JP2833345B2 - 車両用自動変速装置の変速制御方法 - Google Patents

車両用自動変速装置の変速制御方法

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JP2833345B2
JP2833345B2 JP4138977A JP13897792A JP2833345B2 JP 2833345 B2 JP2833345 B2 JP 2833345B2 JP 4138977 A JP4138977 A JP 4138977A JP 13897792 A JP13897792 A JP 13897792A JP 2833345 B2 JP2833345 B2 JP 2833345B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速装置の
変速制御方法に関し、特に、パワーオン・ダウンシフト
時に好適な変速制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機は、エンジンからの回
転力が入力される入力軸と、駆動輪側に駆動力を出力す
る出力軸と、これら入力軸と出力軸との間に配設された
回転ドラムやギア等の回転要素と、回転要素と協働し
て、その回転要素の回転を制御するクラッチやブレーキ
等の摩擦係合要素とを備えて構成されている。ここで、
摩擦係合要素は、液圧(油圧)作動型のものであり、こ
の摩擦係合要素は、車両の運転状態に応じた変速指令に
基づき、デューティ制御により圧力が制御された油圧の
供給を受けて作動され、これにより、自動変速機におい
ては、入力軸と出力軸との間の回転要素が適切に選択さ
れて、所望の変速が自動的に実施されるようになってい
る。
【0003】上述した自動変速機において、高速段から
低速段に切り換える場合、高速段側(解放側)の摩擦係
合要素を切り離した後、入力軸回転速度を低速段同期回
転速度まで引き上げ、同期を確認した後、低速段側(結
合側)の摩擦係合要素を係合させる。より具体的に説明
すると、エンジンがトルク発生状態(パワーオン状態)
にあるとき、解放側の摩擦係合要素を一旦切り離した
後、変速操作中の適切な時点から解放側摩擦係合要素に
供給される作動油圧をフィードバック制御して入力軸の
入力回転変化率を目標回転変化率に追従させながら、入
力軸の回転速度を低速段同期回転速度に向けて上昇させ
る一方、結合側摩擦係合要素に作動油圧の供給を開始す
る。そして、入力軸回転速度が同期回転速度に対して所
定速度範囲内に入ると、同期完了と見做し、その後解放
側摩擦係合要素の作動油圧を解放して係合を完全に解除
する一方、結合側摩擦係合要素を完全に係合させるべ
く、これに最大油圧を供給するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、入力軸回転
速度が同期回転速度近傍に近づいたときに、上述した目
標回転速度変化率を、変速ショックを避けるために極め
て小さい値に設定すると入力軸回転速度が過度に制御さ
れて、同期完了点まで到達するのに長い時間を要し、変
速の間延び感等、変速フィーリングを悪化させるという
問題がある。
【0005】目標回転速度変化率を高めに設定すると、
入力軸回転速度が同期回転速度に早く到達するが、変速
ショックを起こさずに結合側摩擦係合要素を係合させる
には、係合前に目標回転速度変化率を再び下げる必要が
あり、その時の出力軸トルクの制御が非常に難しい。ま
た、フィードバック制御のゲインを大に設定すると、シ
ステムによってはハンチングを起こす虞がある。
【0006】この発明は、上述した事情に基づいてなさ
れたもので、その目的とするところは、ダウンシフト時
における変速ショックを起こすことなく、短時間で変速
を完了させるように図った車両用自動変速装置の変速制
御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、高速段を確立させる摩擦係
合要素に供給されている作動油圧を、入力軸回転速度変
化率を目標値に合致させるようにフィードバック制御し
て入力軸回転速度を低速段同期回転速度に向けて増加さ
せ、入力軸回転速度が同期回転速度に到達した後、高速
