JP3574557B2 - 弁制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばクラッチの締結、開放を制御する自動クラッチ制御装置等に用いて好適な弁制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マニュアルトランスミッションを有する車両において、運転者の負担を軽減するために、車両の発進時や変速ギヤの切換時を検出することによって、クラッチを自動的に締結、開放するようにした自動クラッチ制御装置が提案されている。
【0003】
このような自動クラッチ制御装置には、クラッチを締結、開放するためのレリーズシリンダ等のアクチュエータが設けられ、該レリーズシリンダは制御弁と制御信号出力手段とからなる弁制御装置によって、その作動が制御されている。
【0004】
そして、この弁制御装置は、制御信号出力手段によって制御弁の電磁アクチュエータにPWM信号を出力し、制御弁の弁体を変位させることによって、油圧ポンプ等の液圧源からレリーズシリンダに圧油を給排している。これにより、自動クラッチ制御装置は、レリーズシリンダを伸縮させ、クラッチの締結、開放を制御している。
【0005】
ここで、制御信号出力手段は、車両の運転状態に応じて予め決められた位置までクラッチを移動させるための制御信号としての制御電流に対応したPWM信号を電磁アクチュエータに出力するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来技術による弁制御装置では、前記制御弁の弁体を変位させる比例ソレノイド等の電磁アクチュエータが長時間の稼動等で加熱されたときに、電磁アクチュエータのコイル部に熱抵抗が生じるため、入力電圧に対する弁体の変位が徐々に小さくなることがある。
【0007】
このため、従来技術ではレリーズシリンダへの圧油の供給量が減少し、レリーズシリンダの作動量が徐々に変化してしまうことがあり、クラッチの締結、開放を適切に制御できないという問題がある。
【0008】
また、車両の運転状態に応じて制御信号を更新するときには、電磁アクチュエータ内の抵抗およびインダクタンスの影響により電磁アクチュエータの作動が遅延し、クラッチを締結、開放するときの電磁アクチュエータの作動速度である応答性が低下するという問題がある。
【0009】
さらに、電磁アクチュエータを駆動させる電源の電圧が変動した場合には、制御信号が変動し、電磁アクチュエータの作動を適切に制御できないという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明は制御信号に対する電磁アクチュエータの作動量が変化した場合や制御信号が変動した場合でも、制御信号を補正して油圧アクチュエータを適切に制御することができ、電磁アクチュエータの応答性を向上できるようにした弁制御装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、油圧アクチュエータと油圧源との間に配設され、弁体の変位に応じて油圧アクチュエータに給排させる圧油量を制御する弁部と、該弁部の弁体を制御信号に応じて変位させる電磁アクチュエータとからなる制御弁と、前記油圧アクチュエータを作動させるため、前記電磁アクチュエータに制御信号を出力する制御信号出力手段とからなる弁制御装置に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記制御信号出力手段は、前記油圧アクチュエータを目標となる位置まで作動させるための制御信号の目標値を設定する目標値設定手段と、該目標値設定手段による目標値に応じた制御信号を演算する制御信号演算手段と、前記制御信号の最大値を演算する最大値演算手段と、該最大値演算手段による最大値が目標値よりも大きいときには擬似目標値を目標値に設定し、最大値が目標値よりも小さいときには擬似目標値を最大値に設定する擬似目標値設定手段と、前記制御信号演算手段による制御信号に対して前記電磁アクチュエータに実際に加えられた給電値を検出する給電値検出手段と、該給電値検出手段による検出値と前記擬似目標値設定手段による擬似目標値との偏差を減少させるために前記制御信号演算手段による制御信号を補正して出力する制御信号補正手段とから構成し、前記制御信号補正手段は、前記擬似目標値設定手段による擬似目標値と前記給電値検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、該偏差演算手段による偏差に基いて前記給電値検出手段による検出値が前記擬似目標値に収束するように前記制御信号を補正するための補正量を演算する補正量演算手段と、該補正量演算手段による補正量を用いて補正した制御信号を演算する補正制御信号演算手段とから構成したことにある。
【0013】
このように構成したことにより、制御信号演算手段は、目標値設定手段による目標値に応じて制御信号を演算する。このとき制御信号補正手段は、偏差演算手段を用いて擬似目標値設定手段による擬似目標値と給電値検出手段による検出値との偏差を演算し、補正量演算手段を用いて検出値が擬似目標値に収束するように該偏差に基いて補正量を演算すると共に、補正制御信号演算手段を用いて該補正量に従って制御信号を補正する。これにより、電磁アクチュエータの発熱等による影響を相殺できると共に、油圧アクチュエータを目標となる位置まで速やかに作動させることができる。
【0014】
また、目標値が最大値よりも大きいときには、擬似目標値設定手段によって擬似目標値を最大値に設定するから、制御信号を最大値に保持することができ、制御信号を過大に補正することなく、電磁アクチュエータを作動させることができる。
【0015】
また、請求項2の発明は、クラッチを締結、開放する油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータと油圧源との間に配設され、弁体の変位に応じて油圧アクチュエータに給排させる圧油量を制御する弁部と、該弁部の弁体を制御信号に応じて変位させる電磁アクチュエータとからなる制御弁と、前記油圧アクチュエータを作動させるため、前記電磁アクチュエータに制御信号を出力する制御信号出力手段とからなる弁制御装置に適用される。
【0016】
そして、請求項2の発明が採用する構成の特徴は、前記制御信号出力手段は、車両の運転状態に応じてクラッチを締結、開放するために前記油圧アクチュエータを作動させるための制御信号の目標値を設定する目標値設定手段と、該目標値設定手段による目標値に応じた制御信号を演算する制御信号演算手段と、前記制御信号の最大値を演算する最大値演算手段と、該最大値演算手段による最大値が目標値よりも大きいときには擬似目標値を目標値に設定し、最大値が目標値よりも小さいときには擬似目標値を最大値に設定する擬似目標値設定手段と、前記制御信号演算手段による制御信号に対して前記電磁アクチュエータに実際に加えられた給電値を検出する給電値検出手段と、該給電値検出手段による検出値と前記擬似目標値設定手段による擬似目標値との偏差を減少させるために前記制御信号演算手段による制御信号を補正して出力する制御信号補正手段とから構成し、前記制御信号補正手段は、前記擬似目標値設定手段による擬似目標値と前記給電値検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、該偏差演算手段による偏差に基いて前記給電値検出手段による検出値が前記擬似目標値に収束するように前記制御信号を補正するための補正量を演算する補正量演算手段と、該補正量演算手段による補正量を用いて補正した制御信号を演算する補正制御信号演算手段とから構成したことにある。
【0017】
