JP3574748B2 - インテークマニホールドガスケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのインテークマニホールドとシリンダヘッドの取付部との間に装着されその両部材の密封と防振を図るインテークマニホールドガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンのインテークマニホールドとシリンダヘッドの取付部との間に装着されるインテークマニホールドガスケットとしては、前記インテークマニホールドの軽量化のために合成樹脂化が進んだことや、騒音低減などによって柔軟度の多いソフトガスケットが用いられるようになっており、このようなガスケット構造に合わせてその取付構造もさまざまな構造が開発され実施されるに至っている。
その実例を挙げると、図4に示すようにガスケットの開口部(2)の付近一帯を弾性が得易いように肉厚に造形して振動とか共鳴に備えており、これに取付手段と形状維持性を付与するのにインサート補強材(7)を凹凸のある複雑な形状に造形して内部へ配設している。
このインサート補強材(7)は、図5に示すような開口部(2)を連設したインテークマニホールドガスケットに対して、図4に示すように弾性シール材(a)の中程に埋設され、取付け孔部(4)の付近を隆起せしめてその一部を表面に露出せしめた屈曲形状が多く実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のようなインテークマニホールドガスケットにあっては、取付け孔部(4)以外の弾性シール材(a)がインサート補強材(7)の少ない屈曲限界によってその質量を大きく制限されており、従って充分な圧縮変形をもたらさず、どうしても弾性シール材(a)の内部応力が過大なものとなるのでシール寿命を短いものとし、また共振動とか共鳴を引き起こしてしまう虞も拭い去れない。
本発明はこのような欠点に鑑みて開発されたものであって、強固に固定され、有効な防振作用ををなさしめ、シール寿命の長いインテークマニホールドガスケットを提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】
本発明を図面を基に説明すると、図1及び図2に示すように、エンジンの吸気機関であるインテークマニホールドと燃焼室が設けられたシリンダヘッドの取付部との間に装着されるインテークマニホールドガスケットであって、前記インテークマニホールドガスケットは合成ゴムあるいは合成樹脂等の弾性シール材(a)とこれを補強する金属あるいは硬質合成樹脂等のインサート材(1及び3)からなっており、前記インテークマニホールドガスケットの片面側へほぼ全面に亘って配設される第1インサート(1)と、開口部(2)へ部分的に埋設される第2インサート(3)を具備し、前記第1インサート(1)の取付け孔部(4)へ該ガスケットの他方の側の表面に達するカラー(5)を埋め込み一体化せしめたことを特徴としている。
また、図2に示すように前記インテークマニホールドガスケットにおける開口部(2)の周辺に凹凸環(6)を形成せしめ、開口部(2)に対し該凹凸環(6)と軸方向に同位置の前記第1インサート(1)の開口周縁部(11)を立ち上げ形成せしめたことも特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記したように、インテークマニホールドの密封と振動と共鳴を防止するために装着されるインテークマニホールドガスケットであって、前記インテークマニホールドガスケットは合成ゴム等の弾性体でなる弾性シール材(a)と、これと一体的に設けられる複数のインサート材(1及び3)からなり、その第1インサート(1)の取付け孔部(4)へ該ガスケットの他方の側の表面に達するカラー(5)を埋め込み形成せしめている。
これを装着すると、図3に示すように前記インテークマニホールドガスケットの弾性シール材(a)は取り付ける取付部材(8)の密着表面側に大部分が位置し、第1インサート(1)がその裏面にあって該弾性シール材(1)を押え圧着する配置にある。このとき、第2インサート(3)は開口部(2)周辺の前記第1インサート(1)の裏面へ部分的へ埋設されており、他方の取付部材(8´)へ取り付けられる配置となっている。
そして前記第1インサート(1)は取付け孔部(4)へ強固に埋め込まれたカラー(5)によって弾性シール材(a)の裏面から取付部材(8)へ確実に取付固定され、ここで完全な弾性的結合がなされている。
【0006】
