JP3581483B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトレジスト塗布液、感光性ポリイミド樹脂、カラーフィルター用の染色剤等からなる薄膜が表面に形成された液晶用のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板等を対象とし、これら基板の主面に所定の処理液を供給することによって処理する基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薬液供給処理が施された後、基板に、洗浄水による洗浄処理を施してから後工程に搬送するようにした基板処理装置が知られている。かかる基板処理装置は、薬液処理部、水洗部および乾燥部が直列に配設されて形成されている。これら薬液処理部、水洗部および乾燥部を貫通するように基板の搬送手段が敷設され、基板はこの搬送手段によって基板処理装置内を薬液処理部、水洗部および乾燥部の順に搬送されつつ処理される。
【0003】
そして基板は、薬液処理部においてアルカリ洗浄液、現像液、エッチング液あるいは剥離液等の薬液が表面に供給されて所定の処理が施され、ついで水洗部において水洗処理が施され、最後に乾燥部において気体の噴射等による乾燥処理が行われるようになっている。
【0004】
ところで、薬液処理部で薬液による所定の処理が施された基板は、その表面に薬液が付着した状態になっているため、そのまま薬液処理部から水洗部に移されると、水洗部内に薬液が持ち込まれることになり、循環使用される洗浄水が薬液の混入によって汚染され、洗浄性能の維持が図れなくなるという不都合が生じる。
【0005】
そこで、従来、薬液処理部と水洗部との境界部分にエアーナイフが配設され、その気体吐出口から基板の表面に向けてカーテン状の気体を吹き付け、基板の表面に付着している薬液を、基板の表面が乾燥しない程度に薬液処理部内に向けて吹き戻し、これによって薬液の水洗部への持ち込みを防止するようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、基板の大型化に伴い、基板が薬液処理部で薬液の供給を受けつつ下流側が水洗部で洗浄水の供給を受けるという工程の重複が生じるようになり、たとえ薬液処理部と水洗部との境界部分でエアーナイフから基板の表面に向けて気体を噴射しても、基板の上流側の表面には薬液が、下流側の表面には洗浄水が同時に供給された状態になるため、基板の表面を通って薬液が洗浄部に入り込んだり、逆に洗浄水が薬液処理部に移動したりすることがあり、境界部分で液の確実な置換が行われなくなるという問題が発生するようになった。
【0007】
かかる問題を解消するために、薬液処理部および水洗部の処理槽の長さを長くし、基板が薬液処理部と水洗部との境界部分に差し掛かった状態では、薬液および洗浄水のいずれもが基板に供給されないようにすることが考えられるが、このようにすると処理槽を大型化しなければならず、設備コストが嵩むという新たな問題点が発生する。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためのものであり、同一の処理槽内で異なる種類の処理液を基板に同時に供給することができ、これによって設備の小型化と、処理効率の向上との双方を達成し得る基板処理装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、処理槽内の所定位置に配設された基板搬送路上を搬送方向に搬送される基板の主面に処理液を供給して所定の処理を施す基板処理装置において、上記基板搬送路の搬送方向の上手側および下手側に設けられ、かつ、基板の搬送方向に沿って処理液を吐出する上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段と、上手側処理液供給手段と下手側処理液供給手段との間で基板搬送路に交差した中央部仕切りローラとを備え、上記基板搬送路は、搬送方向に直交した面内で水平方向に対して傾斜するように形成され、上記上手側および下手側処理液供給手段は、搬送中の基板の主面の上位側端縁に向けて処理液を吐出するように取り付け位置が設定され、上記上手側処理液供給手段、中央部仕切りローラおよび下手側処理液供給手段は、いずれも同一の処理槽内に設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
この発明によれば、処理槽内において上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段からそれぞれ処理液を吐出させつつ基板搬送路に沿って基板を搬送することにより、基板が上手側処理液供給手段に差し掛かったときに基板の主面に上手側処理液供給手段からの処理液が供給されて処理され、ついで、下手側処理液供給手段差し掛かったときに、すでに上手側処理液供給手段からの処理液によって処理された部分が下手側処理液供給手段からの処理液によって処理され、基板の下流端が下手側処理液供給手段から外れた時点で、基板の主面は上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段からの二種類の処理液による処理が完了した状態になる。
【0011】
そして、上手側処理液供給手段と、下手側処理液供給手段との間には、中央部仕切りローラが設けられているため、この中央部仕切りローラに遮られ、搬送中の基板上で上手側処理液供給手段からの処理液と、下手側処理液供給手段からの処理液とが混ざり合うことはなく、各処理液の処理性能が確保される。
