JP3584513B2 - 回路遮断器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、両接点間に異常電流が流れたときに、操作ハンドルが操作ハンドルが閉極状態と開極状態との略中間位置で保持される回路遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は、この種の回路遮断器として、特願平5−128588号にて図7及び図8に示す構成のものを提案している。このものは、器体A と、器体A の内方に設けた固定接点Aと、固定接点Aと対向する可動接点Bを設けた可動部材B と、器体A 内で回動自在に支持され両接点A,B が開閉するよう操作される操作ハンドルC と、両接点A,B 間の異常電流を検知する異常電流検知部D と、操作ハンドルC に一端が連結されたリンクばねE と、器体A 内で支持されたラッチリンクF と、リンクばねD の他端に連結され一端をラッチリンクF に係止した状態で可動部材B を押圧して両接点A,B の閉極状態を保持するとともに異常電流検知部D が異常電流を検知すると両接点A,B が強制開極されるようラッチリンクE との係止が外れるトリップリンクG と、リンクばねD の両端を遊挿してリンクばねD を開極時に腕設させ操作ハンドルC の回動方向とは反対方向へ回動するガイド板H と、を備え、両接点A,B の強制開極時に、操作ハンドルC が閉極状態と開極状態との略中間位置まで回動したとき互いに係止する係止部C及び被係止部Bが操作ハンドルC 及び可動部材B にそれぞれ設けられている。
【0003】
このものは、前述したように、両接点A,B が強制開極時に、操作ハンドルC が回動すると可動部材B も同方向へ回動し、操作ハンドルC の係止部Cが可動部材B の被係止部Bに係止することによって、操作ハンドルC が閉極状態と開極状態との略中間位置で保持されるので、両接点A,B 間に異常電流が流れたことを表示することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した回路遮断器にあっては、係止部C及び被係止部Bが直接連結されていない操作ハンドルC 及び可動部材B にそれぞれ設けられているために、寸法精度が低いときは、操作ハンドルC の回動するタイミングがずれて可動接触子B よりも先に回動してしまう。そうなると、可動部材B の被係止部Bが操作ハンドルの係止部Cに係止されずに、操作ハンドルが閉極状態と開極状態との略中間位置で保持されなくなってしまう。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、寸法精度を高めることなく、確実に操作ハンドルが閉極状態と開極状態との略中間位置で保持される回路遮断器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、請求項1記載のものは、器体と、器体の内方に設けた固定接点と、固定接点と対向する可動接点を設けた可動部材と、器体内で回動自在に支持され両接点が開閉するよう操作される操作ハンドルと、両接点間の異常電流を検知する異常電流検知部と、操作ハンドルに一端が連結されたリンクばねと、器体内で支持されたラッチリンクと、リンクばねの他端に連結され一端をラッチリンクに係止した状態で可動部材を押圧して両接点の閉極状態を保持するとともに異常電流検知部が異常電流を検知すると両接点が強制開極されるようラッチリンクとの係止が外れるトリップリンクと、リンクばねの両端を遊挿してリンクばねを開極時に腕設させ操作ハンドルの回動方向とは反対方向へ回動するガイド板と、を備えた回路遮断器において、前記両接点の強制開極時に、前記操作ハンドルが閉極状態と開極状態との略中間位置まで回動したとき互いに係止する係止部及び被係止部が前記操作ハンドル及び前記ガイド板にそれぞれ設けられ、該係止部及び被係止部は、前記操作ハンドルの回動方向と略直交する方向へそれぞれ突設された構成にしている。
【0007】
また、請求項2記載のものは、請求項1のものにおいて、前記被係止部は、係止した状態で先端部が前記器体の内方面に当接するようなした構成にしてある。
【0008】
