JPH11108082A - 電磁式制御弁装置の弁制御装置 - Google Patents

電磁式制御弁装置の弁制御装置

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JPH11108082A
JPH11108082A JP9291649A JP29164997A JPH11108082A JP H11108082 A JPH11108082 A JP H11108082A JP 9291649 A JP9291649 A JP 9291649A JP 29164997 A JP29164997 A JP 29164997A JP H11108082 A JPH11108082 A JP H11108082A
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control
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deviation
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JP9291649A
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English (en)
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Tatsuo Matsumura
達雄 松村
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御電流に対する電磁アクチュエータの作動
量が変化した場合でも、油圧アクチュエータを適切に制
御する。 【解決手段】 コントロールユニット17の出力側は制
御弁装置10の電磁アクチュエータ16に接続されてい
る。また、コントロールユニット17には目標電流設定
部27、デューティ比補正部30等が設けられている。
そして、コントロールユニット17は、目標電流設定部
27によって設定された制御電流の目標値を用いてPW
M信号のデューティ比を演算すると共に、デューティ比
補正部30によって電磁アクチュエータ16に流れる制
御電流の検出値を制御電流の目標値に近付けるためにデ
ューティ比を補正し、補正したデューティ比に応じたP
WM信号を電磁アクチュエータ16に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばクラッチの
締結、開放を制御する自動クラッチ制御装置等に用いて
好適な電磁式制御弁装置の弁制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マニュアルトランスミッションを
有する車両において、運転者の負担を軽減するために、
車両の発進時や変速ギヤの切換時を検出することによっ
て、クラッチを自動的に締結、開放するようにした自動
クラッチ制御装置が提案されている。
【0003】このような自動クラッチ制御装置には、ク
ラッチを締結、開放するためのレリーズシリンダ等のア
クチュエータが設けられる。また、自動クラッチ制御装
置には、該レリーズシリンダの作動を制御するための制
御弁機構、制御弁機構の弁体を変位させる電磁アクチュ
エータ、該電磁アクチュエータに制御信号としてのPW
M信号を供給する制御信号出力手段とからなる電磁式制
御弁装置の弁制御装置が設けられている。
【0004】そして、この弁制御装置は、制御信号出力
手段によって電磁アクチュエータにPWM信号を出力
し、制御弁機構の弁体を変位させることによって、油圧
ポンプ等の液圧源からレリーズシリンダに圧油を給排し
ている。これにより、自動クラッチ制御装置は、レリー
ズシリンダを伸縮させ、クラッチの締結、開放を制御し
ている。
【0005】ここで、制御信号出力手段は、車両の運転
状態に応じて予め決められた位置までクラッチを移動さ
せるための制御信号としての制御電流に対応したPWM
信号を電磁アクチュエータに出力するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術に
よる電磁式制御弁装置の弁制御装置では、前記制御弁機
構の弁体を駆動させる比例ソレノイド等の電磁アクチュ
エータが長時間の稼動等で加熱されたときに、電磁アク
チュエータのコイル部に熱抵抗が生じるため、入力電圧
に対する弁体の変位が徐々に小さくなることがある。
【0007】このため、従来技術ではレリーズシリンダ
への圧油の供給量が減少し、レリーズシリンダの作動量
が徐々に変化してしまうことがあり、クラッチの締結、
開放を適切に制御できないという問題がある。
【0008】また、車両の運転状態に応じて制御信号を
更新するときには、電磁アクチュエータ内の抵抗および
インダクタンスの影響により電磁アクチュエータの作動
が遅延し、クラッチを締結、開放するときの電磁アクチ
ュエータの作動速度である応答性が低下するという問題
がある。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は制御信号に対する電磁アクチュ
エータの作動量が変化した場合でも、制御信号を補正し
て油圧アクチュエータを適切に制御することができ、電
磁アクチュエータの応答性を向上できるようにした電磁
式制御弁装置の弁制御装置を提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1の発明は、油圧アクチュエータと油圧源
との間に配設され、弁体を変位させることにより油圧ア
クチュエータに給排される圧油量を制御する制御弁機構
と、該制御弁機構に設けられ、前記弁体を制御信号に応
じて変位させる電磁アクチュエータと、前記油圧アクチ
ュエータを作動させるため、該電磁アクチュエータに制
御信号を出力する制御信号出力手段とからなる電磁式制
御弁装置の弁制御装置に適用される。
【0011】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記制御信号出力手段は、前記油圧アクチュエ