【0012】
また、上記基板搬送路は、搬送方向に直交した面内で水平方向に対して傾斜するように形成され、上記上手側および下手側処理液供給手段は、搬送中の基板の主面の上位側端縁に向けて処理液を吐出するように取り付け位置が設定されているため、上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段からそれぞれ吐出された処理液は、傾斜姿勢で搬送されつつある基板の傾斜に沿って流下し、これによって基板主面上での液切れが良好になる。
【0013】
請求項2記載の発明は、処理槽内の所定位置に配設された基板搬送路上を搬送方向に搬送される基板の主面に処理液を供給して所定の処理を施す基板処理装置において、上記基板搬送路の搬送方向の上手側および下手側に設けられ、かつ、基板の搬送方向に沿って処理液を吐出する上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段と、上手側処理液供給手段と下手側処理液供給手段との間で基板搬送路に交差した中央部仕切りローラとを備え、上記基板搬送路は、水平に形成され、上記上手側および下手側処理液供給手段は、搬送中の基板の主面の幅方向の中央部における上手側および下手側のそれぞれに向けて処理液を吐出するように取り付け位置が設定され、基板搬送路における上手側処理液供給手段の上手側、および基板搬送路における下手側処理液供給手段の下手側で、搬送中の基板の主面を幅方向に横断する上手側仕切りローラ、および下手側仕切りローラが設けられ、上記上手側処理液供給手段、上手側仕切りローラ、中央部仕切りローラ、下手側処理液供給手段および下手側仕切りローラは、いずれも同一の処理槽内に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
この発明によれば、少なくとも下手側処理液供給手段の下流側の基板主面上は、下手側仕切りローラによって仕切られているため、下手側処理液供給手段から吐出された処理液は基板主面上を下流側に液流状態で移行せず、処理液の次工程への持ち出し量が少なくなる。
【0015】
また、上手側処理液供給手段の上流側にも上手側仕切りローラを設けることにより、上手側処理液供給手段から吐出された処理液が基板主面上でこの上手側仕切りローラに遮られて基板主面上を上流側に移行することはなく、処理液の上流側工程への流入が阻止される。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、上記処理槽は、上記中央部仕切りローラの真下にこの中央部仕切りローラと平行な仕切壁を有していることを特徴とするものである。
【0017】
この発明によれば、上手側処理液供給手段から吐出された処理液と、下手側処理液供給手段から吐出された処理液とは、中央部仕切りローラによって基板主面上での混合が防止された状態で各処理液は基板の幅方向の側端縁から流下し、仕切壁によって相互に混ざり合わない状態で処理槽の底部に貯留される。
【0018】
請求項4記載の発明は、処理槽内の所定位置に配設された基板搬送路上を搬送方向に搬送される基板の主面に処理液を供給して所定の処理を施す基板処理装置において、上記基板搬送路の搬送方向の上手側および下手側に設けられ、かつ、基板の搬送方向に沿って処理液を吐出する上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段と、上手側処理液供給手段と下手側処理液供給手段との間で基板搬送路に交差した仕切りローラとを備え、上手側処理液供給手段の処理液吐出域および下手側処理液供給手段の処理液吐出域の内の少なくとも一方であって、搬送方向と交差する基板の幅方向に亘って処理液を供給する第2の処理液供給手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
この発明によれば、上手側あるいは下手側処理液供給手段から吐出される処理液に加え、第2の処理液給手段からの処理液も基板の主面に供給されるため、基板の主面上での処理液の流れに乱流が生じ、乱流による混合で処理液と基板主面との接触状態が均一になり、処理液による基板主面の処理効率が向上する。また、第2の処理液供給手段を洗浄部に設けると、基板表面における処理液の衝突効果により、基板に付着したパーティクル等の余剰物がより効率よく除去される。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る基板処理装置の第1実施形態が適用された基板処理装置群の一実施形態を示す説明図である。基板処理装置群1は、基板の主面に所定の薬液を供給して処理する薬液処理部2、この薬液処理部2で薬液処理の施された基板Bを水洗する水洗部3、およびこの水洗部3で水洗処理の施された基板Bを乾燥する乾燥部4が直列に上流側から順次配設されて形成されている。
【0021】
薬液処理部2および乾燥部4は、それぞれ箱型の薬液処理槽21および乾燥槽41を備えて形成されている。また、水洗部3は、上流側の第1水洗槽31と下流側の第2水洗槽32とを備えて形成されている。第1水洗槽31内には前洗浄用の第1洗浄水L1を用いて基板Bを洗浄する第1洗浄空間S1と、第1洗浄水L1によって洗浄された基板Bに第2洗浄水L2を用いた中間洗浄を施す第2洗浄空間S2とが形成されている。また、第2水洗槽32において基板Bに純水による仕上げ洗浄が施されるようになっている。また上記薬液処理部2では処理液(薬液)として洗剤の混入された洗浄液が用いられ、乾燥槽41では乾燥用の窒素またはドライエア等の気流が用いられている。
