JP3584652B2 - 管材の矯正加工方法および装置、並びに焼鈍矯正連続加工装置 - Google Patents

管材の矯正加工方法および装置、並びに焼鈍矯正連続加工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、管材に引抜き加工と真直度を高めるための矯正加工とを加え、高精度の直管材を効率良く得る加工方法と装置、および金属の板材を溶接して形成された管材の焼鈍加工と上記矯正加工とを連続して行なう焼鈍矯正連続加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、溶接管等の管材は材料の高強度化にともなってますます薄肉化する傾向にあり、又低コスト化のために設備の簡素化や自動ライン化が進められている。また、用途の多様化にともなって溶接管の形状寸法に高精度が要求されることが多く、その製造工程において真円度や真直度についての高精度な矯正が要求されている。
【0003】
このため、管材の真円度や真直度を矯正する方法又は装置としていくつかの提案がなされており、例えば、特開平5−325号公報に記載のロ−ル矯正方法及び装置がある。この管棒材のロ−ル矯正装置は、中空回転体の内部へその軸線に沿って管棒材が送り進められ、中空回転体の内部に支持された鼓型のスキュ−ロ−ルが管棒材の送り作用力を受けてその周囲で自転すると同時に公転し、管棒材の周囲に矯正力を付与するものである。
【0004】
また、特開昭55−130325号公報には、ダイスを用いて真円度および真直度の高い管材を得るパイプの引抜装置が開示されている。この装置では、ベアリングを介して回転自在に支持されたダイスホルダ−にダイスが固定されており、管材を引抜き加工するときに、このダイスホルダーがモーターによって回転駆動され、このダイスホルダ−内に固定されたダイスが管材の周囲で回転するようになっている。このような構成により、仮にダイスの引抜孔の中心軸と管材の牽引方向とにずれが存在する場合においても、ダイスを回転しながら引抜き加工を行なうことによって、管材の高い真円度及び真直度を維持しようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術には次にような問題点がある。
特開平5ー325号公報に記載のロール矯正方法および装置では、複数のスキューロールが管材の周囲で回転することによって、管材の真円度と真直度との矯正を行なうものであるが、真円度については矯正作用が十分ではなく、誤差を100μm以下とするような高精度の矯正は難しい。
また、スキューロールが矯正しようとする管材の送り作用力によって管材の周囲で自転するとともに中空回転体に支持されて公転運動するようになっており、中空回転体を任意の回転数で駆動することが制約されるために、真直度についても高精度の矯正を行なうことが困難となる。
【0006】
一方、特開昭55−130325号公報に記載のパイプの引抜装置においては、回転するダイスを用いた引抜き加工によって、真円度を高めることは可能であるが、管材の真直度を高精度に矯正することは現実的に困難である。
また、このような引抜き加工はダイスの下流側から管材を牽引する必要があり、引抜き加工によって真円度を高めた後に真直度の矯正加工を、連続して行なうことは困難であると考えられていた。このため、加工効率を改善することに対して有効な提案がなされていない。
さらに、ダイスの下流側からの牽引により引抜き加工を行なうには、管材の端部に保持部が設けられる。この保持部は、最終的に製品として使用できず切断廃棄されて材料の無駄となるため、製造原価低減の阻害要因となっている。
【0007】
本願に係る発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、長尺の管材の真円度と真直度とを高精度に矯正するとともに、加工効率を高め、材料の歩留りの向上を図ることができる管材の矯正加工方法および装置を提供すること、並びに溶接管の焼鈍加工と上記矯正加工とを連続して行なう焼鈍矯正連続加工装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、 空引き加工用のダイスを用いて管材の断面の真円度を矯正するとともに、該管材の周面に当接され、該管材の周囲を周回する複数の矯正部材を用いて該管材の真直度を矯正する管材の矯正加工方法であって、 前記矯正部材を、前記管材の軸線回りに回転する中空回転体内に支持し、 前記ダイスの中心軸線が、前記中空回転体の回転中心線と一致するように、該中空回転体に固着しておき、 前記管材を、前記中空回転体と一体となって回転する前記ダイスを通過させ、 その後、該管材を前記中空回転体内に導き、連続して真直度の矯正を行なうことを特徴とする管材の矯正加工方法を提供する。
