JP2001304304A - 機械式自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

機械式自動変速機の変速制御装置

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JP2001304304A JP2000116833A JP2000116833A JP2001304304A JP 2001304304 A JP2001304304 A JP 2001304304A JP 2000116833 A JP2000116833 A JP 2000116833A JP 2000116833 A JP2000116833 A JP 2000116833A JP 2001304304 A JP2001304304 A JP 2001304304A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、機械式自動変速機の変速制御装置
に関し、クラッチの断接状態を正確に把握するととも
に、クラッチを接続する際のショックやもたつきの発生
を防止できるようにする。 【解決手段】摩擦クラッチと変速機構とを有する機械式
自動変速機の変速制御装置において、摩擦クラッチが切
断された状態から接合する際の接合直前におけるクラッ
チアクチュエータの流体圧し、算出された流体圧を含む
所定の流体圧範囲を設定するとともに、摩擦クラッチの
接続時に、アクチュエータの流体圧が所定の流体圧範囲
内になったことが検出されると、アクチュエータの作動
速度が所定の流体圧範囲内に突入する以前の作動速度よ
りも小さく設定されるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手動変速機(マニ
ュアルトランスミッション)を自動化した、機械式自動
変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の車両の変速機として、
摩擦クラッチと平行2軸式変速機とからなる手動変速機
を自動化した、いわゆる機械式自動変速機が開発されて
いる。このような機械式自動変速機では、エンジンから
駆動輪までの駆動力伝達系に流体クラッチ(トルクコン
バータ)が介在しないため、トルクコンバータを用いた
自動変速機よりも伝達効率が高く、燃費の向上を図るこ
とができる。また、トルクコンバータ特有のスリップ感
がないためドライバビリティも向上する。
【0003】このような機械式自動変速機では、クラッ
チの断接を行なうクラッチアクチュエータと、スロット
ル開度を調整するスロットルアクチュエータと、変速段
の切り替えを行なうシフトセレクトアクチュエータとが
設けられており、これらの各アクチュエータの作動をそ
れぞれ適宜制御することにより、変速操作が行なわれ
る。
【0004】具体的には、まずスロットルの戻し操作が
行なわれるとともにクラッチの切断操作が行なわれ、そ
の後、ギアチェンジ(変速段の切り換え)が実行され
る。そして、エンジンの回転速度を合わせた後、クラッ
チの接続操作が実行されて変速操作が完了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
変速操作において、ギアチェンジ後にすばやくクラッチ
を接続するとショックが発生し、ゆっくりとクラッチを
接続するともたつき(空走感)やエンジンの空ぶかしが
発生するという課題がある。これに対して、実公平4−
33465号公報には、クラッチの位置を検出するクラ
ッチ位置検出手段(クラッチ位置センサ)をそなえ、ク
ラッチ位置検出手段からの位置検出信号に基づいて、ア
クチュエータによるクラッチの作動速度を変更するよう
にした技術が開示されている。そして、上記公報には、
クラッチ切断状態から半クラッチ領域に入るまではクラ
ッチを迅速に作動させ、半クラッチ領域に入るとクラッ
チを微速で作動させるようにした技術が開示されてい
る。
【0006】しかしながら、上記公報の技術では、クラ
ッチ位置検出手段で検出されたクラッチストロークに基
づいて半クラッチ領域を検出しているため、クラッチの
フェージングが磨耗した場合等には、半クラッチ領域や
クラッチ切断位置等を正確に判定できないという課題が
ある。また、クラッチ位置検出手段では、センサの設置
場所がレリーズシリンダの先端側に制約されるという課
題がある。
【0007】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、クラッチの断接状態を正確に把握するととも
に、クラッチを接続する際のショックやもたつきの発生
を防止できるようにした、機械式自動変速機の変速制御
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
機械式自動変速機の変速制御装置では、摩擦クラッチの
接合状態及び変速機構の変速状態をそれぞれ制御するこ
とにより変速操作が実行される。そして、本装置では、
アクチュエータにより摩擦クラッチが断接駆動され、ア
クチュエータ作動制御手段により、アクチュエータへの
流体圧供給状態が制御されてアクチュエータの作動が制
御される。また、流体圧算出手段により、摩擦クラッチ
が切断された状態から接合する際の接合直前の流体圧
(必要レリーズ圧)が算出されるとともに、範囲設定手
段により、流体圧算出手段で算出された流体圧に基づい
て上記流体圧を含む所定の流体圧範囲が設定される。
【0009】そして、摩擦クラッチの接続時には、アク
チュエータの流体圧が所定の流体圧範囲内になると、所
定の流体圧範囲内に突入する以前よりも遅い作動速度と
なるようにアクチュエータの作動が制御される。また、
請求項2記載の本発明の機械式自動変速機の変速制御装
置では、摩擦クラッチが接合する直前の流体圧が、摩擦
クラッチの諸元値と、エンジントルクと、エンジン回転
速度と、クラッチ回転速度とに基づいて算出される。
【0010】また、請求項3記載の本発明の機械式自動
