JPWO2013084976A1 - エンジンカバー - Google Patents

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修久 奥田
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Abstract

樹脂成形体によって形成される自動車のエンジンカバー。前記樹脂成形体は、熱可塑性樹脂と、繊維長が1mm未満の植物繊維と、繊維長が1〜5mmの非植物繊維とを含む。前記植物繊維の含有率は1〜5重量%であり、前記非植物繊維の含有率は1〜20重量%である。

Description

本発明は、繊維を含む樹脂成形体、特に和紙様を呈す白色の樹脂成形体から形成されたエンジンカバーに関する。
従来、繊維を含む樹脂成形体として、繊維強化プラスチックがある。典型的な繊維強化プラスチックとしては、強化繊維としてガラス繊維や炭素繊維等の剛直な繊維を含むものが広く知られている。また、昨今の環境保全意識の向上に鑑み、焼却時に残渣となるガラス繊維や炭素繊維等の無機繊維に替えて有機物からなる繊維を強化繊維とした繊維強化プラスチックも提案されている。例えば、特開2007−056202号公報(以下、文献という)では、熱可塑性樹脂成形体にパルプ等のセルロース繊維と、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維から選ばれる1種以上の有機繊維と、の2種類の繊維を組み合わせて含むことで成形体の強度を向上させている。前記文献では、熱可塑性樹脂100質量部に対するセルロース繊維の含有量は3〜30質量部が好ましいとされており、ポリエステル繊維等の有機繊維の含有量は1〜300質量部が好ましいとされている。具体的実施例としては、セルロース繊維として繊維長約2mmのパルプと、繊維長5mm又は2.5mmのポリエステル繊維とを含有するポリプロピレン成形体が開示されており、成形体中の質量%換算で、パルプ繊維が15〜41%、ポリエステル繊維が5〜15%含有されており、両繊維合計で30〜46%含有されている。
ところで、自動車の内装材には樹脂成形体が多く用いられている。内装材には機能性が求められることは勿論であるが、そのデザインが設置スペースの雰囲気に大きく影響することから、意匠バリエーションの拡充も求められている。そこで、本発明者らは、新たなバリエーションの一つとして、「日本らしさ(ジャパニーズテイスト)」をコンセプトとし、白い和紙のように見える樹脂成形体の開発を試みた。
典型的な和紙は、コウゾ・ミツマタ・ガンピなどの長い植物繊維を原料としており手漉きで作られている。そのため、必ずしも繊維の触感や外観を残しているわけではないが、少なくとも繊維が原料とされていることを想起させるような質感(繊維感)を残している。また、和紙は、繊維内部や繊維間に無数の空隙があり内部で光が散乱するため、淡くぼんやりとした印象の白さを呈し、その白さは、例えば顔料で着色した白色の樹脂成形体の白さとは全く印象が異なる。しかし、このような和紙独特の質感を樹脂成形体で表現できれば、ジャパニーズテイストを想起させる今までにない雰囲気を創造することができる。
これに対し、前記文献の樹脂成形体は、繊維を含有しているので、程度は定かではないが繊維感を与えることはできるかもしれない。しかしながら、前記文献では補強を目的として繊維を含有しているため繊維含有量が比較的高く、パルプ繊維とポリエステル繊維の合計で30〜46%も含有されている。また、パルプ繊維とポリエステル繊維の双方において比較的繊維が長い。そのため、樹脂との混練時の流動抵抗の上昇により温度が上昇しやすく、パルプ繊維の黄変を招き易い。しかも含有繊維のうち半分以上がパルプ繊維であり、成形体中に15〜41%も含有されていることからすると、成形体全体が黄変してしまうおそれがある。また、前記文献では、色調による意匠性は何ら考慮されておらず、和紙のように淡くぼんやりとした印象の白さを発現させることはもとより、成形体を確実に白くするための好適条件の具体的な記載もない。したがって、ある程度の繊維感を与えるものであったとしても、和紙独特の質感を醸し出すことはできない。
本発明のひとつの側面によれば、熱可塑性樹脂と、繊維長が1mm未満の植物繊維と、繊維長が1〜5mmの非植物繊維とを含み、前記植物繊維の含有率が1〜5重量%であり、前記非植物繊維の含有率が1〜20重量%である、樹脂成形体が提供される。この樹脂成形体によって、エンジンカバーなどの自動車の内装材を形成することができる。好ましい態様として、前記非植物繊維を合成繊維及び無機繊維のうち少なくとも一方とすることができる。
このような構成によれば、繊維長が1〜5mmの非植物繊維を1〜20重量%含有することにより適度に繊維感を与えることができる。一方、繊維長が1mm未満の植物繊維を1〜5重量%含有することで、和紙のような淡い印象の白さを発現することができる。また、非植物繊維と植物繊維の含有量の総量及び適度なバランスによって、適度に光の透過性を備える。よってこのような樹脂成形体は和紙を想起させることができる。また、非植物繊維のみならず植物繊維が含まれていることで、耐熱性に優れたものとなる。
