JP4836302B2 - 黒着色強化ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

黒着色強化ポリアミド樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、初期外観(表面光沢性)に優れ、金属代替が可能な機械的物性を有し、かつ屋外、特に降雨に曝される使用条件下でも、黒色の退色が少ない成形品を得ることができる黒着色強化ポリアミド樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド樹脂は、機械的および熱的性質並びに耐油性に優れているため、自動車や電気・電子製品等の部品に広く用いられている。また、ポリアミドにガラス繊維等の無機充填材を配合した強化ポリアミド樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐薬品性等が大きく向上することにより、従来金属製であった部品を、軽量化および工程の合理化等の観点から代替することも可能となり、近年積極的に検討が進められている。
特に屋外で使用するの用途に利用する場合には黒色の着色成形品の形で利用されることが多い。その為、最も安価に、かつ容易に耐候性を改善し、黒着色成形品を得る手段としてカーボンブラックを添加することが行われている。
しかしながら、ポリアミドに単にカーボンブラックを配合した組成物は、多くの問題点があることが知られている。
【0003】
例えば、無機充填材を含まないポリアミドにカーボンブラックを配合した組成物から得られる製品は、靱性が低下する等の問題が提起されている。その解決手段として、カーボンブラックとともに特定の染料を併用する方法が開示されている。例えば、ポリアミド樹脂にカーボンブラックとニグロシンと配合した成形用配合物(特公昭60−43379号公報)、およびナイロンを含む熱可塑性樹脂にカーボンブラックと特定の銅フタロシアニン系染料とを配合して着色する方法(特公平6−35540号公報、特公平6−35541号公報)等が例示できる。
【0004】
しかしながら、これらの開示技術には、無機充填材を含む場合に成形品表面外観を向上させる方法や降雨を伴う耐候性試験における黒色の退色を抑制する方法に関しては、何ら示唆も開示もされていない。特にポリアミドに比較的高濃度の無機充填材を含有する場合、外観や耐候性が問題になる場合が多い。
一方、無機充填材を含むポリアミドにカーボンブラックを配合した場合には、得られる成形品の表面光沢度が大きく低下する等の問題が提起されている。その解決手段として、ガラス繊維とカーボンブラックとを含むポリアミドに、さらに加えて、ニグロシンを配合した樹脂組成物(特開平4−370148号公報)を用いることが提案されている。
【0005】
しかしながら、本発明者らの検討によると、上記開示技術を用いて得られた成形品を降雨を伴う耐候性試験に供した場合に、その成形品表面に無数のクラックが発生し、特にガラス繊維の含有量が比較的高い場合は、ガラス繊維の表面への露出が著しく、屋外で使用するには大きな問題であった。
上記のように、これらの先行技術では、得られる成形品が、表面外観性に優れ、かつ金属代替可能な機械的特性を有し、さらに、屋外、特に降雨に曝される使用条件下でも、黒色の退色が少ない黒着色強化ポリアミド樹脂組成物に関してはなんら示唆も開示もされておらず、これらの特性を合わせもつポリアミド樹脂組成物の開発が強く望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、屋外、特に降雨に曝される使用条件下でも、黒色の退色が少なく成形品外観に優れた黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を提供するにある。
【0007】
本発明者らは上記課題に対して鋭意検討した結果、黒着色された無機充填材強化のポリアミド樹脂において、ポリアミド樹脂、特に芳香環含有ポリマー単位を特定量含有するポリアミド樹脂に、カーボンブラックと特定の銅フタロシアニン誘導体を特定量配合して黒着色することで、屋外、特に降雨に曝される使用条件下でも黒色の退色が少なく、外観の優れた成形品を得ることが出来る黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第一は、(A)(a1)結晶化温度が210℃以下で且つそのモノマー構成単位に芳香環を含む半芳香族ポリアミド:PA66/6I85〜100重量%、および(a2)結晶化温度が210℃以下である脂肪族ポリアミド0〜15重量%からなるポリアミドを30〜70重量部、(B)ガラス繊維、マイカ、タルク、カオリン、ワラストナイトの群から選ばれる少なくとも1種以上の無機充填材を70〜30重量部、(C)カーボンブラックを(A)および(B)の総量100重量部に対して0.05〜10重量部、および(D)下記一般式(I)及び/又は(II)で表される銅フタロシアニン誘導体を(C)100重量部に対して5〜100重量部含み、(D)を(B)100重量部に対して0.1〜8重量部含むことを特徴とする黒着色強化ポリアミド樹脂組成物である。
【0008】
【化2】
Figure 0004836302
[式中、CuPcは置換または無置換の銅フタロシアニン残基、Xは−CH2 −、−CH2 −CH2 −COO−C2 4 −または−CH2 −CH2 −COO−C3 6 −、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に水素原子、無置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、アリール基、アルコキシアルキル基または複素環残基、R4 はアルキルアリール基、アリール基、アルコキシアルキル基または複素環残基を示し、しかもR1 とR2 、R3 とR4 は相互に結合して置換または無置換の複素環を形成してもよく、nは1〜4(平均値)を示す。]
【0009】
本発明の第二は、無機充填材(B)がガラス繊維であって、該ガラス繊維の平均繊維径が15〜30μmであることを特徴とする本発明の第一に記載の黒着色強化ポリアミド樹脂組成物である。
【0010】
本発明の第は、半芳香族ポリアミド(a1)が、アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサメチレンアジパミド単位70〜95重量%、およびイソフタル酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサメチレンイソフタラミド単位5〜30重量%から構成される半芳香族ポリアミドであることを特徴とする本発明の第一に記載の黒着色強化ポリアミド樹脂組成物である。
本発明の第は、ポリアミド(A)に対して、銅フィタロシアニン誘導体以外の銅化合物を銅原子として10〜1000ppm及び/又はホスファイト化合物を10〜10000ppm配合することを特徴とする本発明の第一、第二または第三に記載の黒着色強化ポリアミド樹脂組成物である。
