JP3576207B2 - パレットのクランプ装置 - Google Patents

パレットのクランプ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、パレットのクランプ装置に関し、特に工作機械のテーブルに対してパレットを正確に位置決めするパレットのクランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マシニングセンタ等工作機械には、ワーク(工作物)が載置されたパレットを搬送してテーブルに対して交換する自動パレット交換装置(以下、APCと記載)が設けられており、また、パレットのクランプ装置によりテーブルにパレットを着脱可能にクランプするようになっている。
【0003】
従来のパレットのクランプ装置としては、円筒状の2本のロケートピンとロケート穴及びパッドによってテーブルにパレットを位置決めするものや、実開昭63−4239号公報及び実開平5−26241号公報のように、テーパ面を有する複数(通常4個)のコーンパッド(テーパピン)を、テーパ穴を有するテーパブッシュにそれぞれ装着してパレットをクランプするものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の位置決め装置では、ロケートピンとロケート穴との間に径方向のわずかな隙間があるので、パレットをテーブルに繰り返し着脱する場合にその繰り返し精度にばらつきが生じていた。即ち、パレットは通常横方向(例えば水平方向)を向いているので、この方向に関する繰り返し精度のばらつきがあった。
【0005】
一方、後者のクランプ装置では、コーンパッドとテーパブッシュとがテーパ部で密着するので水平方向の精度は比較的良いが、端面が非接触なので縦方向(例えば上下垂直方向)の繰り返し精度のばらつきが大きかった。
また、テーパ部のみでクランプしているのでクランプ力が弱く、パレットを強固にクランプすることが難しかった。そのため、ワーク加工中にパレットに反力が加わるとパレットが不安定となって動くこともあり、加工精度が低下する虞れがあった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、横方向と縦方向双方の繰り返し位置決め精度が高精度で且つパレットを強固にクランプできるパレットのクランプ装置を提供することを目的とする。
また、停電や故障などにより万一油圧が低下しても、パレットを安全にクランプできるとともに油圧装置の容量を小さくできるパレットのクランプ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、工作機械のテーブルにパレットを着脱可能にクランプするパレットのクランプ装置において、前記パレットの裏面に設けられメス側テーパ穴及び端面を有するメス側テーパブッシュと、前記テーブルに設けられ、前記メス側テーパ穴及び前記端面に着脱可能にそれぞれ同時に密着するオス側テーパ面及び端面を有するオス側テーパピンと、前記テーブルに取付けられて前記オス側テーパピンを前記メス側テーパブッシュに着脱可能に装着させる装着機構と、油圧とばね力をもってこの装着機構のピストンをクランプ動作側に付勢し、少なくともばね力のみにより前記パレットをクランプ可能なばねを有する付勢手段とを備えたものである。
【0008】
また、本発明の別の発明は、工作機械のテーブルにパレットを着脱可能にクランプするパレットのクランプ装置において、前記パレットの裏面に設けられメス側テーパ穴及び端面を有するメス側テーパブッシュと、前記テーブルに設けられ、前記メス側テーパ穴及び前記端面に着脱可能にそれぞれ同時に密着するオス側テーパ面及び端面を有するオス側テーパピンと、前記テーブルに取付けられて前記オス側テーパピンを前記メス側テーパブッシュに着脱可能に装着させる装着機構と、ばね力をもってこの装着機構のピストンをクランプ動作側に付勢する付勢手段とを備えたものである。
【0009】
記メス側テーパブッシュ及び前記オス側テーパピンを有する一対のクランプ装置は、前記パレットの中心に対して互いに対称位置に配置されているのが好ましい。
前記メス側テーパブッシュを、厚みの微調節が可能なスペーサを介装して前記パレットの裏面に締結固定することにより、前記メス側テーパブッシュを前記パレットに対して精密に位置決め固定するのが好ましい。