変速機の変速制御装置では、摩擦クラッチの接続時にお
いて、アクチュエータの流体圧が所定の流体圧範囲内に
入る以前は、アクチュエータの作動速度が、エンジント
ルク又は流体圧に基づいて設定される。また、請求項4
記載の本発明の機械式自動変速機の変速制御装置では、
アクチュエータの作動速度が、エンジントルクに基づい
て算出される値と、流体圧算出手段で算出された流体圧
と流体圧検出手段で検出された実流体圧との偏差及びそ
の微分値に基づいて算出される値とを比較して、小さい
ほうの値に設定される。
【0011】また、請求項5記載の本発明の機械式自動
変速機の変速制御装置では、摩擦クラッチの接続時にお
いて、アクチュエータの流体圧が所定の流体圧内にある
ときには、アクチュエータの作動速度がエンジントルク
及びエンジン回転加速度に基づいて設定される。また、
請求項6記載の本発明の機械式自動変速機の変速制御装
置では、流体圧算出手段により、エンジン回転の慣性に
よるトルクを用いて摩擦クラッチの接合直前の流体圧が
補正される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態にかかる機械式自動変速機の変速制御装置につい
て説明すると、図1は本装置の全体的な機能に着目した
制御ブロック図、図2はそのクラッチアクチュエータの
構成を示す模式図、図3はそのシフトセレクトアクチュ
エータの構成を示す模式図、図4はその要部の構成を示
す模式的なブロック図、図5はその変速制御時の作動特
性を示す図、図6はその作用を説明するためのフローチ
ャートである。
【0013】まず、機械式自動変速機の全体構成につい
て説明すると、この機械式自動変速機は、トルクコンバ
ータ等の流体クラッチをそなえた自動変速機とは異な
り、摩擦クラッチと平行2軸式変速機とからなる一般的
な手動変速機に、ドライバの代わりにクラッチ操作及び
変速操作を行なうアクチュエータや電子制御スロットル
(いわゆるドライブバイワイヤシステム)等が付設され
ており、これらのアクチュエータ等の作動を適宜制御す
ることにより、自動変速が実行されるように構成されて
いる。
【0014】ここで、図1に示すように、この自動変速
機のコントローラ(A/T−ECU、又は単にECUと
いう)には、変速判定部1,変速実行部2,クラッチア
クチュエータ駆動制御部3,シフトセレクトアクチュエ
ータ駆動制御部4及びスロットルアクチュエータ駆動制
御部5が設けられている。また、車両側には、変速機本
体の入力軸回転速度を検出するとともに車速センサとし
て機能する入力軸回転速度センサ10,アクセル開度又
はアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度
センサ11,エンジン回転速度を検出するエンジン回転
速度センサ12,スロットルの開度を検出するスロット
ル開度センサ13及びクラッチのレリーズストローク及
びレリーズ液圧をそれぞれ検出するレリーズストローク
センサ(ストロークセンサ)14及びレリーズ液圧セン
サ(圧力センサ)15が設けられている。
【0015】そして、上記車速センサ10及びアクセル
開度センサ11からの検出情報に基づいて、変速判定部
1でシフトアップ又はシフトダウンのタイミングが判定
(変速判定)されるとともに、変速実行部2では、変速
判定部1からの変速指示を受けて各アクチュエータ駆動
制御部3〜5に対して制御信号が設定されるようになっ
ている。
【0016】また、この機械式自動変速機には、クラッ
チの断接を行なうクラッチアクチュエータ6と、変速機
本体の変速断を切り換えるためのシフトセレクトアクチ
ュエータ7と、電子制御スロットルのスロットル開度を
変更するためのスロットルアクチュエータ8が設けられ
ている。なお、このスロットルアクチュエータ8は、例
えばステッパモータにより構成される。
【0017】そして、各アクチュエータ駆動制御部3〜
5では、上記変速実行部2からの制御信号に応じてクラ
ッチアクチュエータ6,シフトセレクトアクチュエータ
7及びスロットルアクチュエータ8の作動を制御するよ
うになっている。具体的には、変速判定部1で変速判定
が行なわれると、スロットルの戻し操作,クラッチ
切断操作,ギアチェンジ(変速段の切り換え),エ
ンジン回転速度合わせ,クラッチ接続操作の順に各操
作が実行されるようになっており、変速実行部2では、
変速操作実行時に最適なタイミングで各アクチュエータ
6〜8が作動するように各駆動制御部3〜5に制御信号
を設定するようになっているのである。
【0018】次に、クラッチアクチュエータ6及びシフ
トセレクトアクチュエータ7の構成についてそれぞれ図
2及び図3を用いて簡単に説明する。図2に示すよう
に、クラッチアクチュエータ6には、クラッチレリーズ
シリンダ61が設けられており、このクラッチレリーズ
シリンダ61のプッシュロッド61bには図示しないレ
リーズフォークが接続されている。そして、このクラッ
チレリーズシリンダ61の室61aに対する作動流体
(本実施形態では作動油)の給排状態を制御することで
プッシュロッド61bを進退させてクラッチの係合状態
を制御するようになっている。なお、ここでは室61a
に作動油が供給されてプッシュロッド61bが図中右方
向に伸長すると、クラッチが切れるように構成されてい
る。
【0019】また、図示するように、室61aとオイル
タンク62の間には、油圧源(オイルポンプ)63,調
圧弁(レギュレータ)64,油圧供給用のソレノイド6
5及び油圧排出用のソレノイド66等が設けられてお
り、上記クラッチアクチュエータ駆動制御部3によりこ
れら2つのソレノイド(開閉弁)65,66がそれぞれ
デューティ制御されるようになっている。そして、この
ように2つのソレノイド65,66をオンオフ制御する
ことにより室61aへの油圧供給状態が変更されて、ク
ラッチの断接が行なわれるようになっている。
【0020】例えば、ソレノイド65をオン(開)にす
るとともにソレノイド66をオフ(閉)として室61a
