JPH06238689A - 合成樹脂製レンズ、及びその成形方法 - Google Patents
合成樹脂製レンズ、及びその成形方法Info
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- JPH06238689A JPH06238689A JP2789793A JP2789793A JPH06238689A JP H06238689 A JPH06238689 A JP H06238689A JP 2789793 A JP2789793 A JP 2789793A JP 2789793 A JP2789793 A JP 2789793A JP H06238689 A JPH06238689 A JP H06238689A
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- Japan
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- synthetic resin
- lens
- molding
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- mold
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、少ない工程数で表面硬度、
防曇性等の機能性を有する光学歪が少ない合成樹脂製レ
ンズ、及びその成形方法を提供することにある。 【構成】 合成樹脂製レンズであって、２枚の合成樹脂
（Ａ）製シートを成形用金型の両面に装着し、型締後合
成樹脂（Ａ）に溶着する合成樹脂（Ｂ）を加熱溶融して
上記２枚のシート間に充填後、樹脂流路を閉鎖し、直ち
に可動性のキャビティを移動させてレンズの面方向より
圧縮し、成形して得られた光学歪の少ない合成樹脂製レ
ンズ。
防曇性等の機能性を有する光学歪が少ない合成樹脂製レ
ンズ、及びその成形方法を提供することにある。 【構成】 合成樹脂製レンズであって、２枚の合成樹脂
（Ａ）製シートを成形用金型の両面に装着し、型締後合
成樹脂（Ａ）に溶着する合成樹脂（Ｂ）を加熱溶融して
上記２枚のシート間に充填後、樹脂流路を閉鎖し、直ち
に可動性のキャビティを移動させてレンズの面方向より
圧縮し、成形して得られた光学歪の少ない合成樹脂製レ
ンズ。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂製レンズ、及び
その成形法に関するものである。本発明で得られた合成
樹脂製レンズは、眼鏡レンズ、ＯＡ機器のレンズ等の光
学用レンズに広く適用される。
その成形法に関するものである。本発明で得られた合成
樹脂製レンズは、眼鏡レンズ、ＯＡ機器のレンズ等の光
学用レンズに広く適用される。
【０００２】
【従来の技術】合成樹脂製レンズは、無機ガラスと比較
して軽量であり、かつ耐衝撃性に優れているという特徴
を有するが、表面硬度が低く、成形の際の光学歪が大き
くなるという欠点がある。そのためレンズ表面を成形後
ハードコート処理する必要があるが、この場合工程が多
くなり、耐溶剤性が低いためにクラックを生じ易く、物
性が低下する欠点も有する。成形時の金型温度を高くす
ると、レンズの光学歪を小さくすることができるがこの
場合冷却時間が長くなるという欠点が生ずる。従って、
冷却速度を制御するのが望ましいが、そのための特別な
装置が必要となる。
して軽量であり、かつ耐衝撃性に優れているという特徴
を有するが、表面硬度が低く、成形の際の光学歪が大き
くなるという欠点がある。そのためレンズ表面を成形後
ハードコート処理する必要があるが、この場合工程が多
くなり、耐溶剤性が低いためにクラックを生じ易く、物
性が低下する欠点も有する。成形時の金型温度を高くす
ると、レンズの光学歪を小さくすることができるがこの
場合冷却時間が長くなるという欠点が生ずる。従って、
冷却速度を制御するのが望ましいが、そのための特別な
装置が必要となる。
