JP3666983B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトレジスト塗布液、感光性ポリイミド樹脂、カラーフィルター用の染色剤等からなる薄膜が主面に形成された液晶用のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板等を対象とし、これら基板の主面に所定の処理液を供給することによって処理する基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板に薬液供給処理が施された後、洗浄水による洗浄処理を施してから後工程に搬送するようにした基板処理装置が知られている。かかる基板処理装置は、薬液処理部、水洗部および乾燥部が直列に配設されて形成されている。これら薬液処理部、水洗部および乾燥部を貫通するように基板の搬送手段が敷設され、基板はこの搬送手段によって基板処理装置内を薬液処理部、水洗部および乾燥部の順に搬送されつつ処理される。
【0003】
そして基板は、薬液処理部においてアルカリ洗浄液、現像液、エッチング液あるいは剥離液等の薬液が主面に供給されて所定の処理が施され、ついで水洗部において水洗処理が施され、最後に乾燥部において気体の噴射等による乾燥処理が行われるようになっている。
【0004】
ところで、薬液処理部で薬液による所定の処理が施された基板は、その主面に薬液が付着した状態になっているため、そのまま薬液処理部から水洗部に移されると、水洗部内に薬液が持ち込まれることになり、循環使用される洗浄水が薬液の混入によって汚染され、洗浄性能の維持を図ることができなくなるという不都合が生じる。
【0005】
また水洗部においては、通常、第1の水洗部と第2の水洗部とによる少なくとも2段階の水洗処理が施され、水洗処理の完全を期すようになされているが、薬液処理部の薬液によって汚染された状態になり易い第1の水洗部の洗浄水が、第2の水洗部の高度に清浄な洗浄水に混入し、汚染されるという上記同様の問題点を有している。
【0006】
かかる不都合を解消するために、従来、薬液処理部と水洗部との境界部分に配設されたエアーナイフから基板の主面に帯状の気体を吹き付け、基板の主面が乾燥しない程度に薬液を薬液処理部内に向けて吹き飛ばすことによって薬液の水洗部への持ち込みを防止するようにしていたが、近年、基板の大型化に伴い、基板が薬液処理部と水洗部とに跨った状態で薬液と洗浄水の供給を同時に受ける工程の重複が生じるようになり、基板の主面を通って薬液が洗浄部に入り込んだり、逆に洗浄水が薬液処理部に移動したりすることがあり、境界部分で液の確実な置換が行われなくなるという問題点が発生するようになった。
【0007】
以上、薬液処理部と水洗部との間で起こる問題点について述べたが、第1の水洗部と第2の水洗部との間でも同様の問題点が発生する。
【0008】
かかる問題点を解消するために、薬液処理部と第1の水洗部との間および第1の水洗部と第2の水洗部との間に未処理搬送部を設け、この部分では基板にいずれの処理液も供給されないようにすることが考えられるが、このようにすると処理槽を搬送方向に長くしなければならず、設備コストが嵩むという新たな問題点が発生する。
【0009】
一方、処理槽が長尺化することによって、上記境界部分でエアーナイフから基板の表面に吐出される気体により基板の表面が薬液成分を含んだ状態で乾燥してしまうことがあり、基板の表面が乾燥すると、その部分にシミが生じる。そして、このシミは水洗処理によっても取り除くことができず、最終的に基板が乾燥処理された後にこのシミからパーティクルが発生し、これによって基板の表面が再汚染されるという問題点も有している。
【0010】
そこで、近年、基板を搬送方向に直交した面内で水平方向に対して傾斜した傾斜姿勢で搬送し、搬送中の基板の傾斜面に薬液を供給することにより、供給された薬液が基板の傾斜に沿って流下するようにした基板処理装置が提案されている(特開平1−250958号公報)。このようにすると、エアーナイフを用いなくても液切りが良好に行われるため、エアーナイフを用いない分、設備コストや運転コストが低減されるとともに、基板主面の部分乾燥も回避される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、基板を傾斜姿勢で搬送しつつ、その主面に薬液を供給した場合、基板の下位側端縁部に、基板搬送方向の全長に亘って表面張力に起因して処理液が残留する、いわゆる液溜りが形成される。そして、基板は、この液溜りが形成された状態で水洗部に搬送されるため、水洗部への薬液の持込み量を液溜りの量以下に抑えることができないという問題点が存在する。