に作動油を供給することでクラッチが切断される。ま
た、上記とは逆にソレノイド65をオフ(閉)にすると
ともにソレノイド66をオン(開)として室61aの作
動油をオイルタンク62にドレーンすることでクラッチ
が接続される。また、図2に示すように、両ソレノイド
65,66をともにオフ(閉)にした場合には、クラッ
チの状態が保持されるのである。
【0021】なお、上述したように、クラッチアクチュ
エータ6には、クラッチレリーズシリンダ61のプッシ
ュロッド61bのストローク位置(レリーズストロー
ク)を検出するストロークセンサ14と、室61aに供
給される作動油の圧力(レリーズ圧)を検出する圧力セ
ンサ(流体圧検出手段)15とが付設されており、これ
らのセンサ67,68の検出情報はクラッチアクチュエ
ータ駆動制御部3にフィードバックされるようになって
いる。
【0022】次に、図3を用いてシフトセレクトアクチ
ュエータ7について説明すると、このシフトセレクトア
クチュエータ7は、シフトアクチュエータ71とセレク
トアクチュエータ72とをそなえている。このうち、シ
フトアクチュエータ71は、その作動方向が、手動変速
機におけるシフトレバーの前後方向(シフト方向)に対
応するように設けられ、セレクトアクチュエータ72
は、その作動方向が、シフトレバーの左右方向(セレク
ト方向)に対応するように設けられている。
【0023】また、これらのアクチュエータ71,72
は、いずれも3つの位置をとりうる3位置油圧パワーシ
リンダとして構成されており、これらのシフト方向の3
位置とセレクト方向の3位置とを組み合わせることによ
り、手動変速機のシフトパターンに対応した動作で変速
段を切り換えることができるようになっている。ここ
で、アクチュエータ71,72の構成について、シフト
アクチュエータ71を例に簡単に説明すると、アクチュ
エータ71内には受圧面積の異なる2つのピストン71
a,71bが設けられている。ピストン71a,71b
に作用する力は、油圧が一定であれば受圧面積に応じて
大きくなるので、ピストン71a,71bに対してそれ
ぞれ独立して油圧を作用させて各ピストン71a,71
bの位置をそれぞれ変更することにより、アクチュエー
タ71の作動位置を図中の上中下で示すような3位置に
切り換えることができるようになっている。
【0024】また、図示するように、各アクチュエータ
71,72とオイルタンク73との間には、油圧源(オ
イルポンプ)74,調圧弁(レギュレータ)75及びソ
レノイド76〜79等が設けられており、上記のクラッ
チアクチュエータ6と同様に、各ソレノイド76〜79
をデューティ制御することにより上記各ピストン71
a,71bへの作動油供給状態が適宜切り換えられるよ
うになっている。そして、これによりアクチュエータ7
1,72の作動位置が切り換えられて、変速段が切り換
えられるようになっているのである。
【0025】次に、本発明の要部について説明すると、
本発明の機械式自動変速機の変速制御装置は、上述した
変速操作〜のうち、のクラッチ接続操作に特徴が
あり、ギアチェンジ後にショックを発生することなく速
やかにクラッチを接続できるようにしたものである。以
下、図4を用いて本発明の要部構成について説明する
と、ECU30の変速実行部2には流体圧算出手段5
1,範囲設定手段52及びレリーズ勾配設定手段53が
設けられている。また、変速実行部2には、エンジン回
転速度センサ12,スロットル開度センサ13,ストロ
ークセンサ14及び圧力センサ15が接続され、さら
に、これらのセンサに加えて、変速機の入力軸回転速度
としてのクラッチ回転速度ncを検出するクラッチ回転
速度センサ16も接続されている。なお、このクラッチ
回転速度センサ16は、通常は車速センサとして機能す
るものであり、変速機の入力軸回転速度とギア比とから
車速が算出されるようになっている。
【0026】流体圧算出手段51は、圧力センサ15か
らの情報に基づいて、クラッチが切断された状態から接
合する際の接合直前の流体圧(以下、必要レリーズ圧と
いう)を算出する手段である。ここで、必要レリーズ圧
は、エンジン発生トルクを変速機に伝達するのに必要な
レリーズ圧であり、エンジン発生トルク=クラッチ伝達
トルクとなるレリーズ圧である。
【0027】なお、この必要レリーズ圧は、摩擦クラッ
チの諸元値と、エンジントルクと、エンジン回転速度n
eと、クラッチ回転速度ncとを用いて下式の連立方程
式(1),(2)からクラッチ実押付荷重を消去するこ
とにより算出されるようになっている。 クラッチ実押付荷重=押付セット荷重−必要レリーズ圧・レリーズシリンダ 面積・ダイアフラムレバー比・レリーズフォークレバー比 ・・・・・・・・・(1) 発生可能エンジントルク+エンジン慣性分補正トルク=2・フェージング摩擦 係数・クラッチ実押付荷重・(D3 −d3 )/(D2 −d2 )/3 ・・・・・・・・・(2) 上記の式(1)において、押付セット荷重とは、クラッ
チを押し付ける付勢力であり、クラッチスプリングのば
ね定数から求められる。また、式(2)の発生可能エン
ジントルクは、現在のスロットル開度で発生可能な最大
トルクであり、エンジンの特性と現在のスロットル開度
とにより決定される。なお、Dはフェージング外径、d
はフェージング内径である。
【0028】また、式(2)のエンジン慣性分補正トル
クは下式(3)で表すことができる。 エンジン慣性分補正トルク=エンジン慣性モーメント・(ne−nc)/t0 ・・・・・・・・・(3) なお、エンジン慣性モーメントは、予め設定された定数
であり、t0 は例えば0.5sec程度の時間である。
【0029】そして、上述のようにして流体圧算出手段
51で必要レリーズ圧が算出されると、範囲設定手段5
2において、上記の必要レリーズ圧を含む所定の流体圧
範囲が設定されるようになっている。すなわち、必要レ
リーズ圧Prが算出されると、範囲設定手段52では、
例えば予め設定された値a,b(例えばa,bとも0.