【0011】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリアミド(A)は特に限定されず、例えば、ε−カプロラクタム、アジピン酸、セバシン酸、ドデカ二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、ビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタン等のポリアミド形成性モノマーを適宜組み合わせて得られるホモポリマー単独、共重合体単独、ホモポリマー同士の混合物、共重合体同士の混合物、共重合体とホモポリマーの混合物等を用いることができる。このようなポリアミド樹脂の具体例としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸を重合してなるナイロン(ナイロン6I)、イソフタル酸とビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタンを重合してなるナイロン(ナイロンPACMI)などのホモポリマー、アジピン酸とイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンを重合してなるナイロン(ナイロン66/6I共重合体)、アジピン酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンを重合してなるナイロン(ナイロン66/6T共重合体)、イソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンを重合してなるナイロン(ナイロン6I/6T共重合体)、テレフタル酸と2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンと2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンを重合してなるナイロン(ナイロンTMDT共重合体)、イソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタンを重合してなる共重合ナイロンとナイロン6の混合物、MXD6ナイロンとナイロン66の混合物等が挙げられる。
【0012】
より好ましくは、ポリアミド(A)が、(a1 )結晶化温度が210℃以下で且つそのモノマー構成単位に芳香環を含む半芳香族ポリアミド85〜100重量%、および(a2 )結晶化温度が210℃以下で且つそのモノマー構造単位に芳香環を含まない脂肪族ポリアミド0〜15重量%からなるポリアミドである。すなわち、ポリアミド(A)が、(a1 )結晶化温度が210℃以下で且つそのモノマー構成単位に芳香環を含む半芳香族ポリアミド単独の場合であっても良いし、該半芳香族ポリアミド(a1 )85重量%以上100重量%未満と(a2 )結晶化温度が210℃以下で且つそのモノマー構成単位に芳香環を含まない脂肪族ポリアミドを0重量%以上15重量%以下配合したポリアミド混合物であっても良い。該ポリアミドを用いた場合、特に無機充填材の配合量が多い場合において、より外観の良好な成形品を得ることができる。
【0013】
本発明で用いる半芳香族ポリアミド(a1 )および、脂肪族ポリアミド(a2 )のいずれか一方か、または両方の結晶化温度が210℃を越えると、成形品の形状や、成形条件によっては得られる成形品の表面に無機充填材が露出し、外観の良い成形品が得られない場合がある。本発明に用いられるポリアミドの結晶化温度は、日本工業規格(JIS)K7121に準じ、DSCを用いて、融点+30℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温速度で測定した結晶化ピークのトップ温度をいう。
【0014】
本発明の(a1 )結晶化温度が210℃以下で且つそのモノマー構成単位に芳香環を含む半芳香族ポリアミドについてさらに詳しく以下に説明する。
結晶化温度が210℃以下で芳香環をそのモノマー構造単位に含む半芳香族ポリアミドとしては、例えばテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから得られるヘキサメチレンテレフタラミド単位(以下「6T成分」と記す)、イソフタル酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサメチレンイソフタラミド単位(以下「6I成分」と記す)、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから得られるメタキシリレンアジパミド単位(以下「MXD6成分」と記す)から選ばれた少なくとも1つを含む半芳香族ポリアミド、および前記6T成分、6I成分、およびMXD6成分から選ばれた少なくとも1つと、アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサメチレンアジパミド単位(以下「66成分」と記す)との共重合体であり、各単位の単独重合体及び/又は共重合体とのブレンドでもよい。
【0015】
本発明において特に好ましい半芳香族ポリアミド(a1 )としては、66成分が70〜95重量%、および6I成分が5〜30重量%の範囲であるポリアミド66/6I共重合体であり、特に好ましいのは、66成分が72〜93重量%、6I成分が7〜28重量%の範囲である共重合体である。6I成分が5重量%より少ないと、吸水後の実使用下において強度、剛性が低下し、また成形時の成形収縮率が大きく、反り変形等の問題が生じる。特に、大型の成形品になればなるほどわずかな樹脂の成形収縮率の差で成形品全体が大きく反り、その問題は大きくなる。6I成分が30重量%より多いと、水による温度調節のされた100℃以下の温度にある金型を使って成形した場合等において、無機充填材が成形品表面上に浮き上がりやすくなり十分表面光沢性の満足された成形品が得られない場合がある。更に、金型内で十分冷却時間を取らなければ成形品が金型から離型しなくなり、生産性が悪くなる場合がある。
【0016】
次に結晶化温度が210℃以下である脂肪族ポリアミド(a2 )について説明する。これらの例としては、ナイロン6、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66/6共重合体、またはこれらのブレンド物等が挙げられる。
本発明において使用するポリアミド(A)中には前記脂肪族ポリアミド(a2 )を0重量%以上15重量%以下配合することができる。15重量%を超える場合には、機械的物性が低下し、更に降雨を伴う耐候性での黒退色が著しく好ましくない。
【0017】
本発明に用いるポリアミドを製造する方法としては、例えば、アジピン酸、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの塩から溶融重合法、固相重合法、塊状重合法、溶液重合法、またはこれらを組み合わせた方法等、種々の重縮合を行うことができる方法が利用できる。また、アジピン酸クロライド、イソフタル酸クロライドとヘキサメチレンジアミンから溶液重合、界面重合等の方法によっても得ることができる。これらの中で好ましくは、溶融重合もしくは溶融重合と固相重合の組み合わせによる方法が経済的にも好ましい。
【0018】
本発明に用いるポリアミドの分子量は、硫酸溶液粘度ηr(ポリマー1gに対して95.5%硫酸100ml、25℃測定)が1.5〜3.5、好ましくは1.8〜3.0、更に好ましくは2.0〜2.8である。ηrが1.5より低いと樹脂組成物が脆くなり、更に成形時にシリンダーのノズル先端からのドローリングが激しくなり成形できなくなる。また、ηrが3.5より高いと樹脂の溶融粘度が高くなり過ぎて成形時に金型のデザインによっては部分的に無機充填材の露出が見られ表面光沢性が低下し好ましくない。
ポリアミド(A)の配合量としては30〜70重量部の範囲であり、好ましくは35〜67重量部である。配合量が30重量部より少ない場合には樹脂の流動性が悪くなり薄肉部への樹脂の充填が困難となるばかりでなく、表面光沢性の良い成形品を得ることが困難となり、又70重量部より多いと金属代替可能な外装材料として強度、剛性が不足する。
