JP3587605B2 - 苗の接ぎ木装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばキュウリなどウリ科或いはトマトなどナス科の野菜苗の接ぎ木装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、接ぎ木を自動化で行う場合、台木は根鉢形成状態のまま穂木との接ぎ木が行われ、新しい接ぎ木苗用トレイにその接ぎ木苗がセットされている。
しかし乍ら、このような根鉢付の場合根鉢の形成状態が悪いと、接ぎ木苗用トレイに対するセット作業にもトラブルを発生させるばかりでなく、穂木との接ぎ木作業にも悪影響を及ぼしていた。
そこで、台木として使用される台木用苗の根鉢部を予め切断して、接ぎ木後に接ぎ木苗の胚軸部を固形培地に挿し込んで、接ぎ木苗の生育を行う方法があるが、固形培地に挿し込む分胚軸長の長い台木を必要とし、このような胚軸長の長い場合把持姿勢が不安定となって、接ぎ木や固形培地への挿し木が良好に行われないという問題がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明は、穂木及び台木搬送コンベアで搬送される穂木及び台木用苗を、上下把持ハンドによって把持して、穂木及び台木に切断し、穂木と台木の接ぎ木を行うようにした苗の接ぎ木装置において、下把持ハンドの下側で台木用苗の胚軸下部を把持する茎下部把持手段を備えて、上下把持ハンドによる台木用苗の把持の際、或いは把持直前に、軸長の長い台木用苗の胚軸部を把持手段でも姿勢良好に把持し、適正な台木を切断形成して、この後の接ぎ木作業や固形培地への挿し木作業を良好に行わしめるものである。
【0004】
また、穂木搬送コンベアよりも、台木搬送コンベアを低位置に配設して、軸長の短い穂木用苗と同一把持ハンドや切断機構によって台木用苗の把持及び切断を可能とさせて、構造の簡素化を図るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。
図1は台木用苗の把持説明図、
図2は全体の概略平面図、
図3は概略正面図、
図4は把持移送機構部の正面説明図である。
【0006】
接ぎ木手段である接ぎ木装置(1)は、穂木搬送コンベアである穂木用苗搬送ライン(2)と、台木搬送コンベアである台木用苗搬送ライン(3)と、挿し木手段である接ぎ木済苗搬送ライン(4)とを平面視で平行状に配置するものである。
各搬送ライン(2)(3)(4)上に載置される各トレイ(5)には、穂木用苗(H)、台木用苗(D)、接ぎ木済苗(S)のそれぞれ複数本を収納可能とするポット部(5a)を平面視マトリックス状に形成している。
【0007】
そして、図5にも示す如く、左端にある穂木用苗搬送ライン(2)と中央にある台木用苗搬送ライン(3)とでトレイ(5)を、矢印a方向に前記ポット部(5a)の間隔(P)毎に間欠的に搬送させ、苗の把持移送機構(6)、切断機構(7)、クリップ搬送機構(8)等を配置した門型フレーム(9)の下方個所で各種作業を実行させ、接ぎ木用のクリップ(10)により台木用苗(H)の根元側と穂木用苗(D)の先端側とを接ぎ木された接ぎ木済苗(S)を、接ぎ木済苗搬送ライン(4)において、前記両搬送ライン(2)(3)のトレイ(5)の搬送方向と逆向きの矢印b方向に前記ピッチ(P)にて間欠搬送させるように構成している。
【0008】
また、接ぎ木済苗搬送ライン(4)の側方であって、門型フレーム(9)の下方には、不要となった台木用苗(D)の上側茎部を集めるための廃棄箱(11)を設置し、その廃棄箱(11)の上側方近傍には、クリップ(10)を1個ずつクリップ搬送機構(8)に供給するためのクリップフイーダ(12)を配置させている。
【0009】
図4乃至図6にも示す如く、把持移送機構(6)は、前記穂木用苗搬送ライン(2)及び台木用苗搬送ライン(3)のトレイ(5)(5)から、穂木用苗(H)を6本、台木用苗(D)を6本、合計12本の苗を一挙に把持するもので、1本の苗につきその根元側と先端(上端側)の茎部(上下2個所)を上下の把持ハンド(13)(14)にて挾持し、この上部把持ハンド(13)群を支持する上部移送フレーム(15)と下部把持ハンド(14)群を支持する下部移送フレーム(16)とを一体的に所定高さ(C)だけ上昇させるように構成している。
