JP3586118B2 - 出力物検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像が可視的に出力された出力物を検査するために、その出力物を読み取って得られた読み取り画像データと比較するための基準画像データを得る検査基準画像生成方法および記録媒体ならびに出力物検査装置およびそれを備えた出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、印刷物の「濃度ムラの検出」「色調異常判定」などを行う検査装置を備えた印刷装置では、以下のようにして検査が行われている。
【0003】
まず、正常な印刷物を出力する。このとき、印刷物を技能のある担当者が目視して、「濃度ムラ」、「色調異常」がないかチェックする。そして、正常な印刷物が得られると、その印刷物を読み取り手段で読み取った読み取り画像を、基準画像として保存する。
【0004】
以上の準備の後、実際に印刷を行い、印刷出力毎に、印刷物の読取り画像と基準画像との階調の差分をとり、差分値が所定の階調しきい値を越えていれぱ、「濃度ムラ」、「色調異常」があると判定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術には、以下のような問題があった。
【0006】
▲1▼必ず事前に、1枚以上の正常印刷物の出力が必要であるため、実際の印刷物の枚数が少ないほど、全プロセス中において正常印刷物による準備工程が占める割合が相対的に大きくなり、ランニングコストが大きい。
【0007】
▲2▼正常な印刷物を出力するための作業時間や、官能評価するための「技能」と「人手」が必要になり、人的コストが大きい。
【0008】
▲3▼正常な印刷物にはバラツキがあるために、基準画像もバラツクことになり正確な検査が行えない。
【0009】
この発明は、従来技術における上述の問題の克服を意図しており、バラツキが少なくて正確な検査が行える基準画像データが低コストに得られる検査基準画像生成方法および記録媒体ならびに出力物検査装置およびそれを備えた出力装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の装置は、読み取り手段により画像が可視的に出力された出力物を読み取って得られた読み取り画像データを基に、検査手段により出力物を検査する出力物検査装置であって、出力物のラスター展開前の基画像データを取得するデータ取得手段と、読み取り手段に見込まれる読み取り平面内での偏位方向である予想偏位方向および前記予想偏位方向に見込まれる最大の偏位量である予想最大偏位量の指定入力を実現する指定手段と、得られた基画像データを、前記基画像データの基準位置と、指定された複数の予想偏位方向のそれぞれに対応した複数の予想最大偏位量だけ偏位させた予想最大偏位位置とにおいて、読み取り手段における画像読み取り特性に対応したデータ特性を有する基準画像データ及び複数の偏位変換画像データに変換するデータ変換手段と、前記複数の偏位変換画像データと前記基準画像データとの階調値の差分を含む階調範囲を許容階調範囲として求める範囲取得手段と、を備え、前記データ特性が画像データの解像度、色および階調のうち少なくともひとつに関する特性を含み、前記検査手段が前記読み取り画像データと前記基準画像データとを比較し、両画像データの各画素の階調差が前記許容階調範囲外である場合に出力物に異常があると判定することを特徴とする。
【0015】
また、この発明の請求項2に記載の装置は、請求項1に記載の出力物検査装置であって、範囲取得手段が許容階調範囲を基準画像データの階調からの上下の差分である上方階調差分値および下方階調差分値として求めることを特徴とする。
【0016】
また、この発明の請求項3に記載の装置は、読み取り手段により画像が可視的に出力された出力物を読み取って得られた読み取り画像データを基に、検査手段により出力物を検査する出力物検査装置であって、出力物のラスター展開前の基画像データを取得するデータ取得手段と、前記読み取り手段に見込まれる読み取り平面内での偏位方向である予想偏位方向および前記予想偏位方向に見込まれる最大の偏位量である予想最大偏位量の指定入力を実現する指定手段と、得られた前記基画像データを、基画像データの基準位置と、指定された複数の予想偏位方向のそれぞれに対応した複数の予想最大偏位量だけ偏位させた予想最大偏位位置とにおいて、前記読み取り手段における画像読み取り特性に対応したデータ特性を有する基準画像データおよび複数の偏位変換画像データに変換するデータ変換手段と、基準画像データおよび複数の偏位変換画像データのうちから、各画素についての最大の階調値のみの画像データを集めて最大基準画像データとするとともに、各画素についての最小の階調値のみの画像データを集めて最小基準画像データとする基準画像取得手段と、を備え、前記データ特性が画像データの解像度、色および階調のうち少なくともひとつに関する特性を含み、検査手段が、各画素において読み取り画像データが最大基準画像データより大きいか、または、各画素において読み取り画像データが最小基準画像データより小さい場合に出力物に異常があると判定することを特徴とする。
【0017】
