JP2004286191A - 自動クラッチの制御装置 - Google Patents

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Hiromichi Shimaguchi
裕道 島口
Minoru Murakami
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Abstract

【目的】手動変速装置付き車両のダイヤフラムスプリング式発進クラッチを油圧により制御して自動化した自動クラッチの制御装置において、低温時に、作動油を供給経路及び排出経路に循環させ、油圧経路内の作動油の油温を均一化して油圧シリンダの制御量の補正を適正化することにある。
【構成】クラッチ操作量検出手段により検出された操作量が係合状態又は解放状態と判定され、且つ油温センサにより検出された油温が所定温度以下の場合には、摩擦クラッチ部の係合状態又は解除状態を維持しつつ第1開閉弁の開閉と第2開閉弁の開閉とを連続して行う低温時制御を実施する制御手段を設けている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動クラッチの制御装置に係り、特に手動変速装置(手動変速機)付き車両のダイヤフラムスプリング式発進クラッチを油圧により制御して自動化した自動クラッチの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の動力伝達装置においては、エンジンの駆動力を走行状態に応じて車輪に適正に伝達するために、クラッチや変速機等を備えている。クラッチは、エンジンと変速機間に介設され、エンジンの駆動力を断続するものであり、摩擦クラッチ部がスプリングによって付勢されて係合し、そして、レリーズ機構によって摩擦クラッチ部の解放が行われる。
【0003】
自動クラッチの制御装置には、目標ストロークを車両負荷及びレリーズ推力に基づいて補正することで、車両の積載量や走行路の路面状態といった一時的な走行環境の変化にも、クラッチの摩耗という経時的な車両状態の変化にも対応させるものがある(例えば、特許文献1参照)。また、自動変速機には、ニュートラル状態において、油圧クラッチの油温が所定値以下の場合に、油圧クラッチの接離を繰り返すものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−37177号公報(第5〜7頁、図4)
【特許文献2】
実開昭63−42964号公報(実用新案登録請求の範囲、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、手動変速装置(手動変速機)付き車両の発進クラッチにおいては、ダイヤフラムスプリング式が多用されている。このダイヤフラムスプリング式の発進クラッチの操作は、クラッチペダルにより運転者が行っている。この発進クラッチの操作を油圧で制御して自動化した場合には、クラッチ操作を行う作動油が低温時に粘度が高くなって作動性が悪化するため、油温を検出する油温センサを設置し、検出した油温に基づいて発進クラッチの制御量を補正することにより対応している。
【0006】
しかし、低温時から始動、走行した場合で、油圧シリンダであるクラッチアクチュエータが作動しない状態において、作動油が循環していないので、油圧システム全体の油温が均一化されず、このため、油温センサに基づいた制御量の補正が適正でなくなるという不都合があった。
【0007】
つまり、作動油を油圧シリンダに供給・排出して発進クラッチの摩擦クラッチ部を係合・解放する場合に、作動油の温度が低温になると、作動油の粘度が高くなって油圧シリンダの動作時間の遅れが大きくなる。このため、油圧シリンダに作動油を供給する供給経路に油圧センサを設けるとともに、この供給経路又は油圧シリンダから作動油を排出させる排出経路に油温センサを設け、油圧センサの検出した作動油の油圧と油温センサの検出した作動油の油温とで油圧シリンダの制御量を補正している。
【0008】
