JP2000005821A - 円筒状金属管の矯正装置、および前記矯正装置で矯正された円筒状金属管 - Google Patents

円筒状金属管の矯正装置、および前記矯正装置で矯正された円筒状金属管

Info

Publication number
JP2000005821A
JP2000005821A JP17509998A JP17509998A JP2000005821A JP 2000005821 A JP2000005821 A JP 2000005821A JP 17509998 A JP17509998 A JP 17509998A JP 17509998 A JP17509998 A JP 17509998A JP 2000005821 A JP2000005821 A JP 2000005821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylindrical metal
metal tube
straightening
rotating
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17509998A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Shibata
順一 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP17509998A priority Critical patent/JP2000005821A/ja
Publication of JP2000005821A publication Critical patent/JP2000005821A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Wire Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼鈍や焼準を施した円筒状金属管のよう
な比較的柔らかな薄肉の円筒状金属管の曲がりの矯正を
行えるようにすること。 【解決手段】 固定枠と、前記固定枠3に回転可能に支
持され且つ前記円筒状金属管1が貫通する回転枠側貫通
孔を有し、回転軸が同軸となるように直列に配置された
少なくとも2個の回転枠R1,R2と、少なくとも2個の
回転枠R1,R2を互いに反対向きに回転させる回転駆動
装置と、回転枠側貫通孔を貫通する円筒状金属管1の外
側面の円周方向に互いに180°ずれた位置であって軸
方向に延びる押圧位置にそれぞれ押圧されるように前記
回転枠R1,R2に支持されるとともに、前記円筒状金属
管1の中心線に対して所定角度傾斜した傾斜軸線回りに
回転可能な凹形状表面20a,20a’を有する複数の第
1矯正ロール20および第2矯正ロール20’とを備え
た円筒状金属管1の矯正装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状金属管の真
円度や曲がりを矯正する矯正装置、および前記矯正装置
で矯正された円筒状金属管に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、円筒状金属管はますます薄肉化す
る傾向にあり、また、そのほとんどの用途において、自
動化された設備によって加工されるようになっている。
このため、その材料の曲がりや真円度に関しても、一
層、高精度が要求されるようになっている。前記円筒状
金属管の曲がりや真円度を矯正する技術として、従来、
次の技術(J01)〜(J03)が知られている。
【0003】(J01)特公平7−106387号公報記
載の技術 この公報には、回転自在に設けられ、矯正しようとする
円筒状金属管の軸方向に対して傾斜した傾斜軸線回りに
回転し且つ凹形状表面を有する複数の矯正ロールを、矯
正しようとする円筒状金属管に押し付けながら公転させ
るとともに、前記矯正ロールを同時に自転させて円筒状
金属管の曲がりや真円度を矯正する矯正装置が記載され
ている。
【0004】(J02)特公昭63−23853号公報記
載の技術 この公報には、矯正しようとする円筒状金属管の外側面
に線接触して回転するラッパ状中空ダイスロールを前記
円筒状金属管に押し付けることと、矯正しようとする円
筒状金属管の軸方向に対して傾斜した傾斜軸線回りに回
転し且つ凹形状表面を有する矯正ロールを円筒状金属管
に押し付けることにより矯正を行う矯正装置が記載され
ている。
【0005】(J03)その他の従来技術 単純に回転自在に設けられ、矯正しようとする円筒状金
属管の軸方向に対して傾斜した傾斜軸線回りに回転する
凹形状表面を有する複数の矯正ロールを、矯正しようと
する円筒状金属管の周囲を公転させると同時に押し付け
