JP3579577B2 - 化粧型材及び化粧柱 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧型材及び化粧材に関するものである。特に、二つ割り化粧型部材の突き合わせる接合部にがたつきがなく、化粧型部材のみあるいは心柱を挟んでの化粧型部材の接合が緊密となり、丈夫な化粧柱を得ることができる化粧型材及び化粧柱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の化粧型材は、突き合わされる二つ割り化粧型部材の二つの接合端部におけるいずれの端部にも、接合により雄と雌が相互に掛け止め合う掛け止め接合部が設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の接合により雄と雌が相互に掛け止め合う掛け止め接合部は、これら雄部材と雌部材との間に遊びを設ける必要があり、この掛け止め接合部を掛け止めた際にこれら掛け止め接合部間に遊びによるがたつきが生ずる問題点があった。そのため、二つ割り化粧型部材のみを掛け止め接合部により接合した場合や心柱を挟んで二つ割り化粧型部材を接合した場合は、それぞれの掛け止め接合部にがたつきが生じ、緊密に接合ができず、丈夫な化粧柱が得られないという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、二つ割り化粧型部材の突き合わされる二つの接合端部のうち、一方を凹凸嵌合により両部材が回動するヒンジ状接合部となし、他方の接合端部を接合により雄と雌が相互に掛け止め合う掛け止め接合部となし、この掛け止め接合部間に遊びを設ける必要がない化粧型材及び化粧柱を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、四角筒柱状の心柱を挟んで突き合わされる二つ割りのうけ型材とはめ型材とからなり、うけ型材は、心柱の対向する二側外面に固定する取付け片が先端部に形成されコ字状となされた内殻と、この内殻よりも大きいコ字状となされ、前端部に接続端部が形成された外殻と、内殻と外殻との角部に二本ずつ配され、これら両者を連結する足片とからなる断面形状となされ、はめ型材は、心柱の一側外面に接する支持板と、うけ型材の外殻と同じコ字状となされ、前端部に接続端部が形成された外殻と、支持板と外殻とを連結する足片とからなる断面形状となされ、これらの両型材の突き合わされる二つの接合端部のうち、一方の接合端部には、凹凸嵌合により両型材が回動するヒンジ状接合部が形成され、他方の接合端部には、接合により雄と雌が相互に掛け止め合う掛け止め接合部が形成されてなることを特徴とする。
【0006】
また請求項2記載の発明は、四角筒柱状の心柱を挟んで、二つ割りのうけ型材とはめ型材とが突き合わされて構成された化粧柱であって、うけ型材は、心柱の対向する二側外面に固定する取付け片が先端部に形成されコ字状となされた内殻と、この内殻よりも大きいコ字状となされ、前端部に接続端部が形成された外殻と、内殻と外殻との角部に二本ずつ配され、これら両者を連結する足片とからなる断面形状となされ、はめ型材は、心柱の一側外面に接する支持板と、うけ型材の外殻と同じコ字状となされ、前端部に接続端部が形成された外殻と、支持板と外殻とを連結する足片とからなる断面形状となされ、これらの両型材の突き合わされる二つの接合端部のうち、一方の接合端部には、凹凸嵌合により両型材が回動するヒンジ状接合部が形成され、他方の接合端部には、接合により雄と雌が相互に掛け止め合う掛け止め接合部が形成されてなり、うけ型材の取付け片が心柱の対向する二側外面にはめ入れられて、心柱を抱き持つように固定されるとともに、うけ型材のヒンジ接合部を中心としてはめ型材が回動されてうけ型材の掛け止め接合部とはめ型材の掛け止め接合部とが掛け止め合わされたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面に基づき本発明の化粧型材及び化粧柱についての実施態様の一例について詳細に説明する。