また、請求項3記載のものは、請求項1のものにおいて、前記操作ハンドルは、前記器体の内方との間を仕切るよう連設片が回動方向と略平行に前記係止部から連設された構成にしている。
【0010】
【作用】
請求項1記載のものによれば、ガイド板は、リンクばねによって操作ハンドルに直接連結されているから、操作ハンドルが回動するときに同じタイミングで回動する。また、操作ハンドルの回動方向と略直交する方向へ突設された係止部及び被係止部は、限られたスペースである器体の内部で、操作ハンドルの側面部近くの空間しか占有しなくなる。
【0011】
請求項2記載のものによれば、ガイド板は、被係止部の先端が器体の内方面に当接することによって反らなくなる。
【0012】
請求項3記載のものによれば、係止部は、連設片が回動方向と略平行に連設されて係止のときの衝撃に対する機械的強度が大きくなる。また、その連設片が器体の内方との間を仕切ることによって、絶縁性が向上する。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の第1実施例を図1乃至図6に基づいて説明する。すなわち、この回路遮断器の器体1 は、図2に示すように、合成樹脂等の絶縁材料で形成され、側面に開口を有して部品を横嵌め式としたボディ2 と、このボディ2 の正面の開口を閉じる第1のカバー3 と、ボディ2 の正面の開口とは反対側の開口を閉じる第2のカバー4 とを有し、それぞれ連結ピンを介して連結されている。ボディ2 は、図2及び図3に示すように、一端を外方が上段となるよう、他方を内方が上段となるよう、それぞれ階段状に形成し、上段及び下段に電路の接地側入出力端子5,6 及び電源側入出力端子7,8 が配設されている。これらの各端子5,6,7,8 は、それぞれ端子板5a,6a,7a,8a とその端子板5a,6a,7a,8a に螺合する端子螺子5b,6b,7b,8b とから構成され、端子板5a,6a,7a,8a に電線導体を接触させた状態で端子螺子5b,6b,7b,8b を螺合させて電線導体を接続することができるようになっている。このボディ2 の開口内には、操作ハンドル9 、可動部材10、トリップリンク11、ラッチリンク12、熱動素子13等の各部材が収納されている。
【0015】
接地側入出力端子5,6 は、ニュートラル装置14によって開閉可能となっている。このニュートラル装置14は、図1及び図2に示すように、ボディ2 に形成された内方収納部(図示せず)と、接地側入力端子5 に連設された第1接触子15と、接地側出力端子6 に連設された第2接触子16と、これら第1接触子15及び第2接触子16に接触可能な第1接触面17a 及び第2接触面17b を有して略コ字状に形成された第3接触子17と、この第3接触子17の各接触面17a,17b を第1接触子15及び第2接触子16に接触する方向に付勢する接触ばね18と、第3接触子17を押圧して第1接触子15及び第2接触子16に接離させるニュートラルハンドル19と、を備えている。
【0016】
電源側入出力端子7,8 は、図1に示すように、分電盤 (図示せず) の分岐バーに接続される電源側入力端子7 と外部の各負荷に接続される電源側出力端子8 とからなり、ボディ2 の両端下側にそれぞれ配設されている。電源側入力端子7 は、分岐バーや電線導体等を固定する端子螺子7bと、一方にこの端子螺子7bが螺合する端子接続部を形成するとともに他方に固定接点20を取着した入力端子板7a (固定接触子) と、を有している。電源側出力端子8 は、電源側入力端子7 同様、負荷に接続される電線導体を固定する端子螺子8bと、一方にこの端子螺子8bが螺合する端子接続部を形成するとともに他方に編組線21を接続した端子板8aと、を有している。
【0017】