しかしながら、作動油が低温で車両が走行を開始すると、走行中には、摩擦クラッチ部が係合状態で保持されて、油圧シリンダへ作動油が循環しないため、油圧経路(供給経路、排出経路)内の作動油の油温が均一化されず、油温センサに基づいた油圧シリンダの制御量の補正が不適正になるという不都合があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を解除するために、スプリングを介して係合方向に付勢される摩擦クラッチ部と、この摩擦クラッチ部を解放方向に作動させるレリーズ機構と、このレリーズ機構を作動させる油圧シリンダと、この油圧シリンダに作動油を供給する供給経路に介装されてこの供給経路を開閉する第1開閉弁と、前記油圧シリンダから作動油を排出させる排出経路に介装されてこの排出経路を開閉する第2開閉弁と、前記供給経路に配設された油圧センサと、前記供給経路又は前記排出経路に配設された油温センサと、前記摩擦クラッチ部の操作量を検出するクラッチ操作量検出手段とを備えた自動クラッチの制御装置において、前記クラッチ操作量検出手段により検出された操作量が係合状態又は解放状態と判定され、且つ前記油温センサにより検出された油温が所定温度以下の場合には、前記摩擦クラッチ部の係合状態又は解除状態を維持しつつ前記第1開閉弁の開閉と前記第2開閉弁の開閉とを連続して行う低温時制御を実施する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明は、クラッチ操作量検出手段により検出された操作量が係合状態又は解放状態と判定され、且つ油温センサにより検出された油温が所定温度以下の場合には、摩擦クラッチ部の係合状態又は解除状態を維持しつつ、第1開閉弁の開閉と第2開閉弁の開閉とを連続して行う低温時制御を実施することから、作動油を供給経路及び排出経路に循環させ、油圧経路(供給経路、排出経路)内の作動油の油温を均一化して油圧シリンダの制御量の補正を適正化することができる。
【0011】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜図11は、この発明の実施例を示すものである。図7において、2は手動変速装置付き車両(図示せず)に搭載されるエンジン、4はクランク軸、6は自動クラッチとしてダイヤフラムスプリング式の発進クラッチ、8は手動変速装置(手動変速機)、10は差動機、12はミッションハウジングである。発進クラッチ6は、エンジン2と手動変速装置8の変速ギヤ部8A間に介設されるものであり、油圧により制御して自動化されたものである。ミッションハウジング12は、図8に示す如く、クラッチハウジング12−1とセンタハウジング12−2とカバーハウジング12−3とからなる。
【0012】
クラッチハウジング12−1内には、図7に示す如く、クランク軸4と同軸心上に入力軸14が配設されているとともに、この入力軸14と平行に出力軸16が配設されている。
【0013】
クランク軸4の端面には、ホイール固定ボルト18によって固定されたフライホイール20が設けられている。
【0014】
入力軸14は、一端側がフライホイール20に保持させたパイロット軸受22によって支持されているとともに、他端側がクラッチハウジング12−1のハウジング壁部24に保持させた入力軸受26によって支持されている。
【0015】
フライホイール20の外縁部位には、摩擦クラッチ部28を構成するように、カバー固定ボルト30によってクラッチカバー32が固設されている。このクラッチカバー32内には、スプリングとしてのダイヤフラムスプリング34の外縁部位が配設されている。このダイヤフラムスプリング34の外縁には、環状のプレッシャプレート36が保持されている。
【0016】
このプレッシャプレート36とフライホイール20との間には、クラッチディスク38が設けられる。このクラッチディスク38は、入力軸14に軸方向移動可能に設けられたディスクハブ40と、このディスクハブ40に連結したディスク連結部42と、このディスク連結部42に連結してプレッシャプレート36とフライホイール20間に配設されたクラッチ板44とからなる。このクラッチ板44は、フライホイール20に固定したホイール側フェーシング46と、プレッシャプレート36に固定したプレート側フェーシング48との間で挟持(係合)・解放されるものである。
【0017】
ダイヤフラムスプリング34の内縁は、レリーズ機構50を構成するレリーズベアリング52に接離可能に連絡されている。摩擦クラッチ部28は、ダイヤフラムスプリング34を介して係合方向に付勢される。また、レリーズ機構50は、摩擦クラッチ部28を解放方向に作動させる。
【0018】
レリーズベアリング52は、ハウジング壁部24に連結した管状のスリーブ54上に摺動可能に設けられている。また、レリーズベアリング52の一端側には、ダイヤフラムスプリング34の内端が接離するスプリング接離部56が設けられている。
【0019】
