JP3579565B2 - セレクトレバーのためのガイド機構 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速機に用いられるセレクトレバーのためのガイド機構であって、該セレクトレバーが、互いに平行な２つのシフトゲート内で移動可能であり、両シフトゲートが横方向ゲートによって互いに接続されている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
このような形式のセレクトレバーは欧州特許第０３３１７９７号明細書に基づき公知である。欧州特許第０３３１７９７号明細書に開示されている自動変速機用のセレクト装置は、２つのシフトゲート内を傾動可能なセレクトレバーを有している。セレクトレバーが第１シフトゲート内にある時、セレクトレバーは伝達装置を介して自動変速機に直接作用する。セレクトレバーが第２シフトゲート内にシフトされると、セレクトレバーは伝達装置から解離され、伝達装置が意図した位置から不都合に外されることがロック装置によって防止される。
【０００３】
一般に知られている別のセレクトレバーガイド、例えばカバーに設けられたガイドスロット内でのセレクトレバーのガイド機構は、大きな公差を有するので、セレクトレバーの精密なガイドが不可能となる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、冒頭で述べた形式のセレクトレバーのためのガイド機構を改良して、第１シフトゲートからの進出時および第１シフトゲートへの再進入時にセレクトレバーの確実な位置決めが行われるようなガイド機構を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するための本発明の構成では、
−セレクトレバーに隣接して配置された構造部材が第１面と、第１シフトゲートに対して平行な平面に延びる第２面とを有しており、
−セレクトレバーにガイド部材が支承されており、
−該ガイド部材が、前記構造部材に被さって、該構造部材の前記２つの面のうちのセレクトレバーから遠い方の第２面に支持されており、
−セレクトレバーが横方向ゲートのレベルに位置する際に前記ガイド部材が存在する部位に、前記第２面が開口を有しているようにした。
【０００６】
【発明の効果】
本発明によれば、セレクトレバーに直接隣接して配置された構造部材を用いてセレクトレバーのためのガイド機構を形成することが提案される。この構造部材は第１面と、セレクトレバーの運動平面に対して平行な平面に延びる第２面とを有している。セレクトレバーにはガイド部材が直接支承されており、このガイド部材は構造部材に被さって、前記２つの面のうちのセレクトレバーから遠い方の第２面に支持されるので、セレクトレバーはその運動平面内で案内される。セレクトレバーの横方向運動のためには、セレクトレバーが横方向ゲートのレベルに位置する際にガイド部材が存在する面の部位に開口が設けられている。セレクトレバー用にこのように形成されたガイド機構は構造的に単純であり、付加的な調節を必要とすることなく簡単に組立てられ、セレクトレバーの案内精度に悪影響が与えられることなく好都合に製造され得る。
【０００７】
請求項２以下には、本発明の別の有利な構成が記載されている。すなわち、開口の幅はガイド部材の幅に相当していると望ましく、この開口の長さは、セレクトレバーが第２シフトゲートに達した場合だけセレクトレバーの長手方向移動が再び可能となるように、セレクトレバーを第１シフトゲートから第２シフトゲートへ傾動させるために必要となるセレクトレバー運動に適合されていると望ましい。セレクトレバーを第２シフトゲートから、規定されていない位置へ移動させることが不可能となるので、セレクトレバーの案内精度はさらに改善される。
【０００８】
構造部材がセレクト装置のハウジングの一部として形成されることにより、セレクトレバーの案内精度を更に向上させることができる。
【０００９】
構造部材は、セレクト装置用のカバーの下に位置するように配置されていると有利である。こうして、汚れや損傷が阻止され、ガイド機構に異物が侵入して、セレクトレバーの運動を妨害することも阻止される。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【００１１】
図１の概略図は伝達手段として機能するボーデンケーブル５によって自動変速機４の制御スライド３に連結されたセレクト装置１を示している。セレクト装置１はプッシュノブ６を有するセレクトレバー２と、ボーデンケーブル５に連結された伝達部材７と、ハウジング８とを備えてなっている。
【００１２】
図２のシフトパターンに示すように、セレクトレバー２は可動式である。第１シフトゲート９は自動変速機４の自動操作のために慣用的に知られているように位置Ｐ＝パーキング、Ｒ＝リバース、Ｎ＝ニュートラルおよびＤ＝ドライブを有している。セレクトレバーは横方向ゲート１０を介して第１シフトゲート９に対して平行に配置されている第２シフトゲート１１内に傾動させることができる。第２シフトゲート１１内ではセレクトレバー２はばねの作用でニュートラル位置Ｍに位置しており、第２シフトゲート１１内で位置“＋”に、または反対方向に位置“−”に長手方向で傾動させることによって前記の位置Ｍから移動させることができる。セレクトレバー２が位置“＋”に達すると、自動変速機４内でのシフトアップが開始され、位置“−”に達するとシフトダウンが開始される。
【００１３】
図３により詳細に示すように、セレクトレバー２は上記のシフトパターンに従ってガイド機構１２によって案内される。この場合は、シフトゲート９，１１はセレクト装置１を固定状態で覆い、この場合はガイド機構１２をも覆うカバー（図示せず）内に形成されている。ガイド機構１２は第１シフトゲート９内のセレクトレバー２に隣接して配設されたセレクト装置１のブリッジ１３によって形成される。この場合、セレクトレバー２をこのセレクトレバー２に面した、セレクト装置１の第１面２４に支持することができる。ブリッジ１３はハウジング８と一体の構成部分である。ブリッジ１３の下側には、ロック装置１６のピン１５が係合する凹み１４が設けられている。セレクトレバーは、ロック装置１６が凹み１４と協働することによって第１シフトゲート９内の予め設定された位置にロックされる。このようにして、図１に示したように、セレクトレバー２は位置Ｎに保持される。
【００１４】
ブリッジ１３は上面１７と、第１面２４に対して平行に、ひいては第１シフトゲート９内でのセレクトレバー２の運動パターンに対して平行に配置された第２面１８とを有している。セレクトレバー２に取付けられたガイド部材１９は第２面１８に支持される。上面１７は、ガイド部材１９が自由に運動できるように形成されている。この目的のためには、上面１７がガイド部材１９の運動パターンに対して平行に延びるように形成することが可能であるが、しかしこのことは必ずしも必要ではない。
【００１５】
横方向ゲート１０のレベルで、第２面１８は開口２０を有しており、この場合、この開口の幅ｄはガイド部材１９の幅ｅに相当している。開口２０の長さａは第１シフトゲート９と第２シフトゲート１１との距離Ｃからガイド部材１９の厚さｂを差し引いた分の長さである。その結果、第２シフトゲート１１内でガイド部材１９は第１面２４に支持されるようになり、これによってセレクトレバー２が案内される。
【００１６】
第１シフトゲート９については、一方ではセレクトレバー２が第１面２４に支持されることによって、他方ではガイド部材１９が第２面１８に支持されることによってセレクトレバー２の精密な案内が達成される。セレクトレバー２が横方向ゲート１０を経て傾動される間、セレクトレバー２は第２シフトゲート１１に達するまで、前記セレクトレバーに連結されたガイド部材１９によって開口２０内に精密に案内される。第２シフトゲート１１内では、セレクトレバー２が少なくとも、第１面２４にガイド部材１９が支持されることによって案内される。
【００１７】
セレクトレバー２は伝達部材７とボーデンケーブル５とによって第１シフトゲート９で自動変速機４に機械的に連結されている。この連結状態は横方向ゲート１０を通過すると中断され、第２シフトゲート１１内で前記の連結状態は完全に遮断される。図示したガイド機構１２によって、セレクトレバー２が第１シフトゲート９から進出した位置と正確に同じ位置で第１シフトゲート９に戻ることが保証される。
【図面の簡単な説明】
【図１】自動変速機に連結されたセレクト装置の概略図である。
【図２】図１に示されたセレクト装置内のセレクトレバーのシフトパターンである。
【図３】本発明によるガイド機構を備えたセレクトレバーの平面図である。
【図４】図３のＩＶ−ＩＶ線に沿った断面図である。
【符号の説明】
１ セレクト装置
２ セレクトレバー
３ 制御スライド
４ 自動変速機
５ ボーデンケーブル
６ プッシュノブ
７ 伝達部材
８ ハウジング
９ 第１シフトゲート
１０ 横方向ゲート
１１ 第２シフトゲート
１２ ガイド機構
１３ ブリッジ
１４ 凹み
１５ ピン
１６ ロック装置
１７ 上面
１８ 第２面
１９ ガイド部材
２０ 開口
２４ 第１面

