JP3651378B2 - 回路遮断器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイメタルおよびばね付勢されるラッチ部材を有した回路遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、操作ハンドルの開閉操作により可動接点を固定接点に接離させるとともに、過大電流が流れたときに変位するバイメタルにより可動接点を固定接点から強制開極する回路遮断器が種々市販されまた提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図7は本出願人により別途提案されている回路遮断器(特願平11−199601号)の分解斜視図、図8(a)は図7に示す回路遮断器のオフ状態での断面図、図8(b)は図7に示す回路遮断器のトリップ状態での断面図、図8(c)は図7に示す回路遮断器のオン状態での断面図である。
【0004】
図7に示す回路遮断器は、器体を構成するケース1およびカバー2を備えるとともに、スライダ3、電源側端子部4、異常電流検出・トリップ機能付きの負荷側端子部5、可動接触子部6、開閉機構7および編組線8(図8参照)を器体内部に備えている。ただし、図7において、上側の面を上面(正面)、下側の面を下面(裏面)、右上側の面を上側面、左下側の面を下側面、左上側の面を左側面そして右下側の面を右側面とする。
【0005】
ケース1およびカバー2は、例えばフェノール樹脂などの絶縁材料によって、上面側中央が突出した一面開口の箱状に成形されて成り、ケース1およびカバー2の開口縁部には、それぞれ4組の組立孔1a,2aが穿設されている。これにより、ケース1およびカバー2を内面同士が対面するようにして組み合わせた上で、各組の組立孔1a,2aにリベットを挿通すれば、ケース1およびカバー2が固定されて器体が構成されることになる。また、ケース1およびカバー2の上面中央には、それぞれ後述する操作ハンドル71用の開口部となるコ字状の上面角溝1b,2bが形成され、ケース1およびカバー2の上側面には、それぞれ電源側の電線やブスバーなどの配線部材が挿入される開口部となるコ字状の上側面角溝(図7ではケース1の上側面角溝1cのみ図示)が形成され、そしてケース1およびカバー2の下側面には、それぞれ負荷側の電線やブスバーなどの配線部材が挿入される開口部となるコ字状の下側面角溝1d,2dが形成されている。
【0006】
スライダ3は、器体下側面における下面側から突出する操作部3a、この操作部3aから上側面側に延出する連結片3b、この連結片3bの先端側に一体に設けられる爪部3c、操作部3aから連結片3bの両側に沿って延出する一対の撓み片3d、および各撓み片3dの先端から外向きに延出するV字カット付きの突片3eを備える形状に合成樹脂により一体成形されて成り、断面コ字状で両側縁部がそれぞれ外向きに延出した一体フランジ9aを有し図略の分電盤内部などに配置されるDINレールという取付レール(図示せず)に対して、回路遮断器を着脱自在に固定するものである。ここで、ケース1およびカバー2の下面には、それぞれ取付レール用の取付溝1e,2eが形成され、これら取付溝1e,2eの上側面側には、それぞれ取付レールの一方の一体フランジに対する掛止用の係止突起(図7ではカバー2の係止突起2fのみ図示)が形成され、そして取付溝1e,2eの下側面側には、それぞれスライダ3をスライド自在に狭持するフック状の収納溝1g,2gが形成されている。これにより、スライダ3を収納溝1g,2gに収納しながらケース1およびカバー2を固定すれば、スライド3は収納溝1g,2gにより狭持された状態で上側面および下側面方向にスライド自在となるので、取付レールの一方の一体フランジに両係止突起を掛止し、スライド3を上側面側にスライドさせて他方の一体フランジに爪部3cを掛止すれば、回路遮断器が取付レールに固定されることになる。ただし、図示していないが、収納溝1g,2gの各内面には山突起が形成され、上記のように回路遮断器が取付レールに固定されている場合、上記各山突起に各突片3eのVカットの溝が係合し、スライダ3の移動を禁止する構造になっている。
【0007】
電源側端子部4は、板金を折曲げて断面四角状の筒状に形成されて成り上面にねじ孔11aを有する端子金具11と、この端子金具11のねじ孔11aに螺挿される引締めねじ12と、端子金具11の下面上部に取着される金属部材13とを備えているとともに、電源側端子41を備えている。この電源側端子41は、上面および下面方向に伸びる板状に形成され固定接点411aが固着された中央部411と、この中央部411の上面側から上側面側に延出し端子金具11内に挿通される端子部412と、固定接点411aの下面側から後述する可動接触子61の周囲の磁界との相互作用でアークに作用する電磁力の向きに、つまり中央部411の下面側から下面下側面寄りに延出するアーク走行板部413とを備える形状に導電部材により一体形成されて構成される。このようにアーク走行板部413を設けると、固定接点411aに対する可動接触子61の可動接点の開極時に発生するアークを、器体の下面方向に付勢して器体の長手方向に引き延ばすことができ、この結果、アークの素早い消弧が可能となる。また、端子部412の先端には上面側に延出する屈曲部412aが形成されている。
【0008】
負荷側端子部5は、端子金具11、引締めねじ12および金属部材13を電源側端子部4と同様に備えているほか、上面および下面方向に伸びる板状に形成された連結部511、この連結部511の上面側から下側面側に延出し端子金具11内に挿通される端子部512と、上面および下面方向に伸びる板状に形成され下端が基端となって連結部511に固着されるバイメタル513とを有して成る負荷側端子51と、上側面側に延出する両屈曲部52aを有して成りこれら両屈曲部52a内に負荷側端子51のバイメタル513を囲う短絡検出用の磁性板52とを備えている。また、端子部512の先端には上面側に延出する屈曲部512aが形成されている。また、バイメタル513の上面側には調節ねじ514が螺挿されている。さらに、磁性板52は、ケース1およびカバー2の内面に形成されたコ字状の突部と係合する突起を有している。
