JP3583312B2 - コーヒー飲料の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コーヒー飲料の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のコーヒー飲料の製造においては、焙煎したコーヒー豆を開放系すなわち空気雰囲気下で粉砕した後、これを0℃〜100℃の水で抽出し、得られた抽出液に甘味料、乳成分、乳化剤、pH調整剤などを加えて調合し、均質化させ、その後充填殺菌して製品とするのが一般的であった。
【0003】
ところで、焙煎したコーヒー豆の内部にはコーヒー豆の香味成分が含有されており、上述のように焙煎したコーヒー豆を空気雰囲気下で粉砕すると、粉砕時にコーヒー豆の香味成分が空気中に揮散し、同時にコーヒー豆自体も酸化するという問題があった。
【0004】
かかる問題点に対して、特公昭61−21055号記載の発明は、焙煎したコーヒー豆を水とともに摩砕して粒子の大きさ10〜50ミクロンのペーストとし、これを凍結せしめ、その後解凍し、これに水を加えてろ過してコーヒー飲料を得る製造方法を開示している。この製法によれば、コーヒー豆の内部組織中に生成したコーヒーフレーバー成分を摩砕時に空気中に揮散させず、全てを水溶液中に溶かし込んで保留させることができる。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特公昭61−21055号に開示された方法では、コーヒーフレーバー成分を効率よく収集することができる反面、コーヒー飲料としては渋味が強く出すぎるほか、コーヒー豆の油分が過剰に溶出するため却って香味が低下する傾向があることを本発明者らは見い出した。
【0006】
そこで本発明は、コーヒー豆の粉砕工程及び抽出工程に新たな工夫を加えることにより、粉砕時にコーヒー豆の香味成分を空気中に揮散させることなく効率よく収集することができ、しかも渋味やコーヒー豆の油分を過剰に溶出させず、それでいて風味豊かなコーヒー飲料を得ることができるコーヒー飲料の製造方法及び製造装置を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題解決のため、本発明は、焙煎したコーヒー豆を、液体中で若しくは液体とともに、8〜20メッシュのものが70重量%以上含まれ、32メッシュ以下のもの(すなわち32メッシュの篩よりも細かい篩で篩分けられるもの)が10重量%以下含まれるように粉砕し、凍結させることなく粉砕後連続して、前記液体を用いて粉砕コーヒー豆を抽出することとした。
コーヒー豆の粉砕程度を一定範囲に特定し、かつ粉砕時にコーヒー豆を包囲していた液体を用いて抽出することにより、渋味及び油分を過剰に溶出させず、しかも焙煎したコーヒー豆が含有する香味成分を空気中に逃がさないように効率良く飲料に取り込むことができる。これに対し、32メッシュ以下のものが多く含まれる程度にまで摩砕すると、コーヒーの香り成分は効率よく収集することができる反面、抽出時に詰まりを発生するおそれがあるばかりか、渋味や油分が過剰に溶出し却ってコーヒー飲料の香味が低下する傾向がある。
【0008】
なお、上記の「液体中で焙煎したコーヒー豆を粉砕する」とは、粉砕機を液体中に設置してコーヒー豆を液体中で粉砕する場合のほか、粉砕機の粉砕室のみを液体で満たして液体中で粉砕を行なうなど、少なくとも粉砕の瞬間時に液体が完全にコーヒー豆を包む状態で粉砕することを意味する。また「液体とともにコーヒー豆を粉砕する」とは、コーヒー豆とともに液体を粉砕機に導入して液体との混合状態でコーヒー豆を粉砕する場合のほか、粉砕機の粉砕室内に水を散布(シャワー)して液体との混合状態でコーヒー豆を粉砕する場合や、粉砕室内に霧を発生させ、その中でコーヒー豆を粉砕する場合など、少なくとも粉砕の瞬間時に完全に包む状態ではないが液体がコーヒー豆の周囲に存在する状態で粉砕することを意味する。