この場合、制御信号演算手段は、目標値設定手段による目標値に応じて制御信号演算手段によって制御信号を演算する。このとき制御信号補正手段は、偏差演算手段を用いて擬似目標値設定手段による擬似目標値と給電値検出手段による検出値との偏差を演算し、補正量演算手段を用いて検出値が擬似目標値に収束するように該偏差に基いて補正量を演算すると共に、補正制御信号演算手段を用いて該補正量に従って制御信号を補正する。これにより、電磁アクチュエータの発熱等による影響を相殺できると共に、油圧アクチュエータを目標となる位置まで早期に作動させて、クラッチの締結、開放を制御することができる。
【0018】
また、目標値が最大値よりも大きいときには、擬似目標値設定手段によって擬似目標値を最大値に設定するから、制御信号を最大値に保持することができ、制御信号を過大に補正することなく、電磁アクチュエータを作動させて、クラッチの締結、開放を適切に制御することができる。
【0019】
また、請求項3の発明は、油圧アクチュエータと油圧源との間に配設され、弁体の変位に応じて油圧アクチュエータに給排させる圧油量を制御する弁部と、該弁部の弁体を制御信号に応じて変位させる電磁アクチュエータとからなる制御弁と、前記油圧アクチュエータを作動させるため、前記電磁アクチュエータに制御信号を出力する制御信号出力手段とからなる弁制御装置において、前記制御信号出力手段は、前記油圧アクチュエータを目標となる位置まで作動させるための制御信号の目標値を設定する目標値設定手段と、該目標値設定手段による目標値に応じた制御信号を演算する制御信号演算手段と、前記制御信号の最大値を演算する最大値演算手段と、該最大値演算手段による最大値が目標値よりも大きいときには擬似目標値を目標値に設定し、最大値が目標値よりも小さいときには擬似目標値を最大値に設定する擬似目標値設定手段と、前記制御信号演算手段による制御信号に対して前記電磁アクチュエータに実際に加えられた給電値を検出する給電値検出手段と、該給電値検出手段による検出値と前記擬似目標値設定手段による擬似目標値との偏差を減少させるために前記制御信号演算手段による制御信号を補正して出力する制御信号補正手段とから構成し、該制御信号補正手段は、前記擬似目標値設定手段による擬似目標値と該給電値検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、該偏差演算手段による偏差に対する比例演算を行う比例演算手段と、前記偏差演算手段による偏差に対する積分演算を行う積分演算手段と、前記比例演算手段による演算値と積分演算手段による演算値とを前記制御信号演算手段による制御信号に対して加算する加算手段とから構成したことを特徴としている。
【0020】
上記構成により、制御信号補正手段は、比例演算手段による演算値と積分演算手段による演算値とを制御信号演算手段による制御信号に対して加算し、この加算演算値に基づく制御信号を電磁アクチュエータに出力することができる。このため、制御信号出力手段は、比例演算手段による演算値によって擬似目標値と検出値との偏差を減少させる制御信号を出力することができ、擬似目標値と検出値との間に定常偏差が生じるのを防止しつつ、前記油圧アクチュエータを目標とする位置まで速やか作動させることができる。また、制 御信号補正手段は、擬似目標値と検出値との偏差を減少させる構成としたから、目標値が最大値よりも大きくなるときに積分演算手段の演算値が過大に増加するのを防ぐことができ、ワインドアップ現象が生じるのを防止できると共に、電磁アクチュエータを速やかに作動させることができる。
【0021】
また、請求項4の発明は、クラッチを締結、開放する油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータと油圧源との間に配設され、弁体の変位に応じて油圧アクチュエータに給排させる圧油量を制御する弁部と、該弁部の弁体を制御信号に応じて変位させる電磁アクチュエータとからなる制御弁と、前記油圧アクチュエータを作動させるため、前記電磁アクチュエータに制御信号を出力する制御信号出力手段とからなる弁制御装置において、前記制御信号出力手段は、車両の運転状態に応じてクラッチを締結、開放するために前記油圧アクチュエータを作動させるための制御信号の目標値を設定する目標値設定手段と、該目標値設定手段による目標値に応じた制御信号を演算する制御信号演算手段と、前記制御信号の最大値を演算する最大値演算手段と、該最大値演算手段による最大値が目標値よりも大きいときには擬似目標値を目標値に設定し、最大値が目標値よりも小さいときには擬似目標値を最大値に設定する擬似目標値設定手段と、前記制御信号演算手段による制御信号に対して前記電磁アクチュエータに実際に加えられた給電値を検出する給電値検出手段と、該給電値検出手段による検出値と前記擬似目標値設定手段による擬似目標値との偏差を減少させるために前記制御信号演算手段による制御信号を補正して出力する制御信号補正手段とから構成し、該制御信号補正手段は、前記擬似目標値設定手段による擬似目標値と該給電値検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、該偏差演算手段による偏差に対する比例演算を行う比例演算手段と、前記偏差演算手段による偏差に対する積分演算を行う積分演算手段と、前記比例演算手段による演算値と積分演算手段による演算値とを前記制御信号演算手段による制御信号に対して加算する加算手段とから構成したことを特徴としている。
【0022】
上記構成により、制御信号補正手段は、比例演算手段による演算値と積分演算手段による演算値とを制御信号演算手段による制御信号に対して加算し、この加算演算値に基づく制御信号を電磁アクチュエータに出力することができる。このため、制御信号出力手段は、比例演算手段による演算値によって擬似目標値と検出値との偏差を減少させる制御信号を出力することができ、擬似目標値と検出値との間に定常偏差が生じるのを防止しつつ、前記油圧アクチュエータを目標とする位置まで速やか作動させることができる。また、制御信号補正手段は、擬似目標値と検出値との偏差を減少させる構成としたから、目標値が最大値よりも大きくなるときに積分演算手段の演算値が過大に増加するのを防ぐことができ、ワインドアップ現象が生じるのを防止できると共に、電磁アクチュエータを速やかに作動させて、クラッチの応答性を向上させることができる。
【0023】
また、請求項の発明では、最大値演算手段は、電源の電圧値と前記制御弁を構成する電磁アクチュエータのインピーダンスとの関係から制御信号の最大値を演算する構成としている。
【0024】
これにより、最大値演算手段は電源の電圧値と電磁アクチュエータのインピーダンスとを用いることによって電磁アクチュエータに給電できる制御信号の最大値を演算することができる。
【0025】
また、請求項の発明では、擬似目標値設定手段によって設定される擬似目標値は、最大値が目標値よりも大きいときには目標値と等しい値に設定し、最大値が目標値よりも小さいときには最大値と等しい値に設定する構成としている。
【0026】
このため、擬似目標値が制御信号の最大値よりも大きくなるのを防止することができ、目標値が最大値よりも大きいときには、制御信号を最大値に保持することができ、制御信号を過大に補正することなく、電磁アクチュエータを速やかに作動させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による弁制御装置を自動クラッチ制御装置に適用した場合を例に挙げて詳細に説明する。
【0028】
ここで、図1ないし図10は本発明の実施の形態を示し、1は車両に搭載されるエンジンで、該エンジン1には出力軸としてのクランク軸1Aが設けられ、該クランク軸1Aはエンジン1によって回転駆動されるものである。
【0029】
2は後述のクラッチ3を介してエンジン1に締結、開放される変速機で、該変速機2には、入力軸2Aと出力軸2Bとが設けられ、該入力軸2Aと出力軸2Bとの間には変速ギヤ2C等が配設されている。そして、変速機2は、シフトレバー2Dを操作し、変速ギヤ2Cを例えば1速、2速、3速、4速、リバースに切換えることによって、車両の駆動力と速度を可変に制御するものである。