【0012】
かかる問題点を解消するために、実公平7−9152号公報には、水平姿勢で搬送中の基板を一旦停止させてから傾斜姿勢に変え、停止状態で現像液を供給するとともに、基板の下位側端縁に向けて気体を噴射するようにし、これによって基板の下位側端縁に形成された液溜りを吹き飛ばし、ついで基板を元の水平姿勢に戻して搬出するようにしたものが提案されている。しかしながら、気体を噴射すると、基板の主面が部分乾燥するという上記のエアーナイフを採用した場合と同様の問題点が発生し易く、基板の再汚染を効果的に防止し得なくなる。
【0013】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、基板の主面の部分乾燥を抑えた上で、搬送中の基板の下位側端縁に形成される液溜りを確実に取り除くことが可能な基板処理装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、搬送方向と直交する面内で水平方向に対して傾斜した基板載置面上を搬送される基板の主面に、処理液供給手段から供給される処理液によって処理を施す基板処理装置において、
上記処理液供給手段の下流側であって、かつ、上記基板載置面の表側および裏側の内の少なくとも一方側に、搬送中の基板の下位側端縁との間に微小の隙間が形成されるように配設された液除去部材を設けたことを特徴とするものである。
【0015】
この発明によれば、傾斜姿勢で搬送中の基板に、処理液供給手段から搬送中の基板に向けて吐出された処理液は、基板の主面を処理しつつ傾斜に沿って流下し、基板の下位側端縁に液溜りが形成されるが、この液溜りは、基板の搬送方向への移動によって液除去部材により取り除かれ、基板は液溜りが除去された状態で下流側の工程に搬送されるため、処理液の下流側への持込み量が減少する。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記液除去部材は、上記基板載置面を搬送方向と直交する横断方向に設けられた支持軸に回転自在に軸支された液取りローラであることを特徴とするものである。
【0017】
この発明によれば、液取りローラは支持軸回りに回転するため、液取りローラと基板主面とが摺接状態にはならず、従って、両者がこすれ合うことによる基板主面の損傷が防止される。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、上記液取りローラは、基板の下位側端縁の非有効部に当接するフランジ部を有していることを特徴とするものである。
【0019】
この発明によれば、液取りローラのフランジ部を、搬送中の基板の下位側非有効部に当接させることにより、液切り部と基板主面の有効部分との隙間が一定寸法に維持される。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記液除去部材は、搬送中の基板を挟むように対向配置されていることを特徴とするものである。
【0021】
この発明によれば、搬送中の基板の下位側端縁に形成された液溜りは、基板を挟むように対向配置された液除去部材によって基板の表裏で取り除かれる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る基板処理装置が適用された基板処理装置群の一実施形態を示す説明図である。基板処理装置群1は、基板の表裏面に所定の薬液を供給して処理する薬液処理部2、この薬液処理部2で薬洗処理の施された基板Bを水洗する水洗部3、およびこの水洗部3で水洗処理の施された基板Bを乾燥する乾燥部4が直列に上流側から順次配設されて形成されている。水洗部3は、第1水洗部3aと、第2水洗部3bとからなっている。
【0023】
薬液処理部2、第1水洗部3a、第2水洗部3bおよび乾燥部4は、それぞれ箱型の薬液処理槽21、第1水洗槽31、第2水洗槽32および乾燥槽41を備えて形成されている。各槽21,31,32,41の上流壁および下流壁には水平方向で互いに対向した基板通過口11が開口され、この基板通過口11を通して基板Bが各槽21,31,32,41に入出されるようになっている。本実施形態においては、薬液処理部2で使用される処理液(薬液)として洗剤の混入された洗浄液が用いられ、水洗部3における処理液として、第1水洗部3aでは通常の洗浄水が用いられ、第2水洗部3bでは純水やイオン交換水等の高度に清浄化処理された水が用いられている。