【0008】
図1は、心柱に本発明の化粧型材を固定した化粧柱の正面図である。心柱1は、閉じた断面形状を有する四角筒柱である。二つ割りの化粧型部材2,3は、相互に突き合わせて心柱1の周囲に固定したり、心柱1を使わずに二つ割りの化粧型部材2,3のみを相互に突き合わせて用いることもある。
【0009】
これら二つ割りの化粧型部材2,3のうち、一方の化粧型部材2をうけ型材となし、他方の化粧型部材3をはめ型材となす。このうけ型材2は、心柱1の閉じた断面形状を有する四角筒柱の対向する二側外面11,11に固定する取付け片22,22を先端部に形成した断面形状がコ字状をした内殻21を有する。そして、この内殻21のコ字状の開口と同方向に開口を配して、この内殻21をはめ入れる内殻21より大きい断面形状がコ字状の外殻23とを有し、この内殻21と外殻23とのコ字状の角部に配した二本ずつの足片24,24で連結した断面形状になされている。
【0010】
このうけ型材2は、内殻21におけるコ字状の先端部に形成した取付け片22,22が前記心柱1を抱き持つように心柱1の対向する二側外面11,11にはめ入れられる。この取付け片22,22は、心柱1の対向する二側外面11,11にネジ止めにより、固定されている。この固定方法としては、必ずしもネジ止めにする必要はなく、溶着あるいは接着などの他の方法も考えられる。
【0011】
また、はめ型材3は、前記うけ型材2の外殻23と同様なコ字状の断面形状をした外殻33を有する。このはめ型材3は、外殻33のコ字状の開口部を補強し、かつ心柱1の四角筒柱のもう一組の対向する外面12,12のいずれかに接する支持板32が外殻33のコ字状の開口部内に足片34,34で連結されている。
【0012】
この実施形態では、うけ型材2は、内殻21と外殻23とを足片24,24で連結して内殻21と外殻23の間に空間を設けている。また、はめ型材3は、支持板32と外殻33とを足片34,34で連結して、支持板32と外殻33の間に空間を設けている。こうして、うけ型材2とはめ型材3は、ともに量感のある化粧型部材としている。しかし、うけ型材2に内殻21およびはめ型材3に支持板32を設けずに、うけ型材2の外殻23に取付け片22,22のみを付設してうけ型材2とはめ型材3は、外殻23と外殻33のみにすることもでき、すらりとした化粧型部材とすることができる。
【0013】
これらうけ型材2とはめ型材3とが突き合わされるとき、この両型材2,3の外殻23,33のそれぞれコ字状の前端が突き合わされるようにされている。これらうけ型材2とはめ型材3とが突き合わされる二つの接合端部4,40と5,50のうち、一方の接合端部4,40では、うけ型材2の接合端部4に、即ち外殻23の前端部に円弧状をした凹部41が形成されている。また、はめ型材3の接合端部40に、即ち外殻33の前端部に前記円弧状をした凹部41にはまり込む円弧状をした凸部42が形成されている。
【0014】
また、他方の接合端部5,50では、うけ型材2の接合端部5に、即ち外殻23の前端部に接合により雄と雌が相互に掛け止め合う雌部材51が形成されている。この雌部材51は、外殻23の前端部に高さが低くなるよう形成された垂直面52と、この垂直面52の下端から前方に向けて水平に形成された凹み部53と、この凹み部53の前端に形成された高さが高くなる、前記垂直面52の半分程の垂直面54と、この垂直面54の上端から前端に行く程高さが低くなる傾斜面55とで構成されている。そして、このはめ型材3の接合端部50、即ち外殻33の前端部に前記雌部材51にはまり込む雄部材56が形成されている。この雄部材56は、外殻33の前端部に高さが低くなるよう形成された垂直面57と、この垂直面57の下端より前端に行く程高さが高くなるよう形成された傾斜面58とで形成された突出部59で構成されている。
【0015】
