JP3619448B2 - 飲料抽出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料抽出装置に関し、詳しくは、コーヒーや緑茶などの飲料抽出装置に関し、より詳しくは、抽出効率を上昇させて短時間で抽出可能とし、コーヒー、紅茶、緑茶などの抽出原料から生じる渋味や雑味などの抽出を抑制することにより、香りが良くて程よい苦味を有する飲料を得ることができる飲料抽出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コーヒーの抽出方法としては、ドリップ法、サイフォン法、エスプレッソ法、ウォータードリップ法などがあり、工業的に大量に抽出する場合においてもほぼ同様の方法が用いられている。
【0003】
コーヒーを抽出するには従来から熱水が広く用いられている。これは熱水の利用により、コーヒー豆の内部に存在する炭酸ガスを追い出して、コーヒー豆内部にまで早く熱水が浸透し、短時間のうちに有効成分を抽出できるからである。
【0004】
熱水による抽出は、直ちに飲用する場合は問題がない。しかしながら、製品として市場に流通する場合には、香気成分の変質や揮散を生じたり、熱と酸素との存在により酸化を生じるという問題がある。すなわち、コーヒーを工業的に大量に抽出する目的で、ドリップまたはサイフォン式を応用した大型抽出機を用いる場合、一般に熱湯または温水で抽出されるが、家庭などで小量を抽出する場合に比べ、熱湯や温水と豆(粉砕物)が接触する時間が長く、また抽出された液が高温に保持される為、味や香りが悪くなる傾向にある。
【0005】
これに対しダッチコーヒーの名で知られるように、従来から冷水抽出の技術が存在している。この冷水抽出では香気成分の変質はほとんど問題にならない。しかしながら、冷水が豆内部に浸透するのに時間が掛かり効率的な抽出ができないため、工業的な抽出法としては必ずしも望ましくない。
【0006】
このように消費者のニーズに応え、入れたてのコーヒーにより近づけるため、コーヒー豆の香り成分をいかに逃がさずに抽出し、しかもそれを工業的に大量に生産することが切望されている。
【0007】
一方、ここ数年ドリンク市場の拡大はめざましく、コーヒーのみならず、緑茶、ウーロン茶、麦茶など、嗜好の多様化を反映して商品も多彩になっている。紅茶の抽出方式としては、紅茶の豊かな風味をとらえるのに熱水によるドリップ式抽出などが行なわれており、また、緑茶、ウーロン茶、麦茶の抽出方式としては、香ばしい香りと味を引き出すのに熱水による浸漬式抽出などが行なわれている。
【0008】
しかしながら、上述した、紅茶、緑茶、ウーロン茶、麦茶などの抽出においても、熱湯と原料粉砕物とが接触する時間が長く、また抽出された液が高温に保持される為、味や香りにおいて改良すべき余地があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題を解決するためのものであり、豆の内部に含まれる香気を十分に抽出し、味が良くて高品質のコーヒーを工業的に大量生産できるとともに、紅茶、緑茶、ウーロン茶、麦茶などの抽出においても味が良くて高品質の飲料を大量生産することができる飲料抽出装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る飲料抽出装置は、原料を処理液で抽出することにより抽出液を製造できる抽出室と、前記抽出室の下面開口部を覆うフィルタと、前記フィルタの下方に位置して抽出された抽出液を一時的に貯留する濾過液受けと、抽出室の上面開口部を封止する上蓋と、前記抽出室に処理液を注入することができる注入部と、抽出された抽出液を前記濾過液受けから排出することができる排出部とを有する飲料抽出装置において、前記飲料抽出装置は、前記処理液の流量を制御することで前記抽出室内の処理液の体積を調整して、前記抽出室内を高圧力に維持することができる圧力制御部を有する飲料抽出装置である。
【0011】
また、本発明に係る飲料抽出装置は、前記圧力制御部は、前記抽出室内の圧力を0.2〜0.5MPaに制御することができる飲料抽出装置である。
【0012】
また、本発明に係る飲料抽出装置は、前記圧力制御部が、原料を処理液で抽出する抽出工程において、前記フィルタの上に載置された原料の層である原料層の上方部と下方部との圧力差を0.1〜0.3MPaに制御することができる。
さらに、前記圧力制御部は、前記処理液の流量と温度を調整し、かつ窒素ガスを抽出室内に充填させ、または前記抽出室内に存在するガスを外部へ放出することで前記抽出室内の圧力を制御することを特徴とする。
【0013】
〔作用〕
抽出室内に処理液を注入して、フィルタ上に載置された原料を抽出することができる。原料に処理液が注がれることにより、抽出された抽出液はフィルタを通して一時的に濾過液受けに貯留される。濾過液受けに貯留された抽出液は排出部から排出させることができる。本発明に係る飲料抽出装置においては、原料を処理液で抽出する抽出工程において、抽出室内を高圧力下に保つことにより、原料の抽出を比較的短時間で行なうことができる。原料の抽出を比較的短時間で行なうことができるから、抽出工程においてえぐみなどの成分を十分に抑制することができるのである。また、本発明に係る飲料抽出装置は、抽出工程において、抽出室内を高圧力下に保つことにより、処理液を原料中心部にまで十分に浸透させることができる。処理液を原料中心部にまで十分に浸透させることができるから、原料に含まれる成分を十分に抽出させることができるのである。
【0014】
本発明に係る飲料抽出装置は、原料の抽出を行なう抽出工程において、圧力制御部にて抽出室内の圧力を0.2〜0.5MPaに制御することができる。抽出室内の圧力を0.2〜0.5MPaに制御することにより、原料の抽出に要する抽出時間を短時間にすることができるとともに、処理液を原料に十分に浸透させることができる。
【0015】
本発明に係る飲料抽出装置は、原料の抽出を行なう抽出工程において、圧力制御部にて、フィルタの上に載置された原料の層である原料層の上方部と下方部との圧力差を0.1〜0.3MPaに制御することができる。原料層の上方部と下方部との圧力差を0.1〜0.3MPaに制御することによっても、原料の抽出に要する抽出時間を短時間にすることができるとともに、処理液を原料に十分に浸透させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(本発明に係る飲料抽出装置の概略)