【0009】
ここで、図8に示すように、ケース1の内面における上側面および下側面側には、端子金具11およびこれに螺挿された引締めねじ12用の収納室を設けるための隔壁1h,1iがそれぞれ形成され、これら隔壁1h,1iには、それぞれ電源側端子41および負荷側端子51を填め込むための溝1j,1kが形成されている。また、図7に示すように、ケース1およびカバー2の両上面における電源側端子部4の引締めねじ12の頭部側には、それぞれドライバなどの先端挿通用の丸孔となる半円弧状の丸溝1l,2lが形成され、同様に、ケース1およびカバー2の両上面における負荷側端子部5の引締めねじ12の頭部側には、それぞれ半円弧状の丸溝1m,2mが形成されている。これにより、図8に示すように、電源側端子部4の端子金具11の孔がケース1およびカバー2の上側面角溝により形成される開口部に位置する状態で、その開口部に電源側の電線やブスバーなどの配線部材を挿入し、引締めねじ12をドライバなどで例えば時計回りに回せば、端子金具11が上面側に移動するので、配線部材を端子部412の下面に圧着させることができる。同様に、負荷側端子部5の端子金具11の孔がケース1およびカバー2の下側面角溝1c,2cにより形成される開口部に位置する状態で、その開口部に負荷側の電線やブスバーなどの配線部材を挿入し、端子金具11が上面側に移動するように引締めねじ12を回せば、端子金具11が上面側に移動するので、配線部材を端子部512の下面に圧着させることができる。
【0010】
可動接触子部6は、図7に示すように、上面および下面方向に伸びる板状部611、この板状部611の下面側に固着され固定接点411aと接離自在に対向する可動接点611a、板状部611の両側上面側から下側面側に延出する一対の屈曲部612、および板状部611の上面側に一体に形成されたL字状のばね受け部613を有して成る可動接触子61と、この可動接触子61をこの上端を略回動中心点としてばね受け部613で下側面側に付勢して固定接点411aから可動接点611aを開離させるための開極ばね62とを備えている。また、各屈曲部612には軸孔612aが穿設されている。さらに、ばね受け部613の両側には一対の耳部613aが形成されている。
【0011】
開閉機構7は、操作ハンドル71、ハンドル軸72、ハンドルリンク73、係止リンク74、接触子リンク75、ハンドル復帰ばね76、ラッチ板77および軸ピン78により構成されている。操作ハンドル71は、回動中心点となる軸孔711aが穿設された軸部711と、この軸部711の上面側に形成された弧状の覆い片712と、この覆い片712の中央部から立設し上面角溝1a,2aにより形成される開口部から外部に突出する操作部713と、左右側面側に突出する軸突起714aを有し軸部711から下面側の上側面寄りに延出するリンク支持部714とを備える形状に合成樹脂により一体成形されて構成される。ハンドル軸72は、操作ハンドル71を軸支するもので、操作ハンドル71の軸孔711aに挿通される。ハンドルリンク73は、コ字状に形成されて成り、各脚片の先端部に穿設されリンク支持部714の軸突起714aが挿通される軸受孔73aと、各脚片の基部側に穿設されたリンク孔73bとを有している。係止リンク74は、平板状の係止部741、およびこの係止部741の両端から上側面側の上面寄りに延出する一対のガイド片742を備える形状に形成され、各ガイド片742の先端に穿設されハンドル軸72が挿通される軸孔742aと各ガイド片742の基端側に穿設されたガイド孔742bとを有している。接触子リンク75は、金属製のピンをコ字状に折曲げて成り、可動接触子61の両軸孔612aに挿通される脚片75aを有するとともに、ハンドルリンク73の両リンク孔73bおよび係止リンク74の両ガイド孔742bに挿通され脚片75aよりも短い脚片75bを有している。ハンドル復帰ばね76は、鋏形ばねより成り、一端が覆い片712の左側面側に係止するとともに他端がラッチ板77に係止することで、操作ハンドル71をオフ側に付勢するものである。ラッチ板77は、上側面および下側面に対面するとともに上面および下面方向に伸び切欠部771aを左側面側に有するコ字状に形成されそのコ字状の上面側の突部における切欠部771a側にハンドル復帰ばね76の他端が係止する係止溝771bを有する板状部771と、この板状部771の中央の左右側面側からそれぞれ上側面側に延出する左腕片772およびこれよりも短い右腕片773とを備える形状に一体形成されて成り、左腕片772および右腕片773の各基端側に穿設された軸孔を有するとともに、左腕片772の先端に形成され係止リンク74の係止部741の下面側と係止する引掛溝772aを有している。軸ピン78は、ラッチ板77を軸支するもので、左腕片772および右腕片773の両軸孔に挿通される。
【0012】