また、この発明の請求項4に記載の装置は、読み取り手段により画像が可視的に出力された出力物を読み取って得られた読み取り画像データを基に、検査手段により出力物を検査する出力物検査装置であって、出力物のラスター展開前の基画像データを取得するデータ取得手段と、前記読み取り手段に見込まれる読み取り平面内での偏位方向である予想偏位方向および前記予想偏位方向に見込まれる最大の偏位量である予想最大偏位量の指定入力を実現する指定手段と、得られた前記基画像データを、読み取り手段に見込まれる読み取り平面内での偏位方向である複数の予想偏位方向のそれぞれにおいて、当該予想偏位方向に見込まれる所定の予想偏位量だけ偏位した状態で、前記読み取り手段における画像読み取り特性に対応したデータ特性を有する複数の基準画像データに変換するデータ変換手段と、を備え、前記データ特性が画像データの解像度、色および階調のうち少なくともひとつに関する特性を含み、検査手段が、得られた複数の基準画像データのそれぞれと読み取り画像データとの全画素における階調の差分の絶対値の和を求め、和が最小となる基準画像データを一致基準画像データとし、さらに、一致基準画像データと読み取り画像データとの各画素において得られた差分が所定の正常階調範囲外であれば出力物に異常があると判定することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
<1.実施の形態のシステム構成>
図1はこの発明の一実施の形態である出力装置のシステム構成図である。以下、図1を用いてこの出力装置について説明していく。なお、この発明において出力物とは、印刷物や、印刷のための刷版や、さらに刷版を作成するためのフィルム等の、画像を視覚的に捉えられる状態で記録した媒体一般を指す。
【0021】
この出力装置は、検査基準画像生成装置10および印刷・検査機20が適宜互いにインターフェイス(I/F)を介してバスラインBLにより接続されたシステムであり、印刷機により印刷した印刷物(出力物)の画像を検査機によって読み取り、得られた読み取り画像データと印刷およびラスター展開前の画像データである基画像データを変換して得られた基準画像データとを比較して、色調異常や濃度ムラ等の出力異常を検出する検査装置である。
【0022】
このうち、検査基準画像生成装置10は、CPU1、基本的プログラムが記憶されているROM2、以下に詳述する検査基準画像生成プログラム等を記憶するRAM3、その検査基準画像生成プログラム等を磁気ディスクやCD−ROM等の記録媒体4aから読み出す読み取り部4、図示しないキーボードやマウス等からの入力を受け付ける入力部5、各種表示を行うカラーディスプレイ6、所要のプログラムやデータを格納するハードディスク7等が適宜インターフェイス(I/F)を介して内部バスラインIBにより接続された一般的なコンピュータにおいて、内部のCPU1等が検査基準画像生成プログラムを実行することによって実現される装置である。また、検査基準画像生成プログラムは予めROM2またはハードディスク7に記憶しておき、RAM3に読み出して記憶して用いるものとしてもよく、その場合にはROM2またはハードディスク7が記録媒体として機能する。
【0023】
また、印刷・検査機20は印刷機21と検査機22とが一体としてなり、印刷機21により出力された印刷物(出力物)を検査機22がその出力と並行して自動的に読み取り、色調異常や色ムラ等の出力異常を検査する装置である。
【0024】
なお、このコンピュータシステムは外部のバスラインBLに接続されており、各装置と通信を行って各種データ等のやり取りを行うことができるようになっている。
【0025】
以上のような装置構成により以下に示す第1〜第3の実施の形態に示す機能を実現して、各出力検査処理を行う。
【0026】
<2.第1の実施の形態>
<<2−1.第1の実施の形態の機能的構成>>
図2はこの発明の第1の実施の形態である出力装置の機能ブロック図である。以下、図2を用いてこの出力装置の機能について説明していく。
【0027】
まず、印刷機21について説明する。画像入力I/F部211は、図示しない外部の画像編集レイアウト装置により作成された編集済みのPS形式などの後述するRIP展開前の基画像データを受けるインターフェイスであり、受け取った基画像データは一時的に画像メモリ212に保存された後、RIP展開部213に送られる。RIP展開部213は、基画像データに対してスクリーングラデーションなどのトーン変更をおこなった後、階調値を網点面積に変換するために、高解像度で分布するしきい値群で2値化するRIP展開(ラスター展開)を行い、得られた2値データをビーム出力部214へ送る。すると、ビーム出力部214は、2値デ一タに従って、高解像度でビームON/OFFにより、印刷用紙などへの焼き付けをおこなう。また、制御系CPU215は、印刷用紙の紙送りや、RIP展開しきい値群の切り替えなどの各部の制御を行う。
【0028】
つぎに、検査機22について説明する。
【0029】
センサ読取り部221は、印刷機21によって印刷された直後の印刷物に照明を当てて、RGBラインセンサで読取る。そして、得られた読み取り画像データは画像処理部222においてシェーデイング補正や、必要に応じてガンマ変換、色変換などが行われ、画像比較評価部223に送られる。画像比較評価部223は、得られた読み取り画像データと、後述する検査基準画像生成装置10により生成され、基準画像メモリ224に予め保存されている基準画像データとを比較し、さらに、検査基準画像生成装置10により生成され、許容階調範囲メモリ225に予め保存されている後述する許容階調範囲データを基に「濃度ムラ」「色調異常」等の異常(以下、総称して「出力異常」という)を検出する検査を行う。そして、表示部226は検査結果を表示する。
【0030】
つぎに、検査基準画像生成装置10について説明する。
【0031】
作業者が後述する検査機22のセンサ読取り部221に特有に見込まれる、画像読み取りの際の予想偏位方向および予想最大偏位量を予想偏位指定部101により指定すると、そのデータは解像度変換部102に送られ、解像度変換部102は画像メモリ212からRIP展開前の基画像データをデジタル状態のまま読み込み、指定された予想偏位方向および予想最大偏位量に基づいて、基画像データをセンサ読み取り部221の読み取り解像度に変換する。さらに、変換された画像データは色/階調変換部103に送られ、センサ読み取り部221の読み取り画像の光電的な読み取りにおける色および階調の特性に応じたデータ特性へと変換される。また、許容階調範囲決定部104は、色/階調変換部103により得られた基準画像データに基づいて許容階調範囲データを決定し、そのデータを許容階調範囲メモリ225に送って保存する。
