JP3181532B2 - 直並列型a/d変換装置 - Google Patents

直並列型a/d変換装置

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JP3181532B2
JP3181532B2 JP08660297A JP8660297A JP3181532B2 JP 3181532 B2 JP3181532 B2 JP 3181532B2 JP 08660297 A JP08660297 A JP 08660297A JP 8660297 A JP8660297 A JP 8660297A JP 3181532 B2 JP3181532 B2 JP 3181532B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アナログ信号をデ
ィジタル信号に変換するA/D変換装置に関するもので
あり、特にそのA/D変換処理を複数段に分けて行う直
並列型A/D変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は従来の直並列型A/D変換装置
の全体構成を示す回路図である。図13に示す直並列型
A/D変換装置は、上位2ビット下位2ビット(後述す
る補正ビットを含めると下位3ビット)の4ビットA/
D変換装置である。
【0003】図13において、1はサンプルホールドさ
れたA/D変換対象の入力アナログ信号の電圧VINが印
加される入力端子、2は高レベル基準電圧VRTが印加さ
れる端子、3は低レベル基準電圧VRBが印加される端
子、4はA/D変換の結果得られた4ビットのディジタ
ル信号D0 〜D3 の出力端子である。
【0004】また、51は直列に接続された抵抗値の等
しい8(=23 )個の抵抗RU1〜RU8からなる上位抵抗
列、52は4(=22 )個の差動変換器DEA1 〜DE
4からなる差動変換器列、53は4(=22 )個のス
イッチSW1 〜SW4 からなるスイッチ回路、54は3
(=22 −1)個のコンパレータCMU1〜CMU3からな
る上位コンパレータ列、55は上位エンコーダであり、
これらによって上位ビット変換部が構成されている。5
6は直列に接続された抵抗値の等しい8(=23 )個の
抵抗RL1〜RL8からなる下位抵抗列、57は7(=23
−1)個のコンパレータCML1〜CL7からなる下位コン
パレータ列、58は下位エンコーダであり、これらによ
って下位ビット変換部が構成されている。また、59は
上位ビットデータを補正する補正回路、60は下位・上
位バッファである。
【0005】入力端子1は、差動変換器列52を構成す
る各差動変換器DEA1 〜DEA4の−側入力端子、上
位コンパレータ列54を構成する各コンパレータCMU1
〜CMU3の+側入力端子、及び下位コンパレータ列57
を構成する各コンパレータCML1〜CML7の+側入力端
子に接続されている。
【0006】上位抵抗列51は、各抵抗間に7(=23
−1)個の分割点を持ち、端子2に印加された高レベル
基準電圧VRTと端子3に印加された低レベル基準電圧V
RBとの間の電圧を分割する。上位抵抗列51の分割点の
うち、奇数番目の分割点は各差動変換器DEA1 〜DE
4 の+側入力端子に接続され、偶数番目の分割点は各
コンパレータCMU1〜CMU3の−側入力端子に接続され
ている。
【0007】スイッチ回路53は、上位コンパレータ列
54の出力信号に従って隣り合う3個の差動変換器DE
N ,DEAN+1 ,DEAN+2 を選択し、差動変換器D
EAN+2 ,DEAN+1 ,DEAN の出力電圧をそれぞ
れ、下位ビット変換のための高レベル基準電圧SU
H 、中央値基準電圧SUBM 、低レベル基準電圧SU
Lとして下位抵抗列56に出力する。
【0008】下位抵抗列56は、各抵抗間に7(=23
−1)個の分割点を持ち、スイッチ回路53から出力さ
れた高レベル基準電圧SUBH と低レベル基準電圧SU
Lとの間の電圧を分割する。下位抵抗列56の各分割
点は、下位コンパレータ列57を構成する各コンパレー
タCML1〜CML7の−側入力端子に接続されている。
【0009】上位エンコーダ55は、上位コンパレータ
列54の出力信号を上位ビットデータに変換する。ま
た、下位エンコーダ58は、下位コンパレータ列57の
出力信号を下位ビットデータに変換する。補正回路59
は、上位エンコーダ55から出力された上位ビットデー
タを下位エンコーダ58から出力された下位ビットデー
タを用いて補正する。
【0010】下位・上位バッファ60は、下位エンコー
ダ58から出力された下位ビットデータ及び補正回路5
9によって補正された上位ビットデータを合わせて4ビ
ットデータD0 〜D3 とし、出力端子4に出力する。
【0011】なお、上位コンパレータ列54を構成する
コンパレータCMU1〜CMU3はクロック信号CKUに従
って動作する一方、下位コンパレータ列57を構成する
コンパレータCML1〜CML7はクロック信号CKLに従
って動作する。また、下位・上位バッファ60はクロッ
ク信号CLKの立ち上がりに従って動作する。
【0012】図13に示す従来の直並列型A/D変換装
置の動作について説明する。
【0013】まず、上位ビット変換部の動作について説
明する。いま、入力信号の電圧VINが、コンパレータC
U1の−側入力端子に接続された分割点(抵抗RU2とR
U3との間の分割点)の電圧とコンパレータCMU2の−側
入力端子に接続された分割点(抵抗RU4とRU5との間の
分割点)の電圧の間にあるものとする。
【0014】このとき、コンパレータCMU1の出力信号
は“H”レベルになると共にコンパレータCMU2,CM
U3の出力信号は“L”レベルになり、この上位コンパレ
ータ列54の出力信号は、上位エンコーダ55によって
上位ビットデータに変換される。
【0015】一方、スイッチ回路53は、上位コンパレ
ータ列54の出力信号に従って、差動変換器DEA1
DEA2 ,DEA3 の出力電圧が各々下位ビット変換の
基準電圧SUBL ,SUBM ,SUBH として出力され
るように、スイッチSW1 〜SW4 を制御する。これに
より、下位抵抗列56には、差動変換器DEA3 の出力
電圧が高レベル基準電圧SUBH として印加され、差動
変換器DEA2 の出力電圧が中央値基準電圧SUBM
して中央の分割点(抵抗RL4とRL5との間の分割点)に
印加され、差動変換器DEA1 の出力電圧が低レベル基
準電圧SUBLとして印加される。
【0016】次に、下位ビット変換部の動作について説
明する。下位抵抗列56は、高レベル基準電圧SUBH
と中央値基準電圧SUBM との間を22 個の抵抗で分割
し、中央値基準電圧SUBM と低レベル基準電圧SUB
L との間を22 個の抵抗で分割する。すなわち、高レベ
ル基準電圧SUBH と低レベル基準電圧SUBL との間
を23 個の抵抗で分割する。下位コンパレータ列57を
構成する各コンパレータCML1〜CML7は、下位抵抗列
56の各分割点電圧と入力信号の電圧VINとを比較し、
比較結果を表す信号を出力する。下位エンコーダ58
は、下位コンパレータ列57の出力信号を下位ビットデ
ータに変換する。
【0017】図14は従来の他の直並列型A/D変換装
置の構成を示す回路図である。図14に示す直並列型A
/D変換装置は、大別して上位ビット変換部、下位ビッ
ト変換部、出力部の3つの部分から構成される。図14
において、151はアナログ信号入力端子、152は上
位ビット側高レベル基準電圧端子、153は上位ビット
側低レベル基準電圧端子、154はサンプルホールド回
路、155は上位ビット側タップ抵抗、156は上位ビ
ット側比較器、157はアナログスイッチ、158は上
位ビット符号化回路、159は下位ビット側高レベル基
準電圧端子、160は下位ビット側低レベル基準電圧端
子、161は下位ビット側タップ抵抗、162は下位ビ
ット側比較器、163は下位ビット符号化回路、164
は出力バッファ回路、165はディジタル信号出力端
子、171は第1の減算アンプ回路、172は第2の減
算アンプ回路である(特開平5−110437号公報参
照)。
【0018】図14に示す従来の直並列型A/D変換装
置の動作について説明する。
【0019】アナログ信号入力端子151に入力された
アナログ信号はサンプルホールド回路154によってサ
ンプリングされて、上位ビットA/D変換期間から下位
ビットA/D変換期間までにわたって一定電圧に保持さ
れる。上位ビット側比較器156は、上位ビット側高レ
ベル基準電圧端子152と上位ビット側低レベル基準電
圧端子153との間の電圧を上位ビット側タップ抵抗1
55により抵抗分割して得られた各基準電圧信号と、サ
ンプルホールド回路154によって保持されたアナログ
信号の電圧とを比較し、このアナログ信号の電圧が属す
る基準電圧範囲を求める。この結果に従って、アナログ
信号は上位ビット符号化回路158によって上位ビット
のディジタル値に符号化される。
【0020】さらに細分化したディジタル値を得るため
に、上位ビット変換部は、アナログ信号の電圧が属する
基準電圧範囲の上限電圧を下位ビット側高レベル基準電
圧端子159に伝えると共に、前記基準電圧範囲の上限
電圧と下限電圧との差電圧を第2の減算アンプ172に
よって増幅して得られた電圧を下位ビット側低レベル基
準電圧端子160に伝える。
【0021】下位ビット側比較器162は、下位ビット
側高レベル基準電圧端子159と下位ビット側低レベル
基準電圧端子160との間の電圧を下位ビット側タップ
抵抗161により抵抗分割して得られた各基準電圧信号
と、前記基準電圧範囲の上限電圧とアナログ信号の電圧
との差電圧を第1の減算アンプ回路171によって増幅
して得られた下位ビット変換部の入力電圧とを比較し、
この入力電圧が属する基準電圧範囲を求める。この結果
に従って、アナログ信号は下位ビット側符号化回路16
3によって下位ビットのディジタル値に符号化される。
出力バッファ回路164は、上位ビット符号化回路15
8によって符号化された上位ビットのディジタル値と、
下位ビット符号化回路163によって符号化された下位
ビットのディジタル値とをディジタル信号出力端子16
5を介して出力する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
直並列型A/D変換装置には以下のような問題がある。
【0023】図13に示すような従来の直並列型A/D
変換装置では、上位ビット変換部内に上位コンパレータ
列54以外に差動変換器列52を備えており、上位コン
パレータ列54が決定した入力信号の電圧VINを含む電
圧範囲の上限電圧及び下限電圧を、それぞれ電圧VIN
基準に増幅して下位ビット変換部に伝達している。
【0024】図15は図13に示すような従来の直並列
型A/D変換装置における下位ビット変換範囲の拡張の
仕方を説明するための図である。図15において、51
Aは上位抵抗列、52Aは差動変換器列、54Aは上位
コンパレータ列であり、説明に必要な部分以外は省略し
ている。
【0025】いま、入力信号の電圧VINは、上位コンパ
レータCMU(n-1)の基準電圧Vc(n-1)と上位コンパレー
タCMU(n)の基準電圧Vc(n)との間にあるものとする。
このとき、上位コンパレータCMU(n-1)以下のコンパレ
ータの出力信号は“H”レベルになると共に上位コンパ
レータCMU(n)以上のコンパレータの出力信号は“L”
レベルになり、スイッチ回路53によって差動変換器D
EAn-1 ,DEAn ,DEAn+1 が選択される。
【0026】このとき、差動変換器DEAn-1 は、分割
点電圧Vc(n-1)の下隣の分割点電圧Vr(n-1)を入力信号
の電圧VINを基準にして増幅し、低レベル基準電圧SU
Lとして出力する。差動変換器DEAn は、分割点電
圧Vc(n-1)とVc(n)との間の分割点電圧Vr(n)を入力信
号の電圧VINを基準にして増幅し、中央値基準電圧SU
M として出力する。また、差動変換器DEAn+1 は、
分割点電圧Vc(n)の上隣の分割点電圧Vr(n+1)を入力信
号の電圧VINを基準にして増幅し、高レベル基準電圧S
UBH として出力する。
【0027】例えば、9ビット(上位5ビット下位4ビ
ット)の直並列型A/D変換装置とすると、図15に示
すように、上位ビット変換の最小単位(Vc(n)−V
c(n-1))が16ステップであり、下位ビット変換の範囲
(Vr(n+1)−Vr(n-1))が32ステップである。また、
図15では各差動変換器DEAn-1 ,DEAn ,DEA
n+1 の利得を2倍としている。
【0028】いま、入力信号の電圧VINが電圧Vr(n)