操作ハンドル9 は、プラスチック等の絶縁材料で形成され、その中心に軸孔22を有するとともに、周縁部の所定位置に操作部23とトリップリンク11に連結される連結突起24と後述する開極ばね用のばね受突起25とを有している。この操作ハンドル9 は、図3に示すように、コ字状のリンク26の一端の軸26a が軸孔22に嵌合し、他端の軸26b が後述する可動部材10のリンク片に嵌合し、リンク26の中間部26c が図2に示すボディ2 に形成した底面に対して所定方向に傾斜した位置決め溝27に位置決め嵌合して支持されている。これにより、操作ハンドル9 及び可動部材10はそれぞれボディ2 に固定軸を介して支持されたこととなる。また、連結突起23近傍には、詳しくは後述するが、強制開極したときに操作ハンドル9 を中立位置に保持するための中立位置規制突起(係止部)9aが操作ハンドル9 の回動方向と略直交する方向へ突設され、さらにこの中立位置規制突起8aから連設片9bが回動方向と略平行に連設されている。そして、操作部23は、ボディ2 のハンドル孔28から外部に突出しており、固定接点19及び後述する可動接点37の閉極及び開極の操作が可能となっている。
【0018】
リンク機構29は、前述したコ字状のリンク26と、開極ばね30と、リンクばね31と、を有している。リンク26は、前述したように、その一端の軸26a を操作ハンドル9 に連結するとともに他端の軸26b を可動部材10に連結し、それぞれの回動中心がボディ2 に固定されている。開極ばね30は、圧縮コイルばねを実施例とし、操作ハンドル9 と可動部材10とに介在されている。リンクばね31は、例えば図1に示すように、ねじりコイルばねの両端を軸方向に折曲して軸31a,31b を形成し、この軸31a,31b がガイド板32に穿設された長孔に遊挿されてねじりコイルばねによる軸31a,31b の最大開きを規制し、軸31a を操作ハンドル9 の連結突起24の軸孔24a に嵌合し、軸31b を後述するトリップリンク11の軸孔に嵌合している。ガイド板32は、その一端に強制開極時に操作ハンドル9 の中立位置規制突起9aに係止されることによって操作ハンドル9 を中立位置に保持する規制壁(被係止部)32a が操作ハンドル9 の回動方向と略直交する方向へ突設されている。
【0019】
可動部材10は、連結片33及び一対の対向片34にて略コ字状に形成されている。連結片33は、対向片34と交差する方向の一端が延出してその先端に傾斜部35を形成し、傾斜部35の先端にアーク転流用の突出片36と可動接点37を取着するための取着孔38とが形成されている。また、対向片34は、連結片33より折曲された折曲部39と、この折曲部39よりトリップリンク11側に傾斜するように延出されたリンク片40と、から構成されている。折曲部39の先端には、位置決め突起39a を形成し、後述する隔離部材41が配設される。さらに、リンク片40の中間及び先端には、軸孔40a,40b がそれぞれ形成され、操作ハンドル9 及びトリップリンク11を連結することが可能となっている。
【0020】
隔離部材41は、ポリメチルペンテン樹脂やポリメチルメタルリレート樹脂等の消弧性ガス発生材料で形成され、接点19,37 を強制開極したときに発生するアークが当たるとその熱によって消弧ガスを噴出させてアークを素早く消弧するようにしてある。この隔離部材41は、図1に示すように、水平片42,43 及び垂直片44から略逆T字状に形成されている。水平片42は、開極ばね30を受けるばね受け座となるものであり、一対の折曲部39にまたがって位置決め突起39a に係止する係止孔42a を有するとともに、中心にばね受け突起42b を有している。このばね受け突起42b と操作ハンドル9 のばね受け突起42b との間に開極ばね30が圧縮介在されている。垂直片44には、その中心に開極ばね30の屈曲案内となる案内片(図示せず)が形成されるとともに、その両側にアークの回り込みを防ぐ保持片44a がそれぞれ形成されている。これにより両接点19,37 が強制開極されたときに開極ばね30が案内片に当接して開極ばね30の湾曲を抑制することができ、開極ばね30によるばね荷重を安定させることができるとともに、アークが垂直片44及び保持片44a,44a 間に充満するので、アークによるリンク機構29への影響を少なくすることができる。
【0021】
なお、開極ばね30により水平片42b が常に折曲部39に押圧されているため、位置決め突起39a をかしめなくても水平片42は外れないので、隔離部材41の固定手段を簡略化することができる。水平片43は、可動接点37の包囲片となるものであり、先端に切欠43a を有して切欠43a 内に可動接点37を位置させて、アークが飛ぶ方向をしぼってアークを素早く消弧しようとしている。
【0022】
