JP3585477B2 - ネットワーク対局ゲームシステム及び該システムを実現するコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信ネットワークを介してサーバに繋がれた2つの端末間で、将棋及び囲碁のうち少なくともいずれか一方のゲームの対局が可能なネットワーク対局ゲームシステム、及び該システムを実現するコンピュータプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、通信ネットワークを介して所定のサーバに接続し、そこに接続している他のユーザーと、将棋、囲碁などのゲームを対局するネットワーク対局ゲームシステムが広く普及している。通常、このようなゲーム対局は、公知のプログラミング言語であるJava(米国Sun Microsystems社の商標名)で記述されたアプレットにより、各端末のインターネットWEBブラウザ上で実現される。アプレットは、サーバへの接続時に端末へダウンロードされ、インターネットWEBブラウザ上で動作し、サーバとの接続が断たれた時(アプレット終了時)に端末から消去される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなアプレットを用いたネットワーク対局ゲームでは、アプレットのダウンロードの手間、ゲーム時のアプレットによる通信量の増大等の問題からアプレットの容量を小さくする必要があり、それによりゲームの機能は限られたものになってしまう。例えば、ゲームの表示に関していえば、将棋における駒の移動や、囲碁における石打ちの際に、駒移動/石打ちのアニメーションを端末側に表示させるには、駒移動/石打ちの前後の表示を切換えるだけの処理と比べて大容量のデータの処理を必要とするため、アニメーションを表示させることは困難である。このようにアニメーション表示が行われないため、駒移動/石打ちの際に棋譜を表示していたとしても、どの駒がどのように移動したかということがユーザーに視覚的にわかりにくいというような問題点があった。
【0004】
そこで本発明の課題は、ユーザーが、視覚的にゲームの進行を容易に理解でき、あたかも本格的な将棋や囲碁の対局がそこで実際に行われているかのような操作感を得ることが可能なネットワーク対局ゲームシステムと、該システムをコンピュータ上にて実現するためのコンピュータプログラムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するため、本発明のネットワーク対局ゲームシステムでは、 通信ネットワークを介してサーバに繋がれた2つの端末間で、将棋及び囲碁のいずれかの対局を行うネットワーク対局ゲームシステムにおいて、
前記端末は、
前記将棋の対局か囲碁の対局かを選択させる選択入力手段と、
その選択入力手段により将棋が選択された場合に、
前記端末に将棋用の盤面を有する対局表示ウィンドウを表示する対局表示ウィンドウ設定手段と、
アニメーション起動指令を受け、将棋の駒移動のアニメーションを、前記対局表示ウィンドウ上に表示するアニメーション表示手段と、
前記盤面上において駒移動の入力を行う入力手段と、
前記入力手段による入力を基に、アニメーション起動指令を生成し、該指令を前記端末の前記アニメーション表示手段に送信し、また前記サーバにも送信するアニメーション起動指令生成手段とを備え、
前記サーバは、
一方の端末から受信した前記アニメーション起動指令を、もう一方の端末へ配信するアニメーション起動指令配信手段を備え、
前記2つの端末が交互にアニメーション起動指令を前記サーバに送信し、前記通信ネットワークを常時接続した状態で該ネットワークを通じて対局ゲームを進行する一方、
さらに棋譜として駒の移動情報を手番毎に保存する駒の移動情報保存手段と、その駒の移動情報を読み出す駒の移動情報読出し手段と、その読み出された駒の移動情報を棋譜として各端末に互いに同期してリアルタイムに表示させる表示制御手段とが設けられ、
前記サーバに繋がれている複数の前記端末は、前記駒の移動情報に基づき、それぞれの端末に同様の棋譜を互いに同期してリアルタイムに表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、
通信ネットワークを介してサーバに繋がれた2つの端末間で、将棋及び囲碁のいずれかの対局を行うネットワーク対局ゲームシステムにおいて、
前記端末は、
前記将棋の対局か囲碁の対局かを選択させる選択入力手段と、
その選択入力手段により囲碁が選択された場合に、
前記端末に囲碁用の盤面を有する対局表示ウィンドウを表示する対局表示ウィンドウ設定手段と、
アニメーション起動指令を受け、囲碁の石打ちのアニメーションを、前記対局表示ウィンドウ上に表示するアニメーション表示手段と、
前記盤面上において石打ちの入力を行う入力手段と、
前記入力手段による入力を基に、アニメーション起動指令を生成し、該指令を前記端末の前記アニメーション表示手段に送信し、また前記サーバにも送信するアニメーション起動指令生成手段とを備え、
前記サーバは、
一方の端末から受信した前記アニメーション起動指令を、もう一方の端末へ配信するアニメーション起動指令配信手段を備え、
前記2つの端末が交互にアニメーション起動指令を前記サーバに送信し、前記通信ネットワークを常時接続した状態で該ネットワークを通じて対局ゲームを進行する一方、
さらに棋譜として碁石の石打ち情報を手番毎に保存する碁石の石打ち情報保存手段と、その碁石の石打ち情報を読み出す碁石の石打ち情報読出し手段と、その読み出された碁石の石打ち情報を棋譜として各端末に互いに同期してリアルタイムに表示させる表示制御手段とが設けられ、
前記サーバに繋がれている複数の前記端末は、前記碁石の石打ち情報に基づき、それぞれの端末に同様の棋譜を互いに同期してリアルタイムに表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【0007】