【０００３】又、レンズをサングラスとして使用する場
合、スキー等の屋外スポーツにおいては、紫外線等の光
線量を減じる必要がある。更に、寒冷地や高い湿度下に
使用する場合、曇りを防止する必要もある。したがっ
て、必要に応じ、上記光線を緩和させる塗料や防曇塗料
をハードコートの反対面に塗装処理するために、別工程
が更に必要となり工程数が増加するという問題点があ
る。
合、スキー等の屋外スポーツにおいては、紫外線等の光
線量を減じる必要がある。更に、寒冷地や高い湿度下に
使用する場合、曇りを防止する必要もある。したがっ
て、必要に応じ、上記光線を緩和させる塗料や防曇塗料
をハードコートの反対面に塗装処理するために、別工程
が更に必要となり工程数が増加するという問題点があ
る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、少な
い工程数で表面硬度、防曇性等の機能性を有する光学歪
が少ない合成樹脂製レンズ、及びその成形方法を提供す
ることにある。
い工程数で表面硬度、防曇性等の機能性を有する光学歪
が少ない合成樹脂製レンズ、及びその成形方法を提供す
ることにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、合成樹脂
製レンズの製造方法について鋭意研究を重ねた結果、成
形機用金型内に溶融樹脂を射出後、直ちに可動性のキャ
ビティを移動させてレンズの面方向より圧縮して光学歪
みを少なくすることにより上記課題が解決されることを
見出し、本発明を完成させた。
製レンズの製造方法について鋭意研究を重ねた結果、成
形機用金型内に溶融樹脂を射出後、直ちに可動性のキャ
ビティを移動させてレンズの面方向より圧縮して光学歪
みを少なくすることにより上記課題が解決されることを
見出し、本発明を完成させた。
【０００６】すなわち、本発明は、合成樹脂製レンズで
あって、２枚の合成樹脂（Ａ）製シートを成形用金型の
両面に装着し、型締後合成樹脂（Ａ）に溶着する合成樹
脂（Ｂ）を加熱溶融して上記２枚のシート間に充填後、
樹脂流路を閉鎖し、直ちに可動性のキャビティを移動さ
せてレンズの面方向より圧縮し、成形して得られた光学
歪の少ない合成樹脂製レンズ及びその成形方法に関する
発明である。
あって、２枚の合成樹脂（Ａ）製シートを成形用金型の
両面に装着し、型締後合成樹脂（Ａ）に溶着する合成樹
脂（Ｂ）を加熱溶融して上記２枚のシート間に充填後、
樹脂流路を閉鎖し、直ちに可動性のキャビティを移動さ
せてレンズの面方向より圧縮し、成形して得られた光学
歪の少ない合成樹脂製レンズ及びその成形方法に関する
発明である。
【０００７】本発明において、合成樹脂（Ａ）製シート
の材料として、透明で耐衝撃性に優れた硬質性熱可塑性
樹脂が使用可能であり、具体的には芳香族ポリカーボネ
ート、ポリメチルメタクリレート等が例示できる。
の材料として、透明で耐衝撃性に優れた硬質性熱可塑性
樹脂が使用可能であり、具体的には芳香族ポリカーボネ
ート、ポリメチルメタクリレート等が例示できる。
【０００８】本発明で使用する合成樹脂（Ａ）製シート
として、その厚みが０．１ｍｍ〜３．０ｍｍのものを使
用するのが望ましく、この厚みのものを使用することに
より表面外観性及び成形性を向上することができる。厚
みが０．１ｍｍ未満のシートを使用すると、最終充填部
にシート表面に皺が発生する場合があり、一方、厚みが
３．０ｍｍを超えるシートを使用すると金型キャビティ
形状に真空成形等で賦形する際、成形性が低下する欠点
が生ずる場合がある。
として、その厚みが０．１ｍｍ〜３．０ｍｍのものを使
用するのが望ましく、この厚みのものを使用することに
より表面外観性及び成形性を向上することができる。厚
みが０．１ｍｍ未満のシートを使用すると、最終充填部
にシート表面に皺が発生する場合があり、一方、厚みが
３．０ｍｍを超えるシートを使用すると金型キャビティ
形状に真空成形等で賦形する際、成形性が低下する欠点
が生ずる場合がある。
【０００９】本発明において、２枚の合成樹脂（Ａ）製