【0024】
基板Bを各槽21,31,32,41内で搬送する搬送手段としてはローラコンベアが適用されている。このローラコンベアは、基板Bの搬送方向と直交する面内で水平方向に対して傾斜した支持軸を有する搬送ローラ5が搬送方向にほぼ等ピッチで並設配置されて基板載置面を形成しており、図略の駆動手段の駆動により同一方向に同期回転されるようになっている。従って、基板Bの各槽21,31,32,41内における搬送路は、搬送方向に対して全体的に幅方向に傾斜しており、基板Bはこの傾斜搬送路の基板載置面に沿って傾斜姿勢で搬送されつつ、各槽21,31,32,41内で所定の処理が施される。本実施形態においては、基板Bの水平面に対する傾斜角度α(図3)が略5°に設定されている。
【0025】
基板Bは、前工程から図略の上流側引継ぎ手段を介して傾斜姿勢に姿勢変更された後、薬液処理槽21の上流側に配設された搬送ローラ5に移載され、ついで搬送ローラ5の駆動によって基板処理装置群1内に導入され、ここで搬送ローラ5によって搬送方向(図1の右方)に向けて搬送されつつ薬液処理槽21内において液吐出手段6からの薬液の供給による所定の薬洗処理が施され、ついで水洗部3内において液吐出手段6や純水供給ノズル33等からの洗浄水の供給による水洗処理が施され、最後の乾燥槽41においてエアーナイフ42からの気体噴射供給による乾燥処理が施された後、乾燥槽41の直ぐ下流側に配設された図略の下流側引継ぎ手段を介して元の水平姿勢に戻され、次工程に向けて導出されるようになっている。なお、上記液吐出手段6は、基板搬送方向に所定長を有するスリット状の吐出口が形成されたものである。
【0026】
本発明に係る基板処理装置10は、本実施形態においては上記第1水洗部3aの一部および薬液処理部2に適用されている。以下本発明に係る基板処理装置10を薬液処理部2に適用されたもので説明する。図2は、薬液処理部2の薬液処理槽21の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【0027】
この図に示すように、薬液処理槽21内には、上流側および下流側の基板通過口11間に、同一傾斜レベルで搬送方向(右方)に向かって5本の搬送ローラ5が配設され、図略の駆動手段による各搬送ローラ5の同一方向の同期回転によって上流側の基板通過口11から薬液処理槽21内に導入された基板Bは、下流側の基板通過口11に向けて薬液処理槽21内を搬送されつつ、表裏面に液吐出手段6からの薬液Lの供給を受けて薬液処理され、ついで液吐出手段6の下流側に設けられた液取りローラ7によって下位側端縁に残留した液溜りが除去されるようになっている。
【0028】
上記搬送ローラ5は、薬液処理槽21内の側壁間に自軸心回りに回転可能に架橋されたローラ軸51と、このローラ軸51の左右両側部にローラ軸51と共回り可能に設けられた左右一対の側部ローラ52と、ローラ軸51の中央部に設けられた中央ローラ53とから形成された、いわゆる部分支持型ローラが採用されている。かかる部分支持型ローラを適用することにより、撓みを規制し得るとともに搬送ローラ5による基板B裏面の接触域を少なくし、基板Bの裏面への洗浄水や気体の供給を良好に行い得るとともに、洗浄工程や乾燥工程での搬送ローラ5との接触による基板Bの裏面の汚染を最小限に抑えることが可能になる。
【0029】
上記左右の側部ローラ52は、各々その外方側部に側部ローラ52と一体の鍔部52aを有しており、この鍔部52aによって各ローラ52,53上に載置されて搬送される基板Bの横ずれを防止するとともに、特に下位側の鍔部52aによって基板Bが搬送路の傾斜面に沿って滑落するのを防止している。また、各ローラ52,53にはゴム等の柔軟性材料からなる緩衝材としてのOリング54が外嵌されており、このOリング54の滑り止め作用によって基板Bの搬送を確実に行い得るようにしている。
【0030】
薬液処理槽21内には、搬送方向の略中央部であって、搬送ローラ5の上位側の側壁(図2では左方の側壁)の、搬送ローラ5よりも上方に上部支持枠体25が設けられ、これら上部支持枠体25間に一つの液吐出手段6(上部液吐出手段6a)が取り付けられている。また、上記側壁の搬送ローラ5より下方の部分に、上記上部支持枠体25に対向した一対の下部支持枠体26が、薬液処理槽21内の基板搬送方向の中央部に設けられた搬送ローラ5を避けるように設けられ、これら各下部支持枠体26に一対の液吐出手段6(下部液吐出手段6b)が取り付けられている。