また、「前記液体を用いて粉砕コーヒー豆を抽出する」とは、粉砕時にコーヒー豆を包んでいた或いは周囲に存在していた液体を使用して抽出をするという意味であり、抽出液の全てがそのような液体である場合のほか、抽出液の一部がそのような液体である場合も包含する意である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
上述のように、本発明のコーヒー飲料の製造方法は、液体中で若しくは液体とともに焙煎したコーヒー豆を、8〜20メッシュのものが70重量%以上含まれ、32メッシュ以下のものが10重量%以下含まれるように粉砕し、前記液体を用いて粉砕コーヒー豆を抽出することを特徴とする。
【0011】
本発明において、「コーヒー豆」の種類は特に限定するものではなく、複数の種類の豆をブレンドしたものであっても勿論かまわない。また、コーヒー豆の焙煎の程度、時間及び温度、その他の風味に影響する焙煎条件も特に限定するものではなく、必要に応じて適宜選定すればよい。ただし、焙煎によって生じた香気成分及び味成分が十分に残っている新鮮な豆を使用するのが好ましい。
【0012】
粉砕工程で使用する「液体」としては、水乃至純水、水乃至純水にアルコール等の溶媒を加えた水溶液、或いは牛乳などを挙げることができ、できれば「脱気処理した液体」例えば溶存酸素濃度が3.0ppm以下、好ましくは1.0ppm以下の液体を使用するのが好ましい。上述のように焙煎したコーヒー豆の内部にはコーヒー豆の香味成分が含有されているため、脱気処理して水の気体溶解量を高めることにより、より多くの香味成分を液体中に溶け込ませることができ、コーヒー飲料の風味を顕著に高めることができる。これは、脱気処理水が気体を除いた状態であるため、香味成分がより溶け込みやすくなっているためと思われる。
なお、液体の脱気処理は、真空脱気法などの処理によって酸素や塩素等の気体を除去することにより行なうことができ、水の場合には自然水の硬水を飲料に合うように軟水化する特定な処理をし、必要に応じて様々な追加処理してから脱気処理するようにしてもよい。
【0013】
上記「液体」の温度は特に限定するものではないが、液体の温度を低くすれば水の気体溶解量を高めることができ、コーヒー豆が含有する香味成分をより一層効率良く取り込むことができる。特に0〜45℃、中でも0〜30℃の冷水を使用するのが好ましい。45℃を越える水温では溶け込まないが、45℃以下の水温ならば気体溶解量が高く、香味成分をより効果的に溶け込ませることができる。溶け込む成分中にコーヒー飲料の風味を特に左右する成分があるものと推測され、これによりコーヒー飲料の風味を顕著に高めることができる。また、冷水の場合には熱による香味成分の揮散・変質を避けることもできる。
冷水の場合には酸素も溶解しやすいので、香味成分の酸化による変質を防止するため、冷水を用いる場合こそ脱気処理水を用いることが重要であると言える。
【0014】
粉砕時に使用する「液体」の量は、「コーヒー豆」に対して重量比で0.5〜16倍量、好ましくは1〜8倍量を使用するのが好ましい。
なお、上記「液体」に有益な添加物、例えば、酸化防止剤を添加して液体及び溶解物を酸化されにくくすることもできるし、耐熱性及び安定性が高く、品質の向上と保持に効果的な油溶性香気成分を得る目的で乳化剤を添加することもできる。添加物を加える場合、不揮発性添加物を添加してから脱気しても、水を脱気してから添加してもよい。
【0015】
