JPH11108081A - 自動クラッチ制御装置 - Google Patents

自動クラッチ制御装置

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JPH11108081A
JPH11108081A JP9289195A JP28919597A JPH11108081A JP H11108081 A JPH11108081 A JP H11108081A JP 9289195 A JP9289195 A JP 9289195A JP 28919597 A JP28919597 A JP 28919597A JP H11108081 A JPH11108081 A JP H11108081A
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JP
Japan
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clutch
control
target position
release cylinder
deviation
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JP9289195A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Matsumura
達雄 松村
Hiroshi Sato
博 佐藤
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度のセンサ等を用いることなくクラッチ
を半クラッチ位置に向けて作動させるときにトルクショ
ックが発生するのを防止し、クラッチを円滑に締結させ
る。 【解決手段】 コントロールユニット17は制御弁装置
10等を介してレリーズシリンダ4を制御する。そし
て、目標位置設定部29はクラッチモード判別部23に
よってクラッチが半クラッチモードであると判定したと
きに、目標位置を締結位置に向けて制御ステップ毎に変
化させる。このとき、コントロールユニット17は目標
位置設定部29による目標位置とストロークセンサ18
による検出位置とを用いてレリーズシリンダ4をフィー
ドバック制御し、クラッチを締結位置に向けて一定の速
度で移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の運転状態
に応じてクラッチを自動的に締結、開放する自動クラッ
チ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、マニュアルトランスミッション
を有する車両(以下、MT車という)のギヤ変速は、運
転者がクラッチペダルを踏み、クラッチが開放された状
態で、手動によって変速ギヤを切換えた後に、クラッチ
を締結させるものである。
【0003】しかし、初心者では、車両の発進時のクラ
ッチペダルとアクセルペダルとの連動操作や変速ギヤの
切換時のクラッチ操作が難しく、クラッチの締結時にシ
ョックが発生し易い。このため、運転者の負担を軽減す
るためにMT車において、車両の発進時や変速ギヤの切
換時を検出することにより、クラッチを自動的に締結、
開放するようにした自動クラッチ制御装置が提案されて
いる。
【0004】このような自動クラッチ制御装置では、ク
ラッチを締結、開放するレリーズシリンダが設けられ、
該レリーズシリンダは、図16に示すようにエンジンか
ら変速機にトルクを伝達するクラッチの締結位置と、エ
ンジンから変速機にトルクを伝達しないクラッチの開放
位置との間でクラッチを切換えている。また、クラッチ
の締結位置と開放位置との間には、エンジンから変速機
にトルクの一部を伝達する半クラッチ位置と、該半クラ
ッチ位置と開放位置との間に位置する変速待機位置とが
設けられている。
【0005】そして、例えば変速機の変速ギヤを1速か
ら2速に切換える場合には、運転者がシフトレバーを1
速の位置からニュートラルの位置に操作することによっ
て、自動クラッチ制御装置は、締結位置から開放位置に
クラッチを切換えると共に、次なる変速ギヤに切換わる
までの間はクラッチを変速待機位置で待機させる。そし
て、シフトレバーがニュートラルから2速の位置に操作
されたときには、自動クラッチ制御装置は、半クラッチ
位置を経て締結位置に切換えている。
【0006】このようなクラッチの締結、開放を行なう
ために、従来技術による自動クラッチ制御装置では、車
両の運転状態に適したストローク位置までレリーズシリ
ンダを伸縮させ、クラッチの締結、開放を制御してい
る。このため、例えば、車両の走行時には、レリーズシ
リンダを最縮小させ、クラッチを締結させる。また、車
両の発進時、変速ギヤの切換時には、レリーズシリンダ
を最大に伸長させ、クラッチを開放させた後に、レリー
ズシリンダを最大伸長から最縮小に向って漸次に縮小さ
せ、クラッチを徐々に締結している。
【0007】そして、車両の運転状態に適したストロー
ク位置となる目標位置は、車両の運転状態に応じた目標
位置を予め格納したマップ等を参照することによって設
定し、現在のレリーズシリンダのストローク位置と目標
位置との偏差を求めると共に、この偏差を減少させるよ
うにフィードバック制御を行なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による自動クラッチ制御装置では、目標位置を車
両の運転状態に応じて設定することによってクラッチの
締結、開放を制御している。このため、クラッチを半ク
ラッチ位置に向けて作動させて、クラッチを徐々に締結
させるときには、高速かつ細かく目標位置を変化させな
ければ、クラッチの締結、開放が頻繁に生じることがあ
り、運転者にとってガクガク感となるトルクショックが
発生する場合がある。
【0009】そこで、従来技術による自動クラッチ制御
装置ではレリーズシリンダのストローク位置を高精度に
検出すると共に、高速かつ細かく変化する目標位置に追
従させてレリーズシリンダを伸縮させるようにしてい
る。このため、レリーズシリンダのストローク位置を高
精度に検出できるセンサが必要となる上に、高速動作が
可能なレリーズシリンダが必要となり、自動クラッチ制
御装置が全体として高価になるという問題がある。
【0010】また、各運転状態に適した目標位置を細か
く設定するために、多量の目標位置を記憶する必要があ
るため、記憶メモリが増大するという問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は高精度なセンサや高速動作が可
能なレリーズシリンダを用いることなく、クラッチを半
クラッチ位置に向けて作動させるときにトルクショック
が発生するのを防止し、クラッチを円滑に締結できるよ
うにした自動クラッチ制御装置を提供することを目的と
している。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明による自動クラッチ装置の構成は、エンジ
ンと変速機との間に設けられ、該エンジンと変速機との
間を断続するクラッチと、前記エンジンから変速機にト
ルクを伝達する締結位置と前記エンジンから変速機にト
ルクを伝達しない開放位置との間でクラッチを切換える
レリーズシリンダと、該レリーズシリンダのストローク