ここで、本発明の樹脂成形体では、加熱により黄変しにくい非植物繊維の比較的長いものを含有することにより、黄変を抑制しながら繊維感が付与されている。しかし、非植物繊維のみでは、和紙のような淡い印象の白さを発現することはできない。そこで、非植物繊維とともに植物繊維も含有することで、樹脂成形体内部での光の散乱の程度を適度に高め、和紙のような質感を得ることができる。植物繊維は、繊維長が1mm未満とされ含有率が1〜5重量%に抑えられていることで、黄変を抑制しながら和紙のような質感を出すことができる。また、非植物繊維は、それ自体は黄変しにくいが、繊維長が5mm以下に制限されるとともに含有率が20重量%以下に抑えられていることにより、混練時の流動抵抗を小さく抑えて植物繊維の黄変を抑制しながら繊維感を醸し出す。その結果、和紙のような白さを有効に発現することができる。
別の好ましい態様として、樹脂組成物は白色度を70%以上とし、散乱係数を3m/kg以上とし、透過率を50〜65%とすることができる。この場合、より和紙に近い見た目となる。なお、白色度とは、JIS P 8148で規定されるISO白色度であり、拡散反射方式によって測定される値である。
ナイロン繊維とラミー繊維の含有量が異なる樹脂成形体の試料について耐熱温度を測定した結果をプロットした図である。
本発明の樹脂成形体は、熱可塑性樹脂と、植物繊維と、非植物繊維とを含む。以下に、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
熱可塑性樹脂としては、透明ないし半透明の合成樹脂が好ましい。不透明樹脂を使用すると繊維の存在が薄れて和紙のような見た目にすることができなくなるからである。透明ないし半透明な熱可塑性樹脂には、例えばポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン 2,6−ナフタレート)等のポリエステル樹脂、プロピレン―エチレン共重合体、ポリスチレン樹脂、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有するアクリル(メタクリル)酸アルキルエステルとの共重合体、テレフタル酸―エチレングリコール―シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂(メタクリル樹脂)などが含まれる。これらの熱可塑性樹脂は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合使用してもよい。熱可塑性樹脂は、融点が高いと成形時により高温での加熱が必要であり植物繊維が変色しやすくなる。したがって、融点は低い方がよい。その一方で、成形体の耐熱性もある程度確保することを考慮しつつ、更に、成形性や材料費等も考慮すると、熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン樹脂が最も好適であり、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂またはポリカーボネート樹脂も好適に用いることができる。
植物繊維には、パルプ、ラミー(苧麻)、綿、カポック、ケナフ、リネン(亜麻)、アバカ(マニラ麻)、ヘネケン、サイザル麻、ジュート(黄麻)、ヘンプ(大麻)、ヤシ、パーム、コウゾ、ワラ、バガスなどが含まれる。これらの繊維は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合使用してもよい。植物繊維は、できるだけ白色度が高い方が好ましい。これにより樹脂成形体の最終的な白色度も高くなるからである。具体的には、白色度が70%以上であるのが好ましく、より好ましくは75%以上である。
植物繊維は、繊維長は1mm未満とし、樹脂成形体中の含有率は1〜5重量%とする。それにより、樹脂成形体の内部における光の散乱の程度を有効に高めることができ、和紙のように淡くぼんやりとした印象を与える白さを発現させることができる。繊維長が1mm以上であると、混練時の繊維同士の摩擦や流動抵抗などにより熱履歴が大きく上昇することで黄変し易くなるため好ましくない。延いては樹脂成形体の白色度が低下するからである。繊維が短いほど樹脂成形体の内部で光が散乱し易くなる傾向があるので、繊維長の下限は特に限定されない。繊維長が、例えば数十μmの粉状に近いものでもよい。
植物繊維の含有率は、1重量%以上であれば、散乱係数を高めて和紙のように淡くぼんやりとした印象を与える白さを発現させることができる。しかし、植物繊維の含有率を高めるほど散乱係数は低下する傾向があり、5重量%を超えて含有しても和紙様の質感の更なる向上には寄与しない。むしろ、混練時の繊維同士の摩擦や流動抵抗などにより熱履歴が大きく上昇することで黄変し易くなるため好ましくない。なお、植物繊維を1〜5重量%含有することで樹脂成形体の耐熱性を効果的に高めることもできる。