レリーズベアリング52の他端側には、レリーズレバー58の一端側が係合して設けられる。このレリーズレバー58の他端側は、クラッチハウジング12−1に回動自在に支持したレリーズ軸60に連結され、レリーズベアリング52を軸方向に移動するものである。
【0020】
レリーズ軸60には、図8に示す如く、センタハウジング12−2の外側においてレリーズアーム62の一端側がアーム取付ボルト64によって接続されている。このレリーズアーム62の他端側は、前記レリーズ機構50を作動させる油圧シリンダ(発進クラッチアクチュエータ)66に接続されている。この油圧シリンダ66は、センタハウジング12−2の外面にシリンダ取付ボルト68で固設されている。
【0021】
この油圧シリンダ66には、図9に示す如く、シリンダ本体70内で、軸心上に、ピストン72とロッド74とが一体的になった作動体76が軸方向移動可能に内挿して設けられている。
【0022】
また、シリンダ本体70内には、ピストン72側の一端側で、端部用シール材78を介して盲栓80が設けられている。この盲栓80は、止めリング82で保持されている。
【0023】
更に、シリンダ本体70内においては、ピストン72に軸心上でスプリング用穴84が形成され、また、このスプリング用穴84内には、先端側がスプリング用穴84の奥部位に位置するとともに、基端側が盲栓80の内面に接するピストン用スプリング86が縮設されている。
【0024】
また、シリンダ本体70のピストン用摺動部70Aの内周面とピストン72の外端段差部88との間には、ピストン用シール材90が設けられている。これにより、盲栓80の内面とピストン用シール材90との間には、油圧室92が形成される。この油圧室92には、制御油圧の作動油を導入するように、シリンダ本体70の外面に開放して形成した作動油入出口94が連通している。
【0025】
作動体76のロッド74は、シリンダ本体70の他端側のロッド用摺動部70Bに摺動可能に支持されている。このロッド74には、軸方向に指向してレリーズアーム62の他端側が連結するアーム連結用軸96が連結されている。このアーム連結用軸96の先端側には、シリンダ本体70のロッド用摺動部70Bの外周面に固定したゴム材のブーツ98が設けられている。
【0026】
この油圧シリンダ66には、摩擦クラッチ部28の操作量を検出するクラッチ操作量検出手段100が設けられる。
【0027】
このクラッチ操作量検出手段100は、ロッド74の略中央部位に係合溝102を形成する一対の係合用フランジ104・104と、係合溝102に係合した係合子106と、この係合子106に連結した連絡アーム108と、この連絡アーム108に連結したセンサ軸110と、このセンサ軸110に連結してシリンダ本体70の突出したセンサ取付部112にセンサ固定ボルト114で固定したストロークセンサ部116とからなる。
【0028】
この油圧シリンダ66は、図9に示す如く、ピストン72が一端側(図9の左方向)に移動すると、発進クラッチ6を係合し、ピストン72を他端側(図9の右方向)に移動してロッド74を押進すると、発進クラッチ6を解放するものである。
【0029】
この油圧シリンダ66は、図10に示す如く、油圧ユニット118によって作動される。
【0030】
この油圧ユニット118は、図10に示す如く、オイルタンク120内のオイルを油圧シリンダ66の油圧室92に制御油圧の作動油を供給するものであり、オイルタンク120に連絡して油圧シリンダ66の油圧室92に作動油を供給する油圧経路として供給経路122と、この供給経路122に流量制御ソレノイド124の供給側を介して油圧シリンダ66の油圧室92に連通する連絡経路126と、前記供給経路122のオイルタンク120側に設けられてモータ128で駆動される油圧ポンプ130と、前記供給経路122に油圧ポンプ130側から順次に設けられたワンウェイバルブ132、オイルフィルタ134、アキュムレータ136と、油圧ポンプ130とワンウェイバルブ132間の供給経路122とオイルタンク120とを連絡するリリーフ経路138と、このリリーフ経路138の途中に設けられたリリーフバルブ140と、このリリーフバルブ140よりもオイルタンク120側のリリーフ経路138と流量制御ソレノイド124の排出側に連絡して油圧シリンダ66から作動油を排出させる排出経路142と、オイルフィルタ134とアキュムレータ136間の供給経路122に配設された油圧センサ144と、排出経路142に配設された油温センサ146とを備えている。この油温センサ146は、供給経路122に配設することも可能である。
【0031】