ここで、ケース1およびカバー2の各内面における上面と上側面の隅には、可動接触子61の耳部613aを回動の中心として収納する基端収納壁(図7ではケース1の基端収納壁1nのみ図示)が形成されているとともに、その下面側には、コ字状に成形されて成り、可動接触子61の両軸孔612aに挿通された接触子リンク75の脚片75aの先端部がそのコ字状の内壁に挿入されるガイド突部1oが形成されている。これにより、可動接触子61は、ばね受け部613の上側面側に開極ばね62を挟み込みながら、各耳部613aを基端収納壁内に収納するとともに脚片75aの先端部をガイド突部1oの壁内に挿入すれば、両軸孔612aがガイド突部1oに規制されながら両耳部613aを中心として回動可能となる。また、ケース1およびカバー2の各内面における上面側中央には、ハンドル軸72の端部が挿入される円筒状で底部を有する軸受(図3ではケース1の軸受1pのみ図示)が形成されている。これにより、操作ハンドル71の軸孔711aにハンドル軸72を挿通し、このハンドル軸72の両端を上記両軸受内に挿入した状態でケース1およびカバー2を固定すれば、操作ハンドル71はハンドル軸72回りに回動自在となる。さらに、ケース1およびカバー2の各内面における上記ガイド突部1oの下側面側には、軸ピン78の端部が挿入される円筒状で底部を有する軸受(図3ではケース1の軸受1qのみ図示)が形成されている。これにより、ラッチ板77の両軸孔に軸ピン78を挿通し、この軸ピン78の両端を両軸受内に挿入した状態でケース1およびカバー2を固定すれば、ラッチ板77は軸ピン78回りに回動自在となる。
【0013】
編組線8は、図8に示すように、負荷側端子51のバイメタル513の上面側に一端(図8では左端)が接続され、そのバイメタル513の上面側から可動接触子61の先端方向の斜め方向に、すなわち下面側の上側面寄りの斜め方向に引き延ばして可動接触子61の近傍で器体の上面側に折り返すように引き回され、可動接触子61の基端側に他端が接続されている。これにより、負荷側端子部5と可動接触子61とが編組線8により常時電気的に接続される状態となる。また、バイメタル513の変位および可動接触子61の回動動作に対して、編組線8がバイメタル513や可動接触子61などに引っ掛からない状態でその折返し部分に余裕を持たせることができるので、バイメタル513の引き外しの特性変化を防止することができる。
【0014】
ここで、ケース1の内面において、編組線8を折り返す位置には、編組線8よりも器体の上面側から突出し半円弧状に丸められた側面で編組線8と当接する突起1rが形成されているとともに、器体の上面側に延出する編組線8と可動接触子61との間には、上面および下面方向に伸びる縦壁部1sが形成され、この縦壁部1sは下側面に至る隔壁部1tと連設されている。これにより、可動接触子61の開閉動作のときに編組線8の折り返し近傍が器体の上面側に移動するのを防止することができるので、編組線8が開閉機構7に対してバイメタル513の引き外し特性を変化させる影響を及ぼさなくなる。また、編組線8と当接する突起1rの側面が丸められているので、編組線8を切れ難くすることができる。さらに、バイメタル513の変位によって器体の上面側に延びた編組線8が可動接触子61に近づくのを防止することができるので、編組線8が可動接触子61の動作に影響を及ばさなくなる。
【0015】
また、ケース1の内面において、突起1rから下側面側の若干上面寄りで軸受1qの下面側のバイメタル513近傍には、半円弧状に丸められた側面で編組線8の下面側と当接する突起1uが形成されている。これにより、バイメタル513が変位したとき、突起1u近傍の編組線8は上側面および下側面方向に移動するので、突起1r近傍の編組線8が器体の下面側に移動する量を少なくでき、器体の編組線8を収納するスペースを小さくすることができる。また、編組線8と当接する突起1uの側面が丸められているので、編組線8を切れ難くすることができる。さらに、編組線8が軸受1qと突起1uとの間に狭持され、その狭持領域にラッチ板77の切欠部771aが位置するようになるので、編組線8を位置決めした状態でラッチ板77を配置することができ、ラッチ板77の組込作業が容易となる。また、編組線8がラッチ板77に当接してラッチ板77の回動に支障をきたす恐れがなくなる。
【0016】
次に、上記回路遮断器の動作を説明する。回路遮断器が図8(a)に示すようにオフ状態にある場合、操作ハンドル71の操作部713が下側面側(図8では左側)に位置して、リンク支持部714の両軸突起714aがハンドル軸72に対して上側面側(図8では右側)に位置し、リンク支持部714およびハンドルリンク73が屈曲して縮み、係止リンク74が接触子リンク75を介してハンドルリンク73によりハンドル軸72に対して反時計回りに引っ張られた状態にある。また、ハンドル復帰ばね76によって、操作ハンドル71が反時計回りに付勢されているとともに、ラッチ板77の係止溝771bが上面側の下側面寄りに付勢されてラッチ板77の左腕片772が反時計回りに付勢された状態にあり、ラッチ板77の引掛溝772aと係止リンク74の係止部741の下面側とが係止した状態にある。一方、可動接触子61は、開極ばね62により下側面側に付勢され、両耳部613aが基端収納壁に当接するとともに板状部611が縦壁部1sの上側面側に当接し、可動接点611aが電源側端子41の固定接点411aから開離した状態にある。このため、電源側端子部4と負荷側端子部5とは非導通の状態にあり、その間に電流が流れることがないので、バイメタル513が機能して上側面側に湾曲することはなく、上記オフ状態が安定的に保持されることになる。
【0017】
このような状態から、図8(c)に示すように、操作ハンドル71の操作部713をハンドル軸72に対して時計回りに回動させてオン側に切り替えると、ハンドルリンク73の両リンク孔73bに挿通された接触子リンク75の脚片75bの移動方向が、係止部741と引掛溝772aとの係止で下側面側への動きが禁止された係止リンク74における両ガイド孔742bによって規制を受けながら、リンク支持部714の軸突起714aがハンドル軸72に対して下面側に位置し、リンク支持部714およびハンドルリンク73が伸びた状態になる。この状態になるとき、規制を受けた接触子リンク75の脚片75bが両ガイド孔742bに沿って上面側から下面側に移動するので、ガイド突部1oのコ字状の内壁に沿って移動する接触子リンク75の脚片75aによって可動接触子61が上側面側に押されて、可動接触子61の可動接点611aが電源側端子41の固定接点411aに閉接することになる。この結果、電源側端子部4と負荷側端子部5とが導通状態になる。