ータを目標となる位置まで作動させるための制御信号の
目標値を設定する目標値設定手段と、該目標値設定手段
による目標値に応じた制御信号を演算する制御信号演算
手段と、該制御信号演算手段による制御信号に対して前
記電磁アクチュエータに実際に加えられた給電量を検出
する給電量検出手段と、該給電量検出手段による検出値
と前記目標値設定手段による目標値との偏差を減少させ
るために前記制御信号演算手段による制御信号を補正し
て出力する制御信号補正手段とから構成したことにあ
る。
【0012】このように構成したことにより、目標値設
定手段による目標値と給電量検出手段による検出値との
偏差に従って制御信号を補正でき、電磁アクチュエータ
の発熱等による影響を相殺できると共に、油圧アクチュ
エータを目標となる位置まで早期に作動させることがで
きる。
【0013】また、請求項2の発明は、クラッチを締
結、開放する油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエ
ータと油圧源との間に配設され、弁体を変位させること
により油圧アクチュエータに給排される圧油量を制御す
る制御弁機構と、該制御弁機構に設けられ、前記弁体を
制御信号に応じて変位させる電磁アクチュエータと、前
記油圧アクチュエータを作動させるため、該電磁アクチ
ュエータに制御信号を出力する制御信号出力手段とから
なる電磁式制御弁装置の弁制御装置に適用される。
【0014】そして、請求項2の発明が採用する構成の
特徴は、前記制御信号出力手段は、車両の運転状態に応
じてクラッチを締結、開放するために予め決められた位
置まで前記油圧アクチュエータを作動させるための制御
信号の目標値を設定する目標値設定手段と、該目標値設
定手段による目標値に応じた制御信号を演算する制御信
号演算手段と、該制御信号演算手段による制御信号に対
して前記電磁アクチュエータに実際に加えられた給電量
を検出する給電量検出手段と、該給電量検出手段による
検出値と前記目標値設定手段による目標値との偏差を減
少させるために前記制御信号演算手段による制御信号を
補正して出力する制御信号補正手段とから構成したこと
にある。
【0015】この場合、目標値設定手段による目標値と
給電量検出手段による検出値との偏差を減少させて電磁
アクチュエータに制御信号の目標値にほぼ等しい制御信
号を加えることができ、油圧アクチュエータを目標とな
る位置まで作動させて、クラッチの締結、開放を制御す
ることができる。
【0016】この場合、目標値設定手段による目標値と
給電量検出手段による検出値との偏差に従って制御信号
を補正でき、電磁アクチュエータの発熱等による影響を
相殺できると共に、油圧アクチュエータを目標となる位
置まで早期に作動させて、クラッチの締結、開放を制御
することができる。
【0017】また、請求項3の発明では、前記制御信号
補正手段は、前記目標値設定手段による目標値と該給電
量検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演算手
段と、該偏差演算手段からの偏差に対する比例演算を行
う比例演算手段と、前記目標値設定手段による目標値に
基づいて前記電磁アクチュエータに出力すべき制御信号
の給電パターンを演算する給電パターン演算手段と、該
給電パターン演算手段による給電パターンと前記給電量
検出手段による検出値との擬似偏差を演算する擬似偏差
演算手段と、該擬似偏差演算手段からの擬似偏差に対す
る積分演算を行う積分演算手段と、前記比例演算手段に
よる演算値と、積分演算手段による演算値とを前記制御
信号演算手段による制御信号に対して加算する加算手段
とからなる。
【0018】上記構成により、制御信号補正手段は、比
例演算手段による演算値と積分演算手段による演算値と
を制御信号演算手段による制御信号に対して加算し、こ
の加算演算値に基づく制御信号を電磁アクチュエータに
出力することができる。
【0019】このため、制御信号出力手段は、比例演算
手段による演算値によって目標値と検出値との偏差を減
少させる制御信号を出力することができ、電磁アクチュ
エータの作動が遅差するのを抑制し、電磁アクチュエー
タの応答性を向上させることができる。
【0020】また、制御信号出力手段は、積分演算手段
の演算値によって擬似偏差を減少させる制御信号を出力
することができ、目標値と検出値との間に定常偏差が生
じるのを防止し、前記油圧アクチュエータを目標とする
位置まで速やか作動させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
電磁式制御弁装置の弁制御装置を自動クラッチ制御装置
に適用した場合を例に挙げて詳細に説明する。
【0022】ここで、図1ないし図9は本発明の実施の
形態を示し、1は車両に搭載されるエンジンで、該エン
ジン1には出力軸としてのクランク軸1Aが設けられ、
該クランク軸1Aはエンジン1によって回転駆動される
ものである。
【0023】2は後述のクラッチ3を介してエンジン1
に締結、開放される変速機で、該変速機2には、入力軸
2Aと出力軸2Bとが設けられ、該入力軸2Aと出力軸
2Bとの間には変速ギヤ2C等が配設されている。そし
て、変速機2は、シフトレバー2Dを操作し、変速ギヤ
2Cを例えば1速、2速、3速、4速、リバースに切換
えることによって、車両の駆動力と速度を可変に制御す
るものである。
【0024】3はエンジン1と変速機2との間に設けら
れたクラッチを示し、該クラッチ3は、エンジン1のク
ランク軸1Aに取付けられた駆動側ディスク3Aと変速
機2の入力軸2Aに取付けられた従動側ディスク3Bと
から構成されている。そして、クラッチ3は、従動側デ
ィスク3Bを駆動側ディスク3Aに摺接させることによ
ってエンジン1のクランク軸1Aと変速機2の入力軸2
Aとを締結し、エンジン1から変速機2にトルクを伝達
している。また、クラッチ3は、従動側ディスク3Bを