【0010】
体的な実施態様として、前記オス側テーパピンに放射状に形成された複数の貫通孔には、ボールが前記オス側テーパピンの半径方向に移動可能に遊嵌され、前記ピストンは前記オス側テーパピンの内周面に摺動自在に嵌合し、前記ピストンには、前記ボールに接触してこのボールを半径方向に進退移動させるテーパ面が形成され、クランプ動作中には、前記テーパ面に押圧された前記ボールが前記メス側テーパブッシュのテーパ状底面を押圧するのが好ましい。
【0011】
【作用】
本発明においては、パレット側装着部のメス側テーパ穴及び端面に、テーブル側のオス側テーパ面及び端面をそれぞれ同時に密着させて二面拘束とし、またこの構造のクランプ機構を少なくとも4組設けてパレットをテーブルに装着している。従って、パレットは、テーブルに対して横方向(例えば水平方向)と縦方向(例えば上下垂直方向)の双方に関して高精度に且つ強いクランプ力で位置決めされる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1乃至図4を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例を示すパレットのクランプ装置の正面断面図で、図2のI−I線断面図、図2は図1に示すパレットの平面図、図3は図1の一部拡大断面図である。
【0013】
図1に示すように、横形マシニングセンタ等工作機械には旋回動作及び割出し動作をするテーブル1が設けられている。なお、工作機械は立形マシニングセンタであってもよい。
テーブル1は、次に述べる構成の割出し機構により精密な割出しができる円形の割出しテーブルである。なおテーブル1は、そのほか例えばNC制御により連続回転しながら切削加工するのに使用される旋回用の円形テーブルであってもよい。
【0014】
テーブル1は、マシニングセンタ等の本体2の案内面3上に移動自在に搭載されたテーブルベース4に回転可能に取付けられている。テーブルベース4の中心位置には軸受部材5が固定されている。軸受部材5の外方には、押圧駆動手段によりY軸方向に進退移動する環状部材6が取付けられており、環状部材6の下面には環状の位置決め歯7が形成されている。
【0015】
上面に割出し歯8が形成された内輪9がテーブルベース4に固定され、内輪9の外周には、ころ10を介して環状の外輪11が回転自在に配置されている。外輪11の上面には割出し歯12が形成され、外輪11の外周にはウォームホイール17の歯が形成されている。外輪11はテーブル1に固定されており、外輪11の割出し歯12と内輪9の割出し歯8とは、環状部材6の位置決め歯7に係脱可能に噛合している。
【0016】
テーブル1の中心に固定された中心軸13の下端部にはロータリーエンコーダ14が設けられており、このロータリーエンコーダ14により中心軸13の割出し回転角度を検出している。ウォーム15が形成され図示しないサーボモータにより回転駆動されるウォーム軸16が、テーブルベース4に回転自在に取付けられており、ウォーム15は、外輪11のウォームホイール17に噛合している。
【0017】
従って、サーボモータによりウォーム軸16が回転駆動されると、ウォーム15とウォームホイール17を介して外輪11がころ10に支持されて回転する。外輪11の回転によりテーブル1が割出され又は連続回転する。なお、外輪11が回転する間は、押圧駆動手段により環状部材6を矢印Bに示すように上昇させて位置決め歯7と割出し歯12を非噛合状態にしているので、微細な割出しが可能になっている。
【0018】
テーブル1を所望の角度位置に位置決めするときは、ロータリーエンコーダ14により中心軸13の角度位置が常に検出されているので、サーボモータを停止して外輪11を停止させる。次いで、押圧駆動手段を駆動して環状部材6を下降させて、位置決め歯7を割出し歯8,12に噛合させる。これにより、テーブル1はテーブルベース4に対して正確に割出される。
【0019】
マシニングセンタ等では、1台のテーブル1に対して通常複数個(例えば12個)のパレット20が使用されており、テーブル1に対してパレット20をAPCにより順次交換して、パレット20上に載置されたワーク21を加工するようになっている。
したがって、各パレット20相互の互換性、即ち全てのパレット20が常にテーブル1に対して例えば水平,垂直両方向に関して高精度にクランプされることが要求されている。
