JPH10192955A - 管材の矯正加工方法および装置、並びに焼鈍矯正連続加工装置 - Google Patents

管材の矯正加工方法および装置、並びに焼鈍矯正連続加工装置

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JPH10192955A
JPH10192955A JP1776697A JP1776697A JPH10192955A JP H10192955 A JPH10192955 A JP H10192955A JP 1776697 A JP1776697 A JP 1776697A JP 1776697 A JP1776697 A JP 1776697A JP H10192955 A JPH10192955 A JP H10192955A
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Arimichi Fukuda
有道 福田
Junichi Shibata
順一 柴田
Akio Onishi
章夫 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺の管材の真円度と真直度とを高精度に矯
正するとともに、加工効率を高め、材料の歩留りの向上
を図ることができる管材の矯正加工方法及び装置を提供
する。また、溶接管の焼鈍加工と上記矯正加工とを連続
して行なう焼鈍矯正連続加工装置を提供する。 【解決手段】 モーター10によって回転駆動される中
空回転体6の一方の中空軸部7に空引き用のダイス12
を、中心軸線が一致するように固定しておき、その下流
側となる中空回転体の内部に、主に真直度の矯正を行な
う矯正ロール17を設置する。軸線方向に搬送される管
材は、回転するダイス12を通過することによって真円
度の矯正が行なわれるとともに、矯正ロールによる真直
度の矯正が連続して行なわれる。また、溶接管の焼鈍加
工と上記矯正加工とを連続して行なう場合には、焼鈍装
置と矯正加工装置との間に、溶接管のねじりモーメント
が伝達されないように保持する管材保持装置が設けられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管材に引抜き加工
と真直度を高めるための矯正加工とを加え、高精度の直
管材を効率良く得る加工方法と装置、および金属の板材
を溶接して形成された管材の焼鈍加工と上記矯正加工と
を連続して行なう焼鈍矯正連続加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、溶接管等の管材は材料の高強度化
にともなってますます薄肉化する傾向にあり、又低コス
ト化のために設備の簡素化や自動ライン化が進められて
いる。また、用途の多様化にともなって溶接管の形状寸
法に高精度が要求されることが多く、その製造工程にお
いて真円度や真直度についての高精度な矯正が要求され
ている。
【0003】このため、管材の真円度や真直度を矯正す
る方法又は装置としていくつかの提案がなされており、
例えば、特開平5−325号公報に記載のロ−ル矯正方
法及び装置がある。この管棒材のロ−ル矯正装置は、中
空回転体の内部へその軸線に沿って管棒材が送り進めら
れ、中空回転体の内部に支持された鼓型のスキュ−ロ−
ルが管棒材の送り作用力を受けてその周囲で自転すると
同時に公転し、管棒材の周囲に矯正力を付与するもので
ある。
【0004】また、特開昭55−130325号公報に
は、ダイスを用いて真円度および真直度の高い管材を得
るパイプの引抜装置が開示されている。この装置では、
ベアリングを介して回転自在に支持されたダイスホルダ
−にダイスが固定されており、管材を引抜き加工すると
きに、このダイスホルダーがモーターによって回転駆動
され、このダイスホルダ−内に固定されたダイスが管材
の周囲で回転するようになっている。このような構成に
より、仮にダイスの引抜孔の中心軸と管材の牽引方向と
にずれが存在する場合においても、ダイスを回転しなが
ら引抜き加工を行なうことによって、管材の高い真円度
及び真直度を維持しようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術には次にような問題点がある。特開平5ー32
