JP3261282B2 - 回路遮断器 - Google Patents

回路遮断器

Info

Publication number
JP3261282B2
JP3261282B2 JP16081795A JP16081795A JP3261282B2 JP 3261282 B2 JP3261282 B2 JP 3261282B2 JP 16081795 A JP16081795 A JP 16081795A JP 16081795 A JP16081795 A JP 16081795A JP 3261282 B2 JP3261282 B2 JP 3261282B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
fixed
arc
contact
movable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP16081795A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0917315A (ja
Inventor
洋一 国本
知行 澤田
孝 北村
洋一 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP16081795A priority Critical patent/JP3261282B2/ja
Publication of JPH0917315A publication Critical patent/JPH0917315A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3261282B2 publication Critical patent/JP3261282B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過負荷電流或いは短絡
電流等の過電流が発生したときに回路を遮断する回路遮
断器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の回路遮断器には、回路遮
断器の器体に、ハンドル操作により開閉され異常電流に
応答して強制的に開極駆動される可動接触子と、この可
動接触子に対向して可動接触子の先端部に設けられた接
点部と接離する固定接点を取着した固定接触子と、この
固定接触子に電気的に接続されて固定接触子の先端部よ
り延出した固定側アーク走行板と、この固定側アーク走
行板に対向して配設され前記可動接触子に電気的に接続
された可動側アーク走行板と、可動側及び固定側アーク
走行板間に介在された複数の消弧磁性板を絶縁側板で間
隔をあけて保持したグリッド装置とを夫々収納し、接点
部に発生したアークを可動側及び固定側アーク走行板間
で走行させてグリッド装置の複数の消弧磁性板により分
断し消弧させるものが知られている。
【0003】この回路遮断器の基本構造を図2乃至図7
を参照して説明する。図2に示すように、回路遮断器の
器体10は合成樹脂のような絶縁材料よりなり、各側部
にそれぞれ電源側端子20aと負荷側端子20bとが設
けられる。電源側端子20aには固定接点31(図3参
照)を備えた端子板21aが電気的に接続され、負荷側
端子20bには熱動釈放装置60を構成するバイメタル
61の一端部を固着した端子板21bが電気的に接続さ
れる。固定接点31は可動接触子33に設けた可動接点
32とともに接点部30を構成し、可動接触子33は後
述する開閉装置40の動作に応じて固定接点33に対し
て離接する。可動接触子33は編組線よりなる接続線3
7を介して後述する電磁釈放装置50のコイル51の一
端に電気的に接続され、コイル51の他端は編組線より
なる接続線38を介してバイメタル61の中間部に接続
される。したがって、接点部30が閉極すると、電源側
端子20a−接点部30−コイル51−バイメタル61
−負荷側端子20bという経路で電流が流れる主電路が
形成される。ここにおいて、バイメタル61としては、
自己発熱によって湾曲する形式の直熱型と、板状のヒー
タが積層されヒータによる加熱で湾曲する傍熱型とのい
ずれを用いてもよい。
【0004】器体10は、図4に示すように、ボディ1
0aとカバー10bとをリベット11を用いて結合して
形成される。すなわち、ボディ10aとカバー10bと
には周部の4箇所に組立孔12a,12bが貫設され、
各組立孔12a,12bにそれぞれリベット11を通す
ことによって、ボディ10aとカバー10bとを結合す
ることができるのである。器体10の上面にはボディ1
0aとカバー10bとを突き合わせたときに矩形状に開
口するハンドル挿通孔13が形成され、図3に示すよう
に、ボディ10aとカバー10bとの内側面であってハ
ンドル挿通孔13の近傍には円筒状の軸受14が突設さ
れる。軸受14の中央部に開口する軸受孔14aには、
ハンドル41を軸支するハンドル軸42の各端部が挿入
される。ハンドル41には、ハンドル挿通孔13を通し
て器体10の上面に突出する操作部41aが設けられ
る。すなわち、ハンドル41は操作部41aがハンドル
挿通孔13の中で移動できる範囲でハンドル軸42の回
りに回動自在になる。ハンドル41の操作部41aの基
部にはハンドル軸42を中心とする弧状の覆い片41b
が形成され、器体10におけるハンドル挿通孔13の周
部は覆い片41bに沿うように外向きに膨らんでいる。
覆い片41bは器体10の内側面に摺接するのであっ
て、ハンドル41が回動しても覆い片41bによって器
体10の内部が見えないように遮蔽され、かつ覆い片4
1bにはハンドル41の操作に伴う接点部30の開閉を
示す文字が表記される。覆い片41bの下面にはリンク
支持部41cが突設され、リンク支持部41cの下部両
側面には軸突起41dが突設される。ここにおいて、操
作部41aとリンク支持部41cとは、一直線上にはな
く断面略く字形になるように覆い片41bに対する互い
の突出方向が設定されている。さらに、ハンドル41は
軸受14の周囲に装着された鋏形ばねよりなるハンドル
復帰ばね43によって図3における左回りに付勢されて
いる。すなわち、ハンドル復帰ばね43の一端部は、図
2における覆い片41bの右端部に係止され、他端部は
後述する開閉装置40の引外し板44に係止される。