「コーヒー豆の粉砕工程」は、不活性ガス雰囲気下で行なうのが好ましい。コーヒー豆乃至粉砕に用いる液体の酸化を防ぐことにより、風味成分の劣化を防ぐことができる。この場合、粉砕工程を不活性ガス雰囲気とする手段としては、粉砕機自体を不活性ガス雰囲気中に設置する手段、コーヒー豆乃至液体供給経路を不活性ガス置換する手段、或いは粉砕機の粉砕室を不活性ガス置換する手段などが考えられる。
【0016】
「粉砕装置」としては、抽出に適性な粒径に均一な粒度分布をもって粉砕でき、しかも液体中で若しくは液体とともにコーヒー豆を粉砕し得るものであれば特に種類を限定するものではない。詳しくは、下記に説明するが、ここで、液体中でコーヒー豆を粉砕するための粉砕装置を例示するならば、水が漏れないようにシールしてなる粉砕装置の粉砕室にコーヒー豆供給経路及び液体供給経路を連通すると共に、前記粉砕室に少なくとも一部が前記粉砕室より上方に位置するようにしてなる「コーヒー豆及び水送出管」を連結し、この「コーヒー豆及び水送出管」の端部を抽出装置の上方に開口させてなる構成を有し、液体で満たされた粉砕室内でコーヒー豆の粉砕を行い、この粉砕したコーヒー豆と前記液体とを抽出装置に送るようにしてなる粉砕装置を挙げることができる。
【0017】
また、液体とともにコーヒー豆を粉砕するための粉砕装置としては、例えば水が漏れないようにシールしてなる粉砕装置の粉砕室にコーヒー豆供給経路及び液体供給経路を連通すると共に、前記粉砕室の下側にコーヒー豆を自然落下させ得るように、例えば直線的に下り傾斜させて形成してなる「コーヒー豆及び水送出管」を連結し、この「コーヒー豆及び水送出管」の端部を抽出装置の上方に開口させてなる構成を有し、粉砕室内で液体とともにコーヒー豆の粉砕を行い、この粉砕したコーヒー豆と前記液体とを抽出装置に送るようにしてなる粉砕装置や、容器内に円環状の水平回転カッターを配設し、この水平回転カッター上にシャワー口とコーヒー豆供給口とを配設し、好ましくは容器の壁面に窒素ガス供給口と内部空気排出口とを配設してなる粉砕装置などを挙げることができる。
なお、ハンマークラッシャーは均一にコーヒー豆を挽くことができず、微粉の発生も多いため、抽出工程において詰まりが生じたり、味が低下したりするなどの問題を生じるおそれがある。
【0018】
「コーヒー豆の抽出」は、粉砕時に使用した液体、すなわち粉砕時にコーヒー豆を包むか、或いは周囲に存在していた液体を使用して抽出をする。この場合、上述のように粉砕時にコーヒー豆を包むか、或いは周囲に存在していた液体のみで抽出するほか、この液体に新たな液体を加えて抽出するようにしてもよい。また、前記液体を通常の抽出水として使用する場合のほか、抽出ミストなど様々な形態で使用することができ、飲料の種類や目的により適宜選択すればよい。
抽出方法としては、ドリップ式、サイフォン式、エスプレッソ式など任意方法を採用することができるが、粉砕程度に対応したドリップ式抽出を採用するのが好ましい。
【0019】
本発明の粉砕、抽出によって得られた抽出液は、この抽出液のみ或いはこの抽出液に従来の粉砕乃至抽出法(焙煎コーヒー豆を空気中で粉砕し、粉砕豆を液体で抽出する方法)によって得られた液を混合して、現在行なわれている通常の方法によりコーヒー飲料とすればよい。例えば、抽出液を貯留タンク及び濾過器を介して調合タンクに送り、ここで甘味料、乳成分、乳化剤、pH調整剤等を添加・均質化するなど適宜調合を行った後、必要に応じて水等を配合して希釈化し、次いでこれを加熱器で加熱した後ヘッドタンクを介して充填機に送り、充填機において缶容器に飲料を充填し、巻締・殺菌するなどすればよい。この場合、抽出後の「飲料の製造ライン」は、製造段階での酸化を防ぎ、かかる飲料中の溶存酸素濃度を低下させるために不活性ガス雰囲気とするのが好ましいが、特開昭51−57863号公報や特開平6−141776号公報などの発明のように「抽出工程から容器密封までの全工程を不活性ガス雰囲気下にする」ことは、製造設備投資やランニングコストがかさむばかりか、気密性のある工場内では酸欠による人身の危険も存在するおそれもあるから、必要な部分のみを不活性ガス雰囲気とするのが好ましい。
