JP3582341B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体上に形成した静電潜像を、現像剤によって現像してトナー像形成し、このトナー像を感光体と当接した中間転写体に転写し、その後記録材料に一括転写して画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一様に帯電させた感光体の表面に、デジタル画像データに基づき変調された光ビームを照射して静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を記録用紙に転写して、定着装置で記録用紙上のトナー像を定着させて出力する画像形成装置が知られている。
【0003】
また、近年ではカラー画像を形成するカラー画像形成装置が急速に普及しつつある。このカラー画像形成装置としては、形成すべきカラー画像のシアン、マゼンタ、イエロー、黒の各色成分に対応する潜像を感光体上に順次形成して、対応するカラートナーにより各色成分のトナー像を形成し、これら各色成分のトナー像を、ベルト状等の中間転写体に順次重ねて転写するものが多く利用されている。
【0004】
このタイプのカラー画像形成装置では、全ての色成分のトナー像を中間転写体に転写して、中間転写体上に最終トナー像が形成された後、該最終トナー像を中間転写体から記録用紙へ一括転写することで記録用紙に画像を形成する。
【0005】
ところで、上記のようなカラー画像形成装置の輸送時等、振動が加わるような場合には、感光体カートリッジ部で回収された現像剤や、現像器内部の現像剤が漏れることがある。このような場合、感光体と中間転写体の当接部分が傷つきやすくなり、そのまま画像形成処理を行った場合には、画質が劣化してしまう場合があった。
【0006】
このため、カラー画像形成装置の輸送時には、感光体カートリッジをカラー画像形成装置とは別々に梱包して輸送しなければならない等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実を考慮し、画像形成装置の輸送時等、画像形成装置に振動が加わるような場合でも、感光体及び中間転写体が傷つくのを防ぐことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、光ビームを感光体上で走査して前記感光体上に潜像を形成し、前記潜像を現像剤によって現像して形成した像を、前記感光体と当接した中間転写体に転写し、その後記録材料に一括転写して前記記録材料上に画像を形成する画像形成装置であって、輸送時等、前記画像形成装置に振動が加わる場合において、前記画像形成装置と着脱可能な感光体カートリッジの感光体と前記中間転写体との当接部分を保護するための保護部材を設け、かつ前記保護部材の長手方向の一端には、前記感光体カートリッジに掛止するための掛止部材が取り付けられ、前記長手方向の他端には、前記感光体カートリッジから脱着しやすくするための把手部材の一端が取り付けられていると共に、前記把手部材の他端が警告タグ部となっていることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明では、輸送時等、前記画像形成装置に振動が加わる場合において、前記画像形成装置と着脱可能な感光体カートリッジの感光体と前記中間転写体との当接部分に保護部材を挟んで、前記感光体及び前記中間転写体の当接部分を保護する。そして、使用時には、前記保護部材を外して使用する。このため、輸送時において感光体及び中間転写体の当接部分が傷つくのを防ぐことができる。
また、前記保護部材の長手方向の一端には、前記感光体カートリッジに掛止するための掛止部材を取り付ける。そして、感光体カートリッジの突出部分に掛止する。このため、簡単な構造で保護部材を取り付けやすくすることができる。また、前記保護部材の長手方向の他端には、前記感光体カートリッジから脱着しやすくするための把手部材の一端を取り付ける。このため、感光体カートリッジに装着された保護部材を外しやすくすることができる。また、この把手部材の他端は、例えば、画像形成装置の使用を開始する際には、感光体カートリッジから保護部材を外さなければならない旨の警告を記した札等を貼付した警告タグ部となっている。これにより、誤って保護部材を感光体カートリッジから外さずに使用してしまうのを防ぐことができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記保護部材は、緩衝性及び柔軟性を備えたベース層と、このベース層の少なくとも一方の面に設けられた導電フィルム層とで構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記導電フィルム層は、所定の表面抵抗値を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2及び請求項3記載の発明では、前記保護部材は、振動などによるガタつき時の最大の間隔よりも厚く、かつ緩衝性及び柔軟性を備えたベース層と、このベース層の少なくとも一方の面に設けられた導電フィルム層とで構成することにより、輸送時の振動による衝撃を和らげることができ、感光体及び中間転写体の当接部分が傷つくのを防ぐことができる。