【0018】
このような導通状態において、電源側端子部4と負荷側端子部5との間に過電流が流れ、バイメタル513が自己発熱して上側面側に湾曲する場合、あるいは電源側端子部4と負荷側端子部5との間に短絡電流が流れ、バイメタル513を流れる短絡電流と磁性板52の磁束との電磁作用によりバイメタル513が上側面側に湾曲する場合には、ラッチ板77の上面側がバイメタル513の上面側に螺挿された調節ねじ514により時計回りに押圧されるので、ラッチ板77の左腕片772が軸ピン78に対して時計回りに回動する。この結果、係止部741と引掛溝772aとの係止状態が解除されるとともにその係止点に集中していた開極ばね62の付勢力が一気に放出され、図4(b)に示すように、可動接触子61の可動接点611aが電源側端子41の固定接点411aから瞬時に開離して、電源側端子部4から負荷側端子部5への電力供給が緊急停止(トリップ)される。この後、操作ハンドル71は、ハンドル復帰ばね76によって反時計回りに付勢されているので、操作部713が下側面側に位置する図8(a)のオフ状態に復帰することになる。
【0019】
このような構成および動作の回路遮断器では、編組線8は、図8から分かるように、両端側への引張りが最もきつくなるオン状態および若干緩くなるオフ状態の場合には、開閉機構7に引っ掛からないようにした引き回し状態をほぼ保持するとともに、両端側への引張りが最も緩くなるトリップ状態の場合には、開閉機構7とは全く関係のない突起1rの下面側で緩むので、編組線8の緩みなどの変化部分が開閉機構7に干渉するのを防止することができ、この結果、バイメタル513の引き外しの特性変化を好適に防止することが可能になる。
【0020】
しかしながら、過電流でバイメタル513が変位してトリップしたとき、ラッチ板77が時計回りに回転して磁性板52に当接した後(図8(b)参照)、バイメタル513がなおも変位し続けるおそれがあった。この場合、ラッチ板77は磁性板52に当接した時点で回転しなくなるから、バイメタル513は、調節ねじ514でラッチ板77を押し続けることになって変形してしてしまう。この結果、回路遮断器が再度オン状態になったとき、そのバイメタル513の変形に起因して回路遮断器としての過電流引外し特性が劣化してしまう。
【0021】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、バイメタルによる過電流引外し特性を安定させることができる回路遮断器を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、ボデイから一部が外部に突出するハンドルと、このハンドルに複数のリンクを介して開閉駆動される接点と、両側を自由端としその両側間の所定位置を回動支点として複数のリンクの均衡状態を保持する方向に付勢されたラッチ部材と、一端側を固定端とするとともに他端側を自由端としこの自由端側をラッチ部材の一端側に対向させ、接点に過電流が流れると自由端側がラッチ部材の一端側を押圧することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するバイメタルと、このバイメタルを囲む形で先端側をラッチ部材の他端側に対向させ、接点に短絡電流が流れるとトリップ部材の他端側を吸引することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するコ字型鉄心とを備え、前記コ字型鉄心は、接点に過電流や短絡電流が流れていない状態からバイメタルの変位によってラッチ部材の一端側が駆動されてラッチ部材の他端側が固定鉄心の先端に当接するまでの通常位置と、この通常位置を超えて更にバイメタルが変位してラッチ部材の他端側に押圧駆動される最終位置との間で移動自在に配設され、通常位置方向に付勢された回路遮断器であって、前記接点を入出力端子間に介在させ、その入出力端子の一方は、電線を接続する電線接続部と、この電線接続部に連設された略逆U字状の弾性薄板部と、この弾性薄板部に連設されたバイメタル固定部とを有し、前記弾性薄板部を通常位置で固定鉄心の基端に当接させるとともに前記固定部をバイメタルの固定端とともにボデイに固定したことを特徴とする。
【0025】
請求項記載の発明は、請求項記載の回路遮断器において、前記リンクの均衡状態を保持したラッチ部材の位置で、ラッチ部材の他端側のコ字型固定鉄心対向面とは反対側面とコ字型固定鉄心の基端側に当接するコ字状の非磁性体からなる復帰部材を配設したことを特徴とする。
【0026】
請求項記載の発明は、ボデイから一部が外部に突出するハンドルと、このハンドルに複数のリンクを介して開閉駆動される接点と、両側を自由端としその両側間の所定位置を回動支点として複数のリンクの均衡状態を保持する方向に付勢されたラッチ部材と、一端側を固定端とするとともに他端側を自由端としこの自由端側をラッチ部材の一端側に対向させ、接点に過電流が流れると自由端側がラッチ部材の一端側を押圧することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するバイメタルと、このバイメタルを囲む形で先端側をラッチ部材の他端側に対向させ、接点に短絡電流が流れるとトリップ部材の他端側を吸引することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するコ字型鉄心とを備え、前記コ字型鉄心は、接点に過電流や短絡電流が流れていない状態からバイメタルの変位によってラッチ部材の一端側が駆動されてラッチ部材の他端側が固定鉄心の先端に当接するまでの通常位置と、この通常位置を超えて更にバイメタルが変位してラッチ部材の他端側に押圧駆動される最終位置との間で移動自在に配設され、通常位置方向に付勢された回路遮断器であって、前記接点に過電流や短絡電流が流れていない状態で、バイメタルが変形する方向とは反対側のバイメタル裏面に一端側が当接するとともに他端側がコ字型固定鉄心の基端側に当接し、前記一端側および他端側間の所定位置を回動支点とした連動部材を、ボデイに固定したことを特徴とする。