【0010】
また、これら把持ハンド(13)(14)による苗(H)(D)の挾持の際、穂木用苗(H)にあっては、図7、図9、図11に示す如き下部把持ハンド(14)の下側に設けるカミソリなど穂木用根鉢切断刃(17a)が苗(H)の根鉢部(h)近傍の茎を切断し、また台木用苗(D)にあっては、図1、図10、図12に示す如き下部把持ハンド(14)の下側に配設する茎下部把持手段である下部把持機構(18)の台木用根鉢切断刃(17b)が、苗(D)の根鉢部(d)近傍の茎を切断して、トレイ(5)のポット部(5a)に不要な根鉢部(h)(d)を残したまま、葉茎部だけを上下把持ハンド(13)(14)で把持して所定高さ(C)だけ持上げ、この高さ(C)位置において上下把持ハンド(13)(14)の間に切断機構(7)のカッタ(19)を進出させて各6本の苗(H)(D)の茎部を軸線に対して斜め切りするように構成している。
【0011】
そして、茎が切断された穂木及び台木用苗(H)(D)の下部側茎を挾持した下部把持ハンド(14)の下部移送フレーム(16)は距離(L1)(1ライン幅分)横移動させて、穂木及び台木用苗(H)(D)の下部側茎を台木用及び接ぎ木済苗搬送ライン(3)(4)のトレイ(5)上に位置させるように構成している。
【0012】
また、上部把持ハンド(13)群の上部移送フレーム(15)は、前記茎が切断された12本の苗の上部側茎を挾持したまま若干寸法(C1)(図示せず)だけ上昇させた後、穂木用苗(H)の上部側茎が接ぎ木済苗搬送ライン(4)のトレイ(5)の上方に位置し、且つ台木用苗(D)の上部側茎が廃棄箱(11)上に位置するように距離(L2)(前記距離(L1)の2倍)だけ横移動させた後、上部把持ハンド(13)群を所定寸法(C1)だけ下降させて、穂木用苗(H)の上部側茎を台木用苗(D)の下部側茎部の切断面に接合させるもので、またこのとき前記接ぎ木済苗搬送ライン(4)のトレイ(5)の上方にて、クリップ搬送機構(8)に予め装填されたクリップ(10)を前記各苗(D)(H)の接合部に接近させて挾持固定して接ぎ木済苗(S)を形成するように構成している。
なお、(20)は各機構(6)(7)(8)などの駆動用エアコンプレッサ、(21)は制御用中央処理装置である。
【0013】
さらに、接ぎ木作業を終了した接ぎ木済の6本の苗(S)は、前記把持移送機構(6)を所定高さ(C)分だけ下降させるとき、接ぎ木済苗搬送ライン(4)のトレイ(5)の各ポット部(5a)に予め収納される固形培地(22)に、茎の下端茎部を挿し込んで、上部把持ハンド(13)及び下部把持ハンド(14)を開いて茎の把持を開放することによって、接ぎ木済苗搬送ライン(4)のトレイ(5)に収納するように構成している。
また、この場合不要となる穂木用苗(H)の切断刃(17)とカッタ(19)間寸法分の短茎が、下部把持ハンド(14)の開き動にて台木用苗搬送ライン(3)上の根鉢部(d)の残ったトレイ(5)に廃棄され、また不要となった台木用苗(D)における先端側茎は、上部把持ハンド(13)の開き動にて廃棄箱(11)に向って自然落下して廃棄されるように構成したものである。
【0014】
次に、把持移送機構(6)の細部構成について、図4乃至図6を参照しながら説明する。
把持移送機構(6)の昇降枠(23)は、門型フレーム(9)の上面板に固定した昇降用エアシリンダ等の第1昇降アクチュエータ(24)にて、穂木用搬送ライン(2)及び台木用苗搬送ライン(3)の上面に対して大きく上下動するように設け、該昇降枠(23)には、距離(L1)だけ横移動する横移動用エアシリンダ等の第1横移動アクチュエータ(25)を介して12対の下部把持ハンド(14)を備えた下部移送フレーム(16)を装着させている。
【0015】
