JP2972075B2 - 回路遮断器 - Google Patents

回路遮断器

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JP2972075B2
JP2972075B2 JP1678294A JP1678294A JP2972075B2 JP 2972075 B2 JP2972075 B2 JP 2972075B2 JP 1678294 A JP1678294 A JP 1678294A JP 1678294 A JP1678294 A JP 1678294A JP 2972075 B2 JP2972075 B2 JP 2972075B2
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孝 北村
洋一 横山
洋一 国本
知行 澤田
洋史 小西
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接点部を挿入した主電
路に過大な電流が流れると接点部を強制的に開極させる
回路遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の回路遮断器では、接
点部を挿入した主電路に過大な電流が流れて接点部が強
制的に開極されたときに生じるアークを消弧するため
に、接点部を構成する両接点(可動接点と固定接点、ま
たは一対の可動接点)にアーク走行板を電気的に接続
し、接点部の開極によって生じたアークを両アーク走行
板に移行させアークを接点部から遠ざけるように走行さ
せて消弧装置に導くものがある。
【0003】また、主電路には電磁釈放装置のコイルが
挿入されており、このコイルに過大な電流が流れると、
コイル内に設けた可動鉄芯が磁力により移動して接点部
を強制的に開極させるように構成してある。すなわち、
接点部を開極させるばね力を蓄積した状態に保たれる開
閉装置を設け、電磁釈放装置の可動鉄芯が移動すると開
閉装置のばね力を放出させることで接点部を開極させる
ように構成されているのである。また、電磁釈放装置に
は、コイル内に設けた可動鉄芯に対して磁力を効率よく
作用させるために、コイルの軸方向の両端面に対向する
一対の側片と、コイルの外側で両側片を連結する中間片
とを有するヨークを設けてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成の回路遮
断器では、電磁釈放装置とアーク走行板とが別個に設け
られているものであるから、部品点数の増加につながる
という問題がある。本発明は上記問題点の解決を目的と
するものであり、部品点数を削減した回路遮断器を提供
しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電源
側端子と負荷側端子との間に接点部と電磁釈放装置のコ
イルとを挿入した主電路を形成し、接点部の閉極時に主
電路に過大な電流が通過するとコイルに生じる磁力でコ
イル内に設けた可動鉄芯を移動させ、可動鉄芯の移動を
利用して接点部を強制的に開極させる回路遮断器におい
て、コイルの軸方向の両端面に対向する一対の側片とコ
イルの外側で両側片の間を一体に結合する中間片とを備
え可動鉄芯を通る磁路を形成するヨークと、接点部を構
成する一方の接点に電気的に接続され接点部の周囲の磁
界との相互作用でアークに作用する電磁力の向きに延長
されたアーク走行板とを設け、コイルの軸方向とアーク
走行板の延長方向とを略一致させるとともにヨークの中
間片をアーク走行板の延長部位に対向させ、ヨークの両
側片のうち接点部に近いほうの側片を接点部を構成する
他方の接点に電気的に接続したことを特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、外周にコイルを巻装した絶縁材料よりなるコイル筒
を設け、コイル筒の軸方向の一端部に設けた絶縁材料よ
りなるフランジを、ヨークの両側片のうち接点部から遠
いほうの側片とコイルとの間に配置したことを特徴とす
る。請求項3の発明は、請求項1の発明において、可動
鉄芯を含む芯部材の外周にコイルを巻装し、ヨークの各
側片に芯部材の各端部を嵌着する保持溝を各側片の周縁
に臨んで開口するように形成し、保持溝に嵌入されると
ともに保持溝の内周縁との間に芯部材の各端部を挟持す
る保持突片を器体の内側面に突設したことを特徴とす
る。
【0007】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、外周にコイルを巻装したコイル筒を設け、コイル筒
の軸方向の一端部に内径を中間部よりも小径に形成した
先細部を形成し、直径が先細部の内径よりも大きくかつ
中間部の内径よりも小さい可動鉄芯をコイル筒内に移動
自在に納装し、可動鉄芯に対向する固定鉄芯を復帰ばね
を介して一部がコイル筒から突出するようにコイル筒の
他端部に固定し、ヨークの一方の側片にコイル筒の一端
部を固定し、ヨークの他方の側片に固定鉄芯を磁気的に
結合したことを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1の発明の構成によれば、ヨークの中間
片を接点部の一方の接点と電気的に接続したアーク走行
板と対向させ、かつヨークの両側片のうち接点部に近い
ほうの側片を接点部の他方の接点に電気的に接続してい
るのであって、ヨークの中間部にアークの一端が移行す
れば、アーク走行板とヨークの中間片とで逆向きに電流
を流すことができ、アーク走行板とヨークの中間片との
間ではアークを走らせるように電磁力を作用させること
ができるのである。すなわち、ヨークの中間片はアーク