【0019】
本発明に用いられる無機充填材(B)は、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、タルク、カオリン、ワラストナイトの群から選ばれる少なくとも1種以上の無機充填材であり、ガラス繊維とマイカ、ガラス繊維とカオリンまたは焼成カオリン、ガラス繊維とワラストナイトのように併用して用いることもできる。中でもガラス繊維が好ましい。ガラス繊維は、通常熱可塑性樹脂に使用されているものを使うことができ、繊維径や長さに特に制限はなく、例えば直径が5〜30μmのチョップドストランド、ロービング、ミルドファイバーなどのいずれを使用しても良い。チョップドストランドを用いる場合にはその長さが0.1〜6mmの範囲で適宜選択して用いることができる。
【0020】
無機充填材は、その表面に通常公知のシラン系カップリング剤を付与させたものを用いても良い。例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが利用できる。無機充填材の配合量としては30〜70重量部であり、好ましくは33〜65重量部である。配合量が30重量部より少ない場合には金属代替可能な材料として強度剛性が不足し、又70重量部より多いと樹脂の流動性が悪くなり薄肉部への樹脂の充填が困難となるばかりでなく、表面光沢性の良い成形品を得ることが困難となる。
【0021】
本発明において、特に好ましく用いられるものは、その平均繊維径が15〜30μmのガラス繊維である。本発明におけるガラス繊維の平均繊維径は、黒着色強化ポリアミド樹脂組成物ペレット中のガラス繊維を300〜1000本無作為に抽出し、光学顕微鏡下にて実測して求めたものであり、数平均繊維径をもって平均繊維径とする。ガラス繊維径が15μmより細いと、用途によっては外観、耐候性が十分でない場合がある。ガラス繊維径が30μmよりも太いと所望する繊維長が得られず、機械的特性、特に強度が充分でない場合がある。
【0022】
本発明で用いるカーボンブラック(C)は、特に限定されるものではないが、例えば、サーマルブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等を用いることができる。本発明におけるカーボンブラックの添加量は、(A)および(B)の総量100重量部に対して0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。添加量が0.05重量部未満であると耐候性の改良効果が充分発揮されず、また添加量が10重量部を超えると強度、剛性等を損ねる恐れがあり好ましくない。
【0023】
本発明で用いる銅フタロシアニン誘導体(D)は、下記一般式(I)または(II)で表される銅フタロシアニン誘導体である。
【化3】
Figure 0004836302
[式中、CuPcは置換または無置換の銅フタロシアニン残基、Xは−CH2 −、−CH2 −CH2 −COO−C2 4 −または−CH2 −CH2 −COO−C3 6 −、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に水素原子、無置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、アリール基、アルコキシアルキル基または複素環残基、R4 はアルキルアリール基、アリール基、アルコキシアルキル基または複素環残基を示し、しかもR1 とR2 、R3 とR4 は相互に結合して置換または無置換の複素環を形成してもよく、nは1〜4(平均値)を示す。]
【0024】
本発明における銅フタロシアニン誘導体の例としては、例えば、(アルキル)フタルイミドメチル銅フタロシアニン、ジアルキルアミノメチル銅フタロシアニン、(アルキル)アニリノスルファモイル銅フタロシアニン、アルコキシプロピルスルホンアミド銅フタロシアニン、ジアルキルアミノプロピルスルホンアミド銅フタロシアニン等が挙げられる。なかでも成形品外観の点で(アルキル)アニリノスルファモイル銅フタロシアニン、アルコキシプロピルスルホンアミド銅フタロシアニン、ジアルキルアミノプロピルスルホンアミド銅フタロシアニン等の銅フタロシアニンスルホンアミド誘導体が好ましい。
【0025】
本発明で用いる銅フタロシアニン誘導体の製造方法としては、塩素原子、臭素原子、スルホン基等で置換された銅フタロシアニンあるいは無置換の銅フタロシアニンを用いて従来公知の方法により製造できる。例えば、スルホンアミド置換銅フタロシアニンを製造する方法としては、公知の方法、例えば、銅フタロシアニンをクロルスルホン酸に溶解し、ついで塩化チオニルで処理し、銅フタロシアニンスルホクロライドを得、この銅フタロシアニンスルホクロライドと各種アミンとを反応させることにより得ることができる。
【0026】
本発明における銅フタロシアニン誘導体(D)の配合量は、カーボンブラック(C)100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部である。カーボンブラックに対する銅フタロシアニン誘導体の添加量が5重量部未満であると成形品表面に無機充填材が露出しまた、屋外暴露においても退色が大きい。また、銅フタロシアニン誘導体の添加量が100重量部を越えても耐候性能は飽和してしまい経済的でない。
より好ましい銅フタロシアニンの配合量は、カーボンブラック(C)100重量部に対して5〜100重量部であり、かつ(B)無機充填材100重量部に対して0.1〜8重量部である。銅フタロシアニン誘導体の配合量が無機充填材100重量部に対して0.1重量部未満であると、成形品表面に無機充填材が露出しまた、屋外暴露においても退色が大きい場合がある。また、銅フタロシアニン誘導体の配合量が無機充填材100重量部に対して8重量部を越えると耐候性能は飽和してしまい経済的でない場合がある。
【0027】
本発明で用いる銅フタロシアニン誘導体以外の銅化合物としては、塩化銅、臭化銅、フッ化銅、ヨウ化銅、チオシアン酸銅、硝酸銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、カプリン酸銅、ラウリン酸銅、ステアリン酸銅、アセチルアセトン銅、酸化銅(I)、および酸化銅(II)などが例示できるが、これらの中では特にハロゲン化銅、酢酸銅が好適に使用できる。該銅化合物の添加量はポリアミドに対して、銅化合物を銅化合物中の銅を基準として好ましくは10〜1000ppm、特に好ましくは50〜800ppmである。添加量が10ppm未満の場合には耐候性改良の効果が充分に得られず、また添加量が1000ppmを超える場合には耐候性改良効果が飽和してしまうとともに、金属に対する腐食、例えば重合反応器、押出機、成形機等の金属腐食、成形品内にインサートされた金属の腐食が起こり易くなる場合があり好ましくない。
【0028】
また、本発明における銅化合物はヨウ素化合物と併用して用いることが特に好ましい。ヨウ素化合物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化アンモニウムなどを例示でき、ヨウ素単体でも良い。好ましくは、ヨウ化カリウムである。ヨウ素化合物の配合量としては、ポリアミドに対してヨウ素元素と銅元素のグラム原子比率([ヨウ素]/[銅])が5〜30の範囲であることが好ましく、特に好ましくは10〜25の範囲である。5より小さくなると十分な耐候性改善効果がえられず、30より大きくなると金属に対する腐食、例えば重合反応器、押出機、成形機等の金属腐食、成形品内にインサートされた金属の腐食が起こり易くなる場合があり好ましくない。