なお、上記空引き加工とは、管材内にプラグ(芯棒)を挿入しないで行う引抜加工である。
【0009】
上記のような矯正加工方法では、長尺の管材を搬送しながら空引き加工用のダイスを通過させて真円度の矯正を行なうとともに、この管材の搬送方向における下流側では同じ管材に真直度の矯正加工を行うものであり、空引き用のダイスは縮径量が小さく引き抜き抵抗力が小さいので、ダイスの上流側で管材を保持して送り出すことにより、空引き加工と矯正加工とを行なうことができる。また、空引き用のダイスは矯正加工装置の中空回転体と一体となって回転しているので、高い精度で真円度の矯正ができるとともに、長尺の管材に空引き加工と真直度の矯正加工とを連続的に行なうことが可能となる。したがって、工程間の無駄や管材自体の無駄が低減される。さらに、空引き用のダイスは中空回転体と一体となっており、回転駆動手段が共有されるので装置が簡素化される。
また、真直度の矯正加工では管材に矯正力を作用させる複数の矯正部材が中空回転体の回転にしたがって動作し、中空回転体の回転数を適宜に選択することによって管材に作用する矯正力を調節することができ、極めて微妙な矯正加工も可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、 軸線方向に搬送される管材の中心軸線回りに回転可能に支持された中空回転体と、 この中空回転体内に支持され、前記管材の周面に当接されるとともに、前記中空回転体の回転によって前記管材の周囲を周回する複数の矯正部材と、 前記中空回転体の、管材の搬送方向上流部に、中心軸線が一致するように固着され、該中空回転体と一体となって回転する空引き用のダイスとを有することを特徴とする管材の矯正加工装置を提供するものである。
【0011】
この装置は、管材の真円度を高めるための空引き加工と、真円度を高める矯正加工とを、長尺の管材を搬送しながら連続的に行うことができるものである。すなわち、空引き用のダイスと、真直度を矯正するための矯正部材を支持する中空回転体とが一体となって管材の周囲で回転するように駆動され、ダイスの回転によって真円度の矯正が高精度で行なわれるとともに、その下流側で真直度の矯正を連続して行なうことができる。また、空引き用のダイスを回転させる駆動装置を別に設ける必要がなく、装置を簡素化することができる。さらに、中空回転体が回転駆動し、その回転速度を調整することによって、中空回転体の内部に支持された矯正部材から管材に作用する矯正力を調整することができ、最適な矯正を行なうことができる。
【0012】
なお、上記発明は、円形断面を有する管材であれば、様々な製法による管材について適用可能であり、特にガス溶接、高周波溶接等の溶接法によって形成された溶接管の矯正に有効に用いることができる。また、これらの管材の材質も特に限定されるものではなく、軟鉄、合金鋼、非鉄金属であるアルミニュウム、銅合金等であってもよい。
さらに、矯正部材と中空回転体とで構成される真直度の矯正装置としては、ロ−ル対向方式、ロ−ル千鳥方式等のロータリー式矯正装置やプラネタリ式矯正装置とすることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、 金属板材を溶接して形成された管材を焼鈍加工する焼鈍装置と、 焼鈍加工された前記管材の矯正加工を行なう矯正加工装置とを有し、 前記矯正加工装置は、 軸線方向に搬送される管材の中心軸線回りに回転可能に支持された中空回転体と、 この中空回転体内に支持され、前記管材の周面に当接されるとともに、前記中空回転体の回転によって前記管材の周囲を周回する複数の矯正部材と、 前記中空回転体の、管材の搬送方向上流部に、中心軸線が一致するように固着された空引き用のダイスとを有するものであり、前記焼鈍装置と前記矯正加工装置とは、軸線方向に搬送される管材に連続して焼鈍加工と矯正加工とを行なうように配置され、 該焼鈍装置と矯正加工装置との間には、前記矯正加工装置によって管材に付与されるねじり力が前記焼鈍加工を行なう位置に伝達されないように管材を保持する管材保持手段が設けられていることを特徴とする管材の焼鈍矯正連続加工装置を提供するものである。
【0014】