上記のように、端末の対局表示ウィンドウ上にアニメーションを表示するためのアニメーション表示手段を端末側に設けておき、アニメーション起動指令のみを端末とサーバとの間でやり取りするようにネットワーク対局ゲームシステムを構成すれば、アニメーション起動指令は、将棋の場合には駒の種類情報、移動前位置情報、及び移動後位置情報等、囲碁の場合には碁石の種類情報、及び石打ち位置情報等と、アニメーション自体をやり取りする場合と比べて比較的容量の少ない情報から構成することができる。これにより、端末とサーバとの間では低容量の通信モジュールがやり取りされることになるので、データ送受信に要する時間やサーバの処理負担の軽減を実現させながら、アニメーション表示をすることが可能となり、ユーザーは視覚的にゲームの進行を容易に理解できるようになる。
【0008】
また、前記サーバは、対局状態にない端末にも前記アニメーション起動指令を配信することが可能であり、
該対局状態にない端末は、前記サーバからの前記アニメーション起動指令を受信し、前記対局表示ウィンドウに前記アニメーションを表示させることが可能であり、それにより前記対局表示ウィンドウに前記対局をリアルタイムに閲覧表示することが可能なようにネットワーク対局ゲームシステムを構成すれば、対局を行っていない第3者が、前述と同様のアニメーション表示された対局を観戦することができるため、第3者は視覚的にゲームの進行を容易に理解できるようになる。
【0009】
本発明のネットワークゲーム対局システムでは、前記サーバ及び前記端末は、前記対局表示ウィンドウ内にチャット情報の表示を行い、前記対局に係る端末間でチャットを実行可能にするチャット実行手段を有する。ここでいう対局に係る端末間というのは対局状態にある2つの端末と、更に対局を閲覧表示している第3者の端末とを含む意味である。これにより、対局者同士、又はそれに観戦者を加えた間でチャットを行うことができ、あたかも実際に一つの盤面を複数の人間で囲み、会話を交わしながら対局を行っているような感覚が得られる。
【0010】
また、そのような場では観戦者が横槍を入れてくる場合があり、対局者が集中できない場合があるので、前記対局状態にある端末に、前記対局状態にない端末のチャットの参加を拒否することが可能な機能を持たせることで、観戦者の横槍を防ぐことができる。
【0011】
本発明のネットワークゲーム対局システムでは、前記端末は、対局の棋譜を保存することが可能であり、対局後に該棋譜に基づいて前記対局を前記対局表示ウィンドウ上に再現表示することができるよう構成されている。対局表示ウィンドウに対局の再現表示を行うことで、ユーザーは視覚的に容易に過去の対局を振返ることができるようになる。
【0012】
また、本発明のネットワーク対局ゲームシステムでは、前記サーバに繋がれている複数の前記端末は、過去の対局の棋譜を基に、それぞれの端末に同様の再現表示を、各端末で互いに同期してリアルタイムに行うことが可能であることを特徴とする。そして、前記端末はそのようなリアルタイムの再現表示をそれぞれの対局ウィンドウ上に表示し、前記サーバ及び前記端末がチャット実行手段を有する場合には、前記サーバは、該複数の端末を前記対局に係る端末とし、該複数の端末間でチャットを行うことを可能となるようネットワークゲーム対局システムを構成すると、複数の端末でリアルタイムに過去の対局の再現表示を行うことができる。また、端末がチャット機能を有する場合には、再現表示を見ながらチャットを行うことにより、ユーザー同士でその対局についての話し合いを行うことが可能となる。
【0013】
さらに、前記複数の端末のうち少なくとも一つを操作するユーザーは将棋及び/又は囲碁の有段者であり、他の端末を操作するユーザーは、前記有段者とリアルタイムに前記再現表示を閲覧することにより、前記有段者から前記チャットで指導を受けることを可能にすれば、ユーザーの競技レベルの向上に繋がる。そして、前記指導を受けたユーザーは、前記指導の行われた対局数に応じて、前記有段者に料金を払うことで、有段者に副収入をもたらすことになる。
【0014】
本発明のネットワークゲーム対局システムでは、
前記サーバ及び前記端末は、通信ネットワークを介して繋がっている複数の端末間のチャットが可能なチャットルームを設定し、該チャットルームのチャット情報を、各端末に設定されるチャットルームウィンドウに表示を行うチャットルーム実行手段を有し、
前記端末が前記サーバにアクセスを開始した際、または前記ネットワーク対局ゲーム終了後において、前記端末を操作するユーザーは、前記チャットルームに参加し、前記チャットルームに参加している他のユーザーとチャットを交わすことにより、対局の協議を行い、両者が合意に至った場合に、前記ネットワーク対局ゲームを開始することを特徴とする。
【0015】
上記のように、複数の端末間のチャットを可能とするチャットルームを設けることにより、ユーザーはあたかも将棋道場又は碁会所のような所へ行き、対局相手を見つけて、対局を行うといったような操作感を得ることができる。
【0016】
本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータを上記ネットワークゲーム対局システムの各手段として機能させるためのものである。なお、該コンピュータプログラムがインストールされるコンピュータは、上記システムの各手段を機能的に実現するためのCPUと該CPUのワークエリアとなるRAM、さらにはデータ記憶部となるべき記憶装置と、表示のための表示装置を備えたものであることが必要である。
【0017】
【発明の実施形態】
以下、本発明のネットワークゲーム対局システムの実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明のネットワークゲーム対局システム1(以下、単にシステム1ともいう)の全体構成を示すブロック図である。システム1は、インターネット等の通信ネットワーク2、該通信ネットワーク2を介して接続されるサーバ3、ユーザーのパーソナルコンピュータ等にて構成される端末4とを含み、インターネットやイントラネット、パソコン通信網、公衆電話回線網、LAN等からなる通信ネットワーク2(本実施形態ではインターネットである)を介してサーバ3に繋がれた端末4同士で、将棋及び囲碁のうちいずれかのゲーム対局を行うものである。