3MPa)を用いて、Pr−bからPr+aまでの間を
所定の流体圧範囲として設定するようになっているので
ある(図5参照)。なお、この流体圧範囲は、クラッチ
がいわゆる半クラッチとなるようなレリーズ圧の範囲で
ある。
【0030】そして、変速実行時に、上記各駆動制御部
3〜5により、スロットルの戻し操作,クラッチ切
断操作,ギアチェンジ(変速段の切り換え),エン
ジン回転速度合わせの各操作が実行されると、その後、
レリーズ勾配設定手段53によりクラッチアクチュエー
タ6の作動速度としてのレリーズ勾配(プッシュロッド
61bのストローク位置の変化率)の目標値が設定され
るようになっている。
【0031】すなわち、レリーズ勾配設定手段53で
は、クラッチアクチュエータ6のレリーズ圧に基づい
て、レリーズシリンダ61のプッシュロッド61bの作
動速度(目標レリーズストローク勾配)を設定するよう
になっている。なお、プッシュロッド61bの作動速度
は、ストロークセンサ14からの位置情報(ストロー
ク)を時間微分することによりフィードバックされるよ
うになっている。
【0032】そして、レリーズ勾配設定手段53ではク
ラッチアクチュエータ6のレリーズ圧が上記の流体圧範
囲に入るまで(即ち、レリーズ圧がPr+a以下となる
まで)は極力速くクラッチが接続側に作動するようにク
ラッチアクチュエータ6の作動速度を設定するようにな
っている。また、クラッチアクチュエータ6のレリーズ
圧が上記の流体圧範囲に入ると、それまでよりも遅い作
動速度でクラッチアクチュエータ6を作動させるように
なっているのである。
【0033】すなわち、レリーズ圧が上記の所定の流体
圧範囲に入るまでは、クラッチアクチュエータ6の目標
レリーズストローク勾配(クラッチアクチュエータ6の
作動速度)は、比較的急な(速い)第1の設定値に設定
され、所定の流体圧範囲に入ると第1の設定値よりも緩
やかな第2の設定値に設定され、さらに所定の流体圧範
囲よりも小さなレリーズ圧となると、第2の設定値より
も急な第3の設定値に設定されるようになっているので
ある。なお、目標レリーズストローク勾配の値は、クラ
ッチ切断時には正、接続時には負となる。
【0034】ここで、第1の設定値は、以下の2つの手
法によりそれぞれ設定(算出)され、さらに、算出され
た2つの値のうち、負に大きいほうの値(すなわち、勾
配が急なほうの値)が最終的に基準レリーズ勾配として
設定されるようになっている。まず、第1の設定手法に
ついて説明すると、この場合、そのときのエンジントル
ク(発生可能エンジントルク)に応じて下式(4)によ
り、第1の設定値(以下、基準レリーズ勾配という)が
算出されるようになっている。
【0035】 基準レリーズ勾配=−100・発生可能エンジントルク/最大トルク ・・・・・・・・・(4) これにより、エンジントルクが小さいときには、ゆっく
りとクラッチが係合するように基準レリーズ勾配が小さ
く設定され、一方、エンジントルクが大きいときには、
すばやくクラッチが係合するように基準レリーズ勾配が
大きく設定されるようになっている。なお、発生可能エ
ンジントルクは、スロットル開度及びエンジン回転速度
等に基づいて推定されるようになっている。
【0036】そして、このように基準レリーズ勾配を設
定することにより、滑らかさとスピードとの両立を図る
ようになっているのである。次に、第2の設定手法につ
いて説明すると、この場合には、上述により算出された
必要レリーズ圧と、圧力センサ15により検出される実
レリーズ圧との偏差及びその微分値に基づいて、下式
(5)により第1の設定値(以下、FB基準レリーズ勾
配)が算出されるようになっている。
【0037】 FB基準レリーズ勾配=k1・ΔP+k2・dΔP/dt ・・・・・・・(5) なお、上記のΔPは、必要レリーズ圧と実レリーズ圧と
の偏差、k1,k2はそれぞれゲインである。そして、
レリーズ勾配設定手段53では、上記の式(4),
(5)で得られた基準レリーズ勾配とFB基準レリーズ
勾配とを比較して、これらのうち小さいほうの値(負に
大きいほうの値)を選択して第1の設定値としてクラッ
チアクチュエータ駆動制御部3に出力するようになって
いる。
【0038】なお、第1の設定値の設定手法は上述のも
のに限定されるものではなく、例えば、第1の設定手法
のみを用いて第1の設定値を設定してもよいし、第2の
設定手法のみを用いて第1の設定値を設定してもよい。
次に、第2の設定値について説明すると、レリーズ圧が
上記の所定の流体圧範囲(Pr−b〜Pr+a)になっ
たと判定されると、レリーズ勾配設定手段53では、基
本的には上記の基準レリーズ勾配と同様に、エンジント
ルクに応じて第2の設定値を設定するようになってい
る。
【0039】すなわち、この場合には、まずエンジン回
転速度を取り込んで、その変化率(エンジン回転加速
度)の正負が判定されるようになっている。そして、エ
ンジン回転加速度が正であれば、まだクラッチが接合す
る前であるためエンジン回転速度が上昇していると考
え、このような場合には、比較的速い速度でアクチュエ
ータ6を作動させるようになっている。具体的には、こ
の場合には、第2の設定値はエンジントルクに応じて設