段側摩擦係合要素の係合を完全に解除する一方、低速段
を確立させる摩擦係合要素を係合させてダウンシフトさ
せる車両用自動変速装置の変速制御方法において、前記
フィードバック制御中に、入力軸回転速度を検出し、検
出された入力軸回転速度と前記入力軸回転速度変化率の
目標値とから所定時間後の入力軸回転速度を予測し、予
測した入力軸回転速度が前記低速段同期回転速度より小
であるとき、高速段側摩擦係合要素の作動油圧を強制的
に減少させることを特徴とする車両用自動変速装置の変
速制御方法が提供される。
【0008】
【作用】入力軸回転速度が、その回転速度変化率が十分
小さい目標値にフィードバック制御されている場合に
は、検出された入力軸回転速度と前記入力軸回転速度変
化率の目標値とから所定時間後の入力軸回転速度が高い
精度で予測することができる。そこで、入力軸回転速度
のフィードバック制御中に所定時間後の入力軸回転速度
を予測して、予測した入力軸回転速度と低速段同期回転
速度とを比較して、予測した入力軸回転速度が低速段同
期回転速度より小である場合には、その予測した時点に
おいて同期させることができないと見做し、入力軸回転
速度の上昇を早める処置を施す。高速段側摩擦係合要素
の作動油圧をフィードバック制御して入力軸回転速度を
低速段同期回転速度に向けて増加させることは、エンジ
ンがパワーオン状態にあることを意味し、フィードバッ
ク制御中に高速段摩擦係合要素の作動油圧を強制的に減
少させることは、入力軸回転速度を高めることを意味す
る。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を添付図面に基づ
いて説明する。図1は、車両用自動変速機の一例を示し
ている。図中、符号2は、車両の動力源となるエンジン
2を示し、このエンジン2のクランク軸4は、トルクコ
ンバータ6のポンプ8に直結されている。トルクコンバ
ータ6は、ポンプ8、タービン10、ステータ12、ワ
ンウェイクラッチ14を介してケース16に結合されて
いる。ステータ12は、ワンウェイクラッチ14により
クランク軸4と同方向の回転は許容されるが、その逆方
向の回転は阻止されるようになっている。
【0010】タービン10に伝えられたトルクは入力軸
20に伝達され、そして、入力軸20からこの入力軸2
0の後部に配設された歯車変速装置22に伝達される。
ここで、歯車変速装置22は、前進4段後進1段の変速
段を達成する構造を有している。歯車変速装置22は、
三組のクラッチ24,26, 28、二組のブレーキ30、
32、一組のワンウェイクラッチ34、及び、一組のラ
ビニヨ型の遊星歯車機構36から構成されている。
【0011】遊星歯車機構36は、リングギヤ38、ロ
ングピニオンギヤ40、ショートピニオンギヤ42、こ
れら両ピニオンギヤ40、42を回転自在に支持し且つ
自身も回転可能なキャリア48から構成されている。リ
ングギヤ38は、出力軸50に連結されており、そし
て、フロントサンギヤ44は、キックダウンドラム5
2、フロントクラッチ24を介して入力軸20に連結さ
れている。これに対して、リヤサンギヤ46は、リヤク
ラッチ26を介して入力軸20に連結されている。そし
て、キャリア48は、機能上並列となるように配設され
たローリバースブレーキ32とワンウエイクラッチ34
とを介してケース16に連結されているとともに変速装
置22の後端に配設された4速クラッチ28を介して入
力軸20に連結されている。
【0012】ここで、上記キックダウンドラム52は、
キックダウンブレーキ30によってケース16に固定的
に連結可能となっている。遊星歯車機構36を介して伝
達されたトルクは、出力軸50に一体的に回転するよう
に固着された出力ギヤ60に伝達され、そして、この出
力ギア60からアイドルギヤ62を経て被駆動ギヤ64
に伝達され、更に、被駆動ギヤ64に固着されたトラン
スファシャフト66、ヘリカルギヤ68を介して、駆動
輪の駆動軸70が連結されている差動歯車装置72に伝
達される。
【0013】摩擦係合要素である上記各クラッチ、ブレ
ーキの夫々は、係合用ピストン装置あるいはサーボ装置
等を備えた摩擦係合装置に含まれており、この摩擦係合