流量制御ソレノイド124には、図11に示す如く、油圧シリンダ66に作動油を供給する供給経路122に介装されてこの供給経路122を開閉する第1開閉弁148と、油圧シリンダ66からの作動油を排出させる排出経路142に介装されてこの排出経路142を開閉する第2開閉弁150とが設けられている。
【0032】
第1開閉弁148と第2開閉弁150とは、共通のハウジング152を有している。このハウジング152には、供給経路122に連通する供給ポート154と、排出経路142に連通する排出ポート156と、供給ポート154と排出ポート156との間に配置されて油圧シリンダ66側の連絡経路126に連通する連絡ポート158とが備えられるとともに、供給ポート154と連絡ポート158との連通状態を切り換える第1ランド部160と、排出ポート156と連絡ポート158との連通状態を切り換える第2ランド部162とが連設されたスプール弁164が摺動自在に内挿されている。
【0033】
このスプール弁164は、一端側のコイル166への励磁によってハウジング152内を摺動し、第1開閉弁148の開閉と第2開閉弁150の開閉とを連続して実施する。スプール弁164の他端側には、バルブスプリング168が設けられている。また、ハウジング152には、バルブスプリング168部位と連絡ポート158とを連通する短絡路170が形成されている。
【0034】
流量制御ソレノイド124は、油圧シリンダ66に供給・排出する作動油の流量(体積)を制御することにより、油圧シリンダ66の作動体76のピストン72をストローク作動させるものであり、制御手段172によってデューティ制御される。
【0035】
制御手段172は、クラッチ操作量検出手段100により検出された操作量が係合状態又は解放状態と判定され、且つ油温センサ146により検出された油温が所定温度以下の場合には、発進クラッチ6の摩擦クラッチ部28の係合状態又は解除状態を維持しつつ、流量制御ソレノイド124のスプール弁164を摺動して第1開閉弁148の開閉と第2開閉弁150の開閉とを連続して行う低温時制御を実施するものである。
【0036】
また、制御手段172は、クラッチ操作量検出手段100により検出された操作量が係合状態又は解放状態と判定され、且つ油温センサ146により検出された油温が所定温度を超えた場合には、流量制御ソレノイド124のスプール弁164を摺動して第1開閉弁148と第2開閉弁150とを動作せずに通常時制御に戻すものである。
【0037】
油圧シリンダ66への作動油の粘度の油温特性は、図3に示す如く、設定油温Xを境に、低側のA領域と高側のB領域とに分割され、また、設定油温上で粘度所定値Yが設定されている。
【0038】
また、油圧シリンダ(アクチュエータ)66の特性は、図4に示す如く、電流の中立値Nを境に低温時の線(破線で示す)及び高温時の線(実線で示す)のクラッチストローク速度が対称に増減し、また、低温時(破線で示す)と高温時(実線で示す)とで立ち上がり差が生じている。
【0039】
更に、流量制御ソレノイド124のデューティ・電流特性は、図5に示す如く、デューティ値が大きくなると、ソレノイド電流が比例して上昇する。
【0040】
また、発進クラッチ6のクラッチストロークとトルク容量の特性は、図6に示す如く、クラッチストロークが低側のストッパ位置P1からクラッチ係合位置P2までの走行時クラッチストローク可能範囲A1と、クラッチ切断位置P3から高側のストッパ位置P4までの停車時クラッチストローク可能範囲A2とが設定されている。
【0041】
次に、この実施例の作用を、図1のフローチャートに基づいて説明する。
【0042】
発進制御、変速時制御において、制御手段172のプログラムが開始すると(ステップ202)、現在の発進クラッチ6の制御状態を判定する(ステップ204)。つまり、発進クラッチ制御状態には、発進制御状態、走行時制御状態、停車時制御状態、変速時制御状態等の制御状態があり、ここでは、走行時制御状態又は停車時制御状態か否かを判定する。
【0043】
このステップ204で、走行時制御状態又は停車時制御状態の場合には、油温センサ146により検出された作動油の温度が、所定値以下か否かを判定する(ステップ206)。
【0044】
このステップ206で、作動油の温度が所定値を超えていれば、作動油の粘度が図3のB領域にあり、粘度が十分低く、また、それほど変化もしないため、通常時制御を行う(ステップ208)。
【0045】