【0027】
請求項記載の発明は、ボデイから一部が外部に突出するハンドルと、このハンドルに複数のリンクを介して開閉駆動される接点と、両側を自由端としその両側間の所定位置を回動支点として複数のリンクの均衡状態を保持する方向に付勢されたラッチ部材と、一端側を固定端とするとともに他端側を自由端としこの自由端側をラッチ部材の一端側に対向させ、接点に過電流が流れると自由端側がラッチ部材の一端側を押圧することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するバイメタルと、このバイメタルを囲む形で先端側をラッチ部材の他端側に対向させ、接点に短絡電流が流れるとトリップ部材の他端側を吸引することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するコ字型鉄心とを備え、前記コ字型鉄心は、接点に過電流や短絡電流が流れていない状態からバイメタルの変位によってラッチ部材の一端側が駆動されてラッチ部材の他端側が固定鉄心の先端に当接するまでの通常位置と、この通常位置を超えて更にバイメタルが変位してラッチ部材の他端側に押圧駆動される最終位置との間で移動自在に配設され、通常位置方向に付勢された回路遮断器であって、前記コ字型固定鉄心に、ラッチ部材の回動支点とともに回動支点を成す回動支点部を設けたことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る第1実施形態の回路遮断器の断面図であり、この図を用いて以下に第1実施形態の説明を行う。ただし、図1(a)はトリップ状態での断面図、(b)はオン状態での断面図である。
【0031】
図1に示す回路遮断器は、器体を構成するケース1およびカバー2(図1ではケース1のみ図示)と、スライダ3と、電源側端子部4と、異常電流検出・トリップ機能付きの負荷側端子部5と、可動接触子部6と、開閉機構7と、編組線8とを、図7および図8を用いて説明した回路遮断器と同様に備えているほか、その回路遮断器との相違点として、ばね(図ではねじりばね)10をさらに備え、バイメタル513の変位に応じてバイメタル513の調節ねじ514で一端(図では上端)側が押圧されて回転するラッチ板77の他端(下端)側が磁性板52に当接する通常位置と、その押圧方向にあって隔壁1iで移動が禁止される最終位置との間で、磁性板52を移動自在に配置し、上記ばね10で磁性板52を通常位置方向に付勢する構造になっている。ただし、図1の例では、磁性板52の通常位置を決める突起1A,1Bと、磁性板52に対する通常位置と最終位置との間の移動案内用のガイド壁1Cとがケース1の内面に形成されている。
【0032】
以上、第1実施形態では、磁性板52を通常位置と最終位置との間で移動自在に配置したので、バイメタル513の変位によって、ラッチ板77が時計回りに回転して通常位置で磁性板52に当接し、さらにこの後、バイメタル513が同じ方向に変位し続けたとしても、磁性板52が通常位置から最終位置まで移動可能であるから、バイメタル513のオーバー変位量が吸収され、バイメタル513の変形が防止されることになる。この結果、過電流引外し特性を安定させることができる。また、ばね10で磁性板52を通常位置方向に付勢する構造にしたので、磁性板52を通常位置に戻すことができる。
【0033】
図2は本発明に係る第2実施形態の回路遮断器の断面図であり、この図を用いて以下に第2実施形態の説明を行う。ただし、図2(a)はトリップ状態での断面図、(b)はオン状態での断面図である。
【0034】
図2に示す回路遮断器は、器体を構成するケース1およびカバー2(図2ではケース1のみ図示)と、スライダ3と、電源側端子部4と、異常電流検出・トリップ機能付きの負荷側端子部5と、可動接触子部6と、開閉機構7と、編組線8とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、ばね10に代えて、磁性板52を通常位置方向に付勢する逆U字状の板ばね20を備えている。なお、ケース1の内面には、第1実施形態と同様、磁性板52の通常位置を決める突起1A,1Bと、磁性板52に対する通常位置と最終位置との間の移動案内用のガイド壁1Cとが形成されている。
【0035】
図2の例では、負荷側端子部5の負荷側端子51における連結部511に代えて(図7参照)、板ばね20が接続されている。すなわち、連結部511に代えて、端子金具11内に挿通される端子部512に板ばね20の一端が接続され、板ばね20の他端にバイメタル513の基端が接続されて、板ばね20の他端およびバイメタル513の基端がケース1に固定されている。
【0036】
以上、第2実施形態では、磁性板52を通常位置と最終位置との間で移動自在に配置したので、バイメタル513の変位によって、ラッチ板77が時計回りに回転して通常位置で磁性板52に当接し、さらにこの後、バイメタル513が同じ方向に変位し続けたとしても、磁性板52が通常位置から最終位置まで移動可能であるから、バイメタル513のオーバー変位量が吸収され、バイメタル513の変形が防止されることになる。この結果、過電流引外し特性を安定させることができる。また、板ばね20で磁性板52を通常位置方向に付勢する構造にしたので、磁性板52を通常位置に戻すことができる。さらに、端子金具11内に挿通される端子部512に板ばね20の一端を接続して、板ばね20の他端にバイメタル513の基端を接続したので、余分な部材を必要とせず、部品点数を少なくすることができる。
