JP3588192B2 - プリンタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品の単価・重量などのデータを商品に貼付するラベルに印字するプリンタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のプリンタ装置として、帯状の台紙にその長手方向に沿って多数のラベルが貼着されたラベルシートを、その長手方向に送りながら、プリンタで前記ラベルに情報を印字するようにしたものがある。また、そのような装置の一例として、予め印字するラベルの数を入力して印字を開始させると、自動的に入力されたラベル数だけラベルの印字が行われるようにしたものが知られている(特開昭62−182029号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記ラベルシートの各ラベルに、順次、印字を行いながら、印字済みのラベルシートを巻取機に巻き取るようにしたプリンタ装置で、前記のように印字ラベルの発行枚数を入力して自動印字を開始すると、発行枚数によっては、巻取機にロール状に巻き取られるラベルシートの巻取径が途中で限界径に達して巻取機のケース等と干渉してしまい、オペレータがプリンタ装置から離れていると巻取機の駆動モータが焼き付くなどの事態を招くという問題点がある。
【0004】
本発明は、このような課題を解消し、巻取機に巻き取られるラベルシートが限界長を越えて巻取機の駆動モータを焼き付かせるような事態を招く印字ラベル発行枚数を入力した場合に、自動的に警告を発して発行開始を回避するようにしたプリンタ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、帯状の台紙にその長手方向に沿って多数のラベルが貼着されたラベルシートを、前記長手方向に送りながら、前記ラベルに情報を印字するプリンタと、送られた印字済みのラベルシートを巻き取る巻取機とを有するプリンタ装置において、前記巻取機で巻き取られるラベルシートの限界長LLを記憶するメモリと、ラベルの長さLと発行枚数Mとを設定する条件設定手段と、設定されたラベル長さLと発行枚数Mを乗算してラベル発行長さ(L×M)を算出する演算手段と、上記ラベル発行長さ(L×M)が上記限界長LLまでのラベルシート残り長さを越えるか否かを判別する判別手段と、上記ラベル発行長さ(L×M)が上記ラベルシート残り長さを越えるときこれを報知する報知手段とを設けたものである。
【0006】
この構成によれば、ラベル長さLと発行枚数Mが入力されると、これら入力に基づき、ラベル発行長さ(L×M)が限界値LLまでのラベルシート残り長さを越えるか否かが判別され、越えているとこれを報知手段が報知する。このため、巻取機で巻き取られるラベルシートが限界長LLを越えるのを知らずに、プリンタ装置を発行開始させてしまうのを回避できる。
【0007】
前記演算手段は、例えば、上記ラベル発行長さ(L×M)と前回までのラベル発行長さを表す積算発行長さL0との和(L×M+L0)を算出するよう構成され、前記判別手段は、例えば、上記和(L×M+L0)が上記限界長LLを越えるか否かを判別するよう構成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1ないし図5に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態であるプリンタ装置の一部破断側面図である。このプリンタ装置は、図2(A)に示すように離型紙からなる帯状の台紙15にその長手方向に沿って多数のラベル16が貼着されたラベルシート17を、前記長手方向に送りながら、図2(B)に示すように前記ラベル16に例えば商品名・重量・単価などの情報を印字する装置である。
【0009】
図1の箱形の装置本体1の内部には、ロール状に巻かれた通常の巻径のラベルシートを繰り出し可能に装着する内部装着軸2が設けられ、装置の前端には、通常よりも大きい巻径のラベルシート17を繰り出し可能に装着する外部装着軸3が設けられている。装置本体1の後部には、前記内部装着軸2や外部装着軸3から繰り出されるラベルシート17の各ラベル16に所定の情報を印字するプリンタ4が設けられている。このプリンタ4は、ラベルシート17を繰り出す方向に回転駆動される円柱状のプラテン5や、このプラテン5の上方に配置され支軸6を中心に退避位置と印字位置とに揺動して印字位置でラベル16に印字するサーマルヘッド7などからなる。
【0010】