【0018】
図2は端末4の構成例であり、I/Oポート11を備え、これにCPU12、ROM13、RAM14、ローカルボリュームをなすハードディスクドライブ(HDD)15、ネットワーク接続のための変復調部(モデム、ルータ、LANボードなど)16、キーボード、マウスその他のポインティングデバイスからなる入力部17、モニタ18、D/A変換器19及びこれにつながれるスピーカ20等が接続されている。また、HDD15以外の記憶装置(CD−ROMドライブ等)21も接続されている。
【0019】
RAM14は、CPU12のワークエリアとなるもので、CPU12が実行するゲームプログラムの実行メモリと、そのゲームプログラム実行時に使用する種々のデータメモリ(キャッシュメモリを含む)のエリアが形成される。メモリにロードされるゲームプログラムは、前記したHDD15にインストールされている。本実施形態においては、ゲームプログラムはCD−ROMの形態で配布され、記憶装置(CD−ROMドライブ)21よりインストールされるが、ゲームプログラムをインターネット2を介してサーバ3よりダウンロードし、HDD15にインストールする等の他の形式であっても構わない。
【0020】
以下、各メモリの意味について説明すると、まず、OS実行メモリは、端末4のオペレーティングシステムソフトウェア(OS:本実施形態ではWindows(米国Microsoft社の商標名)の中でもWindows95 OSR2以上のものを使用している)を実行するためのワークメモリである。そして更に、そのOS上で稼働するゲームプログラムを実行するためのワークメモリが形成されており、該ゲームプログラム実行メモリでは、後述するゲーム対戦及びチャットに関する情報の処理、又はサーバ3への送受信を行う。
【0021】
次に、図3は、サーバ3の構成例であり、I/Oポート40を備え、これにCPU41、ROM42、RAM43、ハードディスクドライブ(HDD)で構成された固定記憶装置48、ネットワーク接続のための変復調部(モデム、ルータ、LANボードなど)44、入力部45、モニタ46等が接続されている。HDD48には、ゲームシステムに関するプログラム及びデータが記憶されており、その領域内には、後述するチャットルーム及び対局ルームが形成され、端末4からの入力があった場合には、CPU41及びRAM43により内容を随時更新される。
【0022】
また、RAM43の各メモリの意味について説明すると、OS実行メモリは、サーバ3のオペレーティングシステムソフトウェア(OS:本実施形態ではWindows(米国Microsoft社の商標名)の中でもWindows2000 Serverを使用している)を実行するためのワークメモリである。そして更に、そのOS上で稼働するゲームシステムプログラムを実行するためのワークメモリが形成されており、該ゲームシステムプログラム実行メモリでは、後述するゲーム対戦及びチャットに関する情報の受信及び処理(前述のHDD48の内容更新を含む)、又は端末4への配信を行う。
【0023】
本実施形態のネットワーク対局ゲームシステムでは、サーバ3及び端末4は、通信ネットワーク2を介して繋がっている複数の端末4間のチャットが可能なチャットルームを設定し、該チャットルームのチャット情報を、各端末に設定されるチャットルームウィンドウに表示を行うチャットルーム実行手段を有し、端末4がサーバ3にアクセスを開始した際、またはネットワーク対局ゲーム終了後において、端末4を操作するユーザーは、チャットルームに参加し、チャットルームに参加している他のユーザーとチャットを交わすことにより、対局の協議を行い、両者が合意に至った場合に、ネットワーク対局ゲームを開始することを特徴とする。具体的な内容については、以下にフローチャートを用いて説明する。
【0024】
図4は、本実施形態のネットワーク対局ゲームシステムの全体の流れを示すフローチャートである。以下、箇条書きにて記述すると、
▲1▼端末(以下、クライアントともいう)はゲームプログラム(ソフト)を立ち上げ、将棋及び囲碁のうちいずれかのゲームを選択する(R1)。
▲2▼クライアントは、ホストサーバに接続後(R2)、IDパスワード認証を行う(R3)。
▲3▼対局中にネットワークが切れた後に再接続してもなお、対局相手が待っていた場合には対局を続行する(R5→R6)。
▲4▼システムは会員認証後、チャットルームへ入室する本人を入室リストへ追加する(R7)。
▲5▼チャットルームへ入室した会員はチャットにて、将棋対局相手を探したり談話したりできる(R8)。また、ここから将棋対局や対局観戦に飛ぶ(以下、対局ルームに入るともいう)ことができる(R9、R10及びR11)。
▲6▼会員のプログラムは、退室する本人を入室リストから削除した後(R13)、終了する(R14)。
【0025】
なお、端末4のチャットルームウィンドウには、チャットルームに参加しているユーザーの競技レベルが表示されている(図8中のチャット入室ウィンドウ参照)。この競技レベルは、過去の対局結果に応じて決定される。これにより、ユーザーは自分の競技レベルに適した対戦相手を探すことができる。
【0026】
図5は、図4でR8(チャット)から、R10(対局を申し込まれる)か、若しくはR11(対局を申し込む)に移った際に行う処理の流れをフローチャートで示したものである。以下箇条書きにて記述すると、
▲1▼クライアントソフトで対局希望者と対局相手との段級位差から対局条件(後述)を割出す(R111)。
▲2▼対局希望者は、対局条件の確認/変更を行い、対局相手に条件を提示する(R112)。
▲3▼対局相手は対局希望者からの対局条件を確認し、対局条件承諾(R101)、対局拒否(R102)、対局条件修正(R103)を選択する。対局条件承諾すると対局開始(→B1)とし、対局条件修正にて対局希望者に修正条件を提示(→R113)できる。
▲4▼対局希望者は、対局相手から対局条件の提示を確認し、対局を諦めるかどうかを選択する(R113)。諦めないのであれば、操作は▲2▼の手順に戻る。
なお、対局条件とは、段級位差がある場合に、平手、飛車落ち、角落ち、2枚落ち等のハンディーキャップを設けることである。