り4ステップ高電位側のところにあるとすると、電圧V
r(n+1)と入力信号の電圧VINとの差は12ステップであ
るので、高レベル基準電圧SUBH は入力信号の電圧V
INより24ステップ高電位側に発生する。また、入力信
号の電圧VINと電圧Vr(n)との差は4ステップであるの
で、中央値基準電圧SUBM は入力信号の電圧VINより
8ステップ低電位側に発生する。さらに、入力信号の電
圧VINと電圧Vr(n-1)との差は20ステップであるの
で、低レベル基準電圧SUBL は入力信号の電圧VIN
り40ステップ低電位側に発生する。
【0029】このように、従来の直並列型A/D変換装
置では、下位ビット変換部に伝達される基準電圧SUB
H 、SUBM 、SUBL は、各々の差は一定ではある
が、値そのものは入力信号の電圧VINによって変化す
る。このため、下位ビット変換部は、動作を開始する前
に基準電圧のセトリングを待たなければならず、したが
って、A/D変換の高速化が困難であるという問題があ
った。
【0030】また、図13に示すような従来の直並列型
A/D変換器には、上位ビットデータに対して複雑な補
正が必要になるという問題もあった。
【0031】図16は従来の直並列型A/D変換器にお
いて上位ビットデータに対して複雑な補正が必要になる
メカニズムを説明するための図であり、図13に示すよ
うな上位2ビットの直並列型A/D変換器を示してい
る。図16において、51は上位抵抗列、54は上位コ
ンパレータ列である。
【0032】図16に示すように、入力信号の電圧VIN
が上位コンパレータCMU1の基準電圧Vc1より低いとき
は上位ビットデータは“0”であり、同様に、電圧Vc1
より高く上位コンパレータCMU2の基準電圧Vc2より低
いときは“1”、電圧Vc2より高く上位コンパレータC
U3の基準電圧Vc3より低いときは“2”、電圧Vc3
り高いときは“3”である(10進数表現による)。
【0033】ところが、例えば上位ビットデータが
“1”になるとき、下位ビット変換を行う電圧範囲の下
限電圧は分割抵抗RU1とRU2との間の分割点電圧であ
り、上限電圧は分割抵抗RU5とRU6との間の分割点電圧
である。つまり、下位ビット変換を行う電圧範囲は、上
位ビットデータが“0”である範囲の上半分から上位ビ
ットデータが“2”である範囲の下半分まで拡張されて
いる。このため、上位ビットデータに対し、1を加算す
るか、1を減算するか、加算・減算を行わないかの3通
りの補正が必要になる。
【0034】図17は、図16と同様に、図13に示す
ような従来の直並列型A/D変換器において上位ビット
データに対して複雑な補正が必要になるメカニズムを説
明するための図であり、(a),(b),(c)はそれ
ぞれ、上位ビットデータが“0”,“2”,“3”の場
合を示している。なお、図17(a)のように上位ビッ
トデータが“0”の場合は、低レベル基準電圧VRBを越
えて下位ビット変換範囲を拡張する必要はなく、図17
(c)のように上位ビットデータが“3”の場合は、高
レベル基準電圧VRTを越えて下位ビット変換範囲を拡張
する必要はない。
【0035】図18は図13に示すような従来の直並列
型A/D変換器における上位ビットデータの補正方法を
示す図であり、下位ビットデータが2ビット(補正用ビ
ットを含めて3ビット)の場合を示している。図18に
示すように、下位ビットデータの上位2ビットが“1
1”のとき上位ビットデータに1を加算すると共に第2
ビットを“0”に反転する一方、上位2ビットが“0
0”のとき上位ビットデータから1を減算すると共に第
2ビットを“1”に反転する。
【0036】図18に示すように、下位ビットデータに
よる上位ビットデータの補正は、1を加算する場合,1
を減算する場合,加算・減算を行わない場合の3通りが
必要になり、補正回路が複雑になるという問題があっ
た。
【0037】さらに、図13に示すような従来の直並列
型A/D変換装置には、他の問題もあった。
【0038】図19は図13に示す従来の直並列型A/
D変換装置を駆動するクロック信号のタイミングを示す
タイミングチャートである。図19に示すように、入力
信号の電圧VINがサンプルホールドされている期間の前
半においてクロック信号CKUが発生する一方、後半に
おいてクロック信号CKLが発生する。また、クロック
信号CKUと同一タイミングで立ち上がりかつクロック
信号CKUよりもデューティ比の小さくないクロック信
号CLKが発生する。上位コンパレータ列54はクロッ
ク信号CKUのタイミングで信号を出力し、下位コンパ
レータ列57はクロック信号CKLのタイミングで信号
を出力する。下位・上位バッファ60はクロック信号C
LKの立ち上がりのタイミングで、補正された上位ビッ
トデータ及び下位ビットデータをラッチする。
【0039】図19に示すようなタイミングによると、
Nサイクルにおけるクロック信号CKLによって下位コ
ンパレータ列57が信号を出力した後、(N+1)サイ
クルにおけるクロック信号CKUによって上位コンパレ
ータ列54が新たに信号を出力するまでの間に、下位エ
ンコーダ58によって下位コンパレータ列57の出力信
号を下位ビットデータに変換し、さらに補正回路59に
よって上位ビットデータの補正を行う必要がある。言い
換えると、クロック信号CKLが発生してから次のクロ
ック信号CKUが発生するまでの時間は、補正回路59
の動作余裕時間よりも長くなければならない。このた
め、A/D変換の高速化が困難であるという問題があっ
た。
【0040】以上のような問題に鑑み、本発明は、従来
よりも高速動作が可能であり、しかも上位ビットデータ
の補正が簡易である直並列型A/D変換装置を提供する
ことを第1の課題とする。
【0041】また、従来の直並列型A/D変換装置には
以下のような問題がある。
【0042】図20は従来の直並列型A/D変換装置に
おける課題を説明するための図であり、かつ図14に示
す従来の直並列型A/D変換装置の動作を説明するため
の図である。同図中、(a)は第1の減算アンプ171
の入力となる、サンプルホールド回路154によって保
持されたアナログ信号の電圧VIN及びこの電圧VINが属
する基準電圧範囲の上限電圧VHHの変化を示すグラフ、
(b)は第1の減算アンプ171から出力される下位ビ
ット変換部の入力電圧VLIN 並びに下位ビット変換部の
高レベル基準電圧VLH及び低レベル基準電圧VLLの変化
を示すグラフ、(c)は下位ビット側比較器162の動
作タイミングを示すグラフである。
【0043】まず、図14に示す従来の直並列型A/D
変換装置では、オペアンプ型減算アンプ171,172
を用いて、アナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範
囲の上限電圧VHHを基準にアナログ信号の電圧VIN及び
当該基準電圧範囲の下限電圧を増幅し、増幅した電圧を
それぞれ下位ビット変換部の入力電圧VLIN 及び低レベ
ル基準電圧VLLとして用いている。このような構成によ
り、下位ビット変換部の下位ビット側比較器162に要
求される電圧分解能を緩和している。また、下位ビット
変換部の高レベル基準電圧VHHとしてアナログ信号の電
圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHHをそのまま
用いている。
【0044】そのため、このような構成では、図20
(a),(b)に示すように、アナログ信号の電圧VIN
が変化し、上位ビット変換部においてアナログ信号の電
圧VINが属する基準電圧範囲が変化すると、これに伴っ
て下位ビット変換部の高レベル基準電圧VLH及び低レベ
ル基準電圧VLLが変化することになる。したがって、高
レベル基準電圧VLH及び低レベル基準電圧VLLが安定す
るまでの過渡遅延によってA/D変換速度が制限される
という問題がある。
【0045】また、図20(a)に示すように、アナロ
グ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHH
は上位ビット側比較器156における演算結果によって
作動するアナログスイッチ157を通るので、その分、
上限電圧VHHが決定されるタイミングはアナログ信号の
電圧VINがサンプリングされるタイミングに対して遅延
することになる。その結果、第1の減算アンプ171に
おいて、増幅する対象となる電圧すなわちアナログ信号
の電圧VINと増幅の基準となる電圧すなわちアナログ信
号の電圧VINが属する基準電圧範囲の上限電圧VHHとが
合致する期間(期間A)と合致しない期間(期間B)と
が生じる。
【0046】このため、図20(b)に示すように、第
1の減算アンプ171から出力される下位ビット変換部
の入力電圧VLIN は、期間Aでは、下位ビット変換部の
高レベル基準電圧VLHと低レベル基準電圧VLLとの間に
存在するが、期間Bでは、アナログ信号の電圧とこれを
含む基準電圧範囲の上限電圧及び下限電圧との相対関係
が崩れるため、下位ビット変換部の高レベル基準電圧V
LHと低レベル基準電圧VLLとの間から大きく外れてしま
う。また、期間Aでも、期間Bから期間Aに移るときの
過渡現象によって、下位ビット変換部の入力電圧VLIN
は高レベル基準電圧VLHと低レベル基準電圧VLLとの間
から外れてしまう。
【0047】ここで、下位ビット変換部の高レベル基準
電圧VLH及び低レベル基準電圧VLLもまた過渡現象によ
って変化するので、例えば図20(c)に示すように期
間Aに移ってから下位ビット側比較器162のラッチ動
作までの時間が短いとき、A/D変換によって得られる
ディジタル値に大きな誤差が生じる可能性がある。した
がって、直並列型A/D変換装置に高速動作をさせる場
合、変換精度が低下するという問題があった。
【0048】さらに、図14に示すように、アナログ信
号の電圧VINを増幅する第1の減算アンプ171はその
入力インピーダンスがハイである下位ビット側比較器1
62に接続される一方、下限電圧を増幅する第2の減算
アンプ172は下位ビット側タップ抵抗161に接続さ
れる。すなわち、第1の減算アンプ171と第2の減算
アンプ172とでは、それぞれの出力に負荷されるイン
ピーダンスが異なる。このため、上位ビット変換部にお
けるアナログ信号の電圧とこの電圧が属する基準電圧範
囲との相対関係は、誤差が加わった形で下位ビット変換
部に伝えられることになり、これにより変換精度が低下
するという問題が生じていた。
【0049】前記の問題に鑑み、本発明は、直並列型A
/D変換装置において、その高速且つ高精度化を図る上
で、下位ビット変換部に要求される電圧分解能が緩和さ
れ、しかも下位ビット変換の際に変換速度の制限がなく
変換誤差も生じないようにすることを第2の課題とす
る。
【0050】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明が講じた
解決手段は、入力されたアナログ信号を上位ビットと下
位ビットとに分けてA/D変換する直並列型A/D変換
装置として、所定の高レベル基準電圧と所定の低レベル
基準電圧との間を複数の基準電圧範囲に区分し、区分し
た複数の基準電圧範囲の中から前記アナログ信号の電圧
が属する一の基準電圧範囲を求め、求めた一の基準電圧
範囲を示すビットデータを上位ビットデータとして生成
出力すると共に、前記一の基準電圧範囲に基づき定めた
下位ビット変換を行う電圧範囲の上限電圧、下限電圧及
び中央値電圧を出力する上位ビット変換部と、前記上位
ビット変換部から出力された下位ビット変換を行う電圧
範囲の中央値電圧及び前記アナログ信号を入力とし、前
記中央値電圧を基準にして前記アナログ信号の電圧を増
幅する第1の差動増幅器と、前記第1の差動増幅器と同
じ利得を有し、前記上位ビット変換部から出力された下
位ビット変換を行う電圧範囲の上限電圧及び中央値電圧
を入力とし、前記中央値電圧を基準にして前記上限電圧
を増幅する第2の差動増幅器と、前記第1及び第2の差
動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビット変換部から
出力された下位ビット変換を行う電圧範囲の下限電圧及
び中央値電圧を入力とし、前記中央値電圧を基準にして
前記下限電圧を増幅する第3の差動増幅器と、前記第2
の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換の高レベル基
準電圧とすると共に前記第3の差動増幅器の出力電圧を
下位ビット変換の低レベル基準電圧とし、前記高レベル
基準電圧と前記低レベル基準電圧との間を複数の基準電
圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲の中から
前記第1の差動増幅器の出力電圧が属する基準電圧範囲
を求め、求めた基準電圧範囲を示すビットデータを下位
ビットデータとして生成出力する下位ビッ ト変換部とを
備え、前記上位ビット変換部は、区分した複数の基準電
圧範囲の各中央値電圧と前記アナログ信号の電圧とを比
較することにより前記アナログ信号の電圧が一方の中央
値電圧よりも高く他方の中央値電圧よりも低い隣り合う
2つの基準電圧範囲を選択し、この隣り合う2つの基準
電圧範囲のいずれか一方を示すビットデータを上位ビッ
トデータとすると共に前記隣り合う2つの基準電圧範囲
を合わせて下位ビット変換の電圧範囲とするものであ
り、かつ、前記隣り合う2つの基準電圧範囲のうち電圧
の低い方を示すビットデータを上位ビットデータとして
出力するものであり、当該直並列型A/D変換装置は、
前記下位ビット変換部から出力された下位ビットデ−タ
のMSBが“1”であるとき、前記上位ビット変換部か
ら出力された上位ビットデータに“1”を加算する補正
を行うものである。
【0051】請求項1の発明によると、下位ビット変換
における高レベル基準電圧は、下位ビット変換を行う電
圧範囲の上限電圧が、第2の差動増幅器によって前記電
圧範囲の中央値電圧を基準にして高電圧側に増幅される
ことによって得られる。また、下位ビット変換における
低レベル基準電圧は、下位ビット変換を行う電圧範囲の
下限電圧が、第3の差動増幅器によって前記電圧範囲の
中央値電圧を基準にして低電圧側に増幅されることによ
って得られる。このため、下位ビット変換における高レ
ベル基準電圧及び低レベル基準電圧は入力されたアナロ
グ信号の電圧によって変化することがなく、セトリング
時間が短縮される。また、各基準電圧範囲の電圧も安定
するので、下位ビット変換の分解能も向上する。さら
に、入力されたアナログ信号の電圧は、第1の差動増幅
器によって前記電圧範囲の中央値電圧を基準にして前記
第2及び第3の差動増幅器と等しい増幅率で増幅されて
から下位ビット変換部に与えられるので、下位ビット変
換の精度が従来より低下することはない。
【0052】さらに、1つの上位ビットデータは、隣り
合う2つの基準電圧範囲のいずれか一方を示す。この隣
り合う2つの基準電圧範囲は下位ビット変換の電圧範囲
になるので、下位ビットデータのMSBは入力信号の電
圧が隣り合う2つの基準電圧範囲のいずれに属するかを
示すことになる。したがって、下位ビットデータのMS
Bを用いることによって上位ビットデータを容易に補正
することができる。
【0053】請求項2の発明が講じた解決手段は、入力
されたアナログ信号を上位ビットと下位ビットとに分け
てA/D変換する直並列型A/D変換装置として、所定
の高レベル基準電圧と所定の低レベル基準電圧との間を
複数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧
範囲の中から前記アナログ信号の電圧が属する基準電圧
範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って上位ビットの
符号化を行う上位ビット変換部と、前記上位ビット変換
部によって求められた基準電圧範囲の中央値電圧を基準
にして、前記アナログ信号の電圧を増幅する第1の差動
増幅器と、前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前
記上位ビット変換部によって求められた基準電圧範囲の
中央値電圧を基準にしてこの基準電圧範囲の上限電圧を
増幅する第2の差動増幅器と、前記第1及び第2の差動
増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビット変換部によっ
て求められた基準電圧範囲の中央値電圧を基準にしてこ
の基準電圧範囲の下限電圧を増幅する第3の差動増幅器
と、前記第2の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換
の高レベル基準電圧とすると共に前記第3の差動増幅器
の出力電圧を下位ビット変換の低レベル基準電圧とし、
この高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間を複数
の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲
の中から前記第1の差動増幅器の出力電圧が属する基準
電圧範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って下位ビッ
トの符号化を行う下位ビット変換部と、前記上位ビット
変換部と前記第1の差動増幅器との間に設けられ、与え
られた制御信号に従って、前記上位ビット変換部によっ
て求められた基準電圧範囲の中央値電圧を前記第1の差
動増幅器に基準電圧として出力すると共に前記アナログ
信号の電圧を前記第1の差動増幅器に増幅対象の電圧と
して出力する第1の状態と、前記上位ビット変換部によ
って求められた基準電圧範囲の中央値電圧を前記第1の
差動増幅器に基準電圧及び増幅対象の電圧として出力す
る第2の状態とを切り換えるスイッチング手段とを備え
たものである。
【0054】請求項3の発明が講じた解決手段は、入力
されたアナログ信号を上位ビットと 下位ビットとに分け
てA/D変換する直並列型A/D変換装置として、所定
の高レベル基準電圧と所定の低レベル基準電圧との間を
複数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧
範囲の中から前記アナログ信号の電圧が属する基準電圧
範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って上位ビットの
符号化を行う上位ビット変換部と、前記上位ビット変換
部によって求められた基準電圧範囲の中央値電圧を基準
にして、前記アナログ信号の電圧を増幅する第1の差動
増幅器と、前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前
記上位ビット変換部によって求められた基準電圧範囲の
中央値電圧を基準にしてこの基準電圧範囲の上限電圧を
増幅する第2の差動増幅器と、前記第1及び第2の差動
増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビット変換部によっ
て求められた基準電圧範囲の中央値電圧を基準にしてこ
の基準電圧範囲の下限電圧を増幅する第3の差動増幅器
と、前記第2の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換
の高レベル基準電圧とすると共に前記第3の差動増幅器
の出力電圧を下位ビット変換の低レベル基準電圧とし、
この高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間を複数
の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲
の中から前記第1の差動増幅器の出力電圧が属する基準
電圧範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って下位ビッ
トの符号化を行う下位ビット変換部と、前記上位ビット
変換部と前記第1の差動増幅器との間に設けられ、与え
られた制御信号に従って、前記上位ビット変換部によっ
て求められた基準電圧範囲の中央値電圧を前記第1の差
動増幅器に基準電圧として出力すると共に前記アナログ
信号の電圧を前記第1の差動増幅器に増幅対象の電圧と
して出力する第1の状態と、前記アナログ信号の電圧を
前記第1の差動増幅器に基準電圧及び増幅対象の電圧と
して出力する第2の状態とを切り換えるスイッチング手
段とを備えたものである。
【0055】請求項4の発明が講じた解決手段は、入力
されたアナログ信号を上位ビットと下位ビットとに分け
てA/D変換する直並列型A/D変換装置として、所定
の高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間を複数の
基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲の
中から前記アナログ信号の電圧が属する基準電圧範囲を
求め、求めた基準電圧範囲に従って上位ビットの符号化
を行う上位ビット変換 部と、前記上位ビット変換部によ
って求められた基準電圧範囲の中央値電圧を基準にして
前記アナログ信号の電圧を増幅する第1の差動増幅器
と、前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位
ビット変換部において区分した複数の基準電圧範囲の中
の一の基準電圧範囲の中央値電圧を基準にしてこの一の
基準電圧範囲の上限電圧を増幅する第2の差動増幅器
と、前記第1及び第2の差動増幅器と同じ利得を有し、
前記上位ビット変換部において区分した複数の基準電圧
範囲の中の一の基準電圧範囲の中央値電圧を基準にして
この一の基準電圧範囲の下限電圧を増幅する第3の差動
増幅器と、前記第2の差動増幅器の出力電圧を下位ビッ
ト変換の高レベル基準電圧とすると共に前記第3の差動
増幅器の出力電圧を下位ビット変換の低レベル基準電圧
とし、この高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間
を複数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電
圧範囲の中から前記第1の差動増幅器の出力電圧が属す
る基準電圧範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って下
位ビットの符号化を行う下位ビット変換部と、前記上位
ビット変換部と前記第1の差動増幅器との間に設けら
れ、与えられた制御信号に従って、前記上位ビット変換
部によって求められた基準電圧範囲の中央値電圧を前記
第1の差動増幅器に基準電圧として出力すると共に前記
アナログ信号の電圧を前記第1の差動増幅器に増幅対象
の電圧として出力する第1の状態と、前記上位ビット変
換部によって求められた基準電圧範囲の中央値電圧を前
記第1の差動増幅器に基準電圧及び増幅対象の電圧とし
て出力する第2の状態とを切り換えるスイッチング手段
とを備えたものである。
【0056】請求項5の発明が講じた解決手段は、入力
されたアナログ信号を上位ビットと下位ビットとに分け
てA/D変換する直並列型A/D変換装置として、所定
の高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間を複数の
基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲の
中から前記アナログ信号の電圧が属する基準電圧範囲を
求め、求めた基準電圧範囲に従って上位ビットの符号化
を行う上位ビット変換部と、前記上位ビット変換部によ
って求められた基準電圧範囲の中央値電圧を基準にして
前記アナログ信号の電圧を増幅する第1の差動増幅器
と、前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位
ビット変換部において区分した複数の基準 電圧範囲の中
の一の基準電圧範囲の中央値電圧を基準にしてこの一の
基準電圧範囲の上限電圧を増幅する第2の差動増幅器
と、前記第1及び第2の差動増幅器と同じ利得を有し、
前記上位ビット変換部において区分した複数の基準電圧
範囲の中の一の基準電圧範囲の中央値電圧を基準にして
この一の基準電圧範囲の下限電圧を増幅する第3の差動
増幅器と、前記第2の差動増幅器の出力電圧を下位ビッ
ト変換の高レベル基準電圧とすると共に前記第3の差動
増幅器の出力電圧を下位ビット変換の低レベル基準電圧
とし、この高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間
を複数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電
圧範囲の中から前記第1の差動増幅器の出力電圧が属す
る基準電圧範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って下
位ビットの符号化を行う下位ビット変換部と、前記上位
ビット変換部と前記第1の差動増幅器との間に設けら
れ、与えられた制御信号に従って、前記上位ビット変換
部によって求められた基準電圧範囲の中央値電圧を前記