【0031】
上記上部液吐出手段6aは、基板搬送方向に延びる吐出口が基板Bの上位側の表面側端縁に対向するように上部支持枠体25に取り付けられているとともに、一対の下部液吐出手段6bは、基板搬送方向に延びる吐出口が基板Bの上位側の裏面側端縁に斜めに対向して吐出液が基板Bの下位側に向かうように各下部支持枠体26に取り付けられている。
【0032】
そして、基板Bが搬送ローラ5により薬液処理槽21内に導入された状態で、図2に示すように、基板Bの表裏面を横断するように液吐出手段6から吐出された薬液Lの液流による処理液吐出域Aが形成されるようにしている。
【0033】
一方、薬液処理槽21の近傍には上記液吐出手段6に供給するための薬液Lを貯留する薬液貯留槽22が配設されている。この薬液貯留槽22と上記液吐出手段6との間に薬液管路22aが配設されているとともに、薬液処理槽21の底部と薬液貯留槽22の上部との間には薬液戻り管路22bが配設され、これら薬液管路22aおよび薬液戻り管路22bによって薬液貯留槽22内の薬液Lを液吐出手段6を介して循環させる循環管路が形成されている。
【0034】
また、上記薬液貯留槽22の直ぐ下流側の薬液管路22aには薬液ポンプ23が設けられているとともに、薬液ポンプ23の直ぐ下流側にはフィルター24が設けられている。従って、薬液ポンプ23を駆動することにより、薬液貯留槽22内の薬液Lは、薬液管路22aを通してまずフィルター24で清浄化され、ついで上部液吐出手段6aから搬送ローラ5上の傾斜姿勢の基板B表面の上位側端縁に向けて吐出されるともに、下部液吐出手段6bからは基板B裏面の上位側に向けて吐出され、基板Bの傾斜に沿って流下しながら基板Bの表裏面に所定の処理を施した後、基板Bの下位側端縁から薬液処理槽21の底部に落下し、薬液戻り管路22bを介して薬液貯留槽22に戻され、以後、循環使用される。なお、本実施形態では、薬液Lに洗浄液を用いた洗浄処理で実施しているため、基板Bの表裏面を洗浄する必要があることから、基板Bの裏面側にも下部液吐出手段6bを設けている(第1水洗部3aの場合も同様)が、現像液、エッチング液、剥離液等を用いる薬液処理の場合は、基板Bの表面の処理だけでよいので、基板B裏面側の下部液吐出手段6bは不要となる。
【0035】
図3は、液取りローラ7の一位置実施形態を示す一部切欠き斜視図であり、図4は、図3における液取りローラ7のX線矢視図である。図3、図4および図2に示すように、薬液処理槽21内には、液吐出手段6よりも下流側に各側部ローラ52および中央ローラ53の上部に形成される基板載置面を挟むように、上下一対の液取りローラ(液除去部材)7(上部液取りローラ7aおよび下部液取りローラ7b)が設けられている。各液取りローラ7a,bは、基板搬送方向に直交し、かつ、基板載置面を横断するように配設された支持軸71、この支持軸71回りに回転自在に軸支されたフランジ部72、およびフランジ部72に同心で一体に延設された円筒状の液切り部73を備えて形成されている。
【0036】
そして、上部液取りローラ7aのフランジ部72は、外周面が搬送中の基板Bの表面側の下位側端縁に当接するとともに、下部液取りローラ7bは上部液取りローラ7aと基板搬送方向の同一位置に設けられ、かつ、その外周面が搬送中の基板Bの裏面側の下位側端縁に当接するように設置位置が設定され、各フランジ部72から基板搬送路の中心線方向に向けて液切り部73が延設されている。
【0037】
また、上記各フランジ部72は、その厚み寸法が基板Bの中央部の有効部分に達しない寸法に設定されているとともに、上記各液切り部73は、その径寸法がフランジ部72の径寸法よりも小さく設定され、かつ、基板Bの有効部分にまで所定寸法だけ入り込んだ状態になっている。
【0038】
従って、薬液処理槽21内において搬送ローラ5により搬送される基板Bは、まず、その表裏面が各液吐出手段6a,6bから吐出される薬液Lによって処理され、ついで、基板Bの進行により下位側の端縁が液吐出手段6の下流側で液取りローラ7の上下のフランジ部72に挟持され、基板Bの下位側に残留した液溜りが上下の液切り部73によって除去されることになる。
【0039】