この通常時制御は、流量制御ソレノイド124をクラッチ接(係合)/断(解放)方向に移動させて、発進クラッチ6を係合又は解放(切断)した後、この状態を維持するように、デューティ値を中立値Nの位置付近に戻して固定し、クラッチ接(係合)/断(解放)状態を保つ制御である。
【0046】
前記ステップ206で作動油の温度が所定値未満と判定された場合には、作動油の粘度が図3のA領域にあり、粘度が油温によって大きく変化するため、低温時制御を行う(ステップ210)。
【0047】
この低温時制御は、流量制御ソレノイド124をクラッチ接(係合)/断(解放)方向に作動させて発進クラッチ6を係合(接続)/解放(切断)するまでは通常時制御と同じであるが、その後、流量制御ソレノイド124のデューティ値を固定しない点が異なる。クラッチ係合(接続)/解放(切断)位置からさらにレリーズベアリング52をストロークさせ、ストッパに当たる点までの間であれば、発進クラッチ6は、係合/解放状態に保つことが可能であり(図6参照)、この間の所定の領域で、クラッチストロークを動作させることによって作動油の循環を可能にする。
【0048】
前記ステップ204で、走行時制御状態又は停車時制御状態以外の場合、及び、前記ステップ208・210の各制御後は、プログラムを終了する(ステップ212)。
【0049】
前記ステップ210の低温時制御においては、図2のタイムチャートに示す如く、発進クラッチ6を解放(切断)する制御に続けて低温時制御を実施する場合のアクチュエータ電流の制御とクラッチストローク変化を例に説明すると、発進クラッチ6が係合(締結)位置にあるとき、油圧シリンダ64に発進クラッチ6を所定の速度で解放(切断)するようにアクチュエータに印加する電流を変化(時間t1と時間t2との間で増加、時間t2と時間t3との間で維持、時間t3と時間t4との間で減少)させ、そして、クラッチストローク位置がクラッチ切断(解放)位置に到達すると、発進クラッチ6が解放(切断)する(時間t4)。
【0050】
そして、クラッチストローク位置がクラッチ切断(解放)位置に到達すると(時間t4)、アクチュエータ電流が保持電流に戻り(時間t4)、発進クラッチ6が解放(切断)されたまま保持される。
【0051】
そして、作動油が低温時には、発進クラッチ6の解放(切断)状態を保持しながら、アクチュエータ電流を、保持電流を境に上下方向で、解放(切断)・係合(締結)方向へ繰り返し変化させることにより(時間t5〜時間t6)、クラッチストローク位置も、クラッチ切断(解放)位置以上で動作し、これにより、発進クラッチ6の解放状態を保持しつつ、油圧ユニット118内で作動油が循環して油温の均一化が図られる。そして、作動油の温度が所定値を超えたら(時間t6)、アクチュエータ電流を保持電流とし、油圧シリンダ66の動作を止め、クラッチストローク位置をクラッチ切断位置に保持し、発進クラッチ6を解放状態に保持する。
【0052】
この結果、制御手段172は、クラッチ操作量検出手段100により検出された操作量が係合状態又は解放状態と判定され、且つ油温センサ146により検出された油温が所定温度以下の場合には、摩擦クラッチ部28の係合状態又は解除状態を維持しつつ、第1開閉弁148の開閉と第2開閉弁150の開閉とを連続して行う低温時制御を実施することから、作動油を供給経路122及び排出経路142に循環させ、油圧ユニット118内の作動油の油温を均一化して油圧シリンダ66の制御量の補正を適正化することができる。
【0053】
即ち、この実施例において、油圧ユニット118からの作動油による制御油圧は、油圧シリンダ66の油圧室92に供給されてピストン72を押進し、このとき、クラッチ操作量検出手段100によってピストン72のストロークが検出され、そして、ピストン72が押進されると、レリーズアーム62が押されてレリーズ軸60が回転し、そして、レリーズレバー58がレリーズベアリング52を押し込み、発進クラッチ6が解放(切断)する。
【0054】
そして、油圧センサ144によりベース圧力範囲内でモータ128を駆動し、油圧ポンプ130により制御油圧がアキュムレータ136に蓄圧される。そして、流量制御ソレノイド124により、油圧シリンダ66のピストン72のストロークを制御して発進クラッチ6の伝達トルクを制御する。この発進クラッチ6の制御に用いる作動油は、油温により粘度が、図3のように変化することが知られている。特に、−20度のような極低温時には、非常に粘度が高くなって制御指令に対する油圧シリンダ66の動作の時間遅れが大きくなるため、供給経路122又は排出経路142に油温センサ146を設置し、作動油の油温を検出して油圧シリンダ66の制御量を補正する。
