JP3574623B2 - 直並列型a/d変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換装置に関するものであり、特にそのA/D変換処理を複数段に分けて行う直並列型A/D変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13は従来の直並列型A/D変換装置の全体構成を示す回路図である。図13に示す直並列型A/D変換装置は、上位2ビット下位2ビット(後述する補正ビットを含めると下位3ビット)の4ビットA/D変換装置である。
【0003】
図13において、1はサンプルホールドされたA/D変換対象の入力アナログ信号の電圧VINが印加される入力端子、2は高レベル基準電圧VRTが印加される端子、3は低レベル基準電圧VRBが印加される端子、4はA/D変換の結果得られた4ビットのディジタル信号D0 〜D3 の出力端子である。
【0004】
また、51は直列に接続された抵抗値の等しい8(=23 )個の抵抗RU1〜RU8からなる上位抵抗列、52は4(=22 )個の差動変換器DEA1 〜DEA4 からなる差動変換器列、53は4(=22 )個のスイッチSW1 〜SW4 からなるスイッチ回路、54は3(=22 −1)個のコンパレータCMU1〜CMU3からなる上位コンパレータ列、55は上位エンコーダであり、これらによって上位ビット変換部が構成されている。56は直列に接続された抵抗値の等しい8(=23 )個の抵抗RL1〜RL8からなる下位抵抗列、57は7(=23 −1)個のコンパレータCML1〜CL7からなる下位コンパレータ列、58は下位エンコーダであり、これらによって下位ビット変換部が構成されている。また、59は上位ビットデータを補正する補正回路、60は下位・上位バッファである。
【0005】
入力端子1は、差動変換器列52を構成する各差動変換器DEA1 〜DEA4 の−側入力端子、上位コンパレータ列54を構成する各コンパレータCMU1〜CMU3の+側入力端子、及び下位コンパレータ列57を構成する各コンパレータCML1〜CML7の+側入力端子に接続されている。
【0006】
上位抵抗列51は、各抵抗間に7(=23 −1)個の分割点を持ち、端子2に印加された高レベル基準電圧VRTと端子3に印加された低レベル基準電圧VRBとの間の電圧を分割する。上位抵抗列51の分割点のうち、奇数番目の分割点は各差動変換器DEA1 〜DEA4 の+側入力端子に接続され、偶数番目の分割点は各コンパレータCMU1〜CMU3の−側入力端子に接続されている。
【0007】
スイッチ回路53は、上位コンパレータ列54の出力信号に従って隣り合う3個の差動変換器DEAN ,DEAN+1 ,DEAN+2 を選択し、差動変換器DEAN+2 ,DEAN+1 ,DEAN の出力電圧をそれぞれ、下位ビット変換のための高レベル基準電圧SUBH 、中央値基準電圧SUBM 、低レベル基準電圧SUBL として下位抵抗列56に出力する。
【0008】
下位抵抗列56は、各抵抗間に7(=23 −1)個の分割点を持ち、スイッチ回路53から出力された高レベル基準電圧SUBH と低レベル基準電圧SUBL との間の電圧を分割する。下位抵抗列56の各分割点は、下位コンパレータ列57を構成する各コンパレータCML1〜CML7の−側入力端子に接続されている。
【0009】
上位エンコーダ55は、上位コンパレータ列54の出力信号を上位ビットデータに変換する。また、下位エンコーダ58は、下位コンパレータ列57の出力信号を下位ビットデータに変換する。補正回路59は、上位エンコーダ55から出力された上位ビットデータを下位エンコーダ58から出力された下位ビットデータを用いて補正する。
【0010】
下位・上位バッファ60は、下位エンコーダ58から出力された下位ビットデータ及び補正回路59によって補正された上位ビットデータを合わせて4ビットデータD0 〜D3 とし、出力端子4に出力する。
【0011】
なお、上位コンパレータ列54を構成するコンパレータCMU1〜CMU3はクロック信号CKUに従って動作する一方、下位コンパレータ列57を構成するコンパレータCML1〜CML7はクロック信号CKLに従って動作する。また、下位・上位バッファ60はクロック信号CLKの立ち上がりに従って動作する。
【0012】
図13に示す従来の直並列型A/D変換装置の動作について説明する。
【0013】
まず、上位ビット変換部の動作について説明する。いま、入力信号の電圧VINが、コンパレータCMU1の−側入力端子に接続された分割点(抵抗RU2とRU3との間の分割点)の電圧とコンパレータCMU2の−側入力端子に接続された分割点(抵抗RU4とRU5との間の分割点)の電圧の間にあるものとする。
【0014】
このとき、コンパレータCMU1の出力信号は“H”レベルになると共にコンパレータCMU2,CMU3の出力信号は“L”レベルになり、この上位コンパレータ列54の出力信号は、上位エンコーダ55によって上位ビットデータに変換される。
【0015】
一方、スイッチ回路53は、上位コンパレータ列54の出力信号に従って、差動変換器DEA1 ,DEA2 ,DEA3 の出力電圧が各々下位ビット変換の基準電圧SUBL ,SUBM ,SUBH として出力されるように、スイッチSW1 〜SW4 を制御する。これにより、下位抵抗列56には、差動変換器DEA3 の出力電圧が高レベル基準電圧SUBH として印加され、差動変換器DEA2 の出力電圧が中央値基準電圧SUBM として中央の分割点(抵抗RL4とRL5との間の分割点)に印加され、差動変換器DEA1 の出力電圧が低レベル基準電圧SUBL として印加される。
【0016】
次に、下位ビット変換部の動作について説明する。下位抵抗列56は、高レベル基準電圧SUBH と中央値基準電圧SUBM との間を22 個の抵抗で分割し、中央値基準電圧SUBM と低レベル基準電圧SUBL との間を22 個の抵抗で分割する。すなわち、高レベル基準電圧SUBH と低レベル基準電圧SUBL との間を23 個の抵抗で分割する。下位コンパレータ列57を構成する各コンパレータCML1〜CML7は、下位抵抗列56の各分割点電圧と入力信号の電圧VINとを比較し、比較結果を表す信号を出力する。下位エンコーダ58は、下位コンパレータ列57の出力信号を下位ビットデータに変換する。
【0017】
図14は従来の他の直並列型A/D変換装置の構成を示す回路図である。図14に示す直並列型A/D変換装置は、大別して上位ビット変換部、下位ビット変換部、出力部の3つの部分から構成される。図14において、151はアナログ信号入力端子、152は上位ビット側高レベル基準電圧端子、153は上位ビット側低レベル基準電圧端子、154はサンプルホールド回路、155は上位ビット側タップ抵抗、156は上位ビット側比較器、157はアナログスイッチ、158は上位ビット符号化回路、159は下位ビット側高レベル基準電圧端子、160は下位ビット側低レベル基準電圧端子、161は下位ビット側タップ抵抗、162は下位ビット側比較器、163は下位ビット符号化回路、164は出力バッファ回路、165はディジタル信号出力端子、171は第1の減算アンプ回路、172は第2の減算アンプ回路である(特開平5−110437号公報参照)。
【0018】
図14に示す従来の直並列型A/D変換装置の動作について説明する。
【0019】
アナログ信号入力端子151に入力されたアナログ信号はサンプルホールド回路154によってサンプリングされて、上位ビットA/D変換期間から下位ビットA/D変換期間までにわたって一定電圧に保持される。上位ビット側比較器156は、上位ビット側高レベル基準電圧端子152と上位ビット側低レベル基準電圧端子153との間の電圧を上位ビット側タップ抵抗155により抵抗分割して得られた各基準電圧信号と、サンプルホールド回路154によって保持されたアナログ信号の電圧とを比較し、このアナログ信号の電圧が属する基準電圧範囲を求める。この結果に従って、アナログ信号は上位ビット符号化回路158によって上位ビットのディジタル値に符号化される。
【0020】
さらに細分化したディジタル値を得るために、上位ビット変換部は、アナログ信号の電圧が属する基準電圧範囲の上限電圧を下位ビット側高レベル基準電圧端子159に伝えると共に、前記基準電圧範囲の上限電圧と下限電圧との差電圧を第2の減算アンプ172によって増幅して得られた電圧を下位ビット側低レベル基準電圧端子160に伝える。
【0021】
下位ビット側比較器162は、下位ビット側高レベル基準電圧端子159と下位ビット側低レベル基準電圧端子160との間の電圧を下位ビット側タップ抵抗161により抵抗分割して得られた各基準電圧信号と、前記基準電圧範囲の上限電圧とアナログ信号の電圧との差電圧を第1の減算アンプ回路171によって増幅して得られた下位ビット変換部の入力電圧とを比較し、この入力電圧が属する基準電圧範囲を求める。この結果に従って、アナログ信号は下位ビット側符号化回路163によって下位ビットのディジタル値に符号化される。出力バッファ回路164は、上位ビット符号化回路158によって符号化された上位ビットのディジタル値と、下位ビット符号化回路163によって符号化された下位ビットのディジタル値とをディジタル信号出力端子165を介して出力する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の直並列型A/D変換装置には以下のような問題がある。
【0023】