駆動側ディスク3Aから離間させることによって、エン
ジン1のクランク軸1Aと変速機2の入力軸2Aとを切
離している。このとき、エンジン1から変速機2にトル
クは伝達されず、エンジン1と変速機2とは開放される
ものである。
【0025】また、従動側ディスク3Bは常時はばね
(図示せず)によって駆動側ディスク3Aに向け矢示A
方向に付勢され、このときのばね力により従動側ディス
ク3Bは駆動側ディスク3Aに向けた締結力が付与され
ている。そして、従動側ディスク3Bが駆動側ディスク
3Aから離間する矢示B方向に変位したときには、エン
ジン1のクランク軸1Aと変速機2の入力軸2Aとが切
離されるものである。
【0026】4は従動側ディスク3Bを駆動側ディスク
3Aに摺接、離間させるレリーズシリンダで、該レリー
ズシリンダ4は、図1ないし図3に示すように、チュー
ブ4Aと、該チューブ4A内に摺動可能に設けられたピ
ストン4Bと、一端側が該ピストン4Bに固着され、他
端側がチューブ4A外に突出したロッド4Cとから構成
されている。また、レリーズシリンダ4にはピストン4
Bによって油室4Dが画成されると共に、ピストン4B
はばね5によって常時は油室4Dが縮小する方向に付勢
されている。そして、レリーズシリンダ4の給排口4E
には管路6が接続され、該管路6を通じて圧油が給排さ
れる。
【0027】このため、ロッド4Cは常時はばね5によ
って矢示C方向に縮小し、従動側ディスク3Bを矢示A
方向に付勢する。一方、油室4Dに管路6を通じて圧油
が供給されたときには、ロッド4Cは矢示D方向に伸長
し、従動側ディスク3Bを矢示B方向に変位させるもの
である。
【0028】7はレリーズシリンダ4に圧油を給排する
油圧ユニットで、該油圧ユニット7は、図2に示すよう
に、油圧源としての油圧ポンプ8、リリーフ弁9、電磁
式の制御弁装置10から大略構成され、油圧ポンプ8か
ら供給される圧油はリリーフ弁9によって常に一定の圧
力に保たれている。また、電磁式の制御弁装置10は後
述のスプール弁11、ばね15、電磁アクチュエータ1
6等から構成されている。
【0029】11は制御弁機構としてのスプール弁で、
該スプール弁11は、図3に示すように略筒状の弁ケー
シング12とスプール13とからなり、該弁ケーシング
12の内周側にはスプール13が摺動可能に挿嵌される
スプール摺動穴12Aが形成されている。また、弁ケー
シング12にはスプール摺動穴12Aの軸方向に離間し
てタンクポート12B、ポンプポート12C、流出入ポ
ート12D、ドレンポート12E,12Fが設けられて
いる。
【0030】ここで、タンクポート12Bはタンク14
に接続され、ポンプポート12Cは油圧ポンプ8に接続
されている。そして、流出入ポート12Dは管路6を介
してレリーズシリンダ4の給排口4Eに接続されてい
る。また、ドレンポート12E,12Fはタンク14に
接続されている。
【0031】13は弁ケーシング12のスプール摺動穴
12A内に変位可能に設けられた弁体としてのスプール
であり、該スプール13には、図3に示すように2個の
ランド13A,13Bが設けられ、ランド13Aはタン
クポート12Bと流出入ポート12Dとの間を連通、遮
断し、ランド13Bはポンプポート12Cと流出入ポー
ト12Dとの間を連通、遮断するものである。
【0032】また、スプール13と弁ケーシング12と
の間には、ドレンポート12Eに連通するばね室12G
が形成され、該ばね室12G内には、スプール13を矢
示E方向に常時付勢するばね15が設けられている。そ
して、スプール13は、後述する電磁アクチュエータ1
6によりコントロールユニット17から出力されるパル
ス幅変調信号(以下、PWM信号という)のデューティ
比に比例して矢示E,F方向に摺動変位され、スプール
弁11を図2に示す中立位置(イ)、低圧位置(ロ)、
高圧位置(ハ)に切換えるものである。
【0033】16はスプール13を駆動する電磁アクチ
ュエータで、該電磁アクチュエータ16は電磁比例ソレ
ノイドからなり、弁ケーシング12に取付けられたケー
ス16Aと、該ケース16A内に設けられたコイル部1
6Bと、該コイル部16Bの内周側に変位可能に設けら
れた駆動ロッド16Cとから構成されている。
【0034】そして、電磁アクチュエータ16のコイル
部16Bは後述のコントロールユニット17の出力側に
接続され、電磁アクチュエータ16はコントロールユニ
ット17からコイル部16Bに制御電流に応じたPWM
信号が供給されることによって、スプール13を矢示
E,F方向に摺動変位させ、スプール弁11を中立位置
(イ)、低圧位置(ロ)、高圧位置(ハ)のいずれかに
切換制御する。
【0035】即ち、電磁アクチュエータ16にPWM信
号が供給されていないときには、スプール13はばね1
5によって矢示E方向に付勢され、スプール弁11は低
圧位置(ロ)となる。このとき、油室4D内の油液がタ
ンク14に排出され、油室4D内の圧力がタンク14内
のドレン圧まで低下し、レリーズシリンダ4のロッド4
Cは矢示C方向に縮小する。
【0036】また、電磁アクチュエータ16に例えば5
0%のディーティ比のPWM信号が供給されたときに
は、スプール弁11が中立位置(イ)に切換わる。この
とき、タンクポート12B,ポンプポート12Cはスプ
ール13のランド13A,13Bによって閉塞されると
共に、油室4D内に圧油が給排されず、レリーズシリン
ダ4は停止する。
【0037】さらに、電磁アクチュエータ16によって
スプール13が中立位置(イ)を越えて矢示F方向に摺
動変位したときには、スプール弁11は高圧位置(ハ)
に切換えられる。このとき、油圧ポンプ8からの圧油が
レリーズシリンダ4の油室4D内に供給され、レリーズ
シリンダ4のロッド4Cは矢示D方向に伸長する。
【0038】17は自動クラッチ用のコントロールユニ
ットを示し、該コントロールユニット17は例えばマイ
クロコンピュータ等により構成され、該コントロールユ
ニット17にはROM、RAM等からなる記憶部17A
が設けられている。