【0020】
次に、本発明のコーヒー飲料の製造方法を実施するのに適した製造装置、特にコーヒー豆の粉砕装置及び抽出装置について好適な例を説明する。
【0021】
図1に示した粉砕装置1は、液体中でコーヒー豆を粉砕するための粉砕装置であり、オイルが溶出することがないようにコーヒーミル2の稼働部をシールすると共に、水が漏れないようにコーヒーミル2の粉砕室3をシールし、当該粉砕室3の上面にコーヒー豆供給管4を連通すると共に、このコーヒー豆供給管4の中間部に水供給管5を連通し、コーヒー豆と共に水を粉砕室内に供給できるようにしてある。水供給管5の中間部にポンプ6aを配設してある。粉砕室3の下面にはコーヒー豆及び水送出管7を連通すると共に、このコーヒー豆及び水送出管7の中間部を上方に湾曲させて少なくともコーヒー豆及び水送出管7の一部が前記粉砕室3より上方に位置するように配管し、その端部をドリップ式抽出装置15の上方に開口させてある。このようにコーヒー豆及び水送出管7の少なくとも一部を粉砕室3より上方に位置させるように配管することにより、粉砕室3の内部が稼働中常に水で満たされた状態とすることができる。また、当該コーヒー豆及び水送出管7の中間部にはポンプ6b及び流量計8を配設し、出口部分には流量調整バルブ9を配設し、コーヒー豆及び水の流量を調整することができしかも円滑に送り出すことができるようにしてある。
【0022】
粉砕室3の内部には、図2に示すように、円環状の歯を有する固定カッター11と回転カッター12とを所定のクリアランス13をもって配設し、粉砕室3の内部が水で満たされた状態であっても回転カッター12の回転によりクリアランス13内でコーヒー豆を所定の粒度に粉砕することができる。
【0023】
他方、図3に示した粉砕装置20は、液体とともにコーヒー豆を粉砕するための粉砕装置であり、上記粉砕装置1におけるコーヒー豆及び水送出管7の代わりに、粉砕室3の下面にコーヒー豆を自然落下させ得るように直線的に下り傾斜させてなるコーヒー豆及び水送出管21を連通し、このコーヒー豆及び水送出管21の端部をドリップ式抽出装置15の上方に開口させ、その他は粉砕装置1と同様に構成してある。
このように粉砕室3の下面に直線的に下り傾斜したコーヒー豆及び水送出管21を連通させた場合には、粉砕室3の内部が常に水で満たされる状態とはならないが、少なくとも粉砕時にコーヒー豆の周囲に水が存在する状態を確保することができ、しかも粉砕コーヒー豆及び水をより円滑にドリップ式抽出装置15まで送ることができる。
【0024】
なお、粉砕装置20においては、粉砕室3乃至コーヒー豆供給管4に不活性ガス供給口を配設し、粉砕室3内を不活性ガス雰囲気とすることができるように構成するのが好ましい。
【0025】
以下、実施例により得られたコーヒー飲料と比較例により得られたコーヒー飲料とを官能検査によって比較し、実施例の効果を検討した。
【0026】
(実施例1)
本実施例では、コロンビア種のコーヒー豆をコーヒーロースターで225℃〜250℃で25分間熱風焙煎し、得られた焙煎コーヒー豆1部に対し、図1に示すように、水5部の割合で連続的に粉砕装置1の粉砕室3に投入し、完全に水で満たされた粉砕室3内において、8〜200メッシュ(8〜20メッシュのものが70重量%以上、32メッシュ以下のものが10重量%以下)の範囲に粉砕し、粉砕コーヒー豆と水とをコーヒー豆及び水送出管7を通じてドリップ式抽出装置15に送り、このドリップ式抽出装置15において原料豆に対して7倍量(重量)の20℃のイオン交換水を加水してドリップ抽出し、10倍量の抽出液を得た。