【0022】
各槽21,31,32,41の上流壁および下流壁には水平方向で互いに対向した基板通過口11が開口され、この基板通過口11を通して基板Bが各槽21,31,32,41に入出されるようになっている。
【0023】
基板Bを各槽21,31,32,41内で搬送する搬送手段としてはローラコンベアが適用されている。このローラコンベアは、基板Bの搬送方向に直交する面内で水平方向に対して傾斜した支持軸を有する搬送ローラ5が搬送方向にほぼ等ピッチで並設されて形成され、図略の駆動手段の駆動により同一方向に同期回転されるようになっている。従って、基板Bの各槽21,31,32,41内における搬送路は、搬送方向に対して全体的に幅方向に傾斜しており、基板Bはこの傾斜搬送路に沿って傾斜姿勢で搬送されつつ、各槽21,31,32,41内で所定の処理が施される。本実施形態においては、基板Bの水平面に対する傾斜角度α(図3)は略5°に設定されている。
【0024】
基板Bは、前工程から図略の上流側引継ぎ手段を介して傾斜姿勢に姿勢変更された後、薬液処理槽21の直上流側に配設された搬送ローラ5に移載され、ついで搬送ローラ5の駆動によって基板処理装置群1内に導入され、ここで搬送ローラ5によって搬送方向(図1の右方)に向けて搬送されつつ薬液処理槽21内において散液配管や処理液供給手段等の散液手段22からの薬液の供給による所定の薬液処理が主面に施され、ついで第1水洗槽31内の第1洗浄空間S1において処理液供給手段6(上手側処理液供給手段6a)からの第1洗浄水L1の供給を受けて前洗浄が施され、第2洗浄空間S2において処理液供給手段6(下手側処理液供給手段6b)からの第2洗浄水L2の供給を受けて中間洗浄処理が施され、第2水洗槽32において純水供給ノズル34からの純水の供給を受けて仕上げ洗浄され、最後の乾燥槽41においてエアナイフ42からの窒素またはドライエア等の気体の噴射供給による乾燥処理が施された後、乾燥槽41の直ぐ下流側に配設された図略の下流側引継ぎ手段を介して元の水平姿勢に戻され、次工程に向けて導出されるようになっている。
【0025】
本発明に係る基板処理装置10は、本実施形態においては上記第1水洗槽31に適用されている。以下本発明に係る基板処理装置10につき、第1水洗槽31に適用された場合を例に挙げて説明する。図2は、第1水洗槽(基板処理装置)31の第1実施形態を示す一部切欠き斜視図である。この図に示すように、第1水洗槽31内には、上流側および下流側の基板通過口11間に、同一高されべルで搬送方向(右方)に向かって5本の搬送ローラ5が配設され、図略の駆動手段による各搬送ローラ5の同一方向の同期回転によって、上流側の基板通過口11から第1水洗槽31内に導入された基板Bは、下流側の基板通過口11に向けて第1水洗槽31内を搬送されるようになっている。
【0026】
上記搬送ローラ5は、第1水洗槽31内の側壁間に自軸心回りに回転可能に架橋されたローラ軸51と、このローラ軸51の左右両側部にローラ軸51と共回り可能に設けられた左右一対の側部ローラ52と、ローラ軸51の中央部に設けられた中央ローラ53とから形成された、いわゆる部分支持型ローラが採用されている。かかる部分支持型ローラを適用することにより、搬送ローラ5と基板B裏面との接触域を少なくし、基板Bの裏面への洗浄水や気体の供給を良好に行い得るとともに、洗浄過程や乾燥工程での搬送ローラ5との接触による基板Bの裏面の汚染を最小限に抑えることが可能になる。
【0027】
上記左右の側部ローラ52は、各々その外方側部に側部ローラ52と一体の鍔部52aを有しており、この鍔部52aによって各ローラ52,53上に載置されて搬送される基板Bの横ずれを防止するとともに、特に下位側の鍔部52aによって基板Bが搬送路の傾斜面に沿って滑落するのを防止している。また、各ローラ52,53にはゴム等の柔軟性材料からなる緩衝材としてのOリング54が外嵌されており、このOリング54の滑り止め作用によって基板Bの搬送を確実に行い得るようにしている。
【0028】
第1水洗槽31内には、搬送方向の略中央部であって、搬送ローラ5の上位側の内壁面に搬送方向に延びた支持枠体12が設けられ、この支持枠体12に、下方に向いたスリット状の吐出口を搬送方向に沿わせるようにして配置された前後方向一対の処理液供給手段6(上手側処理液供給手段6aおよび下手側処理液供給手段6b)が固定されている。各処理液供給手段6a,6bの前後方向の長さ寸法は、基板Bの長さ寸法(搬送方向に延びる寸法)の略1/4に設定されている。
【0029】
また、図2に示すように、基板B上の上手側処理液供給手段6aに対向する部分から下位側の側端縁に亘る部分に、上手側処理液供給手段6aからの第1洗浄水L1の流下による第1洗浄域A1が形成されているとともに、下手側処理液供給手段6bに対向する部分から下位側の側端縁に亘る部分に第2洗浄域A2が形成されている。
【0030】
そして、第1洗浄域A1と第2洗浄域A2との境界部分には、基板Bの幅方向の全長に亘る長さ寸法を備えた仕切りローラ7(中央部仕切りローラ7a)が設けられ、この中央部仕切りローラ7aの仕切り作用によって基板B上の第1洗浄域A1を流下する第1洗浄水L1と、第2洗浄域A2を流下する第2洗浄水L2とが相互に混合し合わないようにしている。
【0031】
かかる中央部仕切りローラ7aは、第1水洗槽31内に配設された5本の搬送ローラ5の中央のものに対向してその上方に設けられている。そして第1水洗槽31内に搬送された基板Bは、中央部の搬送ローラ5と中央部仕切りローラ7aとに挾持された状態になり、これによって中央部仕切りローラ7aの仕切り作用が確実になるようにしている。