そして、本実施形態においては、液切り部73の幅方向の長さ寸法Sが10〜50mmに設定されているとともに、基板Bの表裏面と、同表裏面に対向した液切り部73の外周面との間の隙間寸法dが0.1〜1.0mmに設定され、これによって液溜りの液切り効果を良好にしている(図4)。
【0040】
液切り部73の幅方向の長さ寸法Sが10〜50mmに設定されているのは、基板Bの下位側端縁の液溜りは、端縁から基板の中心方向に向けて10〜20mmの範囲内に形成されるため、液切り部73が10mm未満であると、液溜りを確実に除去することができなくなり、また、液切り部73が50mmを越えると、搬送中の基板または液切りローラ7の中央部が撓んだ場合、基板Bの有効部分が液切り部73に接触し、基板Bの有効部分が損傷され易くなるからである。
【0041】
また、基板Bの表裏面と、液切り部73の外周面との間の隙間寸法dが0.1〜1.0mmに設定されるのは、隙間寸法dが0.1mm未満であると、高い精度で隙間寸法を維持するのが困難になり、その結果、液切り部73の外周面が基板Bの有効部分に接触する場合も考えられ、そうなると基板Bの有効部分が損傷するからであり、隙間寸法dが1.0mmを越えると、液溜りが隙間を通って外方に漏洩し良好な液切り効果が得られなくなるからである。
【0042】
図5は、本発明の作用を説明するための液取りローラ7の部分斜視図であり、(イ)は基板Bの下位側下流端が上下の液取りローラ7の液切り部73間に突入する直前の状態、(ロ)は基板Bの下位側端縁に形成された液溜りL1が除去されつつある状態、(ハ)は基板Bの液溜りL1が除去された状態をそれぞれ示している。
【0043】
まず、搬送ローラ5の駆動により上流側(左方)の基板通過口11を介して薬液処理槽21内に導入されて基板処理域Aに侵入した基板Bは、その下流側先端部の上位側に薬液ポンプ23(図1、図2)の駆動で薬液管路22aを通して液吐出手段6の薬液吐出口65から吐出された薬液Lが供給され、基板Bの表裏面を上位側から下位側に向けて薬液Lが流下し、これによって基板Bの表裏面が薬液処理されるとともに、処理液吐出域Aを通過した基板Bの下位側端縁には、図5の(イ)に示すように、液溜りL1が形成された状態になっている。
【0044】
ついで、図5の(ロ)に示すように、搬送ローラ5の駆動によって基板Bの下位側端縁が上下の液取りローラ7の液切り部73間に突入した状態では、基板Bの端縁部分が上下のフランジ部72によって挟持され、基板Bの進行に伴い上下のフランジ部72を介して上下の液切り部73が互いに逆方向に回転しつつ、各フランジ部72および液切り部73に当接した液溜りL1が基板Bの下位側端縁から順次取り除かれる。
【0045】
そしてこの場合、上下のフランジ部72による基板Bの下位側端縁の挟持によって、上下の液切り部73の外周面と基板Bの表裏面との間の隙間寸法d(図4)が確実に確保された状態で液溜りL1が除去されるため、液切り部73の外周面が基板Bの有効部分に接触することがなく、基板Bの損傷が確実に防止される。
【0046】
そして、基板Bが両液取りローラ7a,7b間を通過した状態では、図5の(ハ)に示すように、液溜りL1は完全に除去され、かつ、基板Bの表面には極めて薄い薄膜状態の薬液Lが存在するのみの液切れ状態になっているため、次工程である水洗部3(図1)での水洗処理時に薬液Lの洗浄水への混入量を最小限に抑えることができるとともに、基板Bの表面が部分乾燥することによる薬液Lに起因したパーティクルの発生を確実に抑制することが可能になる。
【0047】
本実施形態は、以上詳述したように、基板Bの搬送方向と直交する面内で水平方向に対して傾斜配置された搬送ローラ5によって薬液処理槽21内を傾斜姿勢で搬送するに際し、基板Bの上位側の端縁に液吐出手段6からの薬液Lを帯状で供給するとともに、液吐出手段6の下流側に基板Bの下位側端縁を挾持するように上下一対の液取りローラ7a,7bを設け、これらの液取りローラ7a,7bによって基板Bの下位側端縁に残留した液溜りL1を取り除くものであるため、従来、除去するのが困難であった上記液溜りL1を確実に取り除くことができるようになる。
【0048】
従って、従来のように、薬液処理槽21と第1水洗槽31との境界部分に、エアーナイフ等の液除去部材を設けることなく、基板Bの液切り処理が確実に行われることになり、設備コストの低減を図ることが可能になるとともに、液取りローラ7を通過した後の基板Bの表面には極めて薄い薬液Lの薄膜層が形成されているため、基板Bの表面が部分的に乾燥し、これによってパーティクルが発生する等の不都合が生じず、基板の汚染を有効に抑制する上での効果も大きい。