【0055】
作動油の低温時には、手動変速装置8の内部の潤滑油の粘度も高くなる一方、車両の停止時でも、エンジン2の暖機のために、アイドル運転のエンジン回転数が高くなっており、手動変速装置8がニュートラル状態でも、発進クラッチ6が係合状態であると、車両が動いてしまうおそれがあるため、発進クラッチ6を解放(切断)状態に固定する。一方、走行中の変速時以外に、発進クラッチ6は、係合状態に固定されている。この実施例においては、流量制御ソレノイド124で発進クラッチ6を、解放(切断)状態、あるいは、係合状態に保ちながら、ピストン72を所定のストローク内で動かすことによって油圧回路に作動油を循環させることにより、油温センサ146を設置した場所の油温と油圧シリンダ66の場所の油温とを平均化(均一化)し、つまり、油圧回路内の油温を均一化して、従来の問題点を解決した。
【0056】
つまり、発進クラッチ6を油圧で制御可能な油圧シリンダ66と、制御用のベース油圧を油圧センサ144により制御している油圧ユニット118と作動油の油温を検出する油温センサ146を備えた発進クラッチ6において、車両停止で発進クラッチ6を解放(切断)している場合に、低温時であれば、クラッチ解放(切断)状態を保つことが可能な範囲で、油圧シリンダ66を動作させて作動油を循環させ、車両走行中で変速時以外の場合には、低温時であれば、発進クラッチ6の係合状態を保つことが可能な範囲で、油圧シリンダ66を動作させて作動油を循環させる。
【0057】
このように作動油を循環させることにより、作動油の油温が平均化され、油温センサ146の設置場所の油温と油圧シリンダ66の設置場所の油温との差による制御性の悪化を防止することができ、作動油の油温が上昇して制御系が安定するまでの時間を短くすることができ、また、作動油が低温でも、粘度の低い高価な作動油を使用する必要がなく、廉価とすることができる。
【0058】
また、制御手段172は、クラッチ操作量検出手段100により検出された操作量が係合状態又は解放状態と判定され、且つ油温センサ146により検出された油温が所定温度を超えた場合には、第1開閉弁148と第2開閉弁150とを動作せずに通常時制御に戻すことから、単一のプログラム内で油温を判定して第1開閉弁148と第2開閉弁150とを適正に制御することができる。
【0059】
更に、第1開閉弁148と第2開閉弁150とは、共通のハウジング152を有し、このハウジング152には、供給経路122に連通する供給ポート154と、排出経路142に連通する排出ポート156と、供給ポート154と排出ポート156との間に配置されて油圧シリンダ66に連通する連絡ポート158とが備えられるとともに、供給ポート154と連絡ポート158との連通状態を切り換える第1ランド部160と、排出ポート156と連絡ポート158との連通状態を切り換える第2ランド部162とが連設されたスプール弁164が摺動自在に内挿され、このスプール弁164の摺動により、第1開閉弁148の開閉と第2開閉弁150の開閉とを連続して行う低温時制御を実施することから、第1開閉弁148と第2開閉弁150とを共通のハウジング152とスプール弁164により構成するので、第1開閉弁148の開閉と第2開閉弁150の開閉とを単一のスプール弁164の摺動により実現でき、低温時制御を容易に実施することができる。
【0060】
なお、この発明においては、上述の実施例に限定されず、種々応用改変が可能であることは勿論である。
【0061】
例えば、低温時制御を、発進クラッチの半クラッチ時でも実施し、油温の均一化を積極的に行うことも可能である。
【0062】
また、低温時には、油圧ポンプからのオイルを、リリーフ経路からオイルパンに戻してオイルを高温化して油圧シリンダに送給したり、油圧ポンプを少し多めに駆動することも可能である。
【0063】
更に、油圧ポンプ付近の供給経路を連絡経路側に近接させ、低温時に、油圧ポンプからの高温のオイルで連絡経路内のオイルを加温して油温の均一化を図ることも可能である。また、油圧ポンプと連絡経路とを連通する別途の低温時用経路を設けるとともに、この低温時用経路途中に低温時にのみ開放する開閉弁を設け、低温時には、この開閉弁を開動作し、油圧ポンプからの高温のオイルを、低温時用経路から連絡経路に直接供給して油温の均一化を図って油圧シリンダの制御量の補正を適正にすることも可能である。
【0064】
更に、油圧シリンダにヒータを取り付け、低温時にはエンジンの始動同時に油圧シリンダを加温し、よって、油圧シリンダ部位の油温を高くし、油温の均一化を図ることも可能である。