ることにより円筒状金属管の曲がりを矯正する技術が一
般的に知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】(前記(J01)の問題
点)前記(J01)の技術では、矯正しようとする円筒状
金属管をその矯正機内に送り進めることにより、矯正ロ
ールの自転および公転をさせている。このため、近年求
められているような薄肉、小径の円筒状金属管を矯正し
ようとすると、矯正機に入る前に座屈することがある。
また、(J01)の技術では、公転の回転数が円筒状金属
管の送り速度で決定されるため、任意の回転数とするこ
とができず、曲がりに対する高精度の矯正を行うことが
できない。特に、焼鈍(やきなまし)や焼準(やきなら
し)を施した比較的柔らかい材質の薄肉管の矯正には適
用できない。
【0007】(前記(J02)の問題点)前記(J02)の
技術では、公転するダイスが円筒状金属管に対して線接
触して矯正するため、矯正マーク(矯正時に発生する傷
後)が発生し易いという問題点を有している。このた
め、滑らかな表面性を必要とする製品にはそのままでは
使用することができないので、後工程が必要になるとい
う問題点がある。したがって、この(J02)の技術も、
焼鈍や焼準を施した比較的柔らかな材質の薄肉管の矯正
には適用できない。
【0008】(前記(J03)の問題点)前記(J03)の
技術では、円筒状金属管の真円度の大きな振れを小さく
したり、大きな曲がりを小さくするレベルの技術であ
り、精密な、例えば100ミクロン以下で工程能力指数
(Cp)を満足するような性能はなかった。特に、焼鈍
や焼準を施した比較的柔らかな材質の薄肉管の曲がりを
矯正し得るような性能はなかった。
【0009】前記問題点に鑑み、本発明は次の記載内容
(O01)〜(O03)を技術的課題とする。 (O01)例えば焼鈍や焼準を施した円筒状金属管のよう
な比較的柔らかな薄肉の円筒状金属管の曲がりの矯正を
行えるようにすること。 (O02)円筒状金属管の表面性を損なわずに円筒状金属
管の矯正を行えるようにすること。 (O03)感光体ドラムの基材として使用可能な真円度を
有し曲がりの少ない円筒状金属管を製造すること。
【0010】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。な
お、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0011】(第1発明)前記課題を解決するため、第
1発明の円筒状金属管の矯正装置は、次の構成要件を備
えたことを特徴とする。 (A01)円筒状金属管(1)の貫通可能な固定枠側貫通
孔(4a)が形成された固定枠、(A02)前記固定枠
(3)に回転可能に支持され且つ前記円筒状金属管
(1)が貫通する回転枠側貫通孔を有し、回転軸が同軸
となるように直列に配置された少なくとも2個の回転枠
(R1,R2)、(A03)前記少なくとも2個の回転枠
(R1,R2)を互いに反対向きに回転させる回転駆動装
置(22〜24,M1,M2)、(A04)前記回転枠側貫
通孔を貫通する円筒状金属管(1)の外側面の円周方向
に互いに180°ずれた位置であって軸方向に延びる押
圧位置にそれぞれ押圧されるように前記回転枠(R1,
R2)に支持されるとともに、前記円筒状金属管(1)
の中心線に対して所定角度傾斜した傾斜軸線回りに回転
可能な凹形状表面(20a,20a’)を有する複数の第
1矯正ロール(20)および第2矯正ロール(2
0’)、(A05)前記第1矯正ロール(20)の傾斜軸
線である第1傾斜軸線と前記第2矯正ロール(20’)
の傾斜軸線である第2傾斜軸線は、一方の傾斜軸線を前
記中心線回りに180°回転させたときに他方の傾斜軸
線と一致または平行になるように配置されて、前記回転
枠(R1,R2)の回転時に前記円筒状金属管(1)の外
側面をコロガリ接触しながら回転して前記円筒状金属管
(1)に軸方向の同一方向に移動させる力を作用させる
前記複数の第1矯正ロール(20)および第2矯正ロー
ル(20’)。
【0012】前記第1発明の記載「一方の傾斜軸線を前
記中心線回りに180°回転させたときに他方の傾斜軸
線と一致または平行になる」の意味は、前記第1矯正ロ
ール(20)および第2矯正ロール(20’)が前記円
筒状金属管(1)の両側に対向して配置されている場合
には一致し、対向せずに軸方向にずれて配置されている
場合には平行になるという意味である。
【0013】(第1発明の作用)前記構成を備えた第1
発明の円筒状金属管の矯正装置では、円筒状金属管
(1)の一端部が、直列に配置された複数の回転枠(R
1,R2)の一端側に配置された回転枠(R1,R2)の回
転枠側貫通孔および固定枠側貫通孔(4a)を貫通し
て、前記回転枠(R1,R2)の一端部に支持される第1