【0032】
また、中央部に配設された搬送ローラ5の下方には、仕切壁33が設けられ、この仕切壁33によって第1水洗槽31の底部に上手側貯留部33aと、下手側貯留部33bとが形成されている。従って、上手側処理液供給手段6aから吐出され、基板B上の第1洗浄域A1を流下した第1洗浄水L1は、上手側貯留部33aに一時貯留されるとともに、下手側処理液供給手段6bから吐出され、基板B上の第2洗浄域A2を流下した第2洗浄水L2は、下手側貯留部33bに一時貯留されるようになっている。
【0033】
一方、第1水洗槽31の近傍には上記上手側処理液供給手段6aに供給するための第1洗浄水L1を貯留する第1洗浄水貯槽35と、下手側処理液供給手段6bに第2洗浄水L2を供給するための第2洗浄水貯槽36とが配設されている。そして、第1洗浄水貯槽35と上手側処理液供給手段6aとの間に第1洗浄水管路35aが配設されているとともに、上手側貯留部33aの底部と第1洗浄水貯槽35の頂部との間には第1洗浄水戻り管路35bが配設され、これら第1洗浄水管路35aおよび第1洗浄水戻り管路35bによって第1洗浄水貯槽35内の第1洗浄水L1を上手側処理液供給手段6aを介して循環させる循環管路が形成されている。
【0034】
また、第2洗浄水貯槽36と下手側処理液供給手段6bとの間に第2洗浄水管路36aが配設されているとともに、下手側貯留部33bの底部と第2洗浄水貯槽36の頂部との間には第2洗浄水戻り管路36bが配設され、これら第2洗浄水管路36aおよび第2洗浄水戻り管路36bによって第2洗浄水貯槽36内の第2洗浄水L2を下手側処理液供給手段6bを介して循環させる循環管路が形成されている。
【0035】
そして、第1洗浄水貯槽35の直ぐ下流側の第1洗浄水管路35aには第1洗浄水ポンプ35cが設けられているとともに、第1洗浄水ポンプ35cの直ぐ下流側にはフィルター35dが設けられている。従って、第1洗浄水ポンプ35cを駆動することにより、第1洗浄水貯槽35内の第1洗浄水L1は、第1洗浄水管路35aを通してまずフィルター35dで異物が除去され、ついで上手側処理液供給手段6aから搬送ローラ5上の傾斜姿勢の基板B表面の上位側端縁に向けて吐出され、基板Bの傾斜に沿って流下しながら前洗浄を施した後、基板Bの下位側端縁から上手側貯留部33aに落下し、第1洗浄水戻り管路35bを介して第1洗浄水貯槽35に戻され、以後、循環使用される。
【0036】
同様に、第2洗浄水貯槽36の直ぐ下流側の第2洗浄水管路36aには第2洗浄水ポンプ36cが設けられているとともに、第2洗浄水ポンプ36cの直ぐ下流側にはフィルター36dが設けられている。従って、第2洗浄水ポンプ36cを駆動することにより、第2洗浄水貯槽36内の第2洗浄水L2は、第2洗浄水管路36aを通してまずフィルター36dで異物が除去され、ついで下手側処理液供給手段6bから搬送ローラ5上の傾斜姿勢の基板B表面の上位側端縁に向けて吐出され、基板Bの傾斜に沿って流下しながら中間洗浄処理を施した後、基板Bの下位側端縁から下手側貯留部33bに落下し、第2洗浄水戻り管路36bを介して第2洗浄水貯槽36に戻され、以後、循環使用される。
【0037】
このように、第1水洗槽31内において、基板Bに第1洗浄水L1による前洗浄処理が施された後、第2洗浄水L2による中間洗浄処理が施され、しかも第1洗浄水L1と第2洗浄水L2とを別系統で循環使用するのは以下の理由による。すなわち、基板Bは薬液処理部2(図1)において薬液処理され、表面に薬液が付着した状態で第1水洗槽31に導入されるため、この薬液の付着した基板Bを洗浄する第1洗浄水L1と、中間洗浄処理用の第2洗浄水L2とを別系統にしておかないと、第2洗浄水L2が薬液で汚染され、基板Bが段階的に清浄化されなくなるからである。
【0038】
図3は、処理液供給手段6の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。この図に示すように、処理液供給手段6は、前後方向に延びる長尺直方体状の本体61と、この本体61の下部から延設された先細りのノズル部62とを備えて形成されている。上記本体61は、内部に前後方向に延びる処理液供給管路63を有しているとともに、頂部に雄ネジの螺設された接続筒64を有している。この接続筒64に洗浄水管路35a,36aの下流端に設けられたジョイント37が螺着されることにより、洗浄水管路35a,36aが各処理液供給手段6a,6bの各々に接続されるようになっている。
【0039】
また、上記ノズル部62には、処理液供給管路63に連通した前後方向に延びるスリット状の処理水吐出口65が設けられており、洗浄水管路35a、35bを通して本体61の処理液供給管路63に供給された洗浄水L1,L2は、処理水吐出口65から基板B上に供給される。
【0040】
図4は、基板Bが仕切りローラ7と搬送ローラ5とに挟持された状態を示す正面図である。この図に示すように、仕切りローラ7は、基板Bの幅方向に延びる仕切りローラ軸71と、この仕切りローラ軸71の両側部に設けられたフランジ部(大径部)72と、これらフランジ72に挟持され、かつ、フランジ72より若干小径の液切り部(小径部)73とから構成されている。上記液切り部73は、フランジ部72が基板Bの幅方向の上面両縁部に当接するように長さ寸法が設定されている。従って、基板Bが仕切りローラ7の下部に搬送された状態で、基板Bの幅方向の両側部は側部ローラ52の外周面とフランジ部72の外周面とに挟持され、これによって基板Bの表面中央部と液切り部73の外周面との間には距離dの隙間が形成された状態になっている。