【0005】開閉装置40は、略コ形に形成され各脚片
の先端部に形成された軸受孔45aに対してハンドル4
1に設けた軸突起41dが挿通されるハンドルリンク4
5と、平板状の係止板46aの両端に係止板46aに略
直交しかつ係止板46aの端縁に沿う方向に延長された
一対のガイド片46bを備えガイド片46bの先端部に
形成された軸孔46cにハンドル軸42が挿通されるラ
ッチ板46と、引外し板44に挿通されボディ10aと
カバー10bとの内側面にそれぞれ形成した軸受15に
設けた軸受け孔15aに各端部が挿入されて引外し板4
4を器体10に対して回動自在に支承する軸ピン47
と、略コ形に形成され一方の脚片48aがラッチ板46
の両ガイド片46bに形成されたガイド孔46dを通し
てハンドルリンク45の両脚片の基部に設けたリンク孔
45cに挿通される接触子リンク48とを備える。接触
子リンク48の他方の脚片48bは可動接触子33に設
けた軸孔33aに挿通される。ここに、ボディ10aの
内側面には図3における下に凸となる弧状に湾曲したガ
イド溝16が形成され、このガイド溝16に接触子リン
ク48の脚片48bの先端部が挿入されることによっ
て、接触子リンク48の移動範囲がガイド溝16に規制
される。
【0006】可動接触子33は、一端部に可動接点32
を備えるとともに、他端部にばね受け片33bを備え、
可動接点32とばね受け片33bとの間の部位に接触子
リンク48の脚片48bが挿入される軸孔33aの開口
する軸受片33cを有した形状に形成されている。ここ
に、板材により形成された可動接触子33の一端部を略
L形に折曲しその角部を可動接点32として用いてお
り、可動接触子33において可動接点32よりも先端部
側にはアーク走行片33dが延長されている。ばね受け
片33bにはコイルスプリングよりなる接圧ばね34の
一端部に挿入されるばね座33e(図5参照)が突設さ
れる。また、接圧ばね34の他端部は一方のボディ10
aの内側面に形成されたばね受け凹所35に収められ
る。ボディ10aの内側面には、ばね受け凹所35の開
口面に対向してストッパ36が突設され、ばね受け凹所
35の形成されているボディ10aの内側面とストッパ
36との間の空間に接圧ばね34およびばね受け片33
bが挿入され、接圧ばね34のばね力によってばね受け
片33bはストッパ36に向かって付勢されている。
【0007】引外し板44は、基片44aの上端部から
一側方に第1押圧片44bが突設されるとともに基片4
4aから下方に向かって第2押圧片44cが延長され、
さらに上下の中間部における基片44aの一側縁から基
片44aに略直交する方向に腕片44dが突設された形
状に形成されている。腕片44dの基部には軸ピン47
が挿通され、引外し板44は軸ピン47の回りに回動自
在となっている。また、腕片44dの先端部の上縁には
引掛溝44eが形成され、引掛溝44eよりもさらに先
端側では腕片44dの上縁は下縁との距離が近付くよう
に傾斜する。また、基片44aの側縁には側方に開口し
上方向に切り込まれた形状の係止凹所44fが形成さ
れ、この係止凹所44fにハンドル復帰ばね43の一端
部が係止されることによって、引外し板44は図3の左
回りに付勢される。
【0008】ラッチ板46は、ハンドル軸42によって
ハンドル41とともに器体10に対して回動自在となっ
ているが、ハンドルリンク45に挿通された接触子リン
ク48の脚片48aがラッチ板46のガイド孔46dに
挿通され、かつハンドルリンク45がハンドル41の軸
突起41dに軸支されていることによって、ハンドル4
1に対するラッチ板46の揺動範囲が規制されている。
また、ラッチ板46の係止片46aの下縁は、引外し板
44に設けた引掛溝44eに係合可能になっており、係
合状態ではラッチ板46の移動が禁止される。
【0009】上述のようにハンドル41、ハンドル軸4
2、ハンドル復帰ばね43、引外し板44、ハンドルリ
ンク45、ラッチ板46、軸ピン47、接触子リンク4
8により構成された開閉装置40は、接点部30の閉極
状態において主電路に過大な電流が通過したときには、
電磁釈放装置50ないし熱動釈放装置60の作動により
接点部30を開極させるように機能する。
【0010】電磁釈放装置50は、上方に開放された略
コ形に磁性体によって形成されたヨーク(可動側アーク
走行板)52を備え、ヨーク52の内側空間にコイル5
1が収められる。すなわち、ヨーク52は、コイル51
の軸方向の両端面にそれぞれ対向する一対の側片52
a,52bと、コイル51の下方を通って両側片52
a,52bの間を結合する中間片52cとを備えてい
る。また、各側片52a,52bには側方に開口する保
持溝52d,52eが形成される。コイル51は絶縁材
料よりなる円筒状のコイル筒53の外周に巻装されてい
るのであって、コイル筒53の軸方向の一端部にはフラ
ンジ53aが一体に形成され、コイル筒53の軸方向の
他端部には内外径ともに軸方向の中間部よりも小径にな
った先細部53bが形成される。
【0011】コイル筒53の内部空間には先細部53b
の内径よりも直径の大きい部分を有した可動鉄芯54が
コイル筒53の軸方向に移動自在となるように納装さ
れ、またコイル筒53のフランジ53a側の端部には可
動鉄芯54に対向する固定鉄芯55が一部をコイル筒5
3から突出させた形でコイル筒53に装着される。可動
鉄芯54の移動方向の一端面にはコイル筒53の先細部
53b側の端面から突出する引掛ピン54aが一体に設
けられ、他端面には固定鉄芯55を通してコイル筒53
のフランジ53a側の端面から突出する押圧ピン57が
固着される。引掛ピン54aの先端部には他の部位より
も大径に形成された引掛ヘッド54bが形成されてい
る。可動鉄芯54と固定鉄芯55との間にはコイルスプ
リングよりなる復帰ばね56が介装され、復帰ばね56
のばね力によって可動鉄芯54はコイル筒53の先細部
53a側に付勢されている。
【0012】可動鉄芯54の移動方向の両端部は中間部
よりも小径に形成され、一端部は復帰ばね56に挿入さ
れるばね受け部54cとなり、他端部はコイル筒53の
先細部53bに挿入可能に形成され、中間部は先細部の
内径よりも大径に形成されている。すなわち、可動鉄芯
54において引掛ピン54aが突設されているほうの小
径部分と大径部分との間に抜止段部54dが形成され、