走行板としての機能を有することになり、従来のように
一対のアーク走行板を設けることなく、一方のアーク走
行板を電磁釈放装置に設けたヨークで兼用することがで
きるのである。その結果、従来構成に比較すれば、アー
ク走行板が1枚不要になり、部品点数の削減につながる
のである。
【0009】請求項2の発明の構成によれば、コイルを
コイル筒に巻装し、コイル筒に設けた絶縁材料よりなる
フランジを、ヨークの両側片のうち接点部から遠いほう
の側片とコイルとの間に配置しているから、接点部から
遠いほうの側片とコイルとの間の絶縁を確保することが
でき、ヨークの中間片にアークが移行したときにヨーク
の中間片と接点部に近いほうの側片とを通るように電流
を流してアークを走らせることができるのである。すな
わち、アークが所望の向きとは異なる向きに走るのを防
止することができる。
【0010】請求項3の発明の構成によれば、ヨークの
各側片に周縁に臨んで開口するように保持溝を形成し、
コイルを巻装した芯部材の各端部を保持溝に嵌着し、か
つ器体の内周面に突設した保持突片を保持溝に嵌入し
て、保持突片の先端縁と保持溝の内周縁との間で芯部材
の各端部をそれぞれ挟持するから、保持溝が各側片の周
縁に臨んで開口することによって芯部材のヨークへの装
着が容易になり、しかも、保持突片が保持溝に嵌入して
ヨークが器体に位置固定されるから、芯部材の位置固定
とヨークの位置固定とを容易に行なうことができて、組
立作業が簡素化されるのである。
【0011】請求項4の発明の構成によれば、コイルを
巻装したコイル筒の軸方向の一端部に先細部を形成して
コイル筒の内部に納装した可動鉄芯を抜け止めし、また
コイル筒の他端部に固定鉄芯を固定するとともに、可動
鉄芯と固定鉄芯との間に復帰ばねを介装しているのであ
って、固定鉄芯をヨークの一方の側片に磁気的に結合し
ているから、コイル筒内に可動鉄芯と固定鉄芯と復帰ば
ねとを装着することができて電磁釈放装置を容易に組み
立てることができ、しかも固定鉄芯の一部をコイル筒か
ら突出させてヨークの側片に磁気的に結合することでヨ
ークと固定鉄芯と可動鉄芯とで形成される磁路の磁気抵
抗を比較的小さくすることができ、結果的に可動鉄芯を
強い力で吸引することができる。
【0012】
【実施例】図1に示すように、合成樹脂のような絶縁材
料よりなる器体10の各側部にそれぞれ電源側端子20
aと負荷側端子20bとが設けられる。電源側端子20
aには固定接点31(図2参照)を備えた端子板21a
が電気的に接続され、負荷側端子20bには熱動釈放装
置60を構成するバイメタル61の一端部を固着した端
子板21bが電気的に接続される。固定接点31は可動
接触子33に設けた可動接点32とともに接点部30を
構成し、可動接触子33は後述する開閉装置40の動作
に応じて固定接点33に対して離接する。可動接触子3
3は編組線よりなる接続線37を介して後述する電磁釈
放装置50のコイル51の一端に電気的に接続され、コ
イル51の他端は編組線よりなる接続線38を介してバ
イメタル61の中間部に接続される。したがって、接点
部30が閉極すると、電源側端子20a−接点部30−
コイル51−バイメタル61−負荷側端子20bという
経路で電流が流れる主電路が形成される。ここにおい
て、バイメタル61としては、自己発熱によって湾曲す
る形式の直熱型と、板状のヒータが積層されヒータによ
る加熱で湾曲する傍熱型とのいずれを用いてもよい。
【0013】器体10は、図3に示すように、ボディ1
0aとカバー10bとをリベット11を用いて結合して
形成される。すなわち、ボディ10aとカバー10bと
には周部の4箇所に組立孔12a,12bが貫設され、
各組立孔12a,12bにそれぞれリベット11を通す
ことによって、ボディ10aとカバー10bとを結合す
ることができるのである。器体10の上面にはボディ1
0aとカバー10bとを突き合わせたときに矩形状に開
口するハンドル挿通孔13が形成され、図2に示すよう
に、ボディ10aとカバー10bとの内側面であってハ
ンドル挿通孔13の近傍には円筒状の軸受14が突設さ
れる。軸受14の中央部に開口する軸受孔14aには、
ハンドル41を軸支するハンドル軸42の各端部が挿入
される。ハンドル41には、ハンドル挿通孔13を通し
て器体10の上面に突出する操作部41aが設けられ
る。すなわち、ハンドル41は操作部41aがハンドル
挿通孔13の中で移動できる範囲でハンドル軸42の回
りに回動自在になる。ハンドル41の操作部41aの基
部にはハンドル軸42を中心とする弧状の覆い片41b
が形成され、器体10におけるハンドル挿通孔13の周
部は覆い片41bに沿うように外向きに膨らんでいる。
覆い片41bは器体10の内側面に摺接するのであっ
て、ハンドル41が回動しても覆い片41bによって器
体1の内部が見えないように遮蔽され、かつ覆い片41
bにはハンドル41の操作に伴う接点部30の開閉を示
す文字が表記される。覆い片41bの下面にはリンク支
持部41cが突設され、リンク支持部41cの下部両側
面には軸突起41dが突設される。ここにおいて、操作
部41aとリンク支持部41cとは、一直線上にはなく
断面略く字形になるように覆い片41bに対する互いの
突出方向が設定されている。さらに、ハンドル41は軸
受14の周囲に装着された鋏形ばねよりなるハンドル復
帰ばね43によって図2における左回りに付勢されてい
る。すなわち、ハンドル復帰ばね43の一端部は、図1
における覆い片41bの右端部に係止され、他端部は後
述する開閉装置40の引外し板44に係止される。
【0014】開閉装置40は、略コ形に形成され各脚片