5号公報に記載のロール矯正方法および装置では、複数
のスキューロールが管材の周囲で回転することによっ
て、管材の真円度と真直度との矯正を行なうものである
が、真円度については矯正作用が十分ではなく、誤差を
100μm以下とするような高精度の矯正は難しい。ま
た、スキューロールが矯正しようとする管材の送り作用
力によって管材の周囲で自転するとともに中空回転体に
支持されて公転運動するようになっており、中空回転体
を任意の回転数で駆動することが制約されるために、真
直度についても高精度の矯正を行なうことが困難とな
る。
【0006】一方、特開昭55−130325号公報に
記載のパイプの引抜装置においては、回転するダイスを
用いた引抜き加工によって、真円度を高めることは可能
であるが、管材の真直度を高精度に矯正することは現実
的に困難である。また、このような引抜き加工はダイス
の下流側から管材を牽引する必要があり、引抜き加工に
よって真円度を高めた後に真直度の矯正加工を、連続し
て行なうことは困難であると考えられていた。このた
め、加工効率を改善することに対して有効な提案がなさ
れていない。さらに、ダイスの下流側からの牽引により
引抜き加工を行なうには、管材の端部に保持部が設けら
れる。この保持部は、最終的に製品として使用できず切
断廃棄されて材料の無駄となるため、製造原価低減の阻
害要因となっている。
【0007】本願に係る発明は上記のような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、長
尺の管材の真円度と真直度とを高精度に矯正するととも
に、加工効率を高め、材料の歩留りの向上を図ることが
できる管材の矯正加工方法および装置を提供すること、
並びに溶接管の焼鈍加工と上記矯正加工とを連続して行
なう焼鈍矯正連続加工装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、 空引き加工用のダイ
スを用いて管材の断面の真円度を矯正するとともに、該
管材の周面に当接され、該管材の周囲を周回する複数の
矯正部材を用いて該管材の真直度を矯正する管材の矯正
加工方法であって、 前記矯正部材を、前記管材の軸線
回りに回転する中空回転体内に支持し、 前記ダイスの
中心軸線が、前記中空回転体の回転中心線と一致するよ
うに、該中空回転体に固着しておき、 前記中空回転体
と一体となって回転する前記ダイスを通過した管材を中
空回転体内に導き、連続して真直度の矯正を行なうこと
を特徴とする管材の矯正加工方法を提供する。なお、上
記空引き加工とは、管材内にプラグ(芯棒)を挿入しな
いで行う引抜加工である。
【0009】上記のような矯正加工方法では、長尺の管
材を搬送しながら空引き加工用のダイスを通過させて真
円度の矯正を行なうとともに、この管材の搬送方向にお
ける下流側では同じ管材に真直度の矯正加工を行うもの
であり、空引き用のダイスは縮径量が小さく引き抜き抵
抗力が小さいので、ダイスの上流側で管材を保持して送
り出すことにより、空引き加工と矯正加工とを行なうこ
とができる。また、空引き用のダイスは矯正加工装置の
中空回転体と一体となって回転しているので、高い精度
で真円度の矯正ができるとともに、長尺の管材に空引き
加工と真直度の矯正加工とを連続的に行なうことが可能
となる。したがって、工程間の無駄や管材自体の無駄が
低減される。さらに、空引き用のダイスは中空回転体と
一体となっており、回転駆動手段が共有されるので装置
が簡素化される。また、真直度の矯正加工では管材に矯
正力を作用させる複数の矯正部材が中空回転体の回転に
したがって動作し、中空回転体の回転数を適宜に選択す
ることによって管材に作用する矯正力を調節することが
でき、極めて微妙な矯正加工も可能となる。
【0010】請求項2に記載の発明は、 軸線方向に搬
送される管材の中心軸線回りに回転可能に支持された中
空回転体と、 この中空回転体内に支持され、前記管材
の周面に当接されるとともに、前記中空回転体の回転に
よって前記管材の周囲を周回する複数の矯正部材と、
前記中空回転体の、管材の搬送方向上流部に、中心軸線
が一致するように固着された空引き用のダイスとを有す
ることを特徴とする管材の矯正加工装置を提供するもの
である。
【0011】この装置は、管材の真円度を高めるための