【0039】また、コントロールユニット17にはレリ
ーズシリンダ4のストローク位置を検出するストローク
センサ18が接続されると共に、後述の車両運転状態検
出手段として例えばスロットルセンサ19、車速センサ
20、シフト位置センサ21、エンジン回転数センサ2
2等が接続されている。
【0040】そして、記憶部17Aには図5ないし図7
に示す自動クラッチの制御処理プログラムが格納されて
おり、スロットルセンサ19、車速センサ20、シフト
位置センサ21、エンジン回転数センサ22によるそれ
ぞれの検出信号を用いて車両の運転状態に応じたクラッ
チ3の制御モードを判別すると共に、ストロークセンサ
18による検出位置を用いてレリーズシリンダ4を駆動
制御するために電磁アクチュエータ16にPWM信号を
出力している。
【0041】18はレリーズシリンダ4のストローク位
置を検出する作動位置検出手段としてのストロークセン
サで、該ストロークセンサ18はレリーズシリンダ4の
ロッド4Cの近傍に設けられ、レリーズシリンダ4のス
トローク位置となるロッド4C先端の検出位置に応じた
信号をコントロールユニット17に出力している。
【0042】19はスロットルの開度を検出するスロッ
トルセンサ、20は車両の速度を検出する車速センサ、
21はシフトレバー2Dのシフト位置を検出するシフト
位置センサ、22はエンジン1の回転数を検出するエン
ジン回転数センサをそれぞれ示している。そして、スロ
ットルセンサ19、車速センサ20、シフト位置センサ
21、エンジン回転数センサ22は車両運転状態検出手
段を構成し、車両の運転状態に応じた検出信号をコント
ロールユニット17に出力するものである。
【0043】23は給電量検出手段としての電流検出器
で、該電流検出器23の出力側はコントロールユニット
17に接続されている。そして、該電流検出器23は、
電磁アクチュエータ16にコントロールユニット17か
らPWM信号を供給したときに、コイル部16Bに流れ
る実際の制御電流を検出し、制御電流の検出値iy を検
出信号としてコントロールユニット17に出力してい
る。
【0044】また、電流検出器23はPWM信号が出力
される例えば5ms程度の制御ステップ毎にコイル部1
6Bに供給された制御電流を検出し、この検出値をコン
トロールユニット17に出力するものである。即ち、電
流検出器23は、PWM信号の出力タイミングに同期し
て制御電流を検出するものである。
【0045】次に、コントロールユニット17による自
動クラッチ制御処理を図4に示す制御ブロック図を参照
して説明する。
【0046】24はクラッチモード判別部で、該クラッ
チモード判別部24はスロットルセンサ19、車速セン
サ20、シフト位置センサ21、エンジン回転数センサ
22によるそれぞれの検出信号を用いてクラッチ3を締
結、開放させるための制御モードを判別する。
【0047】25は目標位置演算部で、該目標位置演算
部25はクラッチモード判別部24によって判定された
制御モードに応じてレリーズシリンダ4の目標とすべき
ストローク位置としての目標位置を演算している。この
ため、目標位置演算部25は、例えばクラッチモード判
別部24によってクラッチ3を締結させる制御モードと
判定したときには、レリーズシリンダ4を縮小させ、従
動側ディスク3Bを駆動側ディスク3Aに摺接させるた
めに、レリーズシリンダ4が縮小した位置となる目標位
置を演算する。
【0048】また、目標位置演算部25は、例えばクラ
ッチモード判別部24によってクラッチ3を開放させる
制御モードと判定したときには、レリーズシリンダ4を
伸長させ、従動側ディスク3Bを駆動側ディスク3Aか
ら離間させるために、レリーズシリンダ4が伸長した位
置となる目標位置を演算する。
【0049】さらに、目標位置演算部25は、例えばク
ラッチモード判別部24によってクラッチ3をエンジン
1から変速器2に一部のトルクを伝達する半クラッチ位
置から徐々に締結させる制御モードと判定したときに
は、レリーズシリンダ4を徐々に縮小させて、従動側デ
ィスク3Bを駆動側ディスク3Aに徐々に摺接させるた
めに、レリーズシリンダ4が伸長した位置から縮小した
位置に向けて目標位置を更新する。
【0050】26は位置偏差演算部で、該位置偏差演算
部26は目標位置演算部25による目標位置とストロー
クセンサ18による検出位置との位置偏差を演算してい
る。
【0051】27は目標値設定手段としての目標電流設
定部で、目標電流設定部27は位置偏差演算部26によ
る位置偏差を減少させて目標位置演算部25による目標
位置までレリーズシリンダ4を伸長させるための目標信
号として制御電流の目標値ir を設定する。
【0052】即ち、クラッチモード判別部24によって
クラッチ3を締結させる制御モードと判別したときに
は、目標電流設定部27はスプール弁11を低圧位置
(ロ)に切換えるための制御電流の目標値ir を設定す
る。これにより、スプール13は矢示E方向に摺動変位
し、レリーズシリンダ4が縮小すると共に、従動側ディ
スク3Bは駆動側ディスク3Aに摺接する。
【0053】また、クラッチモード判別部24によって
クラッチ3を開放させる制御モードと判別したときに
は、目標電流設定部27はスプール弁11を高圧位置
(ハ)に切換えるための制御電流の目標値ir を設定す
る。これにより、スプール13は矢示F方向に摺動変位
し、レリーズシリンダ4が伸長すると共に、従動側ディ
スク3Bは駆動側ディスク3Aから離間する。
【0054】さらに、クラッチモード判別部24によっ
てクラッチ3を半クラッチ位置から徐々に締結させる制
御モードと判定したときには、目標電流設定部27は高
圧位置(ハ)から低圧位置(ロ)に徐々に切換えるため
の制御電流の目標値ir を設定する。これにより、スプ
ール13は矢示E方向に摺動変位し、レリーズシリンダ
4が縮小すると共に、従動側ディスク3Bは駆動側ディ
スク3Aに徐々に摺接する。
【0055】28は後述の電圧変動補正部29と共に制