【0027】
以下、チャットについての説明を行う。
まず、図7にチャットルームにおけるチャットの流れをフローチャートで示す。以下、箇条書きにて記述すると、
▲1▼サーバ3からチャットルーム入室リストをサーバ3より参照し、入室中会員と接続する。入室リストはチャットルームウィンドウ(図8参照)にリスト表示する。
▲2▼入室者は、状態変更(C35)、対局申込み(C32:前述のR11へ)、各種設定(C31)、退室(C34)、チャット文字入力(C33)のうちいずれかを選択する。
【0028】
なお、チャット入室ウィンドウ(図8参照)には、ユーザーの対局する意思を表すために、「対局希望」又は「対局拒否」のうちどちらかが表示されるが、これは、状態変更(C35)において選択される。また、その時点で対局を行っているユーザーには「対局中」、対局を観戦しているユーザーには「観戦中」と表示される。
【0029】
また、チャット実行手段を有する端末4は、特定のユーザーのみにチャット情報を送信する秘話(Whisper)機能、及び/又は特定のユーザーから送信されたチャット情報を表示しない無言(Mute)機能を有する。これらはそれぞれ各種設定(C31)において選択され、C24において、チャット受信がMute指定者からの受信である場合にはチャットウィンドウ(図8参照)に表示せず、またC36において、チャット送信を指定の相手(Whisper指定)にのみ送信する(C38)。
【0030】
図8(a)は、端末4のモニタ18に表示されるチャットルームウィンドウである。ウィンドウの左部分にはチャット内容が表示されるチャットウィンドウが、またその下にはチャット文字入力ウィンドウが配されている。右上のチャット入室ウィンドウには、チャットルームに入室している全てのユーザーの名前、段級位(前述)、状態(前述)が表示されており、クライアントの入室退室時に更新処理が行われる。またその下には、定型文ウィンドウが設けられ、ユーザーはその中にある文章をクリックするだけでチャット文字入力ウィンドウにその文章を入力でき、手軽にチャットを楽しむことができる。また、チャットルームウィンドウの下部分には、「対局申込み」、「対局回覧」、「状態変更」、「退室」のボタンが設けられている。ここで「対局回覧」とは、現在行われている対局全てをダイアログにてリスト表示させ、そして観戦したい対局をこのリストから選択し観戦ボタンを押すことにより、画面を将棋対局画面へと移し、対局を観戦することができるものである。対局観戦の詳細については後述する。
【0031】
また、チャット実行手段を有する端末4は、チャット情報を受信し、表示する際に、ユーザー別に色及び/又は音の設定を行うようにすることができる。図8(b)のチャットルームウィンドウのように、色設定ボタン又は着信音設定ボタンを設けることにより、チャットウィンドウ及びチャット入室ウィンドウに表示される特定のユーザー及びそのユーザーの発言文に色をつけたり、または特定のユーザー発言が表示されるときに、着信音を鳴らしたりすることができるので、端末を操作するユーザーは、自分が分かりやすいようにチャットを設定することができる。なお、ここでいう特定のユーザーとは1ユーザーと限らない。
【0032】
更に、チャット実行手段を有する端末4は、送信するチャット情報中のチャット発言文の任意の部分に所定の色の設定を行うようにすることができる。図8(c)のチャットルームウィンドウのように、パレット(本実施例では16色)を設けることにより、チャットの発言文の特定個所に、選択した色を付加することができる。これにより、色彩豊かなチャットを楽しむことができる。
【0033】
サーバ3は、サーバ3に接続しているチャット実行手段を有する端末4の対局表示ウィンドウ(後述)及び/又はチャットルームウィンドウ内に、所定のメッセージを所定の時間に表示させることが可能である。つまり、サーバ3の管理者が、サーバ3にメッセージを登録することにより時間を指定して(繰り返すことも可能)にてログインしているユーザーに特定のメッセージを自動発信できる。これにより、システム運営側から様々な情報をユーザーに流すことが可能となる。
【0034】
以下、対局についての説明を行う。
まず、図6に将棋の対局の流れについてのフローチャートを示す。以下、箇条書きにて記述すると、
▲1▼対局開始後に対局条件設定に従い、対局者双方の画面初期処理を行う。先手は手番となり、後手は先手からのデータ受信待ちをする。
▲2▼手番は、駒を進めるまたは駒を打つ(B34またはB35)、投了(B33)、待った(B31)のいずれかを選択する。この状態(手番の選択)に入ると同時に、時間のカウントを開始し、時間のカウント開始から持ち時間を超えてしまった場合(B32)、投了とする。また選択した情報は、対局相手に送信されるが、駒を進める(B34)、駒を打つ(B35)については禁じ手のチェック処理が入る。
▲3▼禁じ手の千日手(後述)の場合、引分け要求(B43)、続行要求(B45)、打ち直し要求(B44)を選択しなければならない。また、連続王手による千日手(後述)の場合、成立の時点でメッセージとともに、相手に手番を移す。
▲4▼対局相手から送られてきた受信データは、相手投了(B21)、相手勝ち受信(B27)、引分け/打ち直し/続行要求(B22)、引分け/打ち直し/続行返答(B28)、駒打ちまたは駒移動(B24)、待った要求(B26)、待った返信(B25)、に分類され、所定の処理が行われる。
なお、駒を進める(B34)または駒を打つ(B35)の入力が行われたときには、入力を行った側の端末もその指令を受け、アニメーションを表示する。
【0035】
駒を進める(B34)または駒を打つ(B35)ことにより送信する(B47)指令(受信側に相手の駒移動または駒打ち(B24)として入る指令)を交互にやり取りをする、つまり、一方が手番のときはもう一方がデータ受信待ちをし、該指令を送信した後、今度はその逆となり、それを繰り返すことによりゲームが進行する。このような指令は、前記駒移動のアニメーション起動指令に相当し、2つの端末4が交互にアニメーション起動指令をサーバ3に送信することで対局ゲームが進行する。
【0036】