空引き加工と、真円度を高める矯正加工とを、長尺の管
材を搬送しながら連続的に行うことができるものであ
る。すなわち、空引き用のダイスと、真直度を矯正する
ための矯正部材を支持する中空回転体とが一体となって
管材の周囲で回転するように駆動され、ダイスの回転に
よって真円度の矯正が高精度で行なわれるとともに、そ
の下流側で真直度の矯正を連続して行なうことができ
る。また、空引き用のダイスを回転させる駆動装置を別
に設ける必要がなく、装置を簡素化することができる。
さらに、中空回転体が回転駆動し、その回転速度を調整
することによって、中空回転体の内部に支持された矯正
部材から管材に作用する矯正力を調整することができ、
最適な矯正を行なうことができる。
【0012】なお、上記発明は、円形断面を有する管材
であれば、様々な製法による管材について適用可能であ
り、特にガス溶接、高周波溶接等の溶接法によって形成
された溶接管の矯正に有効に用いることができる。ま
た、これらの管材の材質も特に限定されるものではな
く、軟鉄、合金鋼、非鉄金属であるアルミニュウム、銅
合金等であってもよい。さらに、矯正部材と中空回転体
とで構成される真直度の矯正装置としては、ロ−ル対向
方式、ロ−ル千鳥方式等のロータリー式矯正装置やプラ
ネタリ式矯正装置とすることができる。
【0013】請求項3に記載の発明は、 金属板材を溶
接して形成された管材を焼鈍加工する焼鈍装置と、
焼鈍加工された前記管材の矯正加工を行なう矯正加工装
置とを有し、 前記矯正加工装置は、 軸線方向に搬
送される管材の中心軸線回りに回転可能に支持された中
空回転体と、 この中空回転体内に支持され、前記管材
の周面に当接されるとともに、前記中空回転体の回転に
よって前記管材の周囲を周回する複数の矯正部材と、
前記中空回転体の、管材の搬送方向上流部に、中心軸線
が一致するように固着された空引き用のダイスとを有す
るものであり、前記焼鈍装置と前記矯正加工装置とは、
軸線方向に搬送される管材に連続して焼鈍加工と矯正加
工とを行なうように配置され、 該焼鈍装置と矯正加
工装置との間には、前記矯正加工装置によって管材に付
与されるねじり力が前記焼鈍加工を行なう位置に伝達さ
れないように管材を保持する管材保持手段が設けられて
いることを特徴とする管材の焼鈍矯正連続加工装置を提
供するものである。
【0014】この装置は、長尺の溶接管を搬送しながら
焼鈍工程を行なうとともに、この溶接管の搬送方向にお
ける下流側では同じ溶接管に矯正加工を行なうものであ
る。この矯正加工では、回転する空引き用のダイスによ
って真円度の矯正を行なうとともに、中空回転体内に支
持された矯正部材によって真直度の矯正を連続して行な
う。この矯正加工によって溶接管にねじりモーメントが
作用し、これが焼鈍加工を行なっている部位に伝達され
ると、溶接管がねじれたり破断したりするが、焼鈍加工
が行なわれる位置と矯正加工が行なわれる位置との間で
溶接管が保持され、ねじりモーメントが伝達されないよ
うにして焼鈍加工が行なわれるので、双方の加工を連続
して、しかも精度よく行なうことが可能となる。また、
焼鈍加工と矯正加工とを、長尺の溶接管に連続して行な
うので、工程間の無駄や、溶接管自体の無駄が低減され
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、請求項3に記載の発明の
一実施形態である焼鈍矯正連続加工装置の概略構成図で
ある。この装置は、管材を加熱及び冷却して焼鈍加工を
行なう焼鈍装置2と、管材の搬送方向の下流側に設けら
れ、焼鈍加工を施した管材5の真円度・真直度を矯正す
る矯正加工装置1とを備えており、焼鈍装置2と矯正加
工装置1との間には、管材5のねじりモーメントが伝達
されないように保持するとともに、管材を軸線方向に推
進させる管材保持装置3が設けられている。また、矯正
加工装置1の下流側には、矯正された管材を支持し、次
工程へ案内するガイドローラ4が設けられている。
【0016】上記焼鈍装置2は、溶接によって形成され
た管材の残留応力の除去や組織の改善を行なうものであ
り、管材を加熱する高周波コイル、加熱された管材に水
をかけて冷却する冷却水ノズル、管材上の水を除去する
エアーノズル等を備えている。
【0017】上記管材保持装置3は、図4に示すよう
に、周面が対向するように支持された二つのロール3