うけ型材2とはめ型材3を化粧型部材として使用するときには、うけ型材2の取付け片22,22を用いて心柱1を抱き持つように固定したり、あるいは心柱1を使わずに、うけ型材2にはめ型材3を直接固定する。これら固定に当たっては、うけ型材2における一方の接合端部4に設けた円弧状をした凹部41に、はめ型材3の一方の接合端部40に設けた円弧状をした凸部42をはめ込む。こうすることにより、この相互にはまり合う円弧状をした凹部41と凸部42は、ヒンジ状に回動し、この凹凸嵌合により両型材2,3が回動するヒンジ状接合部Cとされる。
【0016】
次に、図3の矢印方向にはめ型材3をうけ型材2に対してヒンジ状接合部Cを中心としてヒンジ状に回動させる。すると、前記したはめ型材3の他方の接合端部50の雄部材56がうけ型材2の他方の接合端部5の雌部材51に接合され、突出部59と凹み部53は掛け止め合わされる。この掛け止めに当たっては、他方の接合端部5におけるうけ型材2の外殻23の前端に形成した前端に行く程高さが低くなる傾斜面55に、他方の接合端部50におけるはめ型材3の外殻33の前端部に設けた前端に行く程高さが高くなる傾斜面58が案内される。そして、凹み部53の前端の垂直面54に突出部59の後端の垂直面57が掛け止められる。この凹み部51と突出部54とを接合により雄と雌が相互に掛け止め合う掛け止め接合部Dとされている。
【0017】
このように一方の接合端部4,40において両型材2,3をヒンジ状接合部Cを中心として回動させ、他方の接合端部5,50の掛け止め接合部Dにおける凹み部53と突出部59とを雄部材56と雌部材51としてが掛かり合うようにさせる。このことにより、この凹み部53と突出部59間に遊びを介在しなくても掛け止めることができ、掛け止め接合部Dが緊密に接合できる。
【0018】
本実施形態では、突き合わされるうけ型材2とはめ型材3の一方の接合端部4,40には、円弧状をした凹部41と円弧状をした凸部42が形成されている。そして、これら凹部41に凸部42をはめ合わせ凹凸嵌合により両型材2,3が回動するヒンジ接合部Cとされているが、必ずしもこの構成にする必要はなく、ヒンジとして作動するものであればどのような構造のものであってもよい。
【0019】
また、本実施形態では、雌部材51として、うけ型材2の接合端部5に凹み部53と、この凹み部53の後端に高さが高くなる垂直面52と、凹み部53の前端に高さが高くなる垂直面54と、この垂直面54の上端から前端に行く程高さが低くなる傾斜面54が形成されている。そして、雄部材56として、はめ型材3の他方の接合端部50に高さが低くなる垂直面57と、この垂直面57の下端より前端に行く程高さが高くなる傾斜面58とにより突出部59が形成されている。そして、これら雌部材51と雄部材56とを接合により雄と雌が掛かり合う掛け止め接合部Dとされているが、この雌部材51と雄部材56との構成は、本実施形態に限定されるものではなく、うけ型材2、はめ型材3の他方の接合端部5,50が接合により雄と雌で掛け止めされるものであれば、どのような構造のものであってもよい。
【0020】
この閉じた断面形状を有する四角筒柱の心柱1に固定されたうけ型材2とはめ型材3における上端には、うけ型材2とはめ型材3との角部を除く側面に設けた凸部25,35と凹部26,36にはめ込む上端キャップ用プレート61を介して上端キャップ6がはめ込まれている。そして、上端キャップ用プレート61は、うけ型材2とはめ型材3の前記側面にネジ止めされ、上端キャップ6は前記心柱1の上端部にネジ止めされている。また、うけ型材2とはめ型材3の下端は、前記心柱1の下端部にネジ止めされた柱固定アングル7,7により支持されている。
【0021】
