JP3578369B2 - 建具用防水具の製造法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物開口部に取りつける建具枠の防水に使用される建具用防水具に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の外回り壁面の開口部に取りつけられているアルミニウム合金製サッシ枠(以下において、アルミサッシ枠という)には、熱可塑性樹脂のプレ−ト片から形成の公知の建具用防水具を壁面との間に挟んで壁面に固定して雨水若しくは結露水の侵入を阻止して、アルミサッシ枠及びそれが固定されている木枠の腐食等防止しているものがある。
【0003】
図6は公知の建具用防水具を用いて建物開口部に取り付けられているアルミサッシ枠の説明図である。図6において、アルミサッシ枠60は、たて枠、上枠及び下枠が開口部61に装着の木枠にネジ63、…63により固定されている。アルミサッシ枠60の下方部分と壁面62及び開口部61との間には公知の建具用防水具64のプレ−ト片が挟み込まれている。従って、アルミサッシ枠60の下方部分と壁62との間隙及びアルミサッシ枠60の下方部分と開口部61の木枠との間隙は、公知の建具用防水具64によって水密状態になっていて、雨水若しくは結露水が窓等に流れ落ちてもアルミサッシ枠60の下枠付近から開口部61に侵入することがない。そのために、アルミサッシ枠60固定用の木枠及びアルミサッシ枠が腐食若しくは汚損しないようになっている。壁面62の上には建物の表側に外装用の壁若しくはパネル等が設けられるので、建具用防水具64自体は外装用の壁若しくはそれと同等の機能をする面(上塗り塗装及び外装用パネル等の)の下側に隠れて建物表側に表れることはない。
【0004】
図7は建具用防水具64と開口部61との取り付け関係を示す説明図である。図7に示すように、開口部61は一般に所定の幅(奥行きともいえる)を有するものに形成されていて、そこに木枠70が取りつけられていて、それにアルミサッシ枠60がネジ63、…63により固定されている。建具用防水具64は、開口部61の幅の部分への雨水若しくは結露水の侵入を防止するために、図7に示すような立体的な形状になっている。
【0005】
図8は、公知の建具用防水具64を示す斜視図であって、建具用防水具64は射出成形法により成形した立体成形物と異形押出成形法により成形した横長部材とが連結されているものである。公知の建具用防水具64は、工業的には、図8に示す連結型の熱可塑性樹脂成形物からなるものが使用されている。なお、工業的に使用されている建具用防水具64は、実質的には、この連結型のものだけである。図8において、射出成形法による立体状成形物であるコ−ナ−用取付け部81、81は、開口部61の木枠70の下方のコ−ナ−部分に嵌め込まれる部分であり、異形押出成形法による横長部材82はアルミサッシ枠60の下枠と木枠70の下枠との間に挟み込まれる部分である。コ−ナ−用取付け部81、81は、木枠70のコ−ナ−部分と同じ形状に形成されている。そのために、コ−ナ−用取付け部81、81は、直角屈曲片81aとL字型状片81bとが直交の三次元的に張り出したプレ−ト片で形成されている。コ−ナ−用取付け部81、81のような立体成形物は、射出成形法による製造以外の方法によっては、実質的に、製造できないと従来においては考えられていた。又、断面L字型の横長部材82も異形押出成形法以外の方法によっては、実質的に、製造できないと従来においては考えられていた。異形押出成形法によれば、連続した断面L字型の横長部材が製造されるので、横長部材82にするには、その連続した横長部材を所望の長さに切断して使用されていた。コ−ナ−用取付け部81、81と横長部材82とは、接合部83、83において、接着加工、高周波ウエルダ−加工若しくは熱溶着加工により接続されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の建具用防水具64は、その性能及び製造について多くの問題点を有するものであった。性能については、代表的には、下記(i)〜(v)のような問題点があった。
(i)異形押出成形法による横長部材82の製造工程においては、熱可塑性樹脂の結晶部分の分子が押出し方向へ必然的に配向するので、それがために、横長部材82も、必然的に、反り及び歪みが生ずる物性の成形物になっているとの問題点があった。