シート間に射出する合成樹脂（Ｂ）として、シートと溶
着可能なものが使用できるが、一般的には合成樹脂
（Ａ）と同組成物のものを使用すると容易に接着が可能
である。
シート間に射出する合成樹脂（Ｂ）として、シートと溶
着可能なものが使用できるが、一般的には合成樹脂
（Ａ）と同組成物のものを使用すると容易に接着が可能
である。
【００１０】本発明の成形品に偏光性能、赤外線吸収性
能、紫外線吸収性能、フォトクロミック性能を付与する
ために、合成樹脂（Ａ）製シートのいずれか一方、又は
これらの双方に偏光性能、赤外線吸収性能、紫外線吸収
性能、フォトクロミック性能を有す添加剤等を混合して
使用することができる。上記添加剤等を混合した場合で
も、合成樹脂（Ａ）製シートと成形材である合成樹脂
（Ｂ）層との接着強度を必要な値にすることが可能であ
る。例えば、合成樹脂（Ａ）と（Ｂ）の双方にポリカー
ボネートを使用した場合でも、両層間の接着強度は９０
度剥離強度で５ｋｇ／ｃｍ以上とすることが可能であ
る。また合成樹脂（Ａ）と（Ｂ）の添加剤の種類が異な
る場合も接着性能は低下せず、さらにレンズとしての性
能は向上される。
能、紫外線吸収性能、フォトクロミック性能を付与する
ために、合成樹脂（Ａ）製シートのいずれか一方、又は
これらの双方に偏光性能、赤外線吸収性能、紫外線吸収
性能、フォトクロミック性能を有す添加剤等を混合して
使用することができる。上記添加剤等を混合した場合で
も、合成樹脂（Ａ）製シートと成形材である合成樹脂
（Ｂ）層との接着強度を必要な値にすることが可能であ
る。例えば、合成樹脂（Ａ）と（Ｂ）の双方にポリカー
ボネートを使用した場合でも、両層間の接着強度は９０
度剥離強度で５ｋｇ／ｃｍ以上とすることが可能であ
る。また合成樹脂（Ａ）と（Ｂ）の添加剤の種類が異な
る場合も接着性能は低下せず、さらにレンズとしての性
能は向上される。
【００１１】本発明において、合成樹脂（Ａ）の表面硬
度を向上する場合、使用する合成樹脂（Ａ）製シートの
片面にマスキングフィルムを貼り、公知技術であるディ
ップ法、スプレー法、フローコーター法等で処理するこ
とができる。従来法では、レンズ形状にした成形品に上
記の表面処理を行っていたが、レンズは曲面を有すため
にハードコート液の液だまりが生じ、歩留りが低かっ
た。本発明で使用するシートは、平板時に塗装処理され
たシートであるためハードコート液の液だまり等もな
く、綺麗な外観のために表面外観性能の要求されるレン
ズの成形には特に適している。
度を向上する場合、使用する合成樹脂（Ａ）製シートの
片面にマスキングフィルムを貼り、公知技術であるディ
ップ法、スプレー法、フローコーター法等で処理するこ
とができる。従来法では、レンズ形状にした成形品に上
記の表面処理を行っていたが、レンズは曲面を有すため
にハードコート液の液だまりが生じ、歩留りが低かっ
た。本発明で使用するシートは、平板時に塗装処理され
たシートであるためハードコート液の液だまり等もな
く、綺麗な外観のために表面外観性能の要求されるレン
ズの成形には特に適している。
【００１２】レンズへの表面処理として、上記ハードコ
ート処理の他に、更に防曇膜、熱反射性能等の他の機能
も付与することができる。本発明の成形品に上記の機能
性膜を少なくともレンズのハードコート面の反対側に設
けることにより、レンズに多機能を付与できる。機能性
膜の付与方法は公知の技術、例えば特開昭６０−２５０
９２７号公報、特開昭６０−２５３５１８号公報、特開
昭６０−５２３５１６号公報、特開昭６１−５９１０号
公報等に記載の方法により容易に行うことができる。
ート処理の他に、更に防曇膜、熱反射性能等の他の機能
も付与することができる。本発明の成形品に上記の機能
性膜を少なくともレンズのハードコート面の反対側に設
けることにより、レンズに多機能を付与できる。機能性
膜の付与方法は公知の技術、例えば特開昭６０−２５０
９２７号公報、特開昭６０−２５３５１８号公報、特開
昭６０−５２３５１６号公報、特開昭６１−５９１０号