このような弾性シール材(a)をガスケット裏面の全面から第1インサート(1)で圧縮する取付構造により、弾性シール材(a)は均一な面圧を保ち、かつカラー(5)によって適当な締め圧を得ているので長期間良好な密封性能を発揮するものとなる。
【0007】
【実施例】
本発明を実施するに、弾性シール材(a)に用いる弾性体は、弾性変形量に優れる合成ゴム材が好ましいものとなり、価格的及び成形性に優れるニトリルゴムが適当であると思われるが、他には耐熱性、耐油性に優れるアクリルゴム、さらにはシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、あるいはフッ素ゴムなどを用いることも可能である。
次に、複数のインサート材(1、3)及びカラー(5)としては、造形的、価格的に優位な鉄材が一般的であり、他にステンレススチール、あるいはアルミニウムまたは銅とか黄銅など用いても差し支えない。
また、硬質な合成樹脂材としては熱硬化性樹脂を用いるのが価格的にも性能的にも一般的であり、例えばフェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等のいずれかを採用することができその選択は自由である。
【0008】
本発明は弾性シール材(a)を裏面からインサート材(1、3)で補強し、カラー(5)によって取付強度と締付け寸法を規制したもので、該インサート材(1、3)とカラー(5)の取り付けにおいて取付け孔部(4)へ埋め込み一体化せしめており、ここでの強大な取付強度が狙いとする作用効果を有効に発揮させるために重要な構成となっている。
【0009】
また、前記インテークマニホールドガスケットの開口部(2)においては、その周辺に突出及び陥没する凹凸環(6)を形成せしめ、該周縁部の面圧を局部的に高めてシール性を向上せしめることが可能であり、この作用をより強く求めるなら図2に示すようにこの凹凸環(6)と同位置にある前記第1インサート(1)の開口周縁部(11)を立ち上げ形成せしめると圧縮変形量が該開口周縁部(11)だけ規制されるのでその近辺は高い局部面圧を得ることができる。
【0010】
また、取付部材(8、8´)への取付作業性と確実な固定をなさしめるために前記カラー(5)の内周面へ図2で示すような捻子(51)を形成せしめることができ、この製作では予め捻子(51)を刻んだナット状のカラー(5)を埋め込むことで簡単に造形せしめることができる。
【0011】
【発明の効果】
上記のような構成によって、以下に示す優れた効果が得られる。
本発明のインテークマニホールドガスケットは、弾性シール材(a)をガスケット裏面の全面からカラー(5)で締付け寸法を規制して第1インサート(1)で圧縮する取付構造により、弾性シール材(a)は均一な面圧を保ち、かつ最適な締め圧を得ており、長期間変わることのない良好な密封性能と振動防止作用を約束する。
また、第1インサート(1)の開口周縁部(11)を立ち上げ形成せしめることにより、開口部周辺の面圧を局部的に高めることができシール性をさらに向上せしめる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の別の実施例を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の装着状態を示す断面図である。
【図4】図5で示す従来の構造のA−A´断面図である。
【図5】従来構造の平面図である。
【符号の説明】
a 弾性シール材
1 第1インサート
11 開口周縁部
2 開口部
3 第2インサート
4 取付け孔部
5 カラー
6 凹凸環
7 インサート補強材
8 取付部材
Claims (3)
- エンジンのインテークマニホールドとシリンダヘッドの取付部との間に装着されるインテークマニホールドガスケットにおいて、
前記インテークマニホールドガスケットは弾性シール材とこれを補強するインサート材からなっており、
前記インテークマニホールドガスケットの片面側へほぼ全面に亘って配設される第1インサートと、
開口部へ部分的に埋設される第2インサートを具備し、
前記第1インサートの取付け孔部へ該ガスケットの他方の側表面に達するカラーを埋め込み一体化せしめたことを特徴としたインテークマニホールドガスケット。 - 前記インテークマニホールドガスケットにおける開口部の周辺に凹凸環を形成せしめ、
この凹凸環と同位置の前記第1インサートの開口周縁部を立ち上げ形成せしめたことを特徴とした請求項1のインテークマニホールドガスケット。 - 前記カラーの内周面へ捻子を形成せしめたことを特徴とした請求項1ないし2のインテークマニホールドガスケット。
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