(ii)建具用防水具64は、その施工の点からは、1mm以下の厚みにするのが望ましいことが施工上の数多くの経験則から見いだされている。しかも、アルミサッシ枠を厳密に水平に保持するには長手方向に均一な厚みにすることが不可欠である。しかし、異形押出成形法は、成形品(例えば、断面L字型の横長部材82)の厚みを1mm以下にするのが困難な成形法であるので、そのような建具用防水具64が得られないとの問題点があった。
(iii)建具用防水具64は、その施工の点からは、コ−ナ−用取付け部81、81も成形品の厚みを1mm以下にすることが望まれる。一般的なアルミサッシ枠に使用される建具用防水具64のコ−ナ−用取付け部81、81は、射出成形法によれば、成形物重量に比較して投影面積が大きくなるために、コ−ナ−用取付け部81、81も射出成形によっては、1mm以下の厚みにするのが困難であるとの問題点があった。しかも、そのような投影面積が大きい射出成形による厚みの薄い成形品では、返り及び歪みが避けられないので、建具用防水具64のコ−ナ−用取付け部81、81についても、返り及び歪みが避けられないとの問題点があった。
(iv)コ−ナ−用取付け部81、81と横長部材82との接合は、接着加工、高周波ウエルダ−加工若しくは熱溶着加工によって行われる。しかし、それらの方法によっては均一な接合面にするのは困難であるとの問題点があった。そのために、従来の建具用防水具64は、接合部83、83の箇所に必ずといってもいい程に段差が生じてアルミサッシ枠を厳密に水平に保持できないとの問題点があった。従って、雨水若しくは結露水が段差のために生じる隙間に侵入するとの問題点があった。
(v)同じ種類の熱可塑性樹脂であっても、射出成形法に使用されるものと、押出成形法に使用されるものとでは、熱溶融特性が相違するもの(すなわち、分子量及び分子量分布その他が相違するもの)を使用せざるを得ないという熱可塑性樹脂の成形加工での技術的必然性が存在する。そのために、従来の建具用防水具64は、コ−ナ−用取付け部81、81及び横長部材82が粘弾性において相違し、コ−ナ−用取付け部81、81と横長部材82ではアルミサッシ枠の支持状態(いわゆる、クッションとしての性能)が相違するとの問題点があった。
【0007】
建具用防水具64の製造については、代表的には、下記(イ)〜(ニ)のような問題点があった。
(イ)建具用防水具64のコ−ナ−用取付け部81、81と横長部材82との接合は、手作業によらざるを得ないという問題点及びその接合は正確を期しがたいとの問題点があった。
(ロ)コ−ナ−用取付け部81、81と横長部材82との接合を工業的に円滑に行うには、実質的に、塩化ビニル樹脂その他の二三を限定的に使用せざるを得ないとの問題点があった。
(ハ)コ−ナ−用取付け部81、81はその成形品重量に比較して投影面積が大きいので、それを射出成形するには、成形品重量に見合う吐出量の射出成形機を使用することができず、それよりも著しい大型の射出成形機を使用せざるを得ないとの問題点があった。そのために、コ−ナ−用取付け部81、81の射出成形には、著しく製造コストが高騰するとの問題点があった。
(ニ)コ−ナ−用取付け部81、81のような形状の成形品のための射出成形用の金型は、成形品の単位重量当たり寸法が大きくなって、金型に要する費用も高価になるとの問題点があった。
【0008】
そこで、かかる問題点を解決するための検討が実験を主体として行われ、いくつかの新たな事実が見いだされて本発明が得られた。
【0009】
ここにおいて、本発明は、下記(a)〜(e)の特徴を備えている建具用防水具を提供すること、を目的とする。
(a)反り及び歪み等の不均一部分を生ずることがなく、平滑な面を有するとの特徴を備えていて、
(c)厚みを均一に薄くして、金属製サッシ枠等の建具を厳密に水平に保持できる特徴を備えていて、
(d)防水効果が優れている特徴を備えていて、
(e)安価に製造できる特徴を備えているものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明よる建具用防水具の製造法は、加熱した金型の成形面に熱可塑性樹脂粉末を接触させて、それによって、熱可塑性樹脂粉末の熱溶融層を成形面に生成・付着させて、それから熱溶融層上の堆積した未溶融の熱可塑性樹脂粉末を分離し、成形面に付着した熱溶融層を冷却固化して成形物にするパウダ−スラッシュ粉末成形法において、