パレット20は、パレットのクランプ装置22によりテーブル1に着脱可能にクランプされており、上述のようにテーブル1を割出すことによりワーク21は所定の位置及び方向に位置決めされる。
【0020】
図1及び図2に示すように、クランプ装置22は、少なくとも4組のクランプ機構30,31を備えている。クランプ機構30,31は、パレット20の裏面23側に設けられたパレット側装着部24のメス側テーパ穴25及び端面26に、テーブル1に設けられたオス側テーパ面27及び端面28をそれぞれ密着させて、パレット20をテーブル1に着脱可能に装着している。これにより、パレット側装着部24は、テーブル1に対してテーパ面部と端面部との二面拘束によりクランプされる。
【0021】
図2及び図3に示すように、4組のクランプ機構30,31はパレット20の中心Cに対して対称な位置に配設されている。パレット中心Cに対して互いに対称な位置にある一対のクランプ機構30では、パレット裏面23に形成された凹部32の円筒状内周面33と、メス側テーパ穴25及び端面26を有するとともに凹部32内に配設されてパレット20に締結固定されたメス側テーパブッシュ34の円筒状外周面35とを密着させてその半径方向に動かないようにして横方向(例えば、水平方向即ちX,Z軸平面)について位置決めしている。
【0022】
即ち、パレット20の中心Cから半径Rの位置で且つ例えばZ軸から所定の角度θの位置に、それぞれの凹部32の中心O,Oが一致するように凹部32を形成すれば水平方向の位置が決まる。したがって、パレット中心Cはテーブル1の中心軸13の中心と一致することとなり、パレット20は水平方向に関し高精度でテーブル1に対して位置決めされる。
【0023】
残りの(他方の)クランプ機構31も前記クランプ機構30と同様の構成にしてもよいが、パレット20の製造を容易にするために、このクランプ機構31の凹部32を予め大きめに形成している。
即ち、このクランプ機構31では、メス側テーパブッシュ34をその半径方向に位置調節可能に、凹部32の円筒状内周面33とメス側テーパブッシュ34の円筒状外周面35との間に隙間を設けている。凹部32の製造上、凹部32の円筒状内周面33の直径をメス側テーパブッシュ34の円筒状外周面35の直径より約0.2乃至0.3mm大きく形成するのが好ましい。
【0024】
凹部32は、パレット裏面23に設けられた突出部36に形成されており、凹部32内に装着されたメス側テーパブッシュ34は、複数の締付けボルト37により突出部36に締結固定されている。
メス側テーパブッシュ34のフランジ部38と突出部36との間には厚みの微調節が可能なスペーサ39が介装されており、これにより、メス側テーパブッシュ34をパレット20に対して縦方向(例えば、上下垂直方向即ちY軸方向)に関して精密に位置決め固定している。
【0025】
オス側テーパ面27及び端面28を有するオス側テーパピン40が、複数の締付けボルト41によりテーブル1に位置決め固定されている。オス側テーパピン40の下方には円筒状突出部42が一体的に形成されており、この突出部42が、テーブル1に形成された大径シリンダ43に嵌合することにより、オス側テーパピン40は水平方向について精密に位置決めされている。
また、オス側テーパピン40のフランジ部44とテーブル1の上面46との間に、厚みの微調節が可能なスペーサ45を介装することにより垂直方向についても精密に位置決めしている。
【0026】
メス側テーパブッシュ34及びオス側テーパピン40は、メス側テーパ穴25にオス側テーパ面27が密着し、且つ平面状のメス側端面26に平面状のオス側端面28が密着して二面拘束状態になるように高精度に形成されている。
【0027】
ところで、他方のクランプ機構31のメス側テーパブッシュ34を凹部32に精密に取付ける際には、締付けボルト37を予め少し緩めてメス側テーパブッシュ34がその半径方向に移動調節できるようにしておく。
この状態で、パレット20をテーブル1にクランプさせれば、精密な一方のクランプ機構30により二面拘束されてパレット20が位置決めされ、これに従って他方のクランプ機構31のオス側テーパピン40に二面拘束されたメス側テーパブッシュ34も水平,垂直両方向に関して精密に位置決めされる。