位置を検出するストロークセンサと、制御信号に応じて
前記レリーズシリンダに圧油を給排する制御弁装置と、
車両の運転状態を検出する車両運転状態検出手段と、該
車両運転状態検出手段からの検出信号により前記クラッ
チがエンジンから変速機にトルクの一部を伝達する半ク
ラッチモードにあるか否かを判別する半クラッチモード
判別手段と、前記クラッチの半クラッチモード時には前
記クラッチを締結位置に向けて移動させる速度を制御す
るために、前記レリーズシリンダの目標位置を予め決め
られた制御ステップ毎に更新させる目標位置更新手段
と、該目標位置更新手段による目標位置と前記ストロー
クセンサによる検出位置との偏差を求め、前記クラッチ
モード判別手段による半クラッチモードの判定時に前記
制御ステップ毎の目標位置に追従して前記偏差を減少さ
せる制御信号を出力する制御信号出力手段とからなる。
【0013】このように構成したことにより、半クラッ
チモード判別手段によって半クラッチモードと判定され
たときには、制御信号出力手段は目標位置更新手段によ
る目標位置に追従して偏差を減少させる制御信号を出力
し、エンジントルクの一部を変速機に伝達させながら徐
々にクラッチを締結位置に近付けることができる。
【0014】また、請求項2の発明では、前記車両運転
状態検出手段はスロットル開度を検出するスロットルセ
ンサを備え、前記目標位置更新手段は該スロットルセン
サによるスロットル開度に対応させて前記目標位置の更
新幅を変化させる構成としている。
【0015】このため、目標位置更新手段はスロットル
開度に対応させて目標位置の更新幅を変化させ、クラッ
チを締結位置に向けて移動させる速度を変化させること
ができる。即ち、更新幅が大きいときにはクラッチを締
結位置に向けて高速に移動させることができ、更新幅が
小さいときにはレリーズシリンダの目標位置を僅かずつ
変化させ、クラッチを締結位置に向けて徐々に移動させ
ることができる。
【0016】また、請求項3の発明では、前記制御弁装
置は、油圧源と前記レリーズシリンダとの間に配設され
たスプール弁と、該スプール弁を切換制御する電磁アク
チュエータとから構成し、該電磁アクチュエータは、前
記レリーズシリンダの作動を停止させるときに前記スプ
ール弁の弁体を一定幅の不感帯をもって中立位置に保持
し、前記レリーズシリンダを作動させるときに前記油圧
源からの圧油をレリーズシリンダに給排するため前記弁
体を中立位置から摺動変位させる構成としている。
【0017】このように構成したことにより、弁体を中
立位置から摺動変位させ、レリーズシリンダに油圧源か
らの圧油を給排させることによって、レリーズシリンダ
を伸縮させることができ、クラッチの締結、開放をフィ
ードバック制御することができる。
【0018】また、請求項4の発明では、前記制御信号
出力手段は、前記目標位置設定手段による目標位置と前
記ストロークセンサによる検出位置との偏差を演算する
偏差演算器と、該偏差演算器による偏差の比例演算を行
なう比例演算器と、制御弁装置の不感帯補償を行なうた
め前記偏差演算器による偏差に対して前記不感帯分を補
償演算する補償演算器とを備え、少なくとも前記比例演
算器による演算値と補償演算器による演算値とを用いて
前記制御信号を演算し出力する構成としている。
【0019】この結果、比例演算器による演算値と補償
演算器による演算値とを用いて偏差を減少させるような
制御信号を出力することができる。これにより、制御弁
装置の不感帯を補償しつつ、目標位置設定手段によって
制御ステップ毎に変化する目標位置に追従してレリーズ
シリンダを作動させ、締結位置に向けてクラッチを移動
させて、クラッチを徐々に締結させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
自動クラッチ制御装置を図1ないし図15に従って詳細
に説明する。
【0021】図中、1は車両に搭載されるエンジンを示
し、該エンジン1には出力軸としてのクランク軸1Aが
設けられ、該クランク軸1Aはエンジン1によって回転
駆動されるものである。
【0022】2は後述のクラッチ3を介してエンジン1
に締結、開放される変速機で、該変速機2には、入力軸
2Aと出力軸2Bとが設けられ、該入力軸2Aと出力軸
2Bとの間には変速ギヤ2C等が配設されている。そし
て、変速機2は、シフトレバー2Dを操作し、変速ギヤ
2Cを例えば1速、2速、3速、4速、リバースに切換
えることによって、車両の駆動力と速度を可変に制御す
るものである。
【0023】3はエンジン1と変速機2との間に設けら
れたクラッチを示し、該クラッチ3は、エンジン1のク
ランク軸1Aに取付けられた駆動側ディスク3Aと変速
機2の入力軸2Aに取付けられた従動側ディスク3Bと
から構成されている。そして、クラッチ3は、従動側デ
ィスク3Bを駆動側ディスク3Aに摺接させることによ
ってエンジン1のクランク軸1Aと変速機2の入力軸2
Aとを締結し、エンジン1から変速機2にトルクの一部
を伝達している。また、クラッチ3は、従動側ディスク
3Bを駆動側ディスク3Aから離間させることによっ
て、エンジン1のクランク軸1Aと変速機2の入力軸2
Aとを切離している。このとき、エンジン1から変速機
2にトルクは伝達されず、エンジン1と変速機2とは開
放されるものである。
【0024】また、従動側ディスク3Bは常時はばね
(図示せず)によって駆動側ディスク3Aに向け矢示A
方向に付勢され、このときのばね力により従動側ディス
ク3Bは駆動側ディスク3Aに向けた締結力が付与され
ている。そして、従動側ディスク3Bが駆動側ディスク
3Aから離間する矢示B方向に変位したときには、エン
ジン1のクランク軸1Aと変速機2の入力軸2Aとが切
離されるものである。
【0025】4は従動側ディスク3Bを駆動側ディスク
3Aに摺接、離間させるレリーズシリンダで、該レリー
ズシリンダ4は、図1に示すようにチューブ4Aと、該
チューブ4A内に摺動可能に設けられたピストン4B
と、一端側が該ピストン4Bに固着され、他端側がチュ
ーブ4A外に突出したロッド4Cとから構成されてい
る。また、レリーズシリンダ4にはピストン4Bによっ
て油室4Dが画成されると共に、ピストン4Bはばね5
によって常時は油室4Dが縮小する方向に付勢されてい
る。そして、レリーズシリンダ4の給排口4Eには管路
6が接続され、該管路6を通じて圧油が給排されてい
る。
【0026】このため、ロッド4Cは常時はばね5によ
って矢示C方向に縮小し、従動側ディスク3Bを矢示A
方向に付勢する。一方、油室4Dに管路6を通じて圧油
が供給されたときには、ロッド4Cは矢示D方向に伸長
し、従動側ディスク3Bを矢示B方向に変位させるもの
である。
【0027】7はレリーズシリンダ4に圧油を給排する
油圧ユニットで、該油圧ユニット7は、図2に示すよう
に、油圧源としての油圧ポンプ8、リリーフ弁9、制御
弁装置10から大略構成され、油圧ポンプ8から供給さ
れる圧油はリリーフ弁9によって常に一定の圧力に保た
れている。また、制御弁装置10は後述のスプール弁1
1、ばね15、電磁アクチュエータ16等から構成され
ている。
【0028】11は制御弁装置10の本体部を構成する
スプール弁で、該スプール弁11は略筒状の弁ケーシン
グ12とスプール13とからなり、該弁ケーシング12