トリップリンク11は、図1に示すように、リンク機構29の均衡を崩す方向に付勢され、その中間片の一端に被係止片45が設けられており、この被係止片45の両側には突出した突出部45a が形成されている。また、このトリップリンク11は、両側片の中間部に可動部材10に連結するための軸孔46を有し、さらに両側片の他端部に操作ハンドル9 との連結用の軸孔47を形成している。そして、このトリップリンク11は、軸孔46に連結軸48を介して可動部材10に連結され、トリップリンク11の回動により被係止片45が熱動素子13の長手方向と同一方向にラッチリンク12に係止可能となっており、図3において、被係止片45を左斜め下方向に傾斜させた状態でラッチリンク12に係止されている。
【0023】
ラッチリンク12は、トリップリンク11を係止してリンク機構29の均衡を保持するものであって、図1に示すように、プラスチック等の絶縁材料にて略蝸牛状に形成されている。このラッチリンク12は、前述したリンク26の他端の軸26b によってに回動自在に保持されるための軸孔49を有するとともに、この軸孔49の周囲に2つの包囲壁50,51 を有している。内側の包囲壁50は、軸孔49の周囲のみ形成され、外側の包囲壁51は、長手方向先端まで形成されており、その先端にトリップリンク11の被係止片45を係止するための係止部51a を有している。また、この外側の包囲壁51の延出される基端には、捩じりコイルばね52の一端が仮止可能な引掛片(図示せず)を有し、リンク26の他端の軸26b によって可動部材10に連結させる作業を容易にしている。このラッチリンク12は、捩じりコイルばね52の一端52a を可動部材10のリンク片40に引っ掛けることによってトリップリンク11の係止を解除する方向へ付勢されている。これにより、過電流の大きさに応じてバイメタルがそのまま変位するので、ラッチリンク12の摩擦を考慮しなくてもよく、もってリンク機構29の均衡を崩すための過電流特性のバラツキが発生しにくいものとなる。
【0024】
熱動素子(異常電流検知部)13は、ラッチリンク12の移動を防止するものであって、熱膨張率の異なる2種類の金属にて形成されたバイメタル53と、このバイメタル53の一端に螺合する調整螺子54と、を有している。バイメタル53は、その一端に調整螺子54が螺合する螺子孔53a を有するとともに、この螺子孔53a 近傍に電源側出力端子8 に電気的に接続する編組線20を溶着している。また、他端には、可動部材10の取着孔38に重合する孔53b を有し、可動接点37を上面から可動部材10にリベット固定することによって可動部材10との連結がなされる。調整螺子54は、バイメタル53を貫通した状態でバイメタル53に螺合し、その一端がラッチリンク12の外部の包囲壁51に当接してラッチリンク12の移動を防止している。また、この調整螺子54の他端は、ドライバー等の先端が嵌入する調整溝54a を有し、ラッチリンク12の外部の包囲壁51に当接する位置を調整することができるようになっている。これにより、接点19,37 に流れる過電流によってトリップリンク11の係止を解除する動作を調整することができるようになっている。
【0025】
編組線21は、バイメタル53と電源側出力端子8 とを電気的に接続するものであって、図3に示すように、その一端21a をバイメタル53の短手方向一方向側から接続するとともに、他端21b をバイメタル53の短手方向一方向側から電源側出力端子8 に接続しており、編組線20の略中央部がバイメタル53と電源側出力端子8 とを結ぶ直線上に位置するので、バイメタル53短手方向への広がりを少なくでき、可動接点37を固定接点19に接離させるときに邪魔にならず、かつ可動接点37を、固定接点19から接離させるのに必要な編組線20の撓みを確保し易いものとなる。
【0026】