矯正ロール(20)および第2矯正ロール(20’)間
に搬送または挿入される。このとき、前記回転枠(R
1,R2)に支持される複数の第1矯正ロール(20)お
よび第2矯正ロール(20’)は、前記円筒状金属管
(1)の中心線に対して所定角度傾斜した傾斜軸線回り
に回転可能な凹形状表面(20a,20a’)を有してお
り、前記凹形状表面(20a,20a’)は、前記回転枠
側貫通孔を貫通する円筒状金属管(1)の外側面の円周
方向に互いに180°ずれた位置であって軸方向に延び
る押圧位置にそれぞれ押圧される。したがって、円筒状
金属管(1)の一端部は、円周方向の180°ずれた位
置(すなわち、直径方向の両側の位置)が前記複数の第
1矯正ロール(20)および第2矯正ロール(20’)
によって押圧された状態で支持される。
【0014】回転駆動装置(22〜24,M1,M2)
は、前記少なくとも2個の回転枠(R1,R2)を互いに
反対向きに回転させる。前記第1矯正ロール(20)の
傾斜軸線である第1傾斜軸線と前記第2矯正ロール(2
0’)の傾斜軸線である第2傾斜軸線は、一方の傾斜軸
線を前記中心線回りに180°回転させたときに他方の
傾斜軸線と一致または平行になるように配置されてお
り、前記回転枠(R1,R2)の回転時に前記円筒状金属
管(1)の外側面をコロガリ接触しながら回転する。
【0015】前記各回転枠(R1,R2)の回転時、前記
複数の第1矯正ロール(20)および第2矯正ロール
(20’)は、前記円筒状金属管(1)に軸方向の同一
方向に移動させる力を作用させる。したがって、前記複
数の第1矯正ロール(20)および第2矯正ロール(2
0’)は、前記円筒状金属管(1)の外側面をコロガリ
接触しながら回転して円筒状金属管(1)を矯正しなが
ら、前記円筒状金属管(1)をその軸方向の一方側に無
理なく(円筒状金属管(1)と矯正ロール(20,2
0’)との間に大きな滑りを生じさせることなく)移動
させることができる。
【0016】その場合、円筒状金属管(1)は、固定枠
(3)の固定枠側貫通孔(4a)および前記固定枠
(3)に回転可能に支持され且つ回転軸が同軸となるよ
うに直列に配置された少なくとも2個の回転枠(R1,
R2)の回転枠側貫通孔を貫通して移動する。このと
き、薄肉、小径の円筒状金属管(1)の真円度および曲
がりの矯正を行うことができる。
【0017】(第2発明)また、第2発明の円筒状金属
管は前記第1発明の矯正装置で矯正したことを特徴とす
る。 (第2発明の作用)真円度および曲がりの矯正を行った
薄肉、小径の円筒状金属管(1)を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に図面を参照しながら、本発明
の円筒状金属管の矯正装置の実施の形態の具体例(実施
例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。
【0019】
【実施例】図1は前記円筒状金属管の矯正装置の実施例
1の説明図で、図1Aは部分縦断面図、図1Bは前記図
1Aの矢印IBからみた図である。図2は前記図1の要
部拡大で、図2Aは部分縦断面図、図2Bは前記図2A
の矢印IIBからみた図である。図3は前記図2Aに示す
矯正ロールおよびその支持構造の説明図で、図3Aはロ
ールホルダ支持構造を示す断面図、図3Bは前記図2A
のIIIB−IIIB線断面図である。図4は矯正ロールおよ
び円筒状金属管の位置関係を示す図で、図4Aは前記図
2AのIVA−IVA線断面図、図4Bは前記図4AのI
VB−IVB線からみた矯正ロールおよび円筒状金属管
の軸線の位置関係を示す図である。図1〜図4におい
て、円筒状金属管1の真円度および曲がりを矯正する矯
正装置2には、搬入用ローラコンベアC1により前記円
筒状金属管1が搬入される。前記搬入用ローラコンベア
C1により搬送されながら、前記矯正装置2で矯正され
た円筒状金属管1は、搬出用ローラコンベアC2により
搬出される。前記矯正装置2は、固定枠3を有してい
る。固定枠3は4個の固定枠壁4を有している。前記4
個の固定枠壁4にはそれぞれ同軸の固定枠側貫通孔4a
が形成されている。
【0020】前記固定枠4の固定枠側貫通孔4aには、
ベアリング6を介して回転枠R1およびR2の回転フラン
ジ7,8が回転自在に支持される。回転フランジ7,8
はそれぞれ、小径円筒部7a,8aおよびプレート部7
b,8bとを有しており、前記小径円筒部7a,8aの外側
面が前記ベアリング6により支持されている。前記小径
円筒部7a,8aの内径は前記円筒状金属管1が貫通可能
である。前記プレート部7bは、図4に示すように、略
円板状であるが、直径方向の両端部(中心を挟んで互い
に反対側の両端部)が切除されて、一対の直線状の外側
縁7cが形成されている。前記プレート部8bも前記プレ