の先端部に形成された軸受孔45aに対してハンドル4
1に設けた軸突起41dが挿通されるハンドルリンク4
5と、平板状の係止板46aの両端に係止板46aに略
直交しかつ係止板46aの端縁に沿う方向に延長された
一対のガイド片46bを備えガイド片46bの先端部に
形成された軸孔46cにハンドル軸42が挿通されるラ
ッチ板46と、引外し板44に挿通されボディ10aと
カバー10bとの内側面にそれぞれ形成した軸受15に
設けた軸受け孔15aに各端部が挿入されて引外し板4
4を器体10に対して回動自在に支承する軸ピン47
と、略コ形に形成され一方の脚片48aがラッチ板46
の両ガイド片46bに形成されたガイド孔46dを通し
てハンドルリンク45の両脚片の基部に設けたリンク孔
45cに挿通される接触子リンク48とを備える。接触
子リンク48の他方の脚片48bは可動接触子33に設
けた軸孔33aに挿通される。ここに、ボディ10aの
内側面には図2における下に凸となる弧状に湾曲したガ
イド溝16が形成され、このガイド溝16に接触子リン
ク48の脚片48bの先端部が挿入されることによっ
て、接触子リンク48の移動範囲がガイド溝16に規制
される。
【0015】可動接触子33は、一端部に可動接点32
を備えるとともに、他端部にばね受け片33bを備え、
可動接点32とばね受け片33bとの間の部位に接触子
リンク48の脚片48bが挿入される軸孔33aの開口
する軸受片33cを有した形状に形成されている。ここ
に、板材により形成された可動接触子33の一端部を略
L形に折曲しその角部を可動接点32として用いてお
り、可動接触子33において可動接点32よりも先端部
側にはアーク走行片33dが延長されている。ばね受け
片33bにはコイルスプリングよりなる接圧ばね34の
一端部に挿入されるばね座33e(図5参照)が突設さ
れる。また、接圧ばね34の他端部は一方のボディ10
aの内側面に形成されたばね受け凹所35に収められ
る。ボディ10aの内側面には、ばね受け凹所35の開
口面に対向してストッパ36が突設され、ばね受け凹所
35の形成されているボディ10aの内側面とストッパ
36との間の空間に接圧ばね34およびばね受け片33
bが挿入され、接圧ばね34のばね力によってばね受け
片33bはストッパ36に向かって付勢されている。
【0016】引外し板44は、基片44aの上端部から
一側方に第1押圧片44bが突設されるとともに基片4
4aから下方に向かって第2押圧片44cが延長され、
さらに上下の中間部における基片44aの一側縁から基
片44aに略直交する方向に腕片44dが突設された形
状に形成されている。腕片44dの基部には軸ピン47
が挿通され、引外し板44は軸ピン47の回りに回動自
在となっている。また、腕片44dの先端部の上縁には
引掛溝44eが形成され、引掛溝44eよりもさらに先
端側では腕片44dの上縁は下縁との距離が近付くよう
に傾斜する。また、基片44aの側縁には側方に開口し
上方向に切り込まれた形状の係止凹所44fが形成さ
れ、この係止凹所44fにハンドル復帰ばね43の一端
部が係止されることによって、引外し板44は図2の左
回りに付勢される。
【0017】ラッチ板46は、ハンドル軸42によって
ハンドル41とともに器体10に対して回動自在となっ
ているが、ハンドルリンク45に挿通された接触子リン
ク48の脚片48aがラッチ板46のガイド孔46dに
挿通され、かつハンドルリンク45がハンドル41の軸
突起41dに軸支されていることによって、ハンドル4
1に対するラッチ板46の揺動範囲が規制されている。
また、ラッチ板46の係止片46aの下縁は、引外し板
44に設けた引掛溝44eに係合可能になっており、係
合状態ではラッチ板46の移動が禁止される。
【0018】上述のようにハンドル41、ハンドル軸4
2、ハンドル復帰ばね43、引外し板44、ハンドルリ
ンク45、ラッチリンク46、軸ピン47、接触子リン
ク48により構成された開閉装置40は、接点部30の
閉極状態において主電路に過大な電流が通過したときに
は、電磁釈放装置50ないし熱動釈放装置60の作動に
より接点部30を開極させるように機能する。
【0019】電磁釈放装置50は、上方に開放された略
コ形に磁性体によって形成されたヨーク52を備え、ヨ
ーク52の内側空間にコイル51が収められる。すなわ
ち、ヨーク52は、コイル51の軸方向の両端面にそれ
ぞれ対向する一対の側片52a,52bと、コイル51
の下方を通って両側片52a,52bの間を結合する中
間片52cとを備えている。また、各側片52a,52
bには側方に開口する保持溝52d,52eが形成され
る。コイル51は絶縁材料よりなる円筒状のコイル筒5
3の外周に巻装されているのであって、コイル筒53の
軸方向の一端部にはフランジ53aが一体に形成され、
コイル筒53の軸方向の他端部には内外径ともに軸方向
の中間部よりも小径になった先細部53bが形成され
る。
【0020】コイル筒53の内部空間には先細部53b
の内径よりも直径の大きい部分を有した可動鉄芯54が
コイル筒53の軸方向に移動自在となるように納装さ
れ、またコイル筒53のフランジ53a側の端部には可
動鉄芯54に対向する固定鉄芯55が一部をコイル筒5
3から突出させた形でコイル筒53に装着される。可動
鉄芯54の移動方向の一端面にはコイル筒53の先細部
53b側の端面から突出する引掛ピン54aが一体に設
けられ、他端面には固定鉄芯55を通してコイル筒53
のフランジ53a側の端面から突出する押圧ピン57が
固着される。引掛ピン54aの先端部には他の部位より
も大径に形成された引掛ヘッド54bが形成されてい