【0030】
3はエンジン1と変速機2との間に設けられたクラッチを示し、該クラッチ3は、エンジン1のクランク軸1Aに取付けられた駆動側ディスク3Aと変速機2の入力軸2Aに取付けられた従動側ディスク3Bとから構成されている。そして、クラッチ3は、従動側ディスク3Bを駆動側ディスク3Aに摺接させることによってエンジン1のクランク軸1Aと変速機2の入力軸2Aとを締結し、エンジン1から変速機2にトルクを伝達している。また、クラッチ3は、従動側ディスク3Bを駆動側ディスク3Aから離間させることによって、エンジン1のクランク軸1Aと変速機2の入力軸2Aとを切離している。このとき、エンジン1から変速機2にトルクは伝達されず、エンジン1と変速機2とは開放されるものである。
【0031】
また、従動側ディスク3Bは常時はばね(図示せず)によって駆動側ディスク3Aに向け矢示A方向に付勢され、このときのばね力により従動側ディスク3Bは駆動側ディスク3Aに向けた締結力が付与されている。そして、従動側ディスク3Bが駆動側ディスク3Aから離間する矢示B方向に変位したときには、エンジン1のクランク軸1Aと変速機2の入力軸2Aとが切離されるものである。
【0032】
4は従動側ディスク3Bを駆動側ディスク3Aに摺接、離間させるレリーズシリンダで、該レリーズシリンダ4は、図1ないし図3に示すように、チューブ4Aと、該チューブ4A内に摺動可能に設けられたピストン4Bと、一端側が該ピストン4Bに固着され、他端側がチューブ4A外に突出したロッド4Cとから構成されている。また、レリーズシリンダ4にはピストン4Bによって油室4Dが画成されると共に、ピストン4Bはばね5によって常時は油室4Dが縮小する方向に付勢されている。そして、レリーズシリンダ4の給排口4Eには管路6が接続され、該管路6を通じて圧油が給排されるものである。
【0033】
このため、ロッド4Cは常時はばね5によって矢示C方向に縮小し、従動側ディスク3Bを矢示A方向に付勢する。一方、油室4Dに管路6を通じて圧油が供給されたときには、ロッド4Cは矢示D方向に伸長し、従動側ディスク3Bを矢示B方向に変位させるものである。
【0034】
7はレリーズシリンダ4に圧油を給排する油圧ユニットで、該油圧ユニット7は、図2に示すように、油圧源としての油圧ポンプ8、リリーフ弁9、電磁式の制御弁10から大略構成され、油圧ポンプ8から供給される圧油はリリーフ弁9によって常に一定の圧力に保たれている。また、電磁式の制御弁10は後述のスプール弁11、ばね15、電磁アクチュエータ16等から構成されている。
【0035】
11は制御弁の弁部としてのスプール弁で、該スプール弁11は、図3に示すように略筒状の弁ケーシング12とスプール13とからなり、該弁ケーシング12の内周側にはスプール13が摺動可能に挿嵌されるスプール摺動穴12Aが形成されている。また、弁ケーシング12にはスプール摺動穴12Aの軸方向に離間してタンクポート12B、ポンプポート12C、流出入ポート12D、ドレンポート12E,12Fが設けられている。
【0036】
ここで、タンクポート12Bはタンク14に接続され、ポンプポート12Cは油圧ポンプ8に接続されている。そして、流出入ポート12Dは管路6を介してレリーズシリンダ4の給排口4Eに接続されている。また、ドレンポート12E,12Fはタンク14に接続されている。
【0037】
13は弁ケーシング12のスプール摺動穴12A内に変位可能に設けられた弁体としてのスプールであり、該スプール13には、図3に示すように2個のランド13A,13Bが設けられ、ランド13Aはタンクポート12Bと流出入ポート12Dとの間を連通、遮断し、ランド13Bはポンプポート12Cと流出入ポート12Dとの間を連通、遮断するものである。
【0038】
また、スプール13と弁ケーシング12との間には、ドレンポート12Eに連通するばね室12Gが形成され、該ばね室12G内には、スプール13を矢示E方向に常時付勢するばね15が設けられている。そして、スプール13は、後述する電磁アクチュエータ16によりコントロールユニット17から出力されるパルス幅変調信号(以下、PWM信号という)のデューティ比に比例して矢示E,F方向に摺動変位され、スプール弁11を図2に示す中立位置(イ)、低圧位置(ロ)、高圧位置(ハ)に切換えるものである。
【0039】
16はスプール13を駆動する電磁アクチュエータで、該電磁アクチュエータ16は電磁比例ソレノイドからなり、弁ケーシング12に取付けられたケース16Aと、該ケース16A内に設けられたコイル部16Bと、該コイル部16Bの内周側に変位可能に設けられた駆動ロッド16Cとから構成されている。
【0040】
そして、電磁アクチュエータ16のコイル部16Bは後述のコントロールユニット17の出力側に接続され、電磁アクチュエータ16はコントロールユニット17からコイル部16Bに制御信号としての制御電流に応じたPWM信号が供給されることによって、スプール13を矢示E,F方向に摺動変位させ、スプール弁11を中立位置(イ)、低圧位置(ロ)、高圧位置(ハ)のいずれかに切換制御する。
【0041】
即ち、電磁アクチュエータ16にPWM信号が供給されていないときには、スプール13はばね15によって矢示E方向に付勢され、スプール弁11は低圧位置(ロ)となる。このとき、油室4D内の油液がタンク14に排出され、油室4D内の圧力がタンク14内のドレン圧まで低下し、レリーズシリンダ4のロッド4Cは矢示C方向に縮小する。
【0042】
また、電磁アクチュエータ16に例えば50%のディーティ比のPWM信号が供給されたときには、スプール弁11が中立位置(イ)に切換わる。このとき、タンクポート12B,ポンプポート12Cはスプール13のランド13A,13Bによって閉塞されると共に、油室4D内に圧油が給排されず、レリーズシリンダ4は停止する。
【0043】
さらに、電磁アクチュエータ16によってスプール13が中立位置(イ)を越えて矢示F方向に摺動変位したときには、スプール弁11は高圧位置(ハ)に切換えられる。このとき、油圧ポンプ8からの圧油がレリーズシリンダ4の油室4D内に供給され、レリーズシリンダ4のロッド4Cは矢示D方向に伸長する。
【0044】
17は制御信号出力手段をなす自動クラッチ用のコントロールユニットを示し、該コントロールユニット17は例えばマイクロコンピュータ等により構成され、該コントロールユニット17にはROM、RAM等からなる記憶部17Aが設けられている。
【0045】
また、コントロールユニット17にはレリーズシリンダ4のストローク位置を検出するストロークセンサ18が接続されると共に、後述の車両運転状態検出手段として例えばスロットルセンサ19、車速センサ20、シフト位置センサ21、エンジン回転数センサ22等が接続されている。
【0046】
そして、記憶部17Aには図5ないし図8に示す自動クラッチの制御処理プログラムが格納されており、スロットルセンサ19、車速センサ20、シフト位置センサ21、エンジン回転数センサ22によるそれぞれの検出信号を用いて車両の運転状態に応じたクラッチ3の制御モードを判別すると共に、ストロークセンサ18による検出位置を用いてレリーズシリンダ4を駆動制御するために電磁アクチュエータ16に制御信号としての制御電流に対応したPWM信号を出力している。
【0047】
このため、PWM信号のデューティ比dが大きく、デューティ比dが100%に近くなるに従って制御電流は大きくなると共に、スプール13は矢示F方向に移動する。これにより、油圧ポンプ8からレリーズシリンダ4に圧油が供給され、ロッド4Cは矢示D方向に伸長し、従動側ディスク3Bを矢示B方向に変位させる。
【0048】