さらに、所定の表面抵抗値を有する導電フィルム層を設けることにより、導電フィルム層がなかった場合と比べて、静電気の発生により保護部材に異物が付着するのを抑えることができるので、感光体が傷つくのを防ぐことができる。また、保護部材と感光体との摩擦帯電により感光体の帯電特性が変化してしまうのを防ぐことができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記保護部材は、前記光体カートリッジに装着することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明では、前記保護部材を、画像形成装置と着脱可能な感光体カートリッジに装着することにより、感光体カートリッジごと画像形成装置から一端外してから保護部材を取り付けたり、または外したりできるので作業性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1には画像形成装置10の全体構成図を示す。この図1に示すように画像形成装置10には、形成すべき画像のデジタル画像データに基づき変調されたレーザ光を射出し感光体ドラム20の表面を走査するレーザ光射出部12が設けられている。
【0019】
このレーザ光射出部12には、図示は省略したが、半導体レーザと、デジタル画像データに基づいて半導体レーザをオン/オフ制御するレーザ駆動回路と、レーザ光量を可変制御するレーザ光量可変装置と、が設けられている。半導体レーザからのレーザ光はポリゴンミラー14により偏向され図示しないfθレンズ、シリンドリカルミラー16、反射ミラー18等を介して感光体ドラム20へ導かれる。
【0020】
感光体ドラム20の周囲には、帯電装置22、ロータリー現像装置24、中間転写体としての中間転写ベルト26、転写ロール28及びクリーナー装置30が設置されている。ロータリー現像装置24には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器が設けられており、ロータリー現像装置24が90度ずつ回転することで、現像処理を行う現像器が切り替えられる。
【0021】
中間転写ベルト26は無端ベルトであり、駆動ロール32の駆動力で所定の周回経路を所定方向(周回経路の上側において矢印B方向)に周回する。この中間転写ベルト26は感光体ドラム20と当接している。また、中間転写ベルト26の周囲には、中間転写ベルト26の表面に付された所定のマークを検知することで中間転写ベルト26上の予め定めた基準位置を検出し、画像形成処理開始タイミングの基準となる位置検出信号を出力する基準位置検出センサ34と、転写装置36と、クリーナー装置38とが設置されており、図1において転写装置36の左側には、定着装置40が設置されている。
【0022】
画像形成装置10の底部には用紙トレイ50が、図1において画像形成装置10の右側部には手差しトレイ52が、それぞれ設けられている。用紙トレイ50に載置された用紙54は、半月ロール56によって、図1に一点鎖線で示す搬送経路Rに送り出され、搬送ロール58、60、62によって搬送経路Rに沿って搬送される。この搬送中に用紙54は、転写装置36の転写位置に搬送され、中間転写ベルト26に形成された画像が用紙54に転写される。
【0023】
画像が転写された用紙54は定着装置40に搬送されて定着処理が施される。定着処理により表面に画像が定着した用紙54は、搬送ロール64、66、68によって搬送経路Rに沿って搬送され、排出トレイ70に排出される。なお、手差しトレイ52に載置された用紙54も同様に半月ロール72によって搬送経路Rに送り出され、上記と同様にその表面に画像が形成される。
【0024】
ここで、画像形成処理の概要を説明する。図1において矢印A方向に回転する感光体ドラム20は帯電装置22により一様に帯電され、レーザ光射出部12からのレーザ光によりまず第1色目(例えば黒色)の潜像が感光体ドラム20上に形成される。この潜像は、ロータリー現像装置24の黒色の現像器によって黒色トナーで現像される。現像された黒色トナー像は、転写ロール28により中間転写ベルト26に転写される。感光体ドラム20上に転写されずに残ったトナー像はクリーナー装置30により除去され、感光体ドラム20は図示しない除電ランプにより除電される。
【0025】
そして、感光体ドラム20は再び帯電装置22により一様に帯電され第2色目(例えばイエロー)の画像形成が続いて行われる。このようにして第3色目(例えばマゼンタ)、第4色目(例えばシアン)まで計4色のトナー像が中間転写ベルト26に順次転写される。4色のトナー像の中間転写ベルト26への転写が完了した時点で、中間転写ベルト26の表面にカラー画像が形成される。
【0026】