図13に示すような従来の直並列型A/D変換装置では、上位ビット変換部内に上位コンパレータ列54以外に差動変換器列52を備えており、上位コンパレータ列54が決定した入力信号の電圧VINを含む電圧範囲の上限電圧及び下限電圧を、それぞれ電圧VINを基準に増幅して下位ビット変換部に伝達している。
【0024】
図15は図13に示すような従来の直並列型A/D変換装置における下位ビット変換範囲の拡張の仕方を説明するための図である。図15において、51Aは上位抵抗列、52Aは差動変換器列、54Aは上位コンパレータ列であり、説明に必要な部分以外は省略している。
【0025】
いま、入力信号の電圧VINは、上位コンパレータCMU(n-1)の基準電圧Vc(n-1)と上位コンパレータCMU(n)の基準電圧Vc(n)との間にあるものとする。このとき、上位コンパレータCMU(n-1)以下のコンパレータの出力信号は“H”レベルになると共に上位コンパレータCMU(n)以上のコンパレータの出力信号は“L”レベルになり、スイッチ回路53によって差動変換器DEAn-1 ,DEAn ,DEAn+1 が選択される。
【0026】
このとき、差動変換器DEAn-1 は、分割点電圧Vc(n-1)の下隣の分割点電圧Vr(n-1)を入力信号の電圧VINを基準にして増幅し、低レベル基準電圧SUBL として出力する。差動変換器DEAn は、分割点電圧Vc(n-1)とVc(n)との間の分割点電圧Vr(n)を入力信号の電圧VINを基準にして増幅し、中央値基準電圧SUBM として出力する。また、差動変換器DEAn+1 は、分割点電圧Vc(n)の上隣の分割点電圧Vr(n+1)を入力信号の電圧VINを基準にして増幅し、高レベル基準電圧SUBH として出力する。
【0027】
例えば、9ビット(上位5ビット下位4ビット)の直並列型A/D変換装置とすると、図15に示すように、上位ビット変換の最小単位(Vc(n)−Vc(n-1))が16ステップであり、下位ビット変換の範囲(Vr(n+1)−Vr(n-1))が32ステップである。また、図15では各差動変換器DEAn-1 ,DEAn ,DEAn+1 の利得を2倍としている。
【0028】
いま、入力信号の電圧VINが電圧Vr(n)より4ステップ高電位側のところにあるとすると、電圧Vr(n+1)と入力信号の電圧VINとの差は12ステップであるので、高レベル基準電圧SUBH は入力信号の電圧VINより24ステップ高電位側に発生する。また、入力信号の電圧VINと電圧Vr(n)との差は4ステップであるので、中央値基準電圧SUBM は入力信号の電圧VINより8ステップ低電位側に発生する。さらに、入力信号の電圧VINと電圧Vr(n-1)との差は20ステップであるので、低レベル基準電圧SUBL は入力信号の電圧VINより40ステップ低電位側に発生する。
【0029】
このように、従来の直並列型A/D変換装置では、下位ビット変換部に伝達される基準電圧SUBH 、SUBM 、SUBL は、各々の差は一定ではあるが、値そのものは入力信号の電圧VINによって変化する。このため、下位ビット変換部は、動作を開始する前に基準電圧のセトリングを待たなければならず、したがって、A/D変換の高速化が困難であるという問題があった。
【0030】
また、図13に示すような従来の直並列型A/D変換器には、上位ビットデータに対して複雑な補正が必要になるという問題もあった。
【0031】
図16は従来の直並列型A/D変換器において上位ビットデータに対して複雑な補正が必要になるメカニズムを説明するための図であり、図13に示すような上位2ビットの直並列型A/D変換器を示している。図16において、51は上位抵抗列、54は上位コンパレータ列である。
【0032】
図16に示すように、入力信号の電圧VINが上位コンパレータCMU1の基準電圧Vc1より低いときは上位ビットデータは“0”であり、同様に、電圧Vc1より高く上位コンパレータCMU2の基準電圧Vc2より低いときは“1”、電圧Vc2より高く上位コンパレータCMU3の基準電圧Vc3より低いときは“2”、電圧Vc3より高いときは“3”である(10進数表現による)。
【0033】
ところが、例えば上位ビットデータが“1”になるとき、下位ビット変換を行う電圧範囲の下限電圧は分割抵抗RU1とRU2との間の分割点電圧であり、上限電圧は分割抵抗RU5とRU6との間の分割点電圧である。つまり、下位ビット変換を行う電圧範囲は、上位ビットデータが“0”である範囲の上半分から上位ビットデータが“2”である範囲の下半分まで拡張されている。このため、上位ビットデータに対し、1を加算するか、1を減算するか、加算・減算を行わないかの3通りの補正が必要になる。
【0034】
図17は、図16と同様に、図13に示すような従来の直並列型A/D変換器において上位ビットデータに対して複雑な補正が必要になるメカニズムを説明するための図であり、(a),(b),(c)はそれぞれ、上位ビットデータが“0”,“2”,“3”の場合を示している。なお、図17(a)のように上位ビットデータが“0”の場合は、低レベル基準電圧VRBを越えて下位ビット変換範囲を拡張する必要はなく、図17(c)のように上位ビットデータが“3”の場合は、高レベル基準電圧VRTを越えて下位ビット変換範囲を拡張する必要はない。
【0035】
図18は図13に示すような従来の直並列型A/D変換器における上位ビットデータの補正方法を示す図であり、下位ビットデータが2ビット(補正用ビットを含めて3ビット)の場合を示している。図18に示すように、下位ビットデータの上位2ビットが“11”のとき上位ビットデータに1を加算すると共に第2ビットを“0”に反転する一方、上位2ビットが“00”のとき上位ビットデータから1を減算すると共に第2ビットを“1”に反転する。
【0036】
図18に示すように、下位ビットデータによる上位ビットデータの補正は、1を加算する場合,1を減算する場合,加算・減算を行わない場合の3通りが必要になり、補正回路が複雑になるという問題があった。
【0037】
さらに、図13に示すような従来の直並列型A/D変換装置には、他の問題もあった。
【0038】
図19は図13に示す従来の直並列型A/D変換装置を駆動するクロック信号のタイミングを示すタイミングチャートである。図19に示すように、入力信号の電圧VINがサンプルホールドされている期間の前半においてクロック信号CKUが発生する一方、後半においてクロック信号CKLが発生する。また、クロック信号CKUと同一タイミングで立ち上がりかつクロック信号CKUよりもデューティ比の小さくないクロック信号CLKが発生する。上位コンパレータ列54はクロック信号CKUのタイミングで信号を出力し、下位コンパレータ列57はクロック信号CKLのタイミングで信号を出力する。下位・上位バッファ60はクロック信号CLKの立ち上がりのタイミングで、補正された上位ビットデータ及び下位ビットデータをラッチする。
【0039】
図19に示すようなタイミングによると、Nサイクルにおけるクロック信号CKLによって下位コンパレータ列57が信号を出力した後、(N+1)サイクルにおけるクロック信号CKUによって上位コンパレータ列54が新たに信号を出力するまでの間に、下位エンコーダ58によって下位コンパレータ列57の出力信号を下位ビットデータに変換し、さらに補正回路59によって上位ビットデータの補正を行う必要がある。言い換えると、クロック信号CKLが発生してから次のクロック信号CKUが発生するまでの時間は、補正回路59の動作余裕時間よりも長くなければならない。このため、A/D変換の高速化が困難であるという問題があった。
【0040】
以上のような問題に鑑み、本発明は、従来よりも高速動作が可能であり、しかも上位ビットデータの補正が簡易である直並列型A/D変換装置を提供することを第1の課題とする。
【0041】
また、従来の直並列型A/D変換装置には以下のような問題がある。
【0042】
図20は従来の直並列型A/D変換装置における課題を説明するための図であり、かつ図14に示す従来の直並列型A/D変換装置の動作を説明するための図である。同図中、(a)は第1の減算アンプ171の入力となる、サンプルホールド回路154によって保持されたアナログ信号の電圧VIN及びこの電圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHHの変化を示すグラフ、(b)は第1の減算アンプ171から出力される下位ビット変換部の入力電圧VLIN 並びに下位ビット変換部の高レベル基準電圧VLH及び低レベル基準電圧VLLの変化を示すグラフ、(c)は下位ビット側比較器162の動作タイミングを示すグラフである。
【0043】
まず、図14に示す従来の直並列型A/D変換装置では、オペアンプ型減算アンプ171,172を用いて、アナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHHを基準にアナログ信号の電圧VIN及び当該基準電圧範囲の下限電圧を増幅し、増幅した電圧をそれぞれ下位ビット変換部の入力電圧VLIN 及び低レベル基準電圧VLLとして用いている。このような構成により、下位ビット変換部の下位ビット側比較器162に要求される電圧分解能を緩和している。また、下位ビット変換部の高レベル基準電圧VHHとしてアナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHHをそのまま用いている。
【0044】
そのため、このような構成では、図20(a),(b)に示すように、アナログ信号の電圧VINが変化し、上位ビット変換部においてアナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲が変化すると、これに伴って下位ビット変換部の高レベル基準電圧VLH及び低レベル基準電圧VLLが変化することになる。したがって、高レベル基準電圧VLH及び低レベル基準電圧VLLが安定するまでの過渡遅延によってA/D変換速度が制限されるという問題がある。