る。可動鉄芯54と固定鉄芯55との間にはコイルスプ
リングよりなる復帰ばね56が介装され、復帰ばね56
のばね力によって可動鉄芯54はコイル筒53の先細部
53a側に付勢されている。
【0021】可動鉄芯54の移動方向の両端部は中間部
よりも小径に形成され、一端部は復帰ばね56に挿入さ
れるばね受け部54cとなり、他端部はコイル筒53の
先細部53bに挿入可能に形成され、中間部は先細部の
内径よりも大径に形成されている。すなわち、可動鉄芯
54において引掛ピン54aが突設されているほうの小
径部分と大径部分との間に抜止段部54dが形成され、
コイル筒53の内周において中間部と先細部53bとの
間に形成される段部に抜止段部54dが係止されること
によって可動鉄芯54の脱落が防止されるのである。
【0022】固定鉄芯55は、コイル筒53の軸方向に
おける可動鉄芯53に近い一端部が他の部位よりも小径
に形成されて復帰ばね56に挿入されるばね受け部55
aとなり、他端部には他の部位よりも大径である外鍔片
55bが形成される。さらに、上記他端の中央部には結
合突起55cが突設される。しかるに、固定鉄芯55を
コイル筒53のフランジ53a側に挿入すれば、コイル
筒53の端面に外鍔片55cが当接し、結合突起55c
はコイル筒53から突出することになる。また、可動鉄
芯54に固着された押圧ピン57は固定鉄芯55の軸方
向に貫通する挿通孔55dに挿通されることによって、
コイル筒53から突出する。
【0023】上述のようにしてコイル筒53に可動鉄芯
54、固定鉄芯55、復帰ばね56を装着して形成した
芯部材は、コイル筒53の先細部53bをヨーク52の
側片片52aに設けた保持溝52dに嵌入し、固定鉄芯
55の結合突起55cを側片52bに設けた保持溝52
eに嵌入することによって、ヨーク52に取り付けられ
る。ここにおいて、コイル51とヨーク52の側片52
bとの間にはコイル筒53のフランジ53aが介在する
ことによって、コイル51とヨーク52の側片52bと
の間の絶縁が確保されることになる。また、結合突起5
5cがヨーク52の側片52bに設けた保持溝52eに
嵌入され、かつ外鍔片55bがコイル筒53のフランジ
53aと側片52bとの間に挟装されることによって、
固定鉄芯55はヨーク52に対して磁気的に結合される
ことになる。
【0024】上述のように構成された電磁釈放装置50
は、図4に示すように、ヨーク52に設けた保持溝52
d,52eに対してボディ10aの内側面に突設した保
持突片17a,17bを嵌入することによって、ボディ
10aの定位置に固定される。また、ボディ10aの内
側面に保持突片17a,17bの近傍で形成されたヨー
ク取付溝18a,18bに、ヨーク51の側片52aが
嵌合することによっても、ヨーク52がボディ10aに
固定されるようになっている。ボディ10aにヨーク5
2を固定した状態では、コイル筒53の先細部53bお
よび固定鉄芯55の結合突起55cは、それぞれ保持溝
52d,52eの内周縁と保持突片17a,17bの先
端縁との間に挟持され、コイル筒53がヨーク52に対
して定位置に固定されるようになっている。
【0025】上記構成の電磁釈放装置50では、コイル
51に通電すると、固定鉄芯55−ヨーク52−可動鉄
芯54を通る磁路の磁気抵抗を小さくするように可動鉄
芯54に対して固定鉄芯55との間で吸引力が作用する
のであって、コイル51への通過電流が負荷の短絡時の
ような過大な電流であると、復帰ばね56のばね力に航
して可動鉄芯54が固定鉄芯55に近付くように移動す
る。したがって、このように作動したときに開閉装置4
0を操作することで、閉極状態の接点部30を強制的に
開極させることができるのであって、開閉装置40とは
以下のように結合されている。
【0026】すなわち、可動鉄芯54に設けた引掛ピン
54aの先端部は、可動接触子33における軸孔33a
と可動接点32との間の部位に形成されている引掛孔3
3eに挿通され、コイル51の励磁によって、可動鉄芯
54が固定鉄芯55に近付くように吸引されたときに
は、引掛ピン54aの先端部に設けた引掛ヘッド54b
が引掛孔33eの周部に係止されて可動接触子33を固
定接点31から引き離す向きに引張るようになってい
る。ここに、引掛孔33eは引掛ヘッド54bよりも直
径の小さい係止孔と引掛ヘッド54bよりも直径の大き
い導入孔とを連続させただるま状に形成されており、組
立時には導入孔に引掛ヘッド54bを通した後に係止孔
に引掛ピン54aを導入することで、可動接触子33に
電磁釈放装置50を容易に結合できるようにしてある。
また、可動鉄芯54に固着された押圧ピン57の先端は
引外し板44の第2押圧片44cに対向するように位置
し、可動鉄芯54が固定鉄芯55に吸引されて移動する
と、引外し板44を軸ピン47の回りで図2の右回りに
回転させるようになっている。
【0027】一方、熱動釈放装置60は、上述したよう
にバイメタル61を備え、バイメタル61の一端部は後
述する端子板21bに固着され、他端部にはバイメタル
61の湾曲方向に挿通された調節ねじ62が螺合する。
調節ねじ62は引外し板44の第1押圧片44bに対向
し、主電路を通過する過大な電流によってバイメタル6
1が湾曲したときには調節ねじ62の先端部で引外し板
44を押圧することにより、引外し板44を軸ピン47
の回りで図2の右回りに回転させるようになっている。
【0028】器体10の周壁のうちバイメタル61に螺
合した調節ねじ62の近傍には調節用窓63が開口して
いる。調節用窓63は上端部に他の部位よりも広幅に形
成された挿入部63aを備え、調節用窓52の上縁は器