一方、PWM信号のデューティ比dが大きく、デューティ比dが0%に近くなるに従って制御電流は小さくなると共に、スプール13は矢示E方向に移動する。これにより、油圧ポンプ8からレリーズシリンダ4に圧油が供給され、ロッド4Cは矢示C方向に縮小し、従動側ディスク3Bを矢示A方向に変位させるものである。
【0049】
18はレリーズシリンダ4のストローク位置を検出する作動位置検出手段としてのストロークセンサで、該ストロークセンサ18はレリーズシリンダ4のロッド4Cの近傍に設けられ、レリーズシリンダ4のストローク位置となるロッド4C先端の検出位置に応じた信号をコントロールユニット17に出力している。
【0050】
19はスロットルの開度を検出するスロットルセンサ、20は車両の速度を検出する車速センサ、21はシフトレバー2Dのシフト位置を検出するシフト位置センサ、22はエンジン1の回転数を検出するエンジン回転数センサをそれぞれ示している。そして、スロットルセンサ19、車速センサ20、シフト位置センサ21、エンジン回転数センサ22は車両運転状態検出手段を構成し、車両の運転状態に応じた検出信号をコントロールユニット17に出力するものである。
【0051】
23は給電値検出手段としての電流検出器で、該電流検出器23の出力側はコントロールユニット17に接続されている。そして、該電流検出器23は、電磁アクチュエータ16にコントロールユニット17からPWM信号を供給したときに、コイル部16Bに流れる実際の制御電流を検出し、制御電流の検出値Iy を検出信号としてコントロールユニット17に出力している。
【0052】
また、電流検出器23はPWM信号が出力される例えば5ms程度の制御ステップ毎にコイル部16Bに供給された制御電流を検出し、この検出値をコントロールユニット17に出力するものである。即ち、電流検出器23は、PWM信号の出力タイミングに同期して制御電流を検出するものである。
【0053】
24は電磁アクチュエータ16の電源として例えばバッテリ(図示せず)等の電圧を検出する電圧検出器で、該電圧検出器24の出力側はコントロールユニット17に接続されている。そして、電源検出器24は電源の電圧値Vをコントロールユニット17に出力している。
【0054】
次に、コントロールユニット17による自動クラッチ制御処理を図4に示す制御ブロック図を参照して説明する。
【0055】
25はクラッチモード判別部で、該クラッチモード判別部25はスロットルセンサ19、車速センサ20、シフト位置センサ21、エンジン回転数センサ22によるそれぞれの検出信号を用いてクラッチ3を締結、開放させるための制御モードを判別する。
【0056】
26は目標位置演算部で、該目標位置演算部26はクラッチモード判別部25によって判定された制御モードに応じてレリーズシリンダ4の目標とすべきストローク位置としての目標位置を演算している。このため、目標位置演算部26は、例えばクラッチモード判別部25によってクラッチ3を締結させる制御モードと判定したときには、レリーズシリンダ4を縮小させ、従動側ディスク3Bを駆動側ディスク3Aに摺接させるために、レリーズシリンダ4が縮小した位置となる目標位置を演算する。
【0057】
また、目標位置演算部26は、例えばクラッチモード判別部25によってクラッチ3を開放させる制御モードと判定したときには、レリーズシリンダ4を伸長させ、従動側ディスク3Bを駆動側ディスク3Aから離間させるために、レリーズシリンダ4が伸長した位置となる目標位置を演算する。
【0058】
さらに、目標位置演算部26は、例えばクラッチモード判別部25によってクラッチ3をエンジン1から変速機2に一部のトルクを伝達する半クラッチ位置から徐々に締結させる制御モードと判定したときには、レリーズシリンダ4を徐々に縮小させて、従動側ディスク3Bを駆動側ディスク3Aに徐々に摺接させるために、レリーズシリンダ4が伸長した位置から縮小した位置に向けて目標位置を更新する。
【0059】
27は位置偏差演算部で、該位置偏差演算部27は目標位置演算部26による目標位置とストロークセンサ18による検出位置との位置偏差を演算している。
【0060】
28は目標値設定手段としての目標電流設定部で、目標電流設定部28は位置偏差演算部27による位置偏差を減少させて目標位置演算部26による目標位置までレリーズシリンダ4を伸長させるための目標信号として制御電流の目標値Ir を設定する。
【0061】
即ち、クラッチモード判別部25によってクラッチ3を締結させる制御モードと判別したときには、目標電流設定部28はスプール弁11を低圧位置(ロ)に切換えるための制御電流の目標値Ir を設定する。これにより、スプール13は矢示E方向に摺動変位し、レリーズシリンダ4が矢示C方向に縮小すると共に、従動側ディスク3Bは駆動側ディスク3Aに摺接する。
【0062】
また、クラッチモード判別部25によってクラッチ3を開放させる制御モードと判別したときには、目標電流設定部28はスプール弁11を高圧位置(ハ)に切換えるための制御電流の目標値Ir を設定する。これにより、スプール13は矢示F方向に摺動変位し、レリーズシリンダ4が矢示D方向に伸長すると共に、従動側ディスク3Bは駆動側ディスク3Aから離間する。
【0063】
さらに、クラッチモード判別部25によってクラッチ3を半クラッチ位置から徐々に締結させる制御モードと判定したときには、目標電流設定部28は高圧位置(ハ)から低圧位置(ロ)に徐々に切換えるための制御電流の目標値Ir を設定する。これにより、スプール13は矢示E方向に摺動変位し、レリーズシリンダ4が矢示C方向に縮小すると共に、従動側ディスク3Bは駆動側ディスク3Aに徐々に摺接する。
【0064】
29は後述の電圧変動補正部30と共に制御信号演算手段を構成するデュ−ティ比演算部で、該デュ−ティ比演算部29は目標電流設定部28による制御電流の目標値Ir に対応したPWM信号のデュ−ティ比d0 を演算している。即ち、デュ−ティ比演算部29は例えばスプール弁13を低圧位置(ロ)に切換えるときには0%のデュ−ティ比d0 を演算し、スプール弁13を中立位置(イ)に切換えるときには50%のデュ−ティ比d0 を演算し、スプール弁13を高圧位置(ハ)に切換えるときには100%のデュ−ティ比d0 を演算するものである。そして、デュ−ティ比演算部29は演算したデュ−ティ比d0 に対応する信号を後述の電圧変動補正部30に出力している。
【0065】
30は電磁アクチュエータ16の電源となるバッテリ(図示せず)の電圧値Vが変動したときに、この変動に応じてデュ−ティ比d0 を補正する電圧変動補正部で、該電圧変動補正部30は電圧検出器24による電圧値Vが上昇したときにはデュ−ティ比d0 を減少させ、電圧値Vが降下したときにはデュ−ティ比d0 を増加させるものである。これにより、電圧変動補正部30は補正したデュ−ティ比d1 に対応した信号を出力し、PWM信号を生成するためのバッテリの電圧値Vが変動することによって電磁アクチュエータ16に流れる制御電流が変化するのを防止している。
【0066】
31は制御信号補正手段としてのデュ−ティ比補正部で、該デュ−ティ比補正部31は後述の偏差演算部34、比例演算部35、積分演算部36、加算演算部37およびPWM変換部38から構成されている。そして、デュ−ティ比補正部31は後述の制御電流の擬似目標値Ir0 検出値Iy との偏差eを減少させるためにデュ−ティ比d1 を補正し、補正後のデュ−ティ比dを演算し、デュ−ティ比dに対応したPWM信号を電磁アクチュエータ16に出力している。
【0067】
32は最大値演算手段としての最大値演算部で、該最大値演算部32は、電圧検出器24による電圧値Vと、例えば6Ω程度の予め決められた電磁アクチュエータ16のインピーダンスZとを用いて、電磁アクチュエータ16に給電できる制御電流の最大電流値としての最大値IL を下記数1に示す如く演算する。
【0068】
【数1】
Figure 0003574557
【0069】
