JP3575224B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真複写機等の画像形成装置に係り、特に、中間転写体を使用してフルカラー画像を記録材に一括転写するタイプに対して有効な画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来における中間転写型の画像形成装置にあっては、例えば静電潜像に応じたトナー像が形成される感光体と、この感光体上のトナー像が中間的に転写される中間転写ベルトと、この中間転写ベルトに対して感光体上のトナー像を転写させる一次転写装置と、中間転写ベルト上のトナー像を用紙に一括して二次転写させる二次転写装置とを備え、二次転写前の用紙の位置決めセンサ(レジストセンサ)及び排紙センサにて用紙のジャムを検知するようにしたものが知られている(例えば特開平5−323704号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の画像形成装置にあっては、レジストセンサと排紙センサとで用紙のジャムを検知しているため、レジストセンサや排紙センサ位置を用紙が通過しない時点で用紙のジャムを把握することが可能であるが、中間転写ベルトに用紙が貼り付いてしまうと、中間転写ベルトの二次転写位置の下流側に配置された中間転写ベルトクリーナに用紙が進入し、中間転写ベルトクリーナ、あるいは、中間転写ベルトを破損するという懸念が生ずるほか、中間転写ベルトクリーナに突入した用紙のジャム処理が面倒になってしまうという技術的課題が生ずる。
これは、特に中間転写型の画像形成装置にあっては、フルカラー化に伴い二次転写電圧が多く必要となり、その分、用紙が中間転写ベルトに吸着し易いことに起因するほか、近年では、ユーザーが使用する用紙の制限が解除されるに従い様々な電気抵抗値の用紙が取り扱われ、中間転写ベルトに吸着し易い用紙も多く存在してきたことにも起因する。
【0004】
尚、このような技術的課題は、上述したように中間転写型の画像形成装置において顕著であるが、感光体上のトナー像を用紙に直接転写するタイプの画像形成装置にあっても同様に生じ得るものである。
【0005】
この発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、クリーナへの記録材のジャムに伴う各種弊害を効果的に回避する画像形成装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の基本的構成は、図1(a)に示すように、各色成分画像が形成担持される像担持体1と、この像担持体1上の各色成分画像が順次重ね転写されて保持される中間転写体2と、像担持体1上の各色成分画像を中間転写体2に順次転写させる一次転写手段3と、中間転写体2上に保持された各色成分画像を記録材5に二次転写する二次転写手段4と、二次転写後にて中間転写体2上の残留物を清掃する中間転写体クリーナ6と、中間転写体2の二次転写手段4の下流側であって且つ中間転写体クリーナ6の上流側に設けられ、中間転写体2上の記録材5の有無を検知する記録材有無検知手段7とを備えたことを特徴とするものである。
特に、本発明においては、記録材有無検知手段7は、中間転写体2の表裏より中間転写体2を挟持し、中間転写体2の抵抗を検知するものが好ましい(実施の形態2参照)。
【0007】
このような技術的手段において、本願の対象となる画像形成装置の画像形成方式としては、電子写真方式、静電記録方式、インクジェット記録方式など適宜選定して差し支えなく、また、各色成分画像を形成するのに、一つの像担持体1を使用するようにしてもよいし、あるいは、複数の像担持体1を使用するようにしてもよい。
【0008】
また、記録材有無検知手段7としては、記録材5の有無を検知し得るものであれば、中間転写体2上の帯電電位が測定可能な表面電位センサ(例えばESV[Electrostatic Voltmeter])であったり、あるいは、中間転写体2の表裏より中間転写体2を挟持し、中間転写体2の抵抗を検知するもの、あるいは、中間転写体2までの距離センサを配設し、常に中間転写体2までの距離を認識しておき、記録材5が中間転写体2に貼り付いた状態の距離の差異から記録材5の有無を検知したり、あるいは、中間転写体2に対して反射型フォトセンサを配設し、中間転写体2に貼り付いた状態の記録材5先端の影を検出して、記録材5の有無を検知する等適宜選定して差し支えない。
この場合において、装置コストの上昇を効果的に抑えるという観点からすれば、記録材有無検知手段7として既存のデバイスを兼用することが好ましい。例えば中間転写体2の帯電電位を制御するために既に表面電位センサが用いられているのであれば、記録材有無検知手段7として既存の表面電位センサを兼用するようにすればよい。
また、中間転写体2が例えばシーム部を有するベルトであるような場合には、シーム部の電位、電気抵抗値、距離等を認識しておき、記録材5が中間転写体2に貼り付いた状態と区別(分離)するように閾値を設けることが好ましい。