【0029】
本発明で用いるホスファイト化合物に特に制限はないが、例えば、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルージフェニルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2、4ージーtーブチルフェニルホスファイト)、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、テトラトリデシルー4、4’ーブチリデンビス(3ーメチルー6ーtーブチルフェノール)ージホスファイト、4、4’ーイソプロピリデンージフェノールアルキルホスファイト(但し、アルキル基は炭素数12〜15程度)、4、4’ーイソプロピリデンビス(2ーtーブチルフェノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)1、1、3ートリス(2ーメチルー5ーtーブチルー4ーヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(トリデシル)ー4、4’ーブチリデンビス(3ーメチルー6ーtーブチルフェノール)ジホスファイト、テトラ(炭素数1〜15の混合アルキル)ー4、4’ーイソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、4、4’ーイソプロピリデンビス(2ーtーブチルフェノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10ージーヒドロー9ーオキサー9ーオキサー10ーホスファフェナンスレンー10ーオキサイド、トリス(3、5ージーtーブチルー4ーヒドロキシフェニル)ホスファイト、水素化ー4、4’ーイソプロピリデンジフェニルポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス(4、4’ブチリデンビス(3ーメチルー6ーtーブチルフェノール))・1、6ーヘキサンオールジフォスファイト、ヘキサトリデシルー1、1、3ートリス(2ーメチルー4ーヒドロキシー5ーtーブチルフェノール)ジホスファイト、トリス(4、4’ーイソプロピリデンビス(2ーtーブチルフェノール))ホスファイト、トリス(1、3ーステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、9、10ージヒドロー9ーホスファフェナンスレンー10ーオキサイド、およびテトラキス(2、4ージーtーブチルフェニル)4、4’ービフェニレンジホスファイトなどが挙げられる。
【0030】
さらに、好ましいホスファイト化合物としてペンタエリスリトール型ホスファイト化合物が挙げられる。ペンタエリストール型ホスファイト化合物の具体的な例としては、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・メチル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・2 −エチルヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・イソデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・ラウリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・イソトリデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・ステアリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・シクロヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・ベンジル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・エチルセロソルブ・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・ブチルカルビトール・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・ノニルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6 −ジ−t−ブチル−4 −エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・2,6 −ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・2,4 −ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・2,4 −ジ−t−オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル・2 −シクロヘキシルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6 −ジ−t−アミル−4 −メチルフェニル・フェニル・ペンタエリストリトールジホスファイト、ビス(2,6 −ジ−t−アミル−4 −メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6 −ジ−t−オクチル−4 −メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
【0031】
中でも、ビス(2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6 −ジ−t−ブチル−4 −エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6 −ジ−t−アミル−4 −メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6 −ジ−t−オクチル−4 −メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられ、特にビス(2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
【0032】
上記ホスファイト化合物の添加量は(A)ポリアミドに対して10〜10000ppmが好ましく、特に好ましくは500〜8000ppmである。添加量が10ppm未満の場合には使用される部品の、表面の仕上げ状態や、部品が置かれる環境によっては耐候性が充分ではない場合がある。より高い耐候性が必要な場合は10000ppmを上限にホスファイト化合物を添加することでさらに耐候性が改善される。しかしながら、ホスファイト化合物の添加量が10000ppmを超える場合には耐候性改良効果が飽和してしまう。また重合、溶融混練等の製造時や、溶融成形加工時に分子量が異常に増大してしまう場合があり、該分子量の増大のため、流動性が低下し、外観が損なわれたり、場合によっては成形自体が困難となる恐れがある。
【0033】