次に、この回路遮断器の動作を説明する。すなわち、図3は閉極状態であり、可動接点37が固定接点19に接触しているため電源側入出力端子7,8 間が導通し、ニュートラル装置14を閉極状態になるよう操作すると接地側入出力端子5,6 間が導通する。操作ハンドル9 は、リンクばね31の軸31a が軸26a と軸31b とを結ぶ直線よりも上位に位置しているから、リンクばね31のばね力によりハンドル孔28の一方の縁部に係止している。また、操作ハンドル9 を閉極位置から図3に示す開極位置へ倒すと、操作ハンドル9 に連結したリンクばね31は、ガイド板32が操作ハンドル9 の回動方向とは反対方向へ回動することにり、軸31a,31b が遊挿されたガイド板32の長孔の内縁部に、あたかも両腕が突っ張っているのと同様の状態で腕設されるようになる。そして、操作ハンドル9 は、リンクばね31の軸31a が軸26a と軸31b とを結ぶ直線よりも下位に反転することによって、リンクばね31のばね力によりハンドル孔28の他方の縁部に係止し、かつ可動部材10が反時計方向に回動して可動接点37が固定接点19から開極する。
【0027】
また、図3に示す閉極状態で接点19,37 に過電流等の異常電流が流れると、バイメタル53が加熱されて可動部材10の連結片33側に湾曲する。このため、ラッチリンク12が捩じりコイルばね52によって軸26b を中心に時計針の方向に回動し、その係止部51a から被係止片45が外れてトリップリンク11が、リンクばね31により軸48の回りを図3において時計針の方向に回動し、同時に可動部材10は開極ばね30のばね力により軸48を中心に反時計方向に回動し、可動接点37が固定接点19から開極し、図5に示す強制開極状態になる。さらに、この動作において、開極ばね30のばね力により操作ハンドル9 が開極側に回動を始めてガイド板32が反時計方向へ回動するが、規制壁32a が操作ハンドル9 の中立位置規制突起8aに係止されて回動を防止し、操作ハンドル9 が中立位置に規制されて強制開極状態を表示する。このとき、ガイド板32は、器体1 の内方面の方向へ反るような力がかかるが、規制壁32a の先端が器体1 の内方面に当接することによって、反りが防止される。
【0028】
強制開極状態のリンク機構29のリセットは、図4に示すように、操作ハンドル9 を開極側に倒すことによって行われる。すなわち、操作ハンドル9 の中立位置規制突起8aがガイド板32の規制壁32a を押圧してガイド板32を時計方向へ回動させながらトリップリンク11の被係止片45がラッチリンク12の係止部51a に係止されて、図4に示す開極状態となる。この開極状態から図3の閉極状態に操作ハンドル9 を押すと前述したようにリンクばね31を介してトリップリンク11の被係止片45がラッチリンク12に係止された状態でリンクばね31を圧縮しながら軸23a が反転位置に回動するとともに開極ばね30を圧縮しながら可動部材10を時計方向に回動して可動接点37が固定接点19に接触する。
【0029】
かかる回路遮断器にあっては、ガイド板32は、リンクばね31によって操作ハンドル9 に直接連結されているから、操作ハンドル9 が回動するときと同じタイミングで回動するので、中立位置規制突起9aは確実に規制壁32a に係止して、操作ハンドル9 が閉極状態と開極状態との略中間位置で確実に保持される。
【0030】
また、操作ハンドルの回動方向と略直交する方向へ突設された中立位置規制突起9a及び規制壁32a は、限られたスペースである器体1 の内部で、操作ハンドル9 の側面部近くの空間しか占有しないので、両接点19,37 の開極距離を確保できるようになる。
【0031】
また、ガイド板32は、規制壁32a の先端が器体1 の内方面に当接することによって反らなくなるので、操作ハンドル9 の中立位置規制突起9aに確実に係止されて、操作ハンドル9 が閉極状態と開極状態との略中間位置でより確実に保持される。
【0032】
また、中立位置規制突起9aは、連設片9bが回動方向と略平行に連設されて係止のときの衝撃に対する機械的強度が大きくなるので、破損しにくくなる。また、その連設片9bが器体1 の内方との間を仕切ることによって、絶縁性が向上するので、安全性が向上する。
【0033】
また、ラッチリンク12の係止部51a は、平面状又は凹状に形成されても、トリップリンク11の被係止片45の両側の突出部45a にのみ係止するために、引き外し荷重が均等にすることができる。
【0035】
また、本実施例では、ガイド板32の規制壁32a は、係止した状態で先端が器体1 の内方面に当接するようになっているが、それ程反らないときは先端が器体1 の内方面に当接するようになっていなくもよく、そのときは、設計の自由度が大きくなる。