定された基準レリーズ勾配の1/3の値に設定されるよ
うになっている。
【0040】また、エンジン回転加速度が負の場合であ
って、所定値(例えば−1500rpm/sec)以上
の場合には、目標レリーズストローク勾配は基準レリー
ズ勾配の1/6に設定されるようになっている。これは
クラッチがつながりつつある状態であり、このような場
合にはアクチュエータ6をゆっくりと作動させることに
よりショックの発生を防止するようになっている。
【0041】また、エンジン回転加速度が上述の負の所
定値よりも小さい場合には、クラッチがつながってエン
ジン回転速度が低下したものと考えて、目標レリーズス
トローク勾配が0に設定されるようになっている。つま
り、この場合には、クラッチアクチュエータ6の作動を
一時的に停止させるようになっているのである次に、第
3の設定値について説明すると、レリーズ圧が上記の所
定の流体圧範囲よりも小さい値(≦Pr−b)になった
と判定されると、変速実行部2では、予め設定された固
定値cを出力するようになっている。ここで、レリーズ
圧が上記の所定の流体圧範囲よりも小さければ、クラッ
チが十分に接続しているため、クラッチアクチュエータ
6の速度を上昇させてもショックを生じることはない。
そこで、この場合には、目標レリーズストローク勾配が
比較的急な固定値cに設定されるのである。
【0042】なお、この固定値cは、一般的に想定され
る第2の設定値(基準レリーズ勾配/3)よりも急な勾
配となるような値に設定されている。本発明の一実施形
態にかかる機械式自動変速機の変速制御装置は、上述の
ように構成されているので、変速判定部1で変速判定が
行なわれると、例えば図5に示すように、5つのフェー
ズ(段階)により変速制御が実行される。
【0043】つまり、フェーズ1では、まずスロットル
アクチュエータ5からの制御信号によりスロットルアク
チュエータ8が閉じ側に制御されるとともに、これと略
同時にクラッチアクチュエータ駆動制御部3からの制御
信号によりクラッチアクチュエータ6が作動して(すな
わち、レリーズシリンダ61が伸長して)半クラッチ状
態となる(スロットル戻し操作)。これにより、後述
するクラッチ結合度が0から1になり、その後スロット
ルが所定の開度まで閉じるとフェーズ1からフェーズ2
に移行する。
【0044】ここで、クラッチ結合度について説明する
と、クラッチ結合度とは、クラッチの断接状態の目安と
なるもので、レリーズストロークに応じて一義的に決定
される。クラッチ結合度は5段階に設定され、クラッチ
結合度0(ゼロ)は、クラッチが完全に接続された状態
を示し、クラッチ結合度1は、クラッチは接続境界(即
ち、クラッチ結合度がこれよりも大きくなると係合して
いたクラッチが滑り接触し始める状態)を示し、クラッ
チ結合度3は、クラッチ切断境界(即ち、クラッチ結合
度がこれよりも小さくなると切断されていたクラッチが
滑り接触し始める状態)を示し、クラッチ結合度4はク
ラッチが完全に切断された状態を示し、クラッチ結合度
2では、クラッチ結合度1,3の中間の状態を示す。
【0045】そして、フェーズ2では、さらにプッシュ
ロッド61bが伸長して、クラッチ結合度が1から3に
なってクラッチが切断され(クラッチ切断操作)、そ
の後フェーズ3に移行してクラッチ結合度が4となって
クラッチが完全に切断され)、ギアチェンジが実行され
る(ギアチェンジ)。フェーズ3でギアチェンジが行
なわれると、次に、フェーズ4に移行してエンジン回転
速度がトランスミッション入力軸回転速度と一致するよ
うにスロットル開度が制御され(エンジン回転速度合
わせ)、その後、フェーズ5でレリーズ圧に基づいてレ
リーズシリンダ61のプッシュロッド61bを縮退さ
せ、クラッチの接続制御が行なわれ(クラッチ接続操
作)、変速操作が終了する。
【0046】そして、このようなクラッチ接続操作にお
いて、本装置ではさらに図6に示すようなフローチャー
トにしたがって、目標レリーズストローク勾配(クラッ
チレリーズシリンダ61の作動速度)が設定される。ま
ず、ステップS1において、エンジン回転速度,クラッ
チ回転速度及びクラッチレリーズ圧が読み込まれる。そ
して、ステップS2では、これらの情報に基づいて、必
要レリーズ圧が算出される。なお、必要レリーズ圧は上
述の式(1)〜(3)により算出される。また、ステッ
プS3及びステップS4では、それぞれ式(4)及び式
(5)により基準レリーズ勾配及びFB基準レリーズ勾
配が算出される。
【0047】そして、ステップS5において、実レリー
ズ圧が必要レリーズ圧+a(aは例えば0.3MPa)
よりも大きいか否かが判定され、実レリーズ圧のほうが
大きければ、ステップS6に進んで、ステップS2及び
ステップS3で算出された値のうち負に大きい値が目標
レリーズストローク勾配として設定される(第1の設定
値)。
【0048】つまり、ステップS6に進んだ場合は、レ
リーズストロークがまだ半クラッチ領域(所定の領域)
に達していない状態であるため、この場合には、目標レ
リーズストローク勾配が比較的急な第1の設定値に設定
されるのである。そして、これにより半クラッチ領域に