【0009】
更に、中間転写体2上に記録材5が貼り付いた状況下においては、記録材有無検知手段7にて記録材5有りが検知された条件下で、記録材5が中間転写体クリーナ6に突入するのを阻止するクリーナ突入阻止手段8を設けることが好ましい。
ここで、クリーナ突入阻止手段8としては、中間転写体クリーナ6前に配置されている記録材5を中間転写体2から剥離する記録材剥離手段であってもよいし、あるいは、記録材有無検知手段7からの記録材5有りの検知信号に連動し、中間転写体2を緊急停止させるものであってもよいし、あるいは、記録材有無検知手段7からの記録材5有りの検知信号に連動し、中間転写体クリーナ6を一時的に中間転写体2から退避させたり、あるいは、これらを適宜組み合わせる態様等が挙げられる。
【0010】
更に、本発明を中間転写体2を用いない態様に適用する場合には、図1(b)に示すように、各色成分画像が形成担持される一若しくは複数の像担持体1と、この像担持体1上の各色成分画像を記録材5に一括転写させる一括転写手段9と、一括転写後にて像担持体1上の残留物を清掃する像担持体クリーナ10と、像担持体1の一括転写手段9の下流側であって且つ像担持体クリーナ10の上流側に設けられ、像担持体1上の記録材5の有無を検知する記録材有無検知手段7とを具備させるようにすればよい。
この態様によれば、転写後に像担持体への記録材の貼り付きを検知するようにすれば、この検知情報に基づいて、像担持体に記録材が貼り付いたまま下流側に配設された像担持体クリーナに突入する事態の有無を事前に判別することができる。
また、この態様においても、記録材有無検知手段7にて記録材5有りが検知された条件下で、記録材5が像担持体クリーナ10に突入するのを阻止するクリーナ突入阻止手段8を設けることが好ましい。
この場合、転写後の像担持体への記録材の貼り付きを検知し、この検知情報に基づいて、クリーナ突入阻止手段を作動させるようにすれば、像担持体に記録材が貼り付いたまま像担持体クリーナに記録材が突入する事態を回避することが可能になり、像担持体クリーナの破損、あるいは、像担持体の破損を有効に回避でき、しかも、記録材のジャム処理を容易に行うことができ、もって、装置の信頼性をより改善することができる。
【0011】
次に、上述した技術的手段の作用について説明する。
図1(a)において、二次転写後に、記録材5が中間転写体2に貼り付いたと仮定すると、記録材有無検知手段7が記録材5有りと検知し、記録材5が中間転写体2に貼り付いた状態にあることが確実に把握される。
このとき、クリーナ突入阻止手段8を設けていれば、当該クリーナ突入阻止手段8が中間転写体クリーナ6への記録材5の突入を阻止する。
尚、図1(b)の態様にあっても、転写後に、記録材5が像担持体1に貼り付いたと仮定すると、記録材有無検知手段7が記録材5有りと検知し、クリーナ突入阻止手段8を設けていれば、当該クリーナ突入阻止手段8が像担持体クリーナ10への記録材5の突入を阻止する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。尚、実施の形態1,3,4は本発明が適用された実施の形態2に関連する参考の形態を夫々示す。
◎実施の形態1
図2は本発明を適用したカラー画像形成装置(より具体的にはカラー電子写真複写機)の概略構成を示す。
同図において、符号11は感光体ドラム(潜像担持体)であり、矢線A方向への回転に伴いその表面には帯電装置12及び図示外の露光装置(図中露光ビームを符号13で示す)などの周知の電子写真プロセスによって画情報に応じた静電潜像が形成される。
また、この感光体ドラム11の周囲にはブラック(Bk)、イエロ(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色に対応した現像器14〜17が配設されており、感光体ドラム11に形成された静電潜像を現像器14〜17のいずれかで現像してトナー像Tを形成するようになっている。
従って、感光体ドラム11に書き込まれた静電潜像がイエロの画情報に対応したものであれば、この静電潜像はイエロ(Y)のトナーを内包する現像器15で現像され、感光体ドラム11上にはイエロのトナー像Tが形成される。
【0013】
また、符号20は感光体ドラム11の表面に当接されるように配置された中間転写ベルトであり、複数(本実施の形態では4つ)のロール21〜24に張架されて矢線B方向へ回動するようになっている。
ここで、本実施の形態では、符号21は中間転写ベルト20の駆動ロール、22は従動ロール、23は中間転写ベルト20の張力を一定に制御するようにしたテンションロール、24は二次転写用の対向ロール(バックアップロール)である。
そしてまた、本実施の形態では、上記中間転写ベルト20は、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂又は各種ゴムにカーボンブラック等を適当量含有させて体積抵抗率が106〜1015Ω・cmとなるように形成され、その厚みは例えば0.1mmに設定される。
【0014】