【0045】
また、図20(a)に示すように、アナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHHは上位ビット側比較器156における演算結果によって作動するアナログスイッチ157を通るので、その分、上限電圧VHHが決定されるタイミングはアナログ信号の電圧VINがサンプリングされるタイミングに対して遅延することになる。その結果、第1の減算アンプ171において、増幅する対象となる電圧すなわちアナログ信号の電圧VINと増幅の基準となる電圧すなわちアナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHHとが合致する期間(期間A)と合致しない期間(期間B)とが生じる。
【0046】
このため、図20(b)に示すように、第1の減算アンプ171から出力される下位ビット変換部の入力電圧VLIN は、期間Aでは、下位ビット変換部の高レベル基準電圧VLHと低レベル基準電圧VLLとの間に存在するが、期間Bでは、アナログ信号の電圧とこれを含む基準電圧範囲の上限電圧及び下限電圧との相対関係が崩れるため、下位ビット変換部の高レベル基準電圧VLHと低レベル基準電圧VLLとの間から大きく外れてしまう。また、期間Aでも、期間Bから期間Aに移るときの過渡現象によって、下位ビット変換部の入力電圧VLIN は高レベル基準電圧VLHと低レベル基準電圧VLLとの間から外れてしまう。
【0047】
ここで、下位ビット変換部の高レベル基準電圧VLH及び低レベル基準電圧VLLもまた過渡現象によって変化するので、例えば図20(c)に示すように期間Aに移ってから下位ビット側比較器162のラッチ動作までの時間が短いとき、A/D変換によって得られるディジタル値に大きな誤差が生じる可能性がある。したがって、直並列型A/D変換装置に高速動作をさせる場合、変換精度が低下するという問題があった。
【0048】
さらに、図14に示すように、アナログ信号の電圧VINを増幅する第1の減算アンプ171はその入力インピーダンスがハイである下位ビット側比較器162に接続される一方、下限電圧を増幅する第2の減算アンプ172は下位ビット側タップ抵抗161に接続される。すなわち、第1の減算アンプ171と第2の減算アンプ172とでは、それぞれの出力に負荷されるインピーダンスが異なる。このため、上位ビット変換部におけるアナログ信号の電圧とこの電圧が属する基準電圧範囲との相対関係は、誤差が加わった形で下位ビット変換部に伝えられることになり、これにより変換精度が低下するという問題が生じていた。
【0049】
前記の問題に鑑み、本発明は、直並列型A/D変換装置において、その高速且つ高精度化を図る上で、下位ビット変換部に要求される電圧分解能が緩和され、しかも下位ビット変換の際に変換速度の制限がなく変換誤差も生じないようにすることを第2の課題とする。
【0050】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明が講じた解決手段は、入力されたアナログ信号を上位ビットと下位ビットとに分けてA/D変換する直並列型A/D変換装置として、所定の高レベル基準電圧と所定の低レベル基準電圧との間を複数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲の中から前記アナログ信号の電圧が属する一の基準電圧範囲を求め、求めた一の基準電圧範囲を示すビットデータを上位ビットデータとして生成出力すると共に、前記一の基準電圧範囲に基づき定めた下位ビット変換を行う電圧範囲の上限電圧、下限電圧及び中央値電圧を出力する上位ビット変換部と、前記上位ビット変換部から出力された下位ビット変換を行う電圧範囲の中央値電圧及び前記アナログ信号を入力とし、前記中央値電圧を基準にして前記アナログ信号の電圧を増幅する第1の差動増幅器と、前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビット変換部から出力された下位ビット変換を行う電圧範囲の上限電圧及び中央値電圧を入力とし、前記中央値電圧を基準にして前記上限電圧を増幅する第2の差動増幅器と、前記第1及び第2の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビット変換部から出力された下位ビット変換を行う電圧範囲の下限電圧及び中央値電圧を入力とし、前記中央値電圧を基準にして前記下限電圧を増幅する第3の差動増幅器と、前記第2の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換の高レベル基準電圧とすると共に前記第3の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換の低レベル基準電圧とし、前記高レベル基準電圧と前記低レベル基準電圧との間を複数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲の中から前記第1の差動増幅器の出力電圧が属する基準電圧範囲を求め、求めた基準電圧範囲を示すビットデータを下位ビットデータとして生成出力する下位ビット変換部と、前記第1〜第3の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビット変換部から出力された下位ビット変換を行う電圧範囲の中央値電圧を基準にしてこの中央値電圧を増幅する第4の差動増幅器を備えたものとし、前記第4の差動増幅器の出力電圧は、前記下位ビット変換部に下位ビット変換における高レベル基準電圧から低レベル基準電圧までの電圧範囲の中央値基準電圧として入力されているものである
【0051】
また、請求項2の発明では、前記請求項1の直並列型A/D変換装置において、前記上位ビット変換部は、下位ビット変換を行う電圧範囲の上限電圧,下限電圧及び中央値電圧の代わりに、所定の電圧範囲の上限電圧,下限電圧及び中央値電圧並びに下位ビット変換を行う電圧範囲の中央値電圧を出力するものとし、前記第2の差動増幅器は、前記上位ビット変換部から出力された所定の電圧範囲の上限電圧及び中央値電圧を入力とし、前記中央値電圧を基準にして前記上限電圧を増幅するものとし、前記第3の差動増幅器は、前記上位ビット変換部から出力された所定の電圧範囲の下限電圧及び中央値電圧を入力とし、前記中央値電圧を基準にして前記下限電圧を増幅するものとする。
【0052】
また、請求項3の発明では、前記請求項1の直並列型A/D変換装置において、前記上位ビット変換部は、生成された上位ビットデータを、与えられたパルス信号に従ってラッチして出力する上位バッファを備え、前記下位ビット変換部は、生成された下位ビットデータを、与えられたパルス信号に従ってラッチして出力する下位バッファを備え、当該直並列型A/D変換装置は、与えられたパルス信号に従って、前記上位バッファから出力された上位ビットデータ及び前記下位バッファから出力された下位ビットデータを合わせてラッチして出力する下位・上位バッファを備えたものとする。
【0053】
請求項4の発明では、前記請求項1の直並列型A/D変換装置における第4の差動増幅器は、前記下位ビット変換部に電圧を出力する出力線以外の出力線を有しており、この出力線は前記第1の差動増幅器の出力線と抵抗を介して接続されているものとする。
【0054】
請求項4の発明により、第1の差動増幅器は、下位ビット変換部に対して第2及び第3の差動増幅器と同じインピーダンスを持つことが可能になる。
【0055】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D変換装置について、図面を参照しながら説明する。
【0056】
図1は本実施形態に係る直並列型A/D変換装置の全体構成を示す回路図である。図1に示す装置は、上位2ビット下位2ビット(補正ビットを含めると下位3ビット)の4ビットA/D変換装置である。
【0057】
図1において、1はサンプルホールドされたA/D変換対象の入力アナログ信号の電圧VINが印加される入力端子、2は高レベル基準電圧VRTが印加される端子、3は低レベル基準電圧VRBが印加される端子、4はA/D変換の結果得られた4ビットのディジタル信号D0 〜D3 が出力される出力端子である。
【0058】
また、11は直列に接続された抵抗値の等しい8(=23 )個の抵抗RU1〜RU8からなる上位抵抗列、12は2(=22 −2)個のコンパレータCMU1,CMU2からなる上位コンパレータ列、13は3(=22 −1)個のスイッチSW1 〜SW3 からなるスイッチ回路、14は上位ビットデータを符号化する上位エンコーダ、15は上位バッファ、16は同一特性を有し利得が等しい4個の差動増幅器AMP1 〜AMP4 からなる差動増幅器列、17は直列に接続された抵抗値の等しい8(=23 )個の抵抗RL1〜RL8からなる下位抵抗列、18は7(=23 −1)個のコンパレータCML1〜CML7からなる下位コンパレータ列、19は下位ビットデータを符号化する下位エンコーダ、20は下位バッファ、21は上位ビットデータを補正する補正回路、22は下位・上位バッファである。
【0059】
図13と比較すると、上位抵抗列11は上位抵抗列51と、下位抵抗列17は下位抵抗列56と、下位コンパレータ列18は下位コンパレータ列57と、下位エンコーダ19は下位エンコーダ58と、それぞれ同じ構成からなる。
【0060】