中間転写ベルト26の表面に形成されたカラー画像は、用紙トレイ50又は手差しトレイ52から搬送経路Rに沿って搬送された用紙54に、転写装置36によって転写される。カラー画像が転写された用紙54は、定着装置40に搬送され、所定の定着温度に加熱された加熱ロール42と加圧ロール44とで挟持搬送されて、カラー画像が用紙54に定着する。これにより、目的とするカラー画像が用紙54に形成される。
【0027】
また、感光体ドラム20は、図2〜図5に示すような感光体カートリッジ80ごと画像形成装置10から着脱することができる。感光体ドラム20は、図6に示すような筒体であり、図2〜図5に示す如く、ハウジング88に回転可能に軸支されており、図示しないギア機構により所定方向に回転する。
【0028】
感光体カートリッジ80には、把持部材84が撓曲された状態で、両端をネジ86によってハウジング88に螺嵌されており、この把持部材84を把持して感光体カートリッジ80を容易に持ち運ぶことができる。その他にも、感光体カートリッジ80には図示しない帯電器等が装着されている。
【0029】
また、画像形成装置10の輸送時等、振動が加わるような場合には、図8及び図9に示すような保護シート90が図2〜図5に示すごとく感光体カートリッジ80に取り付けられる。
【0030】
保護シート90は図8及び図9に示すごとく、掛止部材92、保護部材93、把手部材96で構成される。掛止部材92は、例えば厚さが0.05mmのクリーンコート紙から成り、ハウジング88の軸部82が貫通できる程度の開口面積を有する開口部98が設けられている。なお、開口部の形状は正円や楕円、多角形など他の形状でもよい。
【0031】
掛止部材92の一端と保護部材93の一端は両面テープ100で貼接されている。保護部材93は、例えば厚さが1.2mmのベース層としての発砲ポリエチレンシート95に、カーボンフィルム等の導電性を有する素材で、例えば表面抵抗値が10MΩ/mの導電フィルム層としての導電フィルム94が被着されて構成されている。
【0032】
保護部材94の他端と把手部材96の一端は両面テープ106で貼接されており、さらに把手部材96の貼接されていない側の面には両面テープ104が貼着されている。また、保護部材93の他端から所定距離離間した位置には両面テープ100が貼着されている。把手部材96は、例えば厚さが0.05mmのPETフィルムから成る。また、把手部材96の他端はさらに延長され、警告タグ部96Aとなっており、図7に示すごとく、筐体110の蓋108を閉じたときに、上端隙間から外部へはみ出すようになっている。すなわち、この警告タグ部Aは、内部に保護シート90が存在することを警告するようになっている。
【0033】
このような保護シート90は、図2に示す如く、保護部材93の導電フィルム94が被着されている面が、感光体ドラム20と対向するように、かつ感光体ドラム20と中間転写ベルト26とが当接する部分に挟入されるように、感光体カートリッジ80の軸部82に掛止される。
【0034】
そして、保護シート90は、感光体ドラム20の軸線方向へ緊張させた状態で、ハウジング88の端部下方に両面テープ102によって貼着される。また、ハウジング88の側面にも両面テープ104により貼着される。このようにして、保護シート90は感光体カートリッジ80にほぼ固定される。
【0035】
次に、本発明の実施の形態における作用について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0036】
画像形成装置10の輸送時等、振動が加わるような場合には、まず、画像形成装置10から感光体カートリッジ80を脱着し、保護部材93の導電フィルム94が被着されている面が、感光体ドラム20と対向するように、かつ感光体ドラム20と中間転写ベルト26とが当接する部分に挟入されるように、保護シート90の掛止部材92を軸部82に掛止する。このように、導電フィルム94が被着されている面が感光体ドラム20と接するようにすることにより、画像形成装置10の使用時において、静電気の発生により保護シート90に異物が付着するのを抑えることができるので、感光体ドラム20が傷つくのを防ぐことができる。また、保護シート90と感光体ドラム20との摩擦帯電により感光体ドラム20の帯電特性が変化してしまうのを防ぐことができる。
【0037】
次に、保護シート90を感光体ドラム20の軸線方向へ緊張させ、ハウジング88の端部下方に両面テープ102で貼着し、さらに、ハウジング88の側面にも両面テープ104で貼着する。
【0038】
そして、図7に示すごとく、感光体カートリッジ80を画像形成装置10に装着し、把手部材96及び把手部材96が延長された警告タグ部96Aが、蓋108の上端を通って筐体110の外側に垂れ下がるようにして、蓋108を閉める。この状態で画像形成装置10を輸送する。このとき、画像形成装置10に振動が加わった場合でも、保護シート90が感光体ドラム20と中間転写ベルト26との間に挟入されているので、感光体ドラム20及び中間転写ベルト26が傷つくことがない。
【0039】