御信号演算手段を構成するデュ−ティ比演算部で、該デ
ュ−ティ比演算部28は目標電流設定部27による制御
電流の目標値ir に対応したPWM信号のデュ−ティ比
d0 を演算している。即ち、デュ−ティ比演算部28は
例えばスプール弁13を低圧位置(ロ)に切換えるとき
には0%のデュ−ティ比d0 を演算し、スプール弁13
を中立位置(イ)に切換えるときには50%のデュ−テ
ィ比d0 を演算し、スプール弁13を高圧位置(ハ)に
切換えるときには100%のデュ−ティ比d0 を演算す
るものである。そして、デュ−ティ比演算部28は演算
したデュ−ティ比d0 に対応する信号を後述の電圧変動
補正部29に出力している。
【0056】29は定電圧源となるバッテリ(図示せ
ず)の電圧が変動したときに、この変動に応じてデュ−
ティ比d0 を補正する電圧変動補正部で、該電圧変動補
正部29はバッテリの電圧が上昇したときにはデュ−テ
ィ比d0 を減少させ、バッテリの電圧が降下したときに
はデュ−ティ比d0 を増加させる。これにより、電圧変
動補正部29は補正したデュ−ティ比d1 に対応した信
号を出力し、PWM信号を生成するためのバッテリの電
圧が変動することによって電磁アクチュエータ16に流
れる制御電流が変化するのを防止している。
【0057】30は制御信号補正手段としてのデュ−テ
ィ比補正部で、該デュ−ティ比補正部30は後述の偏差
演算部31、比例演算部32、電流パターン演算部3
3、擬似偏差演算部34、積分演算部35、加算演算部
36およびPWM変換部37から構成されている。そし
て、デュ−ティ比補正部30は制御電流の目標値ir と
制御電流の検出値iy との偏差e1 を減少させるために
デュ−ティ比d1 を補正し、補正後のデュ−ティ比dを
演算すると共に、デュ−ティ比dに対応したPWM信号
を電磁アクチュエータ16に出力している。
【0058】31は偏差演算手段としての偏差演算部
で、該偏差演算部31は目標電流設定部27によって設
定された制御電流の目標値ir と電流検出器23からの
検出値iy との偏差e1 を下記数1に示すように演算す
る。
【0059】
【数1】e1 =ir −iy
【0060】32は比例演算手段としての比例演算部
で、該比例演算部32は、比例演算用の定数Kp と偏差
演算部31による偏差e1 との積から比例演算値u1 を
下記数2に示す如く演算する。
【0061】
【数2】u1 =Kp ×e1
【0062】33は給電パターン演算手段としての電流
パターン演算部で、該電流パターン演算部33は目標電
流設定部27から出力される目標値ir に基づいて電磁
アクチュエータ16に出力すべき給電パターンとしての
電流パターンi0 を後述する以下に示す数3の式を用い
て演算する。
【0063】
【数3】 但し、T:サンプリング周期 a:時定数τの逆数(a=1/τ)
【0064】ここで、数3の式は一次遅れ系のデジタル
フィルタを示すものであり、以下に示すラプラス変換の
数4の関係式をz変換を用いて表わしたものである。
【0065】
【数4】
【0066】ここで、時定数τは電磁アクチュエータ1
6の抵抗RとインダクタLとにより以下の数5に示す関
係がある。
【0067】
【数5】τ=L/R
【0068】このため、目標値ir が時間t=0で大き
さ零(ir =0)から1(ir =1)にステップ状に変
化したときには、電流パターンi0 の時間変化は以下に
示す数6の式で表わされる。
【0069】
【数6】i0 (t)=1−exp(−t/τ)
【0070】これにより、電流パターンi0 は図9中に
点線で示す特性線46のように時間変化するものであ
る。
【0071】34は擬似偏差演算手段としての擬似偏差
演算部で、該擬似偏差演算部34は電流パターン演算部
33による電流パターンi0 と電流検出器23からの検
出値iy との偏差として擬似偏差e2 を下記数7に示す
ように演算する。
【0072】
【数7】e2 =i0 −iy
【0073】35は積分演算手段としての積分演算部
で、該積分演算部35は、積分演算用の定数Ki を用い
て擬似偏差演算部34からの擬似偏差e2 とに対する積
分演算を行い、このときの積分値に対応した積分演算値
u2 を下記数8に示す如く演算する。
【0074】
【数8】u2 =u2 +Ki ×e2
【0075】36は加算手段としての加算演算部で、該
加算演算部36は、比例演算部32による比例演算値u
1 、積分演算部35による積分演算値u2 およびデュー
ティ比d1 を加算している。そして、加算演算部36は
補正後のデューティ比dを下記数9に示す如く演算す
る。
【0076】
【数9】d=d1 +u1 +u2
【0077】37はPWM変換部で、該PWM変換部3
7は加算演算部36から出力されるデューティ比dをP
WM信号に変換し、このPWM信号を電磁式の制御弁装
置10の電磁アクチュエータ16に出力している。これ
により、PWM変換部37は補正後のデューティ比dに
対応した制御電流を電磁アクチュエータ16のコイル部
16Bに出力するものである。
【0078】次に、図5ないし図7を参照してコントロ
ールユニット17による自動クラッチの制御処理につい
て説明する。ここで、自動クラッチの制御処理は図5に
示す制御モード判別処理と図6に示すPWM信号出力処
理とからなり、PWM信号出力処理は制御モード判別処
理に対して例えば5ms程度の制御ステップ毎に割込み
処理されるものである。
【0079】まず、制御モード判別処理について説明す
るに、ステップ1では例えばイグニションスイッチが
「OFF」か否かによって制御終了条件が成立している
か否かを判定し、ステップ1で「YES」と判定したと
きには、イグニションスイッチが「OFF」となってい
るからステップ2に移って制御を終了する。一方、ステ
ップ1で「NO」と判定したときには、制御終了条件が
成立していないから次なるステップ3に移る。
【0080】ステップ3では、スロットルセンサ19、
車速センサ20、シフト位置センサ21、エンジン回転
数センサ22による検出信号を用いてクラッチ3を締