1,32と、これらを中心軸位置で支持する回転軸3
3,34と、第1のロール31の回転軸33を軸受け3
5を介して支持する第1の支持枠37と、第2のロール
32の回転軸34を軸受け36を介して支持する第2の
支持枠38と、二つのロール31,32の間隔を調整す
ることができるように上記第2の支持枠38を摺動可能
に支持するガイド柱39と、外枠40に反力を負担させ
て上記第2の支持枠38を第1の支持枠37側に付勢す
る調圧装置50とを備えている。
【0018】上記二つのロール31,32は、周面にウ
レタンゴム31a,32aが加硫接着されており、管材
の周面と密着するようにほぼ同径の凹状曲面が形成され
ている。なお、ウレタンゴムの換わりに耐熱性がある高
強度のフッ素ゴム、シリコーンゴム等を使用することも
できる。このような弾性を有する部材を使用しているの
は、管材の表面を傷付けることなく、管材に密着してし
っかりと把持することを可能とするためである。これら
のロール31,32のいずれか一方は、回転駆動力が付
与されるものであり、管材を保持するとともに、このロ
ールの回転によって管材を搬送するようになっている。
また、上記調圧装置50は、ばねを内蔵しており、第2
のロール32を第1のロール側に付勢して二つのロール
間に管材を挟持させるとともに、付勢力を調整すること
ができるようになっている。
【0019】上記矯正加工装置1は、空引き加工によっ
て真円度の矯正を行なうとともに、管材の周囲を周回す
る矯正ロールによって主に真直度の矯正を行なうもので
あり、図2に示されるような構成を有する。なお、この
矯正加工装置は請求項2に記載の発明の一実施形態であ
る。この矯正加工装置1では、中空回転体6が、その両
端部に形成された中空軸部7、7’によって軸受け8、
8’に回転自在に支持されている。そして、一方の中空
軸部7’側にはプ−リ−9が設けられており、これに掛
け回されるベルト21を介して外部駆動装置としてのモ
−タ−10から駆動力が伝達され、前記中空回転体6が
回転するようになっている。他方の中空軸部7には、空
引き用のダイス12が固定されたダイスホルダ−11が
嵌着されており、上記中空回転体6と一体となって回転
するようになっている。
【0020】図3は、上記空引き用ダイス12が取り付
けられた中空軸部7を示す拡大断面図である。この図に
示されるように、ダイスホルダー11は中空軸部7に、
軸線が一致するように嵌挿され、止めネジ14によって
固定されている。そして、このダイスホルダ−11に
は、空引き用にダイス12が脱着可能に嵌入され、廻り
止めネジ15によってダイスホルダ−11に固定されて
いる。このダイス12は、中空回転体6とともにその中
心軸線回りに回転し、中心軸線に沿って送り込まれる管
材5に空引き加工を施すようになっている。
【0021】中空回転体6の内部には、この中空回転体
6に取付けられるロ−ル支持枠16に軸支されて、千鳥
状に配設された3対の鼓型の矯正ロ−ル17と、中空回
転体6内の両端部にあって管材を支持する各々一対の鼓
型の支持ロ−ル18とが備えられている。そして、管材
5が中空回転体6の内部に搬送された際には、中空回転
体6が回転駆動され、これにともなって上記矯正ロール
17及び支持ロ−ル18が管材の周囲で自転しながら周
回(公転)する。
【0022】また、上記支持ロール18及び矯正ロール
17には、管材への押し込み量を調整するための調整ハ
ンドル20と、各ロールと搬送される管材の軸線との角
度を調整する角度調整手段とが設けられており、これら
によってロ−ルの矯正力を調節できるようになってい
る。
【0023】次に上記焼鈍矯正連続加工装置の動作につ
いて説明する。なお、これは請求項1に記載の管材の矯
正加工方法の一実施形態を含むものである。帯状の金属
板を溶接して形成された管材(溶接管)は、溶接時の残
留応力や熱によって金属組織が不均等となった部分を有
しており、これらを改善するために焼き鈍しが行なわれ
る。上記焼鈍装置2に導入された管材(溶接管)は、高
周波加熱コイルによって電磁誘導加熱される。この加熱
温度は、安定したオーステナイト相が得られる温度とし
て設定されるものであり、使用する材料によって適宜に
設定される。所定の温度にまで加熱された管材は冷却水
によって冷却され、焼鈍装置2から搬出される。