本発明に係る飲料抽出装置の全体は図1に示されている。なお、本実施形態においては処理液としては湯を用いる。ここで、湯とは60〜150℃のお湯を意味するものとするが、本発明に係る飲料抽出装置に用いることができる湯の温度範囲は、この温度範囲に限定されるものではない。配管P1から導入された水は、ポンプ200を経由して配管P2を経由してプレート式熱交換器300に流入する。プレート式熱交換器300には、配管P3から高温のスチームが流入しており、高温のスチームは、プレート式熱交換器300で配管P2から流入した水と熱交換した後にドレンとなって配管P4から排出される。配管P2から流入してプレート式熱交換器300で熱交換した湯は、配管P5を経由して注入部107に導かれる。
【0017】
配管P2の途中には開閉度合いを調整することができるバルブV2が設けられている。また、バルブV2とプレート式熱交換器300との間には、配管P2を通過する水の流量を測定することができる流量センサーS1が設けられている。そして、バルブV2と流量センサーS1との間には、それらを信号で連絡する流量コントロール部FICが設けられている。たとえば、流量センサーS1で配管P2内の水の流量が大きいと測定される場合にあっては、流量コントロール部FICにてバルブV2の開度を減少するように指令を出すことができる。また、流量センサーS1で配管P2内の水の流量が小さいと測定される場合にあっては、流量コントロール部FICにてバルブV2の開度を増大するように指令を出すことができる。
【0018】
配管P5の途中には温度センサーS2が設けられており、配管P5内を流れる湯の温度を検知することができる。また、配管P3の途中には、開閉度合いを調整することができるバルブV3が設けられている。そして、バルブV3と温度センサーS2との間には、それらを信号で連絡する温度コントロール部TICが設けられている。たとえば、温度センサーS2で配管P2内の湯温が高いと測定される場合にあっては、温度コントロール部TICにてバルブV3の開度を減少するように指令を出すことができる。また、温度センサーS2で配管P5内を流れる湯温が低いと測定される場合にあっては、温度コントロール部TICにてバルブV3の開度を増大するように指令を出すことができる。
【0019】
配管P5からは湯が注入部107から抽出室101へ注入される。抽出室101の上面開口部118には上蓋119が設けられており、上蓋119には投入口103が設けられている。抽出室101の下面開口部117にはフィルタ106が設けられており、このフィルタ106の下方には濾過液受け116が設けられている。なお、濾過液受け116は抽出室101の下蓋としての役割を有する。フィルタ106上には粉砕されたコーヒー豆(以下、コーヒー豆と略する。)が載置されており、注入部107から注入された湯によって、コーヒー豆の原料に含まれる成分が抽出されて抽出液ができあがる。抽出液は、濾過液受け116の下流に設けられた排出部108から排出され、配管P8を経由してポンプ400に導かれる。抽出液は、ポンプ400から配管P9を経由してプレート式熱交換器500に導かれる。プレート式熱交換器500には、配管P11から冷却水が導かれており、配管P9から導かれた抽出液と熱交換した後、配管P12から排出される。また、冷却水と熱交換をすることで冷却された抽出液は、配管P10を通過して図示されていない抽出液タンクに導かれる。抽出した抽出液をプレート式熱交換器500を用いて急冷することで、コーヒー豆に含有される揮発性フレーバーも効率良く回収することができるのである。
【0020】
上蓋119の上方には窒素ガス充填部115が設けられている。窒素ガス充填部115には図示されていない窒素ガスタンクより抽出室101内に窒素ガスを充填することができる。抽出室101内に窒素ガスを充填することにより、抽出室101内の圧力を上昇させることができるのである。また、上蓋119の上方には抽出室101内のガスを排気することができる排気部122が設けられており、排気部122からは配管P6が設けられ外部へ抽出室101内のガスを排気することができる。配管P6の途中にはバルブV1が設けられており、開閉を調節することができる。バルブV1と排気部122との間には圧力センサーS3が設けられており、圧力センサーS3は配管P6内のガスの圧力を測定することができる。そして、バルブV1と圧力センサーS3との間において、それらを信号で連絡する圧力コントロールPICが設けられている。たとえば、圧力センサーS3で配管P6内の圧力が大きいと測定される場合にあっては、圧力コントロールPICにてバルブV1の開度を増大するように指令を出すとともに、窒素ガス充填部115からは窒素ガスが抽出室101内に充填しないように制御させることができる。一方、圧力センサーS3で配管P6内の圧力が小さいと測定される場合にあっては、圧力コントロールPICにてバルブV1を閉じるように指令を出すことができるし、また、圧力コントロールPICにてバルブV1を閉じる指令を出すとともに、窒素ガス充填部115から抽出室101内に窒素ガスを充填させることが可能である。
【0021】
(抽出室近傍の説明)
以下に、抽出室101近傍の説明を記載する。本発明に係る飲料抽出装置100は、図2に示すように、原料を処理液で抽出することにより抽出液を製造することができる抽出室101と、前記抽出室101の下面開口部117を覆うフィルタ106と、前記フィルタ106の下方に位置して抽出された抽出液を一時的に貯留する濾過液受け116と、抽出室101の上面開口部を封止する上蓋119と、抽出室101に湯を注入することができる注入部107と、抽出された抽出液を濾過液受け116から排出することができる排出部108と、を有して構成されている。なお、濾過液受け116は抽出室101の下蓋の役割をも有することになる。
【0022】