装置は、トルクコンバータ6のポンプ8に連結されるこ
とにより、エンジン2により駆動されるオイルポンプ
(図示省略)で発生する油圧によって作動される。この
油圧は、後述する油圧制御装置により、種々の運転状態
に応じて各クラッチ、ブレーキに選択的に供給され、こ
れらクラッチ、ブレーキの作動の組み合わせにより、表
1に示すように、前進4段後進1段の変速段が達成され
るようになっている。尚、表1において、○印は、各ク
ラッチ又はブレーキの係合状態を示し、●印は、ワンウ
ェイクラッチ34の作用でキャリア48の回転が停止さ
れていることを示している。
【0014】
【表1】 次に、図1に示す歯車変速装置22において、表1に示
す変速段を達成するための電子油圧制御装置について図
2および図3に基づき説明する。尚、図2は、フロント
クラッチ24及びキックダウンブレーキ30の夫々を操
作する油圧制御要素部分のみを示し、図3はフロントク
ラッチ24の詳細を示している。この電子油圧制御装置
の全体構成及び作用は、特開昭58−46258 号等により既
に公知となっているので、他のブレーキ及びクラッチの
油圧制御要素の説明は省略する。
【0015】キックダウンブレーキ30の作動を制御す
る往復動型液圧アクチュエータとしてのキックダウンサ
ーボ31は、段付きシリンダ孔80を規定するハウジン
グと、段付きシリンダ孔80内に摺動自在に嵌合された
段付きのピストン59と、このピストン59からそのハ
ウジングの外側に延びるピストンロッド、つまり、アク
チュエータロッド79とを備えて構成されており、この
アクチュエータロッド79の先端は、キックダウンブレ
ーキ30、即ち、キックダウンドラム52の周面に巻付
けられたブレーキシューに対し当接係合可能となってい
る。そして、ピストン59は、段付きシリンダ孔80内
に第1及び第2圧力室82,83を区画して形成してお
り、図2から明らかなように第1圧力室82は、ピスト
ン59の段差面と段付きシリンダ孔80の段差面との間
で規定されている。
【0016】そして、キックダウンサーボ31の第1圧
力室81には、油路35を介して、1−2シフト弁33
が接続されており、この1−2シフト弁33は、更に、
油路41を介して変速制御弁37が接続されている。ま
た、油路35の途中からは、油路83が分岐されてお
り、この油路83は、2−3速および4−3速シフト弁
(以下これを単に4−3シフト弁という)84に接続さ
れている。この4−3シフト弁84は、更に、二股に分
岐した油路85,86に接続されており、これら2本の
油路のうち、一方の油路85は、キックダウンサーボ3
1の第2圧力室82に接続されており、また、他方の油
路86は、前述したフロットクラッチ24に接続されて
いる。尚、図2において、フロントクラッチ24は、概
略的にしか図示されていないが、その詳細は後述する。
【0017】ここで、1−2シフト弁33及び4−3シ
フト弁84は、その作動制御ポート87,88に供給さ
れる圧力によって開閉されるスプール型の開閉弁であ
り、また、作動制御ポート87,88への圧力は、具体
的には図示しない切換弁から導かれるようになってい
る。例えば、1速の変速段において、1−2シフト弁3
3のスプール55は、図2での図示の場合とは異なり、
その作動制御ポート87を通じて切換圧を受けることは
なく、左端へ変位した状態にある。従って、この場合、
油路35は、1−2シフト弁33の排油ポートEXに連
通しており、これにより、キックダウンサーボ31の第
1圧力室81は低圧側に接続されることになる。この結
果、キックダウンサーボ31のピストン59は、第2圧
力室80内の圧縮コイルばね57のばね力により、図2
中、右へ戻されており、キックダウンドラム52に対す
るキックダウンブレーキ30の係合は解除されている。
また、このとき、4−3シフト弁84に関しても、その
作動制御ポート88を通じて切換圧が供給されておら
ず、従って、そのスプール89は、図2中、図示の如く
左端に変位した状態にある。従って、この場合、フロン
トクラッチ24に通じる油路86は、4−3シフト弁8
4の排油ポート90を通じて低圧側に接続された状態に
あり、これにより、フロントクラッチ24の係合は解除
されている。尚、この場合、油路85,86は、常時連