33は擬似目標値設定手段としての擬似目標値設定部で、該擬似目標値設定部33は最大値演算部32による最大値IL と目標電流設定部28による目標値Ir とから擬似目標値Ir0を設定する。
【0070】
即ち、擬似目標値設定部33は、最大値IL が目標値Ir よりも大きい(IL >Ir )ときには、擬似目標値Ir0を目標値Ir と等しい値(Ir0=Ir )に設定し、最大値IL が目標値Ir よりも小さい(IL ≦Ir )ときには、擬似目標値Ir0を目標値Ir と等しい値(Ir0=IL )に設定するものである。
【0071】
34は偏差演算手段としての偏差演算部で、該偏差演算部34は擬似目標値設定部33によって設定された擬似目標値Ir0と電流検出器23からの検出値Iy との偏差eを下記数2に示すように演算する。
【0072】
【数2】
Figure 0003574557
【0073】
35は比例演算手段としての比例演算部で、該比例演算部35は、後述の積分演算部36と共に検出値I y が擬似目標値I r0 に収束するように制御電流を補正するための補正量を演算する補正量演算手段を構成している。そして、比例演算部35は、比例演算用の定数Kp と偏差演算部34による偏差eとの積から比例演算値u1 を下記数2に示す如く演算する。
【0074】
【数3】
Figure 0003574557
【0075】
36は積分演算手段としての積分演算部で、該積分演算部36は、積分演算用の定数Ki を用いて偏差演算部34からの偏差eとに対する積分演算を行い、このときの積分値に対応した積分演算値u2 を下記数4に示す如く演算する。
【0076】
【数4】
Figure 0003574557
【0077】
37は加算手段(補正制御信号演算手段)としての加算演算部で、該加算演算部37は、比例演算部35による比例演算値u1 、積分演算部36による積分演算値u2 およびデューティ比d1 を加算している。そして、加算演算部37は補正後のデューティ比dを下記数5に示す如く演算する。
【0078】
【数5】
Figure 0003574557
【0079】
38はPWM変換部で、該PWM変換部38は加算演算部37から出力されるデューティ比dをPWM信号に変換し、このPWM信号を電磁式の制御弁10の電磁アクチュエータ16に出力している。これにより、PWM変換部38は補正後のデューティ比dに対応した制御電流を電磁アクチュエータ16のコイル部16Bに出力するものである。
【0080】
次に、図5ないし図8を参照してコントロールユニット17による自動クラッチの制御処理について説明する。ここで、自動クラッチの制御処理は図5に示す制御モード判別処理と図6に示すPWM信号出力処理とからなり、PWM信号出力処理は制御モード判別処理に対して例えば5ms程度の制御ステップ毎に割込み処理されるものである。
【0081】
まず、制御モード判別処理について説明するに、ステップ1では例えばイグニションスイッチが「OFF」か否かによって制御終了条件が成立しているか否かを判定し、ステップ1で「YES」と判定したときには、イグニションスイッチが「OFF」となっているから、ステップ2に移って制御を終了する。一方、ステップ1で「NO」と判定したときには、制御終了条件が成立していないから、次なるステップ3に移る。
【0082】
ステップ3では、スロットルセンサ19、車速センサ20、シフト位置センサ21、エンジン回転数センサ22による検出信号を用いてクラッチ3を締結、開放させる制御モードを判別し、再度ステップ1に移行する。
【0083】
次に、図6に示すPWM信号出力処理について説明するに、ステップ11では、制御モード判別処理によって判別された制御モードに応じてレリーズシリンダ4の目標位置を設定し、ステップ12では目標位置と検出位置との位置偏差を演算する。
【0084】
そして、ステップ13では位置偏差を減少させるために電磁アクチュエータ16に出力すべき制御電流の目標値Ir を設定する。例えば、クラッチ3を締結させるときには、制御電流の目標値Ir を零(Ir =0)に設定する。一方、クラッチ3を開放させるときには、例えば制御電流の目標値Ir を予め決められた最大となる一定値Imax (Ir =Imax )に設定する。
【0085】
次に、ステップ14では、制御電流の目標値Ir に対応したPWM信号のデューティ比d0 を演算し、ステップ15ではバッテリの電圧値Vの変動に応じてこのデューティ比d0 を補正し、補正したデューティ比d1 を演算すると共に、ステップ16に移行する。
【0086】
次に、ステップ16では、擬似目標値Ir0を設定すると共に、ステップ17では電磁アクチュエータ16に流れる制御電流の検出値Iy と擬似目標値Ir0との偏差eを減少させるために制御電流の検出値Iy に対するデューティ比の補正処理を行ない、デューティ比dを演算する。
【0087】
そして、次なるステップ18では、デューティ比dをPWM信号に変換し、このPWM信号を電磁アクチュエータ16に出力し、ステップ19に移ってリターンする。
【0088】
次に、図7に示す擬似目標値Ir0の設定処理について説明するに、ステップ21では、電圧検出器24によってバッテリの電圧値Vを検出し、ステップ22では、この電圧値Vと予め記憶部17Aに格納されている電磁アクチュエータ16のインピーダンスZとから数1の式に基づいて制御電流の最大値IL を演算する。
【0089】
そして、ステップ23では最大値IL が目標値Ir よりも小さい(IL ≦Ir )か否かを判別し、ステップ23で「YES」と判定したときには、最大値IL が目標値Ir よりも小さい(IL ≦Ir )から、ステップ24に移って擬似目標値Ir0を最大値IL と等しい値(Ir0=IL )に設定し、ステップ26に移ってリターンする。
【0090】
一方、ステップ23で「NO」と判定したときには、最大値IL は目標値Ir よりも大きい(IL >Ir )から、ステップ25に移って擬似目標値Ir0を目標値Ir と等しい値(Ir0=Ir )に設定し、ステップ26に移ってリターンする。
【0091】
次に、図8に示す制御電流の検出値Iy に対するデューティ比の補正処理について説明するに、ステップ31では擬似目標値Ir0と検出値Iy との偏差eを数2の式により演算し、ステップ32に移って偏差eと比例演算の利得として予め決められた値の定数Kp とを掛けることによって比例演算値u1 を数3の式によって演算する。
【0092】
次に、ステップ33では偏差eと積分演算の利得として予め決められた値の定数Ki との積を演算し、前回の積分演算値u2 に加算することによって新たなる積分演算値u2 を数4の式により演算する。
【0093】
そして、ステップ34ではデューティ比d1 に比例演算値u1 、積分演算値u2 を加算することによって、補正後のデューティ比dを数5の式により演算し、ステップ35に移ってリターンする。
【0094】
次に、デューティ比補正部31の作用について図9を参照しつつ詳述する。ここで、図9は制御電流の検出値Iy 、比例演算値u1 、積分演算値u2 と時間との関係を示している。また、目標値Ir は例えばクラッチ3を開放するために図9中に一点鎖線で示す特性線39のようにステップ状に時間変化したものとしている。
【0095】
まず、車両の運転状態が変化し、目標位置演算部26による目標位置が変更されたときに、制御電流の目標値Ir が例えば零(Ir =0)からある一定値Ir1(Ir =Ir1)にステップ状に時間変化したものとし、一定値Ir1は制御電流の最大値IL を越えない(IL >Ir1)ものとする。
【0096】
ここで、デューティ比補正部31を設けない場合、即ち定数Kp が零(Kp =0)、かつ定数Ki が零(Ki =0)の場合の制御電流の検出値Iy を比較例として図9中に点線で示す特性線40に示す。この場合、電磁アクチュエータ16が加熱されたときには、コイル部16Bの内部抵抗が増加するから、実際に電磁アクチュエータ16に流れる制御電流は、加熱されていないときに比べて減少することになる。