上位抵抗列11、上位コンパレータ列12、スイッチ回路13、上位エンコーダ14、上位バッファ15によって上位ビット変換部41が構成されている。また、下位抵抗列17、下位コンパレータ列18、下位エンコーダ19、下位バッファ20によって下位ビット変換部42が構成されている。
【0061】
入力端子1は、上位コンパレータ列12を構成する各コンパレータ(以下、上位コンパレータという)CMU1,CMU2の+側入力端子と差動増幅器列16を構成する第1の差動増幅器AMP1 の+側入力端子とに接続されている。また、端子2及び3は上位抵抗列11の両端に接続されている。
【0062】
上位抵抗列11は、各抵抗間に7(=23 −1)個の分割点を有している。偶数番目の分割点は、端子2に印加された高レベル基準電圧VRTと端子3に印加された低レベル基準電圧VRBとの間を複数の基準電圧範囲に区分しており、スイッチ回路13を構成する各スイッチSW1 〜SW3 に各々接続されている。奇数番目の分割点(両端の分割点を除く)は、上位コンパレータCMU1,CMU2の−側入力端子に接続されている。
【0063】
上位コンパレータ列12は、クロック信号CKUのタイミングで、入力端子1に印加された入力信号の電圧VINと上位抵抗列11の分割点電圧とを各上位コンパレータCMU1,CMU2によって比較し、入力信号の電圧VINが属する基準電圧範囲を示す信号を出力する。上位コンパレータ列12の出力信号は上位エンコーダ14に入力され、上位エンコーダ14は上位コンパレータ列12の出力信号を上位ビットデータに変換して出力する。上位バッファ15は、クロック信号NCLKの立ち上がりのタイミングで上位ビットデータをラッチし、補正回路21に出力する。また、上位コンパレータ列12の出力信号はスイッチ回路13にも入力される。
【0064】
スイッチ回路13は、上位コンパレータ列12の出力信号に従って各スイッチSW1 〜SW3 を制御し、下位ビット変換を行う電圧範囲(以下、下位変換範囲という)の上限電圧VH 、中央値電圧VM 、下限電圧VL を差動増幅器列16に出力する。例えば、上位コンパレータCMU1の出力信号が“H”レベルであり、上位コンパレータCMU2の出力信号が“L”レベルであるときは、抵抗RU6とRU7との間の分割点の電圧をVH 、抵抗RU4とRU5との間の分割点の電圧をVM 、抵抗RU2とRU3の間の分割点の電圧をVL とする。
【0065】
差動増幅器列16は、下位変換範囲の上限電圧VH ,中央値電圧VM ,下限電圧VL 及び入力信号の電圧VINを入力とし、下位ビット変換部42のための高レベル基準電圧SUBH 、中央値基準電圧SUBM 、低レベル基準電圧SUBL 及び下位ビットA/D変換対象の電圧SUBINを出力する。第2の差動増幅器AMP2 は、+側入力端子に電圧VH が、−側入力端子に電圧VM が入力され、電圧VM を基準にして電圧VH を増幅し電圧SUBH として出力する。第3の差動増幅器AMP3 は、+側入力端子に電圧VL が、−側入力端子に電圧VM が入力され、電圧VM を基準にして電圧VL を増幅し電圧SUBL として出力する。第4の差動増幅器AMP4 は、+側入力端子及び−側入力端子に共に電圧VM が入力され、電圧SUBM を出力する。また、第1の差動増幅器AMP1 は、−側入力端子に電圧VM が、+側入力端子に入力信号の電圧VINが入力され、電圧VM を基準にして電圧VINを増幅し電圧SUBINとして出力する。第1の差動増幅器AMP1 の出力端子は下位コンパレータ列18を構成する下位コンパレータCML1〜CML7の+側入力端子に接続されている。
【0066】
下位抵抗列17は、高レベル基準電圧として第2の差動増幅器AMP2 の出力電圧SUBH が印加されると共に、低レベル基準電圧として第3の差動増幅器AMP3 の出力電圧SUBL が印加され、さらに中間分割点(抵抗RL4とRL5との間の分割点)に第4の差動増幅器AMP4 の出力電圧SUBM が中央値基準電圧として印加される。下位抵抗列17は各抵抗間に7(=23 −1)個の分割点を有しており、高レベル基準電圧SUBH と低レベル基準電圧SUBL との間を複数の基準電圧範囲に区分している。下位抵抗列17の分割点は下位コンパレータCML1〜CML7の−側入力端子にそれぞれ接続されている。
【0067】
下位コンパレータ列18は、クロック信号CKLのタイミングで、電圧SUBINと下位抵抗列17の各分割点電圧とを各下位コンパレータCML1〜CML7によって比較し、電圧SUBINが属する基準電圧範囲を示す信号を出力する。下位コンパレータ列18の出力信号は下位エンコーダ19に入力され、下位エンコーダ19は下位コンパレータ列18の出力信号を下位ビットデータに変換して出力する。下位バッファ20は、クロック信号CLKの立ち上がりのタイミングで下位ビットデータをラッチし下位・上位バッファ22に出力すると共に、下位ビットデータの一部を補正回路21に出力する。
【0068】
補正回路21は、入力された上位ビットデータを下位ビットデータの一部を用いて補正して下位・上位バッファ22に出力する。下位・上位バッファ22は、クロック信号NCLKの立ち上がりのタイミングで、補正された上位ビットデータ及び下位ビットデータを合わせて出力端子4に出力する。
【0069】
図1に示す直並列型A/D変換器において最も特徴的なことは、上位ビット変換部41と下位ビット変換部42との間に差動増幅器列16を備えたことである。ここで、差動増幅器列16の動作について説明する。
【0070】
図2は差動増幅器列16の動作を説明するための図であり、下位変換範囲の上限電圧VH ,中央値電圧VM ,下限電圧VL 及び入力電圧VINと第1〜第4の差動増幅器AMP1 〜AMP4 の各出力電圧SUBH ,SUBM 、SUBL 及びSUBINとの関係を示す図である。
【0071】
図2において、11Aは上位抵抗列、12Aは上位コンパレータ列であり、説明に必要な部分以外は省略している。上位抵抗列11Aにおいて、奇数番目の分割点の電圧をVc(n)、偶数番目の分割点の電圧をVr(n)とする。また、上位ビット変換の基準電圧範囲(Vc(n)−Vc(n-1))が16ステップであり、下位変換範囲(Vr(n+1)−Vr(n-1))が32ステップであるとする。また、説明を簡単にするために、第1〜第4の差動増幅器AMP1 〜AMP4 の利得は2倍であるものとする。
【0072】
上位コンパレータCMU(n)は、電圧Vc(n)と入力信号の電圧VINとの比較を行う。入力信号の電圧VINが電圧Vc(n-1)と電圧Vc(n)との間にあるとき、下位変換範囲の上限電圧VH として電圧Vr(n+1)が選択され、中央値電圧VM として電圧Vr(n)が選択され、下限電圧VL として電圧Vr(n-1)が選択される。
【0073】
第2の差動増幅器AMP2 は電圧VINに関係なく電圧VM を基準にして電圧VH を増幅し、電圧SUBH として出力する。第3の差動増幅器AMP3 は電圧VINに関係なく電圧VM を基準にして電圧VL を増幅し、電圧SUBL として出力する。また、第4の差動増幅器AMP4 は電圧VINに関係なく電圧VM をそのまま電圧SUBM として出力する。この結果、電圧SUBH は電圧SUBM より32(=16×2)ステップ高レベル側に発生し、電圧SUBL は電圧SUBM より32(=16×2)ステップ低レベル側に発生する。
【0074】
第1の差動増幅器AMP1 は、電圧VM を基準にして入力信号の電圧VINを増幅し、電圧SUBINとして出力する。いま、電圧VINが電圧Vr(n)(=VM )より4ステップ高レベル側にあるとすると、電圧SUBINは電圧SUBM から8(=4×2)ステップ高レベル側に発生する。すなわち、電圧VH ,VL と電圧VINとの相対関係は下位ビット変換においても維持される。
【0075】
このように、本実施形態によると、下位ビット変換部42の基準電圧SUBH 、SUBM 、SUBL は入力信号の電圧VINによって変化することはなく安定することになる。
【0076】
なお、下位変換範囲の基準電圧VH ,VM ,VL は、必ずしも、上位コンパレータ列12の出力信号に従って選択する必要はない。例えば、第2〜第4の差動増幅器AMP2 〜AMP4 には、上位抵抗列11の任意の連続する3つの偶数番目の分割点電圧を電圧VH ,VM ,VL として入力し、第1の差動増幅器AMP1 にのみ、上位コンパレータ列12の出力信号によって決定された下位変換範囲の中央値電圧VM ' を入力すればよい。このようにしても、第1の差動増幅器AMP1 の出力電圧SUBINと基準電圧SUBH 及びSUBL との関係は図2のようになる。この場合、スイッチ回路13は、上位コンパレータ列12によって決定された電圧VM ' のみを差動増幅器列16に出力すればよい。
【0077】
以上説明したように、本実施形態と従来例とが大きく異なる点は、図2と図15とを比較すると分かるように、下位ビット変換部42の基準電圧SUBH 、SUBM 、SUBL が一定電圧に固定され、変換周期毎に変動することがないという点である。
【0078】
以下、図1に示す直並列型A/D変換装置の動作について説明する。
【0079】
まず、上位ビット変換部41の動作について説明する。図3は上位ビット変換部41の動作を説明するための図であり、11は上位抵抗列、12は上位コンパレータ列である。同図中、(a)は入力信号の電圧VINが上位コンパレータCMU1の基準電圧Vc1と上位コンパレータCMU2の基準電圧Vc2との間(斜線を施した部分)にある場合、(b)は入力信号の電圧VINが上位コンパレータCMU1の基準電圧Vc1よりも低い場合、(c)は入力信号の電圧VINが上位コンパレータCMU2の基準電圧Vc2よりも高い場合を示している。