コイル筒53の内周において中間部と先細部53bとの
間に形成される段部に抜止段部54dが係止されること
によって可動鉄芯54の脱落が防止されるのである。
【0013】固定鉄芯55は、コイル筒53の軸方向に
おける可動鉄芯53に近い一端部が他の部位よりも小径
に形成されて復帰ばね56に挿入されるばね受け部55
aとなり、他端部には他の部位よりも大径である外鍔片
55bが形成される。さらに、上記他端の中央部には結
合突起55cが突設される。しかるに、固定鉄芯55を
コイル筒53のフランジ53a側に挿入すれば、コイル
筒53の端面に外鍔片55cが当接し、結合突起55c
はコイル筒53から突出することになる。また、可動鉄
芯54に固着された押圧ピン57は固定鉄芯55の軸方
向に貫通する挿通孔55dに挿通されることによって、
コイル筒53から突出する。
【0014】上述のようにしてコイル筒53に可動鉄芯
54、固定鉄芯55、復帰ばね56を装着して形成した
芯部材は、コイル筒53の先細部53bをヨーク52の
側片片52aに設けた保持溝52dに嵌入し、固定鉄芯
55の結合突起55cを側片52bに設けた保持溝52
eに嵌入することによって、ヨーク52に取り付けられ
る。ここにおいて、コイル51とヨーク52の側片52
bとの間にはコイル筒53のフランジ53aが介在する
ことによって、コイル51とヨーク52の側片52bと
の間の絶縁が確保されることになる。また、結合突起5
5cがヨーク52の側片52bに設けた保持溝52eに
嵌入され、かつ外鍔片55bがコイル筒53のフランジ
53aと側片52bとの間に挟装されることによって、
固定鉄芯55はヨーク52に対して磁気的に結合される
ことになる。
【0015】上述のように構成された電磁釈放装置50
は、ヨーク52に設けた保持溝52d,52eに対して
ボディ10aの内側面に突設した保持突片17a,17
bを嵌入することによって、ボディ10aの定位置に固
定される。また、ボディ10aの内側面に保持突片17
a,17bの近傍で形成されたヨーク取付溝18a,1
8bに、ヨーク51の側片52aが嵌合することによっ
ても、ヨーク52がボディ10aに固定されるようにな
っている。ボディ10aにヨーク52を固定した状態で
は、コイル筒53の先細部53bおよび固定鉄芯55の
結合突起55cは、それぞれ保持溝52d,52eの内
周縁と保持突片17a,17bの先端縁との間に挟持さ
れ、コイル筒53がヨーク52に対して定位置に固定さ
れるようになっている。
【0016】上記構成の電磁釈放装置50では、コイル
51に通電すると、固定鉄芯55−ヨーク52−可動鉄
芯54を通る磁路の磁気抵抗を小さくするように可動鉄
芯54に対して固定鉄芯55との間で吸引力が作用する
のであって、コイル51への通過電流が負荷の短絡時の
ような過大な電流であると、復帰ばね56のばね力に抗
して可動鉄芯54が固定鉄芯55に近付くように移動す
る。したがって、このように作動したときに開閉装置4
0を操作することで、閉極状態の接点部30を強制的に
開極させることができるのであって、開閉装置40とは
以下のように結合されている。
【0017】すなわち、可動鉄芯54に設けた引掛ピン
54aの先端部は、可動接触子33における軸孔33a
と可動接点32との間の部位に形成されている引掛孔3
3eに挿通され、コイル51の励磁によって、可動鉄芯
54が固定鉄芯55に近付くように吸引されたときに
は、引掛ピン54aの先端部に設けた引掛ヘッド54b
が引掛孔33eの周部に係止されて可動接触子33を固
定接点31から引き離す向きに引張るようになってい
る。ここに、引掛孔33eは引掛ヘッド54bよりも直
径の小さい係止孔と引掛ヘッド54bよりも直径の大き
い導入孔とを連続させただるま状に形成されており、組
立時には導入孔に引掛ヘッド54bを通した後に係止孔
に引掛ピン54aを導入することで、可動接触子33に
電磁釈放装置50を容易に結合できるようにしてある。
また、可動鉄芯54に固着された押圧ピン57の先端は
引外し板44の第2押圧片44cに対向するように位置
し、可動鉄芯54が固定鉄芯55に吸引されて移動する
と、引外し板44を軸ピン47の回りで図3の右回りに
回転させるようになっている。
【0018】一方、熱動釈放装置60は、上述したよう
にバイメタル61を備え、バイメタル61の一端部は後
述する端子板21bに固着され、他端部にはバイメタル
61の湾曲方向に挿通された調節ねじ62が螺合する。
調節ねじ62は引外し板44の第1押圧片44bに対向
し、主電路を通過する過大な電流によってバイメタル6
1が湾曲したときには調節ねじ62の先端部で引外し板
44を押圧することにより、引外し板44を軸ピン47
の回りで図3の右回りに回転させるようになっている。
【0019】器体10の周壁のうちバイメタル61に螺
合した調節ねじ62の近傍には調節用窓63が開口して
いる。調節用窓63は上端部に他の部位よりも広幅に形
成された挿入部63aを備え、調節用窓52の上縁は器
体10の内側に向かって下方に傾斜した案内面63bに
なっている。また、調節用窓63の両側面には上端が挿
入部63aに連続し下端が調節用窓63の下端に至る取
付溝63cが形成されている。すなわち、調節用窓63
の両側面には器体10の外側面側で挿入部63aを残し
て調節用窓63の下端に至るガイドリブ63dが形成さ
れ、器体10の内側面側で調節用窓63の上下の全長に
亙るガイドリブ63eが形成されることによって、両ガ
イドリブ63d,63eの間に取付溝63cが形成され
るのである。
【0020】上記バイメタル61は、通過電流に対する
湾曲の程度(動作感度)が、バイメタル61の素材のば
らつきや接続線38の接続位置などによって変化するか
ら、開閉装置40の動作感度(すなわち、開閉装置40
が作動するときの主電路の通過電流)がばらつかないよ
うにするには、バイメタル61に螺合している調節ねじ
62の引外し板44側へのバイメタル61からの突出量
を調節することが必要になる。そこで、組立後には調節
用窓63を開放した状態として調節ねじ62を操作する
のである。一方、調節ねじ62を一旦調節した後には、
調節ねじ62を操作する必要がないから、挿入部63a
を通して取付溝63cに可撓性を有した閉塞板64を落
とし込むようにし、閉塞板64によって調節用窓63を
