JP3582767B2 - 手洗装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はトイレの壁等に設置される手洗装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、トイレ等の壁に手洗器の設けられた手洗カウンター装置を設置することが行われている。
この手洗カウンター装置の一種として、手洗カウンターを壁に接して設けるとともに、その手洗カウンターの上側に水栓ハウジングを設け、その水栓ハウジングの前板に吐水口やハンドルを設ける一方、ハウジング内部に弁部を内蔵した水栓本体を収納するようになしたものが提案されている。
【0003】
しかしながらこの形態の手洗カウンター装置の場合、水栓ハウジングに吐水口,ハンドル,水栓本体等をユニットとして組み付けるようになしている関係上、水栓ハウジングが大型となって壁からの出っ張りが大きくなるといった問題がある外、水栓ハウジングが後側の壁に直接固定され、ハウジング内部の配管その他のメンテナンス作業を行う際に水栓ハウジング自体を壁から取り外さなければならない構造となっていることからメンテナンス作業がし辛く、メンテナンスに際して多大な手間を要するといった問題があった。
また、従来、壁に穴を開けてそこに手洗器を埋込式に取り付けるといったことも行われているが、この場合大掛かりな壁の補強が必要であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願の発明の手洗装置はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、手洗カウンターに接するようにしてその上側に吐水口ハウジングが設けられ、該吐水口ハウジングに吐水口が設けられた手洗装置であって、前記手洗カウンターにハンドルが設けられるとともに該手洗カウンターの下側に水栓本体が設けられて、該水栓本体に対し前記吐水口に水を導くための導水管が接続されており、該導水管 は、その上部が前記吐水口ハウジングの内部に収納されて、その先端部が前記吐水口に接続されており、更に該吐水口ハウジングは、水跳ね防止板を兼ねた全体的に板状をなすハウジング前板と、天板とからなっており、該ハウジング前板はその上部が前方斜め上向きに迫り出す迫出部とされていて、該迫出部に前記吐水口が設けられており、且つ該吐水口ハウジングは、後側の壁に接する状態で設けられていることを特徴とする。
【0005】
請求項2のものは、請求項1において、前記天板を点検口蓋を兼用するものとなし、該天板を前記ハウジング前板に対して前後にスライド可能に嵌合し、前後方向のスライド移動によって脱着するようになしたことを特徴とする。
【0006】
請求項3のものは、請求項1又は2において、前記ハウジング前板の上端部に固定片を設けて該固定片において該ハウジング前板を後側の壁に固定する一方、下端には係止爪を設けて該係止爪を下側の手洗器に係止させ、前後方向の位置決めをなしたことを特徴とする。
【0007】
請求項4のものは、前記固定片は前記天板に隠れる位置に設けてあることを特徴とする。
【0008】
【作用及び発明の効果】
請求項1の手洗装置は、吐水口ハウジングに吐水口を設ける一方、ハンドルを手洗カウンターに設け、水栓本体を手洗カウンターの下側に設け、それらを配管(導水管)でつないでいるため、水栓器具における吐水口のみを吐水口ハウジングに取り付けるだけで良く、従って吐水口ハウジングをコンパクトに構成でき、かかる吐水口ハウジングの後側の壁から前方への出っ張りを可及的に少なくすることができる。
【0009】
この手洗装置はまた、吐水口ハウジングがハウジング前板と、天板とから成っており、ハウジング前板が、水跳ね防止板を兼ねた全体的に板状となっているので水跳ねを防止することができ、またハウジング前板の上部の迫出部に吐水口が設けられているので、手洗器へ向って良好に吐水することが可能となる。
【0010】
請求項2のものは、上記天板を前記ハウジング前板に対して前後にスライド可能に嵌合し、前後方向のスライド移動によって脱着するようになしたもので、この請求項2の手洗装置によれば、吐水口ハウジング全体を壁から取り外さなくても点検口蓋を兼ねた天板を外すだけで吐水口ハウジング内の配管等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。またメンテナンス作業後において天板を閉じるだけで良く、ハウジング全体を再び取り付けるといった手間を要しない。しかも天板の脱着自体も簡単に行うことができる。
【0011】
