合例1で得られたポリアミド66/6I(80/20)共重 合体 結晶化温度;195℃ a2:後記する重合例2で得られたポリアミド66/6I/6T共重合体(7 0/20/10) 結晶化温度;195℃ a3:ポリアミドMXD6 三菱エンジニアリング樹脂(株)製; 商品名:レニー6002 結晶化温度;205℃ a4:ポリアミド66 旭化成工業(株)製; 商品名:レオナ1300 結晶化温度;225℃ a5:ポリアミド6 宇部興産(株)製; 商品名:SF1013A 結晶化温度;162℃ a6:後記する重合例3で得られたポリアミド66/6I(80/20)共重 合体(銅化合物含有) 結晶化温度;195℃
【0040】(B)無機充填材 b1:ガラス繊維 旭ファイバーグラス(株)社製 商品名:CS03JA416 平均繊維径10μm b2:ガラス繊維 旭ファイバーグラス(株)社製 商品名:CS03TAFT692 平均繊維径23μm b3:ワラストナイト 林化成(株)社製 商品名:VM−8N b4:焼成カオリン エンゲルハルト社製 商品名:トランスリンク445 b5:タルク (株)龍森社製 商品名:RS6002 b6:マイカ (株)レプコ社製 商品名:M−325CT (C)カーボンブラック c1:ファーネス法カーボンブラック 三菱化学(株)
製;#50 c2:チャンネル法カーボンブラック デグサ社製;F
W200
【0041】(D)銅フタロシアニン誘導体 d1:銅フタロシアニンスルフォンアミド誘導体
【化4】 大日本インキ化学(株)製 d2:銅フタロシアニンイミドメチル誘導体
【化5】 大日本インキ化学工業(株)製 (E)ホスファイト化合物 e1:ビス(2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ニル)ペンタエリストール−ジ−ホスファイト ア
デカアーガス社製; 商品名:PEP−36e2:トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイトチバガイギー社製; 商品名:Irgafos168
【0042】〔重合例1〕アジピン酸とヘキサメチレン
ジアミンの等モル塩2.00kgとイソフタル酸とヘキ
サメチレンジアミンの等モル塩0.44kgおよびアジ
ピン酸0.10kg、および純水2.5kgを5リット
ルのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。充分窒
素置換した後、攪拌しながら温度を室温から220℃ま
で約1時間かけて昇温した。この際、オートクレーブ内
の水蒸気による自然圧で内圧は18kg/cm2 −Gに
なるが、18kg/cm2 −G以上の圧力にならないよ
う水を反応系外に除去しながらさらに加熱を続けた。さ
らに2時間後内温が260℃に到達した後、加熱を止
め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約8時間か
けて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブを開け、
約2kgのポリマーを取り出し粉砕した。得られた粉砕
ポリマーを10リットルのエバポレーターに入れ窒素気
流下、200℃で10時間固相重合した。固相重合によ
って得られたポリアミドは、末端カルボキシル基濃度が
102 m当量/kgであり、末端アミノ基濃度は44m
当量/kgであった。
【0043】〔重合例2〕アジピン酸とヘキサメチレン
ジアミンの等モル塩1.75kgとイソフタル酸とヘキ
サメチレンジアミンの等モル塩0.50kgとテレフタ
ル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.25kg
およびアジピン酸0.10kg、および純水2.5kg
を5リットルのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌し
た。充分窒素置換した後、攪拌しながら温度を室温から
220℃まで約1時間かけて昇温した。この際、オート
クレーブ内の水蒸気による自然圧で内圧は18kg/c
2−Gになるが、18kg/cm2 −G以上の圧力に
ならないよう水を反応系外に除去しながらさらに加熱を
続けた。さらに2時間後内温が260℃に到達した後、
加熱を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約
8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブ
を開け、約2kgのポリマーを取り出し粉砕した。得ら
れた粉砕ポリマーを10リットルのエバポレーターに入
れ窒素気流下、200℃で10時間固相重合した。固相
重合によって得られたポリアミドは、末端カルボキシル
基濃度が105 m当量/kgであり、末端アミノ基濃度
は38m当量/kgであった。
【0044】〔重合例3〕アジピン酸とヘキサメチレン
ジアミンの等モル塩2.00kgとイソフタル酸とヘキ
サメチレンジアミンの等モル塩0.5kgおよびアジピ
ン酸0.10kg、純水2.5kg、ヨウ化銅0.63
g、ヨウ化カリウム11.1gを5リットルのオートク
レーブの中に仕込みよく攪拌した。充分窒素置換した
後、攪拌しながら温度を室温から220℃まで約1時間
かけて昇温した。この際、オートクレーブ内の水蒸気に
よる自然圧で内圧は18kg/cm2 −Gになるが、1
8kg/cm2 −G以上の圧力にならないよう水を反応
系外に除去しながらさらに加熱を続けた。さらに2時間
後内温が260℃に到達した後、加熱を止め、オートク
レーブの排出バルブを閉止し、約8時間かけて室温まで
冷却した。冷却後オートクレーブを開け、約2kgのポ
リマーを取り出し粉砕した。得られた粉砕ポリマーを1
0リットルのエバポレーターに入れ窒素気流下、200
℃で10時間固相重合した。固相重合によって得られた
ポリアミドは、末端カルボキシル基濃度が102 m当量
/kgであり、末端アミノ基濃度は44m当量/kgで
あった。
【0045】
【実施例1】ポリアミドとしてa1、カーボンブラック
としてc1、および銅フタロシアニン誘導体としてd1
を混合して、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機
(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )に
フィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口よ
り無機充填材としてb1を、それぞれ最終組成物が表1
に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された
溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒
着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例2】ポリアミドとしてa6を用いた他は、実施
例1と同様にして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得
た。
【0046】
【実施例3】ポリアミドとしてa6、カーボンブラック
としてc1、銅フタロシアニン誘導体としてd1、およ
びホスファイト化合物としてe1を混合して、東芝機械
(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、
スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより
供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb
1を、それぞれ最終組成物が表1に示す組成となるよう
に供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストラン
ド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹
脂組成物を得た。
【実施例4】最終組成物が表1に示す組成となるように
実施例1と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成
物を得た。
【0047】
【実施例5】ポリアミドとしてa5を85.6重量部、
カーボンブラックとしてc1を12重量部、および銅フ
タロシアニン誘導体としてd1を2.4重量部を混合し
て、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温
度250℃、スクリュー回転数300rpm )にフィード
ホッパーより供給し、黒着色用マスターバッチとした。
次いで、ポリアミドとしてa1および上記黒着色用マス
ターバッチを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2
軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300
rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィ
ード口より無機充填材としてb1を、それぞれ最終組成
物が表1に示す組成となるように供給し、紡口より押し
出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイ
ズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0048】
【実施例6】ポリアミドとしてa6および実施例5記載
の黒着色用マスターバッチを混合し、東芝機械(株)製
TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュ
ー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、
更にサイドフィード口より無機充填材としてb1を、そ
れぞれ最終組成物が表1に示す組成となるように供給
し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で
冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成
物を得た。
【実施例7】無機充填材としてb2を用いた他は、実施
例1同様の方法で、最終組成物が表1に示す組成となる
ように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0049】
【実施例8〜13】カーボンブラック、および銅フタロ
シアニン誘導体の種類と配合量を、表2に示す組成とし
た以外は実施例7と同様にして黒着色強化ポリアミド樹
脂組成物を得た。
【実施例14】ポリアミドとしてa1および実施例5記
載の黒着色用マスターバッチを混合し、東芝機械(株)
製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリ
ュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給
し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb2
を、それぞれ最終組成物が表2に示す組成となるように
供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド
状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂
組成物を得た。
【0050】
【実施例15】ポリアミドとしてa1、a6および実施
例5記載の黒着色用マスターバッチを混合し、東芝機械
(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、
スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより
供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb
2を、それぞれ最終組成物が表3に示す組成となるよう
に供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストラン
ド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹
脂組成物を得た。
【実施例16】ポリアミドとしてa6および実施例5記
載の黒着色用マスターバッチを混合し、東芝機械(株)
製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリ
ュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給
し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb2
を、それぞれ最終組成物が表3に示す組成となるように
供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド
状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂
組成物を得た。
【0051】
【実施例17】ポリアミドとしてa1、実施例5記載の
黒着色用マスターバッチ、銅化合物としてCuIおよび
KIを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出
機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )
にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口
より無機充填材としてb2を、それぞれ最終組成物が表
3に示す組成となるように供給し、紡口より押し出され
た溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして
黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例18、19】ホスファイト化合物の種類と量を
表3に示す組成になるようポリアミドと混合して押出機
に供給した以外は、実施例14と同様の方法で黒着色強
化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0052】
【実施例20】ポリアミドとしてa6、無機充填材とし
てb1を用いた以外は、実施例18と同様の方法で黒着
色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例21】無機充填材としてb2を用いた以外は、
実施例20と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組
成物を得た。
【0053】
【実施例22】ポリアミドとしてa1、無機充填材の一
部としてb4、カーボンブラックとしてc1、および銅
フタロシアニン誘導体としてd1を混合して、東芝機械
(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、
スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより
供給し、更にサイドフィード口より無機充填材の残りb
1を、それぞれ最終組成物が表4に示す組成となるよう
供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド
状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂
組成物を得た。
【実施例23】無機充填材としてb3を用い、最終組成
が表4に示す組成になるように実施例1と同様の方法で
黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0054】