本発明の黒着色ポリアミド樹脂組成物の製造方法としては上記の(A)〜(D)成分および必要に応じて用いられる各種の添加剤を混合し、混練すればよい。その際、配合、混練方法や順序には特に制限はなく、通常用いられる混合機、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラー、リボンブレンダー等で混合が行われる。混練機としては一般に単軸または2軸の押出機が用いられる。このような押出機により、通常はまず上記本発明の樹脂組成物からなるペレットが製造され、このペレットを圧縮成形、射出成形、押出成形等により任意の形状に成形して所望の樹脂製品とすることができる。
射出成形条件としては特に限定はないが、成形温度が250℃〜310℃の範囲、金型温度が40℃〜120℃の範囲で成形する方法が例示できる。
【0034】
また、本発明の組成物を得るための混合順序にしても特に制限はないが、▲1▼(A)、(B)、(C)、および(D)を一括して混練する方法、▲2▼(A)および(B)とを溶融混練後(C)および(D)を混練する方法等が挙げられ、また、全部を溶融混練せずに、いわゆるペレットブレンドする方法としては、▲3▼(A)の一部と(B)を溶融混練したものと(A)の残りと(C)および(D)とを溶融混練したものをペレットブレンドして加工に供する方法等を例示できる。また予め、ポリアミド(a2 )にカーボンブラックと銅フタロシアニン誘導体を高濃度で含むマスターペレットを製造しておき、これと無機充填材配合ポリアミド樹脂とをブレンドまたは再混練して用いることもできる。さらに、銅化合物、ホスファイト化合物は、ポリアミド(A)の重合時にあらかじめ添加することができ、またポリアミド(A)と(B)及び/又は(C)及び/又は(D)との溶融混練の際に添加することもできる。ポリアミドとガラス繊維の溶融混練においては、通常の単軸または2軸押出機を用いることができ、適宜、スクリュー構成・回転数、押出温度、およびガラス繊維の供給口を選択することで、ガラス繊維のアスペクト比を所定の範囲に制御することができる。
【0035】
本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じ本発明の目的を損なわない範囲に於いて通常のポリアミド樹脂に添加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光劣化防止剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核剤、難燃剤等を添加することもできるし、他の熱可塑性樹脂をブレンドしても良い。
本発明により得られる組成物を用いることにより、例えば、アウタードアハンドル、ホイールキャップ、ルーフレール、ドアミラーベース、ルームミラーアーム、サンルーフデフレクター、ラジエターファン、ベアリングリテーナー等の自動車部品、および机および椅子の脚、座受け、肘掛け等の各種オフィス部品、更には、車椅子部品、ドアハンドル、手摺り、浴室等の握り棒、窓用ノブ、グレーティング材等工業用途および雑貨用途に利用できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何等限定されるものではない。尚、評価方法は下記の通りである。
結晶化温度:
JIS−K7121に準じ、ポリアミド樹脂組成物約10mgを精秤し、パーキンエルマー社製DSC7を用いて、融点+30℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温速度で測定した際に得られる結晶化ピークのトップ温度を用いた。
ガラス繊維の平均繊維径:
蟻酸中にポリアミド樹脂組成物のペレットを入れ、ポリアミドを溶解させ、ガラス繊維を沈殿させる。得られた沈殿物を光学顕微鏡下で観察し、無作為に選んだ300〜1000本のガラス繊維の直径を旭化成工業(株)製画像解析装置IP−1000を用いて測定し、数平均繊維径を求めた。
【0037】
引張特性:
東芝機械(株)社製IS50EP射出成形機を用い、シリンダー温度290℃で、充填時間が約1秒になるように射出圧力、速度を適宜調整して試験片を得た。尚、金型温度は、80〜120℃の範囲でポリアミドのガラス転移温度に応じて適宜設定した。得られた試験片を用い、ASTM−D638に準じて引張強度、引張伸度を測定した。
吸水時の曲げ弾性率:
前項の引張特性に用いた試験片と同様の方法で試験片を得、得られた成形品を室温23℃、相対湿度50%に調整された恒温恒湿室に平衡吸水率に至るまで静置後、ASTM−D790に準じて曲げ弾性率を測定した。
【0038】
表面光沢性:
東芝機械(株)社製IS150E射出成形機を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度90℃および120℃で、充填時間が約1.5秒になるように射出圧力、および速度を適宜調整し、100×90×3mmの射出成形板を得た。この平板を用い、光沢計(HORIBA製IG320)を用いてJIS−K7150に準じて60度グロスを測定した。
耐候性:
上記表面光沢性の評価に用いたと同様にして、金型温度120℃で得た射出成形板をキセノンアーク式促進耐候試験機(アトラス社製XENOTEST 1200CPS) を用いてブラックパネル温度83℃、1時間に12分の水スプレー条件にて300時間暴露し評価した。暴露前後の表面光沢性と色調を測定し、それぞれ光沢保持率および色差を求めた。測定方法は前記のとおりである。光沢保持率は暴露前光沢度に対する暴露後の光沢度の百分率で表され、この保持率が高い程、又色差(ΔE)が小さい程耐候性が良好であると判断できる。尚、色差は、日本電色社製色差計ND−300Aを用いて測定した。
【0039】
本発明の実施例に用いた原料を以下に示す。
(A)ポリアミド
a1:後記する重合例1で得られたポリアミド66/6I(80/20)共重合体 結晶化温度;195℃
a2:後記する重合例2で得られたポリアミド66/6I/6T共重合体(70/20/10) 結晶化温度;195℃
a3:ポリアミドMXD6 三菱エンジニアリング樹脂(株)製;
商品名:レニー6002 結晶化温度;205℃
a4:ポリアミド66 旭化成工業(株)製;
商品名:レオナ1300 結晶化温度;225℃
a5:ポリアミド6 宇部興産(株)製;
商品名:SF1013A 結晶化温度;162℃
a6:後記する重合例3で得られたポリアミド66/6I(80/20)共重合体(銅化合物含有) 結晶化温度;195℃
【0040】
(B)無機充填材
b1:ガラス繊維 旭ファイバーグラス(株)社製
商品名:CS03JA416 平均繊維径10μm
b2:ガラス繊維 旭ファイバーグラス(株)社製
商品名:CS03TAFT692 平均繊維径23μm
b3:ワラストナイト 林化成(株)社製
商品名:VM−8N
b4:焼成カオリン エンゲルハルト社製
商品名:トランスリンク445
b5:タルク (株)龍森社製
商品名:RS6002
b6:マイカ (株)レプコ社製
商品名:M−325CT
(C)カーボンブラック
c1:ファーネス法カーボンブラック 三菱化学(株)製;#50
c2:チャンネル法カーボンブラック デグサ社製;FW200
【0041】
(D)銅フタロシアニン誘導体
d1:銅フタロシアニンスルフォンアミド誘導体
【化4】
Figure 0004836302
大日本インキ化学(株)製
d2:銅フタロシアニンイミドメチル誘導体
【化5】
Figure 0004836302
大日本インキ化学工業(株)製
(E)ホスファイト化合物
e1:ビス(2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストール−ジ−ホスファイト アデカアーガス社製;