上記感光体ドラム11に形成されたトナー像Tは、感光体ドラム11と上記中間転写ベルト20とが接する一次転写位置で感光体ドラム11から中間転写ベルト20の表面に転写される。この一次転写位置において、中間転写ベルト20の裏面側には転写用コロナ放電器18が配設されており、この転写用コロナ放電器18にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム11上のトナー像Tは中間転写ベルト20に静電吸引される。
単色画像を形成する場合には、中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tを直ちに用紙30に二次転写するのであるが、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上でのトナー像の形成並びにこのトナー像Tの一次転写の工程が色数分だけ繰り返される。例えば4色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上にはその一回転毎にブラック、イエロ、マゼンタ及びシアンのトナー像Tが形成され、これらトナー像Tは順次中間転写ベルト20に一次転写される。一方、中間転写ベルト20は最初に一次転写されたブラックのトナー像Tを保持したまま感光体ドラム11と同一周期で回動し、中間転写ベルト20上にはその一回転毎にイエロ、マゼンタ及びシアンのトナー像Tが転写される。
尚、符号19は感光体ドラム11上の残留トナーを除去するためのドラムクリーナである。
【0015】
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tは、中間転写ベルト20の回動に伴って用紙30の搬送経路に面した二次転写位置へと搬送される。
上記二次転写位置には二次転写装置40が配設されており、本実施の形態では、図2及び図3に示すように、中間転写ベルト20のトナー像担持面側に圧接配置される転写ロール25と、中間転写ベルト20の裏面側に配置されて転写ロール25の対向電極をなす対向ロール(バックアップロール)24とを備えている。
そして、本実施の形態では、転写ロール25が接地されており、また、バックアップロール24にはトナーの帯電極性と同極性のバイアス27が給電ロール26を介して安定的に印加されている。
尚、転写ロール25には例えばウレタンゴムからなるクリーニングブレード28が付設されている。
【0016】
本実施の形態において、上記バックアップロール24は、金属芯材の外周に内側に発泡弾性体層と外側の導電層を被覆してなる2層構成のEPDMを用いた。外側の導電層はカーボンブラックを15〜35重量%分散した半導電性のEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)発泡ゴムで、表面層の厚みは0.5〜1.5mmに構成されている。表面抵抗率は107〜1010Ω/□の抵抗領域に制御される。
また、転写ロール25は芯金とこの芯金の周囲に固着されたカーボンブラック分散発泡EPDM材料からなるコア層にスキン層を介して5〜20μmの厚みのカーボンブラック分散のフッ素樹脂系材料でコーティングし、芯金とコーティング層との体積抵抗率が104Ωcmないし106Ωcmであり、ロール硬度はアスカC硬度で20゜から45゜である。
【0017】
このような二次転写位置では、以下のような動作が行われる。
給紙カセット50内の用紙30は、所定のタイミングでフィードロール51にて搬出され、搬送ロール52を経て二次転写装置40へと順次供給される。
このとき、バックアップロール24に対して転写ロール25が用紙30をニップすると、転写ロール25とバックアップロール24との間に形成される転写電界の作用で、中間転写ベルト20に担持されたトナー像Tが二次転写位置において用紙30に静電転写される。
このとき、転写ロール25が中間転写ベルト20に対して従動回転することで、クリーニングブレード28により転写ロール25に付着した汚れは転写ロール25の全周に亘って除去されるため、用紙30の裏面汚れは有効に回避されている。
【0018】
そして、トナー像Tが転写された用紙30は中間転写ベルト20から剥がれ、剥離された用紙30は搬送ベルト53によって定着器54に送り込まれてトナー像の定着処理がなされる。
一方、中間転写ベルト20の二次転写装置40の下流側には、図2に示すように、ベルトクリーナ41が設けられており、トナー像の二次転写が終了した中間転写ベルト20上の残留トナーを除去するようになっている。
尚、上記転写ロール25及びベルトクリーナ41は中間転写ベルト20と接離自在に配設されており、カラー画像が形成される場合には最終色前のトナー像が転写ロール25、ベルトクリーナ41を通過するまで、これら部材は中間転写ベルト20から離間している。また、符号42は中間転写ベルト20のホームポジションを検知して、各色成分トナー像の色重ねタイミングを制御するためのベルト位置センサである。
【0019】