【0080】
図3に示すように、上位抵抗列11は高レベル基準電圧VRTと低レベル基準電圧VRBとの間を4個の基準電圧範囲に区分しており、上位ビットデータは4種類(2ビット)となる。上位ビットデータは、入力信号の電圧VINが低レベル基準電圧VRBと電圧Vr1との間にあるときは“0”、電圧Vr1と電圧Vr2との間にあるときは“1”、電圧Vr2と電圧Vr3との間にあるときは“2”、電圧Vr3と高レベル基準電圧VRTとの間にあるときは“3”になる(10進数表現による)。
【0081】
これに対し、上位コンパレータは2個しか接続されていないので、上位ビット変換部41によって得られる上位ビットデータは3種類である(図3では丸で囲んでいる)。図3(a)のとき、上位コンパレータCMU1の出力信号は“H”レベル、上位コンパレータCMU2の出力信号は“L”レベルになり、上位エンコーダ14によって得られる上位ビットデータは“1”になる。図3(b)のとき、上位コンパレータCMU1及びCMU2の出力信号は共に“L”レベルになり、上位エンコーダ14によって得られる上位ビットデータは“0”になる。図3(c)のとき、上位コンパレータCMU1及びCMU2の出力信号は共に“H”レベルになり、上位エンコーダ14によって得られる上位ビットデータは“2”になる。
【0082】
一般的にいうと、上位抵抗列11を構成する抵抗の個数は2n 個であるとすると、高レベル基準電圧VRTと低レベル基準電圧VRBとの間は2n-1 個の基準電圧範囲に区分され、上位コンパレータ列12を構成するコンパレータの個数は(2n-1 −2)個になり、上位ビット変換部41によって得られる上位ビットデータは(2n-1 −1)種類となる。このため、上位ビットデータの補正が必要になるが、これについては後述する。
【0083】
また、図3(a)のとき、下位変換範囲の上限電圧VH ,中央値電圧VM ,下限電圧VL として電圧Vr3,Vr2,Vr1が差動増幅器列16に出力される。同様に、図3(b)のとき、電圧Vr2,Vr1,VRBが下位変換範囲の上限電圧VH ,中央値電圧VM ,下限電圧VL として差動増幅器列16に出力され、図3(c)のとき、電圧VRT,Vr3,Vr2が下位変換範囲の上限電圧VH ,中央値電圧VM ,下限電圧VL として差動増幅器列16に出力される。
【0084】
ただし、前述したように、下位変換範囲の電圧VH ,VM ,VL は、必ずしも上位コンパレータ列12の出力信号に従って選択する必要はなく、上位抵抗列の任意の連続する3つの偶数番目の分割点電圧を電圧VH ,VM ,VL として入力し、第1の差動増幅器AMP1 にのみ、上位コンパレータ列12の出力信号によって決定された下位変換範囲の中央値電圧VM ' を入力すればよい。
【0085】
差動増幅器列16は、すでに説明したように、下位変換範囲の上限電圧VH ,中央値電圧VM ,下限電圧VL を下位ビット変換の高レベル基準電圧SUBH ,中央値基準電圧SUBM ,低レベル基準電圧SUBL に変換する。また、入力信号の電圧VINを下位ビットA/D変換の対象となる電圧SUBINに変換する。
【0086】
次に、下位ビット変換部42の動作について説明する。下位抵抗列17は下位ビット変換の高レベル基準電圧SUBH と下位ビット変換の低レベル基準電圧SUBL との間を8個の基準電圧範囲に区分しており、下位ビットデータは8種類(3ビット)となる。さらに下位抵抗列17の分割誤差を少なくするために、中央値基準電圧SUBM が中央の分割点(抵抗RL4とRL5との間の分割点)に印加される。
【0087】
下位コンパレータ列18を構成する下位コンパレータCML1〜CML7は、下位抵抗列17の各分割点の電圧と下位ビットA/D変換対象の電圧SUBINとを比較し、比較結果を表す信号を出力する。下位エンコーダ19は下位コンパレータ列18の出力信号を3ビットの下位ビットデータに変換する。ただし、下位ビットデータのMSBは、上位ビットデータの補正のために用いられる。
【0088】
次に、補正回路21の動作について説明する。図3に示したように、真の上位ビットデータと上位ビット変換部41によって得られる上位ビットデータとは必ずしも一致しない。例えば、図3(a)の場合、上位ビットデータとして“1”が得られるが、真の上位ビットデータは“2”の場合と“1”の場合とがありその可能性は50%ずつである。このとき、下位変換範囲の下限電圧VL は電圧Vr1であり、下位変換範囲の上限電圧VH は電圧Vr3であるので、下位変換範囲は真の上位データが“1”又は“2”である範囲に一致する。このため、入力された電圧VINが電圧VM より高いときは下位ビットデータのMSBは“1”になり、入力された電圧VINが電圧VM より低いときは下位ビットデータのMSBは“0”になる。したがって、上位ビットデータの補正は下位ビットデータのMSBを用いて簡単に行うことができる。
【0089】
図4は補正回路21による上位ビットデータの補正方法を示す図である。図4に示すように、補正回路21は、変換された下位ビットデータのMSBが(バイナリーコードでもグレイコードでも)“1”のとき上位ビットデータに“1”を加算し、下位ビットデータのMSBが“0”のときは上位ビットデータを補正しない。
【0090】
したがって、従来例における補正と大きく異なるのは、図4と図18とを比較すると分かるように、下位ビットデータのMSBによって“1”を加算するか否かという補正だけでよい点であり、これにより、補正回路の構成は従来よりも簡易になる。
【0091】
図5は図1に示す直並列型A/D変換装置を駆動する信号のタイミングを示すタイミングチャートである。図5に示すように、入力された電圧VINがサンプルホールドされた期間の,前半において上位コンパレータ列12を動作させるクロック信号CKUが発生する一方、後半において下位コンパレータ列18を動作させるクロック信号CKLが発生する。また、上位バッファ15及び下位・上位バッファ22にラッチを行わせるクロック信号NCLKは、クロック信号CKLと略同じタイミングにリーディングエッジ(又はトライリングエッジ)を持ち、下位バッファ20にラッチを行わせるクロック信号CLKは、クロック信号CKUと略同じタイミングにリーディングエッジ(又はトライリングエッジ)を持つ。
【0092】
図1に示す直並列型A/D変換装置は、図5に示すような信号のタイミングに従って次のように動作する。
【0093】
まず、Nサイクルにおけるクロック信号CKUによって確定した上位コンパレータ列12の出力信号は、上位エンコーダ14によって上位ビットデータに変換され、上位ビットデータはクロック信号NCLKの立ち上がりによって上位バッファ15にラッチされる。次に、Nサイクルにおけるクロック信号CKLによって確定した下位コンパレータ列18の出力信号は、下位エンコーダ19によって下位ビットデータに変換され、下位ビットデータはクロック信号CLKの立ち上がりによって下位バッファ20にラッチされる。
【0094】
上位バッファ15にラッチされた上位ビットデータは、下位バッファ20にラッチされた下位ビットデータのMSBに従って、すでに説明したような補正が行われる。補正された上位ビットデータ及び下位ビットデータは、共に、(N+1)サイクルにおけるクロック信号NCLKの立ち上がりによって下位・上位バッファ22にラッチされ、出力端子4に出力される。
【0095】
したがって、補正回路21の動作余裕時間は、下位バッファ20がクロック信号CLKの立ち上がりによって下位ビットデータをラッチしてから下位・上位バッファ22がクロック信号NCLKの立ち上がりによって補正された上位ビットデータ及び下位ビットデータをラッチするまでの時間となる。
【0096】
なお、本実施形態では、上位2ビット下位2ビットの4ビットA/D変換装置を例にとって説明したが、本発明はこれに限るものではなく、上位Nビット下位Mビットの(N+M)ビットA/D変換装置(N,Mは自然数)で実現可能である。この場合、上位抵抗列11を2N+1 個の抵抗によって構成し、上位コンパレータ列12を(2N −2)個のコンパレータによって構成し、スイッチ回路13を(2N −1)個のスイッチによって構成すると共に、下位抵抗列17を2M+1 個の抵抗によって構成し、下位コンパレータ列18を(2M+1 −1)個のコンパレータによって構成すればよい。
【0097】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0098】
図6は本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D変換装置の全体構成を示す回路図である。図6において、101はA/D変換の対象となるアナログ信号が入力されるアナログ信号入力端子、102は上位ビット側高レベル基準電圧端子、103は上位ビット側低レベル基準電圧端子、104はアナログ信号入力端子101に入力されたアナログ信号をサンプルホールドするサンプルホールド回路、105は上位ビット側高レベル基準電圧端子102と上位ビット側低レベル基準電圧端子103との間の電圧を分割する上位ビット側タップ抵抗、106は上位ビット側比較器、107はアナログスイッチ、108は上位ビット符号化回路、109は下位ビット側高レベル基準電圧端子、110は下位ビット側低レベル基準電圧端子、111は下位ビット側高レベル基準電圧端子109と下位ビット側低レベル基準電圧端子110との間の電圧を分割する下位ビット側タップ抵抗、112は下位ビット側比較器、113は下位ビット符号化回路、114は出力バッファ回路、115はディジタル信号出力端子である。