ート部7bと同様に構成されており、一対の直線状の外
側縁8c(図示せず)が形成されている。前記プレート
部7bおよび8bを連結する一対の連結部材9,9’は、
前記円筒状金属管1の軸線まわりに180°離れた位置
(向かい合う位置)に配置されており、それらの両端部
が前記外側縁7c,8cに隣接する位置で前記プレート部
7b,8bにネジ(図示せず)で固定されている。
【0021】図3において、前記連結部材9には、前記
円筒状金属管1の軸方向に沿ってDカットを設けた形状
(図3B参照)の複数のロールホルダ装着孔9aが形成
されており、各ロールホルダ装着孔9aの周囲には4個
のネジ孔9bが形成されている。前記ロールホルダ装着
孔9aの外側に配置されたハンドル支持部材11は、前
記ネジ孔9bに螺合する固定ネジ12により前記連結部
材9の外側面(円筒状金属管1とは反対側の面)に固定
されている。前記ハンドル支持部材11には、前記ロー
ルホルダ装着孔9aと同じ断面形状の凹部11aが形成さ
れており、前記凹部11aの中央部には操作軸貫通孔1
1bが形成されている。なお、前記凹部11aの断面形状
は円形とすることも可能である。前記操作軸貫通孔11
bを貫通する操作軸13は、操作軸貫通孔11bに対して
スライド移動可能および回転可能であり、内端部に雄ネ
ジ13aが形成されており、中間部に抜け止めリング1
4が固定されている。操作軸13の外端部には操作ハン
ドル15が固定されている。
【0022】前記Dカットを設けたロールホルダ装着孔
9aおよび前記凹部11aには、ロールホルダ17のハン
ドル連結部17aがスライド可能且つ回転不能に嵌合し
ている。前記ハンドル連結部17aには、M20の雌ネ
ジ(ネジ孔)が形成されており、前記ネジ孔には前記操
作軸13内端部の雄ネジ13aが螺合して連結されてい
る。したがって、前記ハンドル15を回転させることに
より、前記ロールホルダ17のハンドル連結部17aを
前記ロールホルダ装着孔9a内で内外にスライド移動さ
せて、ロールホルダ17の位置を調節することが可能で
ある。前記ハンドル連結部17aの内端部には一対のロ
ール支持脚部17bが設けられている。前記一対のロー
ル支持脚部17b,17bにはそれぞれロール支持軸1
8,18が固定されており、ロール支持軸18,18に
はベアリング19,19を介して矯正ロール20の両端
部が回転可能に支持されている。前記矯正ロール20
は、前記円筒状金属管1の外側面に係合する凹曲面20
aを有しており、前記凹曲面20aは円筒面の中央部が凹
んだ鼓(つづみ)型の外形を有している。前記矯正ロー
ル20の直径の最小値は300mm、図3Aに示す曲率
半径(凹曲面の稜線の曲率半径)Rは1000mmであ
る。
【0023】前記連結部材9’も前記連結部材9のロー
ルホルダ装着孔9aおよびネジ孔9bと同様のロールホル
ダ装着孔9a’(図示せず)およびネジ孔9b’(図示せ
ず)を有しており、また、前記連結部材9が支持する前
記符号11〜20で示された要素と同様の要素11’〜
20’を支持している。そして、前記連結部材9に装着
されたロールホルダ17のロール支持軸18,18は前
記円筒状金属管1に対して所定角度(例えば、24°、
図4B参照)傾斜して設けられている。前記連結部材9
に装着されたロールホルダ17のロール支持軸18,1
8の軸線(第1傾斜軸線)と、前記連結部材9’に装着
されたロールホルダ17’(図示せず)のロール支持軸
18’,18’の軸線(第2傾斜軸線)とは、一方の軸
線を前記円筒状金属管1の回りに180°回転させた場
合に、他方の軸線と一致または平行になるように配置さ
れている。
【0024】前記「一方の軸線を前記円筒状金属管1の
回りに180°回転させた場合に、他方の軸線と一致ま
たは平行になる」の意味は、前記第1矯正ロール(2
0)および第2矯正ロール(20’)が前記円筒状金属
管(1)の両側に対向して配置されている場合には一致
し、対向せずに軸方向にずれて配置されている場合には
平行になるという意味である。前記第1傾斜軸線および
第2傾斜軸線の向きを前述のように設定することによ
り、回転枠R1またはR2を前記円筒状金属管1回りに回
転させたときに、前記円筒状金属管1の外側面を転がる
矯正ロール20,20’から前記円筒状金属管1が受け
る軸方向の力の向きが同一となり、前記円筒状金属管1
の軸方向の搬送が容易となる。
【0025】前記回転枠R1またはR2はそれぞれ逆回転
するように構成される。この理由は、次のとおりであ
る。すなわち、矯正をするということは、円筒状金属管
1に対して軽微な変形を与えることであり、その場合螺
旋状の矯正跡が生じる。その場合、前記回転枠R1また
はR2が同方向で回転すると、回転枠R1による矯正跡と
回転枠R2による矯正跡とが一致することがある。この