通されていることから、キックダウンサーボ31に於け
る第2圧力室80もまた、低圧側に接続された状態とな
る。
【0018】また、2速の変速段においては、1−2シ
フト弁33は、図示の切換位置に切り換えられており、
また、4−3シフト弁84もまた、図示の位置に切り換
えられている。従って、この場合、油路41,35を通
じて、キックダウンサーボ31の第1圧力室81に圧液
が供給されることにより、そのピストン59、即ち、ア
クチュエータロッド79は、左方向に移動してキックダ
ウンブレーキ30は係合し、これに対し、フロントクラ
ッチ24内の圧液は、油路86及び排油ポート90を通
じて排出可能され、これにより、フロントクラッチ24
の係合は解除されることになる。
【0019】更に、3速の変速段においては、1−2シ
フト弁33は、図示の切換位置のままであるが、これに
対し、4−3シフト弁84は、そのスプールが右方向に
移動された切換位置となり、これにより、油路83と油
路85,86とは、4−3シフト弁84を介して連通さ
れ、また、その排油ポート90は閉じられることにな
る。この場合、1−2シフト弁33を通じて、油路83
に供給された圧液は、4−3シフト弁84を介して、ま
た、油路86を通じてフロントクラッチ24に供給され
ることになり、これにより、フロントクラッチ24は係
合状態に至る。これに対し、キックダウンサーボ31に
おいては、油路86,85が常時連通状態にあるから、
フロントクラッチ24に供給される圧液は、その第2圧
力室82にもまた供給され、また、同時に、第1圧力室
81にも同圧の圧液が油路35を通じて供給されることに
なる。この場合、キックダウンサーボ31のピストン5
9は、前述したように段付きのピストンであるから、そ
の両端の受圧面積の差からピストン59は、アクチュエ
ータロッド79を伴って右方向に変位し、これにより、
キックダウンブレーキ30の係合が解除されることにな
る。なお、この3速段状態においては、次ぎの4速段へ
の変速準備として4速クラッチ28へも油圧が供給され
係合状態となっている。このクラッチ28は、3速段状
態において、その係合状態の如何にかかわらずトルク伝
達には係わらない。
【0020】4速の変速段においては、2速の変速段の
場合と同様に、1−2シフト弁33は、図示の切換位置
に切り換えられており、また、4−3シフト弁84もま
た、図示の位置に切り換えられている。従って、この場
合、キックダウンブレーキ30は係合し、フロントクラ
ッチ24の係合は解除されることになる。フロントクラ
ッチ24は、図3に示すように、油圧式多板クラッチが
使用され、多数の摩擦係合板24aを有し、油路86か
らポート24bを介してこのクラッチ24内に作動油が
供給されると、ピストン24cが往動して各摩擦係合板
24aを摩擦係合させる。一方、油路86からの油圧供
給が遮断されると、リターンスプリング24dにより押
圧されて、ポート24bを介して油路86に、またチェ
ックバルブ24eを介してドレイン側に作動油を排出さ
せながら、ピストン24cが復動すると、各摩擦係合板
24a同士の摩擦係合は解除される。クラッチ26,2
8等もクラッチ24と同様に構成されている。
【0021】前述した変速制御弁37には、図2でみ
て、その左端に位置して油路61が接続されていると共
に、油路63が接続されている。油路61は、前述した
オイルポンプからの吐出圧を調圧することにより得られ
る制御圧が供給されると共に、その途中には、この油路
61を開閉し、変速制御弁37を通じて供給される油圧
を制御する電磁弁67が介挿されている。この電磁弁6
7は、電子制御装置(ECU)65に電気的に接続され
ており、この電子制御装置65は、デューティ制御でも
って、電磁弁67の切換作動を制御する。また、油路6
3には、前述のオイルポンプから所定圧に調圧された作
動油圧が供給されている。油路61内の作動油は、デュ
ーティ率に応じて開閉される電磁弁67を介して低圧側
に排出され、従って、デューティ率に応じた油圧が変速
制御弁37のスプール69の左端面に作用することにな
る。これにより、変速制御弁37は、油路63からの油
圧を調圧して油圧PKDを油路41に発生させることにな