【0037】
図3は本発明に係る第3実施形態の回路遮断器の断面図であり、この図を用いて以下に第3実施形態の説明を行う。ただし、図3(a)はトリップ状態での断面図、(b)はオン状態での断面図である。
【0038】
図3に示す回路遮断器は、器体を構成するケース1およびカバー2(図3ではケース1のみ図示)と、スライダ3と、電源側端子部4と、異常電流検出・トリップ機能付きの負荷側端子部5と、可動接触子部6と、開閉機構7と、編組線8とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、ばね10に代えて、非磁性体からなるコ字状の復帰部材30を備えている。
【0039】
ここで、図3の例では、ケース1の内面には、磁性板52の通常位置を決める突起1A,1Bと、磁性板52に対する通常位置と最終位置との間の移動案内用のガイド壁1Cとが第1実施形態と同様に形成されているほか、第1実施形態との相違点として復帰部材30の移動案内用のガイド溝1Dがさらに形成されている。つまり、コ字状の復帰部材30の中央部30aがガイド溝1Dに填め込まれて、復帰部材30の一方(図では左方)の端部30bと他方(右方)の端部30cとの間に、磁性板52およびラッチ板77が挟み込まれ、通常位置で復帰部材30の一方の端部30bが磁性板52の基部に当接している。
【0040】
以上、第3実施形態では、磁性板52を通常位置と最終位置との間で移動自在に配置したので、バイメタル513の変位によって、ラッチ板77が時計回りに回転して通常位置で磁性板52に当接し、さらにこの後、バイメタル513が同じ方向に変位し続けたとしても、磁性板52が通常位置から最終位置まで移動可能であるから、バイメタル513のオーバー変位量が吸収され、バイメタル513の変形が防止されることになる。この結果、過電流引外し特性を安定させることができる。また、ガイド溝1Dに沿って移動自在の復帰部材30の両端部30b,30c間に磁性板52およびラッチ板77を挟み込む構造にしたので、トリップ状態から復帰するとき、ラッチ板77が反時計回りに回転し、復帰部材30を介してラッチ板77の回転に磁性板52が従動するから、磁性板52を通常位置に戻すことができる。
【0041】
図4は本発明に係る第4実施形態の回路遮断器の断面図であり、この図を用いて以下に第4実施形態の説明を行う。ただし、図4(a)はトリップ状態での断面図、(b)はオン状態での断面図である。
【0042】
図4に示す回路遮断器は、器体を構成するケース1およびカバー2(図4ではケース1のみ図示)と、スライダ3と、電源側端子部4と、異常電流検出・トリップ機能付きの負荷側端子部5と、可動接触子部6と、開閉機構7と、編組線8とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、ばね10に代えて、磁性板52を通常位置方向に付勢するばね(図ではねじりばね)40を備えている。なお、ケース1の内面には、第1実施形態と同様、磁性板52の通常位置を決める突起1A,1Bと、磁性板52に対する通常位置と最終位置との間の移動案内用のガイド壁1Cとが形成されている。
【0043】
図4の例では、ばね40の中心部に軸ピン78が挿通され、ばね40の一端(図では上端)がラッチ板77の切欠部771aに当接ないし圧接し、ばね40の他端(下端)が磁性板52の基部に当接ないし圧接して通常位置方向に付勢している。ここで、ばね40は、通常位置では、他端が磁性板52の基部に当接するように調整される。
【0044】
以上、第4実施形態では、磁性板52を通常位置と最終位置との間で移動自在に配置したので、バイメタル513の変位によって、ラッチ板77が時計回りに回転して通常位置で磁性板52に当接し、さらにこの後、バイメタル513が同じ方向に変位し続けたとしても、磁性板52が通常位置から最終位置まで移動可能であるから、バイメタル513のオーバー変位量が吸収され、バイメタル513の変形が防止されることになる。この結果、過電流引外し特性を安定させることができる。また、ばね40で磁性板52を通常位置方向に付勢する構造にしたので、磁性板52を通常位置に戻すことができる。さらに、通常位置では、ばね40の他端が磁性板52の基部に当接するように調整されるから、バイメタル513の変位に応じてバイメタル513の調節ねじ514で一端(図では上端)側が押圧されて時計回りに回転するラッチ板77の他端(下端)側が、磁性板52に当接した状態から更に回転する際、ばね40の一端も時計回りに回転することにより、ばね40の他端が磁性板52の基部に当接する状態が保持されるから、バイメタル513の変形をさらに好適に防止することができる。
【0045】
図5は本発明に係る第5実施形態の回路遮断器の断面図であり、この図を用いて以下に第5実施形態の説明を行う。ただし、図5(a)はトリップ状態での断面図、(b)はオン状態での断面図である。
【0046】
図5に示す回路遮断器は、器体を構成するケース1およびカバー2(図4ではケース1のみ図示)と、スライダ3と、電源側端子部4と、異常電流検出・トリップ機能付きの負荷側端子部5と、可動接触子部6と、開閉機構7と、編組線8とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、磁性板52に代えて、磁性板52Aを備えている。ただし、ケース1の内面には、磁性板52Aの通常位置を決める突起1Bと、磁性板52Aに対する通常位置と最終位置との間の移動案内用のガイド壁1Cとが第1実施形態と同様に形成されているが、突起1Aは削除されている。