加えてこの請求項2の手洗装置の場合、天板自体をもって点検口蓋となしているために点検口を大きくとることができる。しかもメンテナンス作業に際して作業者は下向きの楽な姿勢で作業ができるため、これらによってメンテナンスの際の作業性が飛躍的に向上する。
【0012】
加えてこの請求項2の手洗装置においては、吐水口ハウジングの一部をなす天板そのものが点検口蓋を兼ねているため、ハウジング前板等に部分的に点検口を設ける場合に比べて特別な点検口及び点検口蓋を別途に設ける必要がない利点を有する。
【0013】
尚この場合において、ハウジング前板の上端と天板の下面の一方にスライド溝を、他方にスライド突起を設けてそれらを嵌合させるようになすことができる。
また天板の押込端(後方側のスライド移動端)において、互いに弾性的に係合する係合突起と係合凹部の一方をハウジング前板の側に、他方を天板の側に設けておくことができる。
このようにすると、天板を押し込んだ後に天板の前後方向のがたつき,位置ずれを防止することができる。
【0014】
請求項3のものは、上記ハウジング前板の上端部に固定片を設けて、その固定片においてハウジング前板を後側の壁にビス等固定具にて固定する一方、下端に係止爪を設けてその係止爪を下側の手洗器に係止させ、前後方向の位置決めをなすようにしたもので、この請求項3の手洗装置においては、ハウジング前板を簡単に手洗カウンターに接するようにその上側に且つ壁に取付固定することができる。
更にこの場合壁への補強は上記固定片の固定部位のみで足り、壁への大掛かりな補強を必要とせず、しかも簡単にハウジング前板を壁に対してしっかりと固定することができる。
【0015】
請求項4のものは、請求項3において上記固定片を天板に隠れる位置に設けたもので、このようにしておけば天板を装着した状態においてその天板により固定片を隠蔽することができ、その固定片やビス等固定具が外部に露出して美観を損ねるといったことがなく、良好な取付状態で手洗装置を設置することができる。
【0016】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において10はトイレの壁であって、この壁10に接するようにして手洗装置12が設置されている。
14はその主体をなす手洗カウンターであって、手洗器16とカウンター本体18とを備えている。
尚手洗器16はカウンター本体18と一体であっても良いし別体であっても良い。
【0017】
20は配管カバーを兼ねたキャビネットであって、壁10及び床22に接するように設けられている。
キャビネット20には扉24が設けられており、それら扉24の開閉によって、内部に物品を収納或いは取出可能とされている。
尚26はキャビネット20下端の蹴込部である。
【0018】
28は手洗カウンター14に接するようにしてその上側に設けられた吐水口ハウジングであって、この吐水口ハウジング28は壁10に接する状態で設けられている。
吐水口ハウジング28は水跳ね防止板を兼ねた、全体的に板状をなすハウジング前板30と天板32とから成っており、そのハウジング前板30に手洗用の吐水口34が設けられる一方、上記手洗カウンター14(手洗器16)にハンドル36が設けられている。
尚、38は手洗カウンター14の下側において壁10に取り付けられたトイレットペーパーホルダである。
【0019】
図4に示しているように、手洗カウンター14の下側、詳しくは手洗器16の下側には弁部を内蔵した水栓本体40が配置されている。
水栓本体40は、ナット42により手洗カウンター14に固定されている。そしてその水栓本体40に対して上記ハンドル36が取付固定されている。
【0020】
この水栓本体40には、床22に埋設された給水元管44(図2参照)からの水を供給する給水管46が接続されている。更にまたこの水栓本体40に対し、吐水口34に水を導くための可撓管から成る導水管48が接続されている。
尚、手洗器16の排水口50からは排水管52が延び出しており(図2参照)、その排水管52が床22に埋込配管された排水配管54に接続されている。
【0021】
図3及び図5に示しているように、ハウジング前板30は左右両側端部に折曲り部56を有しており、それら折曲り部56を壁10に当接させる状態で取り付けられている。
詳しくは、このハウジング前板30にはその上端部に垂直上向きに突出する固定片58が形成されていて、その固定片58においてビス60により壁10に固定されている。
一方下端部には係止爪62(図5参照)が形成されており、その係止爪62が手洗カウンター14、詳しくは手洗器16の後端に係止されることで、ハウジング前板30の下端部が前後方向に位置決めされている。
【0022】
ハウジング前板30は、その上部が前方斜め上向きに迫り出す迫出部64とされており、そこに上記手洗用の吐水口34が取り付けられている。