達するまでは、速やかにクラッチアクチュエータ6が作
動して、クラッチ接続時のもたつき感を大幅に低減する
ことができるのである。
【0049】また、ステップS5で実レリーズ圧が必要
レリーズ圧+a以下であると判定された場合には、ステ
ップS7に進み、実レリーズ圧が必要レリーズ圧−b
(bは例えば0.3MPa)よりも大きいか否かが判定
される。ここで、実レリーズ圧が必要レリーズ圧−bよ
りも大きければ、レリーズストロークが半クラッチ領域
(所定の領域)内にあるので、ステップS9以下で第1
の設定値よりも小さな第2の設定値が目標レリーズスト
ローク勾配として設定される。
【0050】また、実レリーズ圧が必要レリーズ圧−b
以下であれば、半クラッチ領域を越えて、レリーズスト
ロークがクラッチ接続完了近傍にあるので、ステップS
8に進んで、第2の設定値よりも急勾配の第3の設定値
が設定される。すなわち、ステップS8に進んだ場合に
は、第3の設定値として、予め設定された固定値cが目
標レリーズストローク勾配として出力されるのである。
【0051】一方、ステップS9に進んだ場合(半クラ
ッチ領域にある場合)、エンジン回転加速度の正負が判
定され、エンジン回転加速度が正であれば、ステップS
10に進み、上記ステップS3で算出された基準レリー
ズ勾配の1/3の値が第2の設定値として出力される。
また、エンジン回転加速度が負(0を含む)であれば、
ステップS11に進み、エンジン回転加速度が所定値
(例えば−1500rpm/sec)よりも小さいか否
かが判定される。そして、エンジン回転加速度が所定値
より小さければ、クラッチが接合したためエンジン回転
速度が低下しているので、このときは、ステップS12
で目標レリーズストローク勾配が0に設定される。
【0052】また、エンジン回転加速度が所定値以上で
あれば、ステップS13に進み、上記ステップS10で
設定された値とステップS12で設定された値との間の
値に設定される。具体的には、基準レリーズ勾配の1/
6が第2の設定値として出力される。これにより、変速
操作時のクラッチアクチュエータ6の目標レリーズスト
ローク勾配(グラフの傾き)の特性は、図5のフェーズ
5に示すようになる。すなわち、レリーズ圧が所定の流
体圧範囲に達するまでは、目標レリーズストローク勾配
は比較的急勾配に設定され、速やかに半クラッチ領域に
達する。
【0053】一方、レリーズ圧が所定の流体圧範囲に達
すると、目標レリーズストローク勾配は緩やかに設定さ
れて、クラッチ接続時のショックが防止される。そし
て、レリーズ圧が所定の流体圧範囲よりも小さくなる
と、目標レリーズストローク勾配が再び急勾配に設定さ
れて、速やかにクラッチ接続制御が終了するのである。
以上詳述したように、本装置によれば、ギアチェンジ終
了後のクラッチ接続操作において、半クラッチになるま
では速やかにレリーズシリンダ61がクラッチ接続側に
作動して、クラッチ接続時のもたつき感が解消されると
ともに、半クラッチになるとレリーズシリンダ61の作
動速度が低減されてクラッチ接続時のショックが防止さ
れる。
【0054】また、本発明ではクラッチレリーズシリン
ダ61のストローク(位置)ではなく、レリーズ圧に基
づいてクラッチレリーズシリンダ61の作動速度を設定
しているので、クラッチのフェージングが磨耗しても正
確に半クラッチを検出することができる利点がある。こ
れは、フェージングが磨耗してクラッチの接続位置が変
わったとしても、クラッチ接続ポイントにおけるレリー
ズ圧は変化しないためである。つまり、レリーズ圧を検
出することで、正確にクラッチの状態を判定することが
できるのである。また、レリーズ圧を検出するための圧
力センサ15は、油圧回路上の任意の位置に設定可能で
あるため、設計上の自由度も高いという利点がある。
【0055】また、必要レリーズ圧を、摩擦クラッチの
諸元値と、エンジントルクと、エンジン回転速度と、ク
ラッチ回転速度とに基づいて算出することにより、正確
に必要レリーズ圧を算出できる利点がある。また、エン
ジン回転の慣性によるトルクを用いて摩擦クラッチの接
合直前の流体圧(必要レリーズ圧)が補正されるので、
エンジンの回転慣性分を考慮した必要レリーズ圧を算出
することができ、エンジンの慣性による加速を速やかに
制御に適用することができるという利点がある。
【0056】また、クラッチの接続時において、レリー
ズ圧が所定の流体圧範囲内に入るまでは、アクチュエー
タ6(レリーズシリンダ61)の作動速度としての第1
の設定値(基準レリーズ勾配)がエンジントルクに応じ
て算出されることにより、エンジントルクが大きい場
合、即ち、ドライバが急加速する意思がある場合には素
早く、エンジントルクが小さい場合、即ち、緩加速する
場合にはゆっくりと且つ円滑にクラッチを接合すること
ができる利点がある。
【0057】また、第1の設定値(FB基準レリーズ勾
配)をレリーズ圧及びその変化率に基づいて算出するこ
とにより、レリーズ圧偏差が大きい場合には素早く、小
さい場合にはゆっくりと且つ円滑にクラッチを接合する
ことができる。また、レリーズ圧を必要レリーズ圧付近
に急峻に収束させることができる。さらに、上記の基準
レリーズ勾配及びFB基準レリーズ勾配のうち、勾配の