【0041】
上記隙間の距離dは、基板B上の中央部仕切りローラ7aを挟んだ第1洗浄域A1および第2洗浄域A2に吐出された第1洗浄水L1および第2洗浄水L2が表面張力によって相互に混ざり合わない寸法に設定されている。本実施例では、上記隙間dは0.1〜1.0mmに設定され、これによって、基板Bの表面中央部に形成された有効エリアが仕切りローラ7との接触による損傷を受けないようにしているとともに、第1および第2洗浄域A1,A2のそれぞれに上手側および下手側処理液供給手段6a,6bから吐出された第1および第2洗浄水L1,L2の混合が防止されるようにしている。
【0042】
また、仕切りローラ7は、上記搬送ローラ5に対向して設けられ、これによって仕切りローラ7に到達した基板Bは、搬送ローラ5上にあって、かつ、幅方向の端縁が搬送ローラ5の側部ローラ52と、仕切りローラ7のフランジ部72とに挾持された安定した状態になり、これによって基板Bの撓みが抑制され、隙間dの一定化を確保した状態で液切り部73による液切りが確実に行われるようにしている。
【0043】
図5は、本発明の作用を説明するための説明図であり、(イ)は基板Bの搬送方向前端が第1洗浄域A1に侵入した直後の状態、(ロ)は基板Bの後端側が第1洗浄域A1に位置しているとともに、前端側が第2洗浄域A2に位置している状態、(ハ)は基板Bが第2洗浄域A2から導出された状態をそれぞれ示している。
【0044】
まず、図5の(イ)に示すように、搬送ローラ5の駆動により上流側(左方)の基板通過口11を介して第1水洗槽31内に導入されて第1洗浄域A1に侵入した基板Bは、その搬送方向前端部の上位側に上手側処理液供給手段6aから吐出された第1洗浄水L1が供給され、基板Bの前端側の表面を上位側から下位側に向けて第1洗浄水L1が流下し、これによって基板Bの表面に第1洗浄水L1による前洗浄処理が施される。前洗浄処理後の第1洗浄水L1は基板Bの下位側端縁を通って第1水洗槽33aの底部に落下する。そして、第1洗浄水L1は基板Bの傾斜に沿って流下するため、第1洗浄水L1が基板Bの表面を伝って基板Bの後端縁から第1水洗槽33a外に漏れ出るという不都合は回避される。
【0045】
ついで、図5の(ロ)に示すように、搬送ローラ5の駆動によって基板Bの前端側が第2洗浄域A2に進入し、かつ、基板Bの後端側が第1洗浄域A1に残っている状態になると、上手側処理液供給手段6aから吐出された第1洗浄水L1が基板B中央部の上位側端縁に供給され、これによって基板Bの第1洗浄域A1にある部分が第1洗浄水L1によって水洗されるとともに、下手側処理液供給手段6bから吐出された第2洗浄水L2が基板Bの第2洗浄域A2にある部分を洗浄処理する。
【0046】
そして、第1洗浄域A1と第2洗浄域A2との間には中央部仕切りローラ7aが設けられているため、この中央部仕切りローラ7aによって第1洗浄水L1と第2洗浄水L2とは相互に混ざり合うことなく、それぞれが仕切壁33によって仕切られた上手側貯留部33aと下手側貯留部33bとに流下する。そして、第2洗浄水L2は基板Bの傾斜に沿って勢いよく流下し、下流側には液流となって向かわないため、下手側処理液供給手段6bを通過した基板Bの表面は、第2洗浄水L2が極めて薄い薄膜状態で残留した状態になっている。
【0047】
さらに、図5の(ハ)に示すように、搬送ローラ5の駆動で基板Bが完全に第2洗浄域A2から外れた状態になると、基板Bの表面はすでに第1洗浄水L1および第2洗浄水L2による水洗処理が完了し、かつ、基板Bの表面には極めて薄い薄膜状態の第2洗浄水L2が存在するのみの液切れ状態になっているため、次工程である第2水洗槽32(図1)への第2洗浄水L2の持込み量を最小限に抑えることができるとともに、基板Bの表面が部分乾燥することに起因したパーティクルの発生を確実に抑制することが可能になる。
【0048】
図6は、第1水洗槽(基板処理装置)310の第2実施形態を示す一部切欠き斜視図である。この図に示すように、第2実施形態の第1水洗槽310は、上手側処理液供給手段6aの上流側に、基板Bを幅方向に横断するように上手側仕切りローラ7bが設けられているとともに、下手側処理液供給手段6bの下流側に基板Bを幅方向に横断するように下手側仕切りローラ7cが設けられている。これらの仕切りローラ7は、上記中央部仕切りローラ7aと同様に構成されている。その他の構成は第1実施形態と同一である。
【0049】
かかる第2実施形態の第1水洗槽310によれば、基板B上の第1洗浄域A1に上手側処理液供給手段6aから吐出された第1洗浄水L1は、上手側仕切りローラ7bの仕切り作用によって基板B上を上流側に漏出しないため、第1洗浄水L1の薬液処理槽21内への混入が確実に防止されるとともに、下手側仕切りローラ7cの液切り作用によって、下手側仕切りローラ7cの下流側における基板B表面の残留洗浄水量を少なく抑えることが可能になり、第2水洗槽32への第2洗浄水L2の持込み量を最小限度に抑えることが可能になる。
【0050】
以上詳述したように、前記の実施形態は、基板Bを水平姿勢あるいは傾斜姿勢で搬送するに際し、基板Bの上位側の端縁に上手側処理液供給手段6aおよび下手側処理液供給手段6bからそれぞれ異なる処理液(本実施形態では第1洗浄水L1と第2洗浄水L2)を第1洗浄域A1および第2洗浄域A2に向けてそれぞれ吐出するようにし、しかも、基板Bを傾斜姿勢で搬送するときには少なくとも第1洗浄域A1と第2洗浄域A2との境界部分に基板Bを横断するように中央部仕切りローラ7aが配設される。また、基板Bを水平姿勢で搬送するときには上記中央部仕切りローラ7aに加えて第1洗浄域A1の上流側に上手側仕切りローラ7bを、第2洗浄域A2の下流側には下手側仕切りローラ7cが配設される。