る。
【0022】そして、電子制御装置65は、電磁弁67
の開閉を制御するのみならず、車両の運転状態に基づい
て変速指令を出力する変速指令出力装置を内蔵してお
り、それ故、電子制御装置65には、車両の運転状態を
検知するため各種のセンサ又は検出装置からの信号が入
力されるようになっている。例えば、これらセンサ又は
検出装置には、エンジン2の回転数を検出するエンジン
回転数センサ、エンジン2のスロットル弁開度θを検出
するスロットル弁開度センサ103、入力軸20の回転
速度Nt を検出する入力軸速度センサ101、車速に対
応する出力軸50の回転速度NO の検出を行うために設
けられた被駆動ギヤ64の出力軸速度サンセ144、潤
滑油温を検出する油温検出装置、セレクトレバーの選定
位置検出スイッチ及び補助スイッチの選定位置検出装置
等がある。
【0023】尚、図2において、電子制御装置65に入
力されるセンサ及び検出装置のうち、入力軸速度センサ
101、スロットル弁開度センサ103、出力軸速度セ
ンサ144のみしか図示されていない。変速段を4速か
ら3速にシフトダウンする変速指令が出力された場合に
は、表1から明らかなように、キックダウンブレーキ3
0の係合を解除する一方、フロントクラッチ24とリア
クラッチ26を係合させなければならない。4−3変速
指令が出力されると、上述した通り、1−2シフト弁3
3は、図2に示す切換位置に切り換えられたままに保持
され、4−3シフト弁84は、そのスプールが右方向に
移動された切換位置に切り換えられる。シフト弁84の
切り換えにより、キックダウンブレーキ30の係合が解
除され、入力軸20は駆動力伝達系でみて駆動輪側の出
力軸50と切り離される。このとき、リアクラッチ26
には、図示しないリアクラッチ制御弁の作動により、フ
ロントクラッチ24がスリップしない程度の圧となった
とき、油圧が供給されることになるが、変速指令が出さ
れた直後は、フロントクラッチ24が未だ係合状態にな
いので、入力軸20は、やはり駆動力伝達系でみて車輪
側の出力軸50から切り離されたままである。この結
果、エンジン2がパワーオン状態にあると、入力軸20
は、その回転速度を上昇させる。この状態で、電子制御
装置65は、詳細は後述するように、入力軸20が所定
回転速度に到達するのを待つ。所定回転速度に到達する
と、解放側のキックダウンブレーキ30に供給される作
動油圧のフィードバック制御を開始して入力軸20の回
転速度の吹き上がりを抑えると共に、結合側のクラッチ
24に供給する作動油の供給速度もフィードバック制御
されながら、クラッチ24のがた詰め操作が行なわれ
る。そして、入力軸回転速度Ntが3速段同期回転速度
に到達したことを確認した後、キックダウンブレーキ3
0の係合を完全に解除する一方、フロントクラッチ24
を完全係合させ、4−3速変速制御を終了させる。
【0024】次に、上述した電子制御装置65にて実施
される4速から3速へのパワーオンシフトダウン操作に
関し、図4以降の図面を参照して詳細に説明する。4−3シフトダウンシフトルーチン 電子制御装置65は、先ず、図4のステップS10にお
いて、4−3パワーオンシフトダウンの変速指令が出力
されたか否かを判別し、この変速指令があるまでこのス
テップを繰り返し実行して待機する。変速指令が出力さ
れると、ステップS12に進み、解放側摩擦係合要素、
すなわちキックダウンブレーキ30の係合を解除する。
ブレーキ30の係合が解除されると、入力軸20は駆動
力伝達系でみて駆動輪側の出力軸50と切り離されるこ
とになり、入力軸20の回転速度は、3速同期回転速度
(この同期回転速度は、3速段のギア比が1.0に設定
されているので、出力軸回転速度No に等しい)に向か
って上昇を開始する。
【0025】電子制御装置65は、入力軸回転速度Nt
を監視しており、速度Nt が所定回転速度(K4 ×No
)以上に増加するのを待つ(ステップS14)。所定
回転速度は、出力軸回転速度No に所定値K4 を乗算し
た積値に設定される。入力軸回転速度Nt が所定回転速
度(K4 ×No )を超えることによってステップS14
の判別結果が肯定(Yes)になると、電子制御装置6
5は、解放側のキックダウンブレーキ30および結合側