結、開放させる制御モードを判別し、再度ステップ1に
移行する。
【0081】次に、図6に示すPWM信号出力処理につ
いて説明するに、ステップ4では、制御モード判別処理
によって判別された制御モードに応じてレリーズシリン
ダ4の目標位置を設定し、ステップ5では目標位置と検
出位置との位置偏差を演算する。
【0082】そして、ステップ6では位置偏差を減少さ
せるために電磁アクチュエータ16に出力すべき制御電
流の目標値ir を設定する。例えば、クラッチ3を締結
させるときには、制御電流の目標値ir を零(ir =
0)に設定する。一方、クラッチ3を開放させるときに
は、例えば制御電流の目標値ir を最大値imax (ir
=imax )に設定する。
【0083】次に、ステップ7では、制御電流の目標値
ir に対応したPWM信号のデューティ比d0 を演算
し、ステップ8ではバッテリの電圧変動に応じてこのデ
ューティ比d0 を補正し、補正したデューティ比d1 を
演算すると共に、ステップ9に移行する。
【0084】次に、ステップ9では、電磁アクチュエー
タ16に流れる制御電流の検出値iy と目標値ir との
偏差e1 を減少させるために制御電流の検出値iy に対
するデューティ比の補正処理を行ない、デューティ比d
を演算する。
【0085】そして、次なるステップ10では、デュー
ティ比dをPWM信号に変換し、このPWM信号を電磁
アクチュエータ16に出力し、ステップ11に移ってリ
ターンする。
【0086】次に、図7に示す制御電流の検出値iy に
対するデューティ比の補正処理について説明するに、ス
テップ12では目標値ir と検出値iy との偏差e1 を
数1の式により演算し、ステップ13に移って偏差e1
と比例演算の利得として予め決められた値の定数Kp と
を掛けることによって比例演算値u1 を数2の式によっ
て演算する。
【0087】次に、ステップ14では目標値ir を用い
て数3の式に示す関係から、電流パターンi0 を演算す
る。ここで、電流パターンi0 は目標値ir が時間変化
したときに、電磁アクチュエータ16に流れる制御電流
が速やかに目標値ir に近付くための制御電流の時間変
化を示すものである。
【0088】次に、ステップ15では電流パターンi0
と検出値iy との擬似偏差e2 を数7の式により演算
し、ステップ16ではこの擬似偏差e2 と積分演算の利
得として予め決められた値の定数Ki との積を演算し、
前回の積分演算値u2 に加算することによって新たなる
積分演算値u2 を数8の式により演算する。
【0089】そして、ステップ17ではデューティ比d
1 に比例演算値u1 、積分演算値u2 を加算することに
よって、補正後のデューティ比dを数9の式により演算
し、ステップ18に移ってリターンする。
【0090】次に、デューティ比補正部30の作用につ
いて図8および図9を参照しつつ詳述する。ここで、図
8は制御電流の検出値iy 、比例演算値u1 、積分演算
値u2 と時間との関係を示している。また、目標値ir
は図8中に一点鎖線で示す特性線38のようにステップ
状に時間変化したものとしている。
【0091】まず、車両の運転状態が変化し、目標位置
演算部25による目標位置が変更されたときに、制御電
流の目標値ir が例えば零(ir =0)からある一定値
ir0(ir =ir0)にステップ状に時間変化した場合を
考える。
【0092】ここで、デューティ比補正部30を設けな
い場合、即ち定数Kp が零(Kp =0)、かつ定数Ki
が零(Ki =0)の場合の制御電流の検出値iy を比較
例として図8中に点線で示す特性線40に示す。この場
合、電磁アクチュエータ16が加熱された加熱されたと
きには、コイル部16Bの内部抵抗が増加するから、実
際に電磁アクチュエータ16に流れる制御電流は、加熱
されていないときに比べて減少することになる。
【0093】このため、制御電流の検出値iy は目標値
ir に達することができず、検出値iy と目標値ir と
の間に定常偏差e0 が発生することになる。これによ
り、クラッチ3は目標とする位置まで移動することがで
きず、例えばクラッチ3を半クラッチ位置から徐々に締
結させる制御モードで運転者が予期しないときにクラッ
チ3が締結してしまう等の不具合を生じることになる。
【0094】また、コイル部16B内の抵抗およびイン
ダクタンスにより、電磁アクチュエータ16の作動が遅
延すると共に、電磁アクチュエータ16の応答性が低下
し、クラッチ3の締結、開放が遅れる傾向がある。
【0095】そこで、本実施の形態による電磁式制御弁
装置の弁制御装置ではデューティ比補正部30を設ける
ことにより、実際に電磁アクチュエータ16に流れる制
御電流の検出値iy と目標値ir との偏差e1 を減少さ
せるためのフィードバック制御を行なっている。このと
き、制御電流の検出値iy は、図8中に実線で示す特性
線39のように一定値ir0に向って徐々に増加する。
【0096】即ち、検出値iy と目標値ir との偏差e
1 を用いて比例演算値u1 を図8中の特性線41に示す
ように演算する。一方、検出値iy と電流パターンi0
との擬似偏差e2 を用いて積分演算値u2 を図8中の特
性線42に示すように演算する。そして、比例演算値u
1 と積分演算値u2 とをデューティ比d1 に加算し、補
正後のデューティ比dをPWM信号に変換すると共に、
このPWM信号を電磁アクチュエータ16に出力し、コ
イル部16Bに流れる制御電流を増減させている。
【0097】これにより、電磁アクチュエータ16に流
れる制御電流の検出値iy が目標値ir に達してないと
きには、電磁アクチュエータ16に出力する制御電流を
増加させることができる。一方、電磁アクチュエータ1
6に流れる制御電流の検出値iy が目標値ir よりも過
大となるときには、電磁アクチュエータ16に供給する
制御電流を減少させることができる。
【0098】このとき、積分演算値u2 はほぼ定常偏差
e0 に対応した一定値u20となる。これにより、電磁ア