【0047】
磁性板52Aは、軸ピン78の位置にあるラッチ板77の回動支点と同心の回動支点を有する回動支点部520Aを一体に有している以外は、第1実施形態の磁性板52と同様に構成されている。
【0048】
以上、第5実施形態では、磁性板52Aを通常位置と最終位置との間で移動自在に配置したので、バイメタル513の変位によって、ラッチ板77が時計回りに回転して通常位置で磁性板52Aに当接し、さらにこの後、バイメタル513が同じ方向に変位し続けたとしても、磁性板52Aが通常位置から最終位置まで移動可能であるから、バイメタル513のオーバー変位量が吸収され、バイメタル513の変形が防止されることになる。この結果、過電流引外し特性を安定させることができる。また、ばね10で磁性板52Aを通常位置方向に付勢する構造にしたので、磁性板52Aを通常位置に戻すことができる。さらに、軸ピン78の位置にあるラッチ板77の回動支点と同心の回動支点を有する回動支点部520Aを磁性板52Aに一体に設けたので、通常位置および最終位置間での磁性板52Aの動きをスムーズにすることができる。
【0049】
図6は本発明に係る第6実施形態の回路遮断器の断面図であり、この図を用いて以下に第6実施形態の説明を行う。ただし、図6(a)はトリップ状態での断面図、(b)はオン状態での断面図である。
【0050】
図6に示す回路遮断器は、ラッチ板77を上部材771Aおよび下部材772Aの2つに分割して成るラッチ板77Aと、それら上部材771Aおよび下部材772Aを一体に結合するばね50とを備えている以外は、図7および図8を用いて説明した回路遮断器と同様に構成されている。
【0051】
図6の例では、上部材771Aは、バイメタル513の自由端(図では上端)側と対向する一端側から軸ピン78の位置にある回動支点側に伸びる板状に形成され、上部材771Aの他端は、2段に屈曲されてL字部773Aを形成している。他方、下部材772Aは、軸ピン78の位置にある回動支点の一端側から磁性板52と対向する他端側に伸びる板状に形成され、下部材772Aの一端は、屈曲されて移動防止部774Aを形成している。ここで、バイメタル513の変位によって、バイメタル513の調節ねじ514が上部材771Aに当接してから下部材772Aが磁性板52に当接するまでは、上部材771Aと下部材772Aとが移動防止部774Aで折れ曲がらないように、ばね50のばね力が調整される。
【0052】
以上、第6実施形態では、上部材771Aおよび下部材772Aの2部材でラッチ板77Aを構成し、バイメタル513の調節ねじ514が上部材771Aに当接してから下部材772Aが磁性板52に当接するまでは、上部材771Aと下部材772Aとが移動防止部774Aで折れ曲がらないように、ばね50のばね力を調整したので、バイメタル513の変位によって、バイメタル513の調節ねじ514が上部材771Aに当接すると、下部材772Aが磁性板52に当接するまでは、バイメタル513の変位でラッチ板77Aが時計回りに回転し、下部材772Aが磁性板52に当接した後もバイメタル513が同じ方向に変位し続けたとしても、上部材771Aと下部材772Aとが移動防止部774Aで折れ曲がるから、バイメタル513のオーバー変位量が吸収され、バイメタル513の変形が防止されることになる。この結果、過電流引外し特性を安定させることができる。また、上部材771Aおよび下部材772Aをばね50で一体に結合したので、磁性板52を通常位置に戻すことができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明によれば、バイメタルの変位量を吸収することができ、バイメタルの変形を防止し過電流引外し特性に影響を及ぼし難くなる。また、入出力端子の一方の電線接続部と固定部とで弾性薄板部を弾性変位させてコ字型固定鉄心を移動させることができ、特に、入出力端子の一方にコ字型固定鉄心を通常位置方向に付勢する機能を備えていることにより、余分な部材を必要とせず、部品点数を少なくすることができる。
【0056】
請求項記載の発明によれば、接点に過電流や短絡電流が流れていない状態では、ラッチ部材がリンクの均衡状態を保持する方向に付勢されることにより、コ字型固定鉄心を復帰部材を介して通常位置に付勢し、ラッチ部材の他端側がコ字型固定鉄心に当接した位置から最終位置までは復帰部材とともにコ字型固定鉄心を移動させることができる。特に、ラッチ部材の他端側がコ字型固定鉄心に当接した状態から更に移動する際、コ字型固定鉄心には付勢力が働かず、もってバイメタルの変形を更に防止することができる。
【0057】
請求項記載の発明によれば、バイメタルの変位量を吸収することができ、バイメタルの変形を防止し過電流引外し特性に影響を及ぼし難くなる。また、過電流が流れていない状態ではバイメタルが変位せず、コ字型固定鉄心は通常位置に保持されており、ラッチ部材の他端側がコ字型固定鉄心に当接した位置から最終位置までは連動部材とともにコ字型固定鉄心を移動させることができる。特に、ラッチ部材の他端側がコ字型固定鉄心に当接した状態から更に移動する際、コ字型固定鉄心には付勢力が働かず、もってバイメタルの変形を更に防止することができる。
【0060】
請求項記載の発明によれば、バイメタルの変位量を吸収することができ、バイメタルの変形を防止し過電流引外し特性に影響を及ぼし難くなる。また、コ字型固定鉄心に、ラッチ部材とともに同軸で回動する回動支点部を設けているので、コ字型固定鉄心の移動をスムーズにさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の回路遮断器の断面図である。
【図2】本発明に係る第2実施形態の回路遮断器の断面図である。