体10の内側に向かって下方に傾斜した案内面63bに
なっている。また、調節用窓63の両側面には上端が挿
入部63aに連続し下端が調節用窓63の下端に至る取
付溝63cが形成されている。すなわち、調節用窓63
の両側面には器体10の外側面側で挿入部63aを残し
て調節用窓63の下端に至るガイドリブ63dが形成さ
れ、器体10の内側面側で調節用窓63の上下の全長に
亙るガイドリブ63eが形成されることによって、両ガ
イドリブ63d,63eの間に取付溝63cが形成され
るのである。
【0029】ところで、バイメタル61は、通過電流に
対する湾曲の程度(動作感度)が、バイメタル61の素
材のばらつきや接続線38の接続位置などによって変化
するから、開閉装置40の動作感度(すなわち、開閉装
置40が作動するときの主電路の通過電流)がばらつか
ないようにするには、バイメタル61に螺合している調
節ねじ62の引外し板44側へのバイメタル61からの
突出量を調節することが必要になる。そこで、組立後に
は調節用窓63を開放した状態として調節ねじ62を操
作するのである。一方、調節ねじ62を一旦調節した後
には、調節ねじ62を操作する必要がないから、挿入部
63aを通して取付溝63cに可撓性を有した閉塞板6
4を落とし込むようにし、閉塞板64によって調節用窓
63を閉塞して調節ねじ62を不用意に操作したり異物
が器体10の内部に侵入したりすることがないようにす
る。閉塞板64は、調節用窓63の幅(取付溝63cの
底間の距離)に略等しく、かつ調節用窓63の上下方向
の高さ寸法に略等しく設定されている。このような閉塞
板64を調節用窓63に挿着すれば、閉塞板64の上端
部が調節用窓63の上面に当たるようになって閉塞板6
4を取り外すことができなくなる。
【0030】ところで、電源側端子20aと負荷側端子
20bとは、導電性を有する板金を折曲して断面略ロ字
形に形成した端子金具22と、端子金具22の上片に螺
挿した引締めねじ23と、引締めねじ23の下端に当接
する端子板21a,21bとを備える。端子金具22は
器体10に形成された水平断面角形の端子収納室24
a,24bに上下に移動可能となるように収納されてい
る。すなわち、端子収納室24a,24bは端子金具2
2よりも高さ寸法が大きく、かつ端子金具22は端子収
納室24a,24bで回り止めされて上下方向にのみ移
動可能となっている。引締めねじ23の頭部は上部が下
部よりも小径となる円錐台状に形成され、端子収納室2
4a,24bの上壁には引締めねじ23の頭部の一部を
挿入可能であって引締めねじ23の頭部が通り抜けるこ
とのない程度の直径を有したねじ操作孔25が形成され
ている。ねじ操作孔25の上部の直径は引締めねじ23
の頭部の上端よりも小さく、また、ねじ操作孔25の下
部の直径は引締めねじ23の頭部の下端よりも大きく設
定されている。端子板21a,21bの先端部は器体1
0の外側面に露出して上方に折曲されており、器体10
の外側面に形成された固定溝26に対して端子板21
a,21bの先端部に形成した固定突片21cを係合さ
せることによって、端子板21a,21bの先端部の上
下の移動を禁止してある。さらに、端子収納室24a,
24bと器体10の内部空間とを仕切る端子収納室24
a,24bの側壁には、端子板21a,21bを位置決
めする端子板保持溝27が形成され、端子板保持溝27
に端子板21a,21bの一部が挿入されることによっ
ても端子板21a,23bの上下の移動が禁止される。
すなわち、端子板21a,21bにおいて引締めねじ2
3に当接する部位の両側で上下の移動が禁止されている
から、引締めねじ23から外力が作用しても端子板21
a,21bは定位置に固定されるのである。ここにおい
て、端子板21a,21bと端子収納室24a,24b
の上壁との距離は、引締めねじ23の長さ寸法に略等し
く設定されている。
【0031】しかるに、ねじ操作孔25にマイナスドラ
イバの先端部などを挿入して引締めねじ23を回転させ
ると、引締めねじ23の回転方向によって端子金具22
が上下に移動するのであって、端子金具22の下片と端
子板21a,21bとの距離を変えることができる。す
なわち、端子収納室24a,24bの下壁と端子板21
a,21bとの間の部位に対応して器体10の周壁に貫
設された接続用孔28に対して、電線やブスバーのよう
な配線部材を挿入し、引締めねじ23を回転させて端子
金具22の下片を端子板21a,21bに近付けること
で、配線部材を端子金具22と端子板21a,21bと
の間に挟持し、配線部材との電気的接続が行なえるので
ある。
【0032】電源側端子20aを構成する端子板21a
は、端子板保持溝27よりも器体10の内部側で下向き
に屈曲された固定接点板39を有し、固定接点板39の
下端部には固定接点31が固着される。固定接点31に
は可動接触子33に設けた可動接点32が対向する。ま
た、固定接点板39において固定接点31よりも下部に
は固定接点31の突設されている面に導電板よりなるア
ーク走行板71の一部が重ねられる。アーク走行板71
は、固定接点板39に一部が重複する上下方向の案内片
71aを備え、案内片71aの下端は斜め下向きに傾斜
する傾斜片71bを介して器体10の底壁に沿ってヨー
ク52の中間片52cの下方まで延長された消弧片71
cに連続する。ここに、ヨーク52の中間片52cと消
弧片71cとの対向部位の間には消弧グリッド72が配
置される。消弧グリッド72は、絶縁材料よりなる略コ
字形の支持板73の内側に導電板よりなる互いに略平行
な複数枚の消弧板74を保持した構成を有し、各消弧板
74には可動接触子33の下端部が導入される切欠部7