クチュエータ16が加熱されたときでも、電磁アクチュ
エータ16が加熱されていないときとほぼ等しい制御電
流を流すことができ、クラッチ3を目標とする位置に確
実に移動させることができると共に、クラッチ3を適切
に制御することができる。
【0099】また、比例演算値u1 をデューティ比d1
に加算するから、偏差e1 を減少させるように電磁アク
チュエータ16に出力する制御電流を増減させることが
でき、電磁アクチュエータ16を速やかに作動させて、
電磁アクチュエータ16の応答性を向上させることがで
きる。
【0100】また、積分演算値u2 を偏差e1 ではなく
擬似偏差e2 を用いて演算する理由は、検出値iy が目
標値ir を越えて過大に大きくなるオーバシュートが発
生するのを防止するためである。
【0101】例えば目標値ir が零(ir =0)から一
定値(ir =ir0)に変更された直後では定常偏差e0
よりも大きな偏差e1 が発生する。このため、偏差e1
を用いて積分演算値u2 を演算したときには、この定常
偏差e0 よりも大きな偏差e1 によって積分演算値u2
が定常偏差e0 に対応した一定値u20を越えて過大に増
加することがある。
【0102】このように、積分演算値u2 が一定値u20
を越えて過大に増加した場合には、図8中に仮想線で示
す特性線43のように制御電流の検出値iy が目標値i
r を越えて過大に増加することになり、結果的に検出値
iy が目標値ir に近付くのが遅延することになる。
【0103】このため、本実施の形態による電磁式制御
弁装置の弁制御装置では積分演算値u2 を擬似偏差e2
を用いて演算することによって、積分演算値u2 が一定
値u20を越えて過大に増加するのを防止している。
【0104】即ち、図9中の一点鎖線で示す特性線44
のように制御電流の目標値ir がステップ状に時間変化
したときに、制御電流の検出値iy は図9中に実線で示
す特性線45のように徐々に増加する。このとき、目標
値ir によって電流パターンi0 は図9中に点線で示す
特性線46のように時間変化するから、擬似偏差e2は
ほぼ定常偏差e0 に対応した値となる。
【0105】このため、積分演算値u2 は速やかに定常
偏差e0 に対応した一定値u20に達すると共に、一定値
u20を越えて過大に増加するのを防止することができる
から、検出値iy を目標値ir に速やかに近付け、検出
値iy を目標値ir にほぼ等しくすることができる。
【0106】また、積分演算の利得となる定数Ki を比
例演算の利得となる定数Kp に比べて比較的大きな値、
例えば定数Kp を10(Kp =10)に設定したとき
に、定数Ki を350(Ki =350)程度に設定する
ことができ、積分演算値u2 をより早く一定値u20に近
付けることができると共に、クラッチ3を速やかに作動
させることができる。
【0107】かくして、本実施の形態によれば、デュー
ティ比補正部30によって電磁アクチュエータ16に流
れる制御電流の検出値iy と制御電流の目標値ir との
偏差e1 を減少させる構成としたから、電磁アクチュエ
ータ16が加熱されたときでも、電磁アクチュエータ1
6が加熱されていないときと実質的に等しい制御電流を
流すことができ、電磁アクチュエータ16の発熱による
影響を相殺することができる。
【0108】また、デューティ比補正部30によって補
正したデューティ比dを用いることによって、電磁アク
チュエータ16の応答性を向上させることができ、車両
の運転状態に対応して、例えばクラッチ3を半クラッチ
位置から徐々に締結させる制御モードで、クラッチ3を
速やかに目標となる位置に移動させることができ、クラ
ッチ3の締結、開放を適切に制御することができる。
【0109】さらに、デューティ比補正部30に比例演
算部32、積分演算部35を設けたから、比例演算部3
2によって制御電流の検出値iy と制御電流の目標値i
r との偏差e1 を減少させることができると共に、温度
変化によって検出値iy と制御電流の目標値ir との間
に発生する定常偏差e0 を積分演算部35よって減少さ
せることができる。
【0110】また、積分演算部35は電流パターンi0
と制御電流の目標値ir との擬似偏差e2 を用いて積分
演算値u2 を演算するから、積分演算値u2 が擬似偏差
e2に対応する一定値u20を越えて過大に増加するのを
防止し、検出値iy を目標値ir に向けて速やか変化さ
せることができる。
【0111】なお、本実施の形態では電磁式制御弁装置
の弁制御装置を自動クラッチ制御装置に適用した場合を
例に挙げて示したが、本発明はこれに限らず、自動クラ
ッチの制御以外に、例えば油圧シリンダのストロークを
可変に制御する種々の電磁式制御弁装置の弁制御にも広
く適用できるものである。
【0112】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、制御信号出力手段に制御信号補正手段を設け、実
際に電磁アクチュエータに加えられた給電量の検出値と
制御信号の目標値との偏差を減少させる構成としたか
ら、電磁アクチュエータが加熱されたときでも、電磁ア
クチュエータが加熱されていないときと実質的に等しい
制御信号を加えることができ、電磁アクチュエータの発
熱による影響を相殺できると共に、電磁アクチュエータ
の応答性を向上させることができる。
【0113】また、請求項2の発明によれば、制御信号
出力手段によって電磁アクチュエータの作動を制御し、
アクチュエータに圧油を給排することによってクラッチ
を締結、開放する構成としたから、クラッチを高い応答
性をもって可変に制御でき、車両の運転状態に対応して
クラッチを速やかに目標となる位置に移動させることが
でき、クラッチの締結、開放を適切に制御することがで
きる。
【0114】さらに、請求項3の発明によれば、制御信
号補正手段に比例演算手段、積分演算手段を設けたか
ら、比例演算手段によって制御電流の検出値と制御電流