【図3】本発明に係る第3実施形態の回路遮断器の断面図である。
【図4】本発明に係る第4実施形態の回路遮断器の断面図である。
【図5】本発明に係る第5実施形態の回路遮断器の断面図である。
【図6】本発明に係る第6実施形態の回路遮断器の断面図である。
【図7】本出願人により別途提案されている回路遮断器の分解斜視図である。
【図8】図7に示す回路遮断器の断面図である。
【符号の説明】
1 ケース
2 カバー
3 スライダ
4 電源側端子部
5 負荷側端子部
52A 磁性板
520A 回動支点部
6 可動接触子部
7 開閉機構
77A ラッチ板
771A 上部材
772A 下部材
774A 移動防止部
8 編組線
10,40 ばね
20 板ばね
30 復帰部材
50 ばね
1A,1B 突起
1C ガイド壁
1D ガイド溝

Claims (4)

  1. ボデイから一部が外部に突出するハンドルと、このハンドルに複数のリンクを介して開閉駆動される接点と、両側を自由端としその両側間の所定位置を回動支点として複数のリンクの均衡状態を保持する方向に付勢されたラッチ部材と、一端側を固定端とするとともに他端側を自由端としこの自由端側をラッチ部材の一端側に対向させ、接点に過電流が流れると自由端側がラッチ部材の一端側を押圧することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するバイメタルと、このバイメタルを囲む形で先端側をラッチ部材の他端側に対向させ、接点に短絡電流が流れるとトリップ部材の他端側を吸引することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するコ字型鉄心とを備え、前記コ字型鉄心は、接点に過電流や短絡電流が流れていない状態からバイメタルの変位によってラッチ部材の一端側が駆動されてラッチ部材の他端側が固定鉄心の先端に当接するまでの通常位置と、この通常位置を超えて更にバイメタルが変位してラッチ部材の他端側に押圧駆動される最終位置との間で移動自在に配設され、通常位置方向に付勢された回路遮断器であって、
    前記接点を入出力端子間に介在させ、その入出力端子の一方は、電線を接続する電線接続部と、この電線接続部に連設された略逆U字状の弾性薄板部と、この弾性薄板部に連設されたバイメタル固定部とを有し、前記弾性薄板部を通常位置で固定鉄心の基端に当接させるとともに前記固定部をバイメタルの固定端とともにボデイに固定したことを特徴とする回路遮断器。
  2. 前記リンクの均衡状態を保持したラッチ部材の位置で、ラッチ部材の他端側のコ字型固定鉄心対向面とは反対側面とコ字型固定鉄心の基端側に当接するコ字状の非磁性体からなる復帰部材を配設したことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  3. ボデイから一部が外部に突出するハンドルと、このハンドルに複数のリンクを介して開閉駆動される接点と、両側を自由端としその両側間の所定位置を回動支点として複数のリンクの均衡状態を保持する方向に付勢されたラッチ部材と、一端側を固定端とするとともに他端側を自由端としこの自由端側をラッチ部材の一端側に対向させ、接点に過電流が流れると自由端側がラッチ部材の一端側を押圧することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するバイメタルと、このバイメタルを囲む形で先端側をラッチ部材の他端側に対向させ、接点に短絡電流が流れるとトリップ部材の他端側を吸引することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するコ字型鉄心とを備え、前記コ字型鉄心は、接点に過電流や短絡電流が流れていない状態からバイメタルの変位によってラッチ部材の一端側が駆動されてラッチ部材の他端側が固定鉄心の先端に当接するまでの通常位置と、この通常位置を超えて更にバイメタルが変位してラッチ部材の他端側に押圧駆動される最終位置との間で移動自在に配設され、通常位置方向に付勢された回路遮断器であって、
    前記接点に過電流や短絡電流が流れていない状態で、バイメタルが変形する方向とは反対側のバイメタル裏面に一端側が当接するとともに他端側がコ字型固定鉄心の基端側に当接し、前記一端側および他端側間の所定位置を回動支点とした連動部材を、ボデイに固定したことを特徴とする回路遮断器。
  4. ボデイから一部が外部に突出するハンドルと、このハンドルに複数のリンクを介して開閉駆動される接点と、両側を自由端としその両側間の所定位置を回動支点として複数のリンクの均衡状態を保持する方向に付勢されたラッチ部材と、一端側を固定端とするとともに他端側を自由端としこの自由端側をラッチ部材の一端側に対向させ、接点に過電流が流れると自由端側がラッチ部材の一端側を押圧することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するバイメタルと、このバイメタルを囲む形で先端側をラッチ部材の他端側に対向させ、接点に短絡電流が流れるとトリップ部材の他端側を吸引することによりリンクの均衡状態を崩して接点を強制開極するコ字型鉄心とを備え、前記コ字型鉄心は、接点に過電流や短絡電流が流れていない状態からバイメタルの変位によってラッチ部材の一端側が駆動されてラッチ部材の他端側が固定鉄心の先端に当接するまでの通常位置と、この通常位置を超えて更にバイメタルが変位してラッチ部材の他端側に押圧駆動される最終位置との間で移動自在に配設され、通常位置方向に付勢された回路遮断器であって、
    前記コ字型固定鉄心に、ラッチ部材の回動支点とともに回動支点を成す回動支点部を設けたことを特徴とする回路遮断器。
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