閉塞して調節ねじ62を不用意に操作したり異物が器体
10の内部に侵入したりすることがないようにする。閉
塞板64は、調節用窓63の幅(取付溝63cの底間の
距離)に略等しく、かつ調節用窓63の上下方向の高さ
寸法に略等しく設定されている。このような閉塞板64
を調節用窓63に挿着すれば、閉塞板64の上端部が調
節用窓63の上面に当たるようになって閉塞板64を取
り外すことができなくなる。
【0021】ところで、電源側端子20aと負荷側端子
20bとは、導電性を有する板金を折曲して断面略ロ字
形に形成した端子金具22と、端子金具22の上片に螺
挿した引締めねじ23と、引締めねじ23の下端に当接
する端子板21a,21bとを備える。端子金具22は
器体10に形成された水平断面角形の端子収納室24
a,24bに上下に移動可能となるように収納されてい
る。すなわち、端子収納室24a,24bは端子金具2
2よりも高さ寸法が大きく、かつ端子金具22は端子収
納室24a,24bで回り止めされて上下方向にのみ移
動可能となっている。引締めねじ23の頭部は上部が下
部よりも小径となる円錐台状に形成され、端子収納室2
4a,24bの上壁には引締めねじ23の頭部の一部を
挿入可能であって引締めねじ23の頭部が通り抜けるこ
とのない程度の直径を有したねじ操作孔25が形成され
ている。ねじ操作孔25の上部の直径は引締めねじ23
の頭部の上端よりも小さく、また、ねじ操作孔25の下
部の直径は引締めねじ23の頭部の下端よりも大きく設
定されている。端子板21a,21bの先端部は器体1
0の外側面に露出して上方に折曲されており、器体10
の外側面に形成された固定溝26に対して端子板21
a,21bの先端部に形成した固定突片21cを係合さ
せることによって、端子板21a,21bの先端部の上
下の移動を禁止してある。さらに、端子収納室24a,
24bと器体10の内部空間とを仕切る端子収納室24
a,24bの側壁には、端子板21a,21bを位置決
めする端子板保持溝27が形成され、端子板保持溝27
に端子板21a,21bの一部が挿入されることによっ
ても端子板21a,23bの上下の移動が禁止される。
すなわち、端子板21a,21bにおいて引締めねじ2
3に当接する部位の両側で上下の移動が禁止されている
から、引締めねじ23から外力が作用しても端子板21
a,21bは定位置に固定されるのである。ここにおい
て、端子板21a,21bと端子収納室24a,24b
の上壁との距離は、引締めねじ23の長さ寸法に略等し
く設定されている。
【0022】しかるに、ねじ操作孔25にマイナスドラ
イバの先端部などを挿入して引締めねじ23を回転させ
ると、引締めねじ23の回転方向によって端子金具22
が上下に移動するのであって、端子金具22の下片と端
子板21a,21bとの距離を変えることができる。す
なわち、端子収納室24a,24bの下壁と端子板21
a,21bとの間の部位に対応して器体10の周壁に貫
設された接続用孔28に対して、電線やブスバーのよう
な配線部材を挿入し、引締めねじ23を回転させて端子
金具22の下片を端子板21a,21bに近付けること
で、配線部材を端子金具22と端子板21a,21bと
の間に挟持し、配線部材との電気的接続が行なえるので
ある。
【0023】電源側端子20aを構成する端子板21a
は、端子板保持溝27よりも器体10の内部側で下向き
に屈曲された固定接触子39を有し、固定接触子39の
下端部には固定接点31が固着される。固定接点31に
は可動接触子33に設けた可動接点32が対向する。ま
た、固定接触子39において固定接点31よりも下部に
は固定接点31の突設されている面に導電板よりなる固
定側アーク走行板71の一部が重ねられる。固定側アー
ク走行板71は、固定接触子39に一部が重複する上下
方向の案内片71aを備え、案内片71aの下端は斜め
下向きに傾斜する傾斜片71bを介して器体10の底壁
に沿ってヨーク52の中間片52cの下方まで延長され
た消弧片71cに連続する。ここに、ヨーク52の中間
片52cと消弧片71cとの対向部位の間にはグリッド
装置72が配置される。グリッド装置72は、絶縁材料
よりなる略コ字形の絶縁側板73の内側に導電板よりな
る互いに略平行な複数枚の消弧磁性板74を保持した構
成を有し、各消弧磁性板74には可動接触子33の下端
部が導入される切欠部74aが形成されている。このグ
リッド装置72は、消弧磁性板74がヨーク52の中間
片52bおよび固定側アーク走行板71の消弧片71c
に略平行となるように配設される。
【0024】さらに器体10の下面には、分電盤の内部
などに配置される取付レール(いわゆるDINレール)
80(図4参照)に対して着脱自在に固定するための取
付装置が設けられている。取付レール80は、断面略コ
字形に形成されたレール本体の両脚片の先端縁に全長に
亙って鍔片80aを外向きに一体に突設した形状を有し
ている。器体10の下面には電源側端子20aと負荷側
端子20bとを結ぶ方向に直交する取付凹所81が形成
され、取付凹所81の一方の側壁には取付凹所81の内
底面との間に取付レール80の一方の鍔片80aが挿入
される係止突起82が突設される。また、取付凹所81
の他方の側面には器体10の外側面に通り抜ける貫通孔
83が形成され、この貫通孔83には取付爪84が挿着
される。取付爪84は一端部が器体10の外側面から突
出する矩形枠状の枠部84aの他端部に取付凹所81内
に突出する爪部84bを備え、枠部84aの中には爪部
84b側の一端部が枠部84aに一体に連結され他端部
が自由端となったばね片84cが設けられる。ばね片8
4cは、貫通孔83の中心線方向において凹凸を繰り返
す波状に形成され、貫通孔83の内周面に形成された段
部83aに自由端が係止されることによって、爪部84
bを取付凹所81の中に突出させる向きに取付爪84を
付勢する。また、爪部84bには貫通孔83の内周面に
形成された係止段部83bにより係止される移動規制段
部84dが形成され、移動規制段部84dによって取付
爪84の取付凹所81への突出量が規制されている。こ
こにおいて、爪部84bは取付凹所81の内底面との間
に取付レール80の他方の鍔片80aを挟持できる形状
に形成されている。また、爪部84bの下面は先端に向
かって上方に傾斜する傾斜面84eとなっている。