前記ラベルシート17はラベル16の貼着された面を上向きにして、前記プラテン5とサーマルヘッド7との間に挿通される。装置の後端には、前記プリンタ4で印字されたラベルシート17を巻取軸80に巻き取る巻取機8が設けられている。装置本体1の上部には、所定のデータを入力するテンキーなどの複数のキーを有する入力操作部9と、ディスプレイ等からなる表示部10とが設けられている。
【0011】
図3は、前記プリンタ装置の制御系を示すブロック図である。同図において、CPU11はプリンタ装置全体の制御を行う装置であり、その制御に使用する各種のデータがメモリ12に記憶される。13は前記巻取機8を回転駆動する駆動モータなどの駆動部である。前記入力操作部9は、ラベル16を印字発行する際の各種の条件を設定する条件設定手段として機能するものであって、この入力操作部9により入力するデータとして、例えば各ラベル16の長さLと、ラベル16の発行枚数Mがある。この場合のラベル長さLは、前後のラベル16,16間に設けられるギャプ長さも含めた値として設定される。これらのデータは、例えば図4に示すように、ラベル16の種類別に前記メモリ12に記憶される。図4において、各ラベルに対応付けて記憶される情報は、主としてラベル16への印字データである。
【0012】
また、前記入力操作部9によって、前記巻取機8で巻き取られるラベルシート17の限界長LLが予め入力され、この限界長LLも前記メモリ12に記憶される。この場合の限界長LLとは、前記巻取機8に巻き取った印字済みラベルシート17が、巻取機8の周壁や底板に当たって巻取り不能に陥ってしまうことのない最大のラベルシート長さをいう。前記メモリ12には、このほか後述する積算発行長さL0も記憶される。また、前記CPU11には、ラベル発行長さ(L×M)を算出する演算手段14と、この(L×M)が限界長LLまでのラベルシート残り長さを越えるか否かを判別する判別手段18とが含まれている。
【0013】
前記演算手段14は、前記ラベル発行長さ(L×M)の算出に加えて、過去のラベル発行長さを積算して、上記積算発行長さL0も算出する。さらに、前記表示部10には、ラベル発行長さ(L×M)がラベルシート残り長さを越えるときこれを報知するメッセージが表示される。すなわち、表示部10は警告を報知する報知手段としても機能する。
【0014】
つぎに、前記外部装着軸3に装着したラベルシート17を繰り出してラベル16に印字する場合の前記プリンタ装置の動作を、図5のフロー図を参照しながら説明する。先ず、図3の入力操作部9により、ラベル16の種類とラベル16の発行枚数Mとを入力する。ラベル16の種類は、種類別に予め決められたラベル番号を入力することにより特定される。すなわち、入力されたラベル番号と、前記メモリ12に記憶されたラベル番号とを照合することによりラベル16の種類が特定され、ラベル16の種類ごとに対応付けて記憶されたラベル長さのデータから、入力されたラベル16の長さLも特定される(ステップS1)。
【0015】
ついで、前記ラベル16の長さLと発行枚数Mとに基づき、CPU11の演算手段14によって、ラベルシート17の発行長さ(L×M)が算出される(ステップS2)。さらに、前記CPU11の判別手段18では、このようにして算出された発行長さ(L×M)と、ステップS1で条件設定を行う以前に算出されてメモリ12に記憶されていた過去のラベル発行長さを表す積算発行長さL0との和(L×M+L0)が、限界長LLを越えるか否か、つまりラベル発行長さ(L×M)が限界長LLまでのラベルシート残り長さ(LL−L0)を越えるか否かの判定が行われる(ステップS3)。ステップS3において、上記和(L×M+L0)が限界長LLに達しないと判定され場合には、ラベル発行が開始され、入力した発行枚数Mだけラベル印字が自動的に行われる(ステップS7)。
【0016】
ステップS3において、算出された発行長さL×Mと積算発行長さL0との和が、限界長LL以上となると判定された場合には、表示部10に「巻取り限界を越えます」「巻取機のラベルを取り外しますか?」のメッセージが表示され、このままラベル発行を行うと途中で巻取り限界に達することをオペレータに警告する(ステップS4)。
【0017】
上記警告に基づき、通常の場合、オペレータは巻取機8からラベルシート17のロールを取り外し、同時に入力操作部9のラベルシート取外しキーで「ラベルシート取外し」を選択する。このような選択が入力されると(ステップS5)、積算発行長さL0がリセットされる(ステップS6)。すなわち、メモリ12に記憶された積算発行長さL0は0にされる。これにより、前記演算手段14による発行長算出値が限界長LLに達しない値になると、ラベル発行が開始される(ステップS7)。