【0051】
基板Bの水平、傾斜の搬送姿勢に拘らず、第1水洗槽31の底部に仕切りローラ7を境にした仕切壁33を設けてなるものであるため、仕切りローラ7の仕切り作用によって第1洗浄水L1と第2洗浄水L2とは基板B上で互いに混ざり合うことがない状態で基板Bの幅方向の側端縁から流下し、この流下時に基板Bの表面に第1洗浄水L1による前洗浄処理、引き続き第2洗浄水L2による中間洗浄処理が施される。
【0052】
図7は、第1水洗槽(基板処理装置)311の第3実施形態を示す一部切欠き斜視図である。図7に示すように、第3実施形態においては、水平姿勢で搬送される基板Bの処理を対象にしている。そして、搬送ローラ5並びに中央部仕切りローラ7a、上手側仕切りローラ7bおよび下手側仕切りローラ7cはそれぞれ第1水洗槽311の幅方向の側壁間に水平に架橋されているとともに、これに応じて基板通過口11も水平方向に延びるように開口されている。
【0053】
そして基板Bは、この水平姿勢の搬送ローラ5によって搬送されつつ仕切りローラ7によって仕切られた第1洗浄域A1および第2洗浄域A2に供給される第1洗浄水L1および第2洗浄水L2によって処理されるようになっている。
【0054】
また、第3実施形態においては、支持枠体120は、搬送ローラ5の上方において第1水洗槽311の幅方向の側壁間に差し渡された前後方向一対の側壁間梁材121と、各側壁間梁材121の幅方向の中央部に平行に架橋された一対のノズル支持梁材122とを備えて形成され、上記上手側処理液供給手段6aおよび下手側処理液供給手段6bは、各ノズル支持梁材122間に挟持され、かつ、搬送方向に延びた状態で支持枠体120に固定されている。これによって上手側処理液供給手段6aおよび下手側処理液供給手段6bから吐出された第1洗浄水L1および第2洗浄水L2は、基板B上の第1洗浄域A1および第2洗浄域A2の幅方向の中央部に吐出されることになる。その他は先の第2実施形態のものと同様に構成されている。
【0055】
第3実施形態の構成によれば、各処理液供給手段6a,6bからの各洗浄水L1,L2は、搬送ローラ5によって搬送されつつある基板B上の第1洗浄域A1および第2洗浄域A2の幅方向の中央部に吐出され、各洗浄域A1,A2に吐出された各洗浄水L1,L2は、上手側仕切りローラ7bおよび中央部仕切りローラ7a、並びに中央部仕切りローラ7aおよび下手側仕切りローラ7cによって各洗浄域A1,A2外に漏出するのが防止された状態で幅方向に左右に分かれて流れ、第1洗浄水L1は上手側貯留部33aに第2洗浄水L2は下手側貯留部33bに流下する。
【0056】
図8は、第1水洗槽(基板処理装置)312の第4実施形態を示す一部切欠き斜視図である。この実施形態においては、図2に示す第1実施形態の第1水洗槽31がベースとして採用され、その中央部仕切りローラ7aの上手側および下手側に、搬送中の基板を横断するように上手側散水配管(第2の処理液供給手段)60aおよび下手側散水配管(第2の処理液供給手段)60bがそれぞれ設けられることにより第1水洗槽312が形成されている。各散水配管60a,60bは、下面部に長手方向に亘って配列された複数の散水ノズル601を有している。これらの散水ノズル601としては、コーンノズルや扇形ノズル等の通常のスプレーノズルが採用されている。
【0057】
そして、上手側散水配管60aからは、散水ノズル601を介して第1洗浄域A1の基板搬送方向の中央部に向けて第1洗浄水貯槽35からの第1洗浄水L1が供給されるとともに、下手側散水配管60bからは、第2洗浄域A2の基板搬送方向の中央部に向けて第2洗浄水貯槽36からの第2洗浄水L2が供給されるようになっている。第4実施形態の第1水洗槽312は、内部に上記のような散水配管60a,60bが設けられている以外は、第1実施形態の第1水洗槽31と同一構成である。
【0058】
第4実施形態の上記構成によれば、各処理液供給手段6a,6bから吐出される処理液L1,L2に加え、各散水配管60a,60bからも処理液L1,L2が基板B主面の各洗浄域A1,A2にそれぞれ供給されるため、基板Bの主面上での処理液L1,L2の流れに乱流が生じ、乱流による混合で処理液L1,L2と基板B主面との接触状態が均一になり、基板B主面の処理効率を向上させることができる。また処理液L1,L2の衝撃効果により、基板B主面に付着ているパーティクル等の余剰物をより効果的に洗浄することができる。
【0059】
本発明は、以上詳述したように、第1水洗槽31内を搬送ローラ5によって搬送される基板Bの主面に対向して上手側処理液供給手段6aおよび下手側処理液供給手段6bを設け、これら各処理液供給手段6a,6bから吐出された第1洗浄水L1と第2洗浄水L2とが相互に混ざり合わないように仕切りローラ7が基板Bを横断するように設け、しかも、仕切壁33で仕切られた各貯留部33a,33bにおいて各洗浄水L1,L2をそれぞれ回収するものであるため、第1洗浄水L1による第1洗浄空間S1、および第2洗浄水L2による第2洗浄空間S2(図1)を、従来のようにそれぞれ別の処理槽で形成する必要はなく、1槽で賄うことが可能になり、その分、設備コストの削減に寄与し得るとともに、基板の処理時間の短縮も実現し、処理効率を向上させる上での効果も大きい。
【0060】
また本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0061】