若しくは、端末4が送信する全ての指令(B41〜47:受信側ではB21〜27)を広い意味でのアニメーション起動指令と見なせば(厳密には、受信してもアニメーションが起動しないものがある)、このアニメーション起動指令を端末間で交互にやり取りすることにより、対局ゲームが進行すると見ることもできる。
【0037】
駒移動のアニメーション表示は、アニメーション起動指令に含まれる移動指定駒の移動情報に基づき、対局表示ウィンドウ上において、次のように表示される。図12にその流れを示す。移動指定駒と同種類で半透明にデザインされた半透明駒を、移動指定駒上に重なるよう表示し(図12(b))、移動指定駒を消去した後、半透明駒を移動指定駒の移動先に漸近するよう移動表示し(図12(c))、半透明駒が移動指定駒の移動先に到達するとともに、移動指定駒を半透明駒上に重なるよう表示した後(図12(d))、半透明駒を消去する(図12(e))といった一連のアニメーション表示を行うことで駒の移動を表現する。
【0038】
半透明駒の移動のアニメーションは端末側で表示処理が行われる。アニメーション起動指令の中には、移動前と移動後のみの情報が含まれており(例えば、図14のように)、端末はアニメーション起動指令を受け取ると、半透明駒が元位置から置位置まで徐々に移動するような所定の数のフレームを生成し、そのフレームを順次、対局ウィンドウの盤上に合成して表示するといった処理を行うことで、半透明駒が移動するアニメーションを表示することができる。
【0039】
また、図12(d)もしくは図12(e)の段階で、所定の効果音(例えば、駒を打つ音)を鳴らすようにしておけば、駒を置いたときに音が鳴るといったように、ユーザーは実際に将棋をしているような感覚が得られる。
【0040】
次に、図9に囲碁の対局の流れについてのフローチャートを示す。以下、箇条書きにて記述すると、
▲1▼対局開始後に対局条件設定に従い、対局者双方の画面初期処理を行う。先手は手番となり、後手は先手からのデータ受信待ちをする。
▲2▼手番は石打ち(G37)、パス(G35)、投了(G34)、待った(G31)、引分け(G32)のいずれかを選択しなければない。この状態(手番の選択)に入ると同時に、時間のカウントを開始し、時間のカウント開始から着手設定時間を超えてしまった場合(G33)、投了とする(G34)。また、対局開始からの時間のカウントの合計が設定持ち時間を超えても同様とする。そして、選択した情報は、対局相手に送信される。
▲3▼対局相手から送られてきた受信データは、引分け要求(G22)、引分け返答(G21)、相手投了(G23)、終局(G24)、相手パスまたは石打ち(G25)、待った要求(G27)、待ったの返答(G26)の7つに分類され、所定の処理が行われる。
なお、石打ち(G37)の入力が行われたときには、入力を行った側の端末もその指令を受け、アニメーションを表示する。
【0041】
石打ち(G37)の入力をすることにより送信する(G45)指令(受信側に相手パスまたは石打ち(G25)として入る指令)を交互にやり取りをする、つまり、一方が手番のときはもう一方がデータ受信待ちをし、該指令を送信した後、今度はその逆となり、それを繰り返すことによりゲームが進行する。このような指令は、前記石打ちのアニメーション起動指令に相当し、2つの端末4が交互にアニメーション起動指令をサーバ3に送信することで対局ゲームが進行する。
【0042】
若しくは、端末4が送信する全ての指令(G41〜45:受信側ではG21〜27)を広い意味でのアニメーション起動指令と見なせば(厳密には、受信してもアニメーションが起動しないものがある)、このアニメーション起動指令を端末間で交互にやり取りすることにより、対局ゲームが進行すると見ることもできる。
【0043】
石打ちのアニメーション表示は、アニメーション起動指令に含まれる石打ち位置情報に基づき、対局表示ウィンドウ上において、次のように表示される。図13にその流れを示す。対局表示ウィンドウ上に表示される碁石よりも大きい拡大碁石を、石打ちを行う位置が中心となるよう表示した後(図13(b))、拡大碁石を半径方向に漸次縮小するように表示し(図13(c))、拡大碁石が対局表示ウィンドウ上に表示される碁石と同じ大きさに到達するとともに、碁石を拡大碁石上に重なるよう表示した後(図13(d))、拡大碁石を消去する(図13(e))といった一連のアニメーション表示を行うことで石打ちを表現する。なお、拡大碁石は半透明にデザインされていてもよい。
【0044】
拡大碁石の縮小アニメーションは端末側で表示処理が行われる。アニメーション起動指令の中には、碁石の種類、及び石打ちする位置の情報が含まれており、端末はアニメーション起動指令を受け取ると、拡大碁石が、所定の大きさから、対局ウィンドウに表示される碁石の大きさまで徐々に縮小するような所定の数のフレームを生成し、そのフレームを順次、対局ウィンドウの盤上に合成して表示するといった処理を行うことで、拡大碁石が縮小するアニメーションを表示することができる。
【0045】
また、図13(d)もしくは図13(e)の段階で、所定の効果音(例えば、石打ちの音)を鳴らすようにしておけば、碁石を置いたときに音が鳴るといったように、ユーザーは実際に囲碁をしているような感覚が得られる。
【0046】
以下、対局者以外の第三者が対局ルームに入り、対局を観戦する仕組みについて説明する。サーバ3は、対局状態にない端末4にもアニメーション起動指令を配信することが可能であり、該対局状態にない端末4は、サーバ3からのアニメーション起動指令を受信し、対局表示ウィンドウにアニメーションを表示させることが可能であり、それにより対局表示ウィンドウに対局をリアルタイムに閲覧表示することが可能となるよう構成されている。つまりは、対局状態にある端末4が送信したアニメーション起動指令(前述)を受信したサーバ3は、対戦状態にあるもう一方の端末4に該アニメーション起動指令を配信するとともに、対局ルーム内の対局状態にない端末4にも配信する。それにより、対局状態にない端末4の対局表示ウィンドウには、その対局が表示され(以下、閲覧表示ともいう)、ユーザーは観戦することができる。なお、対局ルーム内の対局状態にない端末は常にデータ受信待ちの状態となるので、対局状態にない端末は、閲覧表示時において、入力手段によって駒移動及び/又は石打ちの入力をすることを禁止されている状態である。