の内周側にはスプール13が摺動可能に挿嵌されるスプ
ール摺動穴12Aが形成されている。また、弁ケーシン
グ12にはスプール摺動穴12Aの軸方向に離間してタ
ンクポート12B、ポンプポート12C、流出入ポート
12D、ドレンポート12E,12Fが設けられてい
る。
【0029】ここで、タンクポート12Bはタンク14
に接続され、ポンプポート12Cは油圧ポンプ8に接続
されている。そして、流出入ポート12Dは管路6を介
してレリーズシリンダ4の給排口4Eに接続されてい
る。また、タンクポート12Bは、例えば図4に示すよ
うに長方形をなす矩形ポートとして形成され、ポンプポ
ート12Cもタンクポート12Bとほぼ同様に矩形ポー
トとして形成されている。また、ドレンポート12E,
12Fはタンク14に接続されている。
【0030】13は弁ケーシング12のスプール摺動穴
12A内に変位可能に設けられた弁体としてのスプール
であり、該スプール13には、図3に示すように2個の
ランド13A,13Bが設けられ、ランド13Aはタン
クポート12Bと流出入ポート12Dとの間を連通、遮
断し、ランド13Bはポンプポート12Cと流出入ポー
ト12Dとの間を連通、遮断するものである。
【0031】また、スプール13と弁ケーシング12と
の間には、ドレンポート12Eに連通するばね室12G
が形成され、該ばね室12G内には、スプール13を矢
示E方向に常時付勢するばね15が設けられている。そ
して、スプール13は後述する電磁アクチュエータ16
によりコントロールユニット17から出力されるPWM
信号のデューティ比に比例して矢示E,F方向に摺動変
位され、中立位置(イ)、低圧位置(ロ)、高圧位置
(ハ)に切換られるものである。
【0032】ここで、スプール13が中立位置(イ)に
あるときは、スプール13のランド13Aは図4に示す
如くタンクポート12Bを完全に閉塞すると共に、ラン
ド13Bはポンプポート12Cを完全に閉塞する。そし
て、スプール13は図4に示す如くランド13A,13
Bの幅寸法が、タンクポート12B,ポンプポート12
Cよりも一定寸法δだけ大きく形成され、ポート閉塞時
の安定性を確保するようになっている。このため、スプ
ール13のランド13A,13Bと弁ケーシング12の
タンクポート12B,ポンプポート12Cとの間には、
スプール13を中立位置(イ)で僅かに摺動変位させて
も、タンクポート12B,ポンプポート12Cが開口し
ない一定幅の不感帯(寸法δに対応)が形成されてい
る。
【0033】16はスプール13を駆動変位させる電磁
アクチュエータを示し、該電磁アクチュエータ16は電
磁比例ソレノイドからなり、弁ケーシング12に取付け
られたケース16Aと、該ケース16A内に設けられた
コイル部16Bと、該コイル部16Bの内周側に変位可
能に設けられた駆動ロッド16Cとから構成されてい
る。
【0034】そして、電磁アクチュエータ16のコイル
部16Bは後述のコントロールユニット17の出力側に
接続され、電磁アクチュエータ16はコントロールユニ
ット17からコイル部16Bに制御電流iに応じたPW
M信号が供給されることによって、スプール13を矢示
E,F方向に摺動変位させ、スプール弁11を中立位置
(イ)、低圧位置(ロ)、高圧位置(ハ)のいずれかに
切換制御する。
【0035】即ち、電磁アクチュエータ16にPWM信
号が供給されていないときには、スプール13はばね1
5によって矢示E方向に付勢され、スプール弁11は低
圧位置(ロ)となる。このとき、油室4D内の油液がタ
ンク14に排出され、油室4D内の圧力がタンク14内
のドレン圧まで低下し、レリーズシリンダ4のロッド4
Cは矢示C方向に縮小する。
【0036】また、電磁アクチュエータ16に例えば5
0%のディーティ比のPWM信号が供給されたときに
は、スプール弁11が中立位置(イ)に切換わる。この
とき、タンクポート12B,ポンプポート12Cはスプ
ール13のランド13A,13Bによって閉塞されると
共に、油室4D内に圧油が給排されず、レリーズシリン
ダ4は停止する。
【0037】さらに、電磁アクチュエータ16によって
スプール13が中立位置(イ)を越えて矢示F方向に摺
動変位したときには、スプール弁11は高圧位置(ハ)
に切換えられる。このとき、油圧ポンプ8からの圧油が
レリーズシリンダ4の油室4D内に供給され、レリーズ
シリンダ4のロッド4Cは矢示D方向に伸長する。
【0038】17は自動クラッチ用のコントロールユニ
ットを示し、該コントロールユニット17は例えばマイ
クロコンピュータ等により構成され、該コントロールユ
ニット17にはROM、RAM等からなる記憶部17A
が設けられている。
【0039】また、コントロールユニット17にはレリ
ーズシリンダ4のストローク位置を検出するストローク
センサ18が接続されると共に、後述の車両運転状態検
出手段として例えばスロットルセンサ19、車速センサ
20、シフト位置センサ21、エンジン回転数センサ2
2等が接続されている。
【0040】そして、記憶部17Aには図6ないし図1
0に示す自動クラッチの制御処理プログラムが格納され
ており、スロットルセンサ19、車速センサ20、シフ
ト位置センサ21、エンジン回転数センサ22によるそ
れぞれの検出信号を用いて車両の運転状態に応じたクラ
ッチ3の制御モードを判別すると共に、ストロークセン
サ18による検出位置yを用いてレリーズシリンダ4を
駆動制御するために電磁アクチュエータ16にPWM信
号を出力している。
【0041】18はレリーズシリンダ4のストローク位
置を検出するストロークセンサで、該ストロークセンサ
18はレリーズシリンダ4のロッド4Cの近傍に設けら
れ、レリーズシリンダ4のストローク位置となるロッド
4C先端の検出位置yに応じた信号をコントロールユニ
ット17に出力している。そして、検出位置y(図13
参照)は例えばロッド4Cが突出し、従動側ディスク3
Bが駆動側ディスク3Aから離間するほど大きな値とな
る。また、従動側ディスク3Bが駆動側ディスク3Aに
締結したとき、即ちエンジン1から変速機2に全てのト
ルクを伝達するときには検出位置yは零(y=0)とな
るものである。
【0042】19はスロットルの開度を検出するスロッ
トルセンサ、20は車両の速度を検出する車速センサ、
21はシフトレバー2Dのシフト位置を検出するシフト
位置センサ、22はエンジン1の回転数を検出するエン
ジン回転数センサをそれぞれ示している。そして、スロ
ットルセンサ19、車速センサ20、シフト位置センサ
21、エンジン回転数センサ22は車両運転状態検出手
段を構成し、車両の運転状態に応じた検出信号をコント
ロールユニット17に出力するものである。
【0043】次に、コントロールユニット17による自
動クラッチ制御処理を図5に示す制御ブロック図を参照
して説明する。
【0044】23は半クラッチモード判別手段としての
クラッチモード判別部で、該クラッチモード判別部23
はスロットルセンサ19、車速センサ20、シフト位置
センサ21、エンジン回転数センサ22によるそれぞれ
の検出信号を用いてクラッチ3が半クラッチモードであ
るか否かを判別すると共に、クラッチ3が半クラッチモ
ードでないときに開放モード、変速待機モードのいずれ
の制御モードにあるかを判別する。