公報等に記載の方法により容易に行うことができる。
【００１３】通常の射出成形では、成形材料が金型内に
射出されると、溶融樹脂が金型との温度差の影響で急冷
される結果生ずる光学歪と、溶融樹脂が固化に至るまで
の冷却過程で急冷される結果生ずる光学歪とがあり、特
に試料厚みの大きい成形品では、冷却過程での光学歪が
顕著となる。上記光学歪を最小限とするために、低圧射
出成形機を用い金型温度を高くし、冷却過程では除冷し
ながら成形を行う方法が考えられる。しかし、上記方法
でも光学歪を十分に小さくすることは不可能であり、更
に低圧射出成形機と高価な冷却速度調整機を用いなけれ
ばならず、またサイクル的にも長くなるためコストアッ
プの問題が生じていた。
射出されると、溶融樹脂が金型との温度差の影響で急冷
される結果生ずる光学歪と、溶融樹脂が固化に至るまで
の冷却過程で急冷される結果生ずる光学歪とがあり、特
に試料厚みの大きい成形品では、冷却過程での光学歪が
顕著となる。上記光学歪を最小限とするために、低圧射
出成形機を用い金型温度を高くし、冷却過程では除冷し
ながら成形を行う方法が考えられる。しかし、上記方法
でも光学歪を十分に小さくすることは不可能であり、更
に低圧射出成形機と高価な冷却速度調整機を用いなけれ
ばならず、またサイクル的にも長くなるためコストアッ
プの問題が生じていた。
【００１４】合成樹脂は熱伝導率の悪い断熱材であり、
一般に成形樹脂の急冷を抑える効果を有する。本発明に
おいて、金型表面に２枚の合成樹脂（Ａ）製シートを装
着して射出成形するので、射出された樹脂は金型内で急
冷される事がないため、金型温度を高温にしなくとも充
填時の光学歪は低減され、また冷却過程においても金型
温度を低温とすることができ、冷却時間の短縮と光学歪
を少なくすることが可能となる。
一般に成形樹脂の急冷を抑える効果を有する。本発明に
おいて、金型表面に２枚の合成樹脂（Ａ）製シートを装
着して射出成形するので、射出された樹脂は金型内で急
冷される事がないため、金型温度を高温にしなくとも充
填時の光学歪は低減され、また冷却過程においても金型
温度を低温とすることができ、冷却時間の短縮と光学歪
を少なくすることが可能となる。
【００１５】本発明において、上述した機能性膜を片面
に付与したシートは、成形金型に装着する際、機能性膜
を金型面に向けて装着することで、成形過程で同時に表
面処理膜を有す成形品が得られる。本発明における金型
へのシートの装着方法として、プレス機械で金型キャビ
ティ形状に打ち抜いて得られたシートのゲートやタブ部
に予め穴空けしておき、金型に設けたピンに固定した
り、シートタブ部に鉄片を貼付け、同位置の金型部に磁
石を埋め込んで装着する公知の方法で装着するか、また
は金型キャビティ形状に予め真空成形等で賦形したシー
トを装着して成形を行う方法が例示できる。
に付与したシートは、成形金型に装着する際、機能性膜
を金型面に向けて装着することで、成形過程で同時に表
面処理膜を有す成形品が得られる。本発明における金型
へのシートの装着方法として、プレス機械で金型キャビ
ティ形状に打ち抜いて得られたシートのゲートやタブ部
に予め穴空けしておき、金型に設けたピンに固定した
り、シートタブ部に鉄片を貼付け、同位置の金型部に磁
石を埋め込んで装着する公知の方法で装着するか、また
は金型キャビティ形状に予め真空成形等で賦形したシー
トを装着して成形を行う方法が例示できる。
【００１６】成形条件は公知の条件でも良いが、好適に
は樹脂温度を２６０℃以上とすることで接着強度は完全
なものが得られ、また金型温度も３０℃から１２０℃の
範囲とすることで冷却時間を短縮できる。金型内に樹脂
を充填後、直ちに稼働性キャビティを移動させてレンズ
の面方向より圧縮するが、この際の圧縮圧として２００
ｋｇｆ／ｃｍ2 以上の圧力を加えるのが望ましい。ま
た、圧縮圧をあまりにも過大とすると成形品により、成
形歪みが発生する場合もあるので、一般的には１０００
ｋｇｆ／ｃｍ2 以下で行うのが望ましい。上記圧力で圧
縮することで薄肉レンズの成形も容易に行え、また射出