(a)金型の成形面が、建具外形の部分又は全面と同一あるいは近似の形状若しくはそれらの形状を有する立体形状と同一形状されて、
(b)熱可塑性樹脂粉末が10〜60g/10分のメルトフロ−レ−ト(JISK6730により測定)の物性にされて、
(c)成形面上の付着熱溶融層を冷却固化した成形物が、0.1〜0.5mmの厚みの立体形状の熱可塑性樹脂シ−トにされていることを、特徴とする。
【0011】
請求項2の本発明よる建具用防水具の製造法は、加熱した金型の成形面に熱可塑性樹脂粉末を接触させて、それによって、熱可塑性樹脂粉末の熱溶融層を成形面に生成・付着させて、それから熱溶融層上の堆積した未溶融の熱可塑性樹脂粉末を分離し、成形面に付着した熱溶融層を冷却固化して成形物にするパウダ−スラッシュ粉末成形法において、
(i)金型の成形面が、建具外形の部分又は全面と同一あるいは近似の形状若しくはそれらの形状を有する立体形状と同一形状されて、
(ii)金型が、熱可塑性樹脂粉末の融点よりも50〜180℃高い温度に加熱されて、
(iii)熱可塑性樹脂粉末が、20〜50g/10分のメルトフロ−レ−ト(JISK6730により測定)の物性にされて、
(iv)成形面上の付着熱溶融層を冷却固化した成形物が、0.3〜3.0mmの厚みの立体形状の熱可塑性樹脂シ−トにされていることを、特徴とする
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を図1〜図5に基いて具体的に説明する。図1〜図5は、本発明の好適な具体例ではあるが、本発明に包含される具体例の例示の一部である。
【0013】
図1は、本発明の建具用防水具の具体例を示す斜視図である。図1に示す建具用防水具1は、実用的には、aの寸法が40〜100mm、bの寸法が20〜100mm、cの寸法が30〜100mm、dの寸法が30〜100mm及びLの寸法が200〜4,000mm程度であるのが代表的である。
【0014】
建具用防水具1は、メルトフロ−レ−ト(JISK6730により測定)が10〜60g/10分の熱可塑性樹脂の粉末を加熱した金型に接触させて熱溶融させ、その後で熱溶融熱可塑性樹脂を冷却固化して金型と同一形状の一体成形物にして、それを二つに切断加工して形成されたものである。
【0015】
熱可塑性樹脂の粉末からの建具用防水具の工業的生産においては、いわゆるパウダ−スラッシュ法と称される粉末を使用する成形手段が適していることが本発明において見いだされている。次に、本発明の建具用防水具をパウダ−スラッシュ法を利用して製造する場合を図2〜図5に基いて具体的に説明する。
【0016】
図2は、パウダ−スラッシュ法により図1の建具用防水具を製造する場合に用いる金型の具体例を示す斜視図である。金型20は、図1の建具用防水具が二個合わさった形状になっている。これは、パウダ−スラッシュ法による製造が容易であるからである。金型20はその長手方向の両側の凸部21、21とそれに囲まれた内側の面が成形面22になっている。成形面22は建物の開口部61の下端に対応した形状になっている。金型20は薄い鋼板から形成されていて、厚み2.5〜3.5mmの鋼板を用いることにより金型20の成形面22の形状を正確に再現できること、特に、成形面22のコ−ナ−部の角度を正確に再現できることが本発明で見いだされている。なお、鋼板は、熱間圧延鋼板、冷間圧延鋼板、亜鉛鉄板、ぶりき板、みがき特殊鋼板、ステンレス鋼板、高張力鋼板若しくはしま鋼板のいずれの使用も可能である。しかし、熱間圧延鋼板、冷間圧延鋼板若しくはステンレス鋼板の使用により均一な厚みの熱可塑性樹脂による金型20の成形面22の形状のより正確な再現が可能であることも本発明で見いだされている。
【0017】
パウダ−スラッシュ法による製造は、図3及び図4に示す工程によって行われる。図3及び図4に示す工程は一連の工程であるが、図示の便宜上から、別の図になっている。
【0018】
図3の(A)は、金型20の成形面22を加熱手段30により加熱する工程の説明図である。金型20の成形面22と加熱手段30及び加熱手段30それ自体は任意であり得る。金型20の加熱温度は熱可塑性樹脂の熱溶融及び成形に有効な温度である。加熱温度は成形物を構成するシ−ト厚み及び加熱時間等との関係から決めることも可能である。例えば、熱可塑性樹脂の融点よりも、約50〜180℃程度(好ましくは、約80〜150℃程度)高い温度であれば、熱可塑性樹脂の熱溶融及び成形に有効である。それ未満及びそれを越える温度領域では、均一な厚み(特に、0.3〜3.0mmの範囲内の均一な厚み)の一体成形物を得るのが困難になることが本発明で見いだされている。