のフロントクラッチ24に供給する油圧のフィードバッ
ク制御を開始する(ステップS16)。
【0026】解放側のキックダウンブレーキ30のフィ
ードバック制御は、入力軸回転速度Nt の上昇速度を制
御するもので、入力軸回転速度Nt の変化率Nt'が目標
変化率Ni'に合致するようにクラッチ24に供給する油
圧のフィードバック制御を行う。このフィードバック制
御方法については、特に限定されるものではなく、従来
公知のPID制御を適用することができる。一方、目標
変化率Ni'は、入力軸回転速度Nt と3速同期回転速度
との偏差ΔNに応じて適宜値に設定し直すことができ
る。この実施例では、図5に示すように、2種類の目標
変化率Ni'1,Ni'2 が準備されており、初めの目標変化
率Ni'1 は高い値に設定され、入力軸回転速度Nt が3
速同期回転速度に近づくと、入力軸回転速度Nt が緩や
かに増加するように小さい値に設定されている。これに
より、入力軸回転速度Nt は、初めは急激に、次いでゆ
っくりと3速同期回転速度に向かって上昇することにな
る。
【0027】一方、結合側のクラッチ24のフィードバ
ック制御は、クラッチ24に供給される作動油の供給速
度を目標値に合致するように制御するもので、これによ
りクラッチ24の前述したピストン24cが無効ストロ
ークの移動を完了する時点が、上述した同期判断点より
僅かに後になるように制御される。この場合、クラッチ
24のフィードバック制御方法についても特に限定され
ない。
【0028】次に、電子制御装置65は、入力軸回転速
度Nt が上述した同期回転速度に到達したか否かを判別
し、同期速度に到達するまで待機する(ステップS1
8)。なお、入力軸回転速度Nt と3速同期回転速度と
の偏差ΔNが所定値範囲内の値(|ΔN|≦n0 、n0
は、例えば20rpm)であることが検出されたとき、
電子制御装置65は入力軸回転速度Nt が3速同期回転
速度に到達したと判断する。
【0029】入力軸回転速度Nt が同期回転速度に到達
すると、電子制御装置65は、解放側のキックダウンブ
レーキ30から作動油圧を解放して係合を完全に解除さ
せる一方、結合側のクラッチ24を完全に係合させる
(ステップS19)。これによりパワーオンダウンシフ
トの変速制御が完了したことになる。同期予測ルーチン 次に、電子制御装置65が実行する同期予測ルーチンに
ついて図6に示すフローチャート、および図5を参照し
て説明する。なお、この同期予測ルーチンは、上述した
4−3パワーオン・ダウンシフトの変速制御が実行され
る毎に実行される。
【0030】電子制御装置65は、先ず、図6のステッ
プS20において、目標変化率が前述した値Ni'1 に設
定されている区間が終了したか否かを判別する。この判
別結果が否定の場合には、終了するまで繰り返しステッ
プS20を実行して待機する。目標変速率が値Ni'1 に
設定されている区間が終了すると、ステップS20の判
別結果が肯定となり、ステップS22に進んで、電子制
御装置65に内蔵されるタイマ(図示せず)をスタート
させる。このタイマは、図5に示すようにt1時間の経過
を計時するためのもので、電子制御装置65は、このタ
イマによってt1時間の経過を待つ(ステップS24)。
なお、t1時間は、後述するt2時間と共に、入力軸回転速
度Nt の同期を検出すべき最適タイミングを考慮してそ
れぞれ適宜値に設定される。
【0031】ステップS24において、t1時間の経過が
判別されたら、t1時間が経過した時点における入力軸回
転速度Ntt1 を検出すると共に、今回検出した入力軸回
転速度Ntt1 と前回検出した入力軸回転速度Ntt1-1 と
から回転変化率Nt't1(=Ntt1 −Ntt1-1 )を演算す
る(ステップS26)。そして、得られた入力軸回転速
度Ntt1 と回転変化率Nt't1とから、次式に基づいてt2
時間後の入力軸回転速度Ntt2 を予測する(ステップS
28)。
【0032】Ntt2 =Ntt1 +Nt't1×t2 次いで、電子制御装置65は、予測した入力軸回転速度
Ntt2 が3速同期回転速度より小であるか否かを判別す
る(ステップS30)。この判別が否定の場合、すなわ