【0049】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0050】
(1)上記の実施形態においては、基板処理装置10として薬液処理槽21が適用されているが、薬液処理槽21に適用することに限定されるものではなく、第1水洗槽31に適用してもよい。ただし、第1水洗槽31に適用する場合は、薬液処理槽21の直後で行われる第1段階の水洗処理に適用し、循環使用する洗浄水をその後の水洗処理の洗浄水とは別系統にするのが好ましい。
【0051】
(2)上記の実施形態においては、処理液として基板Bの表面を洗浄する洗剤等を含む薬液Lが用いられているが、かかる薬液Lに代えて、処理液は、現像液、エッチング液、基板Bから薬液Lや現像液やエッチング液を洗い流す洗浄水、エッチング処理された基板Bの表面に被着したレジスト膜を剥離する剥離液、あるいは剥離液を置換するイソプロピルアルコール等の置換液または剥離液を洗い流す純水であってもよい。
【0052】
(3)上記の実施形態においては、基板処理域Aに液吐出手段6から薬液Lを供給するようにしているが、本発明は、処理液供給手段として液吐出手段6を用いることに限定されるものではなく、スポットノズル、コーンノズル、扇状ノズル等から基板Bに処理液を供給するようにしてもよい。また、液吐出手段6と、スポットノズル、コーンノズル、扇状ノズル等のいずれかとを併用してもよい。
【0053】
(4)上記の実施形態においては、液吐出手段6は上部液吐出手段6aおよび下部液吐出手段6bが採用され、これら各液吐出手段6a,6bによって基板Bの表裏面に処理液が供給されるようにしているが、上部液吐出手段6aおよび下部液吐出手段6bの内のいずれか一方のみを設け、基板Bの表裏面のいずれか一方のみを処理するようにしてもよい。
【0054】
(5)上記の実施形態においては、液取りローラ7は上部液取りローラ7aおよび下部液取りローラ7bが採用され、これら各液取りローラ7a,7bによって基板Bの表裏面に処理液が供給されるようにしているが、上部液取りローラ7aおよび下部液取りローラ7bの内のいずれか一方のみを設け、基板Bの下位側の表裏面のいずれか一方の液溜りL1を除去するようにしてもよい。
【0055】
(6)上記の実施形態においては、基板処理装置群1内において搬送ローラ5により傾斜姿勢で搬送する基板Bの傾斜角度は略5°に設定されているが、本発明は基板Bの傾斜角度を略5°に設定することに限定されるものではなく、基板Bの搬送速度、薬液Lの吐出量や粘度等の要素を考慮して3°〜40°に設定してもよい。
【0056】
(7)上記の実施形態においては、液除去部材として液取りローラ7が採用されているが、液取りローラ7に代えて液切り板を基板載置面を横断する方向に延びるように設け、この液切り板の先端部が搬送中の基板の下位側端縁に対し僅かな隙間で対向するように位置設定してもよい。また、液切り板に代えて液切りロッドを設けてもよい。
【0057】
(8)上記に実施形態においては、液取りローラ7のフランジ部72と液切り部73とは一体に接続され、液切り部73はフランジ部72に共回りするようにしているが、こうする代わりに、フランジ部72と液切り部73とを分離し、液切り部73を支持軸71に遊嵌することによって支持軸71回りに回転自在にしてもよい。こうすることによって、搬送中の基板の端縁に外周面が当接したフランジ部72が基板の進行によって回転しても、液切り部73を共回りしないようにすることができ、これによって、液切り部73が基板上の処理液を基板Bの下流側に押し出すようには回転しなくなるため、基板下流側への処理液の漏洩がより確実に防止される。
【0058】
(9)上記の実施形態においては、液取りローラ7は、基板Bの搬送方向と直交するように設けられているが、こうする代わりに、液取りローラ7を液取りローラ7に当接した液溜りL1が基板Bの下位側端縁から外れる方向に誘導するように傾斜させてもよい。
【0059】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、処理液供給手段の下流側であって、かつ、上記基板載置面の表側および裏側の内の少なくとも一方側に、傾斜姿勢で搬送中の基板の下位側端縁との間に微小の隙間が形成されるように対向した液除去部材を設け、この液除去部材によって基板の下位側端縁に流下して形成した液溜りを除去するようにしており、上記液溜りは、基板の搬送による搬送方向への移動によって液除去部材に当接して取り除かれて下流側の工程に搬送されるため、基板に伴った処理液の下流側工程への持込み量を確実に減少させることが可能になる。