【0047】
また、対局状態にある端末は、対局状態にない端末が閲覧表示を行うことを拒否することが可能なようになっている。つまり、対局ルームに対局者以外のユーザーが入ることを拒否することができる。
【0048】
次に、対局状態に入った際に、端末4のモニタ18に表示される盤面を含む対局表示ウィンドウについて説明する。図10に将棋、図11に囲碁の対局表示ウィンドウを示す。ウィンドウの大半を占めるように盤が表示され、将棋の場合にはその隣に駒置台が表示されている。実際の将棋では駒置台は将棋盤の自陣の右隣に置くが、ここでは2つとも盤の右側に置くことで将棋盤の面積を大きくするようにしている。また、盤の上下には、それぞれの対戦者名、競技レベル、持ち時間などを表示する対戦者ウィンドウが表示されているが、これはマウスドラッグ&ドロップで移動可能に構成されている。
【0049】
サーバ及び端末は、対局表示ウィンドウ内にチャット情報の表示を行い、対局に係る端末間でチャットを実行可能にするチャット実行手段を有する。具体的には、対局表示ウィンドウの右側に、チャットを行うための対局チャットウィンドウ、対局チャット文字入力ウィンドウ及び定型文のウィンドウが設けられている。ここで、対局に係る端末というのは、対局者に加え、対局を観戦(前述)しているユーザーも含めるものである。また、対局状態にある端末(対局者)は、対局状態にない端末(観戦者)のチャットの参加を拒否することが可能である。
【0050】
このような対局に係る端末間(対局ルーム)でのチャットは、図7に示したようなチャットルームでのチャットと同様の構成にすることができる(ここではチャットルームが対局ルームに当たる)。ただし、この場合のチャットは、状態変更(C35)及び対局申込み(C32)のコマンドが存在せず、また対局状態にある端末(対局者)が退室(C34)のコマンドを実行することができないよう構成されることになる。
【0051】
また、対局ルームでのチャットは、チャットルームでのチャットと同様に構成されるため、前述のような、チャット情報を表示する際にユーザー別に色及び/又は音の設定を行うことが可能な機能や、チャット発言文の任意の部分に所定の色の設定を行うことが可能な機能を持たせることができる。
【0052】
将棋の場合、対局表示ウィンドウでは、図10に示すように、入力手段により選択した駒の移動可能な範囲は、盤面上に盤面とは異なる色にて表示される。詳しくは、将棋の盤の1マスが1つの座標となるよう盤座標空間(将棋では(1〜9、1〜9)の座標となる)を定義し、座標上の駒が指定された際に、図15に示す駒移動の法則に従って駒移動可能な座標を計算し、その座標に該当するマスを将棋盤の色とは異なる色にて表示する。なお、駒移動可能な座標上に自駒がある場合にはその座標は含めない。図15中で(※)印がついているものは、駒の存在する座標にぶつかるまで(ぶつかる駒が、自駒である場合はその座標を含めず、敵駒である場合はその座標を含める)、もしくは盤座標のある限り、その計算を行うものを示すものである。
【0053】
以下、棋譜の再現について説明する。端末4は、対局の棋譜を保存することが可能であり、対局後に該棋譜に基づいて対局を対局表示ウィンドウ上に再現表示することが可能である。棋譜は図16に示すよう手番毎に保存されている。将棋の場合、それぞれの手番は、図14のように駒の移動情報から構成される。囲碁の場合、それぞれの手番は図17のように碁石の石打ち情報から構成される。棋譜は対局中から端末4に蓄積されていく。
【0054】
棋譜による対局の再現方法には、様々な手段を設けることができる。例えば、「1手進む」、「1手戻る」のようにユーザーの入力により1手ずつ進行するコマンドや、「自動表示」のように一定時間経過したら次の手番へ移るといったように順次進行していくコマンドや、「5手飛ばし」のようにユーザーの入力によりその手番よりも5手先の手番に飛んで表示するコマンドや、「手番指定」のように手番を指定することで所望の手番から参照することができるコマンドを設けることができる。この中で、「1手進む」、「1手戻る」及び「自動表示」のように1手ずつ進行するようなコマンドの場合は、1手毎に駒移動/石打ちのアニメーションの表示を行う。「5手飛ばし」又は「手番指定」の場合は、表示される手番に至るまでの手番全てを盤上に合成してから表示を行う。
【0055】
サーバ3に繋がれている複数の端末4は、棋譜に基づいて、それぞれの端末4の対局表示ウィンドウにてリアルタイムに再現表示を行うことが可能である。またこのような再現表示は、対局ルームにて行われるため、前述の対局ルームでのチャットを行うことも可能である。
【0056】
このような再現表示を行う場合、端末4を操作するユーザーは、サーバ3経由で他の端末4に棋譜を送付し、それぞれの端末4に棋譜を有した状態で、再現表示を行う。
【0057】
上記の棋譜による再現表示を用いて、本実施形態では、将棋及び/又は囲碁の有段者に端末4を操作させ、他の端末4を操作するユーザーは、有段者とリアルタイムに再現表示を閲覧することにより、有段者からチャットにより指導を受けることができ、そして、指導を受けたユーザーは、指導の行われた対局数に応じて、有段者に料金を支払う仕組みとなっている。
【0058】
また、棋譜による対局の再現表示は、棋譜を有する端末4が単独で行う場合、端末4が通信ネットワークを介してサーバ3に繋がれていない状態、つまりスタンドアローンの状態においても実行することが可能である。
【0059】