4aが形成されている。この消弧グリッド72は、消弧
板74がヨーク52の中間片52bおよびアーク走行板
71の消弧片71cに略平行となるように配設される。
アーク走行板71の消弧片71cは、傾斜片71bから
離れるに従って幅を段階的に広げる形状に形成されてい
る。
【0033】しかるに、可動接点32が固定接点31か
ら離れて図7のAのようにアークが生じると、端子板2
1aおよび可動接触子33に流れる電流によって周囲に
発生する磁界と、アークに流れる電流とにより生じる電
磁力によってアークは図2の下向きに移動し、アークの
一端部はアーク走行板71に乗って消弧グリッド72に
近付くように走行することになる。すなわち、端子板2
1aに設けた固定接点板39は可動接触子33に対向
し、かつ固定接点板39と可動接触子33とでは互いに
逆向きに電流が流れるから、アークには固定接点板39
および可動接触子33から引き離す向きの電磁力が作用
する。その結果、アークにおける固定接点板39側の一
端部はアーク走行板71に移行して走行し、消弧グリッ
ド72に導かれることになるのである。また、可動接触
子33にはアーク走行片33dが形成されているから、
アークの他端部はアーク走行片33dの先端方向に走行
することになる。このようにして、アークは次第に消弧
グリッド72に導かれるとともに引き延ばされることに
なる。
【0034】ところで、可動接触子33とコイル51の
一端とを接続する接続線37の一部はヨーク52におい
て接点部30に近いほうの側片52aに溶接されてい
る。したがって、アークの一端部がアーク走行板71に
沿って走り消弧グリッド72に導かれたときにアークの
他端部は図7のBのように可動接触子33のアーク走行
片33dからヨーク52の中間片52bに移行し、ヨー
ク52の中間片52b−ヨークの側片52a−接続線3
7−コイル51という経路で電流が流れるようになる。
この電流の向きはアーク走行板71に流れる電流とは逆
向きになるから、ヨーク52の中間片52cとアーク走
行板71とを流れる電流により生じる磁界によって、ア
ークは消弧グリッド72の中に導かれるように電磁力を
受けるのである。すなわち、ヨーク52の中間片52b
が電磁釈放装置50において磁路を形成する機能と、ア
ーク走行板71と協動してアークを消弧する機能とに兼
用することができ、アーク走行板を一対設ける場合に比
較すると、部品点数を削減することができ、構造が簡単
になるとともにコストの低減につながるのである。
【0035】器体10の下面には、分電盤の内部などに
配置される取付レール(いわゆるDINレール)80
(図3参照)に対して着脱自在に固定するための取付装
置が設けられている。取付レール80は、断面略コ字形
に形成されたレール本体の両脚片の先端縁に全長に亙っ
て鍔片80aを外向きに一体に突設した形状を有してい
る。器体10の下面には電源側端子20aと負荷側端子
20bとを結ぶ方向に直交する取付凹所81が形成さ
れ、取付凹所81の一方の側壁には取付凹所81の内底
面との間に取付レール80の一方の鍔片80aが挿入さ
れる係止突起82が突設される。また、取付凹所81の
他方の側面には器体10の外側面に通り抜ける貫通孔8
3が形成され、この貫通孔83には取付爪84が挿着さ
れる。取付爪84は一端部が器体10の外側面から突出
する矩形枠状の枠部84aの他端部に取付凹所81内に
突出する爪部84bを備え、枠部84aの中には爪部8
4b側の一端部が枠部84aに一体に連結され他端部が
自由端となったばね片84cが設けられる。ばね片84
cは、貫通孔83の中心線方向において凹凸を繰り返す
波状に形成され、貫通孔83の内周面に形成された段部
83aに自由端が係止されることによって、爪部84b
を取付凹所81の中に突出させる向きに取付爪84を付
勢する。また、爪部84bには貫通孔83の内周面に形
成された係止段部83bにより係止される移動規制段部
84dが形成され、移動規制段部84dによって取付爪
84の取付凹所81への突出量が規制されている。ここ
において、爪部84bは取付凹所81の内底面との間に
取付レール80の他方の鍔片80aを挟持できる形状に
形成されている。また、爪部84bの下面は先端に向か
って上方に傾斜する傾斜面84eとなっている。
【0036】上記構成によれば、取付レール80の一方
の鍔片80aを取付凹所81の内底面と係止突起82と
の間に挿入した状態で、取付レール80に対して器体1
0を押し付ければ、取付レール80の他方の鍔片80a
から傾斜面84eに作用する押力によって取付爪84が
器体10から突出する向きに押され、爪部84bが鍔片
80aの先端を乗り越えるとばね片84cのばね力によ
って爪部84bが取付凹所81の中に突出し、取付凹所
81の内底面と爪部84bとの間で取付レール80の他
方の鍔片80aが保持される。このようにして、取付レ
ール80に対して器体10を固定することができる。一
方、器体10を取付レール80から取り外すには、器体
10の側面に突出している枠部84aにマイナスドライ
バの先端部などを挿入して取付爪84を器体10から引
き出すようにすれば、取付レール80の鍔片80aに対
する爪部84bの係合状態が解除され、器体10を取付
レール80から取り外すことができるようになるのであ
る。
【0037】次に、回路遮断器としての動作を説明す
る。図5は接点部30の閉極状態を示し、ハンドル41
の操作部41aをハンドル軸42の回りで右方向に倒し
てある。このとき、引外し板44はハンドル復帰ばね4
3のばね力によって軸ピン47の回りで図5の左回りに
付勢され、バイメタル61に設けた調節ねじ62に第1