その後、締付けボルト37を締付ければメス側テーパブッシュ34はパレット20に対して必然的に正確に位置決め固定され、パレット20は合計4組のクランプ機構30,31によりテーブル1に正確な位置をもってクランプされる。
【0028】
このようにすれば、クランプ機構31に関しては粗い精度で凹部32を形成しても精度よく寸法出しができ、パレット20の製造が容易になって加工時間が短縮化でき、またパレット20の不良率を低減させることができる。
【0029】
テーブル1には、大径シリンダ43に連通し且つこれと同心の小径シリンダ50が形成されている。Y軸方向に往復動するピストン51が小径シリンダ50及びオス側テーパピン40の内周面40aに摺動自在に嵌合している。ピストン51の下側のシリンダ室52及び上側のシリンダ室53には、それぞれ圧力油を供給してピストン51を押し上げるための流路54及びピストン51を押し下げるための流路55がそれぞれ連通している(図1参照)。
小径シリンダ50の下方には、これに連通し且つ同心で小径の有底凹部56が形成されている。有底凹部56とピストン51の凹部51aとの間にはばね(例えばコイルばね)57が介装されてピストン51を常にクランプ動作側すなわち上方に付勢している。
【0030】
オス側テーパピン40に放射状に形成された複数(例えば3個)の貫通孔65内にはそれぞれボール58が遊嵌されている。各ボール58は、オス側テーパピン40の半径方向に移動可能になっており、またメス側テーパブッシュ34に形成された環状溝59内に移動できるようになっている。ピストン51の上部には、ボール58に接触してこれを半径方向に進退移動させるためのテーパ面61が形成されている。
オス側テーパピン40の上端開口部は、ごみ等の侵入防止のためのキャップ47により密閉されており、キャップ47にはエアーブロー用の小孔48が穿設されている。
【0031】
このように本実施例では、メス側テーパブッシュ34と、テーブル1に設けられてメス側テーパブッシュ34に着脱可能に密着するオス側テーパピン40と、テーブル1に取付けられてオス側テーパピン40をメス側テーパブッシュ34に着脱可能に装着させる装着機構62と、油圧とばね力をもってこの装着機構62のピストン51をクランプ動作側に付勢し、油圧が低下しても少なくともばね力のみによりパレット20をクランプ可能なばね57を有する付勢手段とを備えている。
これにより、万一停電や故障などにより流路54から供給される圧力油の油圧が低下しても、ばね57によりパレット20を安全にクランプしてセルフロックできるとともに、油圧装置の容量を小さくすることができる。
【0032】
なお、両端面26,28の密着の有無の確認のために、オス側テーパピン40には、端面28に開放する空気流路63が形成されている。また、圧縮空気により矢印Dに示すようにエアーブローをしてオス側テーパピン40とメス側テーパブッシュ34との間の密着部のごみ等を除去するための空気流路64が、オス側テーパピン40及びテーブル1に形成されている。これにより、クランプ装置22の密着部が常に清浄な状態に保たれ、高精度でクランプされる。
【0033】
また、本実施例ではクランプ動作中にボール58がメス側テーパブッシュ34のテーパ状底面60を押圧する押圧点Sが、互いに密着する両端面26,28の近傍に位置するようになっている。また、各押圧点Sはクランプ機構30,31の中心位置から半径方向外方にかなり離れた位置にある。従って、オス側テーパピン40に対してメス側テーパブッシュ34が傾くことなく安定した姿勢で装着されることとなり、位置決め精度が向上する。
【0034】
次に、クランプ装置22の動作について説明する。
上述のようにパレット中心Cを基準にして各クランプ機構30,31が予め正確に位置決めされたパレット20が図示しないAPCによりテーブル1に運ばれ、パレット側装着部24をテーブル1のオス側テーパピン40に嵌合させる。
【0035】
次いで、油圧装置を動作させて流路54を介して圧油を下側シリンダ室52に供給すると、ピストン51は油圧とばね57のばね力により押し上げられる。すると、ピストン上部のテーパ面61に押圧されたボール58が、オス側テーパピン40の半径方向外方に押されて、環状溝59側に移動する。ボール58は、オス側テーパピン40の貫通孔65内に遊嵌されているので、貫通孔65の上部内周面66に当接した状態でメス側テーパブッシュ34のテーパ状底面60を矢印Pに示すように略下方に押圧する。これにより、メス側テーパブッシュ34はオス側テーパピン40側に強く引っ張られる。