ようなことが生じないように前記回転枠R1またはR2は
それぞれ逆回転される。
【0026】なお、前記回転枠R1またはR2をそれぞれ
逆回転させる場合に、回転枠R1に支持された矯正ロー
ル20,20’が円筒状金属管1に与える軸方向の力と
回転枠R2に支持された矯正ロール20,20’が円筒
状金属管1に与える軸方向の力とを同一にしすると、円
筒状金属管1に余計な力が作用しないので、都合が良
い。
【0027】このため、前記回転枠R1に支持された矯
正ロール20,20’の前記第1,第2傾斜軸線の前記
円筒状金属管1に対する傾斜角度と、回転枠R2に支持
された矯正ロール20,20’の前記第1,第2傾斜軸
線の前記円筒状金属管1に対する傾斜角度とは、プラス
マイナスを逆にする必要がある。したがって、前記回転
枠R1に支持された矯正ロール20,20’の前記第
1,第2傾斜軸線の前記円筒状金属管1に対する傾斜角
度は+24°に設定され、回転枠R2に支持された矯正
ロール20,20’の前記第1,第2傾斜軸線の前記円
筒状金属管1に対する傾斜角度は−24°に設定され
る。
【0028】前記連結部材9に複数のロールホルダ17
を介して支持された複数の矯正ロール20により複数の
第1矯正ロール20が構成され、前記連結部材9’に複
数のロールホルダ17’を介して支持された複数の矯正
ロール20’により複数の第2矯正ロール20’が構成
されている。前記複数の第1矯正ロール20および第2
矯正ロール20’はそれぞれ、前記円筒状金属管1の中
心線に対して所定角度(例えば、24°)傾斜した前記
第1傾斜軸線および前記第2傾斜軸線回りに回転可能で
ある。前記第1矯正ロール20の凹形状表面20aと第
2矯正ロール20’の凹形状表面20a’とは、それぞ
れ、前記回転枠側貫通孔(フランジ7,8の小径円筒部
7a,8aの内孔)を貫通する円筒状金属管1の外側面の
円周方向に互いに180°ずれた位置であって軸方向に
延びる押圧位置にそれぞれ押圧される。
【0029】図2において、前記一対の各回転枠R1,
R2の各回転フランジ8,8の小径円筒部8a,8aには
プーリ22,22が装着されており、各プーリ22,2
2は、モータM1,M2により回転駆動される駆動プーリ
23,23およびベルト24,24を介して互いに反対
向きに回転駆動される。したがって、前記各回転枠R
1,R2は、前記円筒状金属管1の周囲で互いに反対向き
に回転する。すなわち、前記符号22〜24,M1,M2
で示された要素により、2個の回転枠R1,R2を互いに
反対向きに回転させる 回転駆動装置(22〜24,M
1,M2)が構成されている。
【0030】(実施例の作用)前記構成を備えた実施例
の円筒状金属管1の矯正装置2では、搬入用ローラコン
ベアC1により搬送された円筒状金属管1の一端部が、
直列に配置された複数の回転枠R1,R2のうちの一端側
(図2の右端側)に配置された回転枠R1の回転枠側貫
通孔(図2の右端のフランジ7の小径円筒部7aの内
孔)および固定枠側貫通孔4aを貫通して、前記回転枠
R1の一端部(図2の右端部)に支持される第1矯正ロ
ール20および第2矯正ロール20’間に搬入される。
このとき、前記回転枠R1に支持される複数の第1矯正
ロール20および第2矯正ロール20’は、前記円筒状
金属管1の中心線に対して所定角度傾斜した傾斜軸線回
りに回転可能な凹形状表面20a,20a’を有してお
り、前記凹形状表面20a,20a’は、前記回転枠側貫
通孔(図2の右端のフランジ7の小径円筒部7aの内
孔)を貫通する円筒状金属管1の外側面の円周方向に互
いに180°ずれた位置であって軸方向に延びる押圧位
置にそれぞれ押圧される。したがって、円筒状金属管1
の一端部は、円周方向の180°ずれた位置(すなわ
ち、直径方向の両側の位置)が前記複数の第1矯正ロー
ル20および第2矯正ロール20’によって押圧された
状態で支持される。なお、前記矯正ロール20,20’
の円筒状金属管1外側面への押圧力の調節は、前記ハン
ドル15,15’の回転操作により前記ロールホルダ1
7,17’の位置を調節して行う。
【0031】回転駆動装置(22〜24,M1,M2)
は、前記少なくとも2個の回転枠R1,R2を互いに反対
向きに回転させる。前記第1矯正ロール20の傾斜軸線
である第1傾斜軸線と前記第2矯正ロール20’の傾斜
軸線である第2傾斜軸線は、一方の傾斜軸線を前記中心
線回りに180°回転させたときに他方の傾斜軸線と平
行になるように配置されており、前記回転枠R1,R2の
回転時に前記円筒状金属管1の外側面をコロガリ接触し
ながら回転する。前記各回転枠R1,R2の回転時、前記
複数の第1矯正ロール20および第2矯正ロール20’
は、前記円筒状金属管1に軸方向の同一方向に移動させ
る力を作用させる。したがって、前記複数の第1矯正ロ