【0065】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、クラッチ操作量検出手段により検出された操作量が係合状態又は解放状態と判定され、且つ油温センサにより検出された油温が所定温度以下の場合には、摩擦クラッチ部の係合状態又は解除状態を維持しつつ第1開閉弁の開閉と第2開閉弁の開閉とを連続して行う低温時制御を実施する制御手段を設けたことにより、低温時に、作動油を供給経路及び排出経路に循環させ、油圧経路(供給経路、排出経路)内の作動油の油温を均一化して油圧シリンダの制御量の補正を適正化し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】発進クラッチの制御のフローチャートである。
【図2】発進クラッチを切断(解放)した状態で低温時制御を実施した場合のアクチュエータ電流制御とクラッチストローク変化のタイムチャートである。
【図3】作動油粘度の油温の特性図である。
【図4】油圧シリンダ(アクチュエータ)の特性図である。
【図5】流量制御ソレノイドのデューティ・電流の特性図である。
【図6】発進クラッチのクラッチストローク・トルク容量の特性図である。
【図7】発進クラッチの断面図である。
【図8】油圧シリンダの取付状態の図である。
【図9】図8のIX−IX線による油圧シリンダの断面図である。
【図10】油圧ユニットの構成図である。
【図11】図10の流量制御ソレノイドの拡大断面図である。
【符号の説明】
2 エンジン
6 発進クラッチ
12 ミッションハウジング
12−1 クラッチハウジング
14 入力軸
28 摩擦クラッチ部
50 レリーズ機構
66 油圧シリンダ
72 ピストン
92 油圧室
100 クラッチ操作検出手段
118 油圧ユニット
122 供給経路
124 流量制御ソレノイド
126 連絡経路
142 排出経路
144 油圧センサ
146 油温センサ
148 第1開閉弁
150 第2開閉弁
152 ハウジング
154 供給ポート
156 排出ポート
158 連絡ポート
160 第1ランド部
162 第2ランド部
164 スプール弁
172 制御手段

Claims (3)

  1. スプリングを介して係合方向に付勢される摩擦クラッチ部と、この摩擦クラッチ部を解放方向に作動させるレリーズ機構と、このレリーズ機構を作動させる油圧シリンダと、この油圧シリンダに作動油を供給する供給経路に介装されてこの供給経路を開閉する第1開閉弁と、前記油圧シリンダから作動油を排出させる排出経路に介装されてこの排出経路を開閉する第2開閉弁と、前記供給経路に配設された油圧センサと、前記供給経路又は前記排出経路に配設された油温センサと、前記摩擦クラッチ部の操作量を検出するクラッチ操作量検出手段とを備えた自動クラッチの制御装置において、前記クラッチ操作量検出手段により検出された操作量が係合状態又は解放状態と判定され、且つ前記油温センサにより検出された油温が所定温度以下の場合には、前記摩擦クラッチ部の係合状態又は解除状態を維持しつつ前記第1開閉弁の開閉と前記第2開閉弁の開閉とを連続して行う低温時制御を実施する制御手段を設けたことを特徴とする自動クラッチの制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記クラッチ操作量検出手段により検出された操作量が係合状態又は解放状態と判定され、且つ前記油温センサにより検出された油温が所定温度を超えた場合には、前記第1開閉弁と前記第2開閉弁とを動作せずに通常時制御に戻すことを特徴とする請求項1に記載の自動クラッチの制御装置。
  3. 前記第1開閉弁と前記第2開閉弁とは、共通のハウジングを有し、このハウジングには、前記供給経路に連通する供給ポートと、前記排出経路に連通する排出ポートと、前記供給ポートと前記排出ポートとの間に配置されて前記油圧シリンダに連通する連絡ポートとが備えられるとともに、前記供給ポートと前記連絡ポートとの連通状態を切り換える第1ランド部と、前記排出ポートと前記連絡ポートとの連通状態を切り換える第2ランド部とが連設されたスプール弁が摺動自在に内挿され、このスプール弁の摺動により、前記第1開閉弁の開閉と前記第2開閉弁の開閉とを連続して行う実施することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動クラッチの制御装置。
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