の目標値との偏差を減少させることができると共に、温
度変化によって検出値と制御電流の目標値との間に発生
する定常偏差を積分演算部よって減少させることができ
る。
【0115】また、積分演算手段は電流パターンと制御
電流の目標値との擬似偏差を用いて演算するから、その
演算値が擬似偏差に対応する一定値を越えて過大に増加
するオーバーシュートの発生を防止し、検出値を目標値
に向けて速やかに変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による電磁式制御弁装置の
弁制御装置が適用される自動クラッチ制御装置を示す全
体構成図である。
【図2】図1中の油圧ユニット等を示す油圧回路図であ
る。
【図3】実施の形態によるレリーズシリンダおよび制御
弁装置等を示す断面図である。
【図4】実施の形態による自動クラッチ制御装置の制御
ブロック図である。
【図5】実施の形態による制御モード判別処理を示す流
れ図である。
【図6】実施の形態によるPWM信号出力処理を示す流
れ図である。
【図7】実施の形態による制御電流の検出値に対するデ
ューティ比の補正処理を示す流れ図である。
【図8】実施の形態による電磁アクチュエータにPWM
信号を出力したときの検出値、目標値、比例演算値およ
び積分演算値の時間変化を示す特性線図である。
【図9】実施の形態による電磁アクチュエータにPWM
信号を出力したときの検出値、目標値および電流パター
ンの時間変化を示す特性線図である。
【符号の説明】 3 クラッチ 4 レリーズシリンダ(油圧アクチュエータ) 10 制御弁装置 11 スプール弁(制御弁機構) 13 スプール(弁体) 16 電磁アクチュエータ 17 コントロールユニット(制御信号出力手段) 23 電流検出器(給電量検出手段) 27 目標電流設定部(目標値設定手段) 28 デューティ比演算部(制御信号演算手段) 29 電圧変動補正部 30 デューティ比補正部(制御信号補正手段) 31 偏差演算部(偏差演算手段) 32 比例演算部(比例演算手段) 33 電流パターン演算部(給電パターン演算手段) 34 擬似偏差演算部(擬似偏差演算手段) 35 積分演算部(積分演算手段) 36 加算演算部(加算手段) 37 PWM変換部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧アクチュエータと油圧源との間に配
    設され、弁体を変位させることにより油圧アクチュエー
    タに給排される圧油量を制御する制御弁機構と、 該制御弁機構に設けられ、前記弁体を制御信号に応じて
    変位させる電磁アクチュエータと、 前記油圧アクチュエータを作動させるため、該電磁アク
    チュエータに制御信号を出力する制御信号出力手段とか
    らなる電磁式制御弁装置の弁制御装置において、 前記制御信号出力手段は、前記油圧アクチュエータを目
    標となる位置まで作動させるための制御信号の目標値を
    設定する目標値設定手段と、 該目標値設定手段による目標値に応じた制御信号を演算
    する制御信号演算手段と、 該制御信号演算手段による制御信号に対して前記電磁ア
    クチュエータに実際に加えられた給電量を検出する給電
    量検出手段と、 該給電量検出手段による検出値と前記目標値設定手段に
    よる目標値との偏差を減少させるために前記制御信号演
    算手段による制御信号を補正して出力する制御信号補正
    手段とから構成したことを特徴とする電磁式制御弁装置
    の弁制御装置。
  2. 【請求項2】 クラッチを締結、開放する油圧アクチュ
    エータと、 該油圧アクチュエータと油圧源との間に配設され、弁体
    を変位させることにより油圧アクチュエータに給排され
    る圧油量を制御する制御弁機構と、 該制御弁機構に設けられ、前記弁体を制御信号に応じて
    変位させる電磁アクチュエータと、 前記油圧アクチュエータを作動させるため、該電磁アク
    チュエータに制御信号を出力する制御信号出力手段とか
    らなる電磁式制御弁装置の弁制御装置において、 前記制御信号出力手段は、車両の運転状態に応じてクラ
    ッチを締結、開放するために予め決められた位置まで前
    記油圧アクチュエータを作動させるための制御信号の目
    標値を設定する目標値設定手段と、 該目標値設定手段による目標値に応じた制御信号を演算
    する制御信号演算手段と、 該制御信号演算手段による制御信号に対して前記電磁ア
    クチュエータに実際に加えられた給電量を検出する給電
    量検出手段と、 該給電量検出手段による検出値と前記目標値設定手段に
    よる目標値との偏差を減少させるために前記制御信号演
    算手段による制御信号を補正して出力する制御信号補正
    手段とから構成したことを特徴とする電磁式制御弁装置
    の弁制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御信号補正手段は、前記目標値設
    定手段による目標値と該給電量検出手段による検出値と
    の偏差を演算する偏差演算手段と、 該偏差演算手段からの偏差に対する比例演算を行う比例
    演算手段と、 前記目標値設定手段による目標値に基づいて前記電磁ア
    クチュエータに出力すべき制御信号の給電パターンを演
    算する給電パターン演算手段と、 該給電パターン演算手段による給電パターンと前記給電
    量検出手段による検出値との擬似偏差を演算する擬似偏
    差演算手段と、 該擬似偏差演算手段からの擬似偏差に対する積分演算を
    行う積分演算手段と、 前記比例演算手段による演算値と積分演算手段による演
    算値とを前記制御信号演算手段による制御信号に対して
    加算する加算手段とから構成してなる請求項1または2
    に記載の電磁式制御弁装置の弁制御装置。
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