【0032】
なお、予想偏位指定部101は図1のキーボード、マウス等を伴う入力部5により実現される機能であり、解像度変換部、色/階調変換部および許容階調範囲決定部は図1のCPU1において検査画像生成プログラムを実行することにより実現される機能である。
【0033】
以下、検査基準画像生成および出力物の検査の処理についてより詳細に説明する。
【0034】
<<2−2.第1の実施の形態の処理>>
図3は第1の実施の形態の出力装置における出力物検査の処理手順を示すフローチャートであり、図4は図3のステップS6の処理をより詳細に説明するフローチャートである。以下、図3および図4を用いて第1の実施の形態における出力物検査の処理手順を説明する。
【0035】
まず、解像度変換部102はRIP展開前の基画像データを画像メモリ212から読み込む(図3:ステップS1)。以下に示すように、この実施の形態では、デジタル状態の基画像データを基に基準画像データを得る。そのため、基準画像を得るための正常な出力物を準備する必要がなく、少部数の出力物を得る場合にも問題なく、低コストに基準画像データが得られる。なお、ここで得られる基画像データはC(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(墨)の各色成分ごとの画像データとして得られるものとする。
【0036】
つぎに、作業者が、予想偏位指定部101により、検査機22による読み取り位置の予想偏位方向および予想最大偏位量を指定する(図3:ステップS2)。ここで予想偏位方向および予想最大偏位量とは以下のような量である。
【0037】
検査機21ではセンサ読取り部221において印刷物(出力物)を読み取るのであるが、印刷機21からのセンサ読取り部221への印刷物の受け渡しは位置的に必ずしも正確に行われるものではないため、センサ読取り部221のRGBラインセンサによる印刷物の画像の読み取り位置は、印刷物ごとにある程度の偏位を伴う。そのため、それによって得られた読み取り画像はその読み取り位置により各画素の階調値が異なるものとなる。そのため、第1の実施の形態では後述する方法でその読み取り位置の偏位をも考慮した出力物の検査を行うため、センサ読取り部221に特有の読み取り位置の偏位方向および各偏位方向に生じ得る最大の偏位量を予め実験により求めておき、それらを検査機22において想定される予想偏位方向および予想最大偏位量として予想偏位指定部101(すなわち入力部5)を通じて作業者が入力指定するのである。
【0038】
図5は予想偏位方向および予想最大偏位量の例を示す図である。図5では基画像OGに対して直交する2辺と平行な方向であるX軸の正負方向およびY軸の正負方向の4方向の予想偏位方向D1〜D4のそれぞれに対応して、予想最大偏位量K1〜K4が指定されている。
【0039】
つぎに、解像度変換部102において、得られた基画像データをそのままの位置である基準位置および指定された各予想偏位方向に予想最大偏位量だけ偏位した位置である予想最大偏位位置において読み取り解像度へ色成分ごとに変換する(図3:ステップS3)。この装置では、基画像データから得られる基準画像データと読み取って得られた読み取り画像データとを比較して検査を行うのであるが、基画像データのデータ特性と読み取って得られた読み取り画像データのデータ特性とは通常異なっており、データ特性が異なっていると互いにデータを比較することが困難であるため、第1の実施の形態では基画像データを読み取り画像データと同じ特性に変換して基準画像データを得ている。ここで、データ特性とは、
▲1▼画像データにおける解像度、
▲2▼色に関する表現特性(RGBやCMYKのような種々の表色系のいずれを使用しているかについての色表現形式や、色補正が含まれる場合はその補正特性など)、
▲3▼階調に関する表現特性(ビット数やダイナミックレンジで示されるような階調表現範囲の大きさや、どのようなデータ形式で階調を表現しているか、階調補正が含まれる場合はその補正の特性など)、
を含めて、画像を表現するための種々の条件ないしは形式を表している。
【0040】
このステップでは、まず、解像度を共通にする。すなわち、センサ読取り部221の読み取り画素サイズは、検出したい濃度ムラのサイズ程度でよいことや、印刷出力が高速であるため扱うデータ量を抑えるなどのため、数ミリ角以上のかなり大きいサイズである。これに対し、基画像データの画素サイズはその数十分の一ないし数百分の一程度、すなわち、解像度が数十倍〜数百倍程度大きいことが多い。そのため、読み取り画像を比較する対象としての基準画像データの解像度を読み取り画像データの解像度と共通のものとする。すなわち、画素サイズを共通のものとする。
【0041】
具体的には、以下のように解像度の変換を行う。図6は基画像データと基準画像データの画素サイズの違いとともに、エッジ画像において読み取り位置が異なる様子を示す図である。基画像に対して所望の倍率(縮小率)に対応する基準画像の画素を想定し、その画素の各辺について投影した、基画像の画素が含まれる比率で階調値を加重平均する画像投影法を、X方向およびY方向(直交する2辺方向)に対して行い、画像を低解像度化(縮小)する。ここで縮小率は、(基画像の画素サイズ)/(基準画像(読み取り画像)の画素サイズ)である。
【0042】
例えば図6(a)では解像度変換後の画像の画素TP(階調値gs)には、Y方向に投影すると、基画像の画素OPのうち、階調の高い画素OP1(階調値g1)と階調の低い画素OP2(階調値g2)が5:1の比率で含まれている。この場合、
gs=(5/6)g1+(1/6)g2
となる。
【0043】