ール20および第2矯正ロール20’は、前記円筒状金
属管1の外側面をコロガリ接触しながら回転して円筒状
金属管1を矯正しながら、前記円筒状金属管1をその軸
方向の一方側(図2の左方)に無理なく(円筒状金属管
1と矯正ロール20,20’との間に大きな滑りを生じ
させることなく)移動させることができる。このとき、
薄肉、小径の円筒状金属管1の真円度および曲がりの矯
正を行うことができる。
【0032】その場合、円筒状金属管1は、固定枠3の
固定枠側貫通孔4aおよび前記固定枠3に回転可能に支
持され且つ回転軸が同軸となるように直列に配置された
少なくとも2個の回転枠R1,R2の回転枠側貫通孔(図
2のフランジ7,8の小径円筒部7a,8aの内孔)を貫
通して左方に移動する。前記回転枠R1,R2を通過した
前記円筒状金属管1は、搬出用ロールコンベヤC2(図
1参照)により搬送される。
【0033】(実験例1)前記矯正装置2で矯正される
円筒状金属管1は、公知の製造方法によって製造され、
材質はAl050、外径φ=30.3mm、内径φ=2
8.5mm、長さ15mのアルミ管である。前記円筒状
金属管1を回転枠R1側から前記矯正装置2に搬送しな
がら、前記回転枠R1およびR2を90rpmで互いに逆
方向に回転して円筒状金属管1の矯正を行った。矯正を
実施した後、円筒状金属管1を340mmの長さに切断
した。切断した円筒状金属管をVブロック上に載せ、前
記円筒状金属管1を回転させながらピックテスタを用い
て中央部の振れを測定した。結果は次のとおりであっ
た。なお、表1の振れの単位はμmである。
【0034】
【表1】
【0035】前記表1のデータは、これまでの経験から
電子写真感光体を製造する円筒上基材として十分使用で
きるものである。
【0036】(実験例2)前記矯正装置2で矯正される
円筒状金属管1は、公知の製造方法によって製造され、
材質はSUS304で、管の状態で1100℃に加熱し
た炉の中で焼鈍を施した。外径φ=30.04mm、内
径φ=28.0mm、長さ10mのステンレス管であ
る。前記円筒状金属管1を回転枠R1側から前記矯正装
置2に搬送しながら、前記回転枠R1およびR2を90r
pmで逆方向に回転して円筒状金属管1の矯正を行っ
た。矯正を実施した後、円筒状金属管1を340mmの
長さに切断した。切断した円筒状金属管をVブロック上
に載せて回転させながら、ピックテスタを用いて中央部
の振れを測定した。結果は次のとおりであった。なお、
表2の振れの単位はμmである。
【0037】
【表2】
【0038】前記表2のデータは、これまでの経験から
電子写真感光体を製造する円筒上基材として十分使用で
きるものである。
【0039】(比較例)前記矯正装置2で矯正される円
筒状金属管1は、実験例1と同一であり、材質はAl0
50、外径φ=30.3mm、内径φ=28.5mm、長
さ15mのアルミ管である。矯正装置としては、前記実
験例1では、前記回転枠R1に支持された矯正ロール2
0,20’の前記第1,第2傾斜軸線の前記円筒状金属
管1に対する傾斜角度は+24°に設定され、回転枠R
2に支持された矯正ロール20,20’の前記第1,第
2傾斜軸線の前記円筒状金属管1に対する傾斜角度は−
24°に設定されたのに対し、全て+24°に設定し
た。前記矯正装置を使用して前記実験例1と同様に、前
記円筒状金属管1を回転枠R1側から前記矯正装置2に
搬送しながら、前記回転枠R1およびR2を90rpmで
逆方向に回転して円筒状金属管1の矯正を行った。矯正
を実施した後、円筒状金属管1を340mmの長さに切
断した。切断した円筒状金属管をVブロック上に載せて
回転させながら、ピックテスタを用いて中央部の振れを
測定した。結果は次のとおりであった。なお、表3の振
れの単位はμmである。
【0040】
【表3】
【0041】前記表3のデータは、これまでの経験から
電子写真感光体を製造する円筒上基材として使用できな
いものである。この比較例では前記実験例1と異り、円
筒状金属管1の矯正ができなかった理由は、前記第1、
第2傾斜軸線の傾斜角度が同一の場合には矯正できなか
ったからである。
【0042】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。 (H01)回転枠はR1,R2の2個とする代わりに3個以
上とすることができる。
【0043】
【発明の効果】前述の本発明の円筒状金属管の矯正装置
は、下記の効果を奏することができる。 (E01)焼鈍や焼準を施した円筒状金属管のような比較
的柔らかな薄肉の円筒状金属管の曲がりの矯正を行うこ
とができる。 (E02)円筒状金属管の表面性を損なわずに円筒状金属
管の矯正を行うことができる。 (E03)感光体ドラムの基材として使用可能な真円度を