【0018】
一方、前記警告が出されたとき、前回に行われたラベル発行処理の終了時に、巻取機8から印字済みラベルシート17が取り外されているのに、メモリ12に記憶された積算発行長さL0をリセットするための前記ラベルシート取外しキーでの操作が行われていなかったために、前記警告が出されたものと判断して、オペレータが入力操作部9のラベルシート取外しキーで「ラベルシート取外しをしない」を選択した場合には、前記ステップS5からステップS7に移ってラベル発行が開始される。
【0019】
このようにして、発行しようとするラベル16の種類(したがってラベル長さL)と発行枚数Mとを入力したとき、その設定条件ではラベル発行の途中でラベル発行長さが限界長LLに達する場合には、そのことがラベル発行前に警告されるので、そのまま発行開始してしまい発行途中でラベルシートが限界長LLに達して巻取機8の駆動モータが焼き付くといった事態を確実に回避できる。なお、内部装着軸2に装着した通常の巻径のラベルシート17を繰り出してラベル発行を行う場合にも、前記の場合と同様の動作を行う。
【0020】
なお、前記実施形態では、ラベルシート17の限界長LLを予め入力してメモリ12に記憶させておく場合を示したが、図6に示すように例えばラベル発行長さ(L×M)を算出した後(ステップS2)、台紙15の厚み、ラベル16の厚み、巻取機8の軸から床部などの障害物までの距離などの各種データ入力に基づいて前記限界長LLを算出する(ステップS2A)ようにしてもよい。また、前記限界長LLの算出のために、前記メモリ12に、図7に示すとおり、各ラベル16の種類にそれぞれ対応付けて、各ラベル16の厚みを記憶させておくようにしてもよい。さらに、限界長LLを入力する代わりに、巻取機8における巻取径の最大限界値を入力し、この限界値から、ラベルシート17の厚さ(台紙15とラベル16の厚さの合計)に基づいて限界長LLを算出してもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明のプリンタ装置によれば、これから発行しようとするラベルの発行長さが限界長LLを越えるときこれを報知手段で報知するようにしたため、巻取機で巻き取られるラベルシートが限界長LLを越えるのを知らずに、プリンタ装置を駆動させてしまうのを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるプリンタ装置の一部破断側面図である。
【図2】(A)は同プリンタ装置に用いるラベルシートの斜視図、(B)は同ラベルシートのラベルに印字した状態を示す部分拡大図である。
【図3】同プリンタ装置の制御系を示すブロック図である。
【図4】同プリンタ装置におけるメモリの記憶内容の一例を示す図である。
【図5】同プリンタ装置の動作を示すフロー図である。
【図6】同プリンタ装置の動作の他の例を示す部分フロー図である。
【図7】同プリンタ装置におけるメモリの記憶内容の他の例を示す図である。
【符号の説明】
4…プリンタ、8…巻取機、9…入力操作部(条件設定手段)、10…表示部(報知手段)、12…メモリ、14…演算手段、15…台紙、16…ラベル、17…ラベルシート、18…判別手段、L…ラベル長さ、M…発行枚数、LL…限界長、L0…積算発行長さ

Claims (2)

  1. 帯状の台紙にその長手方向に沿って多数のラベルが貼着されたラベルシートを、前記長手方向に送りながら、前記ラベルに情報を印字するプリンタと、
    送られた印字済みのラベルシートを巻き取る巻取機とを有するプリンタ装置において、
    前記巻取機で巻き取られるラベルシートの限界長LLを記憶するメモリと、
    ラベル長さLと発行枚数Mとを設定する条件設定手段と、
    設定されたラベル長さLと発行枚数Mを乗算してラベル発行長さ(L×M)を算出する演算手段と、
    上記ラベル発行長さ(L×M)が上記限界長LLまでのラベルシート残り長さを越えるか否かを判別する判別手段と、
    上記ラベル発行長さ(L×M)が上記ラベルシート残り長さを越えるときこれを報知する報知手段とを備えたことを特徴とするプリンタ装置。
  2. 請求項1において、前記演算手段は、上記ラベル発行長さ(L×M)と前回までのラベル発行長さを表す積算発行長さL0との和(L×M+L0)を算出し、前記判別手段は、上記和(L×M+L0)が上記限界長LLを越えるか否かを判別することを特徴とするプリンタ装置。
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