押圧片44bが当接した状態に保たれる。また、ラッチ
板46には可動接触子33および接触子リンク48を介
して接圧ばね34のばね力が作用し、接触子リンク48
の脚片48aとハンドル41に設けた軸突起41dとの
距離がハンドルリンク45によって規制されていること
により、ラッチ板46は接圧ばね34のばね力を受けて
ハンドル軸42を中心として左回りに付勢される。した
がって、ラッチ板46の係止片46aは引外し板44の
腕片44dに設けた係止溝44eに係合することにな
る。すなわち、ラッチ板46は右回りに回転しようとす
るが引外し板44によって回転を禁止されているから、
図5の状態が保たれるのである。この状態で、ラッチ板
46はハンドル軸42と引外し板44とによって位置が
固定され、ハンドルリンク45および接触子リンク48
もまた定位置に固定されることになる。その結果、可動
接触子33は接触子リンク48の脚片48bを中心とし
て、接圧ばね34のばね力により左回りに付勢されるこ
とになる。すなわち、可動接点32は接圧ばね34のば
ね力に応じた接点圧で固定接点31に接触する。この状
態では器体10の内側面に設けたストッパ36に対して
可動接触子33のばね受け片33bが当接しないように
位置関係が設定されている。
【0038】一方、図6に示すように、ハンドル41の
操作部41aをハンドル軸42の回りで左方向に倒すと
接点部30は開極状態になる。すなわち、ハンドル41
をハンドル軸42の回りで左回りに回転させることによ
って、ハンドルリンク45の上端部は右方向に移動し、
接触子リンク48の脚片48aを上方に引き上げようと
する。しかるに、ハンドル軸42と脚片48aとを結ぶ
直線に対して軸突起41dの位置が右側に移動すれば、
可動接触子33および接触子リンク48を介してハンド
ルリンク45に作用する接圧ばね34のばね力はハンド
ル41をさらに左回りに回転させるように作用し、接触
子リンク48の脚片48bはガイド溝16に沿って左方
向に移動する。このように接触子リンク48の脚片48
bが左方向に移動することによって、可動接触子33の
ばね受け片33bは接圧ばね34のばね力によって器体
10の内周面に設けたストッパ36に当接することにな
る。ここで、接圧ばね34のばね力はストッパ36の下
端よりも下方に作用するから、可動接触子33は右回り
に付勢され、可動接点32が固定接点31から離れるこ
とになる。また、接点部30の開極状態ではラッチ板4
6はハンドルリンク45および接触子リンク48の脚片
48aに規制されてハンドル軸42を中心として左回り
に回転し、引外し板44から外れることになる。
【0039】ところで、図5に示した閉極状態におい
て、過負荷状態になりバイメタル61に過大な電流が流
れてバイメタル61が湾曲すれば、引外し板44の第1
押圧片21bがバイメタル61に螺合した調節ねじ62
に押圧され、また、負荷側での短絡などによりコイル5
1に過大な電流が流れて可動鉄芯54が固定鉄芯55に
吸引されると、引外し板44の第2押圧片44cが可動
鉄芯に固着した押圧ピン57に押圧されることになり、
いずれの場合も引外し板44は、図7に示すように、軸
ピン47を中心として右回りに回転することになる。引
外し板44が右回りに回転すれば、ラッチ板46との係
合状態が解除されるのであって、閉極状態ではラッチ板
46は接圧ばね34のばね力を受けてハンドル軸42の
回りに右回りに付勢されているから、ラッチ板46の下
端部が左方向に移動することになる。すなわち、閉極状
態において可動接触子33の回転中心であった接触子リ
ンク48の脚片48bがガイド溝16に沿って左方向に
移動するから、図6に示した開極状態と同様に、接圧ば
ね34のばね力で可動接触子33がストッパ36に押し
付けられ、可動接点32が固定接点31から離れて開極
状態になるのである。すなわち、主電路に過大な電流が
流れると、引外し板44が回転することによってラッチ
板46との係合状態が解除され、ラッチ板46を付勢し
ていた勢力が放出されることによって、いわゆるトリッ
プ動作を行ない、接点部30を開極するのである。
【0040】
【発明の効果】請求項1の発明は、ヨークの中間片を接
点部の一方の接点と電気的に接続したアーク走行板と対
向させ、かつヨークの両側片のうち接点部に近いほうの
側片を接点部の他方の接点に電気的に接続しているの
で、ヨークの中間部にアークの一端が移行すれば、アー
ク走行板とヨークの中間片とで逆向きに電流を流すこと
ができ、アーク走行板とヨークの中間片との間ではアー
クを走らせるように電磁力を作用させることができる。
すなわち、ヨークの中間片はアーク走行板としての機能
を有することになり、従来のように一対のアーク走行板
を設けることなく、一方のアーク走行板を電磁釈放装置
に設けたヨークで兼用することができるのであって、従
来構成に比較すれば、アーク走行板が1枚不要になり、
部品点数の削減につながるという利点がある。
【0041】請求項2の発明は、コイルをコイル筒に巻
装し、コイル筒に設けた絶縁材料よりなるフランジを、
ヨークの両側片のうち接点部から遠いほうの側片とコイ
ルとの間に配置しているから、接点部から遠いほうの側
片とコイルとの間の絶縁を確保することができ、ヨーク
の中間片にアークが移行したときにヨークの中間片と接
点部に近いほうの側片とを通るように電流を流してアー
クを走らせることができて、アークが所望の向きとは異
なる向きに走るのを防止することができるという利点を
有する。
【0042】請求項3の発明は、ヨークの各側片に周縁
に臨んで開口するように保持溝を形成し、コイルを巻装
した芯部材の各端部を保持溝に嵌着し、かつ器体の内周