【0025】従って、取付レール80の一方の鍔片80
aを取付凹所81の内底面と係止突起82との間に挿入
した状態で、取付レール80に対して器体10を押し付
ければ、取付レール80の他方の鍔片80aから傾斜面
84eに作用する押力によって取付爪84が器体10か
ら突出する向きに押され、爪部84bが鍔片80aの先
端を乗り越えるとばね片84cのばね力によって爪部8
4bが取付凹所81の中に突出し、取付凹所81の内底
面と爪部84bとの間で取付レール80の他方の鍔片8
0aが保持される。このようにして、取付レール80に
対して器体10を固定することができる。一方、器体1
0を取付レール80から取り外すには、器体10の側面
に突出している枠部84aにマイナスドライバの先端部
などを挿入して取付爪84を器体10から引き出すよう
にすれば、取付レール80の鍔片80aに対する爪部8
4bの係合状態が解除され、器体10を取付レール80
から取り外すことができるようになるのである。
【0026】次に、回路遮断器としての動作を説明す
る。図5は接点部30の閉極状態を示し、ハンドル41
の操作部41aをハンドル軸42の回りで右方向に倒し
てある。このとき、引外し板44はハンドル復帰ばね4
3のばね力によって軸ピン47の回りで図5の左回りに
付勢され、バイメタル61に設けた調節ねじ62に第1
押圧片44bが当接した状態に保たれる。また、ラッチ
板46には可動接触子33および接触子リンク48を介
して接圧ばね34のばね力が作用し、接触子リンク48
の脚片48aとハンドル41に設けた軸突起41dとの
距離がハンドルリンク45によって規制されていること
により、ラッチ板46は接圧ばね34のばね力を受けて
ハンドル軸42を中心として左回りに付勢される。した
がって、ラッチ板46の係止片46aは引外し板44の
腕片44dに設けた係止溝44eに係合することにな
る。すなわち、ラッチ板46は右回りに回転しようとす
るが引外し板44によって回転を禁止されているから、
図5の状態が保たれるのである。この状態で、ラッチ板
46はハンドル軸42と引外し板44とによって位置が
固定され、ハンドルリンク45および接触子リンク48
もまた定位置に固定されることになる。その結果、可動
接触子33は接触子リンク48の脚片48bを中心とし
て、接圧ばね34のばね力により左回りに付勢されるこ
とになる。すなわち、可動接点32は接圧ばね34のば
ね力に応じた接点圧で固定接点31に接触する。この状
態では器体10の内側面に設けたストッパ36に対して
可動接触子33のばね受け片33bが当接しないように
位置関係が設定されている。
【0027】一方、図6に示すように、ハンドル41の
操作部41aをハンドル軸42の回りで左方向に倒すと
接点部30は開極状態になる。すなわち、ハンドル41
をハンドル軸42の回りで左回りに回転させることによ
って、ハンドルリンク45の上端部は右方向に移動し、
接触子リンク48の脚片48aを上方に引き上げようと
する。しかるに、ハンドル軸42と脚片48aとを結ぶ
直線に対して軸突起41dの位置が右側に移動すれば、
可動接触子33および接触子リンク48を介してハンド
ルリンク45に作用する接圧ばね34のばね力はハンド
ル41をさらに左回りに回転させるように作用し、接触
子リンク48の脚片48bはガイド溝16に沿って左方
向に移動する。このように接触子リンク48の脚片48
bが左方向に移動することによって、可動接触子33の
ばね受け片33bは接圧ばね34のばね力によって器体
10の内周面に設けたストッパ36に当接することにな
る。ここで、接圧ばね34のばね力はストッパ36の下
端よりも下方に作用するから、可動接触子33は右回り
に付勢され、可動接点32が固定接点31から離れるこ
とになる。また、接点部30の開極状態ではラッチ板4
6はハンドルリンク45および接触子リンク48の脚片
48aに規制されてハンドル軸42を中心として左回り
に回転し、引外し板44から外れることになる。
【0028】ところで、図5に示した閉極状態におい
て、過負荷状態になりバイメタル61に過大な電流が流
れてバイメタル61が湾曲すれば、引外し板44の第1
押圧片21bがバイメタル61に螺合した調節ねじ62
に押圧され、また、負荷側での短絡などによりコイル5
1に過大な電流が流れて可動鉄芯54が固定鉄芯55に
吸引されると、引外し板44の第2押圧片44cが可動
鉄芯に固着した押圧ピン57に押圧されることになり、
いずれの場合も引外し板44は、図7に示すように、軸
ピン47を中心として右回りに回転することになる。引
外し板44が右回りに回転すれば、ラッチ板46との係
合状態が解除されるのであって、閉極状態ではラッチ板
46は接圧ばね34のばね力を受けてハンドル軸42の
回りに右回りに付勢されているから、ラッチ板46の下
端部が左方向に移動することになる。すなわち、閉極状
態において可動接触子33の回転中心であった接触子リ
ンク48の脚片48bがガイド溝16に沿って左方向に
移動するから、図6に示した開極状態と同様に、接圧ば
ね34のばね力で可動接触子33がストッパ36に押し
付けられ、可動接点32が固定接点31から離れて開極
状態になるのである。すなわち、主電路に過大な電流が
流れると、引外し板44が回転することによってラッチ
板46との係合状態が解除され、ラッチ板46を付勢し
ていた勢力が放出されることによって、いわゆるトリッ
プ動作を行ない、接点部30を開極するのである。
【0029】ところで、従来のグリッド装置72′で
は、例えば図8に示すように、固定側アーク走行板71
にグリッド装置72′の絶縁側板73を直接接触させて
器体10a,10b内に配設するものである。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のよう
に固定側アーク走行板71にグリッド装置72′の絶縁
側板73を直接接触させた構造にあっては、アークが発
生してアーク走行板をアークが走行し、グリッド装置7
2′で分断消弧するときに、アークによる熱で溶融物が
発生してグリッド装置72′の複数の消弧磁性板74間
に付着することがあり、また特にガス滞留部となりやす
い絶縁側板73の角部周辺にすす等が付着することがあ
る。このため、固定側アーク走行板71に近接する消弧