成形と比較して表面転写の向上が可能である。
は樹脂温度を２６０℃以上とすることで接着強度は完全
なものが得られ、また金型温度も３０℃から１２０℃の
範囲とすることで冷却時間を短縮できる。金型内に樹脂
を充填後、直ちに稼働性キャビティを移動させてレンズ
の面方向より圧縮するが、この際の圧縮圧として２００
ｋｇｆ／ｃｍ2 以上の圧力を加えるのが望ましい。ま
た、圧縮圧をあまりにも過大とすると成形品により、成
形歪みが発生する場合もあるので、一般的には１０００
ｋｇｆ／ｃｍ2 以下で行うのが望ましい。上記圧力で圧
縮することで薄肉レンズの成形も容易に行え、また射出
成形と比較して表面転写の向上が可能である。
【００１７】
【実施例】以下、実施例により本発明の詳細を説明す
る。光学歪とレンズ表面外観についての評価を行った。 （１）使用した成形機：ハヤブサ鉄工所（株）製、型
式；ＨＰ−１８０ （２）使用した光学歪の複屈折測定器：溝尻光学社製、
型式；エリプソメーターＡＶ−３６Ｌ、測定はレンズ中
央部で行った。 （３）光学歪の評価法：複屈折５０ｎｍ以下では光学歪
は少なく良好と判断し、５０ｎｍを超えると光学歪が大
で不可とした。 （４）レンズ表面外観：外観目視にて評価した。
る。光学歪とレンズ表面外観についての評価を行った。 （１）使用した成形機：ハヤブサ鉄工所（株）製、型
式；ＨＰ−１８０ （２）使用した光学歪の複屈折測定器：溝尻光学社製、
型式；エリプソメーターＡＶ−３６Ｌ、測定はレンズ中
央部で行った。 （３）光学歪の評価法：複屈折５０ｎｍ以下では光学歪
は少なく良好と判断し、５０ｎｍを超えると光学歪が大
で不可とした。 （４）レンズ表面外観：外観目視にて評価した。
【００１８】実施例１ 金型としてキャビティ厚み１５〜２０ｍｍ、直径８０ｍ
ｍφのキャビティを有す凸レンズ用金型を用いた。この
金型の両キャビティは摺動性があり、内部には油圧シリ
ンダーが組み込まれているために、樹脂を射出後油圧シ
リンダーを駆動させることで面方向より圧縮できる構造
の金型である。以下の手順で成形をおこなった。金型の
油圧シリンダーを駆動させ、可動性キャビティの位置を
キャビティ厚み２０ｍｍとなる位置とした。次いで金型
の両キャビティ面にシート厚み０．５ｍｍのポリカーボ
ネートシート（片面にフローコーター法でシリコン系ハ
ードコートを塗布したハードコートシート（三菱瓦斯化
学（株）製、商品名：ユーピロンシートＭＲ０Ｘ）でプ
レス機械でキャビティ形状に切断したもの）を装着し
た。
ｍφのキャビティを有す凸レンズ用金型を用いた。この
金型の両キャビティは摺動性があり、内部には油圧シリ
ンダーが組み込まれているために、樹脂を射出後油圧シ
リンダーを駆動させることで面方向より圧縮できる構造
の金型である。以下の手順で成形をおこなった。金型の
油圧シリンダーを駆動させ、可動性キャビティの位置を
キャビティ厚み２０ｍｍとなる位置とした。次いで金型
の両キャビティ面にシート厚み０．５ｍｍのポリカーボ
ネートシート（片面にフローコーター法でシリコン系ハ
ードコートを塗布したハードコートシート（三菱瓦斯化
学（株）製、商品名：ユーピロンシートＭＲ０Ｘ）でプ
レス機械でキャビティ形状に切断したもの）を装着し
た。
【００１９】分子量１６，０００のポリカーボネート樹
脂材料（三菱瓦斯化学（株）製、商品名：ユーピロンＨ
−４０００）を樹脂温度３００℃、金型温度６０℃、射
出圧力（ゲージ圧力：４００ｋｇｆ／ｃｍ2 ）の条件で
射出注入後、直ちに油圧シリンダーをキャビティ面圧力
５００ｋｇｆ／ｃｍ2 で駆動させ、該成形材料を圧縮し
て成形した。該成形材料とシートは成形の熱、圧力によ
り一体化され、表面にはハードコートを形成させた積層
レンズ成形品を得た。評価結果は表１に示す。
脂材料（三菱瓦斯化学（株）製、商品名：ユーピロンＨ
−４０００）を樹脂温度３００℃、金型温度６０℃、射
出圧力（ゲージ圧力：４００ｋｇｆ／ｃｍ2 ）の条件で
射出注入後、直ちに油圧シリンダーをキャビティ面圧力