有し曲がりの少ない円筒状金属管を製造することができ
る。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は前記円筒状金属管の矯正装置の実施例
1の説明図で、図1Aは部分縦断面図、図1Bは前記図
1Aの矢印IBからみた図である。
【図2】 図2は前記図1の要部拡大で、図2Aは部分
縦断面図、図2Bは前記図2Aの矢印IIBからみた図で
ある。
【図3】 図3は前記図2Aに示す矯正ロールおよびそ
の支持構造の説明図で、図3Aはロールホルダ支持構造
を示す断面図、図3Bは前記図2AのIIIB−IIIB線断
面図である。
【図4】 図4は矯正ロールおよび円筒状金属管の位置
関係を示す図で、図4Aは前記図2AのIVA−IVA線
断面図、図4Bは前記図4AのIVB−IVB線からみた
矯正ロールおよび円筒状金属管の軸線の位置関係を示す
図である。
【符号の説明】
R1,R2…回転枠、1…円筒状金属管、3…固定枠、4
a…固定枠側貫通孔、20…第1矯正ロール、20’…
第2矯正ロール、20a,20a’…凹形状表面、(22
〜24,M1,M2)…回転駆動装置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の構成要件を備えた円筒状金属管の矯
    正装置、(A01)円筒状金属管が貫通可能な固定枠側貫
    通孔が形成された固定枠、(A02)前記固定枠に回転可
    能に支持され且つ前記円筒状金属管が貫通する回転枠側
    貫通孔を有し、回転軸が同軸となるように直列に配置さ
    れた少なくとも2個の回転枠、(A03)前記少なくとも
    2個の回転枠を互いに反対向きに回転させる回転駆動装
    置、(A04)前記回転枠側貫通孔を貫通する円筒状金属
    管の外側面の円周方向に互いに180°ずれた位置であ
    って軸方向に延びる押圧位置にそれぞれ押圧されるよう
    に前記回転枠に支持されるとともに、前記円筒状金属管
    の中心線に対して所定角度傾斜した傾斜軸線回りに回転
    可能な凹形状表面を有する複数の第1矯正ロールおよび
    第2矯正ロール、(A05)前記第1矯正ロールの傾斜軸
    線である第1傾斜軸線と前記第2矯正ロールの傾斜軸線
    である第2傾斜軸線は、一方の傾斜軸線を前記中心線回
    りに180°回転させたときに他方の傾斜軸線と一致ま
    たは平行になるように配置されて、前記回転枠の回転時
    に前記円筒状金属管の外側面をコロガリ接触しながら回
    転して前記円筒状金属管に軸方向の同一方向に移動させ
    る力を作用させる前記複数の第1矯正ロールおよび第2
    矯正ロール。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の矯正装置で矯正したこと
    を特徴とする円筒状金属管。
JP17509998A 1998-06-22 1998-06-22 円筒状金属管の矯正装置、および前記矯正装置で矯正された円筒状金属管 Pending JP2000005821A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17509998A JP2000005821A (ja) 1998-06-22 1998-06-22 円筒状金属管の矯正装置、および前記矯正装置で矯正された円筒状金属管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17509998A JP2000005821A (ja) 1998-06-22 1998-06-22 円筒状金属管の矯正装置、および前記矯正装置で矯正された円筒状金属管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000005821A true JP2000005821A (ja) 2000-01-11

Family

ID=15990248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17509998A Pending JP2000005821A (ja) 1998-06-22 1998-06-22 円筒状金属管の矯正装置、および前記矯正装置で矯正された円筒状金属管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000005821A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008161892A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Showa Denko Kk ワーク引取装置