【0099】
上位ビット変換部141は、上位ビット側タップ抵抗105、上位ビット側比較器106、アナログスイッチ107、上位ビット符号化回路108によって構成されている。下位ビット変換部142は、下位ビット側タップ抵抗111、下位ビット側比較器112、及び下位ビット符号化回路113によって構成されている。また、出力バッファ回路114によって出力部143が構成されている。
【0100】
また、116aは利得の固定された第1の差動増幅器、116bは利得の固定された第2の差動増幅器、116cは利得の固定された第3の差動増幅器,116dは利得の固定された第4の差動増幅器、120はスイッチング手段、124は抵抗である。第1〜第4の差動増幅器116a〜116dは同じ利得を有する。
【0101】
次に、図6に示す直並列型A/D変換装置の動作について説明する。
【0102】
アナログ信号入力端子101に入力されたアナログ信号は、サンプルホールド回路104によってサンプリングされ上位ビットのA/D変換期間から下位ビットのA/D変換期間までの間一定の電圧に保持される。
【0103】
上位ビット変換部141では、サンプルホールド回路104によって保持されたアナログ信号の電圧VINと、上位ビット側高レベル基準電圧端子102と上位ビット側低レベル基準電圧端子103との間の電圧を上位ビット側タップ抵抗105により分割することによって得られた各基準電圧信号とを上位ビット側比較器106によってそれぞれ比較し、これにより、アナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲を求める。求めた基準電圧範囲に従って、上位ビット符号化回路108は前記アナログ信号を表すディジタル信号の上位ビットを符号化する。なお、各基準電圧範囲の区分点にはアナログスイッチ107が各々接続されている。
【0104】
さらに細分化したディジタル値を得るために、第2の差動増幅器116bは、アナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHHを当該基準電圧範囲の中央値電圧VHMを基準にして増幅して、下位ビット変換の高レベル基準電圧VLHとして下位ビット側高レベル基準電圧端子109に出力すると共に、第3の差動増幅器116cは、アナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の下限電圧VHLを当該基準電圧範囲の中央値電圧VHMを基準にして増幅して、下位ビット変換の低レベル基準電圧VLLとして下位ビット側低レベル基準電圧端子110に出力する。
【0105】
図7は第1〜第4の差動増幅器116a,116b,116c,116dの構成の一例を示す回路図である。各差動増幅器は入力電圧と基準電圧との差電圧を増幅して、差電圧が0Vのときの出力電圧に増幅した差電圧を加えて出力するものであり、図7に示すように、一般に、トランジスタ131a,131b、定電流源132a,132b、エミッタ抵抗133、負荷抵抗134a,134b及び出力バッファ135によって構成される。
【0106】
いま、各差動増幅器の利得をAとし、各差動増幅器の入力電圧と基準電圧との差電圧が0Vのときの出力電圧をV0 とすると、上位ビット変換部141によって求められた,アナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHH,中央値電圧VHM,下限電圧VHLから、第2の差動増幅器116bから出力される下位ビット変換の高レベル基準電圧VLH
LH=V0 +A(VHH−VHM) …(1)
と表わされ、また第3の差動増幅器116cから出力される下位ビット変換の低レベル基準電圧VLL
LL=V0 +A(VHL−VHM) …(2)
と表わされる。したがって、下位ビット変換の高レベル基準電圧VLHと低レベル基準電圧VLLとの差は、式(1),(2)から、
LH−VLL=A(VHH−VHL) …(3)
となる。すなわち、上位ビット変換部141によって決定された,アナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHHと下限電圧VHLとの差電圧が、第2及び第3の差動増幅器116b,116cによってA倍されて、下位ビット側高レベル基準電圧端子109及び下位ビット側低レベル基準電圧端子110に伝えられることになる。
【0107】
またここで、上位ビット変換部141の任意の基準電圧範囲において上限電圧と中央値電圧との差及び下限電圧と中央値電圧との差は一定であるので、
HH−VHM=一定
HL−VHM=一定
となり、式(1),(2)から、
LH=一定 …(4)
LL=一定 …(5)
となる。すなわち、下位ビット変換の高レベル基準電圧VLH及び低レベル基準電圧VLLは、入力されたアナログ信号の電圧VINの大きさに関係なく常に一定となる。
【0108】
また、第1の差動増幅器116aは、サンプルホールド回路104によって保持されたアナログ信号の電圧VINと上位ビット変換部141によって求められた,電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMとをスイッチング手段120を介して入力し、電圧VINをこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMを基準に増幅して、下位ビット変換部142の入力電圧VLIN として出力する。
【0109】
ここで、スイッチング手段120についてさらに詳細に説明する。
【0110】
図8はスイッチング手段120の構成を示す回路図である。図8に示すように、スイッチング手段120はスイッチ121及び制御信号入力端子122によって構成される。スイッチ121は3つの入力端子と2つの出力端子を持ち、入力端子の1つにはサンプルホールド回路104によって保持された電圧VINが入力されると共に残りの2つにはこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMが入力され、出力端子の一方からは第1の差動増幅器116aの増幅対象の電圧としての+側入力電圧V+ が出力されると共に他方からは第1の差動増幅器116aの基準電圧としての−側入力電圧V- が出力される。また、制御信号入力端子122にはスイッチ121を制御する制御信号Vc が入力される。
【0111】
図9は図8に示すようなスイッチング手段120を用いた場合の本実施形態に係る直並列型A/D変換装置の動作を説明するための図である。同図中、(a)はサンプルホールド回路104によって保持されたアナログ信号の電圧VIN及びこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMの変化を示すグラフ、(b)は第1の差動増幅器116aの+側入力電圧V+ 及び−側入力電圧V- の変化を示すグラフ、(c)はスイッチ121,121を制御する制御信号Vc を示すグラフ、(d)は第1の差動増幅器116aから出力される下位ビット変換部142の入力電圧VLIN を示すグラフ、(e)は下位ビット側比較器112の動作タイミングを示すグラフである。
【0112】
アナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMは上位ビット側比較器106における演算結果によって作動するアナログスイッチ107を通るので、その分、電圧VINに対して遅延する。このため、図9(a)に示すように、アナログ信号の電圧VINとこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMとが合致している期間(期間A)と合致していない期間(期間B)とが生じる。
【0113】
ここで、スイッチング手段120の制御信号入力端子122に図9(c)に示すような制御信号Vc を入力して、スイッチ121,121に切り換え動作をさせる。制御信号Vc は期間Aでは“H”レベルになりスイッチ121,121を図8において実線で示すように制御する一方、期間Bでは“L”レベルになりスイッチ121,121を図8において破線で示すように制御する。
【0114】
すなわち、図9(b)に示すように、アナログ信号の電圧VINとこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMとが合致している期間(期間A)では、第1の差動増幅器116aには、+側入力電圧V+ としてアナログ信号の電圧VINが入力されると共に−側入力電圧V- として電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMが入力される。
【0115】
一方、アナログ信号の電圧VINとこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMとが合致していない期間(期間B)では、第1の差動増幅器116aには、+側入力電圧V+ 及び−側入力電圧V- として共に電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMが入力される。
【0116】
したがって、図9(d)に示すように、第1の差動増幅器116aから出力される下位ビット変換部142の入力電圧VLIN は、期間Aでは、アナログ信号の電圧VINがこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMを基準として増幅された電圧となる一方、期間Bでは、+側入力電圧V+ と−側入力電圧V- との差電圧が0のときの出力電圧V0 となる。