ただし、このような解像度の変換を行う際に、基画像を基準位置で解像度変換した中心画像(図5の例では基画像OGと重なる位置で解像度変換した画像)の他に、各予想偏位方向について予想最大偏位量だけ偏位した予想最大偏位位置についての変換も行い、予想偏位方向の数だけの最大偏位画像(図5の例では最大偏位画像KG1〜KG4)が得られる。これは、読み取り位置のズレ(偏位)が生じると予想される予想偏位方向に予想最大偏位量だけ偏位した位置で解像度変換を行った最大偏位画像データを用意し、それを基に許容階調範囲を設定することにより、読取り画像データと基準位置における基準画像とを相対的に偏位させて比較するのではなく、その偏位分が相当する読取りずれによる読取り誤差を含んだ許容階調範囲を設定することによって、出力物の読み取り位置のズレをも考慮した検査を行うためである。ここで、許容階調範囲とは階調の読み取りまたは変換の誤差による若干の階調変動を許容する正常階調範囲の他に、読み取り位置のズレによる階調の読取り誤差をも加味した階調範囲であって、許容階調範囲内であれば正常な出力と判定し、許容階調範囲外であれば出力異常と判定するための閾値である。
【0044】
つぎに、色/階調変換部103において、中心画像データおよび最大偏位画像データを色成分ごとに読み取り色および読み取り階調に変換する(図3:ステップS4)。
【0045】
具体的には、基画像データの各画素のCMYKによる階調値を、センサ読取り部221の画像読み取り特性に応じてR,G,B各色成分の階調値で表現された画像データに変換する。なお、この変換特性は、予めパッチデータなどを出力して求めておく。なお、ガンマ変換やその他の処理をおこなう場合は、それに応じた変換も行う。
【0046】
こうして、中心画像および最大偏位画像それぞれに対応する中心変換画像データおよび最大偏位変換画像データが生成された。
【0047】
つぎに、こうして作成された各変換画像データのうち、中心変換画像データを色成分ごとに基準画像データとして基準画像メモリ224に送り、保存する(図3:ステップS5)。また、各予想偏位方向に最大偏位した最大偏位変換画像データ群は、許容階調範囲決定部104に送られる。
【0048】
つぎに、許容階調範囲決定部104により色成分ごとに許容階調範囲を決定し、検査機22の許容階調範囲メモリ225に保存する(図3:ステップS6)。
【0049】
以下、画像読み取り位置(これは解像度変換位置に対応)の偏位による読み取り誤差(解像度変換の際には階調変動に対応)の生じる様子を図6の例を用いて説明する。図6の基画像には階調が隣接する画素OP1,OP2で急激に変化するエッジ画像、具体的には階調の高い領域(画素OP1)と階調の低い領域(画素OP2)が隣接している画像が含まれている。
【0050】
図6(a)では解像度変換後の画素TPの大部分を階調の高い領域が占めているのに対し、図6(b)ではほぼ半分、図6(c)では読み取り画素の大部分を階調の低い領域が占めている。それに伴い、図6(a)では読み取り画素の階調は高く、図6(b)、図6(c)の順に階調が低くなっている。
【0051】
このように、エッジ画像部分では読み取り位置の相対的位置ズレによって読み取り画像データの階調値が大きく異なることとなる。(これは、解像度変換でも画素の出力物に対する相対的偏位によって解像度変換後の画像データの階調が大きく異なることも意味する。)。
【0052】
逆に、平坦な画像すなわち、隣接する画素間で階調がほとんど変化しないような画像の場合には多少、解像度変換位置が偏位しても、得られる解像度変換後の画像データの階調はほとんど変化しない。そのため、この装置では、予め各予想偏位方向に予想最大偏位だけ基画像を偏位させた画像を基に階調許容範囲を設定することにより、読み取り位置の相対的偏位による階調の変動分を含んだ階調許容範囲を設定する。すなわち、上述のように基画像の解像度変換を基準位置以外に予想最大変位位置でも変換しているのである。
【0053】
以下、図4を用いて許容階調範囲決定部104によるステップS6の処理の詳細について説明する。
【0054】
まず、各色成分の全最大偏位画像データのうちから各画素について最大および最小の階調値を決定する(図4:ステップS11)。
【0055】
つぎに、得られた全画素の最大および最小の階調値と基準画像データとの差分を上方差分値集合および下方差分値集合(両者を併せると正常出力と判断する階調範囲としての許容階調範囲の集合を表す)として色成分ごとに許容階調範囲メモリに保存する(図4:ステップS12)。こうして得られた許容階調範囲は上述のように平坦な画像部分では狭く、エッジ画像部分では広いものとなっており、これにより読み取り位置ズレをも含めた許容階調範囲が設定できた。そして、これで、ステップS6の処理が終了した。
【0056】
図3の説明に戻り、最後に、印刷機21による印刷物の出力とともに検査機22による出力検査を行う(図3:ステップS7)。具体的には、印刷機21から出力された印刷物を検査機22のセンサ読取り部221により読み取り、画像比較評価部223において、必要に応じて画像処理部222で画像処理されたRGB各色成分の読み取り画像データと、対応する色成分の基準画像データとの対応する画素ごとの階調の差分を求め、その差分と、その画素における上方差分値または下方差分値と比較し、前者が上方差分値と下方差分値との間にあれば、その画素には「出力異常なし」と判定し、間になければ「出力異常あり」と判定する。そして、それらの検査結果を表示部226に表示する。なお、ステップS7の処理は必要な部数の印刷物が得られるまで繰り返される。
【0057】