【0045】ここで、開放モード時には、クラッチ3は
従動側ディスク3Bを駆動側ディスク3Aから離間さ
せ、従動側ディスク3Bを予め決められた開放位置で待
機させる。変速待機モード時には、従動側ディスク3B
を駆動側ディスク3Aから離間させるものの、従動側デ
ィスク3Bを開放位置よりも駆動側ディスク3Aに接近
させた変速待機位置で待機させ、従動側ディスク3Bを
駆動側ディスク3Aに速やかに摺接できる状態とする。
また、半クラッチモード時には、従動側ディスク3Bは
駆動側ディスク3Aに徐々に摺接するように接近し、エ
ンジン1から変速機2にトルクの一部が伝達される。
【0046】24はPWM変換部25と共に制御信号出
力手段を構成する制御電流演算部で、該制御電流演算部
24はクラッチモード判別部23によって判別されたそ
れぞれの状態に応じて制御電流iを演算する。そして、
PWM変換部25は、この制御電流iに対応して制御信
号となるPWM信号を電磁アクチュエータ16に出力し
ている。
【0047】また、制御電流演算部24にはクラッチ3
を締結位置に保持する締結保持時に制御電流iを零(i
=0)に固定し、締結位置から開放位置に切換える開放
切換時に制御電流iを最大の電流値imax (i=imax
)に固定する制御電流固定部26と、開放モード、変
速待機モード、半クラッチモードのいずれかの制御モー
ドでクラッチ3を作動させるときにストロークセンサ1
8による検出位置yを用いてレリーズシリンダ4をフィ
ードバック制御するための制御電流iを可変に設定する
制御電流可変部27とを有している。
【0048】また、制御電流演算部24には制御電流固
定部26による制御電流iと制御電流可変部27による
制御電流iとのうちいずれか一方の制御電流iを選択す
る選択部28が設けられている。そして、選択部28
は、クラッチモード判別部23によって開放モード、変
速待機モード、半クラッチモードと判定されたときには
制御電流可変部27による制御電流iを選択し、それ以
外では制御電流固定部26による制御電流iを選択する
ものである。
【0049】また、制御電流固定部26は、締結保持時
に制御電流iを零(i=0)に設定することによって、
電磁アクチュエータ16の駆動を停止させるようにして
いる。一方、制御電流固定部26は、開放切換時に制御
電流iを最大の電流値imax(i=imax )に設定する
ことによって、スプール弁11を低圧位置(ロ)から高
圧位置(ハ)に高速で切換え、従動側ディスク3Bを駆
動側ディスク3Aから瞬時に離間させるようにする。
【0050】また、制御電流可変部27は後述の目標位
置設定部29、制御変位量設定部30、偏差演算部3
1、比例演算部32、積分演算部33、補償演算部3
4、中立位置設定部35および加算演算部36から大略
構成されている。
【0051】29は後述の制御変位量設定部30と共に
目標位置更新手段を構成する目標位置設定部で、該目標
位置設定部29はクラッチモード判別部23によって開
放モード、変速待機モード、半クラッチモードのいずれ
かの制御モードが判別されたとき、それぞれの制御モー
ドに応じてレリーズシリンダ4の目標位置rを演算によ
って可変に設定するものである。
【0052】即ち、クラッチモード判別部23が開放モ
ードと判定したときには、目標位置設定部29はクラッ
チ3の開放位置に対応して予め決められた第1の目標位
置R1 を算出し、クラッチモード判別部23が変速待機
モードと判定したときには、目標位置設定部29はクラ
ッチ3の変速待機位置に対応して予め決められた第2の
目標位置R2 を算出する。また、クラッチモード判別部
23が半クラッチモードと判定したときには、目標位置
設定部29は例えば5ms程度の制御ステップΔT毎に
更新幅としての制御変位量ΔR0 だけ目標位置rを変化
させ、目標位置rを変速待機位置に対応した第2の目標
位置R2 から締結位置に対応した位置に向けて徐々に近
付ける。
【0053】30は更新幅となる制御変位量ΔR0 を演
算し設定する制御変位量設定部で、該制御変位量設定部
30はスロットルセンサ19からの検出信号を用いて後
述する数7の式より制御変位量ΔR0 を可変に設定して
いる。即ち、スロットル開度θが大きいときには、大き
い値の制御変位量ΔR0 を設定し、スロットル開度θが
小さいときには、小さい値の制御変位量ΔR0 を設定し
ている。
【0054】31は偏差演算手段としての偏差演算部
で、該偏差演算部31は目標位置設定部29による目標
位置rとストロークセンサ18による検出位置yとの偏
差eを下記数1に示すように演算する。
【0055】
【数1】e=r−y
【0056】32は比例演算手段としての比例演算部
で、該比例演算部32は、比例演算用の係数Kp と偏差
演算部31による偏差eとの積から比例演算値u1 を下
記数2に示す如く演算する。
【0057】
【数2】u1 =Kp ×e
【0058】33は積分演算手段としての積分演算部
で、該積分演算部33は、積分演算用の係数Ki を用い
て偏差演算部31による偏差eに対して積分演算を行な
い、この積分値に対応した積分演算値u2 を下記数3に
示す如く演算する。
【0059】
【数3】u2 =u2 +Ki ×e
【0060】34は補償演算手段としての補償演算器
で、該補償演算器34は偏差演算部31による偏差eに
対してスプール弁11の不感帯分の補償演算を行なうた
めの補償演算値u3 を出力する。
【0061】35はスプール13を低圧位置(ロ)と高
圧位置(ハ)との間の中立位置(イ)に設定する中立位
置設定部で、該中立位置設定部35はスプール13を中
立位置(イ)に保持するために、例えば50%のデュー
ティ比に対応した一定の中立位置設定値u4 を常時出力
する。
【0062】36は比例演算値u1 、積分演算値u2 、
補償演算値u3 、中立位置設定値u4 を加算する加算演
算部で、該加算演算部36は加算演算値に対応した制御
電流iを下記数4に示す如く演算し、この制御電流iを
選択部28を介してPWM変換部25に出力している。
【0063】
【数4】i=u1 +u2 +u3 +u4
【0064】次に、図6ないし図10を参照してコント
ロールユニット17による自動クラッチの制御処理につ
いて説明する。
【0065】ここで、自動クラッチの制御処理は図6お
よび図7に示すクラッチモード判別処理と図8ないし図
10に示すPWM信号出力処理とからなり、PWM信号
出力処理はクラッチモード判別処理に対して例えば5m
s程度の制御ステップΔT毎に割込み処理されるもので
ある。
【0066】まず、クラッチモード判別処理について説
明するに、ステップ1では例えばイグニションスイッチ
が「OFF」か否かによって制御終了条件が成立してい
るか否かを判定し、ステップ1で「YES」と判定した
ときには、イグニションスイッチが「OFF」となって
いるからステップ2に移って制御を終了する。一方、ス
テップ1で「NO」と判定したときには、制御終了条件
が成立していないから次なるステップ3に移る。
【0067】ステップ3では、例えば車速センサ20、
シフト位置センサ21による検出信号を用いてクラッチ
3を開放する開放条件が成立しているか否かを判定す
る。即ち、車速センサ20で検出した車両の速度が、例
えば3km/hよりも低い速度のとき、またはシフト位