以下、将棋における千日手、及び王手を含む千日手のチェックについて説明する。本発明のネットワーク対局ゲームシステムでは、対局中に駒移動の入力が行われた際に、該入力により、同一手順が3回繰り返されたかどうかを、前記対局における前記入力前の過去全ての手数に渡って検索することで、千日手のチェックを行う千日手チェック手段と、前記同一手順内に王手が含まれているかどうかを検索することで、王手を含む千日手のチェックを行う王手を含む千日手チェック手段との双方又はいずれか一方を有することを特徴とする。そのような千日手チェック手段、及び王手を含む千日手チェック手段は、入力手段(端末3内に構成される。入力部17とは異なるものである。)に含まれてなる。本実施例においては、図6のフローチャートで示すと、駒を進める(B34)及び駒を打つ(B35)の入力がされた後に、千日手チェック(B50)が行われる。将棋のルールにおいて千日手とは禁じ手であり、ここで千日手とは、同一手順を3回繰り返すことで定義される。例えば、図18(a)に示すように、攻撃側(▲)がAという手を打った後、(将棋では、玉を持つ方を攻撃側(先手)、王を持つ方を王側(後手)という)、ある手順を経て、王側(△)がZという手を打った時に、攻撃側(▲)がAという手を打つ前の状態に戻ってしまうというループがあるとする。この▲A△X・・・▲C△Zという手順が3回繰り返された時点で千日手となる。本実施形態では、千日手が生じた場合(B51)、本実施形態では引分け(B43)、打ち直し(B44)、続行(B45)のうちいずれかを選択して送信する。
【0060】
また、その手順の中に王側(△)が王手をし、攻撃側(▲)にそれを避けられるという手順が含まれていた場合には、攻撃側千日手となり、それとは逆の手順が含まれていた場合には、王側千日手となる。これらは、王手を含む千日手と呼ばれ、本実施形態では、王手を含む千日手が生じた場合には手番を入れ替える(B52)。
【0061】
従来では、将棋ゲームを実現するコンピュータプログラムにおいて、千日手チェックを行う機能を有しているものはあまり見られなかった。特に、王手を含む千日手をチェックしているものは全く見られなかった。千日手チェック機能を有しているとしても、棋譜を過去10手程度参照するようなものであるので、極単純な千日手(4手で構成されるループが3回繰り返される千日手:元に戻るためには最小で4手必要)しかチェックを行えなかった。つまり、ループが始まったところから数えて11手目(3巡目の千日手が成立する直前の手)の手が打たれた後に、過去10手を参照して、千日手成立一手前ということを認識し、次の12手目がループを完成させるものであった場合に千日手とするような処理である。
【0062】
このように、禁じ手である千日手、及び王手を含む千日手を正確に判定する機能がないと、対局が正しく行われない場合が生じるので、レベルの高い対局になればなる程、また特に、本実施例のように対局結果に応じて競技レベルが決定されるようなシステムであれば、公平を期すためのチェック機能が必要とされる。
【0063】
本発明のネットワーク対局ゲームシステムにおいて、端末4が行う千日手、及び王手を含む千日手のチェックの流れを図18(b)及び図19のフローチャートにより説明する。この千日手、及び王手を含む千日手のチェックは全ての手数に渡って行われる。つまり、どのような長いループを含む千日手についてもチェックを行うことが可能である。なお、手数及びその手数における手は、前述のように対局中において端末4に蓄積されている。まず、S1では、現在の手数(駒移動または駒打ちの入力前の手数)が10手以内であるかどうかが判定され、10手以内だったら千日手チェックを終了し、11以上であればS2へ移る。これは、前述のようにループの最小構成単位は4手であるためである。
【0064】
次に、bの初期値を4とし(S2)、現在の手数nよりもb手前の手を参照し、手数nの手と同一であるかを調べる(S3)。同一でない場合はbに2を足していき(S5)、bがn/3(小数が出てくる場合は切り上げ)よりも大きくなるまで(S4)、S3の処理を続ける。bがn/3(小数が出てくる場合は切り上げ)よりも大きくなった場合は、千日手は行われてないと判断し処理を終了する。この一連の処理は、手数nと同じ手を検索する処理であり、S2でbの初期値が4であるのは最小ループが4手で構成されるためである。また、S5でbに2を加えていくのは、4手前、6手前、8手前・・・と片側の手番(攻撃側もしくは王側)の手数のみを検索するためであり、さらに、S4でbの上限値がn/3(小数が出てくる場合は切り上げ)であるのは、千日手は3回繰り返す必要があるため、最大でも手数nの3分の1を検索すればよいからである。したがって、実質的に検索を行うのは全手数nのうちの6分の1程度の手数でよいので、全部の手数を参照する場合と比べて、端末の処理負担が軽くなる。
【0065】
そして、S3において、手数n−b(手数nのb手前)に手数nと同じ手が見つかった場合は、S6に移り、手数n−bよりもさらにb手前(手数n−2b)に手数nと同じ手があるかどうか調べる。これにより、手数n−2b、手数n−b、手数nが全て同じ手である場合は千日手の可能性があるので、それぞれの前の手順が一緒であるか調べる。つまり、手数n−b+2から手数nまでの手順、手数n−2b+2から手数n―bまでの手順、手数n−3b+2から手数n―2bまでの手順が一致するかどうかを調べる。一致したら、手数n−b+1の手と、手数n−2b+1の手とが一致するかどうかを調べる。これが一致すれば、端末は千日手の一手前と判断し、一致した手(手数n−b+1の手と手数n−2b+1の手)と同じ手が、次にその手を打つと千日手となる千日手候補手となる。これらの説明は図18(b)を参照すると理解しやすい。なお、これらの処理で調べた手または手順が一致しない場合は、千日手ではないのでチェックを終了する。
【0066】
そして、S10において、端末から入力されたn+1手目の手と、前記千日手候補手とが一致した場合、千日手が成立し、次に王手を含む千日手のチェックに移る。S11において、手数n−b+1から手数nまでの間、つまりループの中に、王側が王手をし、攻撃側にそれを避けられるという手順が含まれていた場合には、攻撃側千日手(S12)となり、また、S13において、手数n−b+1から手数nまでの間、つまりループの中に、攻撃側が王手をし、王側にそれを避けられるという手順が含まれていた場合には、王側千日手(S14)となり、図6での手番入れ替え送信(B52)を行うことになる。そして、ループの中にどちらの王手も含まれていない場合は、通常の千日手と判断され(S15)、図6でにおいて、B51の千日手選択に移り、引分け(B43)、打ち直し(B44)、続行(B45)のうちいずれかを選択して相手側に送信する。