商品名:PEP−36
e2:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
チバガイギー社製;
商品名:Irgafos168
【0042】
〔重合例1〕
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩2.00kgとイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.44kgおよびアジピン酸0.10kg、および純水2.5kgを5リットルのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。充分窒素置換した後、攪拌しながら温度を室温から220℃まで約1時間かけて昇温した。この際、オートクレーブ内の水蒸気による自然圧で内圧は18kg/cm2 −Gになるが、18kg/cm2 −G以上の圧力にならないよう水を反応系外に除去しながらさらに加熱を続けた。さらに2時間後内温が260℃に到達した後、加熱を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブを開け、約2kgのポリマーを取り出し粉砕した。得られた粉砕ポリマーを10リットルのエバポレーターに入れ窒素気流下、200℃で10時間固相重合した。固相重合によって得られたポリアミドは、末端カルボキシル基濃度が102 m当量/kgであり、末端アミノ基濃度は44m当量/kgであった。
【0043】
〔重合例2〕
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩1.75kgとイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.50kgとテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.25kgおよびアジピン酸0.10kg、および純水2.5kgを5リットルのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。充分窒素置換した後、攪拌しながら温度を室温から220℃まで約1時間かけて昇温した。この際、オートクレーブ内の水蒸気による自然圧で内圧は18kg/cm2 −Gになるが、18kg/cm2 −G以上の圧力にならないよう水を反応系外に除去しながらさらに加熱を続けた。さらに2時間後内温が260℃に到達した後、加熱を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブを開け、約2kgのポリマーを取り出し粉砕した。得られた粉砕ポリマーを10リットルのエバポレーターに入れ窒素気流下、200℃で10時間固相重合した。固相重合によって得られたポリアミドは、末端カルボキシル基濃度が105 m当量/kgであり、末端アミノ基濃度は38m当量/kgであった。
【0044】
〔重合例3〕
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩2.00kgとイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.5kgおよびアジピン酸0.10kg、純水2.5kg、ヨウ化銅0.63g、ヨウ化カリウム11.1gを5リットルのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。充分窒素置換した後、攪拌しながら温度を室温から220℃まで約1時間かけて昇温した。この際、オートクレーブ内の水蒸気による自然圧で内圧は18kg/cm2 −Gになるが、18kg/cm2 −G以上の圧力にならないよう水を反応系外に除去しながらさらに加熱を続けた。さらに2時間後内温が260℃に到達した後、加熱を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブを開け、約2kgのポリマーを取り出し粉砕した。得られた粉砕ポリマーを10リットルのエバポレーターに入れ窒素気流下、200℃で10時間固相重合した。固相重合によって得られたポリアミドは、末端カルボキシル基濃度が102 m当量/kgであり、末端アミノ基濃度は44m当量/kgであった。
【0045】
【実施例1】
ポリアミドとしてa1、カーボンブラックとしてc1、および銅フタロシアニン誘導体としてd1を混合して、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb1を、それぞれ最終組成物が表1に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例2】
ポリアミドとしてa6を用いた他は、実施例1と同様にして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0046】
【実施例3】
ポリアミドとしてa6、カーボンブラックとしてc1、銅フタロシアニン誘導体としてd1、およびホスファイト化合物としてe1を混合して、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb1を、それぞれ最終組成物が表1に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例4】
最終組成物が表1に示す組成となるように実施例1と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0047】
【実施例5】
ポリアミドとしてa5を85.6重量部、カーボンブラックとしてc1を12重量部、および銅フタロシアニン誘導体としてd1を2.4重量部を混合して、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度250℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、黒着色用マスターバッチとした。次いで、ポリアミドとしてa1および上記黒着色用マスターバッチを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb1を、それぞれ最終組成物が表1に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0048】
【実施例6】
ポリアミドとしてa6および実施例5記載の黒着色用マスターバッチを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb1を、それぞれ最終組成物が表1に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例7】
無機充填材としてb2を用いた他は、実施例1同様の方法で、最終組成物が表1に示す組成となるように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0049】
【実施例8〜13】
カーボンブラック、および銅フタロシアニン誘導体の種類と配合量を、表2に示す組成とした以外は実施例7と同様にして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例14】
ポリアミドとしてa1および実施例5記載の黒着色用マスターバッチを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb2を、それぞれ最終組成物が表2に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0050】