ち、t2時間が経過した時点で、入力軸回転速度Ntt2 が
3速同期回転速度より大であると予測されると、運転者
が変速時の間延び感を感じるといった問題もなく、当該
ルーチンを終了する。
【0033】一方、ステップS30における判別結果が
肯定の場合には、t2時間が経過した時点で、入力軸回転
速度Ntt2 が依然として3速同期回転速度以下であるこ
とが予測され、運転者が変速時の間延び感を感じる虞が
ある。このような場合、ステップS32に進み、開放側
の4速クラッチ28に供給されている作動油圧を減少さ
せるべく、電磁弁67のデューティ率を所定値だけ小の
値に強制的に設定して実際の回転変化率を高める。これ
により入力軸回転速度Nt が同期速度に到達するまでの
時間を短縮させることができる。
【0034】なお、この発明の変速制御方法は、図2に
示すような2つの摩擦係合要素24,30を、切換弁3
3,84と一つの電磁弁67とで切換制御する構成のも
のに適用されるだけでなく、各摩擦係合要素毎に、その
摩擦係合要素に供給される作動油圧を制御する電磁弁を
それぞれ備えた自動変速装置にも適用できることは勿論
のことである。
【0035】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
の車両用自動変速装置の変速制御方法に依れば、高速段
を確立させる摩擦係合要素に供給されている作動油圧
を、入力軸回転速度変化率を目標値に合致させるように
して入力軸回転速度を低速段同期回転速度に向けて増加
させるフィードバック制御中に、入力軸回転速度を検出
し、検出された入力軸回転速度と入力軸回転速度変化率
の目標値とから所定時間後の入力軸回転速度を予測し、
予測した入力軸回転速度が低速段同期回転速度より小で
あるとき、高速段側摩擦係合要素の作動油圧を強制的に
減少させるようにしたので、ダウンシフト時に変速ショ
ックを起こすことなく、安定的に短時間で変速を完了さ
せることができ、変速フィーリングを向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法が適用される車両用自動変速装置
の動力伝達経路を示すスケルトン図である。
【図2】図1に示す、キックダウンブレーキ30および
フロントクラッチ24の作動を制御する油圧回路図であ
る。
【図3】図1および図2に示すフロントクラッチ24の
詳細を示す断面図である。
【図4】4−3パワーオンダウンシフトの制御手順を示
すフローチャートである。
【図5】4−3パワーオンダンウシフト時の、入力軸回
転速度Nt、目標回転速度変化率Ni'、および実回転速
度変化率Nt'の時間変化を示すグラフである。
【図6】同期予測ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
2 エンジン 20 入力軸 22 歯車変速装置 24 フロントクラッチ(摩擦係合要素) 30 キックダウンブレーキ(摩擦係合要素) 31 キックダウンサーボ 33 1−2シフト弁 37 変速制御弁 65 電磁弁 84 4−3シフト弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速段を確立させる摩擦係合要素に供給
    されている作動油圧を、入力軸回転速度変化率を目標値
    に合致させるようにフィードバック制御して入力軸回転
    速度を低速段同期回転速度に向けて増加させ、入力軸回
    転速度が同期回転速度に到達した後、高速段側摩擦係合
    要素の係合を完全に解除する一方、低速段を確立させる
    摩擦係合要素を係合させてダウンシフトさせる車両用自
    動変速装置の変速制御方法において、前記フィードバッ
    ク制御中に、入力軸回転速度を検出し、検出された入力
    軸回転速度と前記入力軸回転速度変化率の目標値とから
    所定時間後の入力軸回転速度を予測し、予測した入力軸
    回転速度が前記低速段同期回転速度より小であるとき、
    高速段側摩擦係合要素の作動油圧を強制的に減少させる
    ことを特徴とする車両用自動変速装置の変速制御方法。
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