【0097】
このため、制御電流の検出値Iy は目標値Ir に達することができず、検出値Iy と目標値Ir との間に定常偏差e0 が発生することになる。これにより、クラッチ3は目標とする位置まで移動することができず、例えば車両の運転状態が変化し、クラッチ3を開放させる制御モードから半クラッチ位置から徐々に締結させる制御モードに変更したときに、運転者の意に反してクラッチ3が締結してしまう等の不具合を生じることになる。
【0098】
また、コイル部16B内の抵抗およびインダクタンスにより、電磁アクチュエータ16の作動が遅延すると共に、電磁アクチュエータ16の応答性が低下し、クラッチ3の締結、開放が遅れる傾向がある。
【0099】
そこで、本実施の形態による弁制御装置ではデューティ比補正部31を設けることにより、実際に電磁アクチュエータ16に流れる制御電流の検出値Iy と擬似目標値Ir0との偏差eを減少させるためのフィードバック制御を行なっている。このとき、制御電流の検出値Iy は、図9中に実線で示す特性線41のように一定値Ir1に向って徐々に増加する。
【0100】
即ち、目標値Ir に設定された擬似目標値Ir0と検出値Iy との偏差eを用いて比例演算値u1 を図9中の特性線42に示すように演算すると共に、偏差eを用いて積分演算値u2 を図9中の特性線43に示すように演算する。そして、比例演算値u1 と積分演算値u2 とをデューティ比d1 に加算し、補正後のデューティ比dをPWM信号に変換すると共に、このPWM信号を電磁アクチュエータ16に出力し、コイル部16Bに流れる制御電流を増減させている。
【0101】
これにより、電磁アクチュエータ16に流れる制御電流の検出値Iy が目標値Ir に達してないときには、電磁アクチュエータ16に出力する制御電流を増加させることができる。一方、電磁アクチュエータ16に流れる制御電流の検出値Iy が目標値Ir よりも過大となるときには、電磁アクチュエータ16に供給する制御電流を減少させることができる。
【0102】
このとき、積分演算値u2 はほぼ定常偏差e0 に対応した一定値u20となる。これにより、電磁アクチュエータ16が加熱されたときでも、この加熱による影響を相殺でき、電磁アクチュエータ16が加熱されていないときとほぼ等しい制御電流を流すことができる。このため、クラッチ3を目標とする位置に確実に移動させることができると共に、クラッチ3を適切に制御することができる。
【0103】
また、比例演算値u1 をデューティ比d1 に加算するから、偏差eを減少させるように電磁アクチュエータ16に出力する制御電流を増減させることができ、電磁アクチュエータ16を速やかに作動させて、電磁アクチュエータ16の応答性を向上させることができる。
【0104】
次に、最大値演算部32と擬似目標値設定部33との作用について説明する。ここで、目標値Ir は例えばクラッチ3を開放するために図10中に一点鎖線で示す特性線44のようにステップ状に時間変化したものとしている。そして、バッテリの電圧値Vが降下し、制御電流の最大値IL が図10中に仮想線で示す特性線44に示す如く目標値Ir よりも大きく(IL <Ir )なるものとしている。
【0105】
この場合、制御電流の目標値Ir が最大値IL よりも大きくなったときには、擬似目標値設定部33は図10中の特性線45に示すように擬似目標値Ir0を最大値IL に設定する。これにより、目標値Ir が最大値IL よりも大きいときには、制御電流の検出値Iy は図10中の特性線46に示す如く最大値IL に保持されるから、擬似目標値Ir0と検出値Iy との偏差eをほぼ零(e=0)にすることができる。このため、目標値Ir が最大値IL よりも大きいときには、積分演算値u2 は図10中の特性線47に示すようにほぼ一定の値に保持されることになる。
【0106】
これにより、車両の運転状態が変化し、クラッチ3を例えば半クラッチ位置まで移動させるために、電磁アクチュエータ16の制御電流を減少させるときには、制御電流を目標値Ir に追従させて速やか減少させることができる。このため、電磁アクチュエータ16を速やかに作動させて、クラッチ3の応答性を向上させることができる。
【0107】
これに対し、図11は擬似目標値Ir0を常に目標値Ir に設定した場合の制御電流の検出値Iy 、積分演算値u2 と時間との関係を比較例として示している。
【0108】
この場合、図11中の特性線48に示すように制御電流の目標値Ir が最大値IL よりも大きくなったときには、電磁アクチュエータ16には最大値IL よりも大きな値の制御電流を供給することができないから、制御電流の検出値Iy は特性線49に示すように最大値IL で保持されることになる。このとき、積分演算値u2 は目標値Ir と検出値Iy との偏差を積分することになるから、図11中の特性線50に示すように徐々に増加することになる。
【0109】
そして、車両の運転状態が変化し、クラッチ3を例えば半クラッチ位置まで移動させるために、電磁アクチュエータ16の制御電流を減少させるときには、増加した積分演算値u2 が減少するまでの間は制御電流の検出値Iy は目標値Ir に追従せず、検出値Iy が減少しないワインドアップ現象が生じることになる。このため、電磁アクチュエータ16の作動が遅延し、クラッチ3を速やかに半クラッチ位置に移動させることができなくなり、クラッチ3の応答性が低下することになる。
【0110】
そこで、本実施の形態による弁制御装置では擬似目標値Ir0と検出値Iy との偏差eを用いることによって、積分演算値u2 が過大に増加するのを防止し、このようなワインドアップ現象の発生を防止している。
【0111】
かくして、本実施の形態によれば、デューティ比補正部31によって電磁アクチュエータ16に流れる制御電流の検出値Iy と擬似目標値Ir0との偏差eを減少させる構成としたから、電磁アクチュエータ16が加熱されたときでも、電磁アクチュエータ16が加熱していないときと実質的に等しい制御電流を流すことができ、電磁アクチュエータ16の発熱による影響を相殺することができる。
【0112】
また、最大値演算部32はバッテリの電圧値Vと電磁アクチュエータ16のインピーダンスZとの関係から制御電流の最大値IL を演算する構成としたから、電圧値VとインピーダンスZとの商から電磁アクチュエータ16に給電できる制御電流の最大値IL を確実に演算することができる。
【0113】
また、擬似目標値Ir0を最大値IL が目標値Ir よりも大きいときには目標値Ir と等しい値(Ir0=Ir )に設定し、最大値IL が目標値Ir よりも小さいときには最大値IL と等しい値(Ir0=IL )に設定したから、擬似目標値Ir0が制御電流の最大値IL よりも大きくなるのを防止することができ、目標値Ir が最大値IL よりも大きいときには、制御電流を最大値IL に保持することができ、制御電流を過大に補正することなく、電磁アクチュエータ16を作動させて、クラッチ3の締結、開放を適切に制御することができる。
【0114】
また、擬似目標値Ir0と検出値Iy との偏差eを減少させる構成としたから、バッテリの電圧値Vが降下し、目標値Ir が最大値IL よりも大きくなるときに積分演算値u2 が過大に増加するのを防ぐことができ、ワインドアップ現象が生じるのを防止できると共に、電磁アクチュエータ16を速やかに作動させて、クラッチ3の応答性を向上させることができる。
【0115】
また、デューティ比補正部31によって補正したデューティ比dを用いることによって、電磁アクチュエータ16の応答性を向上させることができ、車両の運転状態に対応して、例えばクラッチ3を半クラッチ位置から徐々に締結させる制御モードで、クラッチ3を速やかに目標となる位置に移動させることができ、クラッチ3の締結、開放を適切に制御することができる。