第1の差動増幅器に基準電圧として出力すると共に前記
アナログ信号の電圧を前記第1の差動増幅器に増幅対象
の電圧として出力する第1の状態と、前記アナログ信号
の電圧を前記第1の差動増幅器に基準電圧及び増幅対象
の電圧として出力する第2の状態とを切り換えるスイッ
チング手段とを備えたものである。
【0057】請求項2または4の発明により、アナログ
信号の電圧と上位ビット変換部によって決定された基準
電圧範囲の中央値電圧とのタイミングが合致しないと
き、スイッチング手段を第2の状態に切り替えることに
よって、上位ビット変換部によって求められた基準電圧
範囲の中央値電圧を第1の差動増幅器に基準電圧及び増
幅対象の電圧として出力する。このため、タイミングの
ずれによってアナログ信号の電圧と上位ビット変換部に
よって求められた基準電圧範囲の中央値電圧とが大きく
異なっても、第1の差動増幅器は所定の電圧を出力す
る。これにより、第1の差動増幅器の出力電圧が下位ビ
ット変換部の高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との
間から外れることがなくなるので、過渡現象に由来する
変換速度の制限がなく、得られる下位ビットに誤差は生
じない。
【0058】請求項3または5の発明により、アナログ
信号と上位ビット変換部によって求められた基準電圧範
囲の中央値電圧とのタイミングが合致しないとき、スイ
ッチング手段を第2の状態に切り替えることによって、
アナログ信号の電圧を第1の差動増幅器に基準電圧及び
増幅対象の電圧として出力する。このため、タイミング
のずれによってアナログ信号の電圧と上位ビット変換部
によって求められた基準電圧範囲の中央値電圧とが大き
く異なっても、第1の差動増幅器は所定の電圧を出力す
る。これにより、第1の差動増幅器の出力電圧が下位ビ
ット変換部の高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との
間から外れることがなくなるので、過渡現象に由来する
変換速度の制限がなく、得られる下位ビットに誤差は生
じない。
【0059】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態) 以下、本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D変
換装置について、図面を参照しながら説明する。
【0060】図1は本実施形態に係る直並列型A/D変
換装置の全体構成を示す回路図である。図1に示す装置
は、上位2ビット下位2ビット(補正ビットを含めると
下位3ビット)の4ビットA/D変換装置である。
【0061】図1において、1はサンプルホールドされ
たA/D変換対象の入力アナログ信号の電圧VINが印加
される入力端子、2は高レベル基準電圧VRTが印加され
る端子、3は低レベル基準電圧VRBが印加される端子、
4はA/D変換の結果得られた4ビットのディジタル信
号D0 〜D3 が出力される出力端子である。
【0062】また、11は直列に接続された抵抗値の等
しい8(=23 )個の抵抗RU1〜RU8からなる上位抵抗
列、12は2(=22 −2)個のコンパレータCMU1
CMU2からなる上位コンパレータ列、13は3(=22
−1)個のスイッチSW1 〜SW3 からなるスイッチ回
路、14は上位ビットデータを符号化する上位エンコー
ダ、15は上位バッファ、16は同一特性を有し利得が
等しい4個の差動増幅器AMP1 〜AMP4 からなる差
動増幅器列、17は直列に接続された抵抗値の等しい8
(=23 )個の抵抗RL1〜RL8からなる下位抵抗列、1
8は7(=23−1)個のコンパレータCML1〜CML7
からなる下位コンパレータ列、19は下位ビットデータ
を符号化する下位エンコーダ、20は下位バッファ、2
1は上位ビットデータを補正する補正回路、22は下位
・上位バッファである。
【0063】図13と比較すると、上位抵抗列11は上
位抵抗列51と、下位抵抗列17は下位抵抗列56と、
下位コンパレータ列18は下位コンパレータ列57と、
下位エンコーダ19は下位エンコーダ58と、それぞれ
同じ構成からなる。
【0064】上位抵抗列11、上位コンパレータ列1
2、スイッチ回路13、上位エンコーダ14、上位バッ
ファ15によって上位ビット変換部41が構成されてい
る。また、下位抵抗列17、下位コンパレータ列18、
下位エンコーダ19、下位バッファ20によって下位ビ
ット変換部42が構成されている。
【0065】入力端子1は、上位コンパレータ列12を
構成する各コンパレータ(以下、上位コンパレータとい
う)CMU1,CMU2の+側入力端子と差動増幅器列16
を構成する第1の差動増幅器AMP1 の+側入力端子と
に接続されている。また、端子2及び3は上位抵抗列1
1の両端に接続されている。
【0066】上位抵抗列11は、各抵抗間に7(=23
−1)個の分割点を有している。偶数番目の分割点は、
端子2に印加された高レベル基準電圧VRTと端子3に印
加された低レベル基準電圧VRBとの間を複数の基準電圧
範囲に区分しており、スイッチ回路13を構成する各ス
イッチSW1 〜SW3 に各々接続されている。奇数番目
の分割点(両端の分割点を除く)は、上位コンパレータ
CMU1,CMU2の−側入力端子に接続されている。
【0067】上位コンパレータ列12は、クロック信号
CKUのタイミングで、入力端子1に印加された入力信
号の電圧VINと上位抵抗列11の分割点電圧とを各上位
コンパレータCMU1,CMU2によって比較し、入力信号
の電圧VINが属する基準電圧範囲を示す信号を出力す
る。上位コンパレータ列12の出力信号は上位エンコー
ダ14に入力され、上位エンコーダ14は上位コンパレ
ータ列12の出力信号を上位ビットデータに変換して出
力する。上位バッファ15は、クロック信号NCLKの
立ち上がりのタイミングで上位ビットデータをラッチ
し、補正回路21に出力する。また、上位コンパレータ
列12の出力信号はスイッチ回路13にも入力される。
【0068】スイッチ回路13は、上位コンパレータ列
12の出力信号に従って各スイッチSW1 〜SW3 を制
御し、下位ビット変換を行う電圧範囲(以下、下位変換
範囲という)の上限電圧VH 、中央値電圧VM 、下限電
圧VL を差動増幅器列16に出力する。例えば、上位コ
ンパレータCMU1の出力信号が“H”レベルであり、上
位コンパレータCMU2の出力信号が“L”レベルである
ときは、抵抗RU6とRU7との間の分割点の電圧をVH
抵抗RU4とRU5との間の分割点の電圧をVM 、抵抗RU2
とRU3の間の分割点の電圧をVL とする。
【0069】差動増幅器列16は、下位変換範囲の上限
電圧VH ,中央値電圧VM ,下限電圧VL 及び入力信号
の電圧VINを入力とし、下位ビット変換部42のための
高レベル基準電圧SUBH 、中央値基準電圧SUBM
低レベル基準電圧SUBL 及び下位ビットA/D変換対
象の電圧SUBINを出力する。第2の差動増幅器AMP
2 は、+側入力端子に電圧VH が、−側入力端子に電圧
M が入力され、電圧VM を基準にして電圧VH を増幅
し電圧SUBH として出力する。第3の差動増幅器AM
3 は、+側入力端子に電圧VL が、−側入力端子に電
圧VM が入力され、電圧VM を基準にして電圧VL を増
幅し電圧SUBL として出力する。第4の差動増幅器A
MP4 は、+側入力端子及び−側入力端子に共に電圧V
M が入力され、電圧SUBM を出力する。また、第1の
差動増幅器AMP1 は、−側入力端子に電圧VM が、+
側入力端子に入力信号の電圧VINが入力され、電圧VM
を基準にして電圧VINを増幅し電圧SUBINとして出力
する。第1の差動増幅器AMP1 の出力端子は下位コン
パレータ列18を構成する下位コンパレータCML1〜C
L7の+側入力端子に接続されている。
【0070】下位抵抗列17は、高レベル基準電圧とし
て第2の差動増幅器AMP2 の出力電圧SUBH が印加
されると共に、低レベル基準電圧として第3の差動増幅
器AMP3 の出力電圧SUBL が印加され、さらに中間
分割点(抵抗RL4とRL5との間の分割点)に第4の差動
増幅器AMP4 の出力電圧SUBM が中央値基準電圧と
して印加される。下位抵抗列17は各抵抗間に7(=2
3 −1)個の分割点を有しており、高レベル基準電圧S
UBH と低レベル基準電圧SUBL との間を複数の基準
電圧範囲に区分している。下位抵抗列17の分割点は下
位コンパレータCML1〜CML7の−側入力端子にそれぞ
れ接続されている。
【0071】下位コンパレータ列18は、クロック信号
CKLのタイミングで、電圧SUBINと下位抵抗列17
の各分割点電圧とを各下位コンパレータCML1〜CML7
によって比較し、電圧SUBINが属する基準電圧範囲を
示す信号を出力する。下位コンパレータ列18の出力信
号は下位エンコーダ19に入力され、下位エンコーダ1
9は下位コンパレータ列18の出力信号を下位ビットデ
ータに変換して出力する。下位バッファ20は、クロッ
ク信号CLKの立ち上がりのタイミングで下位ビットデ
ータをラッチし下位・上位バッファ22に出力すると共
に、下位ビットデータの一部を補正回路21に出力す
る。
【0072】補正回路21は、入力された上位ビットデ
ータを下位ビットデータの一部を用いて補正して下位・
上位バッファ22に出力する。下位・上位バッファ22
は、クロック信号NCLKの立ち上がりのタイミング
で、補正された上位ビットデータ及び下位ビットデータ
を合わせて出力端子4に出力する。
【0073】図1に示す直並列型A/D変換器において
最も特徴的なことは、上位ビット変換部41と下位ビッ
ト変換部42との間に差動増幅器列16を備えたことで
ある。ここで、差動増幅器列16の動作について説明す
る。
【0074】図2は差動増幅器列16の動作を説明する
ための図であり、下位変換範囲の上限電圧VH ,中央値
電圧VM ,下限電圧VL 及び入力電圧VINと第1〜第4
の差動増幅器AMP1 〜AMP4 の各出力電圧SU
H ,SUBM 、SUBL 及びSUBINとの関係を示す
図である。
【0075】図2において、11Aは上位抵抗列、12
Aは上位コンパレータ列であり、説明に必要な部分以外
は省略している。上位抵抗列11Aにおいて、奇数番目
の分割点の電圧をVc(n)、偶数番目の分割点の電圧をV
r(n)とする。また、上位ビット変換の基準電圧範囲(V
c(n)−Vc(n-1))が16ステップであり、下位変換範囲
(Vr(n+1)−Vr(n-1))が32ステップであるとする。
また、説明を簡単にするために、第1〜第4の差動増幅
器AMP1 〜AMP4 の利得は2倍であるものとする。
【0076】上位コンパレータCMU(n)は、電圧Vc(n)
と入力信号の電圧VINとの比較を行う。入力信号の電圧
INが電圧Vc(n-1)と電圧Vc(n)との間にあるとき、下
位変換範囲の上限電圧VH として電圧Vr(n+1)が選択さ
れ、中央値電圧VM として電圧Vr(n)が選択され、下限
電圧VL として電圧Vr(n-1)が選択される。
【0077】第2の差動増幅器AMP2 は電圧VINに関
係なく電圧VM を基準にして電圧VH を増幅し、電圧S
UBH として出力する。第3の差動増幅器AMP3 は電
圧VINに関係なく電圧VM を基準にして電圧VL を増幅
し、電圧SUBL として出力する。また、第4の差動増
幅器AMP4 は電圧VINに関係なく電圧VM をそのまま
電圧SUBM として出力する。この結果、電圧SUBH
は電圧SUBM より32(=16×2)ステップ高レベ
ル側に発生し、電圧SUBL は電圧SUBM より32
(=16×2)ステップ低レベル側に発生する。
【0078】第1の差動増幅器AMP1 は、電圧VM
基準にして入力信号の電圧VINを増幅し、電圧SUBIN
として出力する。いま、電圧VINが電圧Vr(n)(=
M )より4ステップ高レベル側にあるとすると、電圧
SUBINは電圧SUBM から8(=4×2)ステップ高
レベル側に発生する。すなわち、電圧VH ,VL と電圧
INとの相対関係は下位ビット変換においても維持され
る。
【0079】このように、本実施形態によると、下位ビ
ット変換部42の基準電圧SUBH、SUBM 、SUB
L は入力信号の電圧VINによって変化することはなく安
定することになる。
【0080】なお、下位変換範囲の基準電圧VH
M ,VL は、必ずしも、上位コンパレータ列12の出
力信号に従って選択する必要はない。例えば、第2〜第
4の差動増幅器AMP2 〜AMP4 には、上位抵抗列1