置センサ21によってシフトレバー2Dがニュートラル
位置にあると検出されたときには、クラッチ3が開放モ
ード時または開放切換時にあり、このときには開放条件
が成立しているものと判定する。
【0068】そして、ステップ3で「YES」と判定し
たときには、開放条件が成立しているから、ステップ4
に移ってクラッチ3が開放モード時と開放切換時とのい
ずれの状態にあるか判別する。一方、ステップ3で「N
O」と判定したときには、開放条件が成立していないか
ら、図7に示すステップ10に移ってクラッチ3が締結
保持状態にあるか否かを判別する。
【0069】次に、ステップ4では、ストロークセンサ
18によるレリーズシリンダ4の検出位置yが第1の目
標位置R1 よりも小さい判定位置(R1 −α)に対し
て、以下の数5に示す関係を満たしているか否かを判定
する。
【0070】
【数5】y≧(R1 −α)
【0071】そして、ステップ4で「NO」と判定した
ときには、レリーズシリンダ4のロッド4Cが判定位置
(R1 −α)までは突出しておらず、従動側ディスク3
Bを開放位置に向けて速く突出させる必要があるから、
クラッチ3を開放切換時としてステップ5に移る。そし
て、ステップ5では、制御電流iを最大値imax (i=
imax )に設定すると共に、ステップ6に移ってクラッ
チ3が開放切換時、締結保持時のいずれかであることを
示す第1の状態フラグF1 を零(F1 =0)に設定し、
再度ステップ1に移行する。
【0072】一方、ステップ4で「YES」と判定した
ときには、レリーズシリンダ4のロッド4Cが判定位置
(R1 −α)を越えて突出し、従動側ディスク3Bが開
放位置付近まで達し、駆動側ディスク3Aから離間して
いるから、クラッチ3は開放モード時にあると判定し、
ステップ7に移行する。
【0073】そして、ステップ7では、レリーズシリン
ダ4の目標位置rを第1の目標位置R1 (r=R1 )に
設定し、ステップ8で、クラッチ3が開放モード時であ
ることを示すために第2の状態フラグF2 を1(F2 =
1)に設定すると共に、ステップ9で第1の状態フラグ
F1 を1(F1 =1)に設定し、再度ステップ1に移行
する。
【0074】また、図7に示すステップ10では、例え
ば従動側ディスク3Bと駆動側ディスク3Aとの回転数
が一致しているか否かによってクラッチ3が締結モード
か否かを判別し、ステップ10で「YES」と判定した
ときには、クラッチ3が締結保持状態にあるから、ステ
ップ11で制御電流iを零(i=0)に設定すると共
に、ステップ12でクラッチ3が締結保持状態にあるこ
とを示すために第1の状態フラグF1 を零(F1 =0)
に設定し、再度ステップ1に移行する。
【0075】一方、ステップ10で「NO」と判定した
ときには、ステップ13に移ってクラッチ3が半クラッ
チモード時にあるか否かを判定する。そして、ステップ
13では、例えばシフト位置センサ21によってシフト
レバー2Dが1速、2速、3速、4速、リバースの位置
にあると検出されたとき、運転者による変速ギヤ2Cの
切換が終了したものと判断し、クラッチ3が半クラッチ
モード時にあると判定する。
【0076】また、エンジン回転数センサ22による検
出信号を用いてエンジン回転数が予め決められた所定の
値よりも高回転となったときには、運転者は車両を発進
させる意志があるものと判断できるから、クラッチ3が
半クラッチモード時にあると判定する。
【0077】このため、ステップ13で「YES」と判
定したときには、クラッチ3が半クラッチモード時にあ
るから、ステップ14に移ってクラッチ3が前回の半ク
ラッチモード時から一定の時間T0 が経過したか否か、
即ち経過時間を計時するタイマTが、例えば200ms
程度の時間T0 を越えた(T>T0 )か否かを判別す
る。
【0078】そして、ステップ14で「YES」と判定
したときには、前回の半クラッチモード時から時間T0
が経過しているから、ステップ15に移ってタイマTを
リセット(T=0)にすると共に、ステップ16に移っ
て制御変位量演算処理を行なう。
【0079】ここで、制御変位量演算処理は、例えばス
ロットルセンサ19によって検出されるスロットル開度
θに応じて図11の特性線37に示す特性マップから従
動側ディスク3Bの変位速度となるクラッチ締結速度V
0 を読出す。即ち、スロットル開度θが開度θ1 より大
きくなるときには、クラッチ締結速度V0 が速度V01よ
りも速くなり、クラッチ3は速やかに締結位置となる。
【0080】一方、スロットル開度θが開度θ1 よりも
小さくなるときには、クラッチ締結速度V0 が速度V01
よりも遅くなり、クラッチ3は徐々に締結位置に近づ
く。そして、このクラッチ締結速度V0 と制御ステップ
ΔTとから図12の特性線38に示すように数6の関係
を満たす制御変位量ΔR0 を算出するものである。
【0081】
【数6】ΔR0 =V0 ×ΔT
【0082】そして、制御変位量ΔR0 が算出され、制
御変位量演算処理が終了すると、ステップ17に移って
クラッチ3が半クラッチモードであることを示すために
第2の状態フラグF2 を3(F2 =3)に設定すると共
に、再度ステップ1に移行する。
【0083】一方、ステップ14で「NO」と判定した
ときには、前回の半クラッチモード時から時間T0 が経
過していないから、制御変位量ΔR0 を変化させること
なく、ステップ17に移ってクラッチ3が半クラッチモ
ード時であることを示すために第2の状態フラグF2 を
3(F2 =3)に設定すると共に、再度ステップ1に移
行する。
【0084】また、ステップ13で前回の半クラッチモ
ード時から200ms程度の時間T0 が経過したか否か
を確認するのは、コントロールユニット17から電磁ア
クチュエータ16にPWM信号が出力されてから、実際
に従動側ディスク3Bが作動するまでにほぼ200ms
程度の時間が必要となるからである。
【0085】即ち、従動側ディスク3Bを駆動側ディス
ク3Aに高速のクラッチ締結速度V0 で接近させるため
にコントロールユニット17から電磁アクチュエータ1
6にPWM信号を出力した後、時間T0 が経過する前に
従動側ディスク3Bを低速のクラッチ締結速度V0 で接
近させるためのPWM信号を出力したときには、従動側
ディスク3Bの駆動がPWM信号に追従することができ
ず、従動側ディスク3Bは目標位置rを越えて過大に駆
動側ディスク3Aに接近するオーバーシュートが発生し
てしまうことがある。
【0086】このとき、コントロールユニット17は従
動側ディスク3Bを目標位置rに復帰させるために従動
側ディスク3Bを駆動側ディスク3Aから離間する方向
に変位するから、クラッチ3の断続が頻繁に生じ、運転
者にとってガクガク感となるトルクショックが発生す
る。
【0087】このため、従動側ディスク3Bを駆動側デ
ィスク3Aに均一なクラッチ締結速度V0 で接近させる
ために電磁アクチュエータ16にPWM信号を出力した
ときには、時間T0 の間はこのクラッチ締結速度V0 を
一定に保持し、従動側ディスク3Bを駆動側ディスク3
Aに向けてほぼ同一速度で移動させることによって、オ
ーバーシュートの発生を防ぎ、トルクショックが発生す
るのを防止している。
【0088】また、ステップ13で「NO」と判定した
ときには、クラッチ3は変速待機モード時であるから、