特に、本実施の形態では、中間転写ベルト20の二次転写装置40の下流側で且つベルトクリーナ41の上流側には、図3に示すようなジャム制御系(ベルトクリーナ41への用紙30のジャムを阻止する制御系に相当)100が設けられている。
本実施の形態に係るジャム制御系100としては、先ず、中間転写ベルト20の表面電位を検知する表面電位センサ101が中間転写ベルト20の表面(トナー像担持面)側に対向配置されている。
ここで、表面電位センサ101としては例えばESV(Electrostatic Voltmeter)が用いられており、本実施の形態では、通常、中間転写ベルト20表面の電位をモニターし、例えば現像条件や転写条件を制御する目的で既に使用されているが、更に、二次転写後に中間転写ベルト20に用紙30が貼り付いたか否かを検知する用紙有無センサとしても使用される。
【0020】
そして、中間転写ベルト20の表面電位センサ101の下流側には剥離フィンガ102が中間転写ベルト20の表面に対して接離自在に設けられており、アクチュエータ103にて接触位置(剥離位置)と退避位置との間を進退移動するようになっている。
本実施の形態では、表面電位センサ101の出力は制御装置104に入力されており、制御装置104は、表面電位センサ101の出力に応じて現像条件や転写条件(本例ではバイアス27)を制御するほか、図5に示すジャム阻止処理を必要に応じて実行するようになっている。
【0021】
より具体的に述べると、制御装置104には、表面電位センサ101からの出力により中間転写ベルト20の表面電位が常時モニターされるため、この電位モニターによる変化に基づいて現像条件や転写条件が制御される。
このような通常状態に対し、仮に、図4に示すように、二次転写後の用紙30が中間転写ベルト20に付着(貼り付く)したとすれば、電位モニターが大きく変動し、表面電位センサ(用紙有無センサとして機能)101の出力が“用紙有”レベルに変化する。
制御装置104は、この変動を捉えて、中間転写ベルト20に用紙30が付着したと認識し、剥離フィンガ102を剥離位置(図4の実線位置)にセットした後、マシンを停止する。
このとき、中間転写ベルト20に付着した用紙30は剥離フィンガ102により強制的に剥離されるため、中間転写ベルト20に付着した用紙30がベルトクリーナ41に突入して用紙30がジャムするという事態は有効に回避される。
【0022】
◎実施の形態2
本実施の形態は実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なるジャム制御系100を備えている。
本実施の形態で用いられるジャム制御系100は、例えば図6に示すように、中間転写ベルト20の表裏を挟持する電極ロール対105を配設し、この電極ロール対105を抵抗検出回路106に接続することで、中間転写ベルト20の電気抵抗値を検出し、この電気抵抗値に基づいて、現像条件や転写条件(本例ではバイアス27)を制御するほか、ジャム阻止処理を必要に応じて実行するようになっている。
本実施の形態において、ジャム阻止処理としては、仮に、中間転写ベルト20に用紙30が付着していると、電気抵抗値の測定結果が大きく変動し、この変動を捉えて、中間転写ベルト20に用紙30が付着している状態を認識し、中間転写ベルト20に付着した用紙30を剥離すべき剥離フィンガ102を作動させるという手法が採用されている。
従って、本実施の形態にあっても、実施の形態1と略同様な作用を奏する。
【0023】
◎実施の形態3
図7は実施の形態3に係るカラー画像形成装置の概要を示す。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なるジャム制御系100を備えている。尚、実施の形態1と略同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
このジャム制御系100は、中間転写ベルト20の二次転写装置40の下流側に表面電位センサ101を配設し、例えば図8に示すように、二次転写後に、表面電位センサ(用紙有無センサとして機能)101の出力が“用紙有”レベルに変化するという条件下で、この変動を捉えて、中間転写ベルト20に用紙30が付着したと認識し、直ちにマシンを停止するものである。
本実施の形態においては、マシン停止時における中間転写ベルト20の空走距離を考慮し、中間転写ベルト20に付着した用紙30がベルトクリーナ41に突入してジャムする事態を回避することが必要である。
ここで、ベルトクリーナ41での用紙30のジャムを確実に回避するには、表面電位センサ(用紙有無センサとして機能)101の出力が“用紙有”レベルに変化するという条件下で、ベルトクリーナ41を退避位置に一旦退避させた後に、マシンを停止することが好ましい。
尚、本実施の形態において、用紙有無センサとして、表面電位センサ以外のものを用いてよいことは勿論である。
【0024】
◎実施の形態4
図9は実施の形態4に係るカラー画像形成装置を示す。
本実施の形態に係るカラー画像形成装置は、実施の形態1〜3の中間転写方式と異なり、感光体上に必要色の数だけトナー像を互いに積層させた状態で形成し、この感光体上に形成された必要色数のトナー像を用紙上に一括転写するタイプに本発明を適用した例である。