【0019】
図3の(B)は、加熱された金型20と熱可塑性樹脂の粉末31を充填した粉末槽32を連結させる工程の説明図である。連結は、図3の(B)に示すように、金型20の成形面22を下向きにして、成形面22が粉末槽32の熱可塑性樹脂の粉末31と対向する位置になるように粉末槽32の開口部に連結されている。
【0020】
図3の(C)は、図3の(B)に示す工程で連結された金型20と粉末槽32とを反転させて、金型20と粉末槽32との上下の位置関係を図3の(B)のそれとは逆にする工程の説明図である。図3の(C)の工程により、粉末槽32は金型20の成形面22の上方に位置するので、粉末槽32の熱可塑性樹脂粉末31が金型20の成形面22に落下して、加熱された成形面22に接触することになる。成形面22に接触した熱可塑性樹脂粉末31が熱溶融して熱可塑性樹脂層になるが、その熱可塑性樹脂層がある程度の厚みになるまでの時間、図3の(C)の上下の位置関係が保持される。
【0021】
図4の(D)は、成形面22上の熱可塑性樹脂層がある程度の厚みになった後で、金型20と粉末槽32との上下の位置関係を逆転させて、図3の(B)に示す上下の位置関係に戻す工程の説明図である。図4の(D)の工程により、金型20の成形面22の上に堆積している未溶融の熱可塑性樹脂粉末31は粉末槽32内に落下して、一定厚みの熱可塑性樹脂層40のみが金型20の成形面22に付着して残ることになる。熱可塑性樹脂層40の厚みは、メルトフロ−レ−ト(JISK6730により測定)が10〜60g/10分の熱可塑性樹脂の粉末を用いて、金型20の加熱温度及び金型20と熱可塑性樹脂粉末31との接触時間を調整するこにより約0.1〜5.0mmに厚みに形成できることが本発明で見いだされている。0.3〜3.0mmであれば容易に形成可能であることも本発明で見いだされている。
【0022】
図4の(E)は、粉末槽32との連結を外した金型20を冷却槽41に連結して、金型20を冷却し、金型20の成形面22に形成の熱可塑性樹脂層40を冷却固化する工程の説明図である。本発明の「冷却固化」には、自然乾燥などによる冷却固化も包含されるが、金型20の裏面(成形面22と反対の面)を水若しくは冷風等の冷媒を噴射する等して強制冷却するのが代表的である。
【0023】
図4の(F)は、図4の(E)の工程による熱可塑性樹脂層40の冷却固化の終了後に金型20の成形面22から一体成形物42(熱可塑性樹脂層40が冷却固化された物)を分離する工程の説明図である。
【0024】
図5は、図4の(F)の工程において金型20から分離された熱可塑性樹脂の一体成形物42の斜視図である。熱可塑性樹脂の一体成形物42は、金型20の成形面22と同一形状になっている。そのために、図5の太線の部分で一体成形物42を切断加工して図1に示す建具用防水具1を作ることができる。一体成形物42の切断加工により得られる建具用防水具1は、本発明の「熱可塑性樹脂を冷却固化させて前記金型と同一の形状を備えている一体成形物を加工した物」の代表的な例示である。ただし、本発明には、それ以外に、一体成形物の各種の切断方法により得られる建具用防水具が包含される。又、金型と建具用防水具との形状を同じにして、熱可塑性樹脂の一体成形物をそのまま建具用防水具にすることも可能である。
【0025】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、メルトフロ−レ−トが10〜60g/10分の熱可塑性樹脂の粉末であれば、後述する種々の優れた特徴を備えた建具用防水具を形成する樹脂原料となり得る。特に、メルトフロ−レ−トが20〜50g/10分の熱可塑性樹脂の粉末であれば、そのような建具用防水具を形成するのが容易である。熱可塑性樹脂は、メルトフロ−レ−トが10〜60g/10分の物性を有するものでれば、任意の種類の熱可塑性樹脂が選択可能である。しかし、ゴム弾性をも併有している熱可塑性樹脂の粉末であれば、本発明の効果が大きくなることが本発明で見いだされている。例えば、熱可塑性樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体の物性が主体となるように、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む二種以上の樹脂を使用する場合である。なお、本発明の「熱可塑性樹脂」は、一種若しくは二種以上の熱可塑性樹脂である場合のいずれであってもよい。又、本発明の「熱可塑性樹脂」には、熱可塑性樹脂が量的比率の80%以上を占めるものも含まれる。