ステップ18に移って目標位置rを第2の目標位置R2
(r=R2 )に設定し、ステップ19でクラッチ3が変
速待機モード時であることを示すために第2の状態フラ
グF2 を2(F2 =2)に設定すると共に、再度ステッ
プ1に移行する。
【0089】次に、図8ないし図10に示すPWM信号
出力処理について説明するに、ステップ20では、タイ
マTの経過時間を計測する。
【0090】次に、ステップ21では、第2の状態フラ
グF2 が3(F2 =3)であるか否かを判別し、ステッ
プ21で「YES」と判定したときには、クラッチ3が
半クラッチモード時であるから、ステップ22に移って
目標位置rを下記数7に示すように制御変位量ΔR0 だ
け減少させ、従動側ディスク3Bが駆動側ディスク3A
に対してより接近する位置に目標位置rに更新すると共
に、ステップ23に移行する。
【0091】
【数7】r=r−ΔR0
【0092】また、ステップ21で「NO」と判定した
ときには、クラッチ3が半クラッチモード時ではないか
ら、ステップ23に移行する。
【0093】次に、ステップ23では、第1の状態フラ
グF1 が零(F1 =0)か否かを判別し、ステップ23
で「YES」と判定したときにはクラッチ3が締結保持
時、開放切換時のうちいずれか一方の状態であるから、
図9に示すステップ37に移って設定されている制御電
流iに対応したPWM信号のデューティ比に変換する。
そして、ステップ38に移ってデューティ比に応じたP
WM信号を電磁アクチュエータ16に出力し、ステップ
39に移ってリターンする。
【0094】一方、ステップ23で「NO」と判定した
ときには、クラッチ3を開放モード、変速待機モード、
半クラッチモードのいずれかの制御モードで作動させる
から、図9に示すステップ24に移って第2の状態フラ
グF2 が1(F2 =1)であるか否かを判別する。そし
て、ステップ24で「YES」と判定したときには、ク
ラッチ3が開放モード時であるから、ステップ25に移
って比例演算用の係数Kp を予め決められた定数Kp1
(Kp =Kp1)に設定すると共に、ステップ26に移っ
て積分演算用の係数Ki を予め決められた定数Ki1(K
i =Ki1)に設定する。
【0095】一方、ステップ24で「NO」と判定した
ときには、ステップ27に移って第2の状態フラグF2
が2(F2 =2)であるか否かを判別する。そして、ス
テップ27で「YES」と判定したときには、クラッチ
3が変速待機モード時であるから、ステップ28に移っ
て比例演算用の係数Kp を予め決められた定数Kp2(K
p =Kp2)に設定すると共に、ステップ29に移って積
分演算用の係数Ki を零(Ki =0)に設定する。
【0096】また、ステップ27で「NO」と判定した
ときには、クラッチ3が半クラッチモード時であるか
ら、ステップ30に移って比例演算用の係数Kp を予め
決められた定数Kp3(Kp =Kp3)に設定すると共に、
ステップ31に移って積分演算用の係数Ki を零(Ki
=0)に設定する。
【0097】ここで、比例演算用の定数Kp1は定数Kp2
よりも小さい値(Kp1<Kp2)であり、定数Kp2は定数
Kp3よりも小さい値(Kp2<Kp3)となっている。この
ような関係があるのは、クラッチ3が開放モード時にあ
るときには、従動側ディスク3Bを開放位置でより確実
に停止させる必要があるため、定数Kp1はより小さい値
となっているものである。一方、クラッチ3が半クラッ
チモード時にあるときには、目標位置rも変化するか
ら、この目標位置rの変化に速やかに追従させるため
に、定数Kp3はより大きな値となっている。
【0098】次に、ステップ32では、目標位置rと検
出位置yとの偏差eを数1の式により演算する。そし
て、ステップ33では、係数Kp と偏差eとの積を数2
の式により演算することによって、偏差eに比例する比
例演算値u1 を演算する。また、ステップ34では係数
Ki と偏差eとの積を前回の積分演算値u2 に加算する
ことによって、数3の式に示すように偏差eに対する新
たな積分演算値u2 を演算する。さらに、ステップ35
では、偏差eに対して不感帯を補償する補償演算値u3
を演算する。
【0099】次に、ステップ36では、比例演算値u1
、積分演算値u2 、補償演算値u3、中立位置設定値u
4 との加算演算を行うことによって、制御電流iを数4
の式によって演算し、ステップ37に移行する。
【0100】そして、ステップ37では制御電流iに対
応したPWM信号のデューティ比に変換する。そして、
ステップ38に移ってデューティ比に応じたPWM信号
を電磁アクチュエータ16に出力し、ステップ39に移
ってリターンする。
【0101】次に、不感帯を補償するための不感帯補償
の演算処理について図10を参照しつつ説明する。ここ
で、不感帯の補償演算に用いる定数Kb はスプール弁1
1の不感帯の一定寸法δに対応した数値であり、コント
ロールユニット17の記憶部17Aに予め格納されてい
る。
【0102】まず、ステップ40では偏差eが零(e=
0)であるか否かを判定し、「YES」と判定したとき
には、レリーズシリンダ4のロッド4Cは目標位置rに
達しているから、ステップ41に移って不感帯を補償す
る補償演算値u3 を零(u3=0)に設定する。そし
て、ステップ45に移ってリターンする。
【0103】また、ステップ40で「NO」と判定した
ときには、ステップ42に移って偏差eが正の値(e>
0)であるか否かを判定し、「YES」と判定したとき
にはレリーズシリンダ4のロッド4Cが目標位置rに達
していないから、ステップ43に移って補償演算値u3
をKb (u3 =Kb )を設定する。そして、ステップ4
5に移ってリターンする。
【0104】一方、ステップ42で「NO」と判定した
ときには、偏差eは負の値(e<0)となってレリーズ
シリンダ4のロッド4Cは目標位置rを越えて過大に突
出しているから、ステップ44に移って不感帯を補償す
る補償演算値u3 を−Kb (u3 =−Kb )を設定す
る。そして、ステップ45に移ってリターンする。
【0105】次に、本発明の実施の形態による自動クラ
ッチ制御装置によるクラッチ3の作動について図13を
参照しつつ詳述する。ここで、図13中に実線で示す特
性線39は実際のレリーズシリンダ4のストローク位置
となる検出位置yと時間との関係を示している。一方、
図13中に点線で示す特性線40は目標位置設定部29
によって設定される目標位置rと時間との関係を示して
いる。また、検出位置yが零(y=0)となるときには
クラッチ3は締結保持の状態にあり、従動側ディスク3
Bと駆動側ディスク3Aとの離間距離が大きいほど検出
位置yは大きいものとする。
【0106】まず、クラッチ3が締結保持の状態にある
ときには検出位置yは図13中に実線で示す特性線39
のように検出位置yは零(y=0)で一定となる。
【0107】次に、運転者が例えば1速から2速にギヤ
変速するためにシフトレバー2Dを1速の位置からニュ
ートラルの位置に操作したときには、クラッチ3は開放
切換時となって、コントロールユニット17は制御電流
iを最大の電流値imax (i=imax )に設定すると共
に、このときの制御電流iに対応したPWM信号を電磁
アクチュエータ16に出力する。これにより、制御弁装