【0025】
同図において、符号81は絶縁性の表面コート層を有する有機感光体の感光体ベルト、82は例えばスコロトロンからなる帯電器で、コロナ放電ワイヤには直流電源が接続されている。また、83はレーザ走査装置等の露光装置から感光体ベルト81に照射される露光ビーム、84〜87は各々イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)のトナーが別々に入っている現像器、88は感光体ベルト81上のトナー像を用紙30に転写するための転写装置、89は転写工程後に感光体ベルト81上に残留したトナーを除去するベルトクリーナである。
【0026】
尚、本実施の形態において、感光体ベルト81は4つのロール91〜94に張架されて矢印B方向へ回動するようになっている。
ここで、91は感光体ベルト81の駆動ロール、92は従動ロール、93は感光体ベルト81の張力を一定に制御するようにしたテンションロール、94は転写装置88の一要素を構成する対向ロール(バックアップロール)である。
【0027】
また、本実施の形態において、転写装置88は、実施の形態1〜3と略同様に、感光体ベルト81のトナー像担持面側に圧接配置される転写ロール95と、感光体ベルト81の裏面側に配置されて前記転写ロール95の対向電極をなす対向ロール(バックアップロール)94とを備えている。
そして、本実施の形態では、転写ロール95が接地され、バックアップロール94には図示外のバイアス電源が接続される。
尚、転写ロール95には例えばウレタンゴムからなるクリーニングブレード98が付設されている。
【0028】
更に、本実施の形態では、感光体ベルト81の転写装置88の下流側で且つベルトクリーナ89の上流側には実施の形態1と同様なジャム制御系(表面電位センサ101、剥離フィンガ102)が設けられている。
【0029】
次に、本実施の形態に係るカラー画像形成装置の画像形成プロセスについて説明する。
先ず、第1サイクルとして感光体ベルト81を帯電器82のグリッドに直流バイアスをかけて一様に帯電する。その後、図示外の露光装置により第1回目の像露光を施して画像潜像を形成する。そして、イエロの現像器84に現像バイアスを印加し、感光体ベルト81上に付着させる。
引き続き第2サイクルに入り、感光体ベルト81を帯電器82で一様に帯電する。その後、露光装置により第2回目の像露光を施して画像潜像を形成し、マゼンタの現像器85に現像バイアスを印加し、マゼンタトナーを感光体ベルト81上に付着させる。以上の工程を繰り返し、シアン、ブラックの像を形成する。
【0030】
その後、転写装置88を用いて感光体ベルト81に付着しているトナーを用紙30に一括転写する。
特に、本画像形成プロセスにあっては、感光体ベルト81が複数回転し、この感光体ベルト81上に複数の色トナー像が重ね形成されることから、感光体ベルト81上に最終色前のトナー像が形成され、当該トナー像が転写装置88、ベルトクリーナ89を通過するまでは転写ロール95、ベルトクリーナ89は感光体ベルト81から離間配置されており、転写動作が行われる直前に、転写ロール95が感光体ベルト81に当接配置され、給紙カセット50からの用紙30が感光体ベルト81の転写位置に所定のタイミングで送り込まれたときに転写動作が行われ、転写後の感光体ベルト81上の残留トナーはタイミングを合わせて当接させたベルトクリーナ89によって清掃される。
【0031】
また、本実施の形態において、仮に、一括転写後の用紙30が感光体ベルト81に付着(貼り付く)したとすれば、表面電位センサ(用紙有無センサとして機能)101の出力が“用紙有”レベルに変化する。
図示外の制御装置は、この変動を捉えて、感光体ベルト81に用紙30が付着したと認識し、剥離フィンガ102を剥離位置(図中実線位置)にセットした後、マシンを停止する。
このとき、感光体ベルト81に付着した用紙30は剥離フィンガ102により強制的に剥離されるため、感光体ベルト81に付着した用紙30がベルトクリーナ89に突入して用紙30がジャムするという事態は有効に回避される。
【0032】
また、図9のカラー画像形成装置を単色の画像形成装置に適用した例を図10に示す。
同図において、単色の画像形成装置は、例えばブラックの現像器87を一つ設けると共に、転写装置88の転写ロール95やベルトクリーナ89を接離自在に設けることなく、感光体ベルト81に常時接触配置して差し支えないほかは、カラー画像形成装置と略同様に構成されるものである。
尚、本例は、図9に比べて、帯電器82の具体的なデバイスや、感光体ベルト81の駆動系の一部や、転写装置88のクリーニングブレード98の設置個所等が若干変更されているが、図9と機能的に同様な構成要素については図9と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
この単色の画像形成装置の態様にあっては、感光体ベルト81上にトナー像を形成すると、転写装置88にて前記トナー像を用紙30に直ちに転写する。