【0060】
従って、従来のように下流側の処理装置との間にエアーナイフ等の液除去部材を設ける必要はなくなり、その分、設備コストの低減を図ることができるとともに、基板の主面に薄膜状態で処理液が残留することにより基板主面の乾燥が抑制され、基板主面が部分的に乾燥することによるパーティクルの発生を確実に防止することができ、その結果パーティクルに起因した基板の再汚染を確実に防止することができる。
【0061】
請求項2記載の発明によれば、液除去部材として支持軸回りに回転自在に軸支された液取りローラを用いているため、液取りローラは支持軸回りに回転し、液取りローラと基板主面とが摺接状態にはならず、従って、両者がこすれ合うことによる基板主面の損傷を防止することができる。
【0062】
請求項3記載の発明によれば、液取りローラは、基板の下位側端縁の非有効部に当接するフランジ部を有しているため、液取りローラのフランジ部を、搬送中の基板の下位側端縁部に当接させることにより、液切り部と基板主面の有効部分との隙間寸法が一定寸法に維持され、液取りローラの外周面が基板の有効部分に接触することはなく、基板の損傷を確実に防止する上での効果は大きい。
【0063】
請求項4記載の発明によれば、液除去部材は、搬送中の基板を挟むように対向配置されているため、搬送中の基板の下位側端縁に形成された液溜りが、上記対向配置された液除去部材によって基板の表裏で取り除かれ、処理液の次工程への持込み量をさらに少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板処理装置が適用された基板処理装置群の一実施形態を示す説明図である。
【図2】薬液処理槽の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【図3】液取りローラの一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【図4】図3における液取りローラのX線矢視図である。
【図5】(イ)〜(ハ)は、本発明の作用を説明するための液取りローラの部分斜視図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置群
10 基板処理装置
11 基板通過口
2 薬液処理部
21 薬液処理槽
22 薬液貯留槽
22a 薬液管路
22b 薬液戻り管路
23 薬液ポンプ
24 フィルター
3 水洗部
3a 第1水洗部
3b 第2水洗部
31 第1水洗槽
32 第2水洗槽
33 純水供給ノズル
4 乾燥部
41 乾燥槽
42 エアーナイフ
5 搬送ローラ
51 ローラ軸
52 側部ローラ
52a 鍔部
53 中央ローラ
54 Oリング
6 液吐出手段(処理液供給手段)
6a 上部液吐出手段
6b 下部液吐出手段
7 液取りローラ
7a 上部液取りローラ
7b 下部液取りローラ
71 支持軸
72 フランジ部
73 液切り部
A 処理液吐出域
B 基板
Claims (4)
- 搬送方向と直交する面内で水平方向に対して傾斜した基板載置面上を搬送される基板の主面に、処理液供給手段から供給される処理液によって処理を施す基板処理装置において、
上記処理液供給手段の下流側であって、かつ、上記基板載置面の表側および裏側の内の少なくとも一方側に、搬送中の基板の下位側端縁との間に微小の隙間が形成されるように配設された液除去部材を設けたことを特徴とする基板処理装置。 - 上記液除去部材は、上記基板載置面を搬送方向と直交する横断方向に設けられた支持軸に回転自在に軸支された液取りローラであることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
- 上記液取りローラは、基板の下位側端縁の非有効部に当接するフランジ部を有していることを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。
- 上記液除去部材は、搬送中の基板を挟むように対向配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理装置。
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