【0036】
また、本実施例では、連設片9bが中立位置規制突起9aから回動方向と略平行に連設されているが、係止のときの衝撃がそれ程大きくなく、操作ハンドル9 の別の部分を突出させたりして、絶縁性が向上しているときは、連設片9bが連設だれなくてもよく、そのときは、設計の自由度が大きくなる。
【0037】
また、本実施例では、トリップリンク11の被係止片45の両側に突出部46a が設けられているが、引き外し荷重が十分均等になるときは、このように両側が突き出した形状となっていなくてもよく、そのときは設計の自由度が大きくなる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1記載のものは、ガイド板は、リンクばねによって操作ハンドルに直接連結されているから、操作ハンドルが回動するときと同じタイミングで回動するので、係止部が被係止部に確実に係止して、操作ハンドルが閉極状態と開極状態との略中間位置で確実に保持される。また、操作ハンドルの回動方向と略直交する方向へ突設された係止部及び被係止部は、限られたスペースである器体の内部で、操作ハンドルの側面部近くの空間しか占有しないので、両接点の開極距離を確保できるようになる。
【0039】
請求項2記載のものは、請求項1記載のものの効果に加えて、ガイド板は、係止部の先端が器体の内方面に当接することによって反らなくなるので、操作ハンドルの係止部に確実に係止されて、操作ハンドルが閉極状態と開極状態との略中間位置でより確実に保持される。
【0040】
請求項3記載のものは、請求項記載のものの効果に加えて、係止部は、連設片が回動方向と略平行に連設されて係止のときの衝撃に対する機械的強度が大きくなるので、破損しにくくなる。また、その連設片が器体の内方との間を仕切ることによって、絶縁性が向上するので、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の部分分解斜視図である。
【図2】同上の器体の内部を示す斜視図である。
【図3】同上の閉極時の側面断面図である。
【図4】同上の操作ハンドルの操作による開極時の側面断面図である。
【図5】同上の強制開極時の側面断面図である。
【図6】同上の強制開極時の上面図である。
【図7】従来例の部分分解斜視図である。
【図8】同上の強制開極時の側面断面図である。
【符号の説明】
1 器体
9 操作ハンドル
9a 中立位置規制突起(係止部)
9b 連設片
10 可動部材
11 トリップリンク
12 ラッチリンク
13 熱動素子(異常電流検知部)
19 固定接点
31 リンクばね
32 ガイド板
32a 規制壁(被係止部)
37 可動接点

Claims (3)

  1. 器体と、器体の内方に設けた固定接点と、固定接点と対向する可動接点を設けた可動部材と、器体内で回動自在に支持され両接点が開閉するよう操作される操作ハンドルと、両接点間の異常電流を検知する異常電流検知部と、操作ハンドルに一端が連結されたリンクばねと、器体内で支持されたラッチリンクと、リンクばねの他端に連結され一端をラッチリンクに係止した状態で可動部材を押圧して両接点の閉極状態を保持するとともに異常電流検知部が異常電流を検知すると両接点が強制開極されるようラッチリンクとの係止が外れるトリップリンクと、リンクばねの両端を遊挿してリンクばねを開極時に腕設させ操作ハンドルの回動方向とは反対方向へ回動するガイド板と、を備えた回路遮断器において、
    前記両接点の強制開極時に、前記操作ハンドルが閉極状態と開極状態との略中間位置まで回動したとき互いに係止する係止部及び被係止部が前記操作ハンドル及び前記ガイド板にそれぞれ設けられ、該係止部及び被係止部は、前記操作ハンドルの回動方向と略直交する方向へそれぞれ突設されたことを特徴とする回路遮断器。
  2. 前記被係止部は、係止した状態で先端部が前記器体の内方面に当接するようなしたことを特徴とする請求項記載の回路遮断器。
  3. 前記操作ハンドルは、前記器体の内方との間を仕切るよう連設片が回動方向と略平行に前記係止部から連設されたことを特徴とする請求項記載の回路遮断器。
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