【0116】
さらに、デューティ比補正部31に比例演算部35、積分演算部36を設けたから、比例演算部35によって制御電流の検出値Iy と擬似目標値Ir0との偏差eを減少させることができると共に、温度変化によって発生する定常偏差e0 を積分演算部36よって減少させることができる。
【0117】
なお、本実施の形態においてステップ22は最大値演算部32の具体例、ステップ23〜25は擬似目標値設定部33の具体例、ステップ31は偏差演算部34の具体例、ステップ32は比例演算部35の具体例、ステップ33は積分演算部36の具体例、ステップ34は加算演算部37の具体性をそれぞれ示している。
【0118】
また、本実施の形態では弁制御装置を自動クラッチ制御装置に適用した場合を例に挙げて示したが、本発明はこれに限らず、自動クラッチの制御以外に、例えば油圧シリンダのストロークを可変に制御する種々の電磁式の制御弁の弁制御にも広く適用できるものである。
【0119】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、制御信号出力手段には偏差演算手段、補正量演算手段および補正制御信号演算手段からなる制御信号補正手段を設け、補正量演算手段によって給電値の検出値が擬似目標値に収束するように偏差に基く補正量を演算し、補正制御信号演算手段によって該補正量に従って制御信号を補正するから、実際に電磁アクチュエータに加えられた給電値の検出値と擬似目標値との偏差を減少させることができる。このため、電磁アクチュエータが加熱されたときでも、電磁アクチュエータが加熱されていないときと実質的に等しい制御信号を加えることができ、電磁アクチュエータの発熱による影響を相殺できると共に、電磁アクチュエータの応答性を向上させることができる。
【0120】
また、擬似目標値と検出値との偏差を減少させる構成としたから、制御信号が変動することによってワインドアップ現象が生じるのを防止できると共に、電磁アクチュエータを速やかに作動させて、クラッチの応答性を向上させることができる。
【0121】
また、請求項2の発明によれば、制御信号出力手段には偏差演算手段、補正量演算手段および補正制御信号演算手段からなる制御信号補正手段を設け、補正量演算手段によって給電値の検出値が擬似目標値に収束するように偏差に基く補正量を演算し、補正制御信号演算手段によって該補正量に従って制御信号を補正するから、実際に電磁アクチュエータに加えられた給電値の検出値と擬似目標値との偏差を減少させることができる。このとき、制御信号出力手段によって電磁アクチュエータの作動を制御し、アクチュエータに圧油を給排することによってクラッチを締結、開放する構成としたから、クラッチを高い応答性をもって可変に制御でき、車両の運転状態に対応してクラッチを速やかに目標となる位置に移動させることができ、クラッチの締結、開放を適切に制御することができる。
【0122】
また、請求項3の発明によれば、制御信号補正手段は比例演算手段と積分演算手段とを備える構成としたから、比例演算手段によって制御信号の検出値と制御信号の擬似目標値との偏差を減少させることができると共に、温度変化によって検出値と制御信号の擬似目標値との間に発生する定常偏差を積分演算手段よって減少させることができる。また、制御信号補正手段は、目標値および最大値のうち小さい値となった擬似目標値と検出値との偏差を減少させる構成としたから、目標値が最大値よりも大きくなるときに積分演算手段の演算値が過大に増加するのを防ぐことができ、ワインドアップ現象が生じるのを防止できると共に、電磁アクチュエータを速やかに作動させることができる。
【0123】
また、請求項4の発明によれば、制御信号補正手段の補正量演算手段は比例演算手段と積分演算手段とによって構成したから、比例演算手段によって制御信号の検出値と制御信号の擬似目標値との偏差を減少させることができると共に、温度変化によって検出値と制御信号の擬似目標値との間に発生する定常偏差を積分演算手段よって減少させることができる。また、制御信号補正手段は、目標値および最大値のうち小さい値となった擬似目標値と検出値との偏差を減少させる構成としたから、目標値が最大値よりも大きくなるときに積分演算手段の演算値が過大に増加するのを防ぐことができ、ワインドアップ現象が生じるのを防止できると共に、電磁アクチュエータを速やかに作動させることができ、クラッチの応答性を高めることができる。このため、クラッチを高い応答性をもって可変に制御でき、車両の運転状態に対応してクラッチを速やかに目標となる位置に移動させることができ、クラッチの締結、開放を適切に制御することができる。
【0124】
また、請求項の発明によれば、最大値演算手段は電源の電圧値と前記制御弁を構成する電磁アクチュエータのインピーダンスとの関係から制御信号の最大値を演算する構成としたから、電源の電圧値と電磁アクチュエータのインピーダンスとを用いることによって電磁アクチュエータに給電できる制御信号の最大値を演算することができる。
【0125】
また、請求項の発明では、擬似目標値設定手段によって設定される擬似目標値を、最大値が目標値よりも大きいときには目標値と等しい値に設定し、最大値が目標値よりも小さいときには最大値と等しい値に設定したから、擬似目標値が制御信号の最大値よりも大きくなるのを防止することができ、目標値が最大値よりも大きいときには、制御信号を最大値に保持することができ、制御信号を過大に補正することなく、電磁アクチュエータを速やかに作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による弁制御装置が適用される自動クラッチ制御装置を示す全体構成図である。
【図2】図1中の油圧ユニット等を示す油圧回路図である。
【図3】実施の形態によるレリーズシリンダおよび制御弁等を示す断面図である。
【図4】実施の形態による自動クラッチ制御装置の制御ブロック図である。
【図5】実施の形態による制御モード判別処理を示す流れ図である。
【図6】実施の形態によるPWM信号出力処理を示す流れ図である。
【図7】実施の形態による擬似目標値の設定処理を示す流れ図である。
【図8】実施の形態による制御電流の検出値に対するデューティ比の補正処理を示す流れ図である。
【図9】実施の形態による電磁アクチュエータにPWM信号を出力したときの検出値、目標値、比例演算値および積分演算値の時間変化を示す特性線図である。
【図10】実施の形態による電磁アクチュエータにPWM信号を出力したときの検出値、目標値および積分演算値の時間変化を示す特性線図である。
【図11】擬似目標値の設定処理を行わないときの検出値、目標値および積分演算値の時間変化を比較例として示す特性線図である。
【符号の説明】
3 クラッチ
4 レリーズシリンダ(油圧アクチュエータ)
10 制御弁
11 スプール弁(弁部)
13 スプール(弁体)
16 電磁アクチュエータ
17 コントロールユニット(制御信号出力手段)
23 電流検出器(給電値検出手段)
24 電圧検出器
28 目標電流設定部(目標値設定手段)
29 デューティ比演算部(制御信号演算手段)
30 電圧変動補正部
31 デューティ比補正部(制御信号補正手段)
32 最大値演算部(最大値演算手段)
33 擬似目標値設定部(擬似目標値設定手段)
34 偏差演算部(偏差演算手段)
35 比例演算部(比例演算手段)
36 積分演算部(積分演算手段)
37 加算演算部(加算手段)
38 PWM変換部

Claims (6)

  1. 油圧アクチュエータと油圧源との間に配設され、弁体の変位に応じて油圧アクチュエータに給排させる圧油量を制御する弁部と、該弁部の弁体を制御信号に応じて変位させる電磁アクチュエータとからなる制御弁と、
    前記油圧アクチュエータを作動させるため、前記電磁アクチュエータに制御信号を出力する制御信号出力手段とからなる弁制御装置において、