また、昇降枠(23)の前面の上下ガイドレール(26)に横移動用エアシリンダ等の第2横移動アクチュエータ(27)を上下動自在に配置し、この第2横移動アクチュエータ(27)を、昇降枠(23)に固定させたエアシリンダ等の第2昇降アクチュエータ(28)で距離(C1)だけ上下動するように装着させて、前記第2横移動アクチュエータ(27)にて、12対の上部把持ハンド(13)を備えた上部移送フレーム(15)を距離(L2)だけ横移動するように構成している。
【0016】
さらに、台木用苗(D)(穂木用苗(H)とも共通する)の下部側茎を挾持する下部把持ハンド(14)の基部は、切断機構(7)から遠い対向側に位置し、台木用苗(D)の上部側茎を挾持する上部把持ハンド(13)の基部は切断機構(7)に近い対向側に位置し、上部把持ハンド(13)の左右支持体(13a)(13b)の拡狭移動機構と、下部把持ハンド(14)の左右支持体(14a)(14b)の拡狭移動機構とは同一構成とするもので、下部把持ハンド(14)における拡狭移動機構にて代表して説明すると、図6に示すように、下部移送フレーム(16)における上下等の対の横長のガイド軸(29)(29)に、左右一対の摺動支持片(30a)(30b)と左右一対の摺動支持片(31a)(31b)を左右摺動自在に嵌設させ、一対の摺動支持片(30a)(30b)に前記下部把持ハンド(14)の12本の左支持体(14a)を一定間隔にて取付ける横杆(32)を固着させ、他方の一対の摺動片(31a)(31b)に、前記12本の右支持体(14b)を一定間隔で取付ける横杆(33)を固着する。
【0017】
そして、図4及び図6において、下部移送フレーム(14)の左端に設けた拡狭移動用アクチュエータ(34)のピストンロッド(35)を摺動支持片(30a)に固定する一方、下部移送フレーム(16)の右端に設けた拡狭移動用アクチュエータ(36)のピストンロッド(37)を摺動支持片(31b)に固定し、左右両拡狭移動用アクチュエータ(34)(36)のピストンロッド(35)(37)を伸出動させるとき、左右支持体(14a)(14b)の左右間隔を狭まるように横杆(32)(33)を横移動させて、左右支持体(14a)(14b)の先端の挾持片(38a)(38b)にて台木用苗(D)(穂木用苗(H))の根元側茎を左右から挾持するように構成したものである。
【0018】
また、前述とは反対にピストンロッド(35)(37)を退入動させるとき、左右支持体(14a)(14b)の左右間隔を拡がらすように横杆(32)(33)を横移動させ、左右支持体(14a)(14b)先端の挾持片(38a)(38b)を前記茎を放すように拡がらせるものであり、上部移送フレーム(15)においても、拡狭移動用アクチュエータ(34)(36)及び横杆(32)(33)を介して左右支持体(13a)(13b)を左右移動させて、この先端の挾持片(38a)(38b)にて台木用苗(D)(穂木用苗(H))の先端側茎を挾持したり、この茎を放したりするものである。
【0019】
図1、図7、図9にも示す如く、前記挾持片(38a)(38b)は、断面L字状に形成され、水平板部の内辺には茎を囲むように案内できる平面視略V字状の案内溝(39)を形成し、前記挾持片(38a)(38b)には、挾持するときの茎の損傷を防止するためのスポンジ等の四角立方形の軟質弾性体(40)を固着させている。
【0020】
次に、図5、図7、図8に基づいて切断機構(7)について説明する。
切断機構(7)におけるカッタ(19)は前記把持移送機構(6)と対向した位置に台木用苗(D)(穂木用苗(H))の搬送方向上流側から各茎に対して接近して押し切り、図7に示す如く茎の軸線に対して斜めに切断するものであって、前記把持移送機構(6)にて挾持されて、所定高さまで持上げられた台木用苗(D)及び穂木用苗(H)を12本一挙に切断するとき、各苗の茎部がカッタ(19)の押し切りに対して逃げ移動しないようにするため、上部把持ハンド(13)と下部把持ハンド(14)との上下間にて、左右一対の把持片(41a)(41b)にて茎の位置を拘束した後に、カッタ(19)を前方に押し進めることによって各茎の切断を行うように構成している。
【0021】