植物繊維の繊維径は特に限定されない。天然植物から繊維を得た状態での繊維径でもよいし、解繊することで適宜調整することもできる。但し、繊維を解繊するには手間を要するので、天然植物から得られた状態の繊維をそのまま使用することが好ましい。なお、植物によっては、繊維を単繊維の状態で得られるものと、繊維束の状態で得られるものがある。したがって、植物繊維の繊維径を言う場合は、解繊した状態での繊維径はもちろん、単繊維や繊維束の状態での繊維径も含む。なお、植物繊維を解繊することなく使用する場合は、繊維の細さには限界がある。すなわち、最も繊維径の小さい植物繊維でも10μm程度の繊維径を有する。
非植物繊維とは、植物から得られる天然繊維以外の繊維のことである。非植物繊維としては、合成高分子化合物から造った合成繊維や無機物からなる無機繊維が好ましい。非植物繊維は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を混合使用することもできる。
合成繊維の材質は、繊維成形性の点において熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂繊維を使用する場合は、樹脂成形体のベースとなる熱可塑性樹脂よりも融点の高い樹脂繊維を用いる。ベースとなる熱可塑性樹脂よりも融点が低いと、成形時に合成樹脂繊維が溶融してしまうからである。熱可塑性樹脂繊維には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン 2,6−ナフタレート)等のポリエステル樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、アクリル樹脂などの繊維が含まれる。中でも、ポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂が好ましい。なお、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化性樹脂繊維を使用することもできる。
無機繊維を用いれば、機械的強度や耐衝撃性の向上及び耐熱性の向上等に有利である。無機繊維としては、ガラス繊維等のセラミック繊維や金属繊維等が含まれる。中でも、樹脂成形体の白色度に影響を及ぼしにくい点でガラス繊維が好適である。
非植物繊維は、繊維長は1〜5mmとし、樹脂成形体中の含有率は1〜20重量%とする。繊維長が5mmを超えると、混練樹脂の流動性が低下するなど、樹脂成形体の成形性が低下するおそれがある。また、流動性の低下に伴い熱履歴が大きく上昇することによる植物繊維の黄変も懸念される。また、含有率が増えるほど樹脂成形体の散乱係数が低下する傾向があり、20重量%を超えると和紙よりも散乱係数が低くなり、和紙のような見た目からは離れてしまう。また、成形性の低下や植物繊維の黄変が懸念される点でも好ましくない。
樹脂成形体は、上記の熱可塑性樹脂と植物繊維及び非植物繊維とを混練したうえで、押出成形又は射出成形によって成形することができる。特に射出成形によれば所望の形状を樹脂成形体に付与することができる。成形温度は熱可塑性樹脂の融点以上とし、非植物繊維として合成繊維を用いる場合はその合成繊維の融点未満とする。さらに、成形温度は植物繊維が黄変しない範囲の温度、すなわち植物繊維が黄変する温度未満とすることが重要である。そのためには成形温度を少なくとも220℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下とする。これにより、白い繊維を白く保ったまま樹脂成形体を成形できる。
以上に述べたようにして得られる樹脂成形体は、ISO白色度が70%、散乱係数が3以上、光の透過率が50〜65%であり、和紙を想起させる見た目である。なお、散乱係数および透過率は製紙科学において一般的に用いられる光学特性測定方法に基づいて測定される。当該樹脂成形体によって自動車の内装材、特にエンジンを覆うエンジンカバーを形成することができる。自動車の内装材には、エンジンカバーの他にも、ドアトリム、インナーパネル、ピラーガーニッシュ、リヤパッケージトレイ、サンバイザー、室内灯レンズなどが含まれる。樹脂成形体はまた、自動車の内装材の他にも、建築材、土木材、包装材、日用品などを形成することができる。
本発明の実施形態は、上述の態様を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの置換、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。したがって、本発明の実施形態は、添付した請求項の精神と目的を逸脱しないあらゆる置換、改良、変更を含み得る。例えば樹脂成形体中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、各種添加剤を添加することもできる。具体的には、分散剤、安定剤、可塑剤、改質剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、潤滑剤、離型剤などを添加することもできる。