磁性板74と固定側アーク走行板71との間の絶縁が絶
縁側板73の角部に付着したすす等により悪くなり、更
にアーク熱で発生した溶融物によりグリッド装置72′
の複数の消弧磁性板74間及び消弧磁性板74と固定側
アーク走行板71との間に溶融物が詰まって絶縁状態を
悪くするので、回路遮断した後の絶縁状態を確保するこ
とが困難になる。ここで、特にグリッド装置72′にお
いては、可動側アーク走行板52側よりも固定側アーク
走行板71側のアーク侵入が早いため、上記の現象が生
じ易く、固定側アーク走行板71側の絶縁が問題となる
ことが多い。
【0031】本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、アークにより発生
したガスや溶融物等による絶縁破壊を防いで、確実でし
かも安定した絶縁確保が可能な回路遮断器を提供するに
ある。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、ハンドル操作により開閉され異常電流に
応答して強制的に開極駆動される可動接触子33と、こ
の可動接触子33に対向して可動接触子33の先端部に
設けられた接点部30と接離する固定接点31を取着し
た固定接触子39と、この固定接触子39に電気的に接
続されて固定接触子39の先端部より延出した固定側ア
ーク走行板71と、この固定側アーク走行板71に対向
して配設され前記可動接触子33に電気的に接続された
可動側アーク走行板52と、可動側及び固定側アーク走
行板52,71間に介在された複数の消弧磁性板74を
絶縁側板73で間隔δAをあけて保持したグリッド装置
72とを絶縁材料よりなる器体10a,10bに収納し
た回路遮断器において、グリッド装置72の絶縁側板7
3を固定側アーク走行板71に対して空間δBをあけて
配設し、可動側アーク走行板52を絶縁側板73に近接
配置したことに特徴を有している。
【0033】ここで、上記グリッド装置72の絶縁側板
73と固定側アーク走行板71との間に、器体10a,
10bより突設した絶縁材料よりなる突起100を介在
させるのが好ましい。また、グリッド装置72の複数の
消弧磁性板74間の各間隔δA より、固定側アーク走行
板71とこれに近接する消弧磁性板74との間の空間δ
B を広くするのが好ましい。
【0034】
【作用】しかして、本発明によれば、グリッド装置72
の絶縁側板73と固定側アーク走行板71との間に空間
δB を設けたので、過電流によりアークが発生した場
合、アークは接点部30から走行してグリッド装置72
にて分断消弧される。このとき、アークガスは前記グリ
ッド装置72の絶縁側板73と固定側アーク走行板71
との間の空間δB を通して排出されやすくなるため、絶
縁側板73の角部周辺でのガス滞留が減り、またアーク
の熱も前記空間δB を通して排出されやすくなるため、
絶縁側板73と固定側アーク走行板71との間での溶融
物の付着を防止できる。従って、前記空間δB によって
絶縁距離を保てるため、絶縁状態を確実に且つ安定して
確保できるようになる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本実施例の回路遮断器の基本的な構成及び動作は
従来技術で述べた通りであり、詳しい説明は省略する。
回路遮断器の器体10は、合成樹脂のような絶縁材料よ
りなり、この器体10内に、図2に示すように、ハンド
ル41の操作により開閉され異常電流に応答して強制的
に開極駆動される可動接触子33と、この可動接触子3
3に対向して可動接触子33の先端部に設けられた接点
部30と接離する固定接点31を取着した固定接触子3
9と、この固定接触子39に電気的に接続されて固定接
触子39の先端部より延出した固定側アーク走行板71
と、この固定側アーク走行板71に対向して配設され前
記可動接触子33に電気的に接続された可動側アーク走
行板(ヨーク)52と、可動側及び固定側アーク走行板
52,71間に介在された複数の消弧磁性板74を絶縁
側板73で間隔δA をあけて保持したグリッド装置72
とが夫々収納されている。
【0036】このグリッド装置72は、図1に示すよう
に、絶縁材料よりなる略コ字形の絶縁側板73の内側に
導電板よりなる互いに略平行な複数枚の消弧磁性板74
を保持した構成を有し、各消弧磁性板74は可動側アー
ク走行板52及び固定側アーク走行板71と夫々略平行
となるように配設されている。また、グリッド装置72
の絶縁側板73は固定側アーク走行板71に対して空間
δB をあけて配設されている。この空間δB は、アーク
ガスを排出しやすくすると共に、絶縁側板73の角部周
辺でのガス滞留を減らすようにして、絶縁側板73と固
定側アーク走行板71との間での絶縁状態を確保するた
めのものである。また、器体10a,10bからは絶縁
材料より成る突起100が突設され、グリッド装置72
の絶縁側板73と固定側アーク走行板71との間に挿入
されており、突起100と絶縁側板73との間隙、及び
突起100の段差によって絶縁距離をさらに大きく確保
できるようにしてある。そして、固定側アーク走行板7
1とこれに近接する消弧磁性板74との間の空間δ
B は、絶縁確保に最も効果的な空間δB であり、この空
間δB はグリッド装置72の複数の消弧磁性板74間の
各間隔δA (<δB )よりも広く設定されている。
【0037】しかして、可動接点32(図2)が固定接
点31から離れてアークが生じると、端子板21aおよ
び可動接触子33に流れる電流によって周囲に発生する
磁界と、アークに流れる電流とにより生じる電磁力によ
ってアークは図2の下向きに移動し、アークの一端部は
アーク走行板71に乗ってグリッド装置72に近付くよ
うに走行して引き延ばされ、分断消弧されることにな
る。
【0038】このとき、グリッド装置72の絶縁側板7
3は固定側アーク走行板71に対して空間δB をあけて
配設され、この空間δB に絶縁材料より成る突起100
を介在させてあるから、絶縁側板73と突起100との
間隙、及び突起100の段差によって絶縁距離をさらに
大きく確保でき、従って、絶縁確保が容易となる。つま
り、過電流により発生したアークがグリッド装置72に
て分断消弧されるときに、可動側アーク走行板52及び
固定側アーク走行板71間に吸引力が発生し、固定側ア