【0026】
そして、本発明による建具用防水具が、aの寸法40〜100mm、bの寸法20〜100mm、cの寸法30〜100mm、dの寸法30〜100mm及びLの寸法200〜4,000mmである図1に示す形状であって、メルトフロ−レ−ト10〜60g/10分(好ましくは、20〜50g/10分)の熱可塑性樹脂から約0.1〜5.0mmの範囲内(好ましくは、約0.3〜3.0mmの範囲内)の厚みでのシ−トから構成されている場合には、本発明による効果を最大に享受できることが本発明者により見いだされている。特に、熱可塑性樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体若しくはエチレン−酢酸ビニル共重合体が量的主体(75重量%以上)を占める場合には、本発明による効果を容易に享受できることも本発明者により見いだされている。
【0027】
本発明の建具用防水具は、建物壁面の開口部に取り付けられる建具及びそれを開口部の建具取付部材(代表的には、図7に示す木枠70)の防水に使用されるものである。本発明の「建物」の用語は、躯体(一般的には、建築の本体構造若しくはそれに類似の意味で使用)を含む広義の語義で使用している。従って、本発明の建具用防水具は、躯体の開口部に取り付けられる建具の防水に使用される場合であっても本発明の範囲である。又、本明細書で使用している「建物開口部」は躯体開口部を含んだ語義で使用している。建具取付部材は、木枠以外の建具を建物開口部に設けるに際して使用される部材であることができる。
【0028】
本発明の建具用防水具は、代表的には、建具と開口部との間隙若しくは建具と開口部の建具取付部材との間隙に挟んで建具を保持する状態にして開口部に取り付けられる(図6及び図7参照)。従って、本発明の建具用防水具は、建具と開口部との間隙若しくは建具と開口部の建具取付部材との間隙に挟むことが可能な厚みの熱可塑性樹脂シ−ト(具体的には、約0.1〜5.0mmの厚みのもの)から構成され、かつ、建具の外形の部分又は全面と同一あるいは近似の形状若しくはそれらの形状を有してなる立体形状になっている。建具の外形の部分又は全面と同一あるいは近似の形状を有してなる立体形状は、代表的には、例えば、開口部の周囲壁面を包含する領域の形状と同一若しくは近似の形状がある(図6及び図7参照)。開口部の周囲壁面をも熱可塑性樹脂シ−トに覆うことにより、建具及び建具取付具の防水がより完璧になるからである。
【0029】
本発明の建具用防水具は、外回りの壁面に配設の開口部の建具に取り付けられるのが代表的ではあるが、内壁にも結露の発生があるので、内壁に配設の開口部の建具に取り付ける場合においても使用される。従って、本発明の「建物の開口部」は、建物の内外を問わず、建物に設けられている開口部であればよい。建物内部に設けられる開口部としては、例えば、浴室のドア用の開口部がある。本発明の建具用防水具は、水若しくは湿気に曝される建物開口部の建具に使用しても有効である。
【0030】
本発明の建具用防水具が用いられる建具は、防水が必要な建具であれば、任意の種類若しくは任意の形状の建具であり得る。建具は、例えば、金属製サッシ(代表的には、アルミサッシ)、金属製ドア及び金属製シャッタ−等である。
【0031】
なお、本発明おいては、本発明の目的に合致し、本発明の効果を特に害さない限りにおいては、本発明の改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であって、いずれも本発明の範囲である。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、下記(1)〜(5)等の優れた特徴を備えた建具用防水具が提供されることになる。
(1)本発明の建具用防水具は、メルトフロ−レ−トが10〜60g/10分の熱可塑性樹脂の粉末の熱溶融と冷却固化からなる一体成形物若しくはそれの切断等の加工により形成されていて分子の配向が生じていていないので、成形物には反り及び歪みが生じないとの特徴を有する。