また、図2に示すように、抽出室101内には、複数の羽根からなる豆ならし羽根105が設けられており、その豆ならし羽根105の上方には回転シャワーノズル104が設けられている。豆ならし羽根105と回転シャワーノズル104とは、ともに回転軸120に設けられており、昇降式攪拌装置102を作動させて回転軸120を上下に移動させた場合、豆ならし羽根105と回転シャワーノズル104とは、ともに上下方向に移動することになる。回転軸120内には管路が設けられており、注入部107からは抽出室101内に注入される処理液は、その回転軸120内の管路を通過して、回転シャワーノズル104から抽出室101内に注がれる。原料を抽出することができる処理液としては、たとえば水や湯を用いることが可能であり、本実施の形態においては処理液として湯を使用する。
【0023】
濾過液受け116は開閉自在に構成されており、たとえば、開いた状態の濾過液受け116とフィルタ106との角度を70°とするところまで、濾過液受け116を開くことが可能である。濾過液受け116の開閉は、抽出室101の側部に設けられた下蓋開閉装置112によって操作される。また、濾過液受け116には抽出された抽出液を排出することができる排出部108が設けられている。
【0024】
抽出室101の下方には、上方に向けて開口部を有するカス受けホッパー109が設けられており、カス受けホッパー109の下端部にはコンベアー111が設けられている。抽出が終了した後は、濾過液受け116を開いて抽出が完了したコーヒー豆のカスをカス受けホッパー109に落とすことができる。カス受けホッパー109に落とされたコーヒー豆のカスは、コンベアー111に乗って図示されていない粕受タンクに移動することとなる。濾過液受け116にはフィルタ洗浄装置110が設けられており、このフィルタ洗浄装置110にてフィルタ106に付着している抽出が完了したコーヒー豆のカスおよび油分を落とし、濾過フィルターを洗浄することができる。
【0025】
図2に示すように、上蓋119には、抽出室101の洗浄の際に利用する温水を抽出室101に注入することができる温水注入部114が設けられている。また、上蓋119には、抽出室101の洗浄の際に利用するCIP洗浄液を抽出室101に注入することができるCIP洗浄液注入部113が設けられている。なお、CIPとは定置洗浄という意味である。コーヒー豆の抽出が終了した後は、抽出室101内の洗浄を行なう必要があり、温水注入部114とCIP洗浄液注入部113とを利用することにより、抽出室101内の洗浄を行なうことができる。なお、抽出室の高さAとしては1200〜1500mm程度に設計することが可能である。また、抽出室の直径Dとしては1550〜2200mm程度に設計することが可能である。
【0026】
(抽出手順の説明)
コーヒー豆の抽出は以下の手順によって行なわれる。すなわち、まず、ロードセルにて抽出に用いる粉砕されたコーヒー豆の量を測定する。そして、そのコーヒー豆を投入口103から抽出室101内に入れる。抽出室101内に入れられたコーヒー豆はフィルタ106上に略山状に載置される。コーヒー豆を入れた投入口103を閉じると、抽出室101は密閉状態となる。抽出室101を密閉状態とすることができるから、抽出室101内を高圧力状態にすることができる。
【0027】
次に、昇降攪拌装置102を作動させ、投入したコーヒー豆の高さに応じて、豆ならし羽根105を下降させる。豆ならし羽根105が所定の高さまで下降した後、豆ならし羽根105をゆるやかに数回程度回転させることにより、フィルタ106上に載置されたコーヒー豆の高さを一定にならすことができる。なお、豆ならし羽根105の下降の度合いは、昇降攪拌装置に設けられているロータリーエンコーダにて認知することができ、目視にて豆ならし羽根105の下降度合いを確認できる。
【0028】
次に、再度、昇降攪拌装置102を作動させ、回転シャワーノズル104を所定高さまで上昇させる。回転シャワーノズル104を所定高さまで上昇させるのは、コーヒー豆の抽出の際に、回転シャワーノズル104にて、フィルタ106上に載置されたコーヒー豆に偏ることなく湯を降りかけるためである。なお、回転シャワーノズル104の高さは、昇降攪拌装置102に設けられているロータリーエンコーダによって目視にて認知することが可能である。回転シャワーノズル104は複数の羽根部材が回転軸120を中心に均等に設けられており、それら複数の羽根部材の下方には湯の出口である孔部が複数設けられている。
【0029】
次に、回転シャワーノズル104を回転させつつ、回転シャワーノズル104に設けられた複数の孔部から湯を噴射する。回転シャワーノズル104は所定の高さまで上昇しているので、湯を均一にコーヒー豆に降り注がせることができる。コーヒー豆の抽出工程において、抽出室101内の抽出温度は60〜150℃に設定することが可能であり、たとえば125℃に設定することができる。
【0030】
なお、抽出室101内に湯が充填されていくにつれて、抽出室101内に存在する気体の温度が上昇することになる。抽出室101内に存在する気体の体積が膨張するにつれて抽出室101内の圧力が上昇することになる。抽出室101内の圧力を大気圧よりも高圧力にすることにより、フィルタ106上に載置されたコーヒー豆への湯の浸透度を上昇させることができるのである。コーヒー豆への湯の浸透度を向上させることができるから、コーヒー豆の原料に含まれる成分を十分に抽出させることが可能なのである。また、抽出室101内の圧力を大気圧よりも高圧力にすることにより、フィルタ106上に載置されたコーヒー豆への湯の浸透を短時間で達成させることができる。コーヒー豆への湯の浸透を短時間で行なうことができるから、抽出も比較的短時間で行なうことができ、えぐみなどの不要な成分まで抽出されることはなくなった。コーヒー豆の抽出工程において、抽出室101内の圧力を0.2〜0.5MPaに設定することができ、たとえば0.32MPaに設定することが可能である。
【0031】
回転シャワーノズル104からの給湯を継続することで、フィルタ106上に載置されたコーヒー豆全体をまんべんなく湯が流下することになる。コーヒー豆全体をまんべんなく湯が流下することで、コーヒー豆層全体からまんべんなく原料に含まれている成分を抽出した抽出液は、下蓋の役割をもする濾過液受け116に貯留することになる。
【0032】