ーク走行板71がグリッド装置72側に湾曲しようとす
るが、これを突起100により阻止することができる。
しかも、アークにより発生したガスは接点部30から排
気部を通して器体10a,10b外に排出されるが、こ
のとき突起100の表面をガスが抜けていくが、ガス滞
留部となる部分がないために突起100の表面はすす等
の付着が起こり難い。さらにアークによる熱で発生した
溶融物がグリッド装置72側に飛散するが、固定側アー
ク走行板71に近接する消弧磁性板74と固定側アーク
走行板71との空間δB を大きくとっているため、この
空間δB への溶融物の詰まりが発生しない。従って、ア
ークにより発生したガスはグリッド装置72の絶縁側板
73と固定側アーク走行板71との間の空間δB を通し
て排出されやすくなるため、絶縁側板73の角部周辺で
のガス滞留が減り、またアークの熱も前記空間δB を通
して排出されやすくなるため、絶縁側板73と固定側ア
ーク走行板71との間での溶融物の付着を防止できる結
果、前記空間δB によって絶縁距離を保てるため、確実
で且つ安定した絶縁確保が可能となる。この結果、アー
ク消滅後の絶縁は、固定側アーク走行板71に近接する
消弧磁性板74と固定側アーク走行板71との空間δB
及び絶縁材料よりなる突起100の表面により確保する
ことができる。さらに、グリッド装置72の複数の消弧
磁性板74間の各間隔δA を前記空間δB よりも狭くし
て両者間に差を設けることにより、可動側アーク走行板
52と固定側アーク走行板71の間は大きくする必要が
ない。つまりグリッド装置72の複数の消弧磁性板74
間の各間隔δA を固定側アーク走行板71とこれに近接
する消弧磁性板74との間の空間δB と同様に広くする
と、固定側アーク走行板71と可動側アーク走行板52
との間の距離が大きくなり、グリッド装置72が大型化
する。これを防止するためには最も絶縁確保に効果的な
空間δB を大きく取ることが必要である。そこで、グリ
ッド装置72の複数の消弧磁性板74間の各間隔δ
A を、固定側アーク走行板71とこれに近接する消弧磁
性板74との間の空間δB よりも狭くすることで、絶縁
確保に最も効果的な空間δB を大きくとることができ
る。
【0039】尚、可動側アーク走行板(ヨーク)52
は、グリッド装置72の絶縁側板73に近接配置してあ
るが、アーク侵入は可動側アーク走行板52側よりも固
定側アーク走行板71側の方が早いため、アークをグリ
ッド装置72で分断消弧するときに、アークによる熱で
溶融物が発生してグリッド装置72の複数の消弧磁性板
74間に付着したり、或いは絶縁側板73の角部周辺に
すす等が付着したりする現象は固定側アーク走行板71
側で生じ易く、従って、固定側アーク走行板71側での
絶縁を確保することで、かかる現象を効果的に防止する
ことができると共に、固定側アーク走行板71と可動側
アーク走行板52との距離が大きくなるのを防いで、グ
リッド装置72の大型化を防止できるのである。
【0040】
【発明の効果】上述のように、請求項1の発明は、グリ
ッド装置の絶縁側板を固定側アーク走行板に対して空間
をあけて配設したから、過電流によりアークが発生した
場合、アークガスは前記グリッド装置の絶縁側板と固定
側アーク走行板との間の空間を通して排出されやすくな
るため、絶縁側板の角部周辺でのガス滞留が減り、また
アークの熱も前記空間を通して排出されやすくなるた
め、絶縁側板と固定側アーク走行板との間での溶融物の
付着を防止できる結果、前記空間によって絶縁距離を保
てるため、確実で且つ安定した絶縁確保が可能となる。
さらに、可動側アーク走行板を絶縁側板に近接配置した
ので、固定側アーク走行板と可動側アーク走行板との距
離が大きくなるのを防止できる。つまり、可動側アーク
走行板は、グリッド装置の絶縁側板に近接配置してある
が、アーク侵入は可動側アーク走行板側よりも固定側ア
ーク走行板側の方が早いため、アークをグリッド装置で
分断消弧するときに、アークによる熱で溶融物が発生し
てグリッド装置の複数の消弧磁性板間に付着したり、或
いは絶縁側板の角部周辺にすす等が付着したりする現象
は固定側アーク走行板側で生じ易く、従って、固定側ア
ーク走行板側での絶縁を確保することで、かかる現象を
効果的に防止することができると共に、固定側アーク走
行板と可動側アーク走行板との距離が大きくなるのを防
いで、グリッド装置の大型化を防止できるのである。
【0041】また請求項2の発明は、請求項1のグリッ
ド装置の絶縁側板と固定側アーク走行板との間に、器体
より突設した絶縁材料よりなる突起を介在させたから、
請求項1記載の効果に加えて、絶縁側板と突起との間
隙、及び突起の段差によって絶縁距離をさらに大きく確
保でき、従って、絶縁確保が容易となる。また請求項3
の発明は、請求項1のグリッド装置の複数の消弧磁性板
間の各間隔より、固定側アーク走行板とこれに近接する
消弧磁性板との間の空間の距離を広くしたから、請求項
1記載の効果に加えて、アーク侵入の早い固定側アーク
走行板側とこれに近接する消弧磁性板との間の溶融物の
詰まりを少なくでき、より確実で安定した絶縁確保が可
能となる。しかも、グリッド装置の複数の消弧磁性板間
の各間隔を、固定側アーク走行板とこれに近接する消弧
磁性板との間の空間よりも狭くすることで、グリッド装
置の大型化を防止しながら、絶縁確保に最も効果的な空
間を大きくとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のグリッド装置の要部断面図
である。
【図2】同上のカバーを外した状態の回路遮断器の分解
斜視図である。
【図3】同上の回路遮断器の分解斜視図である。
【図4】同上の回路遮断器の外観斜視図である。
【図5】同上の回路遮断器の閉極状態の断面図である。
【図6】同上の回路遮断器の開極状態の断面図である。
【図7】同上のトリップ状態の断面図である。
【図8】従来のグリッド装置の要部断面図である。
【符号の説明】