大きいほうを選択して第1の設定値として出力すること
により、レリーズ圧を必要レリーズ圧付近に急峻に収束
させるとともに、急加速する場合には素早く、緩加速す
る場合にはゆっくりと且つ円滑にクラッチを接合するこ
とができる利点がある。
【0058】また、クラッチの接続時において、レリー
ズ圧が所定の流体圧範囲内にあるときには、アクチュエ
ータ6(レリーズシリンダ61)の作動速度としての第
2の設定値がエンジントルク及びエンジン回転加速度に
基づいて設定されるので、やはり、エンジントルクが大
きい場合、即ち、ドライバが急加速する意思がある場合
には素早く、エンジントルクが小さい場合、即ち、緩加
速する場合にはゆっくりと且つ円滑にクラッチを接合す
ることができる利点がある。
【0059】さらに、第2の設定値が、エンジン回転速
度が加速傾向にあるときには素早く、失速傾向にある場
合にはゆっくりとクラッチを接続することにより、エン
ジンの空吹かし感を防止することができる利点がある。
なお、本発明の機械式自動変速機の変速制御装置は、上
述のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸
脱しない範囲で変更することができる。例えば、上述し
た実施形態で用いた数値は、エンジンや車両の特性,諸
元等に応じて種々変更することができる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1にかかる
本発明の機械式自動変速機の変速制御装置によれば、ギ
アチェンジ終了後のクラッチ接続操作において、摩擦ク
ラッチの接続時に、流体圧検出手段からの検出情報に基
づいてアクチュエータの流体圧が所定の流体圧範囲(半
クラッチ状態)になったことが検出されると、アクチュ
エータ駆動制御手段によりアクチュエータの作動速度が
該所定の流体圧範囲内に突入する以前の作動速度よりも
小さく設定されるので、クラッチ接続時のもたつき感が
解消されるとともに、半クラッチ状態になるとレリーズ
シリンダ61の作動速度が低減されてクラッチ接続時の
ショックが防止される。
【0061】また、本発明ではアクチュエータの位置で
はなく、流体圧に基づいてアクチュエータの作動速度を
設定しているので、摩擦クラッチのフェージングが磨耗
しても正確に半クラッチを検出することができる利点が
ある。また、流体圧検出手段は、流体圧回路上の任意の
位置に設定可能であるため、設計上の自由度も高いとい
う利点がある。
【0062】また、請求項2にかかる本発明の機械式自
動変速機の変速制御装置によれば、摩擦クラッチの接合
直前の流体圧(必要レリーズ圧)が、摩擦クラッチの諸
元値と、エンジントルクと、エンジン回転速度と、クラ
ッチ回転速度とに基づいて算出されるので、摩擦クラッ
チの接合直前の流体圧を正確に求めることができる利点
がある。
【0063】また、請求項3にかかる本発明の機械式自
動変速機の変速制御装置によれば、摩擦クラッチの接続
時において、アクチュエータの流体圧が所定の流体圧範
囲内に入る以前は、アクチュエータの作動速度が、エン
ジントルク、又は、流体圧に基づいて設定されるので、
エンジントルクに基づいて設定した場合は、エンジント
ルクが大きい、即ち、ドライバが急加速する意思がある
場合には素早く、また、エンジントルクが小さい、即
ち、緩加速する場合にはゆっくりと且つ円滑にクラッチ
を接合することができる利点がある。また、流体圧に基
づいて設定した場合には、流体圧偏差が大きい場合には
素早く、小さい場合にはゆっくりと且つ円滑にクラッチ
を接合することができる利点がある。
【0064】また、請求項4にかかる本発明の機械式自
動変速機の変速制御装置によれば、アクチュエータの作
動速度が、エンジントルクに基づいて算出される値と、
算出された流体圧と実流体圧との偏差及びその微分値に
基づいて算出される値と、を比較して、小さいほうの値
に設定されるので、流体圧を摩擦クラッチの接合直前の
流体圧付近に急峻に収束させるとともに、急加速する場
合には素早く、緩加速する場合にはゆっくりと且つ円滑
にクラッチを接合することができる利点がある。
【0065】また、請求項5にかかる本発明の機械式自
動変速機の変速制御装置によれば、摩擦クラッチの接続
時において、アクチュエータの流体圧が所定の流体圧範
囲内にあるときには、アクチュエータの作動速度がエン
ジントルク及びエンジン回転加速度に基づいて設定され
るので、やはり、エンジントルクが大きい場合、即ち、
ドライバが急加速する意思がある場合には素早く、エン
ジントルクが小さい場合、即ち、緩加速する場合にはゆ
っくりと且つ円滑にクラッチを接合することができる利
点がある。
【0066】また、請求項6にかかる本発明の機械式自
動変速機の変速制御装置によれば、流体圧算出手段で
は、エンジン回転の慣性によるトルクを用いて摩擦クラ
ッチの接合直前の流体圧(必要レリーズ圧)が補正され
るので、エンジンの回転慣性分を考慮した必要レリーズ
圧を算出することができ、エンジンの慣性による加速を
速やかに制御に適用することができるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる機械式自動変速機