回転シャワーノズル104からの給湯をさらに続けることにより、フィルタ106上に載置されたコーヒー豆の上面にまで湯を満たすことができる。フィルタ106上に載置されたコーヒー豆の上面にまで湯を満たすことにより、コーヒー豆から原料に含まれる成分を十分に抽出させることができるのである。フィルタ106に載置されたコーヒー豆に湯が浸透するにつれて、コーヒー豆内部に含有される二酸化炭素およびその他発生ガスもフィルタ106を通過し、濾過液受け116に流入する。濾過液受け116に占める二酸化炭素およびその他発生ガスの容積が多くなり、また圧力が高くなると抽出液の流下が阻害されるため、バルブV5を通し排気し、圧力を下げる。濾過液受け116内部の液面レベルと圧力はセンサS4およびS5で検出する。なお、抽出室101の側面には抽出室101内の液面の高さを測定することができるD/Pセル121が設けられている。D/Pセル121は、D/Pセルが設けられている濾過液受け116の下端部から液面までの高さを測定することができる。このD/Pセル121にて、フィルタ106上に載置されたコーヒー豆の上面にまで湯が満たされていることを確認できる。
【0033】
予め設定したコーヒー豆の上面の高さまで湯が満たされた場合、回転シャワーノズル104からの給湯を止める。コーヒー豆の上面の高さまで湯が満たされた状態を所定の時間保つことも可能であるが、あまりにも長時間保った場合、コーヒー豆からえぐみ成分などの好ましくない成分が抽出されてしまう。本発明に係る飲料抽出装置では、抽出工程において抽出室101は大気圧よりも高圧力下に保たれているから、コーヒー豆の上面の高さまで湯が満たされるやいなや排出部108から抽出された抽出液を排出する、もしくは、コーヒー豆の上面の高さまで湯が満たされた状態を短時間保った後、排出部108から抽出された抽出液を排出するのである。このように従来よりも抽出工程にかかる時間を短くしてもコーヒー豆に含まれる成分の抽出は的確に行なわれており、しかもえぐみ成分などの余分な成分の抽出を抑えることができる。
【0034】
抽出された抽出液は排出部108から排出される。このとき、濾過液受け116内の抽出液の排出に伴い、フィルタ106上に載置されたコーヒー豆の層であるコーヒー豆層の下方部の圧力が低下する。コーヒー豆層の下方部の圧力が低下することにより、コーヒー豆層上面に圧力を受けながら濾過液受け116側へ流下する。コーヒー豆層上面に圧力を受けながら濾過液受け116側へ流下することにより、抽出室101内部に保有する残圧でコーヒー豆層が圧縮され抽出液が濾過液受け116側へ排出される。
【0035】
(圧力制御部の説明)
本発明に係る飲料抽出装置100には、抽出室101内を高圧力下に保つことができる圧力制御部900が設けられている。圧力制御部900は、抽出室101内の圧力を0.2MPa〜0.5MPaに保つことができる。抽出室101内の圧力を0.2MPa〜0.5MPaに保つことにより、コーヒーの抽出にかかる抽出時間を短時間にできるとともに、湯をコーヒー豆の中心部にまで十分に浸透させることができる。抽出室101内の圧力が0.2MPaより小さい場合にあっては、コーヒー豆の抽出に時間がかかる場合がある。一方、抽出室101内の圧力が0.5MPaより大きい場合にあっては、コーヒー豆から不要な成分が抽出される可能性があり、さらに抽出室101に機械的な負担がかかる可能性があるからである。なお、抽出室101内の圧力は、0.2MPa〜0.5MPaの範囲に保つことが好適であり、それ以外の範囲の圧力をとることを否定するものではない。
【0036】
また、圧力制御部900は、コーヒー豆を湯で抽出する抽出工程において、フィルタ106の上に載置されたコーヒー豆の層であるコーヒー豆層の上方部と下方部との圧力差を0.1〜0.3MPaに制御することができる。コーヒー豆層の上方部と下方部との圧力差を0.1〜0.3MPaに制御することにより、コーヒーの抽出にかかる抽出時間を短時間にできるとともに、湯をコーヒー豆の中心部にまで十分に浸透させることができる。コーヒー豆層の上方部と下方部との圧力差が0.1MPaよりも小さい場合にあっては、コーヒー豆に含まれる成分を短時間にて抽出することが困難な場合がある。一方、コーヒー豆層の上方部と下方部との圧力差が0.3MPaよりも大きい場合にあっては、コーヒー豆からえぐみなどの不要な成分が抽出される可能性があり、さらに抽出室101に機械的な負担がかかる可能性があるからである。なお、コーヒー豆層の上方部と下方部との圧力差は、0.1〜0.3MPaの範囲に保つことが好適であり、それ以外の範囲の圧力差となることを否定するものではない。
【0037】
本発明に係る飲料抽出装置100に使用される圧力制御部900は、流量コントロール部FICと、温度コントロール部TICと、圧力コントロール部PICと、を組み合わせて抽出室101内の圧力を制御することができる。抽出室101内の圧力制御の方法は、流量コントロール部FICと、温度コントロール部TICと、圧力コントロール部PICと、のうち少なくともいずれか一つを作動させることにより行なうことが可能である。すなわち、流量コントロール部FICと、温度コントロール部TICと、圧力コントロール部PICと、の全て作動させることにより、抽出室101内の圧力を制御することが可能である。また、流量コントロール部FICと、温度コントロール部TICと、圧力コントロール部PICと、のうち、いずれか一つを作動させて、残りの二つを作動させないことによっても、抽出室101内の圧力を制御することが可能である。上蓋119には抽出室101内の圧力を測定することができる抽出室内圧力センサー123が設けられており、抽出室内圧力センサー123で測定された圧力は信号により圧力制御部900に伝達される。
【0038】
換言すれば、本発明に係る飲料抽出装置は、原料を処理液で抽出することにより抽出液を製造できる抽出室と、前記抽出室の下面開口部を覆うフィルタと、前記フィルタの下方に位置して抽出された抽出液を一時的に貯留する濾過液受けと、抽出室の上面開口部を封止する上蓋と、前記抽出室に処理液を注入することができる注入部と、抽出された抽出液を前記濾過液受けから排出することができる排出部と、を有する飲料抽出装置において、前記抽出室内を高圧力下に保つことができる圧力制御部を有し、前記圧力制御部は、前記抽出室に注入される処理液の流量をコントロールすることで、前記抽出室内の処理液の体積を調整して、前記抽出室内の圧力を調整する流量コントロール部と、前記抽出室に注入される処理液の温度をコントロールすることで、前記抽出室内の温度を調整して、前記抽出室内の圧力を調整する温度コントロール部と、前記抽出室内のガスの体積をコントロールすることで、前記抽出室内の圧力を調整する圧力コントロール部と、を有する飲料抽出装置とすることが可能である。