(1)上記の実施形態においては、異なる種類の処理液として第1洗浄水L1および第2洗浄水L2を用い、上手側処理液供給手段6aから第1洗浄水L1を吐出し、下手側処理液供給手段6bから第2洗浄水L2を吐出することによって、前洗浄処理と、中間洗浄処理とを略同時に行うようにしているが、上手側処理液供給手段6aに薬剤を供給し、下手側処理液供給手段6bに洗浄水を供給するなど、まったく性状の異なる二種類の処理液を同一処理槽内で使用するようにしてもよい。
【0062】
(2)上記の第2実施形態においては、第1水洗槽31内の中央部仕切りローラ7aの上流側に上手側仕切りローラ7b、下流側に下手側仕切りローラ7cが設けているが、状況に応じて上手側仕切りローラ7bおよび下手側仕切りローラ7cの内のいずれか一方のみを採用するようにしてもよい。
【0063】
(3)上記の第4実施形態においては、散水配管60a,60bは、第1実施形態の第1水洗槽31に適用されているが、本発明は、散水配管60a,60bが第1実施形態の第1水洗槽31に適用されることに限定されるものではなく、第2および第3実施形態の第1水洗層310,311にも適用可能である。
【0064】
(4)上記の実施形態においては、処理液供給手段6から吐出される各洗浄水L1,L2によって基板Bの表面のみが処理されるようになっているが、本発明は、基板Bの表面のみを処理することに限定されるものではなく、搬送中の基板Bの裏面上位側に各洗浄水L1,L2を吐出する処理液供給手段を設け、この処理液供給手段からの洗浄水L1,L2の吐出によって基板Bの裏面をも処理するようにしてもよい。こうすることによって基板Bの裏面の上位側に吐出された各洗浄水L1,L2は、基板Bの傾斜に沿って流下するため、支障なく基板Bの裏面が洗浄処理される。
【0065】
(5)上記の実施形態においては、各洗浄水L1,L2を帯状で処理液供給手段6から吐出するようにしているが、本発明は、このような処理液供給手段6を採用することに限定されるものではなく、通常のコーンノズル、扇型ノズル等から基板Bの上位側側縁部に向けて各洗浄水L1,L2を吐出するようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、搬送中の基板の上手側および下手側の主面に向けて基板の搬送方向に沿うように処理液を吐出する上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段が設けられ、上手側処理液供給手段と下手側処理液供給手段との間に搬送中の基板の主面を横断するように設けられた中央部仕切りローラが設けられているため、処理槽内において上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段からそれぞれ処理液を吐出させつつ基板搬送路に沿って基板を搬送することにより、基板の主面には、中央部仕切りローラによって互いに分離された状態で上手側処理液供給手段からの処理液と、下手側処理液供給手段からの処理液とが順次供給され、異なった二種類の処理液による処理が施される。
【0067】
従って、異なった二種類の処理液で基板を順次処理するに際し、従来のように、二種類の処理液が混ざり合うのを防止すべく処理液毎に処理槽を設ける必要はなく、一つの基板上に異なった種類の処理液を同時に供給することが可能になり、設備の簡素化および処理効率の向上を果たす上での効果が大きい。
【0068】
また、基板搬送路は、搬送方向に直交した面内で水平方向に対して傾斜するように形成されているため、基板は傾斜姿勢で搬送されることになる。そして、上手側および下手側処理液供給手段は、搬送中の基板の主面の上位側端縁に向けて処理液を吐出するように取り付け位置が設定され、上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段からそれぞれ吐出された処理液は、基板の傾斜に沿って流下するため、基板主面上での処理液の液切れが良好になり、各処理液は混合されにくくなるとともに、下流側への処理液の持出し量を少なくすることが可能になる。
【0069】
請求項2記載の発明によれば、基板搬送路は水平に形成されているため基板は水平姿勢で搬送されるが、少なくとも下手側処理液供給手段の基板搬送方向の下流側に、搬送中の基板の主面を幅方向に横断するように下手側仕切りローラが設けられているため、下手側処理液供給手段から基板の幅方向の中央部に吐出された処理液は、下手側仕切りローラによって遮られ、基板主面上を下流側に液流状態で移行することはなく、従って、処理液の次工程への持出し量を少なくした状態で基板の主面を処理することができる。
【0070】
請求項3記載の発明によれば、処理槽内の基板搬送路の下部に、上記仕切りローラを境にしてその真下に仕切壁が備えられ、これによって上手側処理液供給手段から吐出された処理液と、下手側処理液供給手段から吐出された処理液とは、中央部仕切りローラによって基板主面上での混合が防止された状態で基板幅方向の側端縁から槽内に流下し、仕切壁によって相互に混ざり合わない状態で処理槽の底部に貯留されるため、処理槽の底部に溜った各処理液の処理性能が確保される。従って、各処理液を循環使用することができるようになる。
【0071】
また、上手側処理液供給手段の上流側にも上手側仕切りローラを設けることにより、上手側処理液供給手段から吐出された処理液が基板主面上でこの上手側仕切りローラに遮られて基板主面上を上流側に移行することはなく、処理液の上流側工程への流入を阻止することができる。