置10は低圧位置(ロ)から高圧位置(ハ)に瞬時に切
換わり、特性線39に示すように検出位置yは短時間で
増大すると共に、従動側ディスク3Bは駆動側ディスク
3Aから急速に離間する。
【0108】そして、検出位置yが判定位置(R1 −
α)以上となったときには、クラッチ3は開放モード時
となるから、目標位置設定部29は図13中の特性線4
0のように目標位置rを第1の目標位置R1 (r=R1
)に設定すると共に、コントロールユニット17は、
このときの偏差eを数1の式によって演算すると共に、
定数Kp1に設定された係数Kp (Kp =Kp1)を用いて
比例演算値u1 を数2の式により演算し、定数Ki1に設
定された係数Ki (Ki =Ki1)を用いて積分演算値u
2 を数3の式により演算し、補償演算値u3 を算出す
る。
【0109】そして、比例演算、積分演算、補償演算に
よる比例演算値u1 、積分演算値u2 、補償演算値u3
を用いて検出位置yが第1の目標位置R1 に一致するよ
うにフィードバック制御を行う。このため、特性線39
に示すように検出位置yは徐々に第1の目標位置R1 に
近づくと共に、第1の目標位置R1 付近で微小振動を繰
り返す。このとき、従動側ディスク3Bも駆動側ディス
ク3Aから大きく離間した開放位置で微小振動してい
る。
【0110】このように、検出位置yが第1の目標位置
R1 付近でほぼ一定となったときには、クラッチ3は変
速待機モード時に切換り、目標位置設定部29は特性線
40に示すように目標位置rを第2の目標位置R2 (r
=R2 )に設定すると共に、コントロールユニット17
は、このときの偏差eを数1の式によって演算すると共
に、定数Kp2に設定された係数Kp (Kp =Kp2)を用
いて比例演算値u1 を数2の式により演算する。このと
き、積分演算の係数Ki は零(Ki =0)に設定されて
いるから、偏差eに対する積分演算は行われず、積分演
算値u2 は前回までの積分演算値u2 で一定の値に保持
される。
【0111】ここで、積分演算を行わない理由は、積分
演算値u2 が変化することによってレリーズシリンダ4
のロッド4Cが微小に伸縮し、従動側ディスク3Bが微
小振動するのを防止するためである。即ち、従動側ディ
スク3Bが微小振動した状態で従動側ディスク3Bを駆
動側ディスク3Aに徐々に摺接させたときには、クラッ
チ3の断続が頻繁に生じ、運転者にとってガクガク感と
なるトルクショックが発生する。そこで、積分演算値u
2 を一定の値に保持することによって従動側ディスク3
Bの微小振動を防止し、トルクショックが発生するのを
防止することができる。
【0112】そして、コントロールユニット17は比例
演算による比例演算値u1 、一定の値となった前回まで
の積分演算値u2 、補償演算値u3 を用いて検出位置y
が第1の目標位置R2 に一致するようにフィードバック
制御を行う。このため、特性線39に示すように検出位
置yは徐々に第2の目標位置R2 に近づくと共に、第2
の目標位置R2 付近でほぼ停止する。このとき、従動側
ディスク3Bは開放位置よりも駆動側ディスク3Aに接
近した変速待機位置で停止している。
【0113】次に、運転者がシフトレバー2Dを2速の
位置に操作し、スロットルが徐々に開き始めると、クラ
ッチ3は半クラッチモード時に切換り、目標位置設定部
29は特性線40に示すように目標位置rを数7の式に
示す如く制御ステップΔT毎に徐々に減少させると共
に、このときの偏差eを数1の式によって演算する。そ
して、定数Kp3に設定された係数Kp (Kp =Kp3)を
用いて比例演算値u1 を数2の式により演算する。この
とき、積分演算の係数Ki は零(Ki =0)に設定され
ているから、偏差eに対する積分演算は行われず、積分
演算値u2 は一定の値に保持されると共に、偏差eに対
する補償演算値u3 が算出される。また、図13中に特
性線40で示す目標位置rは制御ステップΔT毎に制御
変位量ΔR0 だけ減少し、目標位置rは徐々に締結位置
(r=0)に近づく。
【0114】これにより、レリーズシリンダ4は目標位
置rに向かって縮小し、検出位置yは200ms程度の
時間T0 だけ遅延して目標位置rの減少に追従すると共
に、特性線39に示すように検出位置yは制御ステップ
ΔT毎に制御変位量ΔR0 だけ減少する目標位置rに伴
って図8に示すクラッチ締結速度V0 とほぼ等しい一定
の速度で徐々に減少する。このとき、従動側ディスク3
Bは変速待機位置からクラッチ締結速度V0 とほぼ等し
い一定の速度で駆動側ディスク3Aに向かって変位し、
クラッチ3は徐々に締結される。
【0115】そして、特性線39に示すように検出位置
yが零(y=0)に達したときには、クラッチ3は締結
保持時に切換り、コントロールユニット17は電磁アク
チュエータ16へのPWM信号の供給を停止し、従動側
ディスク3Bは締結位置に保持される。
【0116】次に、補償演算部34による補償演算の作
用について図14および図15を参照しつつ詳述する。
【0117】図14中に実線で示す特性線41は、PW
M信号のデューティ比とタンクポート12B、ポンプポ
ート12Cの開度との関係を示している。なお、図14
の特性線図では、スプール13が中立位置(イ)から矢
示F方向に移動してタンクポート12B、ポンプポート
12Cを開口させたときに、タンクポート12B、ポン
プポート12Cの開度を正の値で表し、スプール13が
中立位置(イ)から矢示E方向に移動したときのタンク
ポート12B、ポンプポート12Cの開度を負の値とし
て表している。
【0118】そして、PWM信号のデューティ比が10
0%程度のときには、タンクポート12B、ポンプポー
ト12Cの開度は百分率として100%となり、スプー
ル13が矢示F方向に最大移動することにより、タンク
ポート12B、ポンプポート12Cはレリーズシリンダ
4を最大伸長させるように最大開度となる。一方、PW
M信号のデューティ比が0%程度のときには、タンクポ
ート12B、ポンプポート12Cの開度は−100%と
なり、スプール13は矢示E方向に最大移動することに
より、タンクポート12B、ポンプポート12Cはレリ
ーズシリンダ4を最縮小させるように最大開度となる。
【0119】また、PWM信号のデューティ比が50%
のときには、スプール13はタンクポート12B、ポン
プポート12Cを完全に閉塞する中立位置(イ)にあ
り、タンクポート12B、ポンプポート12Cの開度は
0%となる。そして、PWM信号のデューティ比が50
%から(50+Δ1 )%の間は、スプール13は中立位
置(イ)から矢示F方向に一定寸法δ内で移動するた
め、タンクポート12B、ポンプポート12Cの開度は
0%に保持される。さらに、PWM信号のデューティ比
が50%から(50−Δ1 )%の間は、スプール13は
中立位置(イ)から矢示E方向に一定寸法δ内で移動す
るため、タンクポート12B、ポンプポート12Cの開
度は0%に保持される。
【0120】このように、PWM信号のデューティ比が
(50±Δ1 )%の間のときには、スプール13がPW
M信号に対応して微小距離だけ移動したにも拘らず、タ
ンクポート12B、ポンプポート12Cが開口しない領
域、いわゆる「不感帯」が形成されている。
【0121】ここで、例えばクラッチ3を変速待機モー