【0039】
たとえば、抽出室101内の圧力を上昇させる場合には、流量コントロール部FICによりバルブV2の開度を増大させることができる。バルブV2の開度を増大させることにより配管P2内を流れる水の流量が増加する。配管P2内を流れる水の流量の増加度は、配管P2に設けられている流量センサーS1によって認識することができる。配管P2内を流れる水の流量が増加することにより、注入部107から抽出室101内に注入される湯の量が増加することになり、その結果、抽出室101のガスが存在する空間部分が狭まるので、抽出室101内の圧力を上昇させることができるのである。
【0040】
また、抽出室101内の圧力を上昇させる場合には、温度コントロール部TICによりバルブV3の開度を増大させることができる。バルブV3の開度を増大させることにより、配管P3を流れるスチームの量を多くすることができるから、配管P2からプレート式熱交換器300に流れ込む水とスチームとの熱交換をより促進させることができる。したがって、配管P5を流れる湯の温度を上昇させることができ、温度上昇した湯は注入部107から抽出室101に注ぎ込まれる。なお、配管P5を流れる湯の温度は温度センサーS2にて確認することができる。温度上昇した湯が抽出室101に注ぎ込まれることにより、抽出室101内のガスが存在する空間部分の温度を上昇させることができるから、抽出室101内の圧力を上昇させることができるのである。
【0041】
また、抽出室101内の圧力を上昇させる場合には、圧力コントロール部PICにより、バルブV1を閉じるとともに、窒素ガス充填部115より抽出室101内に窒素ガスを充填させることができる。なお、配管P6内の圧力は圧力センサーS3にて確認することができる。窒素ガス充填部115より抽出室101内に窒素ガスを充填させることにより、抽出室101内の圧力を上昇させることができる。
【0042】
抽出室101内の圧力を上昇させる場合、比較的短時間で抽出室101内の圧力上昇を行なう場合にあっては、圧力コントロール部PICにより圧力上昇を行なう。また、抽出室101内の湯面上昇を行ないつつ抽出室101内の圧力上昇を行なう場合には、流量コントロール部FICにより圧力上昇を行なう。また、抽出室101内の温度上昇を行ないつつ抽出室101内の圧力上昇を行なう場合には、温度コントロール部TICにより圧力上昇を行なう。
【0043】
一方、抽出室101内の圧力を下降させる場合、たとえば、流量コントロール部FICによりバルブV2の開度を減少させることができる。バルブV2の開度を減少させることにより配管P2内を流れる水の流量が減少する。配管P2内を流れる水の流量の減少度は、配管P2に設けられている流量センサーS1によって認識することができる。配管P2内を流れる水の流量が減少することにより、注入部107から抽出室101内に注入される湯の量が減少することになり、その結果、抽出室101のガスが存在する空間部分が広がるので、抽出室101内の圧力を減少させることができるのである。このように、抽出室101内の湯面高さを減少させ、抽出室101内のガス空間部分を増加させることにより、抽出室101内の圧力を減少させる制御は、バッチ式の抽出ではなく、一定量の湯を注入部107から注ぎながら同時に一定量の湯を排出部108から排出する連続式の抽出において行なうことができる。
【0044】
また、抽出室101内の圧力を下降させる場合には、温度コントロール部TICによりバルブV3の開度を減少させることができる。バルブV3の開度を減少させることにより、配管P3を流れるスチームの量を少なくすることができるから、配管P2からプレート式熱交換器300に流れ込む水とスチームとの熱交換量を少なくさせることができる。したがって、配管P5を流れる湯の温度上昇を抑制させることができる。なお、配管P5を流れる湯の温度は温度センサーS2にて確認することができる。温度上昇が抑制された湯が抽出室101に注ぎ込まれることにより、抽出室101内のガスが存在する空間部分の温度上昇を抑制させることができるから、抽出室101内の圧力を下降させることができるのである。このように、抽出室101内の温度を下降させ、抽出室101内のガスの膨張の度合いを抑制することにより、抽出室101内の圧力を減少させる制御は、バッチ式の抽出ではなく、一定量の湯を注入部107から注ぎながら同時に一定量の湯を排出部108から排出する連続式の抽出において行なうことができる。
【0045】
また、抽出室101内の圧力を下降させる場合には、圧力コントロールPICにより、バルブV1の開度を増大させることができる。なお、抽出室101内の圧力を下降させる場合においては、窒素ガス充填部115からの窒素ガスの充填は行なわない。配管P6内の圧力は圧力センサーS3にて確認することができる。配管P6から抽出室101内に存在するガスを外部へ放出するから、抽出室101内の圧力を減少させることができる。
【0046】
抽出室101内の圧力を減少させる場合、比較的短時間で抽出室101内の圧力減少を行なう場合にあっては、圧力コントロールPICにより圧力減少を行なう。また、抽出室101内の湯面下降を行ないつつ抽出室101内の圧力減少を行なう場合には、流量コントロールFICにより圧力下降を行なう。また、抽出室101内の温度低下を行ないつつ抽出室101内の圧力下降を行なう場合には、温度コントロールTICにより圧力減少を行なう。
【0047】
(お茶の抽出)
本発明に係る飲料抽出装置は、コーヒー豆の抽出に使用できるのみならず、お茶の抽出にも使用することができる。
【0048】
お茶の抽出は以下の手順によって行なわれる。すなわち、まず、ロードセルにて抽出に用いる茶葉の量を測定する。茶葉としては種々のものを使用することができるが、本実施の形態においては日本茶の葉を使用した。そして、その茶葉を投入口103から抽出室101内に入れる。抽出室101内に入れられた茶葉はフィルタ106上に略山状に載置される。茶葉を入れた投入口103を閉じると、抽出室101は密閉状態となる。抽出室101を密閉状態とすることができるから、抽出室101内を高圧力状態にすることができる。