また、以上において読み取り位置ズレによるエッジ画像に対する階調変換の誤差分を許容階調範囲に含めたため、たとえば、規則的に階調が変化する市松模様の画像などにおいては予想最大偏位量が市松模様の一周期長とほぼ等しい場合などに、基準画像と最大偏位画像との中間の位置に階調のピークを有する場合がある。このような場合には第1の実施の形態(後述する第2の実施の形態も同様)の検査方法では出力異常を検出できない場合があり得るが、そのような出力物に対しては出力検査後に目視等により再検査を行うなどの方法により異常を検出する必要がある。また、このようなことが考えられる場合は、予想最大偏位量だけでなく、その中間偏位量の画像も求めることで階調のピークを検出することができる。
【0058】
以上、説明したように、第1の実施の形態によれば、出力物のラスター展開前の基画像データをセンサ読取り部221の画像読み取り特性に対応したデータ特性に変換して基準画像データを得るため、正常な出力物を得て、その出力物から基準画像データを作成しないので、低コストで、かつ、バラツキの少ない基準画像データを得ることができ、また、正常な出力物を得る必要がないため、迅速に基準画像データを得ることができる。さらに、そのようにして得られた基準画像データと読み取り画像データとを比較して検査を行うため、低コストで正確、かつ迅速に検査を行うことができる。
【0059】
また、基準位置と予想最大偏位位置とにおける基画像データの変換を行い、基準画像データおよび複数の偏位変換画像データをそれぞれ得て、複数の偏位変換画像データと基準画像データとの階調値の差分と正常階調範囲の和を許容階調範囲として求め、読み取り画像データと基準画像データとを比較し、両画像データの各画素の階調差が許容階調範囲外である場合に出力物に異常があると判定するため、許容階調範囲に読み取り画像データの読み取り位置の偏位による階調の読み取り誤差を含むため、エッジ画像ほど大きい適正な許容階調範囲が設定できる。
【0060】
さらに、印刷物を出力する印刷機21と、得られた出力物に対して検査を行う検査機22とを備える出力装置であるため、出力と並行して印刷物の検査を行うことにより迅速に検査を行うことができる。
【0061】
<3.第2の実施の形態>
以下、この発明の第2の実施の形態について説明する。図7はこの発明の第2の実施の形態である出力装置の機能ブロック図である。図示のように第2の実施の形態の出力装置は、第1の実施の形態の装置に対して、画像検査機22に許容階調範囲メモリが、検査基準画像生成装置10に許容階調範囲決定部がそれぞれ設けられておらず、代わりに検査基準画像生成装置10に後述する最大基準画像データおよび最小基準画像データを決定し、それらデータを検査機22の基準画像メモリ224に送信する基準画像決定部105が設けられていることのみが異なっている。これは、以下に示す基準画像データの保持の仕方が第1の実施の形態と異なるからである。
【0062】
図8は第2の実施の形態の出力装置における出力物検査の処理手順を示すフローチャートであり、図9は図8のステップS25の処理をより詳細に説明するフローチャートである。以下、図8および図9を用いて第2の実施の形態における出力物検査の処理手順を説明する。
【0063】
図8のフローチャートにおいて、ステップS21〜S24の処理は図3のステップS1〜S4と全く同じである。そのため、ここではそれらの処理の説明は省略する。
【0064】
そして、基準画像決定部105において、中心変換画像データおよび全偏位変換画像データから最大基準画像データおよび最小基準画像データを各色成分ごとに決定し、保存する(図8:ステップS25)。
【0065】
以下、図9を用いてステップS25の処理についてより詳細に説明する。
【0066】
第2の実施の形態における出力検査原理はほぼ第1の実施の形態と同様である。ただし、第1の実施の形態では各画素について基準画像の階調値に対する上方階調差分値および下方階調差分値として許容階調範囲を設定していたのに対して、第2の実施の形態では、許容階調範囲を用いないで、代わりに、第1の実施の形態における中心変換画像データおよび全偏位変換画像データのうちから、対応する各画素について最大の階調値および最小の階調値を求め(図9:ステップS31)、各画素の最大階調値のみを集めて最大基準画像とし、最小階調値のみを集めて最小基準画像として決定し、それらを基準画像メモリに保存する(図9:ステップS32)。
【0067】
図8の説明に戻り、最後に、印刷機21による印刷物の出力とともに検査機22により出力検査を行う(図8:ステップS26)。具体的には、得られた最大および最小基準画像データと読み取り画像データとの対応する色成分の画素ごとの階調の比較を行い、読み取り画像データの階調値が、最大基準画像データの階調値より小さく、かつ、最小基準画像データの階調値より大きい場合にのみ、その画素には「出力異常なし」と判定し、それ以外の場合(読み取り画像データの階調値が最大基準画像データの階調値以上か、または、最小基準画像データの階調値以下の場合)には「出力異常あり」と判定する。そして、それらの検査結果を表示部226に表示する。なお、ステップS26の処理は必要な部数の印刷物が得られるまで繰り返される。
【0068】
以上、説明したように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を有するとともに、基準位置および予想最大偏位位置とにおいて変換を行い、基準画像データおよび複数の偏位変換画像データをそれぞれ得て、それらのうちから、各画素についての最大の階調値のみの画像データを集めて最大基準画像データとするとともに、各画素についての最小の階調値のみの画像データを集めて最小基準画像データとし、各画素において読み取り画像データが最大基準画像データより大きいか、または、各画素において読み取り画像データが最小基準画像データより小さい場合に出力物に異常があると判定するため、最大基準画像データと最小基準画像データとを保持すればよいので、第1の実施の形態のように1つの基準画像データと上方階調差分値および下方階調差分値との3組のデータを保持するより記憶容量が少なくて済む。