CN102151719A (zh) * 2011-01-31 2011-08-17 辽宁银捷机械装备制造有限公司 一种钽铌合金管材高精度矫直机
KR101241316B1 (ko) * 2010-07-02 2013-03-11 이제이피 코리아 주식회사 로터 교정기
WO2019130026A1 (en) * 2017-12-27 2019-07-04 Antonios Anagnostopoulos Rotating straightener with system for cleaning, protecting and lubricating the hyperbolic rollers and bearings

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008161892A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Showa Denko Kk ワーク引取装置
KR101241316B1 (ko) * 2010-07-02 2013-03-11 이제이피 코리아 주식회사 로터 교정기
CN102151719A (zh) * 2011-01-31 2011-08-17 辽宁银捷机械装备制造有限公司 一种钽铌合金管材高精度矫直机
WO2019130026A1 (en) * 2017-12-27 2019-07-04 Antonios Anagnostopoulos Rotating straightener with system for cleaning, protecting and lubricating the hyperbolic rollers and bearings
US11426782B2 (en) 2017-12-27 2022-08-30 Antonios Anagnostopoulos System for cleaning, protecting and lubricating hyperbolic rollers and bearings placed in a rotating rotor which is used for straightening wire, rod or reinforcing bar, using air and oil

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011005570A (ja) 切削バニシング加工装置および切削バニシング加工方法
EP2913557A1 (en) Planet roller speed changer
JP2000005821A (ja) 円筒状金属管の矯正装置、および前記矯正装置で矯正された円筒状金属管
JP3584652B2 (ja) 管材の矯正加工方法および装置、並びに焼鈍矯正連続加工装置
JPH0966330A (ja) 円板外周部の増肉方法及び外周に伝導部を有する円板部材の成形方法
CN110249156A (zh) 辊齿轮凸轮机构
JPS59196410A (ja) 中空円筒形の工作物の横断面の寸法を測定する為の装置
US20220072632A1 (en) Cutting apparatus and method for chamfering film stack using the same
JPH1043815A (ja) 溶接管の焼鈍矯正連続加工方法及び装置
JP2689581B2 (ja) クラウンロール
JPH06277763A (ja) 金属部材の曲げ加工装置
JPH06263300A (ja) クラウンロール
US5669274A (en) Method for forming cam face on structure member of loading cam device for toroidal-type continuously variable transmission
JPH01180726A (ja) 帯状素材のスパイラル成形装置
KR102026661B1 (ko) 파이프 형성 장치
JPH09182906A (ja) 円管の絞り圧延機のロールスタンドおよび円管の圧延方 法
JP6956649B2 (ja) 加工方法および加工装置
JP3448905B2 (ja) 内面溝付管製造装置
JP2624098B2 (ja) 管材の曲げ加工装置
JPS63309333A (ja) 管端部加工装置
JP2001300674A (ja) 輪体のローリング成形装置
JP2000061702A (ja) トロイダル型無段変速機用ディスクの端面加工方法
JP3401848B2 (ja) 内面溝付管製造装置
JPH10156450A (ja) かしめ方法およびかしめ装置
JP2002282984A (ja) 転造加工装置と転造加工方法