【0049】
次に、昇降攪拌装置102を作動させ、投入した茶葉の高さに応じて、豆ならし羽根105を下降させる。豆ならし羽根105が所定の高さまで下降した後、豆ならし羽根105をゆるやかに数回程度回転させることにより、フィルタ106上に載置された茶葉の高さを一定にならすことができる。
【0050】
次に、再度、昇降攪拌装置102を作動させ、回転シャワーノズル104を所定高さまで上昇させる。そして、回転シャワーノズル104を回転させつつ、回転シャワーノズル104に設けられた複数の孔部から湯を排出する。お茶の抽出において抽出に使用する湯温は40〜80℃に設定することが可能であり、特に60℃に設定することが好適である。回転シャワーノズル104は所定の高さまで上昇しているので、湯を均一に茶葉に降り注がせることができる。
【0051】
なお、抽出室101内に湯が充填されていくにつれて、抽出室101内に存在する気体の温度が上昇することになる。抽出室101内に存在する気体の体積が膨張するにつれて抽出室101内の圧力が上昇することになる。抽出室101内の圧力を大気圧よりも高圧力にすることにより、フィルタ106上に載置された茶葉への湯の浸透度を上昇させることができるのである。また、抽出室101内の圧力を大気圧よりも高圧力にすることにより、フィルタ106上に載置された茶葉への湯の浸透を短時間で達成させることができる。お茶の抽出工程において、抽出室101内の圧力を0.1〜0.5MPaに設定することが可能であり、特に0.24MPaに設定することが好適である。茶葉への湯の浸透を短時間で行なうことができるから、抽出も比較的短時間で行なうことができ、渋みなどの不要な成分まで抽出されることはなくなった。
【0052】
回転シャワーノズル104からの給湯を継続することで、フィルタ106上に載置された茶葉全体をまんべんなく湯が流下することになる。茶葉全体をまんべんなく湯が流下することで、茶葉から抽出されたうまみ成分を含有する抽出液が得られる。うまみ成分を含有した抽出液は、下蓋の役割をもする濾過液受け116に貯留することになる。
【0053】
回転シャワーノズル104からの給湯をさらに続けることにより、フィルタ106上に載置された茶葉の上面にまで湯を満たすことができる。フィルタ106上に載置された茶葉の上面にまで湯を満たすことにより、茶葉からうまみ成分を十分に抽出させることができるのである。
【0054】
予め設定した茶葉の上面の高さまで湯が満たされた場合、回転シャワーノズル104からの給湯を止める。茶葉の上面の高さまで湯が満たされた状態を所定の時間保つことも可能であるが、あまりにも長時間保った場合、茶葉から渋み成分などの好ましくない成分が抽出されてしまう。本発明に係る飲料抽出装置では、抽出工程において抽出室101は大気圧よりも高圧力下に保たれているから、茶葉の上面の高さまで湯が満たされるやいなや排出部108から抽出された抽出液を排出する、もしくは、茶葉の上面の高さまで湯が満たされた状態を短時間保った後、排出部108から抽出された抽出液を排出するのである。このように従来よりも抽出工程にかかる時間を短くしても茶葉からのうまみ成分の抽出は的確に行なわれており、しかも渋み成分の抽出を抑えることができる。抽出された抽出液は排出部108から排出される。
【0055】
【実施例】
(実施例1)
ロードセルにて粉砕されたコーヒー豆の量を測定し、200kgのコーヒー豆を使用した。コーヒー豆は標準豆を用いた。注入部107から抽出室101内に注ぎ込まれる給湯温度は125℃に設定した。コーヒーの抽出を行なう抽出工程において、抽出室101内の温度は125℃であった。抽出に使用する湯の量は1000リットルと設定した。抽出工程において、抽出室101内の圧力は0.32MPaとなるように設定した。給湯時間は6分間であった。ここで給湯時間とは注入部107から湯が抽出室101に注入される時間をいうものとする。実施例1における抽出は保持時間0分とした。すなわち、抽出によっては、載置してあるコーヒー豆に湯を一定時間浸漬するホールディング行ない、十分に抽出をおこなってから、排出部108から抽出を完了した抽出液を排出する抽出方法があるが、本実施例1においてはそのようなホールディングを行なう時間は0とした。また、排出時間は7分30秒であった。ここで排出時間とは注入部107から注入された湯がコーヒー豆に接触し、ホールディング時間を経過した後から抽出に用いた湯の大半が抽出液として排出部108から排出されたときまでをいうものとする。
【0056】
抽出されたコーヒー抽出液をブリックス計で測定することにより濃度を求めた。濃度は6.4ブリックスであった。また、得られたコーヒー抽出液は729.8Kgであった。また、固形分回収率は23.35%であった。
【0057】
(実施例2)
ロードセルにて粉砕されたコーヒー豆の量を測定し、200kgのコーヒー豆を使用した。コーヒー豆は標準豆を用いた。注入部107から抽出室101内に注ぎ込まれる給湯温度は125℃に設定した。コーヒーの抽出を行なう抽出工程において、抽出室101内の温度は110℃であった。抽出に使用する湯の量は1000リットルと設定した。抽出工程において、抽出室101内の圧力は0.32MPaとなるように設定した。給湯時間は6分間であった。実施例2における抽出は保持時間10分とした。また、排出時間は7分30秒であった。
【0058】
抽出されたコーヒー抽出液をブリックス計で測定することにより濃度を求めた。濃度は7.0ブリックスであった。また、得られたコーヒー抽出液は765.8Kgであった。また、固形分回収率は26.8%であった。
【0059】
(比較例1)
ロードセルにて粉砕されたコーヒー豆の量を測定し、200kgのコーヒー豆を使用した。コーヒー豆は標準豆を用いた。注入部107から抽出室101内に注ぎ込まれる給湯温度は100℃に設定した。コーヒーの抽出を行なう抽出工程において、抽出室101内の温度は71℃であった。抽出に使用する湯の量は1000リットルと設定した。抽出工程において、抽出室101内の圧力は0.1MPaすなわち大気圧となるように設定した。給湯時間は6分間であった。比較例における抽出は保持時間0分とした。また、排出時間は7分30秒であった。