(2)本発明の建具用防水具は、一体成形物若しくはそれの加工物であるので、接合部に由来して従来の建具用防水具に生じていた表面の不均一箇所が無く、かつ、表面が平滑であるので、防水具としての効能が優れるのみならず、建具の支持材としての性能も優れているとの特徴を有する。
(3)本発明の建具用防水具は、メルトフロ−レ−トが10〜60g/10分の熱可塑性樹脂の粉末の金型での熱溶融と冷却固化によるので、1mm以下の均一な厚みのものに容易に形成することができる。そのために、建具(代表的には、金属製サッシ枠等)を厳密に水平に保持できるとの特徴を有する。
(4)本発明の建具用防水具は、それを壁面の開口部と建具外側との間に正確かつ密接して挟み込むことができるので、建具には優れた防水効果が付与されるとの特徴を有する。
(5)本発明の建具用防水具は、それに要する金型の費用と、従来の建具用防水具の射出成形に要する金型の費用とを比較すると、本発明の建具用防水具に要する金型の費用は、射出成形に要する金型の費用に比較して著しく安価になるとの特徴を有する。
【0033】
具体的には、本発明の建具用防水具が、図1に示す形状のものであって、かつ、aの寸法40〜100mm、bの寸法20〜100mm、cの寸法30〜100mm、dの寸法30〜100mm及びLの寸法200〜4,000mmであるものを約0.1〜5.0mmの範囲内の厚みのシ−トにより形成する場合には、金型の費用が射出成形に要する金型の費用の約1/50になり、かつ、異形押出成形に要する金型の費用が不要になる等の特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建具用防水具の具体例を示す斜視図である。
【図2】パウダ−スラッシュ法の金型を示す斜視図である。
【図3】パウダ−スラッシュ法の工程図である。
【図4】パウダ−スラッシュ法の工程図である。
【図5】熱可塑性樹脂の一体成形物の斜視図である。
【図6】公知の手段によるアルミサッシ枠の開口部への取り付け状況を示す説明図である。
【図7】公知の手段によるアルミサッシ枠と開口部との取り付け関係を示す説明図である。
【図8】公知の建具用防水具を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 建具用防水具
20 金型
21 凸部
22 成形面
31 熱可塑性樹脂粉末
32 粉末槽
40 熱可塑性樹脂層
41 冷却槽
42 一体成形物

Claims (2)

  1. 加熱した金型の成形面に熱可塑性樹脂粉末を接触させて、それによって、熱可塑性樹脂粉末の熱溶融層を成形面に生成・付着させて、それから熱溶融層上の堆積した未溶融の熱可塑性樹脂粉末を分離し、成形面に付着した熱溶融層を冷却固化して成形物にするパウダ−スラッシュ粉末成形法において
    a)金型の成形面が、建具外形の部分又は全面と同一あるいは近似の形状若しくはそれらの形状を有する立体形状と同一形状されて、
    (b)熱可塑性樹脂粉末が、10〜60g/10分のメルトフロ−レ−ト(JISK6730により測定)の物性にされて、
    (c)成形面上の付着熱溶融層を冷却固化した成形物が、0.1〜0.5mmの厚みの立体形状の熱可塑性樹脂シ−トにされていることを、特徴とする建具用防水具の製造法
  2. 加熱した金型の成形面に熱可塑性樹脂粉末を接触させて、それによって、熱可塑性樹脂粉末の熱溶融層を成形面に生成・付着させて、それから熱溶融層上の堆積した未溶融の熱可塑性樹脂粉末を分離し、成形面に付着した熱溶融層を冷却固化して成形物にするパウダ−スラッシュ粉末成形法において
    (i)金型の成形面が、建具外形の部分又は全面と同一あるいは近似の形状若しくはそれらの形状を有する立体形状と同一形状されて、
    (ii)金型が、熱可塑性樹脂粉末の融点よりも50〜180℃高い温度に加熱されて、
    (iii)熱可塑性樹脂粉末が、20〜50g/10分のメルトフロ−レ−ト(JISK6730により測定)の物性にされて、
    (iv)成形面上の付着熱溶融層を冷却固化した成形物が、0.3〜3.0mmの厚みの立体形状の熱可塑性樹脂シ−トにされていることを、特徴とする建具用防水具の製造法
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