この装置は、長尺の溶接管を搬送しながら焼鈍工程を行なうとともに、この溶接管の搬送方向における下流側では同じ溶接管に矯正加工を行なうものである。この矯正加工では、回転する空引き用のダイスによって真円度の矯正を行なうとともに、中空回転体内に支持された矯正部材によって真直度の矯正を連続して行なう。この矯正加工によって溶接管にねじりモーメントが作用し、これが焼鈍加工を行なっている部位に伝達されると、溶接管がねじれたり破断したりするが、焼鈍加工が行なわれる位置と矯正加工が行なわれる位置との間で溶接管が保持され、ねじりモーメントが伝達されないようにして焼鈍加工が行なわれるので、双方の加工を連続して、しかも精度よく行なうことが可能となる。
また、焼鈍加工と矯正加工とを、長尺の溶接管に連続して行なうので、工程間の無駄や、溶接管自体の無駄が低減される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、請求項3に記載の発明の一実施形態である焼鈍矯正連続加工装置の概略構成図である。
この装置は、管材を加熱及び冷却して焼鈍加工を行なう焼鈍装置2と、管材の搬送方向の下流側に設けられ、焼鈍加工を施した管材5の真円度・真直度を矯正する矯正加工装置1とを備えており、焼鈍装置2と矯正加工装置1との間には、管材5のねじりモーメントが伝達されないように保持するとともに、管材を軸線方向に推進させる管材保持装置3が設けられている。また、矯正加工装置1の下流側には、矯正された管材を支持し、次工程へ案内するガイドローラ4が設けられている。
【0016】
上記焼鈍装置2は、溶接によって形成された管材の残留応力の除去や組織の改善を行なうものであり、管材を加熱する高周波コイル、加熱された管材に水をかけて冷却する冷却水ノズル、管材上の水を除去するエアーノズル等を備えている。
【0017】
上記管材保持装置3は、図4に示すように、周面が対向するように支持された二つのロール31,32と、これらを中心軸位置で支持する回転軸33,34と、第1のロール31の回転軸33を軸受け35を介して支持する第1の支持枠37と、第2のロール32の回転軸34を軸受け36を介して支持する第2の支持枠38と、二つのロール31,32の間隔を調整することができるように上記第2の支持枠38を摺動可能に支持するガイド柱39と、外枠40に反力を負担させて上記第2の支持枠38を第1の支持枠37側に付勢する調圧装置50とを備えている。
【0018】
上記二つのロール31,32は、周面にウレタンゴム31a,32aが加硫接着されており、管材の周面と密着するようにほぼ同径の凹状曲面が形成されている。なお、ウレタンゴムの換わりに耐熱性がある高強度のフッ素ゴム、シリコーンゴム等を使用することもできる。このような弾性を有する部材を使用しているのは、管材の表面を傷付けることなく、管材に密着してしっかりと把持することを可能とするためである。これらのロール31,32のいずれか一方は、回転駆動力が付与されるものであり、管材を保持するとともに、このロールの回転によって管材を搬送するようになっている。
また、上記調圧装置50は、ばねを内蔵しており、第2のロール32を第1のロール側に付勢して二つのロール間に管材を挟持させるとともに、付勢力を調整することができるようになっている。
【0019】
上記矯正加工装置1は、空引き加工によって真円度の矯正を行なうとともに、管材の周囲を周回する矯正ロールによって主に真直度の矯正を行なうものであり、図2に示されるような構成を有する。なお、この矯正加工装置は請求項2に記載の発明の一実施形態である。
この矯正加工装置1では、中空回転体6が、その両端部に形成された中空軸部7、7’によって軸受け8、8’に回転自在に支持されている。そして、一方の中空軸部7’側にはプ−リ−9が設けられており、これに掛け回されるベルト21を介して外部駆動装置としてのモ−タ−10から駆動力が伝達され、前記中空回転体6が回転するようになっている。
他方の中空軸部7には、空引き用のダイス12が固定されたダイスホルダ−11が嵌着されており、上記中空回転体6と一体となって回転するようになっている。
【0020】
図3は、上記空引き用ダイス12が取り付けられた中空軸部7を示す拡大断面図である。この図に示されるように、ダイスホルダー11は中空軸部7に、軸線が一致するように嵌挿され、止めネジ14によって固定されている。そして、このダイスホルダ−11には、空引き用にダイス12が脱着可能に嵌入され、廻り止めネジ15によってダイスホルダ−11に固定されている。このダイス12は、中空回転体6とともにその中心軸線回りに回転し、中心軸線に沿って送り込まれる管材5に空引き加工を施すようになっている。
【0021】
中空回転体6の内部には、この中空回転体6に取付けられるロ−ル支持枠16に軸支されて、千鳥状に配設された3対の鼓型の矯正ロ−ル17と、中空回転体6内の両端部にあって管材を支持する各々一対の鼓型の支持ロ−ル18とが備えられている。そして、管材5が中空回転体6の内部に搬送された際には、中空回転体6が回転駆動され、これにともなって上記矯正ロール17及び支持ロ−ル18が管材の周囲で自転しながら周回(公転)する。