【実施例24】ポリアミドとしてa6、無機充填材の一
部としてb3、および実施例5記載の黒着色用マスター
バッチを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押
出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm
)にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィー
ド口より無機充填材の残りとしてb2を、それぞれ最終
組成物が表4に示す組成となるように供給し、紡口より
押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレ
タイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0055】
【実施例25】ポリアミドとしてa6、無機充填材の一
部としてb5、および実施例5記載の黒着色用マスター
バッチを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押
出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm
)にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィー
ド口より無機充填材の残りとしてb1を、それぞれ最終
組成物が表4に示す組成となるように供給し、紡口より
押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレ
タイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0056】
【実施例26】ポリアミドとしてa6、実施例5記載の
黒着色用マスターバッチ、および無機充填材の一部とし
てb6、を混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸
押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rp
m )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィー
ド口より無機充填材の残りとしてb1を、それぞれ最終
組成物が表4に示す組成となるように供給し、紡口より
押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレ
タイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0057】
【実施例27】ポリアミドとしてa2を用いた以外は、
実施例1と同様にして最終組成が表4に示す組成になる
ように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例28】ポリアミドとしてa3を用いた以外は、
実施例1と同様にして最終組成が表4に示す組成になる
ように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0058】
【実施例29】ポリアミドとしてa3、a4、実施例5
記載の黒着色用マスターバッチ、無機充填材の一部とし
てb5、銅化合物としてCuI、およびKIを混合し、
東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度2
80℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッ
パーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材
の残りとしてb1を、それぞれ最終組成物が表5に示す
組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混
練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強
化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0059】
【実施例30】ポリアミドとしてa3、実施例5記載の
黒着色用マスターバッチ、銅化合物としてCuI、およ
びKIを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押
出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm
)にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィー
ド口より無機充填材としてb1を、それぞれ最終組成物
が表5に示す組成となるように供給し、紡口より押し出
された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズ
して黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例31、33】ポリアミドとしてa5を用いた以
外は、実施例1と同様にして最終組成が表5に示す組成
になるように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0060】
【実施例32、34】無機充填材をb2とした以外は実
施例31と同様にして最終組成が表5に示す組成になる
ように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例35】銅フタロシアニン誘導体の量を表6にし
めす組成にした以外は、実施例34と同様にして黒着色
強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0061】
【実施例36】ポリアミドとしてa4を用いた以外は、
実施例1と同様にして最終組成が表6に示す組成になる
ように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例37】ポリアミドとしてa5、銅化合物として
CuI、およびKIを混合し、東芝機械(株)製TEM
35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転
数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサ
イドフィード口より無機充填材としてb1を、それぞれ
最終組成物が表6に示す組成となるように供給し、紡口
より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、
ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得
た。
【0062】
【比較例1】ポリアミドとしてa1、カーボンブラック
としてc1、および銅フタロシアニン誘導体としてd1
を表7に示す組成になるよう混合して、東芝機械(株)
製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリ
ュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給
し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で
冷却し、ペレタイズして黒着色ポリアミド樹脂組成物を
得た。実施例1、4、5および7と比較し吸水時の曲げ
弾性率が低い。
【比較例2】カーボンブラック、および銅フタロシアニ
ン誘導体の配合量を表7に示す組成にした以外は実施例
7と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得
た。実施例7と比較し、耐候性が明らかに劣る。
【0063】
【比較例3】カーボンブラック、および銅フタロシアニ
ン誘導体の配合量を表7に示す組成にした以外は実施例
7と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得