また、前記切断用フレーム(42)は門型フレーム(9)に対して高さ位置不変に保持され、切断用フレーム(42)には、前記12本の左把持片(41a)の基部を支持する横杆(43)と右把持片(41b)の基部を支持する横杆(44)とが左右移動可能に支持されると共に、切断用フレーム(42)に取付けられたエアシリンダ等の把持移動用アクチュエータ(45)に前記横杆(43)(44)を連結させて、アクチュエータ(45)動作でもって左右把持片(41a)(41b)の間隔の拡大及び縮小を行うように構成している。
【0022】
一方、切断用フレーム(42)の前後方向(矢印a方向)に移動可能に支持させた支持フレームには、12本の丸棒、角棒、板状等のカッタ軸(46)を一定間隔にて突出させ、カッタアクチュエータ(47)によりカッタ軸(46)を介しカッタ(19)を、前方に移動させて上下をハンド(13)(14)によって把持される苗(D)(H)の茎を切断するように構成している。
【0023】
ところで、図9及び図11に示す如く、穂木用苗(H)に対する下部把持ハンド(14)の左右支持体(14a)(14b)のうち、茎部の最下端側を挾持する挾持片(38b)の下面側には、前記V字状の案内溝(39)に臨ませて前記根鉢切断刃(17a)を固着していて、トレイ(5)上の穂木用苗(H)の茎部を挾持すべく左右両側の挾持片(38a)(38b)の間隔を縮めたとき、前記切断刃(17a)にて茎の根元側を切断し、後に穂木用苗(H)の茎上部側(葉部)を上方に引上げるとき、穂木用苗(H)の根鉢部(h)をトレイ(5)のポット部(5a)に残したままとして、苗(H)の茎上部側持上げ時の苗姿勢を安定保持させるもので、またこの切断の際苗(H)を挟んで切断刃(17a)の対向位置に設ける受刃(48)によって切断時の苗姿勢を安定保持させて確実な切断を行うように構成している。
なお、前記受刃(48)には長穴(49)を開設して、該受刃(48)上に塵や土などが乗っても、前記長穴(49)よりこれらを下方に落下させて、受刃(48)上に塵や土などが堆積するのを防止している。
【0024】
また、穂木用苗(H)の茎軸長(胚軸長)を略40cm以上とするのに対し、台木用苗(D)の茎軸長を略60cm以上とする品種を用いて、根鉢部(d)を切断した充分軸長の長い接ぎ木済苗(S)を固形培地(22)に挿し木するもので、上下部把持ハンド(13)(14)のみによっては把持姿勢が不安定となるため、前記下部把持機構(18)によって台木用苗(D)の茎下部を把持してその把持姿勢を安定維持させるように構成している。
【0025】
図1、図10、図12にも示す如く、前記下部把持機構(18)は、前述把持ハンド(13)(14)の挾持片(38a)(38b)と略同様形状で縦長の長い把持片(50a)(50b)と、該片(50a)(50b)内側に固着させる茎損傷防止用の軟質弾性体(40)を有し、把持ハンド(13)(14)の拡狭移動機構と略同様に、上下横長のガイド軸(29)(29)に摺動支持片(30a)(30b)・(31a)(31b)及び横杆(32)(33)を介し左右把持片(50a)(50b)の支持体(51a)(51b)を左右摺動自在に支持すると共に、何れか一方の支持片(30a)(31b)に連結する拡狭移動用アクチュエータ(34)(36)によって把持片(50a)(50b)を左右に開閉して、茎軸長の長い台木用苗(D)の茎下部の把持及び開放を行うように構成している。
【0026】
また、下部ハンド(14)同様、一方の把持片(50b)の下面側に根鉢切断刃(17b)を固着すると共に、この対向側の把持片(50a)の下端を内側に折曲げて、長孔(49)を有する受刃部(48)に形成して、この把持片(50a)(50b)による苗(D)の茎下部把持の際に茎の根元側を切断し、根鉢部(d)をトレイ(5)に残したままとして、苗(D)の茎上部側持上げ時に苗姿勢を安定保持させると共に、穂木との接ぎ木後にこの茎基部を固形培地(22)に直接的に挿し木可能とさせるように構成している。
【0027】