詳しくは、この吐水口34が迫出部64の開口68を挿通して吐水口ハウジング28内部から外部且つ斜め下向きに突き出し、そこにナット70がねじ込まれて吐水口34が迫出部64に固定されている。
尚、この吐水口34の先端部には整流用のキャップ72が装着されている。
【0023】
この吐水口34には、上記導水管48の先端部が接続されている。
而して導水管48は、その上部が吐水口ハウジング28の内部に収納され、また下端部が図4に示しているように手洗カウンター14の後側を通って上記手洗カウンター14下側の水栓本体40に接続されている。
【0024】
上記迫出部64は、図3に示しているようにその前端且つ上端が円弧形状の平面形状をなしている。
また同図に示しているようにその内部には左右方向4箇所にリブ74,76が垂直向きに設けられており、そして左右端部側のリブ76の上端に、L字状の溝形成部材78が設けられている。そしてその溝形成部材78によって、プレート80との間にスライド溝82が前後方向に形成されている。
【0025】
上記天板32は、ハウジング前板30における迫出部64に対応した平面形状をなしている。この天板32は点検口蓋を兼ねており、ハウジング前板30に対して脱着可能とされている。
即ち、この天板32の下面にはL字状の垂下片84が左右方向に所定間隔を隔てて設けられているとともに、それら垂下片84に水平なスライド突起86が形成されており、それらスライド突起86が、ハウジング前板30におけるスライド溝82に対して前後方向にスライド可能に嵌合するようになっている。
【0026】
このスライド突起86には、前後方向所定位置に係合凹部88が形成されている。
一方前記溝形成部材78には、下向きの係合突起89がスライド溝82の前後方向所定位置に形成されており、それら係合突起89と係合凹部88とが、L字状の溝形成部材78及び垂下片84の弾性変形に基づいて弾性係合するようになっている。
【0027】
本例において、それら係合突起89及び係合凹部88は図6,図7に示しているように天板32を壁10側に押し込んだときに、その押込端において互いに係合する位置にそれぞれ形成されている。
【0028】
本例の手洗装置12の場合、天板32を前方に、つまり作業者が手前に引いてスライド移動させるだけで、ハウジング前板30から簡単に取り外すことができる。
また逆に天板32を取り付けるには、天板32に設けたスライド突起86をハウジング前板30に設けたスライド溝82に嵌め合わせ、そしてスライド突起86をスライド溝82に対してスライド移動させつつ、これを後方に押し込むだけで簡単に天板32を取り付けることができる。
【0029】
而して天板32を押込端まで押し込んだ時点でスライド溝82側の係合突起89とスライド突起86側の係合凹部88とが弾性係合して、天板32が前後方向に位置決めされる。
【0030】
尚このとき、即ち天板32を取り付けた状態において、ハウジング前板30側の固定片58は、天板32によって隠蔽される。固定片58の配設位置が予めそのように定められている。
尚、天板32の側には固定片58との干渉を回避するための切欠き90が設けられている。
【0031】
本例の手洗装置12の場合、天板32が吐水口ハウジング28内部の点検用の点検口を開閉する点検口蓋を兼ねており、且つこれを前後方向にスライド移動させるだけで簡単に取外し及び取付けを行うことができる。
【0032】
従って本例の手洗装置12においては、吐水口ハウジング28全体を壁10等から取り外さなくても、吐水口ハウジング28内部の配管等のメンテナンス作業を行うことができる。
またメンテナンス作業後において天板32を閉じるだけで良く、吐水口ハウジング28全体を再び取り付けるといった手間を要しない。
【0033】
加えてこの手洗装置12の場合、天板32自体が点検口蓋を成しているため、点検口を大きくとることができる。しかもメンテナンス作業に際して、作業者は下向きの楽な姿勢で作業ができ、これらによってメンテナンスの際の作業性が飛躍的に向上する。
また吐水口ハウジング28の一部をなす天板32そのものが点検口蓋を兼ねていることから、ハウジング前板30等に部分的に点検口を設ける場合に比べて、特別な点検口及び点検口蓋を設ける必要がない利点を有する。
【0034】
尚本例においては、上記のように吐水口ハウジング28に吐水口34を設ける一方、ハンドル36や水栓本体40等を他の箇所、具体的にはハンドル36を手洗カウンター14に、また水栓本体40を手洗カウンター14下側に設け、それらを配管でつないでいるため、水栓器具における吐水口34のみを吐水口ハウジング28に取り付けるだけで良く、従って吐水口ハウジング28をコンパクトに構成でき、かかる吐水口ハウジング28の壁10からの出張りを可及的に少なくすることができる。