面に突設した保持突片を保持溝に嵌入して、保持突片の
先端縁と保持溝の内周縁との間で芯部材の各端部をそれ
ぞれ挟持するから、保持溝が各側片の周縁に臨んで開口
することによって芯部材のヨークへの装着が容易にな
り、しかも、保持突片が保持溝に嵌入してヨークが器体
に位置固定されるから、芯部材の位置固定とヨークの位
置固定とを容易に行なうことができて、組立作業が簡素
化されるという利点を有するのである。
【0043】請求項4の発明は、コイルを巻装したコイ
ル筒の軸方向の一端部に先細部を形成してコイル筒の内
部に納装した可動鉄芯を抜け止めし、またコイル筒の他
端部に固定鉄芯を固定するとともに、可動鉄芯と固定鉄
芯との間に復帰ばねを介装しているのであって、固定鉄
芯をヨークの一方の側片に磁気的に結合しているから、
コイル筒内に可動鉄芯と固定鉄芯と復帰ばねとを装着す
ることができて電磁釈放装置を容易に組み立てることが
でき、しかも固定鉄芯の一部をコイル筒から突出させて
ヨークの側片に磁気的に結合することでヨークと固定鉄
芯と可動鉄芯とで形成される磁路の磁気抵抗を比較的小
さくすることができ、結果的に可動鉄芯を強い力で吸引
することができるという利点を有するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示すカバーを外した状態の斜視図であ
る。
【図2】実施例を示す分解斜視図である。
【図3】実施例を示す外観斜視図である。
【図4】実施例の要部断面図である。
【図5】実施例における閉極状態の断面図である。
【図6】実施例における開極状態の断面図である。
【図7】実施例におけるトリップ状態の断面図である。
【符号の説明】
10 器体 17a 保持突片 17b 保持突片 20a 電源側端子 20b 負荷側端子 30 接点部 31 固定接点 32 可動接点 37 接続線 50 電磁釈放装置 51 コイル 52 ヨーク 52a 側片 52b 側片 52c 中間片 52d 保持溝 52e 保持溝 53 コイル筒 53a フランジ 53b 先細部 54 可動鉄芯 55 固定鉄芯 56 復帰ばね 71 アーク走行板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 知行 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 小西 洋史 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−180839(JP,A) 特開 昭63−126138(JP,A) 実開 昭52−72858(JP,U) 実公 平3−7926(JP,Y2) 実公 平7−28676(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01H 73/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源側端子と負荷側端子との間に接点部
    と電磁釈放装置のコイルとを挿入した主電路を形成し、
    接点部の閉極時に主電路に過大な電流が通過するとコイ
    ルに生じる磁力でコイル内に設けた可動鉄芯を移動さ
    せ、可動鉄芯の移動を利用して接点部を強制的に開極さ
    せる回路遮断器において、コイルの軸方向の両端面に対
    向する一対の側片とコイルの外側で両側片の間を一体に
    結合する中間片とを備え可動鉄芯を通る磁路を形成する
    ヨークと、接点部を構成する一方の接点に電気的に接続
    され接点部の周囲の磁界との相互作用でアークに作用す
    る電磁力の向きに延長されたアーク走行板とを設け、コ
    イルの軸方向とアーク走行板の延長方向とを略一致させ
    るとともにヨークの中間片をアーク走行板の延長部位に
    対向させ、ヨークの両側片のうち接点部に近いほうの側
    片を接点部を構成する他方の接点に電気的に接続したこ
    とを特徴とする回路遮断器。
  2. 【請求項2】 外周にコイルを巻装した絶縁材料よりな
    るコイル筒を設け、コイル筒の軸方向の一端部に設けた
    絶縁材料よりなるフランジを、ヨークの両側片のうち接
    点部から遠いほうの側片とコイルとの間に配置したこと
    を特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  3. 【請求項3】 可動鉄芯を含む芯部材の外周にコイルを
    巻装し、ヨークの各側片に芯部材の各端部を嵌着する保
    持溝を各側片の周縁に臨んで開口するように形成し、保
    持溝に嵌入されるとともに保持溝の内周縁との間に芯部
    材の各端部を挟持する保持突片を器体の内側面に突設し
    たことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  4. 【請求項4】 外周にコイルを巻装したコイル筒を設
    け、コイル筒の軸方向の一端部に内径を中間部よりも小
    径に形成した先細部を形成し、直径が先細部の内径より
    も大きくかつ中間部の内径よりも小さい可動鉄芯をコイ
    ル筒内に移動自在に納装し、可動鉄芯に対向する固定鉄
    芯を復帰ばねを介して一部がコイル筒から突出するよう
    にコイル筒の他端部に固定し、ヨークの一方の側片にコ
    イル筒の一端部を固定し、ヨークの他方の側片に固定鉄
    芯を磁気的に結合したことを特徴とする請求項1記載の
    回路遮断器。
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