【0067】
以上のような、手順で千日手、及び王手を含む千日手のチェックを行うと、全ての手数に渡ってチェックを行うことが可能となる。つまり、どのような長いループを含む千日手についてもチェックを行うことが可能となるのである。このようにして、本発明のネットワーク対局ゲームシステムの将棋の場合における、千日手、及び王手を含む千日手のチェックが実現し、これにより対局を行うユーザーは、本格的な将棋の対局を行うことが可能となる。
【0068】
本実施形態では、サーバ3に端末4にて動作する最新のプログラムを格納しておき、端末4がサーバ3に通信ネットワークを介して接続した際に、端末4に搭載されたプログラムのバージョンとサーバ3に格納された最新のプログラムのバージョンとを通信ネットワークを介して比較し、比較の結果、バージョンアップの必要があると判定した場合に、通信ネットワークを介して端末4のプログラムを更新前後の差分に相当する部分のみ書き換えることを特徴とする。ここで、プログラムとは本実施形態を実現するプログラムを意味している。このように、サーバ3に繋いだ際に自動的に最新のプログラムかどうかを判断し、自動的に端末4のプログラムをアップデートする機能を持たせることにより、ユーザーは手間なく常に最新のプログラムでゲームを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のネットワーク対局ゲームシステムの全体構造の一例を示すブロック図
【図2】端末の構成例を示すブロック図
【図3】サーバの構成例を示すブロック図
【図4】ネットワーク対局ゲームシステムの全体の流れを示すフローチャート
【図5】チャットルームから対局に入るまでの流れを示すフローチャート
【図6】将棋の対局の流れを示すフローチャート
【図7】チャットの流れを示すフローチャート
【図8】チャットルームウィンドウ
【図9】囲碁の対局の流れを示すフローチャート
【図10】将棋における対局表示ウィンドウ
【図11】囲碁における対局表示ウィンドウ
【図12】将棋の駒移動のアニメーション表示の一例
【図13】囲碁の石打ちのアニメーション表示の一例
【図14】将棋の駒移動情報の内部定義の一例
【図15】将棋の駒移動法則表
【図16】棋譜の構成の一例
【図17】囲碁の位置打ち情報の内部定義の一例
【図18】千日手の説明図
【図19】千日手、及び王手を含む千日手のチェックの流れを示すフローチャート
【符号の説明】
1 ネットワーク対局ゲームシステム
2 インターネット
3 サーバ
4 端末
Claims (2)
- 通信ネットワークを介してサーバに繋がれた2つの端末間で、将棋及び囲碁のいずれかの対局を行うネットワーク対局ゲームシステムにおいて、
前記端末は、
前記将棋の対局か囲碁の対局かを選択させる選択入力手段と、
その選択入力手段により将棋が選択された場合に、
前記端末に将棋用の盤面を有する対局表示ウィンドウを表示する対局表示ウィンドウ設定手段と、
アニメーション起動指令を受け、将棋の駒移動のアニメーションを、前記対局表示ウィンドウ上に表示するアニメーション表示手段と、
前記盤面上において駒移動の入力を行う入力手段と、
前記入力手段による入力を基に、アニメーション起動指令を生成し、該指令を前記端末の前記アニメーション表示手段に送信し、また前記サーバにも送信するアニメーション起動指令生成手段とを備え、
前記サーバは、
一方の端末から受信した前記アニメーション起動指令を、もう一方の端末へ配信するアニメーション起動指令配信手段を備え、
前記2つの端末が交互にアニメーション起動指令を前記サーバに送信し、前記通信ネットワークを常時接続した状態で該ネットワークを通じて対局ゲームを進行する一方、
さらに棋譜として駒の移動情報を手番毎に保存する駒の移動情報保存手段と、その駒の移動情報を読み出す駒の移動情報読出し手段と、その読み出された駒の移動情報を棋譜として各端末に互いに同期してリアルタイムに表示させる表示制御手段とが設けられ、
前記サーバに繋がれている複数の前記端末は、前記駒の移動情報に基づき、それぞれの端末に同様の棋譜を互いに同期してリアルタイムに表示する表示手段を備えることを特徴とするネットワーク対局ゲームシステム。 - 通信ネットワークを介してサーバに繋がれた2つの端末間で、将棋及び囲碁のいずれかの対局を行うネットワーク対局ゲームシステムにおいて、
前記端末は、
前記将棋の対局か囲碁の対局かを選択させる選択入力手段と、
その選択入力手段により囲碁が選択された場合に、
前記端末に囲碁用の盤面を有する対局表示ウィンドウを表示する対局表示ウィンドウ設定手段と、
アニメーション起動指令を受け、囲碁の石打ちのアニメーションを、前記対局表示ウィンドウ上に表示するアニメーション表示手段と、
前記盤面上において石打ちの入力を行う入力手段と、
前記入力手段による入力を基に、アニメーション起動指令を生成し、該指令を前記端末の前記アニメーション表示手段に送信し、また前記サーバにも送信するアニメーション起動指令生成手段とを備え、
前記サーバは、
一方の端末から受信した前記アニメーション起動指令を、もう一方の端末へ配信するアニメーション起動指令配信手段を備え、
前記2つの端末が交互にアニメーション起動指令を前記サーバに送信し、前記通信ネットワークを常時接続した状態で該ネットワークを通じて対局ゲームを進行する一方、
さらに棋譜として碁石の石打ち情報を手番毎に保存する碁石の石打ち情報保存手段と、その碁石の石打ち情報を読み出す碁石の石打ち情報読出し手段と、その読み出された碁石の石打ち情報を棋譜として各端末に互いに同期してリアルタイムに表示させる表示制御手段とが設けられ、
前記サーバに繋がれている複数の前記端末は、前記碁石の石打ち情報に基づき、それぞれの端末に同様の棋譜を互いに同期してリアルタイムに表示する表示手段を備えることを特徴とするネットワーク対局ゲームシステム。
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