【0035】
更に本例のものは、上記天板32をハウジング前板30に対する前後方向のスライド移動によって脱着するようにしているため、点検口蓋を兼ねた天板32を簡単に脱着することができ、メンテナンス作業をより容易に行うことができる。
【0036】
また天板32の押込端において互いに弾性的に係合する係合突起89と係合凹部88をハウジング前板30と天板32とに設けているため、天板32を押し込んだ後に天板32の前後方向のがたつき,位置ずれを防止することができる。
【0037】
本例では、ハウジング前板30の上端部に固定片58を設けてその固定片58においてハウジング前板30を後側の壁10にビス60にて固定する一方、下端に設けた係止爪62を下側の手洗カウンター14(手洗器16)に係止させて前後方向の位置決めをなすようにしているため、ハウジング前板30を簡単に手洗器16に接するようにその上側に且つ壁10に取付固定することができる。
またその際壁への大掛かりな補強を必要とせず、固定片58に対応する部位のみ部分的に補強しておくだけで良く、それだけで簡単にハウジング前板30を壁に対してしっかりと固定することができる。
【0038】
加えて上記固定片58を天板32に隠れる位置に設けているから、天板32を装着した状態において固定片58やビス60等が外部に露出して美観を損ねるといったことがなく、良好な取付状態で手洗装置12を設置することができる。
【0039】
以上本発明の一実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上例ではハウジング前板30の側にスライド溝82を、また天板32の側にスライド突起86をそれぞれ設けているが、それらを逆の側に、即ちスライド溝82を天板32の側に、スライド突起86をハウジング前板30の側に設けるといったことも可能であるし、或いはまた天板32を押込端に位置決めするための係合突起89を天板32の側に、また係合凹部88をハウジング前板30の側に形成するといったことも場合により可能である。
【0040】
また上例ではトイレに設置される手洗装置を例として説明したが、本発明は洗面化粧台の手洗装置、或いはカウンターを備えていない手洗装置その他に適用することも可能であるなど、その主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である手洗装置を示す図である。
【図2】同実施例の手洗装置の正面図及び側面図である。
【図3】同実施例の手洗装置の吐水口ハウジング部分の分解斜視図である。
【図4】同実施例の手洗装置の要部切欠正面図及び要部側面断面図である。
【図5】同実施例の吐水口ハウジング部分を分解して示す側面図である。
【図6】同実施例の吐水口ハウジング部分の一部切欠側面図である。
【図7】同実施例の吐水口ハウジングにおける天板の脱着時の作用説明図である。
【符号の説明】
10 壁
12 手洗装置
14 手洗カウンター
16 手洗器
28 吐水口ハウジング
30 ハウジング前板
32 天板
34 吐水口
48 導水管
58 固定片
62 係合爪
Claims (4)
- 手洗カウンターに接するようにしてその上側に吐水口ハウジングが設けられ、該吐水口ハウジングに吐水口が設けられた手洗装置であって、
前記手洗カウンターにハンドルが設けられるとともに該手洗カウンターの下側に水栓本体が設けられて、該水栓本体に対し前記吐水口に水を導くための導水管が接続されており、該導水管は、その上部が前記吐水口ハウジングの内部に収納されて、その先端部が前記吐水口に接続されており、
更に該吐水口ハウジングは、水跳ね防止板を兼ねた全体的に板状をなすハウジング前板と、天板とからなっており、該ハウジング前板はその上部が前方斜め上向きに迫り出す迫出部とされていて、該迫出部に前記吐水口が設けられており、且つ該吐水口ハウジングは、後側の壁に接する状態で設けられていることを特徴とする手洗装置。 - 前記天板を点検口蓋を兼用するものとなし、該天板を前記ハウジング前板に対して前後にスライド可能に嵌合し、前後方向のスライド移動によって脱着するようになしたことを特徴とする請求項1に記載の手洗装置。
- 前記ハウジング前板の上端部に固定片を設けて該固定片において該ハウジング前板を後側の壁に固定する一方、下端には係止爪を設けて該係止爪を下側の手洗器に係止させ、前後方向の位置決めをなしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の手洗装置。
- 前記固定片は前記天板に隠れる位置に設けてあることを特徴とする請求項3に記載の手洗装置。
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