そして、この拡狭移動機構を支持する把持フレーム(52)を、エアシリンダ等の前後アクチュエータ(53)に連結させて、左右一対の把持片(50a)(50b)を前後方向に移動自在に設けて、傾いた苗(D)などを把持ハンド(13)(14)より先に把持して、アクチュエータ(53)によって把持位置側に引寄せる引寄せ機能を有するように設けると共に、把持ハンド(13)(14)の所定高さ(C)上昇時には把持片(50a)(50b)を左右に開いて、この把持を解除させて苗(D)の上方への移動を容易とさせるように構成している。
【0028】
また、図4に示す如く、穂木用苗搬送ライン(2)に対し、穂木用苗(H)と台木用苗(D)の茎軸長の略差分だけ台木用苗搬送ライン(3)を一定高さ(T)低位置に配設して、穂木及び台木用苗(H)(D)とも同一の把持移送機構(6)及び切断機構(7)を用いて、茎軸長の異なるこれら苗(H)(D)の接ぎ木装置の構造のコンパクト化を図るように構成したものである。
【0029】
また、前記固形培地(22)にはパーライト、バーミキュライト、ピートモスなど用土を固めたもので、中央に接ぎ木済苗(S)の茎基部の挿入する挿し木孔(22a)を設けていて、接ぎ木終了後クリップ(10)により切断面が接合保持される接ぎ木済苗(S)が、把持移送機構(6)により所定高さ(C)分だけ下降するとき、接ぎ木済搬送ライン(4)のトレイ(5)に予め収納する固形培地(22)の挿し木孔(22a)に、苗(S)の茎基部が挿入して挿し木されるように構成している。
【0030】
図13に示す如く、前記搬送ライン(4)の挿し木位置上方には、苗(S)の茎基部を挿し木孔(22a)に案内するための挿し木ガイド手段であるガイドリング(54)を配設するもので、該ガイドリング(54)は土の付着のし難い樹脂製で、定期的に洗浄可能なように2つの半円体(54a)を合体させて2つ割構造に形成し、中央に開設するガイド溝(55)の上端を、下方先細りのテーパ部(55a)に形成し、ガイド溝(55)の最小内径を最大茎径より大とするように構成している。
【0031】
つまり、この接ぎ木作業にあっては、台木用苗(D)は穂木用苗(H)より茎軸長の長い品種を用いて、図14に示す如く作業が行われて、図15に示す如き接ぎ木済苗(S)を得るものであって、穂木及び台木用苗(H)(D)は上下把持ハンド(13)(14)によって茎の上下部が挾持されるとき、台木用苗(D)の茎下部が把持機構(18)によって挾持され、各苗(H)(D)の根元側が各切断刃(17a)(17b)によって切断されて根鉢部(h)(d)が切り落とされる。
次に、左右把持片(50a)(50b)を左右に開くなどして把持ハンド(13)(14)が所定高さ(C)上昇するとき、茎の略中央がカッタ(19)によって斜め切りされ、穂木用苗(H)の上部側と台木用苗(D)の下部側の斜め切り口が接合されるとき、クリップ(10)の圧着によるこの接合保持が行われて接ぎ木済苗(S)が形成される。
該接ぎ木済苗(S)が搬送ライン(4)近傍まで下降するとき、搬送ライン(4)上に待機する固形培地(22)にガイドリング(54)の案内によって挿し木されるもので、根鉢の形成に影響されることのない良好な接ぎ木作業を可能にできる。
【0032】
なお、図16に示す如く、台木用苗(D)の下部把持ハンド(14)を縦長の長い挾持片(38a)(38b)で形成して、下部把持機構(18)を兼用させる構成でも良い。
【0033】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、次のような効果を奏するものである。
穂木及び台木搬送コンベア(2)(3)で搬送される穂木及び台木用苗(H)(D)を上下把持ハンド(13)(14)によって把持して穂木及び台木に切断し、穂木と台木の接ぎ木を行うようにした苗の接ぎ木装置において、下把持ハンド(14)の下側で台木用苗(D)の胚軸下部を把持する茎下部把持手段(18)を備えたものであるから、上下把持ハンド(13)(14)による台木用苗(D)の把持の際、或いは把持直前に、軸長の長い台木用苗(D)の胚軸部を把持手段でも姿勢良好に把持し、適正な台木を切断形成して、この後の接ぎ木作業や固形培地への挿し木作業を良好に行わしめることができるものである。