【0117】
このことを数式を用いて説明する。他の差動増幅器と同様に、第1の差動増幅器116aの利得をA、入力電圧と基準電圧との差電圧が0Vのときの出力電圧をV0 とすると、アナログ信号の電圧VINとこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMとが合致している期間(期間A)では、第1の差動増幅器116aから出力される下位ビット変換部142の入力電圧VLIN は、
LIN =V0 +A(VIN−VHM) …(6)
と表わされる。したがって、下位ビット変換の高レベル基準電圧VLHと下位ビット変換部142の入力電圧VLIN との差、及び下位ビット変換部142の入力電圧VLIN と下位ビット変換の低レベル基準電圧VLLとの差は、式(1),(2),(6)からそれぞれ、
LH−VLIN =A(VHH−VIN) …(7)
LIN −VLL=A(VIN−VHL) …(8)
となる。すなわち、アナログ信号の電圧VINとこの電圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHH及び下限電圧VLHとの相対関係は保持されたまま、その差電圧だけがA倍増幅されて下位ビット変換部142に伝達されることになる。したがって、下位ビット側比較器112に要求される電圧分解能がA倍緩和される。
【0118】
一方、アナログ信号の電圧VINとこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMとが合致していない期間(期間B)では、第1の差動増幅器116aから出力される下位ビット変換部142の入力電圧VLIN は、入力差電圧が0Vのときの出力電圧である,下位ビット変換の高レベル基準電圧VLHと低レベル基準電圧VLLとの中央値電圧V0 になる。
【0119】
LIN =V0 …(9)
このように、下位ビット変換部142の入力電圧VLIN は下位ビット変換の高レベル基準電圧VLHと低レベル基準電圧VLLとの間に常に存在し、期間Bから期間Aに移るときに電圧変化の大きな過渡現象は生じない。また、すでに説明したように、下位ビット変換の高位基準電圧VLHと低レベル基準電圧VLLも常に一定である。したがって、例えば、図9(e)に示すように、直並列型A/D変換器が高速動作して、期間Bから期間Aに移ってから下位ビット側比較器112のラッチ動作までの期間が短い場合でも、下位ビット変換部142は安定して動作し、得られる下位ビットは誤差のないものになる。
【0120】
なお、スイッチング手段120は図10に示すような構成にしてもよい。図10に示すスイッチング手段120では、スイッチ121の3つの入力端子のうち、上の2つにサンプルホールド回路104によって保持されたアナログ信号の電圧VINが入力されると共に残りの1つに電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMが入力される。また、制御信号入力端子122に入力された制御信号Vc はインバータ123によって反転された上でスイッチ121に与えられる。
【0121】
図11は図10に示すようなスイッチング手段120を用いた場合の本実施形態に係る直並列型A/D変換装置の動作を説明するための図である。図9と同様に、図11において、(a)はサンプルホールド回路104によって保持されたアナログ信号の電圧VIN及びこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMの変化を示すグラフ、(b)は第1の差動増幅器116aの+側入力電圧V+ 及び−側入力電圧V- の変化を示すグラフ、(c)はスイッチ121,121を制御する制御信号Vc を示すグラフ、(d)は第1の差動増幅器116aから出力される下位ビット変換部142の入力電圧VLIN を示すグラフ、(e)は下位ビット側比較器112の動作タイミングを示すグラフである。
【0122】
図11から分かるように、アナログ信号の電圧VINとこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMとが合致していない期間(期間B)では、制御信号Vc はインバータ123によって反転されるのでスイッチ121は図10において実線で示すようになり、第1の差動増幅器116aには、+側入力電圧V+ 及び−側入力電圧V- として共に電圧VINが入力される。この点以外は図11と図9とは同じであり、図10に示すスイッチング手段120を用いた本実施形態に係る直並列型A/D変換装置は、図8に示すスイッチング手段120を用いた場合と同様の動作をする。
【0123】
また、図6において、第4の差動増幅器116dは、+側入力電圧及び−側入力電圧として共にアナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMを入力し、下位ビット側高レベル基準電圧端子109と下位ビット側低レベル基準電圧端子110との中間点に出力電圧を与える。第4の差動増幅器116dの出力電圧は、下位ビット変換部142に高レベル基準電圧VLHから低レベル基準電圧VLLまでの電圧範囲の中央値基準電圧として入力されている。
【0124】
また、第4の差動増幅器116dは下位ビット側タップ抵抗111に出力電圧を与える出力線とは別の出力線125を有しており、この出力線125は抵抗124を介して第1の差動増幅器116aの出力線に接続されている。
【0125】
すると、下位ビット変換の高レベル基準電圧VLHを出力する第2の差動増幅器116b及び下位ビット変換の低レベル基準電圧VLLを出力する第3の差動増幅器116cが第4の差動増幅器116dに対して下位ビット側タップ抵抗111のインピーダンスを有するのに対応して、下位ビット変換部142の入力電圧VLIN を出力する第1の差動増幅器116aも第4の差動増幅器116dに対して抵抗124によって同じインピーダンスを有するよう構成することが可能になり、上位ビット変換部141におけるアナログ信号の電圧VINとこの電圧VINが属する基準電圧範囲との相対関係が、下位ビット変換部142に誤差なく伝えられる。
【0126】
下位ビット変換部142では、第1の差動増幅器116aから入力された電圧VLIN と、下位ビット側高レベル基準電圧端子109と下位ビット側低レベル基準電圧端子110との間の電圧を下位ビット側タップ抵抗111によりさらに細かく分割することによって得られた各基準電圧信号とを下位ビット側比較器112によって比較し、これにより、入力電圧VLIN が属する基準電圧範囲を求める。このとき、アナログ信号の電圧VINとこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMとが合致している期間(図9及び図11における期間A)において第1の差動増幅器116aから出力される電圧、すなわち、アナログ信号の電圧VINがこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMを基準に増幅された電圧VLIN を対象とする。
【0127】
求めた基準電圧範囲に従って、下位ビット符号化回路113は入力されたアナログ信号VINを表すディジタル信号の下位ビットを符号化する。出力バッファ回路114は、上位ビット符号化回路108によって符号化された上位ビットと下位ビット符号化回路113によって符号化された下位ビットとを合わせて、ディジタル信号出力端子115を介して出力する。
【0128】
なお、本実施形態では、下位ビット変換の高レベル基準電圧、低レベル基準電圧及びこれらの中央値電圧としてアナログ信号の電圧が属する基準電圧範囲の上限電圧、下限電圧及び中央値電圧を各々差動増幅して得た電圧を用いるものとしたが、本発明はこれに限るものでなく、下位ビット変換の高レベル基準電圧、低レベル基準電圧及びこれらの中央値電圧として上位ビット変換部141における任意の基準電圧範囲の上限電圧、下限電圧、中央値電圧を用いてもよい。
【0129】
図12は本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D変換装置の変形例の全体構成を示す回路図であり、下位ビット変換の高レベル基準電圧、低レベル基準電圧及びこれらの中央値電圧として上位ビット変換部141における所定の基準電圧範囲の上限電圧、下限電圧及び中央値電圧を差動増幅して用いるものである。図12において、図6に示す直並列型A/D変換装置と共通の構成要素には、図6と同一の符号を付している。図12において、アナログスイッチ107Aはスイッチング手段120にのみ電圧を出力する。下位ビット変換の高レベル基準電圧、低レベル基準電圧及びこれらの中央値電圧として上位ビット変換部141における所定の基準電圧範囲の上限電圧、下限電圧及び中央値電圧を差動増幅して用いる点以外は、図12に示す直並列型A/D変換装置は図6に示す直並列型A/D変換装置の構成と同様であり、図6に示す直並列型A/D変換装置と同様の効果が得られる。
【0130】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、下位ビット変換における基準電圧のセトリング時間が短縮されるので、従来よりも高速動作が可能になる。また、上位ビットデータの補正が簡易になると共に、補正回路の動作余裕も向上する。
【0131】
また、下位ビット変換部に要求される電圧分解能が緩和され、しかも下位ビット変換部の高レベル基準電圧及び低レベル基準電圧を入力アナログ電圧信号の変化に関わらず安定させることができる。
【0132】