【0022】
また、上記支持ロール18及び矯正ロール17には、管材への押し込み量を調整するための調整ハンドル20と、各ロールと搬送される管材の軸線との角度を調整する角度調整手段とが設けられており、これらによってロ−ルの矯正力を調節できるようになっている。
【0023】
次に上記焼鈍矯正連続加工装置の動作について説明する。なお、これは請求項1に記載の管材の矯正加工方法の一実施形態を含むものである。
帯状の金属板を溶接して形成された管材(溶接管)は、溶接時の残留応力や熱によって金属組織が不均等となった部分を有しており、これらを改善するために焼き鈍しが行なわれる。上記焼鈍装置2に導入された管材(溶接管)は、高周波加熱コイルによって電磁誘導加熱される。この加熱温度は、安定したオーステナイト相が得られる温度として設定されるものであり、使用する材料によって適宜に設定される。所定の温度にまで加熱された管材は冷却水によって冷却され、焼鈍装置2から搬出される。
【0024】
焼き鈍された管材は管材保持装置3によって保持されるとともに軸線方向に搬送され、矯正加工装置1に送り込まれる。
矯正加工装置1では、管材5が中空回転体6と一体となって回転するダイス12の引き抜き孔に導入され、ダイス12を管材の周面に当接して回転させたまま管材を軸線方向に搬送し、空引き加工が行なわれる。このとき、管材5の搬送方向、すなわち管材の軸線とダイス12の中心軸線とが一致しない場合であっても、ダイス12が回転していることによって管材は高い精度で真円に矯正加工される。この空引き加工は、管材の径が0.1〜0.2mm程度減少する程度の比較的小さな絞り量で行なわれる。
【0025】
空引き加工が行なわれた管材5はそのまま中空回転体6内に導入され、軸線方向の両端部でそれぞれ対となった支持ロール18に挟持されるとともに、これらの支持ロール間で千鳥状に配置された6つの矯正ロール17が当接される。これらの支持ロール18及び矯正ロール17は中空回転体6の回転にともない自転しながら管材の周囲を周回し、適宜に設定された矯正力を管材に作用させて、主に管材の真直度を矯正する。上記矯正力は、管材の材質、寸法、管材の搬送速度等に応じて、矯正ロール17及び支持ロール18の押し込み量、ロールのスキュー角を、調整ハンドル20及び角度調整手段によって調整するとともに、管材の送り速度及び中空回転体6の回転速度をを適切にすることによって微細に設定される。
このようにして、空引き加工と真直度の矯正加工とが、ロータリ式の矯正部材とダイスとが一体となって回転する矯正加工装置によって連続して行なわれ、高い精度の真円度と真直度とを有する管材が得られる。
【0026】
上記のような矯正加工においては、回転するダイス12及び回転する矯正ロール17との間の摩擦力によって管材5にねじりモーメントが生じる。しかし、管材は管材保持装置3によってしっかりと保持された状態で搬送されており、このねじりモーメントは焼鈍加工が行なわれている部分には伝達されず、管材に大きなひずみや変形の発生が防止されている。
【0027】
上記のように焼鈍加工と矯正加工とが施された管材は、ガイドローラ4に案内されて次工程に移送され、適切な長さに切断されて製品化される。
なお、上記矯正加工装置1において、真直度を矯正するため矯正部材は中空回転体内に支持された複数のロールとしているが、図5に示すようなプラネタリ式の矯正部材等を用いることもできる。
【0028】
次に、図2に示す矯正加工装置を用いて、溶接管を矯正加工した実験の結果について説明する。
この実験で用いた溶接管は次に通りである。
材質: SUS 304
外径: φ30.1mm
肉厚: 0.75mm
また、前記矯正加工装置1の矯正ロ−ル17は、6個を千鳥状に配設して、ロ−ル角度を30度、押し込み量を0.2mmに設定した。また、中空回転体6を駆動用モ−タ−10で120RPMで回転させ、溶接管5の搬送速度は1.5m/min.とした。
【0029】
まず、溶接管を、上記搬送速度にて、中空回転体6と一体となって回転するダイス12の引抜孔を通過させ、空引き加工を施す。そして、この溶接管を連続して中空回転体内に搬入して、前記矯正ロ−ル17によって該溶接管の曲がりを矯正する。
このようにして得られた溶接管について、空引き加工前、空引き加工後、矯正ロールによる矯正加工後の管材を、それぞれ300mmの長さに切断して各々のサンプルとし、真円度及び真直度を測定した。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0003584652