【0034】
また、穂木搬送コンベア(2)より台木搬送コンベア(3)を低位置に配設したものであるから、軸長の短い穂木用苗(H)と同一把持移送機構(6)や切断機構(7)によって台木用苗(D)の把持及び切断を可能とさせて、構造の簡素化を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】台木用苗の把持説明図である。
【図2】接ぎ木装置の概略平面図である。
【図3】接ぎ木装置の概略正面図である。
【図4】把持移送機構部の正面説明図である。
【図5】把持移送機構部の側面説明図である。
【図6】下部把持ハンド部の斜視説明図である。
【図7】切断機構部の断面説明図である。
【図8】切断機構部の斜視説明図である。
【図9】穂木用苗の根鉢切断刃部の説明図である。
【図10】台木用苗の根鉢切断刃部の説明図である。
【図11】根鉢切断刃部の平面説明図である。
【図12】下部把持機構の側面説明図である。
【図13】ガイドリング部の説明図である。
【図14】接ぎ木作業の工程説明図である。
【図15】接ぎ木済苗の説明図である。
【図16】下部把持ハンドの変形構造例を示す説明図である。
【符号の説明】
(2) 搬送ライン(搬送コンベア)
(3) 搬送ライン(搬送コンベア)
(13) 把持ハンド
(14) 把持ハンド
(18) 把持機構(把持手段)
(54) ガイドリング(ガイド手段)
(H) 穂木用苗
(D) 台木用苗
(S) 接ぎ木済苗
Claims (2)
- 穂木及び台木搬送コンベアで搬送される穂木及び台木用苗を、上下把持ハンドによって把持して穂木及び台木に切断し、穂木と台木の接ぎ木を行うようにした苗の接ぎ木装置において、下把持ハンドの下側で、台木用苗の胚軸下部を把持する茎下部把持手段を備えたことを特徴とする苗の接ぎ木装置。
- 穂木搬送コンベアより、台木搬送コンベアを、低位置に配設したことを特徴とする請求項1記載の苗の接ぎ木装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP32632695A JP3587605B2 (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | 苗の接ぎ木装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32632695A JP3587605B2 (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | 苗の接ぎ木装置 |
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JPH09140258A JPH09140258A (ja) | 1997-06-03 |
JP3587605B2 true JP3587605B2 (ja) | 2004-11-10 |
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ID=18186527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32632695A Expired - Fee Related JP3587605B2 (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | 苗の接ぎ木装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3587605B2 (ja) |
-
1995
- 1995-11-20 JP JP32632695A patent/JP3587605B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09140258A (ja) | 1997-06-03 |
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