また、入力アナログ電圧信号を増幅する差動増幅器の前にスイッチング手段を設けることによって、この差動増幅器から出力される下位ビット変換部の入力アナログ電圧信号が下位ビット変換部の高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間から外れないようにしたので、過渡現象に由来する変換誤差が小さくなる。
【0133】
また、各差動増幅器の負荷インピーダンスを合わせることによって、各電圧を増幅する際に、入力アナログ電圧信号とこの入力アナログ電圧信号が属する基準電圧範囲の上限電圧及び下限電圧との相対関係にずれを生じさせない。
【0134】
したがって、高速且つ高精度の直並列型A/D変換装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D変換器の回路構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D変換器における下位変換範囲の拡張方法を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D変換器において、上位ビットデータの補正が簡易になるメカニズムを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D変換器における上位ビットデータの補正方法を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D変換器を駆動する信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D変換装置の構成を示す回路図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D変換装置に用いる差動増幅器の構成の一例を示す回路図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D変換装置に用いるスイッチング手段の構成の一例を示す回路図である。
【図9】図8に示すスイッチング手段を用いたときの本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D変換装置の動作を説明するためのタイミング図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D変換装置に用いるスイッチング手段の構成の他の例を示す回路図である。
【図11】図10に示すスイッチング手段を用いたときの本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D変換装置の動作を説明するためのタイミング図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D変換装置の変形例の構成を示す回路図である。
【図13】従来の直並列型A/D変換装置の回路構成図である。
【図14】従来の他の直並列型A/D変換装置の構成を示す回路図である。
【図15】図13に示す従来の直並列型A/D変換装置における下位変換範囲の拡張方法を示す図である。
【図16】図13に示す従来の直並列型A/D変換装置において、上位ビットデータの補正が複雑になる理由を説明するための図である。
【図17】図13に示す従来の直並列型A/D変換装置において、上位ビットデータの補正が複雑になる理由を説明するための図である。
【図18】図13に示す従来の直並列型A/D変換装置における上位ビットデータの補正方法を示す図である。
【図19】図13に示す従来の直並列型A/D変換装置を駆動する信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図20】図14に示す従来の直並列型A/D変換装置の動作を説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
IN アナログ信号の電圧
RT 高レベル基準電圧
RB 低レベル基準電圧
H 下位ビット変換を行う電圧範囲の上限電圧
L 下位ビット変換を行う電圧範囲の下限電圧
M 下位ビット変換を行う電圧範囲の中央値電圧
SUBH 下位ビット変換の高レベル基準電圧
SUBL 下位ビット変換の低レベル基準電圧
SUBM 下位ビット変換の中央値基準電圧
15 上位バッファ
AMP1 第1の差動増幅器
AMP2 第2の差動増幅器
AMP3 第3の差動増幅器
AMP4 第4の差動増幅器
20 下位バッファ
21 補正回路
22 下位・上位バッファ
41 上位ビット変換部
42 下位ビット変換部
IN アナログ信号の電圧
HH 基準電圧範囲の上限電圧
HM 基準電圧範囲の中央値電圧
HL 基準電圧範囲の下限電圧
116a 第1の差動増幅器
116b 第2の差動増幅器
116c 第3の差動増幅器
116d 第4の差動増幅器
120 スイッチング手段
c 制御信号
124 抵抗
125 出力線
141 上位ビット変換部
142 下位ビット変換部

Claims (4)

  1. 入力されたアナログ信号を上位ビットと下位ビットとに分けてA/D変換する直並列型A/D変換装置であって、
    所定の高レベル基準電圧と所定の低レベル基準電圧との間を複数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲の中から前記アナログ信号の電圧が属する一の基準電圧範囲を求め、求めた一の基準電圧範囲を示すビットデータを上位ビットデータとして生成出力すると共に、前記一の基準電圧範囲に基づき定めた下位ビット変換を行う電圧範囲の上限電圧、下限電圧及び中央値電圧を出力する上位ビット変換部と、
    前記上位ビット変換部から出力された下位ビット変換を行う電圧範囲の中央値電圧及び前記アナログ信号を入力とし、前記中央値電圧を基準にして前記アナログ信号の電圧を増幅して得た信号を出力する第1の差動増幅器と、
    前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビット変換部から出力された下位ビット変換を行う電圧範囲の上限電圧及び中央値電圧を入力とし、前記中央値電圧を基準にして前記上限電圧を増幅して得た信号を出力する第2の差動増幅器と、
    前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビット変換部から出力された下位ビット変換を行う電圧範囲の下限電圧及び中央値電圧を入力とし、前記中央値電圧を基準にして前記下限電圧を増幅して得た信号を出力する第3の差動増幅器と、
    前記第2の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換の高レベル基準電圧とすると共に前記第3の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換の低レベル基準電圧とし、前記高レベル基準電圧と前記低レベル基準電圧との間を複数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲の中から前記第1の差動増幅器の出力電圧が属する基準電圧範囲を求め、求めた基準電圧範囲を示すビットデータを下位ビットデータとして生成出力する下位ビット変換部と、
    前記第1〜第3の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビット変換部から出力された下位ビット変換を行う中央値電圧を基準にしてこの中央値電圧を増幅して得た信号を出力する第4の差動増幅器を備え、
    前記下位ビット変換部は、前記第4の差動増幅器の出力電圧を、下位ビット変換における高レベル基準電圧から低レベル基準電圧までの電圧範囲の中央値基準電圧として、入力するものである
    ことを特徴とする直並列型A/D変換装置。
  2. 前記上位ビット変換部は、下位ビット変換を行う電圧範囲の上限電圧,下限電圧及び中央値電圧の代わりに、所定の電圧範囲の上限電圧,下限電圧及び中央値電圧並びに下位ビット変換を行う電圧範囲の中央値電圧を出力するものであり、
    前記第2の差動増幅器は、前記上位ビット変換部から出力された所定の電圧範囲の上限電圧及び中央値電圧を入力とし、前記中央値電圧を基準にして前記上限電圧を増幅するものであり、
    前記第3の差動増幅器は、前記上位ビット変換部から出力された所定の電圧範囲の下限電圧及び中央値電圧を入力とし、前記中央値電圧を基準にして前記下限電圧を増幅するものである
    ことを特徴とする請求項1記載の直並列型A/D変換装置。
  3. 上位ビット変換部は、生成された上位ビットデータを、与えられたパルス信号に従ってラッチして出力する上位バッファを備え、
    下位ビット変換部は、生成された下位ビットデータを、与えられたパルス信号に従ってラッチして出力する下位バッファを備え、
    当該直並列型A/D変換装置は、与えられたパルス信号に従って、前記上位バッファから出力された上位ビットデータ及び前記下位バッファから出力された下位ビットデータを合わせてラッチして出力する下位・上位バッファを備えている
    ことを特徴とする請求項1記載の直並列型A/D変換装置。
  4. 請求項1記載の直並列型A/D変換装置において、
    前記第4の差動増幅器は、前記下位ビット変換部に電圧を出力する出力線以外の出力線を有しており、この出力線は前記第1の差動増幅器の出力線と抵抗を介して接続されている
    ことを特徴とする直並列型A/D変換装置。
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