【0031】
ここで、真円度とは、溶接管の断面形状と幾何学的に正しい円(幾何学的円)との差(半径方向のずれ量)の大きさをいう。また、真直度とは、溶接管の周面がその軸線方向に幾何学的に正しい直線(幾何学的直線)からずれる量をいう。測定方法は、ヘイドン社製の触針式表面粗さ測定器を円筒形状の測定が可能に改良して行った。かかる測定方法は、JIS B0651に規定されているものである。
表1の結果から明らかのように、本発明による空引き及び矯正加工後では、溶接管の真円度、真直度が共に著しく向上していることが確認された。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明に係る管材の矯正加工方法及びその装置では、回転されるダイスによる空引き加工と、管材の周囲に当接して回転する矯正部材による矯正加工とを長尺の管材を搬送しながら連続して実施することができ、高精度の管材を効率よく得ることができる。
また、二つの矯正加工を一本の溶接管を搬送しながら連続して行うことによって、材料の無駄が排除され、工程を短縮し、作業工数を低減することができる。さらに、本願発明に係る焼鈍矯正連続加工装置では、焼鈍加工を行なった溶接管に、そのまま連続して上記矯正加工を施すことができ、精度の高い溶接管を効率よく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る焼鈍矯正連続加工装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す焼鈍矯正連続加工装置で用いられる矯正加工装置であって、請求項2に記載の発明の一実施形態でもある管材の矯正加工装置を示す概略構造図である。
【図3】図2に示す矯正加工装置の部分拡大断面図である。
【図4】図1に示す焼鈍矯正連続加工装置で用いられる管材保持装置の概略構造図である。
【図5】請求項2に記載の発明の他の実施形態である管材の矯正加工装置を示す概略構造図である。
【符号の説明】
1 矯正加工装置
2 焼鈍装置
3 管材保持装置
4 ガイドロ−ラ
5 管材
6 中空回転体
7,7’ 中空軸部
8,8’ 軸受け
9 プ−リ−
10 モ−タ−
11 ダイスホルダ−
12 ダイス
14 止めネジ
15 廻り止めネジ
16 ロ−ル支持枠
17 矯正ロ−ル
18 支持ロ−ル
20 調整ハンドル

Claims (3)

  1. 空引き加工用のダイスを用いて管材の断面の真円度を矯正するとともに、該管材の周面に当接され、該管材の周囲を周回する複数の矯正部材を用いて該管材の真直度を矯正する管材の矯正加工方法であって、
    前記矯正部材を、前記管材の軸線回りに回転する中空回転体内に支持し、
    前記ダイスの中心軸線が、前記中空回転体の回転中心線と一致するように、該中空回転体に固着しておき、
    前記管材を、前記中空回転体と一体となって回転する前記ダイスを通過させ、 その後、該管材を前記中空回転体内に導き、連続して真直度の矯正を行なうことを特徴とする管材の矯正加工方法。
  2. 軸線方向に搬送される管材の中心軸線回りに回転可能に支持された中空回転体と、
    この中空回転体内に支持され、前記管材の周面に当接されるとともに、前記中空回転体の回転によって前記管材の周囲を周回する複数の矯正部材と、
    前記中空回転体の、管材の搬送方向上流部に、中心軸線が一致するように固着され、該中空回転体と一体となって回転する空引き用のダイスとを有することを特徴とする管材の矯正加工装置。
  3. 金属板材を溶接して形成された管材を焼鈍加工する焼鈍装置と、
    焼鈍加工された前記管材の矯正加工を行なう矯正加工装置とを有し、
    前記矯正加工装置は、 軸線方向に搬送される管材の中心軸線回りに回転可能に支持された中空回転体と、 この中空回転体内に支持され、前記管材の周面に当接されるとともに、前記中空回転体の回転によって前記管材の周囲を周回する複数の矯正部材と、 前記中空回転体の、管材の搬送方向上流部に、中心軸線が一致するように固着された空引き用のダイスとを有するものであり、
    前記焼鈍装置と前記矯正加工装置とは、軸線方向に搬送される管材に連続して焼鈍加工と矯正加工とを行なうように配置され、
    該焼鈍装置と矯正加工装置との間には、前記矯正加工装置によって管材に付与されるねじり力が前記焼鈍加工を行なう位置に伝達されないように管材を保持する管材保持手段が設けられていることを特徴とする管材の焼鈍矯正連続加工装置。
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