10a,10b 器体 30 接点部 33 可動接触子 39 固定接触子 52 可動側アーク走行板 71 固定側アーク走行板 72 グリッド装置 74 消弧磁性板 100 突起 δA 間隔 δB 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 洋一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 実開 昭54−12956(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 73/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドル操作により開閉され異常電流に
    応答して強制的に開極駆動される可動接触子と、この可
    動接触子に対向して可動接触子の先端部に設けられた接
    点部と接離する固定接点を取着した固定接触子と、この
    固定接触子に電気的に接続されて固定接触子の先端部よ
    り延出した固定側アーク走行板と、この固定側アーク走
    行板に対向して配設され前記可動接触子に電気的に接続
    された可動側アーク走行板と、可動側及び固定側アーク
    走行板間に介在された複数の消弧磁性板を絶縁側板で間
    隔をあけて保持したグリッド装置とを絶縁材料よりなる
    器体に収納した回路遮断器において、グリッド装置の絶
    縁側板を固定側アーク走行板に対して空間をあけて配設
    、可動側アーク走行板を絶縁側板に近接配置したこと
    を特徴とする回路遮断器。
  2. 【請求項2】 グリッド装置の絶縁側板と固定側アーク
    走行板との間に、器体より突設した絶縁材料よりなる突
    起を介在させたことを特徴とする請求項1記載の回路遮
    断器。
  3. 【請求項3】 グリッド装置の複数の消弧磁性板間の各
    間隔より、固定側アーク走行板とこれに近接する消弧磁
    性板との間の空間を広くしたことを特徴とする請求項1
    記載の回路遮断器。
JP16081795A 1995-06-27 1995-06-27 回路遮断器 Expired - Lifetime JP3261282B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16081795A JP3261282B2 (ja) 1995-06-27 1995-06-27 回路遮断器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16081795A JP3261282B2 (ja) 1995-06-27 1995-06-27 回路遮断器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0917315A JPH0917315A (ja) 1997-01-17
JP3261282B2 true JP3261282B2 (ja) 2002-02-25

Family

ID=15723070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16081795A Expired - Lifetime JP3261282B2 (ja) 1995-06-27 1995-06-27 回路遮断器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3261282B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1298002C (zh) * 2004-02-06 2007-01-31 西安交通大学 一种带产气绝缘夹层的栅片灭弧室
JP5631265B2 (ja) * 2011-05-31 2014-11-26 三菱電機株式会社 回路遮断器及びその熱動引外し装置
CN104526277B (zh) * 2014-12-05 2016-09-21 江苏威鹰机械有限公司 新能源汽车电控系统具有大尺寸接触平面的接线端制造工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0917315A (ja) 1997-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01311528A (ja) リモートコントロール式回路しゃ断器
JP4466209B2 (ja) 回路遮断器
JP3216776B2 (ja) 回路遮断器
KR910002968B1 (ko) 회로차단기
JP3210820B2 (ja) 漏電遮断器
JP3261282B2 (ja) 回路遮断器
JP4696841B2 (ja) 回路遮断器
US6259342B1 (en) Circuit interrupter with improved welded contact interlock
GB2286486A (en) Circuit breaker
JP3261283B2 (ja) 回路遮断器
JP2972075B2 (ja) 回路遮断器
JP3619259B2 (ja) 回路遮断器
JP2992448B2 (ja) 漏電遮断器
JP3069501B2 (ja) 回路遮断器
JP3017645B2 (ja) 漏電遮断器
JP3024915B2 (ja) 回路遮断器
JP3210819B2 (ja) 漏電遮断器
KR200163025Y1 (ko) 전자접촉기의 아크 소호 구조
JP2686193B2 (ja) 回路遮断器
JP2005259434A (ja) 回路遮断器
JPH081551Y2 (ja) 回路しゃ断器の消弧装置
JP3252661B2 (ja) 回路しゃ断器
KR102527008B1 (ko) 배선용 차단기의 트립 어셈블리
US7202437B1 (en) Electrical switching apparatus including operating mechanism having insulating portion
JP4090659B2 (ja) 回路遮断器

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081214

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081214

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131214

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term