【実施例15】
ポリアミドとしてa1、a6および実施例5記載の黒着色用マスターバッチを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb2を、それぞれ最終組成物が表3に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例16】
ポリアミドとしてa6および実施例5記載の黒着色用マスターバッチを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb2を、それぞれ最終組成物が表3に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0051】
【実施例17】
ポリアミドとしてa1、実施例5記載の黒着色用マスターバッチ、銅化合物としてCuIおよびKIを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb2を、それぞれ最終組成物が表3に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例18、19】
ホスファイト化合物の種類と量を表3に示す組成になるようポリアミドと混合して押出機に供給した以外は、実施例14と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0052】
【実施例20】
ポリアミドとしてa6、無機充填材としてb1を用いた以外は、実施例18と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例21】
無機充填材としてb2を用いた以外は、実施例20と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0053】
【実施例22】
ポリアミドとしてa1、無機充填材の一部としてb4、カーボンブラックとしてc1、および銅フタロシアニン誘導体としてd1を混合して、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材の残りb1を、それぞれ最終組成物が表4に示す組成となるよう供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【実施例23】
無機充填材としてb3を用い、最終組成が表4に示す組成になるように実施例1と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0054】
【実施例24】
ポリアミドとしてa6、無機充填材の一部としてb3、および実施例5記載の黒着色用マスターバッチを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材の残りとしてb2を、それぞれ最終組成物が表4に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0055】
【実施例25】
ポリアミドとしてa6、無機充填材の一部としてb5、および実施例5記載の黒着色用マスターバッチを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材の残りとしてb1を、それぞれ最終組成物が表4に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0056】
【実施例26】
ポリアミドとしてa6、実施例5記載の黒着色用マスターバッチ、および無機充填材の一部としてb6、を混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材の残りとしてb1を、それぞれ最終組成物が表4に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0057】
参考実施例27】
ポリアミドとしてa2を用いた以外は、実施例1と同様にして最終組成が表4に示す組成になるように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
参考実施例28】
ポリアミドとしてa3を用いた以外は、実施例1と同様にして最終組成が表4に示す組成になるように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0058】
参考実施例29】
ポリアミドとしてa3、a4、実施例5記載の黒着色用マスターバッチ、無機充填材の一部としてb5、銅化合物としてCuI、およびKIを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材の残りとしてb1を、それぞれ最終組成物が表5に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0059】
参考実施例30】
ポリアミドとしてa3、実施例5記載の黒着色用マスターバッチ、銅化合物としてCuI、およびKIを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb1を、それぞれ最終組成物が表5に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【参考実施例31、33】
ポリアミドとしてa5を用いた以外は、実施例1と同様にして最終組成が表5に示す組成になるように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0060】
参考実施例32、34】
無機充填材をb2とした以外は参考実施例31と同様にして最終組成が表5に示す組成になるように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
参考実施例35】
銅フタロシアニン誘導体の量を表6にしめす組成にした以外は、参考実施例34と同様にして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0061】
参考実施例36】
ポリアミドとしてa4を用いた以外は、実施例1と同様にして最終組成が表6に示す組成になるように黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
参考実施例37】
ポリアミドとしてa5、銅化合物としてCuI、およびKIを混合し、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口より無機充填材としてb1を、それぞれ最終組成物が表6に示す組成となるように供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
【0062】
【比較例1】
ポリアミドとしてa1、カーボンブラックとしてc1、および銅フタロシアニン誘導体としてd1を表7に示す組成になるよう混合して、東芝機械(株)製TEM35φ2軸押出機(設定温度280℃、スクリュー回転数300rpm )にフィードホッパーより供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズして黒着色ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例1、4、5および7と比較し吸水時の曲げ弾性率が低い。
【比較例2】