(試験1)
試験1では、以下の材料を用い、表1に示す組成となるように混練したうえで、200℃で55mm×50mm×1mmの扁平な板状に射出成形して試料となる樹脂成形体を得た。
熱可塑性樹脂:ポリプロピレン樹脂(住友化学株式会社製 AZ864)
植物繊維:パルプ繊維(日本製紙ケミカル株式会社製 KCフロックW−50 繊維長80〜200μm、)
非植物繊維:ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(繊維径14.3μm、繊維長3mm)
ガラス繊維(繊維径22μm、繊維長5mm)
Figure 2013084976
次いで、得られた各試料について、以下の測定方法にて、白色度を評価した。その結果を上記表1に併記する。
白色度の評価は、村上色彩技術研究所製分光光度計CMS−35SPを用いて、JIS P 8148で規定されるISO白色度を測定することにより行った。なお、測定条件は次の通りである。
光源:D65光源
視野:10°視野
表色系:CIE L*a*b*
光学条件:正反射を含まないS.C.E方式
測定面積:12×17
表1を参照すると、植物繊維又は非植物繊維の含有率が高いほど白色度は低下するが、非植物繊維の含有率を高めることによる白色度の低下は緩やかであることが確認された。そして、非植物繊維の種類に関わらず含有率が20重量%以下であれば、白色度は、目標とする標準的な和紙の白色度(70%以上)と同等であった。一方、植物繊維の含有率はより白色度に影響し易いことが確認され、植物繊維の含有率が3重量%の場合は標準的な和紙と同等であったが、10重量%の場合には標準的な和紙の白色度を外れた。白色度の測定値のみに注目すると、植物繊維または非植物繊維のいずれかを含み、その含有量を一定以下とすることで和紙の白色度と同等にすることができた。しかし、得られた各試料について、外観を目視で観察すると、植物繊維又は非植物繊維のいずれかのみを含む試料1〜6では、その含有率を変えても和紙を想起させる見た目にはならなかった。一方、植物繊維の短繊維と比較的長い非植物繊維の双方を含む試料7、8は、非植物繊維の種類に関わらず、格段に和紙の見た目に近かった。
(試験2)
そこで、試験2では、試験1で用いた試料7に加え、植物繊維とPET繊維の含有率を変え、表2に示す組成となるように、試験1と同様に試料となる樹脂成形体を得た。また、ブランク試料として繊維を含まない樹脂成形体も得た。
Figure 2013084976
次いで、試験1と同様に白色度を測定するとともに、和紙独特の質感の指標となる光学特性(散乱係数、透過率、損失率)も測定した。また、耐熱性も評価した。その結果を表2に併記した。
散乱係数、透過率は村上色彩技術研究所製の分光光度計CMS−35SPを用いて、製紙科学などの分野で一般的に用いられる公知の方法により測定・算出した。測定条件は、上記白色度と同様とした。また、損失率(吸収率)は、次式より算出した。
損失率(%)=100−透過率−反射率
なお、反射率も、上記と同一の分光光度計CMS−35SPを用いて、製紙科学などの分野で一般的に用いられる公知の方法により測定した。測定条件は、上記白色度と同様とした。
耐熱性は、ISO 75−1,75−2,75−3に準拠して測定した。
試料9と試料10とを比較すると、非植物繊維の含有率が高いほど白色度が低下し、非植物繊維の含有率が25重量%であると、標準的な和紙の白色度(70%以上)に比べて、白色度が低くなっていた。また、非植物繊維の含有率が25重量%であると、散乱係数、透過率、損失率についても、標準的な和紙の測定値に準じて定めた目標値(散乱係数3m/kg以上、透過率50〜65%、損失率5%以下)を外れていた。なお、測定した標準的な和紙の散乱係数は30m/kgであったが、和紙と樹脂を複合させた既存のランプシェード材などは、外見上は和紙の雰囲気を残しながらも散乱係数の測定値は元の和紙の10分の1程度であるので、ここでの目標値は3m/kgとした。
また、樹脂成形体の白色度の低下には非植物繊維よりも植物繊維の含有率の増加の方が影響しやすいことが認められた。たとえば試料10と試料13とを比較すると、植物繊維を6重量%以上とした場合、非植物繊維を試料10に比べて10重量%減らし15重量%としても標準的な和紙よりも白色度が低くなることがわかった。加えて、散乱係数及び透過率も、標準的な和紙の目標値範囲を外れていた。一方、試料12の結果から、植物繊維を5重量%以下とした場合、非植物繊維を20重量%含んでいても、白色度は標準的な和紙と同等であった。また、散乱係数、透過率及び損失率についても標準的な和紙と同等であった。これにより、植物繊維の含有率は5重量%以下、非植物繊維の含有率は20重量%以下とする必要があることがわかった。