【0024】焼き鈍された管材は管材保持装置3によっ
て保持されるとともに軸線方向に搬送され、矯正加工装
置1に送り込まれる。矯正加工装置1では、管材5が中
空回転体6と一体となって回転するダイス12の引き抜
き孔に導入され、ダイス12を管材の周面に当接して回
転させたまま管材を軸線方向に搬送し、空引き加工が行
なわれる。このとき、管材5の搬送方向、すなわち管材
の軸線とダイス12の中心軸線とが一致しない場合であ
っても、ダイス12が回転していることによって管材は
高い精度で真円に矯正加工される。この空引き加工は、
管材の径が0.1〜0.2mm程度減少する程度の比較
的小さな絞り量で行なわれる。
【0025】空引き加工が行なわれた管材5はそのまま
中空回転体6内に導入され、軸線方向の両端部でそれぞ
れ対となった支持ロール18に挟持されるとともに、こ
れらの支持ロール間で千鳥状に配置された6つの矯正ロ
ール17が当接される。これらの支持ロール18及び矯
正ロール17は中空回転体6の回転にともない自転しな
がら管材の周囲を周回し、適宜に設定された矯正力を管
材に作用させて、主に管材の真直度を矯正する。上記矯
正力は、管材の材質、寸法、管材の搬送速度等に応じ
て、矯正ロール17及び支持ロール18の押し込み量、
ロールのスキュー角を、調整ハンドル20及び角度調整
手段によって調整するとともに、管材の送り速度及び中
空回転体6の回転速度をを適切にすることによって微細
に設定される。このようにして、空引き加工と真直度の
矯正加工とが、ロータリ式の矯正部材とダイスとが一体
となって回転する矯正加工装置によって連続して行なわ
れ、高い精度の真円度と真直度とを有する管材が得られ
る。
【0026】上記のような矯正加工においては、回転す
るダイス12及び回転する矯正ロール17との間の摩擦
力によって管材5にねじりモーメントが生じる。しか
し、管材は管材保持装置3によってしっかりと保持され
た状態で搬送されており、このねじりモーメントは焼鈍
加工が行なわれている部分には伝達されず、管材に大き
なひずみや変形の発生が防止されている。
【0027】上記のように焼鈍加工と矯正加工とが施さ
れた管材は、ガイドローラ4に案内されて次工程に移送
され、適切な長さに切断されて製品化される。なお、上
記矯正加工装置1において、真直度を矯正するため矯正
部材は中空回転体内に支持された複数のロールとしてい
るが、図5に示すようなプラネタリ式の矯正部材等を用
いることもできる。
【0028】次に、図2に示す矯正加工装置を用いて、
溶接管を矯正加工した実験の結果について説明する。こ
の実験で用いた溶接管は次に通りである。 材質: SUS 304 外径: φ30.1mm 肉厚: 0.75mm また、前記矯正加工装置1の矯正ロ−ル17は、6個を
千鳥状に配設して、ロ−ル角度を30度、押し込み量を
0.2mmに設定した。また、中空回転体6を駆動用モ
−タ−10で120RPMで回転させ、溶接管5の搬送
速度は1.5m/min.とした。
【0029】まず、溶接管を、上記搬送速度にて、中空
回転体6と一体となって回転するダイス12の引抜孔を
通過させ、空引き加工を施す。そして、この溶接管を連
続して中空回転体内に搬入して、前記矯正ロ−ル17に
よって該溶接管の曲がりを矯正する。このようにして得
られた溶接管について、空引き加工前、空引き加工後、
矯正ロールによる矯正加工後の管材を、それぞれ300
mmの長さに切断して各々のサンプルとし、真円度及び
真直度を測定した。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】ここで、真円度とは、溶接管の断面形状と
幾何学的に正しい円(幾何学的円)との差(半径方向の
ずれ量)の大きさをいう。また、真直度とは、溶接管の
周面がその軸線方向に幾何学的に正しい直線(幾何学的
直線)からずれる量をいう。測定方法は、ヘイドン社製
の触針式表面粗さ測定器を円筒形状の測定が可能に改良
して行った。かかる測定方法は、JIS B0651に
規定されているものである。表1の結果から明らかのよ
うに、本発明による空引き及び矯正加工後では、溶接管
の真円度、真直度が共に著しく向上していることが確認
された。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る管