1の任意の連続する3つの偶数番目の分割点電圧を電圧
H ,VM ,VL として入力し、第1の差動増幅器AM
1 にのみ、上位コンパレータ列12の出力信号によっ
て決定された下位変換範囲の中央値電圧VM ' を入力す
ればよい。このようにしても、第1の差動増幅器AMP
1 の出力電圧SUBINと基準電圧SUBH 及びSUBL
との関係は図2のようになる。この場合、スイッチ回路
13は、上位コンパレータ列12によって決定された電
圧VM ' のみを差動増幅器列16に出力すればよい。
【0081】以上説明したように、本実施形態と従来例
とが大きく異なる点は、図2と図15とを比較すると分
かるように、下位ビット変換部42の基準電圧SU
H 、SUBM 、SUBL が一定電圧に固定され、変換
周期毎に変動することがないという点である。
【0082】以下、図1に示す直並列型A/D変換装置
の動作について説明する。
【0083】まず、上位ビット変換部41の動作につい
て説明する。図3は上位ビット変換部41の動作を説明
するための図であり、11は上位抵抗列、12は上位コ
ンパレータ列である。同図中、(a)は入力信号の電圧
INが上位コンパレータCMU1の基準電圧Vc1と上位コ
ンパレータCMU2の基準電圧Vc2との間(斜線を施した
部分)にある場合、(b)は入力信号の電圧VINが上位
コンパレータCMU1の基準電圧Vc1よりも低い場合、
(c)は入力信号の電圧VINが上位コンパレータCMU2
の基準電圧Vc2よりも高い場合を示している。
【0084】図3に示すように、上位抵抗列11は高レ
ベル基準電圧VRTと低レベル基準電圧VRBとの間を4個
の基準電圧範囲に区分しており、上位ビットデータは4
種類(2ビット)となる。上位ビットデータは、入力信
号の電圧VINが低レベル基準電圧VRBと電圧Vr1との間
にあるときは“0”、電圧Vr1と電圧Vr2との間にある
ときは“1”、電圧Vr2と電圧Vr3との間にあるときは
“2”、電圧Vr3と高レベル基準電圧VRTとの間にある
ときは“3”になる(10進数表現による)。
【0085】これに対し、上位コンパレータは2個しか
接続されていないので、上位ビット変換部41によって
得られる上位ビットデータは3種類である(図3では丸
で囲んでいる)。図3(a)のとき、上位コンパレータ
CMU1の出力信号は“H”レベル、上位コンパレータC
U2の出力信号は“L”レベルになり、上位エンコーダ
14によって得られる上位ビットデータは“1”にな
る。図3(b)のとき、上位コンパレータCMU1及びC
U2の出力信号は共に“L”レベルになり、上位エンコ
ーダ14によって得られる上位ビットデータは“0”に
なる。図3(c)のとき、上位コンパレータCMU1及び
CMU2の出力信号は共に“H”レベルになり、上位エン
コーダ14によって得られる上位ビットデータは“2”
になる。
【0086】一般的にいうと、上位抵抗列11を構成す
る抵抗の個数は2n 個であるとすると、高レベル基準電
圧VRTと低レベル基準電圧VRBとの間は2n-1 個の基準
電圧範囲に区分され、上位コンパレータ列12を構成す
るコンパレータの個数は(2n-1 −2)個になり、上位
ビット変換部41によって得られる上位ビットデータは
(2n-1 −1)種類となる。このため、上位ビットデー
タの補正が必要になるが、これについては後述する。
【0087】また、図3(a)のとき、下位変換範囲の
上限電圧VH ,中央値電圧VM ,下限電圧VL として電
圧Vr3,Vr2,Vr1が差動増幅器列16に出力される。
同様に、図3(b)のとき、電圧Vr2,Vr1,VRBが下
位変換範囲の上限電圧VH ,中央値電圧VM ,下限電圧
L として差動増幅器列16に出力され、図3(c)の
とき、電圧VRT,Vr3,Vr2が下位変換範囲の上限電圧
H ,中央値電圧VM,下限電圧VL として差動増幅器
列16に出力される。
【0088】ただし、前述したように、下位変換範囲の
電圧VH ,VM ,VL は、必ずしも上位コンパレータ列
12の出力信号に従って選択する必要はなく、上位抵抗
列の任意の連続する3つの偶数番目の分割点電圧を電圧
H ,VM ,VL として入力し、第1の差動増幅器AM
1 にのみ、上位コンパレータ列12の出力信号によっ
て決定された下位変換範囲の中央値電圧VM ' を入力す
ればよい。
【0089】差動増幅器列16は、すでに説明したよう
に、下位変換範囲の上限電圧VH ,中央値電圧VM ,下
限電圧VL を下位ビット変換の高レベル基準電圧SUB
H ,中央値基準電圧SUBM ,低レベル基準電圧SUB
L に変換する。また、入力信号の電圧VINを下位ビット
A/D変換の対象となる電圧SUBINに変換する。
【0090】次に、下位ビット変換部42の動作につい
て説明する。下位抵抗列17は下位ビット変換の高レベ
ル基準電圧SUBH と下位ビット変換の低レベル基準電
圧SUBL との間を8個の基準電圧範囲に区分してお
り、下位ビットデータは8種類(3ビット)となる。さ
らに下位抵抗列17の分割誤差を少なくするために、中
央値基準電圧SUBM が中央の分割点(抵抗RL4とRL5
との間の分割点)に印加される。
【0091】下位コンパレータ列18を構成する下位コ
ンパレータCML1〜CML7は、下位抵抗列17の各分割
点の電圧と下位ビットA/D変換対象の電圧SUBIN
を比較し、比較結果を表す信号を出力する。下位エンコ
ーダ19は下位コンパレータ列18の出力信号を3ビッ
トの下位ビットデータに変換する。ただし、下位ビット
データのMSBは、上位ビットデータの補正のために用
いられる。
【0092】次に、補正回路21の動作について説明す
る。図3に示したように、真の上位ビットデータと上位
ビット変換部41によって得られる上位ビットデータと
は必ずしも一致しない。例えば、図3(a)の場合、上
位ビットデータとして“1”が得られるが、真の上位ビ
ットデータは“2”の場合と“1”の場合とがありその
可能性は50%ずつである。このとき、下位変換範囲の
下限電圧VL は電圧Vr1であり、下位変換範囲の上限電
圧VH は電圧Vr3であるので、下位変換範囲は真の上位
データが“1”又は“2”である範囲に一致する。この
ため、入力された電圧VINが電圧VM より高いときは下
位ビットデータのMSBは“1”になり、入力された電
圧VINが電圧VM より低いときは下位ビットデータのM
SBは“0”になる。したがって、上位ビットデータの
補正は下位ビットデータのMSBを用いて簡単に行うこ
とができる。
【0093】図4は補正回路21による上位ビットデー
タの補正方法を示す図である。図4に示すように、補正
回路21は、変換された下位ビットデータのMSBが
(バイナリーコードでもグレイコードでも)“1”のと
き上位ビットデータに“1”を加算し、下位ビットデー
タのMSBが“0”のときは上位ビットデータを補正し
ない。
【0094】したがって、従来例における補正と大きく
異なるのは、図4と図18とを比較すると分かるよう
に、下位ビットデータのMSBによって“1”を加算す
るか否かという補正だけでよい点であり、これにより、
補正回路の構成は従来よりも簡易になる。
【0095】図5は図1に示す直並列型A/D変換装置
を駆動する信号のタイミングを示すタイミングチャート
である。図5に示すように、入力された電圧VINがサン
プルホールドされた期間の,前半において上位コンパレ
ータ列12を動作させるクロック信号CKUが発生する
一方、後半において下位コンパレータ列18を動作させ
るクロック信号CKLが発生する。また、上位バッファ
15及び下位・上位バッファ22にラッチを行わせるク
ロック信号NCLKは、クロック信号CKLと略同じタ
イミングにリーディングエッジ(又はトライリングエッ
ジ)を持ち、下位バッファ20にラッチを行わせるクロ
ック信号CLKは、クロック信号CKUと略同じタイミ
ングにリーディングエッジ(又はトライリングエッジ)
を持つ。
【0096】図1に示す直並列型A/D変換装置は、図
5に示すような信号のタイミングに従って次のように動
作する。
【0097】まず、Nサイクルにおけるクロック信号C
KUによって確定した上位コンパレータ列12の出力信
号は、上位エンコーダ14によって上位ビットデータに
変換され、上位ビットデータはクロック信号NCLKの
立ち上がりによって上位バッファ15にラッチされる。
次に、Nサイクルにおけるクロック信号CKLによって
確定した下位コンパレータ列18の出力信号は、下位エ
ンコーダ19によって下位ビットデータに変換され、下
位ビットデータはクロック信号CLKの立ち上がりによ
って下位バッファ20にラッチされる。
【0098】上位バッファ15にラッチされた上位ビッ
トデータは、下位バッファ20にラッチされた下位ビッ
トデータのMSBに従って、すでに説明したような補正
が行われる。補正された上位ビットデータ及び下位ビッ
トデータは、共に、(N+1)サイクルにおけるクロッ
ク信号NCLKの立ち上がりによって下位・上位バッフ
ァ22にラッチされ、出力端子4に出力される。
【0099】したがって、補正回路21の動作余裕時間
は、下位バッファ20がクロック信号CLKの立ち上が
りによって下位ビットデータをラッチしてから下位・上
位バッファ22がクロック信号NCLKの立ち上がりに
よって補正された上位ビットデータ及び下位ビットデー
タをラッチするまでの時間となる。
【0100】なお、本実施形態では、上位2ビット下位
2ビットの4ビットA/D変換装置を例にとって説明し
たが、本発明はこれに限るものではなく、上位Nビット
下位Mビットの(N+M)ビットA/D変換装置(N,
Mは自然数)で実現可能である。この場合、上位抵抗列
11を2N+1 個の抵抗によって構成し、上位コンパレー
タ列12を(2N −2)個のコンパレータによって構成
し、スイッチ回路13を(2N −1)個のスイッチによ
って構成すると共に、下位抵抗列17を2M+1個の抵抗
によって構成し、下位コンパレータ列18を(2M+1
1)個のコンパレータによって構成すればよい。
【0101】(第2の実施形態) 以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しな
がら説明する。
【0102】図6は本発明の第2の実施形態に係る直並
列型A/D変換装置の全体構成を示す回路図である。図
6において、101はA/D変換の対象となるアナログ
信号が入力されるアナログ信号入力端子、102は上位
ビット側高レベル基準電圧端子、103は上位ビット側
低レベル基準電圧端子、104はアナログ信号入力端子
101に入力されたアナログ信号をサンプルホールドす
るサンプルホールド回路、105は上位ビット側高レベ
ル基準電圧端子102と上位ビット側低レベル基準電圧
端子103との間の電圧を分割する上位ビット側タップ
抵抗、106は上位ビット側比較器、107はアナログ
スイッチ、108は上位ビット符号化回路、109は下
位ビット側高レベル基準電圧端子、110は下位ビット
側低レベル基準電圧端子、111は下位ビット側高レベ
ル基準電圧端子109と下位ビット側低レベル基準電圧
端子110との間の電圧を分割する下位ビット側タップ
抵抗、112は下位ビット側比較器、113は下位ビッ
ト符号化回路、114は出力バッファ回路、115はデ
ィジタル信号出力端子である。
【0103】上位ビット変換部141は、上位ビット側
タップ抵抗105、上位ビット側比較器106、アナロ
グスイッチ107、上位ビット符号化回路108によっ
て構成されている。下位ビット変換部142は、下位ビ
ット側タップ抵抗111、下位ビット側比較器112、
及び下位ビット符号化回路113によって構成されてい
る。また、出力バッファ回路114によって出力部14
3が構成されている。
【0104】また、116aは利得の固定された第1の
差動増幅器、116bは利得の固定された第2の差動増
幅器、116cは利得の固定された第3の差動増幅器,
116dは利得の固定された第4の差動増幅器、120
はスイッチング手段、124は抵抗である。第1〜第4
の差動増幅器116a〜116dは同じ利得を有する。
【0105】次に、図6に示す直並列型A/D変換装置
の動作について説明する。
【0106】アナログ信号入力端子101に入力された
アナログ信号は、サンプルホールド回路104によって
サンプリングされ上位ビットのA/D変換期間から下位
ビットのA/D変換期間までの間一定の電圧に保持され
る。
【0107】上位ビット変換部141では、サンプルホ
ールド回路104によって保持されたアナログ信号の電
圧VINと、上位ビット側高レベル基準電圧端子102と
上位ビット側低レベル基準電圧端子103との間の電圧