    前記制御信号出力手段は、前記油圧アクチュエータを目標となる位置まで作動させるための制御信号の目標値を設定する目標値設定手段と、
    該目標値設定手段による目標値に応じた制御信号を演算する制御信号演算手段と、
    前記制御信号の最大値を演算する最大値演算手段と、
    該最大値演算手段による最大値が目標値よりも大きいときには擬似目標値を目標値に設定し、最大値が目標値よりも小さいときには擬似目標値を最大値に設定する擬似目標値設定手段と、
    前記制御信号演算手段による制御信号に対して前記電磁アクチュエータに実際に加えられた給電値を検出する給電値検出手段と、
    該給電値検出手段による検出値と前記擬似目標値設定手段による擬似目標値との偏差を減少させるために前記制御信号演算手段による制御信号を補正して出力する制御信号補正手段とから構成し
    前記制御信号補正手段は、前記擬似目標値設定手段による擬似目標値と前記給電値検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、
    該偏差演算手段による偏差に基いて前記給電値検出手段による検出値が前記擬似目標値に収束するように前記制御信号を補正するための補正量を演算する補正量演算手段と、
    該補正量演算手段による補正量を用いて補正した制御信号を演算する補正制御信号演算手段とから構成したことを特徴とする弁制御装置。
  2. クラッチを締結、開放する油圧アクチュエータと、
    該油圧アクチュエータと油圧源との間に配設され、弁体の変位に応じて油圧アクチュエータに給排させる圧油量を制御する弁部と、該弁部の弁体を制御信号に応じて変位させる電磁アクチュエータとからなる制御弁と、
    前記油圧アクチュエータを作動させるため、前記電磁アクチュエータに制御信号を出力する制御信号出力手段とからなる弁制御装置において、
    前記制御信号出力手段は、車両の運転状態に応じてクラッチを締結、開放するために前記油圧アクチュエータを作動させるための制御信号の目標値を設定する目標値設定手段と、
    該目標値設定手段による目標値に応じた制御信号を演算する制御信号演算手段と、
    前記制御信号の最大値を演算する最大値演算手段と、
    該最大値演算手段による最大値が目標値よりも大きいときには擬似目標値を目標値に設定し、最大値が目標値よりも小さいときには擬似目標値を最大値に設定する擬似目標値設定手段と、
    前記制御信号演算手段による制御信号に対して前記電磁アクチュエータに実際に加えられた給電値を検出する給電値検出手段と、
    該給電値検出手段による検出値と前記擬似目標値設定手段による擬似目標値との偏差を減少させるために前記制御信号演算手段による制御信号を補正して出力する制御信号補正手段とから構成し
    前記制御信号補正手段は、前記擬似目標値設定手段による擬似目標値と前記給電値検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、
    該偏差演算手段による偏差に基いて前記給電値検出手段による検出値が前記擬似目標値に収束するように前記制御信号を補正するための補正量を演算する補正量演算手段と、
    該補正量演算手段による補正量を用いて補正した制御信号を演算する補正制御信号演算 手段とから構成したことを特徴とする弁制御装置。
  3. 油圧アクチュエータと油圧源との間に配設され、弁体の変位に応じて油圧アクチュエータに給排させる圧油量を制御する弁部と、該弁部の弁体を制御信号に応じて変位させる電磁アクチュエータとからなる制御弁と、
    前記油圧アクチュエータを作動させるため、前記電磁アクチュエータに制御信号を出力する制御信号出力手段とからなる弁制御装置において、
    前記制御信号出力手段は、前記油圧アクチュエータを目標となる位置まで作動させるための制御信号の目標値を設定する目標値設定手段と、
    該目標値設定手段による目標値に応じた制御信号を演算する制御信号演算手段と、
    前記制御信号の最大値を演算する最大値演算手段と、
    該最大値演算手段による最大値が目標値よりも大きいときには擬似目標値を目標値に設定し、最大値が目標値よりも小さいときには擬似目標値を最大値に設定する擬似目標値設定手段と、
    前記制御信号演算手段による制御信号に対して前記電磁アクチュエータに実際に加えられた給電値を検出する給電値検出手段と、
    該給電値検出手段による検出値と前記擬似目標値設定手段による擬似目標値との偏差を減少させるために前記制御信号演算手段による制御信号を補正して出力する制御信号補正手段とから構成し、
    該制御信号補正手段は、前記擬似目標値設定手段による擬似目標値と該給電値検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、
    該偏差演算手段による偏差に対する比例演算を行う比例演算手段と、
    前記偏差演算手段による偏差に対する積分演算を行う積分演算手段と、
    前記比例演算手段による演算値と積分演算手段による演算値とを前記制御信号演算手段による制御信号に対して加算する加算手段とから構成したことを特徴とする弁制御装置。
  4. クラッチを締結、開放する油圧アクチュエータと、
    該油圧アクチュエータと油圧源との間に配設され、弁体の変位に応じて油圧アクチュエータに給排させる圧油量を制御する弁部と、該弁部の弁体を制御信号に応じて変位させる電磁アクチュエータとからなる制御弁と、
    前記油圧アクチュエータを作動させるため、前記電磁アクチュエータに制御信号を出力する制御信号出力手段とからなる弁制御装置において、
    前記制御信号出力手段は、車両の運転状態に応じてクラッチを締結、開放するために前記油圧アクチュエータを作動させるための制御信号の目標値を設定する目標値設定手段と、
    該目標値設定手段による目標値に応じた制御信号を演算する制御信号演算手段と、
    前記制御信号の最大値を演算する最大値演算手段と、
    該最大値演算手段による最大値が目標値よりも大きいときには擬似目標値を目標値に設定し、最大値が目標値よりも小さいときには擬似目標値を最大値に設定する擬似目標値設定手段と、
    前記制御信号演算手段による制御信号に対して前記電磁アクチュエータに実際に加えられた給電値を検出する給電値検出手段と、
    該給電値検出手段による検出値と前記擬似目標値設定手段による擬似目標値との偏差を減少させるために前記制御信号演算手段による制御信号を補正して出力する制御信号補正手段とから構成し、
    該制御信号補正手段は、前記擬似目標値設定手段による擬似目標値と該給電値検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、
    該偏差演算手段による偏差に対する比例演算を行う比例演算手段と、
    前記偏差演算手段による偏差に対する積分演算を行う積分演算手段と、
    前記比例演算手段による演算値と積分演算手段による演算値とを前記制御信号演算手段による制御信号に対して加算する加算手段とから構成したことを特徴とする弁制御装置。
  5. 前記最大値演算手段は、電源の電圧値と前記制御弁を構成する電磁アクチュエータのインピーダンスとの関係から制御信号の最大値を演算する構成としてなる請求項1,2,3またはに記載の弁制御装置。
  6. 前記擬似目標値設定手段によって設定される擬似目標値は、最大値が目標値よりも大きいときには目標値と等しい値に設定し、最大値が目標値よりも小さいときには最大値と等しい値に設定する構成としてなる請求項1,2,3,4またはに記載の弁制御装置。
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