そして、得られた10倍量の抽出液にpH調整剤を加えコーヒー豆に対して20倍に加水して調合液とし、この調合液を加熱した後、缶に充填巻き締め及びレトルト殺菌してコーヒー飲料とした。
【0027】
(実施例2)
コロンビア種のコーヒー豆をコーヒーロースターで225℃〜250℃で25分間熱風焙煎し、得られた焙煎コーヒー豆1部に対し、図3に示すように、水5部の割合で連続的に粉砕装置20の粉砕室3に投入し、粉砕室3内において、8〜200メッシュ(8〜20メッシュのものが70重量%以上、32メッシュ以下のものが10重量%以下)の範囲に粉砕し、粉砕コーヒー豆と水とをコーヒー豆及び水送出管21を通じてドリップ式抽出装置15に送った。この際、入口の流量を調整し出口側の流量は調整せず自然落下で粉砕した。
ドリップ式抽出装置15においては、上記実施例1と同様に、原料豆に対して7倍量(重量)の20℃のイオン交換水を加水してドリップ抽出し、10倍量の抽出液を得、得られた10倍量の抽出液にpH調整剤を加えコーヒー豆に対して20倍に加水して調合液とし、この調合液を加熱した後、缶に充填巻き締め及びレトルト殺菌してコーヒー飲料とした。
【0028】
(実施例3)
上記実施例1で使用したイオン交換水の代わりに脱気処理水(溶存酸素濃度1.0ppm,20℃)を使用し、その他の点は実施例1と同様に粉砕、抽出、調合、充填及び殺菌を行なってコーヒー飲料を得た。
【0029】
(実施例4)
粉砕装置20の粉砕室3に窒素ガスをフローし、窒素ガス置換した粉砕室3内でコーヒー豆を粉砕し、その他の点は実施例2と同様に粉砕、抽出、調合、充填及び殺菌を行なってコーヒー飲料を得た。
【0030】
(比較例1)
コロンビア種のコーヒー豆をコーヒーロースターで225℃〜250℃で25分間熱風焙煎し、得られた焙煎コーヒー豆10kgを、一般的なコーヒーミルにて8〜200メッシュ(8〜20メッシュのものが70重量%以上、32メッシュ以下のものが10重量%以下)の範囲に粉砕し、この粉砕コーヒー豆をドリップ式抽出装置15において原料豆に対して12倍量(重量)の20℃のイオン交換水でドリップ抽出し、104kgの抽出液を得、得られた抽出液を実施例と同様に調合、充填及び殺菌を行なってコーヒー飲料を得た。
【0031】
(比較例2)
粉砕時及びドリップ式抽出時におけるイオン交換水の水温を55℃とし、ほかは実施例2と同様に粉砕、抽出、調合、充填及び殺菌を行なってコーヒー飲料を得た。
【0032】
(比較例3)
粉砕時及びドリップ式抽出時におけるイオン交換水の水温を90℃とし、ほかは実施例2と同様に粉砕、抽出、調合、充填及び殺菌を行なってコーヒー飲料を得た。
【0033】
(官能検査1)
上記実施例1〜4及び比較例1により得られた缶入りコーヒー飲料のそれぞれについて次の要領で官能検査を行なった。
22名の専門パネラーが試飲し、香り及び味についてそれぞれ5段階の点数評価を行なった。評価の基準は、5点(特に優れている)、4点(優れている)、3点(普通)、2点(劣っている)、1点(特に劣っている)とし、その各点数における指示人数及び代表的なコメントを下記表1に示した。
【0034】
【表1】
Figure 0003583312
【0035】