【0069】
<4.第3の実施の形態>
以下、この発明の第3の実施の形態について説明する。図10は第3の実施の形態における出力装置の機能ブロック図であり、第2の実施の形態における機能ブロック図である図7と比較すると、検査基準画像生成装置10に基準画像決定部105が備わっていないことと、検査機22に前述の正常階調範囲が予め保存された正常階調範囲メモリ227を備えている点のみが異なっている。また、幾つかの機能ブロックで行う処理が異なっている。以下、具体的処理の説明とともに説明する。
【0070】
図11は第3の実施の形態の出力装置における出力物検査の処理手順を示すフローチャートであり、図12は図11のステップS46の処理をより詳細に説明するフローチャートである。図11において、ステップS41およびS42の処理は第1の実施の形態のステップS1およびS2と全く同様であるので説明を省略する。
【0071】
つぎに、解像度変換部102において、基画像データを基準位置および各偏位位置において読み取り解像度へYMCK各色成分ごとに変換する(図11:ステップS43)。すなわち、基準位置以外に各予想偏位方向において予想最大偏位量の7割の偏位量(予想偏位量)の位置(以下「偏位位置」という)でも解像度変換を行う。なお、各偏位位置における解像度変換後の画像データを、以下、偏位画像データと呼ぶ。また、偏位位置を予想最大偏位量の7割とした理由については後述する。
【0072】
つぎに、色/階調変換部103において、中心画像データおよび全偏位画像データに対して読み取り色および読み取り階調への変換を行う(図11:ステップS44)。すなわち、センサ読取り部221における読み取り色および読み取り階調の特性に対応したデータ特性へと変換する対象が、第1の実施の形態では中心画像データおよび全最大偏位画像データであったのに対して、第3の実施の形態では中心画像データおよび全偏位画像データであることのみが異なっており、各画像データに対する変換処理自体は図3のステップS4と同じである。
【0073】
つぎに、変換された各画像データを色成分ごとに基準画像データとして基準画像メモリ224に送り、保存する(図11:ステップS45)。
【0074】
最後に、印刷機21による印刷物の出力とともに検査機22により出力検査を行う(図11:ステップS46)。以下、図12を用いてステップS46の処理の詳細について説明する。
【0075】
まず、印刷物をビーム出力部214により出力する(図12:ステップS51)。
【0076】
つぎに、センサ読取り部221により印刷物の画像を読み取る(図12:ステップS52)。
【0077】
つぎに、画像比較評価部223において、全基準画像データのうち読み取り画像データと最も一致する一致画像データを決定する(図12:ステップS53)。
【0078】
具体的には各基準画像データと読み取り画像データとの各画素の階調の差分の絶対値の和をさらにRGB全色成分について合計し、その和が最小の基準画像データを最も一致した一致基準画像データとする。
【0079】
ところで、基準位置以外の基準画像データの基準位置に対する位置、換言すると、偏位画像の偏位位置を予想最大偏位量の7割の偏位量の位置としたのは、出力物の読み取り位置ズレは各予想偏位方向について基準位置と予想最大偏位位置との間のいずれかの位置をとり得るが、予想偏位方向の予想最大偏位量の4割〜10割(予想最大偏位位置)のいずれかの位置では、上記偏位位置に対してそれぞれ最大偏位量の3割以内の位置ズレを有する。また、基準位置から各予想偏位方向に予想最大偏位量の0割(基準位置)〜3割のいずれかに偏位した位置では基準位置に対して、これも3割以内の位置ズレを有することになる。そのため、読み取り画像データがいずれの基準画像データにほぼ一致すると判断された場合にも、位置ズレは予想最大偏位量の3割以内となる。すなわち、一致の判断の含む誤差を予想最大偏位量の3割以内の位置ズレに対応した程度に抑えられるのである。
【0080】
最後に、画像比較評価部223において、各色成分の読み取り画像データと、対応する色成分の一致基準画像データとの画素ごとの階調値の差分を求め、その差分が前述の所定の正常階調範囲にあれば、対象とする画素には「出力異常なし」と判定し、逆に正常階調範囲外にあれば、対象とする画素には「出力異常あり」と判定する(図12:ステップS54)。そして、それらの検査結果を表示部226に表示する。なお、図11のステップS46の処理は必要な部数の印刷物が得られるまで繰り返される。
【0081】
以上、説明したように第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に低コストで、かつ、バラツキの少ない基準画像データを迅速に得ることができ、さらに、低コストで正確、かつ迅速に検査を行うことができるという効果を有する。
【0082】
さらに、複数の予想偏位方向およびそれらに対する予想最大偏位量を指定し、複数の予想偏位方向において予想最大偏位量だけ偏位した状態で変換することにより複数の基準画像データを求め、得られた複数の基準画像データと読み取り画像データとの各画素における階調の差分を求め、各画素において得られた差分の全てが正常階調範囲外であれば出力物に異常があると判定するため、正常階調範囲が読み取り位置の偏位による階調の読み取り誤差をほとんど含まないので高精度の検査を行うことができる。
【0083】
<5.変形例>
上記第1〜第3の実施の形態において出力装置およびそれによる検査基準画像作成処理および出力検査処理の一例を示したが、この発明はこれに限られるものではない。
【0084】
上記第1〜第3の実施の形態では、解像度変換において基準画像の各画素に含まれる基画像の画素の階調を加重平均して基準画像データをえるものとしたが、単純平均やDCT等その他の変倍方法によって解像度変換を行ってもよい。