Claims (6)

1. 変速機（４）に用いられるセレクトレバー（２）のためのガイド機構であって、該セレクトレバー（２）が、互いに平行な２つのシフトゲート（９、１０）内で移動可能であり、両シフトゲートが横方向ゲート（１０）によって互いに接続されている形式のものにおいて、
   −セレクトレバーに隣接して配置された構造部材（１３）が第１面（２４）と、第１シフトゲート（９）に対して平行な平面に延びる第２面（１８）とを有しており、
   −セレクトレバー（２）にガイド部材（１９）が支承されており、
   −該ガイド部材（１９）が、前記構造部材（１３）に被さって、該構造部材（１３）の前記２つの面のうちのセレクトレバー（２）から遠い方の第２面（１８）に支持されており、
   −セレクトレバー（２）が横方向ゲート（１０）のレベルに位置する際に前記ガイド部材（１９）が存在する部位に、前記第２面（１８）が開口（２０）を有していることを特徴とする、セレクトレバーのためのガイド機構。
2. −前記開口（２０）の幅（ｄ）が、前記ガイド部材（１９）の幅（ｅ）に相当しており、
   −前記ガイド部材（１９）が、ひいてはセレクトレバー（２）が、第２シフトゲート（１１）に達した場合だけリリースされるように前記開口（２０）の長さ（ａ）が設定されている、請求項１に記載のガイド機構。
3. 前記構造部材（１３）が、セレクトレバー（２）を予め設定された位置にロックするための凹み（１４）を有している、請求項１または２記載のガイド機構。
4. セレクトレバー（２）が第１シフトゲート（９）に位置する場合に、セレクトレバー（２）が前記構造部材（１３）の第１面（２４）に支持されており、前記構造部材（１３）の２つの面（２４、１８）が互いに平行に配置されている、請求項１から３までのいずれか１項記載のガイド機構。
5. 前記構造部材（１３）が、セレクトレバー（２）を収容するためのハウジング（８）の一部である、請求項１から４までのいずれか１項記載のガイド機構。
6. 前記構造部材（１３）がカバーの下に位置している、請求項１から５までのいずれか１項記載のガイド機構。

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