この態様にあっても、転写装置は実施の形態4と略同様な作用を奏する。
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、記録材有無検知手段にて二次転写後の中間転写体への記録材の貼り付きを検知するようにしたので、この検知情報に基づいて、中間転写体に記録材が貼り付いたまま下流側に配設された中間転写体クリーナに突入する事態の有無を事前に判別することができる。
特に、本発明において、記録材有無検知手段が、中間転写体の表裏より中間転写体を挟持し、中間転写体の抵抗を検知するものであるため、中間転写体の抵抗変動に基づいて、記録材の貼り付きを正確に把握することができる。
【0034】
更に、本発明において、記録材有無検知手段にて二次転写後の中間転写体への記録材の貼り付きを検知し、この検知情報に基づいて、クリーナ突入阻止手段を作動させるようにすれば、中間転写体に記録材が貼り付いたまま中間転写体クリーナに記録材が突入する事態を回避することが可能になり、中間転写体クリーナの破損、あるいは、中間転写体の破損を有効に回避でき、しかも、記録材のジャム処理を容易に行うことができ、もって、装置の信頼性をより改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図3】実施の形態1で用いられるジャム制御系を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられるジャム制御系の動作例を示す説明図である。
【図5】図3に示すジャム制御系の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係る画像形成装置のジャム制御系を示す説明図である。
【図7】実施の形態3に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図8】実施の形態3で用いられるジャム制御系の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態4に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図10】実施の形態4を単色の画像形成装置に適用した際の変形形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…像担持体,2…中間転写体,3…一次転写手段,4…二次転写手段,5…記録材,6…中間転写体クリーナ,7…記録材有無検知手段,8…クリーナ突入阻止手段,9…一括転写手段,10…像担持体クリーナ,11…感光体ドラム,20…中間転写ベルト,18…コロナ放電器,30…用紙,40…二次転写装置,41…ベルトクリーナ,88…転写装置,89…ベルトクリーナ,101…表面電位センサ,102…剥離フィンガ,104…制御装置
Claims (5)
- 各色成分画像が形成担持される像担持体(1)と、
この像担持体(1)上の各色成分画像が順次重ね転写されて保持される中間転写体(2)と、
像担持体(1)上の各色成分画像を中間転写体(2)に順次転写させる一次転写手段(3)と、
中間転写体(2)上に保持された各色成分画像を記録材(5)に二次転写する二次転写手段(4)と、
二次転写後にて中間転写体(2)上の残留物を清掃する中間転写体クリーナ(6)と、
中間転写体(2)の二次転写手段(4)の下流側であって且つ中間転写体クリーナ(6)の上流側に設けられ、中間転写体(2)上の記録材(5)の有無を検知する記録材有無検知手段(7)とを備え、
記録材有無検知手段(7)は、中間転写体(2)の表裏より中間転写体(2)を挟持し、中間転写体(2)の抵抗を検知するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
記録材有無検知手段(7)にて記録材(5)有りが検知された条件下で、記録材(5)が中間転写体クリーナ(6)に突入するのを阻止するクリーナ突入阻止手段(8)を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
クリーナ突入阻止手段(8)は中間転写体クリーナ(6)前に配置されている記録材(5)を中間転写体(2)から剥離する記録材剥離手段であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
クリーナ突入阻止手段(8)は記録材有無検知手段(7)からの記録材(5)有りの検知信号に連動し、中間転写体(2)を緊急停止させるものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
クリーナ突入阻止手段(8)は記録材有無検知手段(7)からの記録材(5)有りの検知信号に連動し、中間転写体クリーナ(6)を一時的に中間転写体(2)から退避させたことを特徴とする画像形成装置。
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