この表1より、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4により得られた飲料は、比較例により得られた飲料と比較すると、香り、味ともに危険率1%で有意であり、好ましい芳香が強く、しかも好ましい苦みが効いていることが分かった。また、実施例3により得られた飲料は、実施例1により得られた飲料と比較して、香り、味ともに危険率5%で有意であり、特に好ましい芳香が強かった。さらに、実施例4により得られた飲料は、実施例2により得られた飲料と比較して香り、味ともに危険率5%で有意であった。
【0036】
(官能検査2)
実施例2、比較例2及び3により得られた缶入りコーヒー飲料のそれぞれについて次の要領で官能検査を行なった。
39名の専門パネラーが試飲し、5段階の点数評価を行なった。評価の基準は、5点(特に優れている)、4点(優れている)、3点(普通)、2点(劣っている)、1点(特に劣っている)とし、その各点数における指示人数及び代表的なコメントを下記表2に示した。
【0037】
【表2】
Figure 0003583312
【0038】
この表2より、実施例2により得られた飲料は、比較例2及び3により得られた飲料と比較して、危険率5%で有意であり、好ましい芳香及び好ましい苦みが強く、しかも雑味、エグ味がなくすっきりとした味わいであることが分かった。また。比較例2と3を比較したところ、危険率5%で有意ではなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコーヒー飲料の製造装置の一例の概略を示した側面図である。
【図2】図1の製造装置の粉砕室の構造の要部を示した側面図である。
【図3】図1とは異なる製造装置の他例の概略を示した側面図である。
【符号の説明】
1 粉砕装置
2 コーヒーミル
3 粉砕室
4 コーヒー豆供給管
5 水供給管
6 ポンプ
7 コーヒー豆及び水送出管
8 流量計
9 流量調整バルブ
11 固定カッター
12 回転カッター
13 クリアランス
15 ドリップ式抽出装置
20 粉砕装置
21 コーヒー豆及び水送出管

Claims (5)

  1. 焙煎したコーヒー豆を、液体中で若しくは液体とともに、8〜20メッシュのものが70重量%以上含まれ、32メッシュ以下のものが10重量%以下含まれるように粉砕し、凍結させることなく粉砕後連続して、前記液体を用いて粉砕コーヒー豆を抽出することを特徴とするコーヒー飲料の製造方法。
  2. 上記液体として脱気処理した液体を用いることを特徴とする請求項1に記載のコーヒー飲料の製造方法。
  3. 不活性ガス雰囲気下で焙煎したコーヒー豆の粉砕を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載のコーヒー飲料の製造方法。
  4. 水が漏れないようにシールしてなる粉砕装置の粉砕室にコーヒー豆供給経路及び液体供給経路を連通すると共に、前記粉砕室に少なくとも一部が前記粉砕室より上方に位置するようにしてなる「コーヒー豆及び水送出管」を連結し、この「コーヒー豆及び水送出管」の端部を抽出装置の上方に開口させてなる構成を有し、液体で満たされた粉砕室内でコーヒー豆の粉砕を行い、この粉砕したコーヒー豆と前記液体とを抽出装置に送るようにしてなるコーヒー飲料の製造装置。
  5. 水が漏れないようにシールしてなる粉砕装置の粉砕室にコーヒー豆供給経路及び液体供給経路を連通すると共に、前記粉砕室の下側にコーヒー豆を自然落下させ得るように形成してなる「コーヒー豆及び水送出管」を連結し、この「コーヒー豆及び水送出管」の端部を抽出装置の上方に開口させてなる構成を有し、粉砕室内で液体とともにコーヒー豆の粉砕を行い、この粉砕したコーヒー豆と前記液体とを抽出装置に送るようにしてなるコーヒー飲料の製造装置。
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