【0060】
抽出されたコーヒー抽出液をブリックス計で測定することにより濃度を求めた。濃度は4.3ブリックスであった。また、得られたコーヒー抽出液は838.4Kgであった。また、固形分回収率は18.0%であった。
【0061】
上述の実施例1、実施例2および比較例1の結果を下記に示す表1に記載する。実施例1、実施例2および比較例1では、排出時間すなわち排出に要する時間はそれぞれ7.5分と共通であるが、実施例1および実施例2では抽出室の圧力を0.32MPaと高圧力条件下に保ちまた実施例2は保持時間を長くしている一方、比較例1では抽出室の圧力を0.1MPaすなわち大気圧下に保っている。このため、実施例1および実施例2に係る抽出液の濃度および固形分回収率は比較例に係る抽出液の濃度および固形分回収率と比較して高いものとなっておりまた、実施例2に係る抽出液の濃度および固形分回収率は実施例1に比較してさらに高いものとなっている。したがって、抽出工程において抽出室の圧力を高圧力条件下に保つことにより、大気圧条件下で抽出する場合と比較して濃度および固形分回収率の高い抽出液が得られ、また同じ高圧力条件下でも保持時間の長いほうが濃度および固形分回収率の高い抽出液が得られる。したがって高圧力条件下に保つことにより、濃度および固形分回収率を同一とする場合、抽出時間を大気圧条件下に比べ短縮することが可能であると考えられる。
【0062】
【表1】
【0063】
(官能試験結果)
上述した実施例1に係るコーヒー抽出液と、比較例1に係るコーヒー抽出液と、をそれぞれ訓練された官能テスター10人によって味覚官能試験を行なった。官能試験の結果、比較例1に係るコーヒー抽出液のほうがおいしいと感じたテスターは3名であった。その理由は、苦味がある、味が濃すぎる、酸味がある、であった。一方、実施例1に係るコーヒー抽出液の法がおいしいと感じたテスターは7名であった。その理由は、香りが豊かである、味がまろやかである、飲みやすくすっきりとした後味である、ほど良い苦みがある、こくがあるのにすっきりしている、であった。
【0064】
(実施例3)
ロードセルにて緑茶の茶葉の量を測定し、60kgの緑茶葉を使用した。注入部107から抽出室101内に注ぎ込まれる給湯温度は60℃に設定した。緑茶葉の抽出を行なう抽出工程において、抽出室101内の温度は60℃であった。抽出に使用する湯の量は1500リットルと設定した。抽出工程において、抽出室101内の圧力は0.24MPaとなるように設定した。
【0065】
抽出された緑茶抽出液をブリックス計で測定することにより濃度を求めた。濃度は1.5ブリックスであった。また、得られた緑茶抽出液は1204リットルであった。また、固形分回収率は30.1%であった。
【0066】
(比較例2)
ロードセルにて緑茶の茶葉の量を測定し、60kgの緑茶葉を使用した。注入部107から抽出室101内に注ぎ込まれる給湯温度は60℃に設定した。緑茶葉の抽出を行なう抽出工程において、抽出室101内の温度は60℃であった。抽出に使用する湯の量は1500リットルと設定した。抽出工程において、抽出室101内の圧力は0.1MPaとなるように設定した。
【0067】
抽出された緑茶抽出液をブリックス計で測定することにより濃度を求めた。濃度は1.4ブリックスであった。また、得られた緑茶抽出液は1204リットルであった。また、固形分回収率は28.1%であった。
【0068】
上述の実施例3および比較例2の結果を下記に示す表2に記載する。実施例3に係る抽出液の固形分回収率は比較例2に係る抽出液の固形分回収率と比較して高いものとなっている。したがって、大気圧条件下で抽出する場合と高圧力条件下で抽出する場合とを比較して、抽出時間を同じとするならば、高圧力条件下ではより茶葉のうまみ成分を抽出することができることが理解される。さらに、抽出工程において抽出室の圧力を高圧力条件下に保つことにより、大気圧条件下で抽出する場合と比較して同一の濃度としながら、抽出に要する抽出時間を短縮することが可能であることが考えられる。
【0069】
【表2】
【0070】
(官能試験結果)
上述した実施例3に係る緑茶抽出液と、比較例2に係る緑茶抽出液と、をそれぞれ訓練された官能テスター10人によって味覚官能試験を行なった。官能試験の結果、比較例2に係る緑茶抽出液のほうがおいしいと感じたテスターは3名であった。その理由は、あっさりとしている、渋みがある、飲みやすい、であった。一方、実施例3に係る緑茶抽出液の方がおいしいと感じたテスターは7名であった。その理由は、風味が豊かである、味がまろやかである、香りがいい、渋みが少なくすっきりとした味である、であった。
【0071】
(実施例4)
ロードセルにて粉砕されたコーヒー豆の量を測定し200kgのコーヒー豆を使用した。コーヒー豆は標準豆を用いた。注入部107から抽出室101内に注ぎ込まれる給湯温度は125℃に設定した。コーヒーの抽出を行う抽出工程において抽出室101内の温度は125℃であった。
【0072】
抽出に使用する湯の量は1000リットルと設定した。抽出工程において抽出室内の圧力は0.32MPaとなるように設定した。給湯時間は6分間であった。
【0073】
給湯完了と同時に抽出液を払い出した。濾過液受け116の液面センサS4が液面の低下を検出すると排気バルブV5を開き濾過液受け内の二酸化炭素ガスおよびその他のガスを排出した。濾過液受けの圧力が0.12MPaとなるように排気バルブV5を調節した。
【0074】
抽出室内の高い圧力で注ぎ込まれた湯が低い圧力の濾過液受けに流下し、湯面より上に露出した原料の表面も高い圧力で圧縮され原料内部の湯も濾過液受けに流下し、ポンプ400で抽出液受けタンクに送られた。抽出液受けタンクに目標量の抽出液が流入した時点で排出を完了とした。排出完了までの時間は7.5分であった。短時間で排出することにより品質の良い抽出液を得ることができた。
【0075】
(比較例3)
ロードセルにて粉砕されたコーヒー豆の量を測定し200kgのコーヒー豆を使用した。コーヒー豆は標準豆を用いた。注入部107から抽出室101内に注ぎ込まれる給湯温度は125℃に設定した。コーヒーの抽出を行う抽出工程において抽出室101内の温度は125℃であった。
【0076】