の変速制御装置の全体的な機能に着目した制御ブロック
図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる機械式自動変速機
の変速制御装置のクラッチアクチュエータの構成を示す
模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる機械式自動変速機
の変速制御装置のシフトセレクトアクチュエータの構成
を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる機械式自動変速機
の変速制御装置の要部の構成に着目した模式的なブロッ
ク図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる機械式自動変速機
の変速制御装置の変速制御時の作動特性を示す図であ
る。
【図6】本発明の一実施形態にかかる機械式自動変速機
の変速制御装置の変速制御時の作用を説明するためのフ
ローチャートである。
【符号の説明】
3 アクチュエータ作動制御手段(クラッチアクチュエ
ータ駆動制御) 6 アクチュエータ(クラッチアクチュエータ) 15 流体圧検出手段(圧力センサ) 51 流体圧算出手段 52 範囲設定手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦クラッチと変速機構とを有し、該摩
    擦クラッチの接合状態及び該変速機構の変速状態をそれ
    ぞれ制御することにより変速操作を行なう機械式自動変
    速機の変速制御装置において、 供給される流体圧に応じて作動して該摩擦クラッチを断
    接駆動するアクチュエータと、 該アクチュエータに供給される流体圧を検出する流体圧
    検出手段と、 該アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ作動
    制御手段と、 該摩擦クラッチが切断された状態から接合する際の接合
    直前の流体圧を算出する流体圧算出手段と、 該流体圧算出手段で算出された該流体圧に基づいて該流
    体圧を含む所定の流体圧範囲を設定する範囲設定手段と
    をそなえ、 該摩擦クラッチの接続時に、該流体圧検出手段からの検
    出情報に基づいて該アクチュエータの流体圧が該所定の
    流体圧範囲内になったことが検出されると、該アクチュ
    エータ駆動制御手段により該アクチュエータの作動速度
    が該所定の流体圧範囲内に突入する以前の作動速度より
    も小さく設定されることを特徴とする、機械式自動変速
    機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 該摩擦クラッチの接合直前の流体圧が、
    該摩擦クラッチの諸元値と、エンジントルクと、エンジ
    ン回転速度と、クラッチ回転速度とに基づいて算出され
    ることを特徴とする、請求項1記載の機械式自動変速機
    の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 該摩擦クラッチの接続時において、該ア
    クチュエータの流体圧が該所定の流体圧範囲内に入る以
    前は、該アクチュエータの作動速度が、エンジントル
    ク、又は、該流体圧に基づいて設定されることを特徴と
    する、請求項1又は2記載の機械式自動変速機の変速制
    御装置。
  4. 【請求項4】 該アクチュエータの作動速度が、 該エンジントルクに基づいて算出される値と、 該流体圧算出手段で算出された流体圧と該流体圧検出手
    段で検出された実流体圧との偏差及びその微分値に基づ
    いて算出される値とを比較して、小さいほうの値に設定
    されることを特徴とする、請求項3記載の機械式自動変
    速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 該摩擦クラッチの接続時において、該ア
    クチュエータの流体圧が該所定の流体圧範囲内にあると
    きには、該アクチュエータの作動速度がエンジントルク
    及びエンジン回転加速度に基づいて設定されることを特
    徴とする、請求項1又は2記載の機械式自動変速機の変
    速制御装置。
  6. 【請求項6】 該流体圧算出手段では、エンジン回転の
    慣性によるトルクを用いて該摩擦クラッチの接合直前の
    流体圧が補正されることを特徴とする、請求項2記載の
    機械式自動変速機の変速制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100370163C (zh) * 2004-05-15 2008-02-20 通用汽车公司 液压式离合器状态判断和控制方法
CN107269737A (zh) * 2016-04-08 2017-10-20 舍弗勒技术股份两合公司 用于对静液压的操纵装置中的压力进行限制的方法

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