本発明では、四角筒柱の心柱1への化粧型材及び化粧柱に関しての実施形態について述べたが、心柱1を使用せずにうけ型材2とはめ型材3とを直接固定することもできる。また、本発明は、円柱状あるいは四角筒柱以外の角柱にも適用が可能である。さらに、本実施形態では、うけ型材2とはめ型材3における一方の接合端部4,40にヒンジ接合部Cを設け、うけ型材2とはめ型材3における他方の接合端部5,50に掛け止め接合部Dを設けたが、この接合端部5,50にヒンジ状係合部Cを設け、接合端部4,40に掛け止め接合部Dを設けてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、うけ型材とはめ型材との二つ割り化粧型部材の接合端部の一方に凹凸嵌合により両型材が回動するヒンジ状接合部を設け、他方に接合により雄と雌が相互に掛け止め合う掛け止め接合部を設けた。よって、うけ型材とはめ型材との接合端部の一方に設けたヒンジ状接合部を中心として回動し、両型材を手早く、しかも確実に接合させることができる。また、このようなヒンジ状接合部により両型材を回動させて接合させることができるので、位置合わせが確実となり、両型材の接合端部の他方に設けた掛け止め接合部間には遊びを設ける必要がない。そのため、うけ型材とはめ型材との化粧型材のみ、或いは心柱を挟んでのうけ型材とはめ型材との化粧型材の固定にがたつきがなくなり、この固定が緊密に行われ、化粧柱を丈夫にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】心柱に本発明の化粧型材を固定した化粧柱の正面図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】うけ型材とはめ型材とを一方の接合端部のヒンジ状接合部を中心にして回動するときの図1のA−A線と同じ位置で切断した拡大断面図である。
【図4】図1のB−B線拡大断面図である。
【符号の説明】
1 心柱
11,12 外面
2 一方の二つ割り化粧型部材(うけ型材)
22 取付け片
3 他方の二つ割り化粧型部材(はめ型材)
4,40 一方の接合端部
5,50 他方の接合端部
51 雌部材
56 雄部材
C ヒンジ状接合部
D 掛け止め接合部

Claims (2)

  1. 四角筒柱状の心柱を挟んで突き合わされる二つ割りのうけ型材とはめ型材とからなり、
    うけ型材は、心柱の対向する二側外面に固定する取付け片が先端部に形成されコ字状となされた内殻と、この内殻よりも大きいコ字状となされ、前端部に接続端部が形成された外殻と、内殻と外殻との角部に二本ずつ配され、これら両者を連結する足片とからなる断面形状となされ、
    はめ型材は、心柱の一側外面に接する支持板と、うけ型材の外殻と同じコ字状となされ、前端部に接続端部が形成された外殻と、支持板と外殻とを連結する足片とからなる断面形状となされ、
    これらの両型材の突き合わされる二つの接合端部のうち、一方の接合端部には、凹凸嵌合により両型材が回動するヒンジ状接合部が形成され、他方の接合端部には、接合により雄と雌が相互に掛け止め合う掛け止め接合部が形成されてなることを特徴とする化粧型材。
  2. 四角筒柱状の心柱を挟んで、二つ割りのうけ型材とはめ型材とが突き合わされて構成された化粧柱であって、
    うけ型材は、心柱の対向する二側外面に固定する取付け片が先端部に形成されコ字状となされた内殻と、この内殻よりも大きいコ字状となされ、前端部に接続端部が形成された外殻と、内殻と外殻との角部に二本ずつ配され、これら両者を連結する足片とからなる断面形状となされ、
    はめ型材は、心柱の一側外面に接する支持板と、うけ型材の外殻と同じコ字状となされ、前端部に接続端部が形成された外殻と、支持板と外殻とを連結する足片とからなる断面形状となされ、
    これらの両型材の突き合わされる二つの接合端部のうち、一方の接合端部には、凹凸嵌合により両型材が回動するヒンジ状接合部が形成され、他方の接合端部には、接合により雄と雌が相互に掛け止め合う掛け止め接合部が形成されてなり、
    うけ型材の取付け片が心柱の対向する二側外面にはめ入れられて、心柱を抱き持つように固定されるとともに、うけ型材のヒンジ接合部を中心としてはめ型材が回動されてうけ型材の掛け止め接合部とはめ型材の掛け止め接合部とが掛け止め合わされたことを特徴とする化粧柱。
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