抽出に使用する湯の量は1000リットルと設定した。抽出工程においては抽出室内の圧力は0.32MPaとなるように設定した。給湯温度は6分間であった。
【0077】
給湯完了と同時に抽出液を払い出した。払出開始2分後濾過液受け116の液面センサS4が液面の低下を検出しポンプ400の運転を停止した。濾過液受けの内部にフィルター106に載置されたコーヒー豆内部に含有される二酸化炭素およびその他発生ガスが流入し、濾過液受けに占める二酸化炭素およびその他発生ガスの容量が多くなりまた圧力が0.31MPaになった。抽出室101との圧力差がほとんどなくなり抽出液の流下が止まり抽出室101内に注ぎ込まれた湯の大半が排出されずに残った。30分経過後コーヒー豆を攪拌し強制的に湯を排出したが抽出液の品質は不可であった。
【0078】
(比較例4)
ロードセルにて粉砕されたコーヒー豆の量を測定し、200kgのコーヒー豆を使用した。コーヒー豆は標準豆を用いた。注入部107から抽出室101内に注ぎ込まれる給湯温度は125℃に設定した。コーヒーの抽出を行う抽出工程において抽出室101の温度は125℃であった。
【0079】
抽出に使用する湯の量は1000リットルと設定した。抽出工程において抽出室内に高圧エアーを供給し、圧力が0.5MPaとなるように設定した。給湯時間は6分間であった。給湯完了と同時に液を払い出した。濾過液受け116の液面センサS4が液面の低下を検出すると排気バルブV5を開き濾過液受け内の二酸化炭素ガスおよびその他のガスを排出した。濾過液受けの圧力が0.1MPaとなるように排気バルブV5を調節した。
【0080】
抽出室内の高い圧力で注ぎ込まれた湯が低い圧力の濾過液受けに流下し、湯面より上に露出した原料の表面も高い圧力で圧縮され原料内部の液も濾過液受けに流下し、ポンプ400で抽出液受けタンクに送られた。
【0081】
液受けタンクに目標量の抽出液が流入した時点で排出を完了とした。排出完了までの時間は2.5分であった。
【0082】
排出完了後、濾過液受け116を下蓋開閉装置112で開き、フィルター106上の原料粕を落とした。フィルター106の金網は抽出工程で生じた大きい差圧で濾過液受け方向に伸び、網目が大きくなりまたは1部破断した。
【0083】
液受けタンク内の抽出液にはフィルター106の金網を通過した細かな原料粉が含まれ品質は不可であった。
【0084】
【表3】
【0085】
なお、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0086】
【発明の効果】
本発明に係る飲料抽出装置は、原料を処理液で抽出する抽出工程において、圧力制御部で抽出を行なう抽出室内の圧力を高圧力下に保つことができるので、従来よりも短時間で原料の抽出を行なうことができる。従来と比較して短時間で原料の抽出を行なうことができるので、長時間抽出に起因する渋み成分の抽出を極めて効率的に抑制することができる。また、本発明に係る飲料抽出装置は、抽出工程において、抽出室内の圧力を高圧力下に保つことができるので、従来よりも原料に含まれる成分の抽出を効率的に行なうことができる。このように本発明に係る飲料抽出装置をコーヒー抽出液の抽出に使用した場合にあっては、ブリックスすなわちコーヒーに含まれる成分が多くとれ、しかも香りも良くにがみもほど良いコーヒー抽出液を抽出することができた。また、コーヒー抽出液を短時間で抽出することにより、コーヒー抽出液の中に、雑味、えぐみなどが入ることを回避できる。本発明に係る飲料抽出装置は、高温で瞬間的に抽出できることから、たとえばエスプレッソコーヒーの抽出に適している。さらに、本発明に係る飲料抽出装置を用い、高温高圧で抽出を行なった場合、抽出室から抽出の完了した抽出液を排出する時に、高圧側の抽出室と低圧側の濾過液受けの間に生じる差圧で原料が圧縮され原料内部の残液を回収することができる。本発明に係る飲料抽出装置はコーヒーの抽出に使用できるのみならず、緑茶などの茶飲料の抽出に使用することが可能であり、本発明による利益は計り知れない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る飲料抽出装置を説明する図である。
【図2】本発明に係る飲料抽出装置を説明する図である。
【符号の説明】
100 飲料抽出装置、101 抽出室、102 昇降式攪拌装置、103 投入口、104 回転シャワーノズル、105 豆ならし羽根、106 フィルタ、107 注入部、108 排出部、109 カス受けホッパー、110 フィルタ洗浄装置、111 コンベアー、112 下蓋開閉装置、113 CIP洗浄液注入部、114 温水注入部、115 窒素ガス充填部、116 濾過液受け、117 下面開口部、118 上面開口部、119 上蓋、120 回転軸、121 D/Pセル、200,400 ポンプ、300,500 プレート式熱交換器。
Claims (4)
- 原料を処理液で抽出することにより抽出液を製造できる抽出室と、前記抽出室の下面開口部を覆うフィルタと、前記フィルタの下方に位置して抽出された抽出液を一時的に貯留する濾過液受けと、抽出室の上面開口部を封止する上蓋と、前記抽出室に処理液を注入することができる注入部と、抽出された抽出液を前記濾過液受けから排出することができる排出部とを有する飲料抽出装置において、
前記飲料抽出装置は、前記処理液の流量を制御することで前記抽出室内の処理液の体積を調整して、前記抽出室内を高圧力に維持することができる圧力制御部を有する飲料抽出装置。 - 前記圧力制御部は、前記抽出室内の圧力を0.2〜0.5MPaに制御することができる請求項1記載の飲料抽出装置。
- 前記圧力制御部は、原料を処理液で抽出する抽出工程において、前記フィルタの上に載置された原料の層である原料層の上方部と下方部との圧力差を0.1〜0.3MPaに制御することができる請求項1記載の飲料抽出装置。
- 前記圧力制御部は、前記処理液の流量と温度を調整し、かつ窒素ガスを抽出室内に充填させ、または前記抽出室内に存在するガスを外部へ放出することで前記抽出室内の圧力を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の飲料抽出装置。
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