５００ｋｇｆ／ｃｍ2 で駆動させ、該成形材料を圧縮し
て成形した。該成形材料とシートは成形の熱、圧力によ
り一体化され、表面にはハードコートを形成させた積層
レンズ成形品を得た。評価結果は表１に示す。
【００２０】比較例１ 実施例１と同じ金型を用いて、シートの装着をせずに同
成形材料（三菱瓦斯化学（株）製、商品名：ユーピロン
Ｈ−４０００）を射出後、実施例と同様の成形条件で圧
縮した。次いで成形した成形品にハードコート処理を行
うために、ハードコート溶液をディップ法により、成形
品表面にハードコート処理を行い、１３０℃の乾燥機中
でハードコート膜を焼き付けた。評価結果は表１に示
す。
成形材料（三菱瓦斯化学（株）製、商品名：ユーピロン
Ｈ−４０００）を射出後、実施例と同様の成形条件で圧
縮した。次いで成形した成形品にハードコート処理を行
うために、ハードコート溶液をディップ法により、成形
品表面にハードコート処理を行い、１３０℃の乾燥機中
でハードコート膜を焼き付けた。評価結果は表１に示
す。
【表１】 項目 実施例１ 比較例１ 光学歪 少 多 複屈折（ｎｍ） ３０．４ １１７．１ 外 観 ・液だまりなし ・液だまり多い ・埃付着無 ・埃付着あり 評 価 優 不可
【００２１】
（１）通常の金型温度でも光学歪が低減された。 （２）特殊な設備を使用せずとも、光学歪を低減でき、
品質向上とコストダウンの効果が得られた。 （３）成形時にハードコート膜を付与できるために、後
工程の省略と液だまり不良が改善できた。
品質向上とコストダウンの効果が得られた。 （３）成形時にハードコート膜を付与できるために、後
工程の省略と液だまり不良が改善できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 晋 神奈川県平塚市東八幡５丁目６番２号 三 菱瓦斯化学株式会社プラスチックスセンタ ー内
Claims (8)
- 【請求項１】 合成樹脂製レンズであって、２枚の合成
樹脂（Ａ）製シートを成形用金型の両面に装着し、型締
後合成樹脂（Ａ）に溶着する合成樹脂（Ｂ）を加熱溶融
して上記２枚のシート間に充填後、樹脂流路を閉鎖し、
直ちに可動性のキャビティを移動させてレンズの面方向
より圧縮し、成形して得られた光学歪の少ない合成樹脂
製レンズ。 - 【請求項２】 ２枚の合成樹脂（Ａ）製シートの少なく
とも一方が偏光性能もしくは紫外線吸収性能を向上する
添加剤を少なくとも１種以上添加されたポリカーボネー
トである請求項１に記載の合成樹脂製レンズ。 - 【請求項３】 ２枚の合成樹脂（Ａ）製シートの少なく
とも一方のシートの金型側表面が、ハードコート、熱線
反射性能、もしくは防曇性能の少なくとも一つ以上の機
能性を付与したポリカーボネートであることを特徴とす
る請求項１に記載の合成樹脂製レンズ。 - 【請求項４】 合成樹脂製レンズの成形方法であって、
２枚の合成樹脂（Ａ）製シートを成形機用金型の両面に
装着し、型締後合成樹脂（Ａ）に溶着する合成樹脂
（Ｂ）を加熱溶融して上記２枚のシート間に充填後、樹
脂流路を閉鎖し、直ちに可動性のキャビティを移動させ
てレンズの面方向より圧縮し、光学歪を低減することを
特徴とする合成樹脂製レンズの成形方法。 - 【請求項５】 レンズの面方向より圧縮する際の圧力が
２００ｋｇｆ／ｃｍ 2 以上であることを特徴とする請求
項４に記載の合成樹脂製レンズの成形方法。 - 【請求項６】 使用する２枚の合成樹脂（Ａ）製シート
の厚みが、それぞれ０．１〜３．０ｍｍである請求項４
に記載の合成樹脂製レンズの成形方法。 - 【請求項７】 ２枚の合成樹脂（Ａ）製シートの少なく
とも一方が偏光性能及、紫外線吸収性能を有する添加剤
を少なくとも１種以上添加されたポリカーボネートであ
る請求項４に記載の合成樹脂製レンズの成形方法。 - 【請求項８】 使用する合成樹脂（Ａ）製シートの片側
表面は、ハードコート、熱線反射性能、防曇性能の少な
くとも一つ以上の機能性を付与したポリカーボネートで
あり、かつ該機能性を有する膜は成形機用金型内で金型
面を向くように装着されたものであることを特徴とする