た。実施例7と比較し、表面光沢性が明らかに劣る。
【比較例4】銅フタロシアニン誘導体を配合しなかった
以外は実施例7と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹
脂組成物を得た。実施例7と比較し、表面光沢性が明ら
かに劣る。
【0064】
【比較例5】銅フタロシアニン誘導体の配合量をカーボ
ンブラック100重量部に対し1000重量部とした以外は
実施例7と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成
物を得た。実施例7と比較し、耐候性が明らかに劣る。
【比較例6】銅フタロシアニン誘導体の種類をd3とし
た以外は実施例7と同様の方法で黒着色強化ポリアミド
樹脂組成物を得た。実施例7と比較し、表面光沢性が明
らかに劣る。
【0065】
【比較例7】銅フタロシアニン誘導体のかわりにニグロ
シン(オリエント化学社製スプリットブラックSB)を
配合した以外は実施例7と同様の方法で黒着色強化ポリ
アミド樹脂組成物を得た。実施例7と比較し、耐候性が
明らかに劣る。
【比較例8】ホスファイト化合物の配合量をポリアミド
に対し20000ppm配合した以外は実施例18と同様の方法
で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。実施例18
と比較し、表面光沢性が明らかに劣る。
【0066】
【比較例9】ポリアミドとしてa5を用いた以外は比較
例1と同様の方法で表8に示す組成になるよう配合して
黒着色ポリアミド樹脂組成物を得た。実施例31〜35
と比較し、吸水時の曲げ弾性率が明らかに劣る。
【比較例10】カーボンブラック、および銅フタロシア
ニン誘導体の配合量を表8に示す組成にした以外は実施
例33と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物
を得た。実施例33と比較し、耐候性が明らかに劣る。
【0067】
【比較例11】カーボンブラック、および銅フタロシア
ニン誘導体の配合量を表8に示す組成にした以外は実施
例28と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物
を得た。実施例28と比較し、表面光沢性が明らかに劣
る。
【比較例12】銅フタロシアニン誘導体を配合しなかっ
た以外は実施例36と同様の方法で黒着色強化ポリアミ
ド樹脂組成物を得た。実施例36と比較し、表面光沢性
が明らかに劣る。
【0068】
【比較例13】銅フタロシアニン誘導体の種類をd3と
した以外は実施例36と同様の方法で黒着色強化ポリア
ミド樹脂組成物を得た。実施例36と比較し、表面光沢
性が明らかに劣る。
【比較例14】ホスファイト化合物の配合量をポリアミ
ドに対し20000ppm配合した以外は実施例31と同様の方
法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。実施例3
1と比較し、表面光沢性が明らかに劣る。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
【表7】
【0076】
【表8】
【0077】
【発明の効果】本発明の黒着色ポリアミド樹脂組成物
は、従来のものに比較して優れた機械的物性、成形品外
観、および耐候性を有しており、特に従来金属製品であ
ったアウタードアハンドル、ホイールキャップ、ルーフ
レール、ドアミラーベース、ルームミラーアーム、サン
ルーフデフレクター、ラジエターファン、ベアリングリ
テーナー等の自動車外装部品等においても、降雨を含む
条件でも高い耐退色性および光沢保持率を有することか
ら幅広い分野に好適に利用できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(D)からなる黒着色強化
    ポリアミド樹脂組成物であって、(A)を30〜70重
    量部、(B)を70〜30重量部、(C)を(A)およ
    び(B)の総量100重量部に対して0.05〜10重
    量部、および(D)を(C)の総量100重量部に対し
    て5〜100重量部含むことを特徴とする黒着色強化ポ
    リアミド樹脂組成物。 (A)ポリアミド (B)ガラス繊維、マイカ、タルク、カオリン、ワラス
    トナイトの群から選ばれる少なくとも1種以上の無機充
    填材 (C)カーボンブラック (D)下記一般式(I)および/または(II)で表さ
    れる銅フタロシアニン誘導体 【化1】 [式中、CuPcは置換または無置換の銅フタロシアニ
    ン残基、Xは−CH2 −、−CH2 −CH2 −COO−
    2 4 −または−CH2 −CH2 −COO−C 3 6
    −、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に水素原子、
    無置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル
    基、アルキルアリール基、アリール基、アルコキシアル
    キル基または複素環残基、R4 はアルキルアリール基、
    アリール基、アルコキシアルキル基または複素環残基を
    示し、しかもR1 とR2 、R3 とR4は相互に結合して
    置換または無置換の複素環を形成してもよく、nは1〜
    4(平均値)を示す。]
  2. 【請求項2】 (B)がガラス繊維であって、かつ該ガ
    ラス繊維の平均繊維径が15〜30μmであることを特
    徴とする請求項1記載の黒着色強化ポリアミド樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (D)銅フタロシアニンの配合量が、
    (B)無機充填材100重量部に対して0.1〜8重量
    部であることを特徴とする請求項1または2記載の黒着
    色強化ポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアミド(A)が、(a1 )結晶化温
    度が210℃以下で且つそのモノマー構成単位に芳香環
    を含む半芳香族ポリアミド85〜100重量%、および
    (a2 )結晶化温度が210℃以下である脂肪族ポリア
    ミド0〜15重量%からなるポリアミドであることを特
    徴とする請求項1または2記載の黒着色強化ポリアミド
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 半芳香族ポリアミド(a1 )が、アジピ
    ン酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサ
    メチレンアジパミド単位70〜95重量%、およびイソ
    フタル酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘ
    キサメチレンイソフタラミド単位5〜30重量%から構
    成される半芳香族ポリアミドであることを特徴とする請
    求項4記載の黒着色強化ポリアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリアミド(A)に対して、銅フタロシ
    アニン誘導体以外の銅化合物を銅原子として10〜10
    00ppm及び/又はホスファイト化合物を10〜10
    000ppm含むことを特徴とする請求項1、2または
    5記載の黒着色強化ポリアミド樹脂組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002079517A (ja) * 2000-09-06 2002-03-19 Ube Material Industries Ltd 自動車外装部品
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