【0085】
また、上記第1〜第3の実施の形態では、カラー画像を対象としたがモノクロ画像を検査対象とすることもできる。なお、その場合には色の表現特性に応じた変換は不要となる。また、基画像データと画像読み取り手段の間で階調表現のデータ形式や階調表現範囲に違いがなければ、階調に関する変換も不要となる。
【0086】
一般に、この発明では、解像度、色および階調のうちの少なくともひとつを含む特性について、画像の読取り手段での画像読み取り特性に応じた変換を行うことが好ましい。
【0087】
また、上記第1〜第3の実施の形態では、予想偏位方向を作業者が指定して、それらの方向に最大偏位画像または偏位画像を得るものとしたが、予め図5のようなX軸およびY軸の正負方向の4方向、または、それらの方向にさらに図5の基準画像の対角方向の正負方向を含めた8方向を設定しておき、さらに、それらについて予め予想最大偏位量または予想偏位量を設定しておき、それらを基に最大偏位画像または偏位画像を得るものとしてもよい。
【0088】
また、第1〜第3の実施の形態では、読み取り色へ変換としてRGB表色系に変換するものとしたが、出力物の読み取りがCMYK表色系による読み取りであるなど、その他の表色系の場合には、その表色系に変換するものであり、また、第1〜第3の実施の形態では、基画像データをCMYK表色系のデータとしたが、HSL表色系やLab表色系等、その他の表色系の基画像データに対してもその表色系に対応したパッチデータを用いて色変換を行うものとしてもよい。
【0089】
さらに、上記第3の実施の形態では予想最大偏位量の7割の位置での偏位画像を各予想偏位方向について1つずつ求めるものとしたが、各予想偏位方向について予想最大偏位量の3割、5割、7割、9割の位置に偏位画像を求めて一致基準画像を求めるなど、より多くの基準画像を用いてもよい。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項4の発明によれば、出力物のラスター展開前の基画像データを、指定手段によって指定された予想偏位方向および予想最大偏位量に基づいて、読み取り手段における画像読み取り特性に対応したデータ特性を有する基準画像データに変換するため、正常な出力物を得て、その出力物から基準画像データを作成しないので、低コストであるとともに、基画像データにバラツキが少なく、それを用いて検査を行うことにより正確な検査が行える。また、正常な出力物を得る必要がないため、迅速に基準画像データを得ることができる。
【0092】
また、とくに請求項1の発明によれば、データ変換手段が基画像データの基準位置と、指定手段によって指定された複数の予想偏位方向のそれぞれに対応した複数の予想最大偏位量だけ偏位させた予想最大偏位位置とにおいて変換を行い、基準画像データおよび複数の偏位変換画像データをそれぞれ得て、複数の偏位変換画像データと基準画像データとの階調値の差分を含む階調範囲を許容階調範囲として求め、読み取り画像データと基準画像データとを比較し、両画像データの各画素の階調差が許容階調範囲外である場合に出力物に異常があると判定するため、許容階調範囲に読み取り画像データの読み取り位置の偏位による階調の読み取り誤差を含むため、許容階調範囲の設定をエッジ画像ほど大きく適正なものとすることができる。
【0093】
また、とくに請求項3の発明によれば、指定手段によって指定された複数の予想偏位方向のそれぞれに対応した複数の予想最大偏位量だけ偏位させた予想最大偏位位置とにおいて変換を行い、基準画像データおよび複数の偏位変換画像データをそれぞれ得て、基準画像データおよび複数の偏位変換画像データのうちから、各画素についての最大の階調値のみの画像データを集めて最大基準画像データとするとともに、各画素についての最小の階調値のみの画像データを集めて最小基準画像データとし、検査手段が、各画素において読み取り画像データが最大基準画像データより大きいか、または、各画素において読み取り画像データが最小基準画像データより小さい場合に出力物に異常があると判定するため、最大基準画像データと最小基準画像データとを保持すればよいので、1つの基準画像データと、上方階調差分値および下方階調差分値との3組のデータを保持するより記憶容量が少なくて済む。
【0094】
また、とくに請求項4の発明によれば、データ変換手段が、複数の予想偏位方向のそれぞれにおいて、所定の予想偏位量だけ偏位した状態で変換を行うことにより複数の基準画像データを求め、さらに、検査手段が、得られた複数の基準画像データのそれぞれと読み取り画像データとの全画素における階調の差分の絶対値の和を求め、その和が最小となる基準画像データを一致基準画像データとし、一致基準画像データと読み取り画像データとの各画素において得られた差分が所定の正常階調範囲外であれば出力物に異常があると判定するため、正常階調範囲が読み取り位置の偏位による階調の読み取り誤差をほとんど含まないので高精度の検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態である出力装置のシステム構成図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態である出力装置の機能ブロック図である。
【図3】第1の実施の形態の出力装置における出力物検査の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS6の処理をより詳細に説明するフローチャートである。
【図5】予想偏位方向および予想最大偏位量の例を示す図である。
【図6】基画像データと基準画像データの画素サイズの違いとともに、エッジ画像において読み取り位置が異なる様子を示す図である。
【図7】この発明の第2の実施の形態である出力装置の機能ブロック図である。