材の矯正加工方法及びその装置では、回転されるダイス
による空引き加工と、管材の周囲に当接して回転する矯
正部材による矯正加工とを長尺の管材を搬送しながら連
続して実施することができ、高精度の管材を効率よく得
ることができる。また、二つの矯正加工を一本の溶接管
を搬送しながら連続して行うことによって、材料の無駄
が排除され、工程を短縮し、作業工数を低減することが
できる。さらに、本願発明に係る焼鈍矯正連続加工装置
では、焼鈍加工を行なった溶接管に、そのまま連続して
上記矯正加工を施すことができ、精度の高い溶接管を効
率よく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る焼鈍矯正連続加工装置の概略構
成図である。
【図2】図1に示す焼鈍矯正連続加工装置で用いられる
矯正加工装置であって、請求項2に記載の発明の一実施
形態でもある管材の矯正加工装置を示す概略構造図であ
る。
【図3】図2に示す矯正加工装置の部分拡大断面図であ
る。
【図4】図1に示す焼鈍矯正連続加工装置で用いられる
管材保持装置の概略構造図である。
【図5】請求項2に記載の発明の他の実施形態である管
材の矯正加工装置を示す概略構造図である。
【符号の説明】 1 矯正加工装置 2 焼鈍装置 3 管材保持装置 4 ガイドロ−ラ 5 管材 6 中空回転体 7,7’ 中空軸部 8,8’ 軸受け 9 プ−リ− 10 モ−タ− 11 ダイスホルダ− 12 ダイス 14 止めネジ 15 廻り止めネジ 16 ロ−ル支持枠 17 矯正ロ−ル 18 支持ロ−ル 20 調整ハンドル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C21D 9/08 C21D 9/08 G 9/50 102 9/50 102A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空引き加工用のダイスを用いて管材の断
    面の真円度を矯正するとともに、該管材の周面に当接さ
    れ、該管材の周囲を周回する複数の矯正部材を用いて該
    管材の真直度を矯正する管材の矯正加工方法であって、 前記矯正部材を、前記管材の軸線回りに回転する中空回
    転体内に支持し、 前記ダイスの中心軸線が、前記中空回転体の回転中心線
    と一致するように、該中空回転体に固着しておき、 前記中空回転体と一体となって回転する前記ダイスを通
    過した管材を中空回転体内に導き、連続して真直度の矯
    正を行なうことを特徴とする管材の矯正加工方法。
  2. 【請求項2】 軸線方向に搬送される管材の中心軸線回
    りに回転可能に支持された中空回転体と、 この中空回転体内に支持され、前記管材の周面に当接さ
    れるとともに、前記中空回転体の回転によって前記管材
    の周囲を周回する複数の矯正部材と、 前記中空回転体の、管材の搬送方向上流部に、中心軸線
    が一致するように固着された空引き用のダイスとを有す
    ることを特徴とする管材の矯正加工装置。
  3. 【請求項3】 金属板材を溶接して形成された管材を焼
    鈍加工する焼鈍装置と、 焼鈍加工された前記管材の矯正加工を行なう矯正加工装
    置とを有し、 前記矯正加工装置は、 軸線方向に搬送される管材の中
    心軸線回りに回転可能に支持された中空回転体と、 こ
    の中空回転体内に支持され、前記管材の周面に当接され
    るとともに、前記中空回転体の回転によって前記管材の
    周囲を周回する複数の矯正部材と、 前記中空回転体
    の、管材の搬送方向上流部に、中心軸線が一致するよう
    に固着された空引き用のダイスとを有するものであり、 前記焼鈍装置と前記矯正加工装置とは、軸線方向に搬送
    される管材に連続して焼鈍加工と矯正加工とを行なうよ
    うに配置され、 該焼鈍装置と矯正加工装置との間には、前記矯正加工装
    置によって管材に付与されるねじり力が前記焼鈍加工を
    行なう位置に伝達されないように管材を保持する管材保
    持手段が設けられていることを特徴とする管材の焼鈍矯
    正連続加工装置。
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