ここで、試料7、試料9及び試料11を比較すると、植物繊維の含有率を3重量%以下とすればより白色度の高い樹脂成形体を得られるため好ましく、さらに非植物繊維の含有率を10重量%以下とすれば一層有効に白色度を高められるためより好ましいことがわかった。また、耐熱性(耐熱温度)に注目すると、植物繊維と非植物繊維を含むことで耐熱性が向上することが確認された。
(試験3)
試験3では、上記試験1と同じ植物繊維と、繊維長5mmのガラス繊維を用い、試験1で用いた試料8に加えて各繊維の含有率を変え、表3に示す組成となるように、試験1と同様に試料となる樹脂成形体を得た。次いで、得られた各試料について、試験2と同様に白色度及び光学特性(散乱係数、透過率、損失率)を評価した。その結果を表3に併記する。
Figure 2013084976
表3から明らかなように、繊維長が5mmの非植物繊維を用いても、植物繊維の含有率が5重量%以下、非植物繊維の含有率が20重量%以下であると、白色度、散乱係数、透過率及び損失率の全てにおいて、標準的な和紙の基準値と同等であった。これにより、非植物繊維の繊維長を5mm以下とすることがわかった。
(試験4)
試験4では、以下の材料を用い、表4に示す繊維長及び組成となるように混練したうえで、二軸押出機を用い、190℃で混練・押出成形し、試料となる55mm×50mm×1mmの扁平な板状の樹脂成形体を得た。次いで、得られた各試料について、試験2と同様に白色度及び光学特性(散乱係数、透過率、損失率)を評価した。その結果を表4に併記する。
熱可塑性樹脂:ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製 J106G)
植物繊維:ラミー繊維(繊維白色度84.1%)
非植物繊維:ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(繊維径14.3μm)
Figure 2013084976
試料17と試料18とを比較すると、植物繊維の繊維長が試験2の場合よりも長い0.3mmの場合でも、試験2の結果から明らかになったとおり、植物繊維の含有率を5mm以下とすれば、白色度、散乱係数、透過率及び損失率の全てにおいて標準的な和紙の基準値を満たすことが確認された。しかし、試料17、試料19及び試料20を比較すると、植物繊維の繊維長が0.3mmと0.7mmの場合は、白色度に差異が認められず和紙と同等であるが、植物繊維の繊維長が1.5mmの場合は、白色度が低下し、含有率を5重量%以下としても和紙の基準値を外れることが明らかとなった。また、試料17と試料21とを比較すると、非植物繊維の繊維長が1.5mmの場合は和紙の基準値を満たすが、繊維長が0.5mmにまで短縮されると、透過率が上がり標準的な和紙の基準値を外れていた。すなわち、繊維感が薄れて和紙のような見た目からは離れてしまった。これらのことから、植物繊維の繊維長は1mm未満とし、非植物繊維の繊維長は1mm以上とすることがわかった。
(試験5)
試験5では、植物繊維としてラミー繊維、非植物繊維としてナイロン繊維を用いた。ラミー繊維の含有量を0%から20%まで変えた樹脂成形体の試料を用意し、各試料について前述の方法により耐熱温度を測定した。図1に示す測定結果によると、ラミー繊維の含有量が大きいほど耐熱温度が高くなることがわかった。具体的には、ナイロン繊維を10重量%含有させても耐熱温度は5℃程度しか上昇しなかったのに対して、さらにラミー繊維を同様に10重量%含有させると耐熱温度は約30℃も上昇した。以上により、非植物繊維に加えて植物繊維を多く含むことで樹脂成形体の耐熱性が効果的に向上することが確認された。例えば耐熱温度を110℃以上とするには、樹脂成形体に植物繊維を5%以上含有させればよい。また、樹脂成形体の耐熱温度はラミー繊維の含有量が小さいときほど大きな割合で上昇することがわかった。具体的には、ナイロン繊維を0%から5%まで増加させたときの方が、ナイロン繊維を5%から10%まで増加させたときよりも耐熱温度の増加量が大きかった。

Claims (5)

  1. 樹脂成形体によって形成される自動車のエンジンカバーであって、前記樹脂成形体は、
    熱可塑性樹脂と、繊維長が1mm未満の植物繊維と、繊維長が1〜5mmの非植物繊維とを含み、
    前記植物繊維の含有率が1〜5重量%であり、前記非植物繊維の含有率が1〜20重量%であるエンジンカバー。
  2. 前記樹脂成形体は白色度が70以上である請求項1に記載のエンジンカバー。
  3. 前記非植物繊維が合成繊維及び無機繊維のうち少なくとも一方である請求項1または請求項2に記載のエンジンカバー。
  4. 前記樹脂成形体は散乱係数が3以上である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエンジンカバー。
  5. 前記樹脂成形体は透過率が50〜65%である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエンジンカバー。
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