【図8】第2の実施の形態の出力装置における出力物検査の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS25の処理をより詳細に説明するフローチャートである。
【図10】第3の実施の形態における出力装置の機能ブロック図である。
【図11】第3の実施の形態の出力装置における出力物検査の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図11のステップS46の処理をより詳細に説明するフローチャートである。
【符号の説明】
2 ROM(記録媒体)
4a 記録媒体
7 ハードディスク(記録媒体)
10 検査基準画像生成装置
20 印刷・検査機(10と併せて出力装置)
21 印刷機(出力手段)
22 検査機
101 予想偏位指定部(指定手段)
102 解像度変換部(データ変換手段)
103 色/階調変換部(データ変換手段)
104 許容階調範囲決定部(範囲取得手段)
105 基準画像決定部(基準画像取得手段)
211 画像入力I/F部(データ取得手段)
214 ビーム出力部(出力手段)
221 センサ読取り部(読み取り手段)
223 画像比較評価部(検査手段)
224 基準画像メモリ
225 許容階調範囲メモリ
D1〜D4 予想偏位方向
K1〜K4 予想最大偏位量
KG1〜KG4 最大偏位画像
Claims (4)
- 読み取り手段により画像が可視的に出力された出力物を読み取って得られた読み取り画像データを基に、検査手段により出力物を検査する出力物検査装置であって、
出力物のラスター展開前の基画像データを取得するデータ取得手段と、
前記読み取り手段に見込まれる読み取り平面内での偏位方向である予想偏位方向および前記予想偏位方向に見込まれる最大の偏位量である予想最大偏位量の指定入力を実現する指定手段と、
得られた前記基画像データを、前記基画像データの基準位置と、指定された複数の予想偏位方向のそれぞれに対応した複数の予想最大偏位量だけ偏位させた予想最大偏位位置とにおいて、前記読み取り手段における画像読み取り特性に対応したデータ特性を有する基準画像データ及び複数の偏位変換画像データに変換するデータ変換手段と、
前記複数の偏位変換画像データと前記基準画像データとの階調値の差分を含む階調範囲を許容階調範囲として求める範囲取得手段と、
を備え、
前記データ特性が画像データの解像度、色および階調のうち少なくともひとつに関する特性を含み、
前記検査手段が前記読み取り画像データと前記基準画像データとを比較し、両画像データの各画素の階調差が前記許容階調範囲外である場合に出力物に異常があると判定することを特徴とする出力物検査装置。 - 請求項1に記載の出力物検査装置であって、
前記範囲取得手段が前記許容階調範囲を前記基準画像データの階調からの上下の差分である上方階調差分値および下方階調差分値として求めることを特徴とする出力物検査装置。 - 読み取り手段により画像が可視的に出力された出力物を読み取って得られた読み取り画像データを基に、検査手段により出力物を検査する出力物検査装置であって、
出力物のラスター展開前の基画像データを取得するデータ取得手段と、
前記読み取り手段に見込まれる読み取り平面内での偏位方向である予想偏位方向および前記予想偏位方向に見込まれる最大の偏位量である予想最大偏位量の指定入力を実現する指定手段と、
得られた前記基画像データを、前記基画像データの基準位置と、指定された複数の予想偏位方向のそれぞれに対応した複数の予想最大偏位量だけ偏位させた予想最大偏位位置とにおいて、前記読み取り手段における画像読み取り特性に対応したデータ特性を有する基準画像データ及び複数の偏位変換画像データに変換するデータ変換手段と、
前記基準画像データおよび前記複数の偏位変換画像データのうちから、各画素について
の最大の階調値のみの画像データを集めて最大基準画像データとするとともに、各画素についての最小の階調値のみの画像データを集めて最小基準画像データとする基準画像取得手段と、
を備え、
前記データ特性が画像データの解像度、色および階調のうち少なくともひとつに関する特性を含み、
前記検査手段が、各画素において前記読み取り画像データが前記最大基準画像データより大きいか、または、各画素において前記読み取り画像データが前記最小基準画像データより小さい場合に前記出力物に異常があると判定することを特徴とする出力物検査装置。 - 読み取り手段により画像が可視的に出力された出力物を読み取って得られた読み取り画像データを基に、検査手段により出力物を検査する出力物検査装置であって、
出力物のラスター展開前の基画像データを取得するデータ取得手段と、
前記読み取り手段に見込まれる読み取り平面内での偏位方向である予想偏位方向および前記予想偏位方向に見込まれる最大の偏位量である予想最大偏位量の指定入力を実現する指定手段と、
得られた前記基画像データを、前記読み取り手段に見込まれる読み取り平面内での偏位方向である複数の予想偏位方向のそれぞれにおいて、当該予想偏位方向に見込まれる所定の予想偏位量だけ偏位した状態で、前記読み取り手段における画像読み取り特性に対応したデータ特性を有する複数の基準画像データに変換するデータ変換手段と、
を備え、
前記データ特性が画像データの解像度、色および階調のうち少なくともひとつに関する特性を含み、
前記検査手段が、得られた前記複数の基準画像データのそれぞれと前記読み取り画像データとの全画素における階調の差分の絶対値の和を求め、前記和が最小となる基準画像データを一致基準画像データとし、さらに、前記一致基準画像データと前記読み取り画像データとの各画素において得られた差分が所定の正常階調範囲外であれば前記出力物に異常があると判定することを特徴とする出力物検査装置。
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