請求項４に記載の合成樹脂製レンズの成形方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2789793A JP3075321B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 合成樹脂製レンズ、及びその成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2789793A JP3075321B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 合成樹脂製レンズ、及びその成形方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06238689A true JPH06238689A (ja) | 1994-08-30 |
| JP3075321B2 JP3075321B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=12233682
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2789793A Expired - Fee Related JP3075321B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 合成樹脂製レンズ、及びその成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3075321B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6814896B2 (en) | 1995-03-03 | 2004-11-09 | Vision-Ease Lens, Inc. | Production of optical elements |
| JP2016147489A (ja) * | 2015-02-10 | 2016-08-18 | 三菱樹脂株式会社 | フィルムインサート成形品およびその製造方法 |
| US9981453B2 (en) | 2003-09-09 | 2018-05-29 | Vision Ease, Lp | Photochromic polyurethane laminate |
| US11002883B2 (en) | 2015-11-04 | 2021-05-11 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Thermoplastic resin composition and molded article thereof |
-
1993
- 1993-02-17 JP JP2789793A patent/JP3075321B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6814896B2 (en) | 1995-03-03 | 2004-11-09 | Vision-Ease Lens, Inc. | Production of optical elements |
| US7048997B2 (en) | 1995-03-03 | 2006-05-23 | Vision-Ease Lens | Production of optical elements |
| US9981453B2 (en) | 2003-09-09 | 2018-05-29 | Vision Ease, Lp | Photochromic polyurethane laminate |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3075321B2 (ja) | 2000-08-14 |
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