カーボンブラック、および銅フタロシアニン誘導体の配合量を表7に示す組成にした以外は実施例7と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例7と比較し、耐候性が明らかに劣る。
【0063】
【比較例3】
カーボンブラック、および銅フタロシアニン誘導体の配合量を表7に示す組成にした以外は実施例7と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例7と比較し、表面光沢性が明らかに劣る。
【比較例4】
銅フタロシアニン誘導体を配合しなかった以外は実施例7と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例7と比較し、表面光沢性が明らかに劣る。
【0064】
【比較例5】
銅フタロシアニン誘導体の配合量をカーボンブラック100重量部に対し1000重量部とした以外は実施例7と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例7と比較し、耐候性が明らかに劣る。
【比較例6】
銅フタロシアニン誘導体の種類をd3とした以外は実施例7と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例7と比較し、表面光沢性が明らかに劣る。
【0065】
【比較例7】
銅フタロシアニン誘導体のかわりにニグロシン(オリエント化学社製スプリットブラックSB)を配合した以外は実施例7と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例7と比較し、耐候性が明らかに劣る。
【比較例8】
ホスファイト化合物の配合量をポリアミドに対し20000ppm配合した以外は実施例18と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例18と比較し、表面光沢性が明らかに劣る。
【0066】
【比較例9】
ポリアミドとしてa5を用いた以外は比較例1と同様の方法で表8に示す組成になるよう配合して黒着色ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例31〜35と比較し、吸水時の曲げ弾性率が明らかに劣る。
【比較例10】
カーボンブラック、および銅フタロシアニン誘導体の配合量を表8に示す組成にした以外は実施例33と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例33と比較し、耐候性が明らかに劣る。
【0067】
【比較例11】
カーボンブラック、および銅フタロシアニン誘導体の配合量を表8に示す組成にした以外は実施例28と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例28と比較し、表面光沢性が明らかに劣る。
【比較例12】
銅フタロシアニン誘導体を配合しなかった以外は実施例36と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例36と比較し、表面光沢性が明らかに劣る。
【0068】
【比較例13】
銅フタロシアニン誘導体の種類をd3とした以外は実施例36と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例36と比較し、表面光沢性が明らかに劣る。
【比較例14】
ホスファイト化合物の配合量をポリアミドに対し20000ppm配合した以外は実施例31と同様の方法で黒着色強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例31と比較し、表面光沢性が明らかに劣る。
【0069】
【表1】
Figure 0004836302
【0070】
【表2】
Figure 0004836302
【0071】
【表3】
Figure 0004836302
【0072】
【表4】
Figure 0004836302
【0073】
【表5】
Figure 0004836302
【0074】
【表6】
Figure 0004836302
【0075】
【表7】
Figure 0004836302
【0076】
【表8】
Figure 0004836302
【0077】
【発明の効果】
本発明の黒着色ポリアミド樹脂組成物は、従来のものに比較して優れた機械的物性、成形品外観、および耐候性を有しており、特に従来金属製品であったアウタードアハンドル、ホイールキャップ、ルーフレール、ドアミラーベース、ルームミラーアーム、サンルーフデフレクター、ラジエターファン、ベアリングリテーナー等の自動車外装部品等においても、降雨を含む条件でも高い耐退色性および光沢保持率を有することから幅広い分野に好適に利用できる。

Claims (4)

  1. 下記(A)〜(D)からなる黒着色強化ポリアミド樹脂組成物であって、(A)を30〜70重量部、(B)を70〜30重量部、(C)を(A)および(B)の総量100重量部に対して0.05〜10重量部、および(D)を(C)の総量100重量部に対して5〜100重量部含み、(D)を(B)100重量部に対して0.1〜8重量部含むことを特徴とする黒着色強化ポリアミド樹脂組成物。
    (A)(a1)結晶化温度が210℃以下で且つそのモノマー構成単位に芳香環を含む半芳香族ポリアミド:PA66/6I85〜100重量%、および(a2)結晶化温度が210℃以下である脂肪族ポリアミド0〜15重量%からなるポリアミド
    (B)ガラス繊維、マイカ、タルク、カオリン、ワラストナイトの群から選ばれる少なくとも1種以上の無機充填材
    (C)カーボンブラック
    (D)下記一般式(I)および/または(II)で表される銅フタロシアニン誘導体
    Figure 0004836302
    [式中、CuPcは置換または無置換の銅フタロシアニン残基、Xは−CH2 −、−CH2−CH2 −COO−C24 −または−CH2 −CH2 −COO−C3 6−、R1 、R2
    およびR3 はそれぞれ独立に水素原子、無置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、アリール基、アルコキシアルキル基または複素環残基、R4はアルキルアリール基、アリール基、アルコキシアルキル基または複素環残基を示し、しかもR1 とR2 、R3とR4は相互に結合して置換または無置換の複素環を形成してもよく、nは1〜4(平均値)を示す。]
  2. (B)がガラス繊維であって、かつ該ガラス繊維の平均繊維径が15〜30μmであることを特徴とする請求項1記載の黒着色強化ポリアミド樹脂組成物。
  3. 半芳香族ポリアミド(a1)が、アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサメチレンアジパミド単位70〜95重量%、およびイソフタル酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサメチレンイソフタラミド単位5〜30重量%から構成される半芳香族ポリアミドであることを特徴とする請求項1記載の黒着
    色強化ポリアミド樹脂組成物。
  4. ポリアミド(A)に対して、銅フタロシアニン誘導体以外の銅化合物を銅原子として10〜1000ppm及び/又はホスファイト化合物を10〜10000ppm含むことを特徴とする請求項1〜3記載の黒着色強化ポリアミド樹脂組成物。
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