を上位ビット側タップ抵抗105により分割することに
よって得られた各基準電圧信号とを上位ビット側比較器
106によってそれぞれ比較し、これにより、アナログ
信号の電圧VINが属する基準電圧範囲を求める。求めた
基準電圧範囲に従って、上位ビット符号化回路108は
前記アナログ信号を表すディジタル信号の上位ビットを
符号化する。なお、各基準電圧範囲の区分点にはアナロ
グスイッチ107が各々接続されている。
【0108】さらに細分化したディジタル値を得るため
に、第2の差動増幅器116bは、アナログ信号の電圧
INが属する基準電圧範囲の上限電圧VHHを当該基準電
圧範囲の中央値電圧VHMを基準にして増幅して、下位ビ
ット変換の高レベル基準電圧VLHとして下位ビット側高
レベル基準電圧端子109に出力すると共に、第3の差
動増幅器116cは、アナログ信号の電圧VINが属する
基準電圧範囲の下限電圧VHLを当該基準電圧範囲の中央
値電圧VHMを基準にして増幅して、下位ビット変換の低
レベル基準電圧VLLとして下位ビット側低レベル基準電
圧端子110に出力する。
【0109】図7は第1〜第4の差動増幅器116a,
116b,116c,116dの構成の一例を示す回路
図である。各差動増幅器は入力電圧と基準電圧との差電
圧を増幅して、差電圧が0Vのときの出力電圧に増幅し
た差電圧を加えて出力するものであり、図7に示すよう
に、一般に、トランジスタ131a,131b、定電流
源132a,132b、エミッタ抵抗133、負荷抵抗
134a,134b及び出力バッファ135によって構
成される。
【0110】いま、各差動増幅器の利得をAとし、各差
動増幅器の入力電圧と基準電圧との差電圧が0Vのとき
の出力電圧をV0 とすると、上位ビット変換部141に
よって求められた,アナログ信号の電圧VINが属する基
準電圧範囲の上限電圧VHH,中央値電圧VHM,下限電圧
HLから、第2の差動増幅器116bから出力される下
位ビット変換の高レベル基準電圧VLHは VLH=V0 +A(VHH−VHM) …(1) と表わされ、また第3の差動増幅器116cから出力さ
れる下位ビット変換の低レベル基準電圧VLLは VLL=V0 +A(VHL−VHM) …(2) と表わされる。したがって、下位ビット変換の高レベル
基準電圧VLHと低レベル基準電圧VLLとの差は、式
(1),(2)から、 VLH−VLL=A(VHH−VHL) …(3) となる。すなわち、上位ビット変換部141によって決
定された,アナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範
囲の上限電圧VHHと下限電圧VHLとの差電圧が、第2及
び第3の差動増幅器116b,116cによってA倍さ
れて、下位ビット側高レベル基準電圧端子109及び下
位ビット側低レベル基準電圧端子110に伝えられるこ
とになる。
【0111】またここで、上位ビット変換部141の任
意の基準電圧範囲において上限電圧と中央値電圧との差
及び下限電圧と中央値電圧との差は一定であるので、 VHH−VHM=一定 VHL−VHM=一定 となり、式(1),(2)から、 VLH=一定 …(4) VLL=一定 …(5) となる。すなわち、下位ビット変換の高レベル基準電圧
LH及び低レベル基準電圧VLLは、入力されたアナログ
信号の電圧VINの大きさに関係なく常に一定となる。
【0112】また、第1の差動増幅器116aは、サン
プルホールド回路104によって保持されたアナログ信
号の電圧VINと上位ビット変換部141によって求めら
れた,電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHM
とをスイッチング手段120を介して入力し、電圧VIN
をこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHM
を基準に増幅して、下位ビット変換部142の入力電圧
LIN として出力する。
【0113】ここで、スイッチング手段120について
さらに詳細に説明する。
【0114】図8はスイッチング手段120の構成を示
す回路図である。図8に示すように、スイッチング手段
120はスイッチ121及び制御信号入力端子122に
よって構成される。スイッチ121は3つの入力端子と
2つの出力端子を持ち、入力端子の1つにはサンプルホ
ールド回路104によって保持された電圧VINが入力さ
れると共に残りの2つにはこの電圧VINが属する基準電
圧範囲の中央値電圧VHMが入力され、出力端子の一方か
らは第1の差動増幅器116aの増幅対象の電圧として
の+側入力電圧V+ が出力されると共に他方からは第1
の差動増幅器116aの基準電圧としての−側入力電圧
- が出力される。また、制御信号入力端子122には
スイッチ121を制御する制御信号Vc が入力される。
【0115】図9は図8に示すようなスイッチング手段
120を用いた場合の本実施形態に係る直並列型A/D
変換装置の動作を説明するための図である。同図中、
(a)はサンプルホールド回路104によって保持され
たアナログ信号の電圧VIN及びこの電圧VINが属する基
準電圧範囲の中央値電圧VHMの変化を示すグラフ、
(b)は第1の差動増幅器116aの+側入力電圧V+
及び−側入力電圧V- の変化を示すグラフ、(c)はス
イッチ121,121を制御する制御信号Vc を示すグ
ラフ、(d)は第1の差動増幅器116aから出力され
る下位ビット変換部142の入力電圧VLIN を示すグラ
フ、(e)は下位ビット側比較器112の動作タイミン
グを示すグラフである。
【0116】アナログ信号の電圧VINが属する基準電圧
範囲の中央値電圧VHMは上位ビット側比較器106にお
ける演算結果によって作動するアナログスイッチ107
を通るので、その分、電圧VINに対して遅延する。この
ため、図9(a)に示すように、アナログ信号の電圧V
INとこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧V
HMとが合致している期間(期間A)と合致していない期
間(期間B)とが生じる。
【0117】ここで、スイッチング手段120の制御信
号入力端子122に図9(c)に示すような制御信号V
c を入力して、スイッチ121,121に切り換え動作
をさせる。制御信号Vc は期間Aでは“H”レベルにな
りスイッチ121,121を図8において実線で示すよ
うに制御する一方、期間Bでは“L”レベルになりスイ
ッチ121,121を図8において破線で示すように制
御する。
【0118】すなわち、図9(b)に示すように、アナ
ログ信号の電圧VINとこの電圧VINが属する基準電圧範
囲の中央値電圧VHMとが合致している期間(期間A)で
は、第1の差動増幅器116aには、+側入力電圧V+
としてアナログ信号の電圧VINが入力されると共に−側
入力電圧V- として電圧VINが属する基準電圧範囲の中
央値電圧VHMが入力される。
【0119】一方、アナログ信号の電圧VINとこの電圧
INが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMとが合致し
ていない期間(期間B)では、第1の差動増幅器116
aには、+側入力電圧V+ 及び−側入力電圧V- として
共に電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHM
入力される。
【0120】したがって、図9(d)に示すように、第
1の差動増幅器116aから出力される下位ビット変換
部142の入力電圧VLIN は、期間Aでは、アナログ信
号の電圧VINがこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中
央値電圧VHMを基準として増幅された電圧となる一方、
期間Bでは、+側入力電圧V+ と−側入力電圧V- との
差電圧が0のときの出力電圧V0 となる。
【0121】このことを数式を用いて説明する。他の差
動増幅器と同様に、第1の差動増幅器116aの利得を
A、入力電圧と基準電圧との差電圧が0Vのときの出力
電圧をV0 とすると、アナログ信号の電圧VINとこの電
圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMとが合致
している期間(期間A)では、第1の差動増幅器116
aから出力される下位ビット変換部142の入力電圧V
LIN は、VLIN =V0 +A(VIN−VHM) …(6)と
表わされる。したがって、下位ビット変換の高レベル基
準電圧VLHと下位ビット変換部142の入力電圧VLIN
との差、及び下位ビット変換部142の入力電圧VLIN
と下位ビット変換の低レベル基準電圧VLLとの差は、式
(1),(2),(6)からそれぞれ、 VLH−VLIN =A(VHH−VIN) …(7) VLIN −VLL=A(VIN−VHL) …(8) となる。すなわち、アナログ信号の電圧VINとこの電圧
INが属する基準電圧範囲の上限電圧VHH及び下限電圧
LHとの相対関係は保持されたまま、その差電圧だけが
A倍増幅されて下位ビット変換部142に伝達されるこ
とになる。したがって、下位ビット側比較器112に要
求される電圧分解能がA倍緩和される。
【0122】一方、アナログ信号の電圧VINとこの電圧
INが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMとが合致し
ていない期間(期間B)では、第1の差動増幅器116
aから出力される下位ビット変換部142の入力電圧V
LIN は、入力差電圧が0Vのときの出力電圧である,下
位ビット変換の高レベル基準電圧VLHと低レベル基準電
圧VLLとの中央値電圧V0 になる。 VLIN =V0 …(9)
【0123】このように、下位ビット変換部142の入
力電圧VLIN は下位ビット変換の高レベル基準電圧VLH
と低レベル基準電圧VLLとの間に常に存在し、期間Bか
ら期間Aに移るときに電圧変化の大きな過渡現象は生じ
ない。また、すでに説明したように、下位ビット変換の
高位基準電圧VLHと低レベル基準電圧VLLも常に一定で
ある。したがって、例えば、図9(e)に示すように、
直並列型A/D変換器が高速動作して、期間Bから期間
Aに移ってから下位ビット側比較器112のラッチ動作
までの期間が短い場合でも、下位ビット変換部142は
安定して動作し、得られる下位ビットは誤差のないもの
になる。
【0124】なお、スイッチング手段120は図10に
示すような構成にしてもよい。図10に示すスイッチン
グ手段120では、スイッチ121の3つの入力端子の
うち、上の2つにサンプルホールド回路104によって
保持されたアナログ信号の電圧VINが入力されると共に
残りの1つに電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電
圧VHMが入力される。また、制御信号入力端子122に
入力された制御信号Vc はインバータ123によって反
転された上でスイッチ121に与えられる。
【0125】図11は図10に示すようなスイッチング
手段120を用いた場合の本実施形態に係る直並列型A
/D変換装置の動作を説明するための図である。図9と
同様に、図11において、(a)はサンプルホールド回
路104によって保持されたアナログ信号の電圧VIN
びこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHM
の変化を示すグラフ、(b)は第1の差動増幅器116
aの+側入力電圧V+及び−側入力電圧V- の変化を示
すグラフ、(c)はスイッチ121,121を制御する
制御信号Vc を示すグラフ、(d)は第1の差動増幅器
116aから出力される下位ビット変換部142の入力
電圧VLIN を示すグラフ、(e)は下位ビット側比較器
112の動作タイミングを示すグラフである。
【0126】図11から分かるように、アナログ信号の
電圧VINとこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値
電圧VHMとが合致していない期間(期間B)では、制御
信号Vc はインバータ123によって反転されるのでス
イッチ121は図10において実線で示すようになり、
第1の差動増幅器116aには、+側入力電圧V+ 及び
−側入力電圧V- として共に電圧VINが入力される。こ
の点以外は図11と図9とは同じであり、図10に示す
スイッチング手段120を用いた本実施形態に係る直並
列型A/D変換装置は、図8に示すスイッチング手段1
20を用いた場合と同様の動作をする。