画像形成装置10の使用時には、蓋108と筐体110の間から把手部材96が延長された警告タグ部96Aが垂れ下がった状態になっているので、作業者は容易に保護シート90の存在を確認することができる。そして、保護シート90の取り付け時と逆の手順で感光体カートリッジ80を取り出し、保護シート90を感光体カートリッジ80から外して、再び感光体カートリッジ80を画像形成装置10に装着して使用する。
【0040】
なお、本実施の形態では、保護シート90を感光体カートリッジ80に取り付ける構成としたが、これに限らず、中間転写ベルト26側に取り付けるようにしてもよい。さらに、保護部材93の片面だけでなく、両面に導電フィルム94を被着するようにしてもよい。また、画像形成装置10の輸送時のために保護シート90を保存しておき、再利用してもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、輸送時等、画像形成装置に振動が加わる場合において、画像形成装置と着脱可能な感光体カートリッジの感光体と中間転写体との当接部分に保護部材を挟んで、感光体及び前記中間転写体の当接部分を保護するようにしたので、輸送時において感光体及び中間転写体の当接部分が傷つくのを防ぐことができる。
また、保護部材の長手方向の一端には、感光体カートリッジに掛止するための掛止部材を取り付け、感光体カートリッジの突出部分に掛止するようにしたので、簡単な構造で保護部材を取り付けやすくすることができる。また、保護部材の長手方向の他端には、把手部材の一端を取り付け、この把手部材の他端を警告タグ等を貼付した警告タグ部としたので、誤って保護シートを感光体カートリッジから外さずに使用してしまうのを防ぐことができる。
【0042】
請求項2及び請求項3記載の発明によれば、保護部材は、所定の厚さ以上の厚みを持ち、かつ緩衝性及び柔軟性を備えた素材としたので、輸送時の振動による衝撃を和らげることができる。また、保護部材の感光体及び中間転写体と接触する面の少なくとも一方の面に、所定値以下の表面抵抗値を有する導電フィルムを被着するようにしたので、静電気の発生により保護部材に異物が付着するのを抑えることができるので、感光体が傷つくのを防ぐことができる。また、保護部材と感光体との摩擦帯電により感光体の帯電特性が変化してしまうのを防ぐことができる。
【0043】
請求項4記載の発明によれば、保護シートを、感光体を装着する画像形成装置と着脱可能な感光体カートリッジに装着するようにしたので、感光体カートリッジごと画像形成装置から一端外してから保護シートを取り付け、あるいは取り外すことができるので作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の全体構成図である。
【図2】感光体カートリッジに保護シートを取り付けた場合の側面図である。
【図3】図2を下側から見た場合の平面図である。
【図4】図2の左側面図である。
【図5】図2の右側面図である。
【図6】感光体ドラムの斜視図である。
【図7】画像形成装置へ感光体カートリッジを装着した場合の断面図である。
【図8】保護シートの平面図である。
【図9】図8の側面図である。
【符号の説明】
10 画像形成装置
20 感光体ドラム
26 中間転写ベルト
80 感光体カートリッジ
90 保護シート
92 掛止部材
93 保護部材
94 導電フィルム
95 発砲ポリエチレンシート
96 把手部材

Claims (4)

  1. 光ビームを感光体上で走査して前記感光体上に潜像を形成し、前記潜像を現像剤によって現像して形成した像を、前記感光体と当接した中間転写体に転写し、その後記録材料に一括転写して前記記録材料上に画像を形成する画像形成装置であって、輸送時等、前記画像形成装置に振動が加わる場合において、
    前記画像形成装置と着脱可能な感光体カートリッジの感光体と前記中間転写体との当接部分を保護するための保護部材を設け、かつ前記保護部材の長手方向の一端には、前記感光体カートリッジに掛止するための掛止部材が取り付けられ、前記長手方向の他端には、前記感光体カートリッジから脱着しやすくするための把手部材の一端が取り付けられていると共に、前記把手部材の他端が警告タグ部となっていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記保護部材は、緩衝性及び柔軟性を備えたベース層と、このベース層の少なくとも一方の面に設けられた導電フィルム層とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記導電フィルム層は、所定の表面抵抗値を有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記保護部材は、前記感光体カートリッジに装着することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
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