こうしてピストン51が十分に上昇すると、ボール58の押圧力を介してメス側テーパブッシュ34とオス側テーパピン40とはテーパ面部と端面部とが二面拘束状態で強い圧力で密着してクランプ状態となる。その後、ワーク21を加工する作業工程に移行する。
【0036】
次に、アンクランプ動作の際には、流路54を開放し流路55から圧油を上側シリンダ53に供給する。すると、ピストン51はばね57のばね力に抗して下方に押し下げられるので、ボール58は開放されてピストン51側に移動し、これによりクランプ装置22はアンクランプ状態になり、パレット20はAPCによりテーブル1から離脱する。
【0037】
従って、本実施例によれば、テーパ面部と端面部との二面拘束によりパレット20をテーブル1に装着しているので、横方向(水平方向)と縦方向(上下方向)双方の繰り返し位置決め精度が高精度になる。また、テーパ面部に加えて端面部も密着するので、パレット20をテーブル1に強いクランプ力でクランプすることができる。
【0038】
このように、クランプ装置22は、テーブル1に対して各パレット20を常に正確な位置に繰り返し位置決めする機能と、ワーク21の加工作業中にパレット20に加わる反力に対してパレット20を強固にクランプする機能とを具備することとなる。よって、ワーク21を常に高精度で加工することができる。
【0039】
また、本実施例ではばね57と油圧とを併用して両方の付勢力によりクランプ動作をさせたので、万一停電や故障などで油圧が低下しても、ばね57でクランプ力を維持することができる。この時にはクランプ力は弱くなるが抜け止め力は保持しているので、パレット20がテーブル1から脱落する虞れはない。
また、ばねのみを用いた方式に比べて、ばね57が小形なので、ばねを収納するスペースが少なくてすみ安全上も問題がない。
【0040】
図4は、本発明の他の実施例を示すパレットのクランプ装置の拡大断面図である。
本実施例のクランプ装置は、クランプ動作時に圧油を用いないでばね力をもって前記装着機構のピストン73をクランプ動作側に付勢する付勢手段70を備えている。付勢手段70は、テーブル1に形成された有底凹部56aとピストン73の凹部73aとの間に装着されてピストン73を上方に押し上げてクランプ動作させるようになっており、弱いばね力の小径ばね71と、このばね71と同心で強いばね力の大径ばね72とを有している。
【0041】
このように、ばね71,72を二重に装着することにより、有底凹部56aとピストン73のサイズを小さくしている。従って、この場合にはクランプ動作用の圧油の供給が不要になり、油圧装置はアンクランプ動作時のみ使用すればよいので、油圧ポンプや油圧タンクの容量が小さくなり小型化することができる。
【0042】
また、停電や故障などで万一油圧が低下しても、ばね71,72によりピストン73を常にクランプ動作側に付勢しているので、強いクランプ力を維持してパレット20をクランプすることができる。
前記実施例と比べてばね71,72を収納するスペースは大きくなるが、本実施例では常時油圧をかけなくてすむため温度上昇が抑制され、また、停電等に対する安全上も問題がない。
【0043】
ところで、主軸に工具をクランプするクランプ装置と異なり、パレットのクランプ装置ではその動作の殆どの時間はクランプ動作が継続している。従って、クランプ動作に油圧を用いた場合には油圧装置が大型化し油圧ポンプの容量も大きくなるが、本実施例では短時間の動作であるアンクランプ動作時のみ油圧をかければよいので、油圧装置が小容量になる。なお、その他の構成は前記実施例と同様である。
【0044】
なお、ピストン51,73や付勢手段を備えた前記各実施例の構成は、二面拘束式のクランプ装置以外にも適用することができる。
ところで、前記各実施例では、油圧とばね力,又はばね力のみによりピストンをクランプ動作側に付勢したが、油圧のみによりピストンをクランプ動作側に付勢する構成のクランプ装置であってもよい。この場合には、ばね用のスペースが不要になるので、クランプ装置がコンパクトになる。
なお、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0045】
【発明の効果】