【0127】また、図6において、第4の差動増幅器1
16dは、+側入力電圧及び−側入力電圧として共にア
ナログ信号の電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電
圧VHMを入力し、下位ビット側高レベル基準電圧端子1
09と下位ビット側低レベル基準電圧端子110との中
間点に出力電圧を与える。第4の差動増幅器116dの
出力電圧は、下位ビット変換部142に高レベル基準電
圧VLHから低レベル基準電圧VLLまでの電圧範囲の中央
値基準電圧として入力されている。
【0128】また、第4の差動増幅器116dは下位ビ
ット側タップ抵抗111に出力電圧を与える出力線とは
別の出力線125を有しており、この出力線125は抵
抗124を介して第1の差動増幅器116aの出力線に
接続されている。
【0129】すると、下位ビット変換の高レベル基準電
圧VLHを出力する第2の差動増幅器116b及び下位ビ
ット変換の低レベル基準電圧VLLを出力する第3の差動
増幅器116cが第4の差動増幅器116dに対して下
位ビット側タップ抵抗111のインピーダンスを有する
のに対応して、下位ビット変換部142の入力電圧V
LIN を出力する第1の差動増幅器116aも第4の差動
増幅器116dに対して抵抗124によって同じインピ
ーダンスを有するよう構成することが可能になり、上位
ビット変換部141におけるアナログ信号の電圧VIN
この電圧VINが属する基準電圧範囲との相対関係が、下
位ビット変換部142に誤差なく伝えられる。
【0130】下位ビット変換部142では、第1の差動
増幅器116aから入力された電圧VLIN と、下位ビッ
ト側高レベル基準電圧端子109と下位ビット側低レベ
ル基準電圧端子110との間の電圧を下位ビット側タッ
プ抵抗111によりさらに細かく分割することによって
得られた各基準電圧信号とを下位ビット側比較器112
によって比較し、これにより、入力電圧VLIN が属する
基準電圧範囲を求める。このとき、アナログ信号の電圧
INとこの電圧VINが属する基準電圧範囲の中央値電圧
HMとが合致している期間(図9及び図11における期
間A)において第1の差動増幅器116aから出力され
る電圧、すなわち、アナログ信号の電圧VINがこの電圧
INが属する基準電圧範囲の中央値電圧VHMを基準に増
幅された電圧VLIN を対象とする。
【0131】求めた基準電圧範囲に従って、下位ビット
符号化回路113は入力されたアナログ信号VINを表す
ディジタル信号の下位ビットを符号化する。出力バッフ
ァ回路114は、上位ビット符号化回路108によって
符号化された上位ビットと下位ビット符号化回路113
によって符号化された下位ビットとを合わせて、ディジ
タル信号出力端子115を介して出力する。
【0132】なお、本実施形態では、下位ビット変換の
高レベル基準電圧、低レベル基準電圧及びこれらの中央
値電圧としてアナログ信号の電圧が属する基準電圧範囲
の上限電圧、下限電圧及び中央値電圧を各々差動増幅し
て得た電圧を用いるものとしたが、本発明はこれに限る
ものでなく、下位ビット変換の高レベル基準電圧、低レ
ベル基準電圧及びこれらの中央値電圧として上位ビット
変換部141における任意の基準電圧範囲の上限電圧、
下限電圧、中央値電圧を用いてもよい。
【0133】図12は本発明の第2の実施形態に係る直
並列型A/D変換装置の変形例の全体構成を示す回路図
であり、下位ビット変換の高レベル基準電圧、低レベル
基準電圧及びこれらの中央値電圧として上位ビット変換
部141における所定の基準電圧範囲の上限電圧、下限
電圧及び中央値電圧を差動増幅して用いるものである。
図12において、図6に示す直並列型A/D変換装置と
共通の構成要素には、図6と同一の符号を付している。
図12において、アナログスイッチ107Aはスイッチ
ング手段120にのみ電圧を出力する。下位ビット変換
の高レベル基準電圧、低レベル基準電圧及びこれらの中
央値電圧として上位ビット変換部141における所定の
基準電圧範囲の上限電圧、下限電圧及び中央値電圧を差
動増幅して用いる点以外は、図12に示す直並列型A/
D変換装置は図6に示す直並列型A/D変換装置の構成
と同様であり、図6に示す直並列型A/D変換装置と同
様の効果が得られる。
【0134】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、下位ビ
ット変換における基準電圧のセトリング時間が短縮され
るので、従来よりも高速動作が可能になる。また、上位
ビットデータの補正が簡易になると共に、補正回路の動
作余裕も向上する。
【0135】また、下位ビット変換部に要求される電圧
分解能が緩和され、しかも下位ビット変換部の高レベル
基準電圧及び低レベル基準電圧を入力アナログ電圧信号
の変化に関わらず安定させることができる。
【0136】また、入力アナログ電圧信号を増幅する差
動増幅器の前にスイッチング手段を設けることによっ
て、この差動増幅器から出力される下位ビット変換部の
入力アナログ電圧信号が下位ビット変換部の高レベル基
準電圧と低レベル基準電圧との間から外れないようにし
たので、過渡現象に由来する変換誤差が小さくなる。
【0137】また、各差動増幅器の負荷インピーダンス
を合わせることによって、各電圧を増幅する際に、入力
アナログ電圧信号とこの入力アナログ電圧信号が属する
基準電圧範囲の上限電圧及び下限電圧との相対関係にず
れを生じさせない。
【0138】したがって、高速且つ高精度の直並列型A
/D変換装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D
変換器の回路構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D
変換器における下位変換範囲の拡張方法を示す図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D
変換器において、上位ビットデータの補正が簡易になる
メカニズムを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D
変換器における上位ビットデータの補正方法を示す図で
ある。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る直並列型A/D
変換器を駆動する信号のタイミングを示すタイミングチ
ャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D
変換装置の構成を示す回路図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D
変換装置に用いる差動増幅器の構成の一例を示す回路図
である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D
変換装置に用いるスイッチング手段の構成の一例を示す
回路図である。
【図9】図8に示すスイッチング手段を用いたときの本
発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D変換装置の
動作を説明するためのタイミング図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/
D変換装置に用いるスイッチング手段の構成の他の例を
示す回路図である。
【図11】図10に示すスイッチング手段を用いたとき
の本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/D変換装
置の動作を説明するためのタイミング図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る直並列型A/
D変換装置の変形例の構成を示す回路図である。
【図13】従来の直並列型A/D変換装置の回路構成図
である。
【図14】従来の他の直並列型A/D変換装置の構成を
示す回路図である。
【図15】図13に示す従来の直並列型A/D変換装置
における下位変換範囲の拡張方法を示す図である。
【図16】図13に示す従来の直並列型A/D変換装置
において、上位ビットデータの補正が複雑になる理由を
説明するための図である。
【図17】図13に示す従来の直並列型A/D変換装置
において、上位ビットデータの補正が複雑になる理由を
説明するための図である。
【図18】図13に示す従来の直並列型A/D変換装置
における上位ビットデータの補正方法を示す図である。
【図19】図13に示す従来の直並列型A/D変換装置
を駆動する信号のタイミングを示すタイミングチャート
である。
【図20】図14に示す従来の直並列型A/D変換装置
の動作を説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
IN アナログ信号の電圧 VRT 高レベル基準電圧 VRB 低レベル基準電圧 VH 下位ビット変換を行う電圧範囲の上限電圧 VL 下位ビット変換を行う電圧範囲の下限電圧 VM 下位ビット変換を行う電圧範囲の中央値電圧 SUBH 下位ビット変換の高レベル基準電圧 SUBL 下位ビット変換の低レベル基準電圧 SUBM 下位ビット変換の中央値基準電圧 15 上位バッファ AMP1 第1の差動増幅器 AMP2 第2の差動増幅器 AMP3 第3の差動増幅器 AMP4 第4の差動増幅器 20 下位バッファ 21 補正回路 22 下位・上位バッファ 41 上位ビット変換部 42 下位ビット変換部 VIN アナログ信号の電圧 VHH 基準電圧範囲の上限電圧 VHM 基準電圧範囲の中央値電圧 VHL 基準電圧範囲の下限電圧 116a 第1の差動増幅器 116b 第2の差動増幅器 116c 第3の差動増幅器 116d 第4の差動増幅器 120 スイッチング手段 Vc 制御信号 124 抵抗 125 出力線 141 上位ビット変換部 142 下位ビット変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻田 進一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−157020(JP,A) 特開 平2−202224(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 1/00 - 1/88

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたアナログ信号を上位ビットと
    下位ビットとに分けてA/D変換する直並列型A/D変
    換装置であって、 所定の高レベル基準電圧と所定の低レベル基準電圧との
    間を複数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準
    電圧範囲の中から前記アナログ信号の電圧が属する一の
    基準電圧範囲を求め、求めた一の基準電圧範囲を示すビ
    ットデータを上位ビットデータとして生成出力すると共
    に、前記一の基準電圧範囲に基づき定めた下位ビット変
    換を行う電圧範囲の上限電圧、下限電圧及び中央値電圧
    を出力する上位ビット変換部と、 前記上位ビット変換部から出力された下位ビット変換を
    行う電圧範囲の中央値電圧及び前記アナログ信号を入力
    とし、前記中央値電圧を基準にして前記アナログ信号の
    電圧を増幅する第1の差動増幅器と、 前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビッ
    ト変換部から出力された下位ビット変換を行う電圧範囲
    の上限電圧及び中央値電圧を入力とし、前記中央値電圧
    を基準にして前記上限電圧を増幅する第2の差動増幅器
    と、 前記第1及び第2の差動増幅器と同じ利得を有し、前記
    上位ビット変換部から出力された下位ビット変換を行う
    電圧範囲の下限電圧及び中央値電圧を入力とし、前記中
    央値電圧を基準にして前記下限電圧を増幅する第3の差
    動増幅器と、 前記第2の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換の高
    レベル基準電圧とすると共に前記第3の差動増幅器の出
    力電圧を下位ビット変換の低レベル基準電圧とし、前記
    高レベル基準電圧と前記低レベル基準電圧との間を複数
    の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲
    の中から前記第1の差動増幅器の出力電圧が属する基準
    電圧範囲を求め、求めた基準電圧範囲を示すビットデー
    タを下位ビットデータとして生成出力する下位ビット変
    換部とを備え、 前記上位ビット変換部は、 区分した複数の基準電圧範囲の各中央値電圧と前記アナ
    ログ信号の電圧とを比較することにより前記アナログ信
    号の電圧が一方の中央値電圧よりも高く他方の 中央値電
    圧よりも低い隣り合う2つの基準電圧範囲を選択し、こ
    の隣り合う2つの基準電圧範囲のいずれか一方を示すビ
    ットデータを上位ビットデータとすると共に前記隣り合
    う2つの基準電圧範囲を合わせて下位ビット変換の電圧
    範囲とするものであり、かつ、 前記隣り合う2つの基準電圧範囲のうち電圧の低い方を
    示すビットデータを上位ビットデータとして出力するも
    のであり、 当該直並列型A/D変換装置は、前記下位ビット変換部
    から出力された下位ビットデ−タのMSBが“1”であ
    るとき、前記上位ビット変換部から出力された上位ビッ
    トデータに“1”を加算する補正を行うことを特徴とす
    る直並列型A/D変換装置。
  2. 【請求項2】 入力されたアナログ信号を上位ビットと
    下位ビットとに分けてA/D変換する直並列型A/D変
    換装置であって、 所定の高レベル基準電圧と所定の低レベル基準電圧との
    間を複数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準
    電圧範囲の中から前記アナログ信号の電圧が属する基準
    電圧範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って上位ビッ
    トの符号化を行う上位ビット変換部と、 前記上位ビット変換部によって求められた基準電圧範囲
    の中央値電圧を基準にして、前記アナログ信号の電圧を
    増幅する第1の差動増幅器と、 前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビッ
    ト変換部によって求められた基準電圧範囲の中央値電圧
    を基準にしてこの基準電圧範囲の上限電圧を増幅する第
    2の差動増幅器と、 前記第1及び第2の差動増幅器と同じ利得を有し、前記
    上位ビット変換部によって求められた基準電圧範囲の中
    央値電圧を基準にしてこの基準電圧範囲の下限電圧を増
    幅する第3の差動増幅器と、 前記第2の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換の高
    レベル基準電圧とすると共に前記第3の差動増幅器の出
    力電圧を下位ビット変換の低レベル基準電圧とし、この
    高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間を複数の基
    準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲の中
    から前記第1の差動増幅器の出力電圧が属する基準電圧
    範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って下位ビットの
    符号化を 行う下位ビット変換部と、 前記上位ビット変換部と前記第1の差動増幅器との間に
    設けられ、与えられた制御信号に従って、前記上位ビッ
    ト変換部によって求められた基準電圧範囲の中央値電圧
    を前記第1の差動増幅器に基準電圧として出力すると共
    に前記アナログ信号の電圧を前記第1の差動増幅器に増
    幅対象の電圧として出力する第1の状態と、前記上位ビ
    ット変換部によって求められた基準電圧範囲の中央値電
    圧を前記第1の差動増幅器に基準電圧及び増幅対象の電
    圧として出力する第2の状態とを切り換えるスイッチン
    グ手段とを備えたことを特徴とする直並列型A/D変換
    装置。
  3. 【請求項3】 入力されたアナログ信号を上位ビットと
    下位ビットとに分けてA/D変換する直並列型A/D変
    換装置であって、 所定の高レベル基準電圧と所定の低レベル基準電圧との
    間を複数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準
    電圧範囲の中から前記アナログ信号の電圧が属する基準
    電圧範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って上位ビッ
    トの符号化を行う上位ビット変換部と、 前記上位ビット変換部によって求められた基準電圧範囲
    の中央値電圧を基準にして、前記アナログ信号の電圧を
    増幅する第1の差動増幅器と、 前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビッ
    ト変換部によって求められた基準電圧範囲の中央値電圧
    を基準にしてこの基準電圧範囲の上限電圧を増幅する第
    2の差動増幅器と、 前記第1及び第2の差動増幅器と同じ利得を有し、前記
    上位ビット変換部によって求められた基準電圧範囲の中
    央値電圧を基準にしてこの基準電圧範囲の下限電圧を増
    幅する第3の差動増幅器と、 前記第2の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換の高
    レベル基準電圧とすると共に前記第3の差動増幅器の出
    力電圧を下位ビット変換の低レベル基準電圧とし、この
    高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間を複数の基
    準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲の中
    から前記第1の差動増幅器の出力電圧が属する基準電圧
    範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って下位ビットの
    符号化を行う下位ビット変換部と、 前記上位ビット変換部と前記第1の差動増幅器との間に
    設けられ、与えられた制御信号に従って、前記上位ビッ
    ト変換部によって求められた基準電圧範囲の中央値電圧
    を前記第1の差動増幅器に基準電圧として出力すると共
    に前記アナログ信号の電圧を前記第1の差動増幅器に増
    幅対象の電圧として出力する第1の状態と、前記アナロ
    グ信号の電圧を前記第1の差動増幅器に基準電圧及び増
    幅対象の電圧として出力する第2の状態とを切り換える
    スイッチング手段とを備えたことを特徴とする直並列型
    A/D変換装置。
  4. 【請求項4】 入力されたアナログ信号を上位ビットと
    下位ビットとに分けてA/D変換する直並列型A/D変
    換装置であって、 所定の高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間を複
    数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範
    囲の中から前記アナログ信号の電圧が属する基準電圧範
    囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って上位ビットの符
    号化を行う上位ビット変換部と、 前記上位ビット変換部によって求められた基準電圧範囲
    の中央値電圧を基準にして前記アナログ信号の電圧を増
    幅する第1の差動増幅器と、 前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビッ
    ト変換部において区分した複数の基準電圧範囲の中の一
    の基準電圧範囲の中央値電圧を基準にしてこの一の基準
    電圧範囲の上限電圧を増幅する第2の差動増幅器と、 前記第1及び第2の差動増幅器と同じ利得を有し、前記
    上位ビット変換部において区分した複数の基準電圧範囲
    の中の一の基準電圧範囲の中央値電圧を基準にしてこの
    一の基準電圧範囲の下限電圧を増幅する第3の差動増幅
    器と、 前記第2の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換の高
    レベル基準電圧とすると共に前記第3の差動増幅器の出
    力電圧を下位ビット変換の低レベル基準電圧とし、この
    高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間を複数の基
    準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲の中
    から前記第1の差動増幅器の出力電圧が属する基準電圧
    範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って下位ビットの
    符号化を行う下位ビット変換部と、 前記上位ビット変換部と前記第1の差動増幅器との間に
    設けられ、与えられた制御信号に従って、前記上位ビッ
    ト変換部によって求められた基準電圧範囲の中 央値電圧
    を前記第1の差動増幅器に基準電圧として出力すると共
    に前記アナログ信号の電圧を前記第1の差動増幅器に増
    幅対象の電圧として出力する第1の状態と、前記上位ビ
    ット変換部によって求められた基準電圧範囲の中央値電
    圧を前記第1の差動増幅器に基準電圧及び増幅対象の電
    圧として出力する第2の状態とを切り換えるスイッチン
    グ手段とを備えたことを特徴とする直並列型A/D変換
    装置。
  5. 【請求項5】 入力されたアナログ信号を上位ビットと
    下位ビットとに分けてA/D変換する直並列型A/D変
    換装置であって、 所定の高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間を複
    数の基準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範
    囲の中から前記アナログ信号の電圧が属する基準電圧範
    囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って上位ビットの符
    号化を行う上位ビット変換部と、 前記上位ビット変換部によって求められた基準電圧範囲
    の中央値電圧を基準にして前記アナログ信号の電圧を増
    幅する第1の差動増幅器と、 前記第1の差動増幅器と同じ利得を有し、前記上位ビッ
    ト変換部において区分した複数の基準電圧範囲の中の一
    の基準電圧範囲の中央値電圧を基準にしてこの一の基準
    電圧範囲の上限電圧を増幅する第2の差動増幅器と、 前記第1及び第2の差動増幅器と同じ利得を有し、前記
    上位ビット変換部において区分した複数の基準電圧範囲
    の中の一の基準電圧範囲の中央値電圧を基準にしてこの
    一の基準電圧範囲の下限電圧を増幅する第3の差動増幅
    器と、 前記第2の差動増幅器の出力電圧を下位ビット変換の高
    レベル基準電圧とすると共に前記第3の差動増幅器の出
    力電圧を下位ビット変換の低レベル基準電圧とし、この
    高レベル基準電圧と低レベル基準電圧との間を複数の基
    準電圧範囲に区分し、区分した複数の基準電圧範囲の中
    から前記第1の差動増幅器の出力電圧が属する基準電圧
    範囲を求め、求めた基準電圧範囲に従って下位ビットの
    符号化を行う下位ビット変換部と、 前記上位ビット変換部と前記第1の差動増幅器との間に
    設けられ、与えられた制御信号に従って、前記上位ビッ
    ト変換部によって求められた基準電圧範囲の中央値電圧
    を前記第1の差動増幅器に基準電圧として出力すると共
    に前記アナログ 信号の電圧を前記第1の差動増幅器に増
    幅対象の電圧として出力する第1の状態と、前記アナロ
    グ信号の電圧を前記第1の差動増幅器に基準電圧及び増
    幅対象の電圧として出力する第2の状態とを切り換える
    スイッチング手段とを備えたことを特徴とする直並列型
    A/D変換装置。
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