【0072】
請求項4記載の発明によれば、上手側あるいは下手側処理液供給手段から吐出される処理液に加え、第2の処理液給手段からの処理液も基板の主面に供給されるため、基板の主面上での処理液の流れに乱流が生じ、乱流による混合で処理液と基板主面との接触状態が均一になり、処理液による基板主面の処理効率を向上させることができる。また、第2の処理液供給手段を洗浄部に設けると、基板表面における処理液の衝突効果により、基板に付着したパーティクル等の余剰物がより効率よく除去される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板処理装置の第1実施形態が適用された基板処理装置群の一実施形態を示す説明図である。
【図2】第1水洗槽(基板処理装置)の第1実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【図3】処理液供給手段の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【図4】基板が仕切りローラと搬送ローラとに挟持された状態を示す正面図である。
【図5】本発明の作用を説明するための説明図であり、(イ)は基板の搬送方向前端が第1洗浄域に侵入した直後の状態、(ロ)は基板の後端側が第1洗浄域に位置しているとともに、前端側が第2洗浄域に位置している状態、(ハ)は基板が第2洗浄域から導出された状態をそれぞれ示している。
【図6】第1水洗槽(基板処理装置)の第2実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【図7】第1水洗槽(基板処理装置)の第3実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【図8】第1水洗槽(基板処理装置)の第4実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置群
10 基板処理装置
2 薬液処理部
3 水洗部
31,310,311 第1水洗槽
33 仕切壁
33a 上手側貯留部
33b 下手側貯留部
4 乾燥部
5 搬送ローラ
6 処理液供給手段
6a 上手側処理液供給手段
6b 下手側処理液供給手段
7 仕切りローラ
7a 中央部仕切りローラ
7b 上手側仕切りローラ
7c 下手側仕切りローラ
B 基板
A1 第1洗浄域
A2 第2洗浄域
L1 第1洗浄水
L2 第2洗浄水
Claims (4)
- 処理槽内の所定位置に配設された基板搬送路上を搬送方向に搬送される基板の主面に処理液を供給して所定の処理を施す基板処理装置において、上記基板搬送路の搬送方向の上手側および下手側に設けられ、かつ、基板の搬送方向に沿って処理液を吐出する上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段と、上手側処理液供給手段と下手側処理液供給手段との間で基板搬送路に交差した中央部仕切りローラとを備え、上記基板搬送路は、搬送方向に直交した面内で水平方向に対して傾斜するように形成され、上記上手側および下手側処理液供給手段は、搬送中の基板の主面の上位側端縁に向けて処理液を吐出するように取り付け位置が設定され、上記上手側処理液供給手段、中央部仕切りローラおよび下手側処理液供給手段は、いずれも同一の処理槽内に設けられていることを特徴とする基板処理装置。
- 処理槽内の所定位置に配設された基板搬送路上を搬送方向に搬送される基板の主面に処理液を供給して所定の処理を施す基板処理装置において、上記基板搬送路の搬送方向の上手側および下手側に設けられ、かつ、基板の搬送方向に沿って処理液を吐出する上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段と、上手側処理液供給手段と下手側処理液供給手段との間で基板搬送路に交差した中央部仕切りローラとを備え、上記基板搬送路は、水平に形成され、上記上手側および下手側処理液供給手段は、搬送中の基板の主面の幅方向の中央部における上手側および下手側のそれぞれに向けて処理液を吐出するように取り付け位置が設定され、基板搬送路における上手側処理液供給手段の上手側、および基板搬送路における下手側処理液供給手段の下手側で、搬送中の基板の主面を幅方向に横断する上手側仕切りローラ、および下手側仕切りローラが設けられ、上記上手側処理液供給手段、上手側仕切りローラ、中央部仕切りローラ、下手側処理液供給手段および下手側仕切りローラは、いずれも同一の処理槽内に設けられていることを特徴とする基板処理装置。
- 請求項1または2記載の基板処理装置において、上記処理槽は、上記中央部仕切りローラの真下にこの中央部仕切りローラと平行な仕切壁を有していることを特徴とする基板処理装置。
- 処理槽内の所定位置に配設された基板搬送路上を搬送方向に搬送される基板の主面に処理液を供給して所定の処理を施す基板処理装置において、上記基板搬送路の搬送方向の上手側および下手側に設けられ、かつ、基板の搬送方向に沿って処理液を吐出する上手側処理液供給手段および下手側処理液供給手段と、上手側処理液供給手段と下手側処理液供給手段との間で基板搬送路に交差した仕切りローラとを備え、上手側処理液供給手段の処理液吐出域および下手側処理液供給手段の処理液吐出域の内の少なくとも一方であって、搬送方向と交差する基板の幅方向に亘って処理液を供給する第2の処理液供給手段が設けられていることを特徴とする基板処理装置。
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