請求項1及び2にかかるパレットのクランプ装置は、上述のように構成したので、横方向と縦方向双方の繰り返し位置決め精度が高精度で且つ強固にパレットをクランプすることができる。ま、ばね力をもって装着機構のピストンをクランプ動作側に付勢する付勢手段を備えているので、停電や故障などにより万一油圧が低下しても、パレットを安全にクランプできるとともに油圧装置の容量を小さくすることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すパレットのクランプ装置の正面断面図で、図2のI−I線断面図である。
【図2】図1に示すパレットの平面図である。
【図3】図1の一部拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示すパレットのクランプ装置の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 テーブル
20 パレット
22 クランプ装置
23 パレットの裏面
24 パレット側装着部
25 メス側テーパ穴
26 端面
27 オス側テーパ面
28 端面
30,31 クランプ機構
32 凹部
33 円筒状内周面
34 メス側テーパブッシュ
35 円筒状外周面
39 スペーサ
40 オス側テーパピン
40a オス側テーパピンの内周面
51,73 ピストン
57 ばね
58 ボール
60 テーパ状底面
61 テーパ面
62 装着機構
65 貫通孔
70 付勢手段
C パレットの中心

Claims (5)

  1. 工作機械のテーブルにパレットを着脱可能にクランプするパレットのクランプ装置において、
    前記パレットの裏面に設けられメス側テーパ穴及び端面を有するメス側テーパブッシュと、
    前記テーブルに設けられ、前記メス側テーパ穴及び前記端面に着脱可能にそれぞれ同時に密着するオス側テーパ面及び端面を有するオス側テーパピンと、
    前記テーブルに取付けられて前記オス側テーパピンを前記メス側テーパブッシュに着脱可能に装着させる装着機構と、
    油圧とばね力をもってこの装着機構のピストンをクランプ動作側に付勢し、少なくともばね力のみにより前記パレットをクランプ可能なばねを有する付勢手段とを備えたことを特徴とするパレットのクランプ装置。
  2. 工作機械のテーブルにパレットを着脱可能にクランプするパレットのクランプ装置において、
    前記パレットの裏面に設けられメス側テーパ穴及び端面を有するメス側テーパブッシュと、
    前記テーブルに設けられ、前記メス側テーパ穴及び前記端面に着脱可能にそれぞれ同時に密着するオス側テーパ面及び端面を有するオス側テーパピンと、
    前記テーブルに取付けられて前記オス側テーパピンを前記メス側テーパブッシュに着脱可能に装着させる装着機構と、
    ばね力をもってこの装着機構のピストンをクランプ動作側に付勢する付勢手段とを備えたことを特徴とするパレットのクランプ装置。
  3. 前記メス側テーパブッシュ及び前記オス側テーパピンを有する一対のクランプ装置は、前記パレットの中心に対して互いに対称位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレットのクランプ装置。
  4. 前記メス側テーパブッシュを、厚みの微調節が可能なスペーサを介装して前記パレットの裏面に締結固定することにより、
    前記メス側テーパブッシュを前記パレットに対して精密に位置決め固定したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの項に記載のパレットのクランプ装置。
  5. 前記オス側テーパピンに放射状に形成された複数の貫通孔には、ボールが前記オス側テーパピンの半径方向に移動可能に遊嵌され、
    前記ピストンは前記オス側テーパピンの内周面に摺動自在に嵌合し、
    前記ピストンには、前記ボールに接触してこのボールを半径方向に進退移動させるテーパ面が形成され、
    クランプ動作中には、前記テーパ面に押圧された前記ボールが前記メス側テーパブッシュのテーパ状底面を押圧することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載のパレットのクランプ装置。
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