ドから半クラッチモードに切換え、変速待機位置で停止
しているクラッチ3を締結位置に向けて移動させるとき
には、コントロールユニット17は電磁アクチュエータ
16にPWM信号を出力し、スプール13を中立位置
(イ)から矢示E方向に摺動変位させる。これにより、
レリーズシリンダ4の油室4Dからタンク14に向けて
油液が排出され、ロッド4Cは矢示C方向に移動すると
共に、従動側ディスク3Bは駆動側ディスク3Aに向け
て矢示A方向に作動している。
【0122】そして、補償演算部34による補償演算を
行なわない場合の検出位置yの時間変化を比較例として
図15中に仮想線で示す特性線43に示す。ここで、図
15はクラッチ3を変速待機モードから半クラッチモー
ドに切換えたときの検出位置y、目標位置rの時間変化
を示している。
【0123】また、変速待機モードから半クラッチモー
ドに切換わったときに偏差eは正の値(e>0)から負
の値(e<0)に切換わるものとする。このとき、PW
M信号のデューティ比が(50−Δ1 )%から(50+
Δ1 )%までの範囲では、スプール13はタンクポート
12B、ポンプポート12Cを閉塞しているため、油室
4Dから油液を排出することができない。
【0124】このため、図15中に点線で示す特性線4
2のように目標位置rが変速待機位置に対応した第2の
目標位置R2 から徐々に減少したときに、レリーズシリ
ンダ4の検出位置yは図15中の特性線43に示すよう
に目標位置rの時間変化に対して時間T0 よりも長い時
間T1 の遅れをもって作動することになる。このように
レリーズシリンダ4の作動を遅延させることによって、
クラッチ3を締結するまでに、より長い時間が必要とな
る傾向にある。
【0125】そこで、本発明による自動クラッチ制御装
置では不感帯の補償演算を行なう補償演算部34を設け
ており、補償演算部34による補償演算を行なう場合の
検出位置yの時間変化を図15中の実線で示す特性線4
5に示す。
【0126】この場合、変速待機モードから半クラッチ
モードに切換わり、偏差eが正の値(e>0)から負の
値(e<0)に切換わるときに、補償演算値u3 は、図
15中の特性線44に示すようにKb (u3 =Kb )か
ら−Kb (u3 =−Kb )に変更される。
【0127】これにより、電磁アクチュエータ16に
(50−Δ1 )%以下のデューティ比のPWM信号を出
力している状態から、(50+Δ1 )%以上のデューテ
ィ比のPWM信号を出力する状態に即座に切換え、スプ
ール13を予め中立位置(イ)から一定寸法δだけ矢示
E方向に摺動変位させている。
【0128】このため、レリーズシリンダ4の検出位置
yは、図15中の特性線45に示すように目標位置rの
時間変化に対して最低限の時間T0 の遅れをもって作動
させることができ、クラッチ3を速やかに締結させるこ
とができる。
【0129】かくして、本発明の実施の形態によれば、
車両の運転状態に応じてクラッチ3の制御モードが半ク
ラッチモードであるか否かを判別し、半クラッチモード
時には、レリーズシリンダ4の目標位置rを制御ステッ
プΔT毎に制御変位量ΔR0だけ減少させる構成として
いる。このため、従動側ディスク3Bを一定のクラッチ
締結速度V0 で駆動側ディスク3Aに徐々に締結するこ
とができる。また、エンジン1から変速機2にトルクの
一部が伝達されるときに従動側ディスク3Bが駆動側デ
ィスク3Aに接近、離間を繰返すことがなく一定のクラ
ッチ締結速度V0 で従動側ディスク3Bを移動させるこ
とができるから、クラッチ3が締結、開放を繰返すトル
クショックの発生を防止することができる。
【0130】また、制御変位量ΔR0 はスロットルセン
サ19からの検出信号に対応して変化させるから、スロ
ットル開度θに応じてクラッチ締結速度V0 を変化させ
ることができる。このため、車両の走行中に変速ギヤ2
Cを切換える時等のようにスロットル開度θが大きいと
きには制御変位量ΔR0 をより大きくし、クラッチ3を
速やかに締結することができる。一方、スロットル開度
θが小さい車両の発進時等のようにスロットル開度θが
小さいときには制御変位量ΔR0 をより小さくし、クラ
ッチ3を徐々に締結することができる。
【0131】また、制御弁装置10をスプール弁11、
ばね15、電磁アクチュエータ16によって構成し、レ
リーズシリンダ4を停止させるときに、スプール13を
一定寸法δの不感帯をもってスプール弁11の中立位置
(イ)に保持し、レリーズシリンダ4を作動させるとき
にスプール13を中立位置(イ)から摺動変位させるか
ら、スプール13を摺動変位させることによって、レリ
ーズシリンダ4に圧油を給排することができ、クラッチ
3を締結、開放させることができる。
【0132】また、コントロールユニット17は、開放
モード、変速待機モード、半クラッチモードでは偏差e
の比例演算、補償演算を行ない、少なくとも比例演算値
u1、補償演算値u3 を用いてフィードバック制御を行
なうから、クラッチ3が変速待機モードから半クラッチ
モードに切換わる時等にスプール13がスプール弁11
の不感帯を通過することによってレリーズシリンダ4の
作動が遅延するのを確実に防止することができ、レリー
ズシリンダ4を速やかに作動させてクラッチ3を締結す
ることができる。
【0133】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、クラッチが半クラッチモードのときには、レリー
ズシリンダの目標位置を締結位置に向けて制御ステップ
毎に減少させるから、クラッチを変速待機位置から締結
位置に向けてほぼ均一な速度で締結させることができ、
エンジンから変速機にトルクの一部が伝達される半クラ
ッチ位置でクラッチが締結、開放を繰返すトルクショッ
クの発生を防止することができる。
【0134】また、請求項2の発明によれば、更新幅を
スロットルセンサからの検出信号に対応して変化させる
から、スロットル開度に応じてクラッチを締結する速度
を変化させることができる。このため、車両の加速時等
のようにスロットル開度が大きいときには更新幅をより
大きくし、クラッチを速やかに締結することができる。
一方、車両の微速発進時等のようにスロットル開度が小
さいときには更新幅をより小さくし、クラッチを徐々に
締結することができる。
【0135】また、請求項3の発明によれば、制御弁装
置の弁体を常時は一定幅の不感帯をもって中立位置に保
持し、油圧ポンプからレリーズシリンダに圧油を給排す
るときに弁体を中立位置から摺動変位させるから、弁体
を中立位置から摺動変位させることによって、レリーズ
シリンダに圧油を給排することができ、クラッチを締
結、開放させることができる。
【0136】また、請求項4の発明によれば、偏差の比
例演算、補償演算を行ない、少なくとも比例演算による
演算値と補償演算による演算値とを用いてフィードバッ
ク制御を行なうから、クラッチを半クラッチモードに切
換える時等に弁体が制御弁装置の不感帯を通過すること
によってレリーズシリンダの作動が遅延するのを確実に
防止することができ、レリーズシリンダを速やかに作動
させてクラッチを締結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による自動クラッチ制御装
置を示す全体構成図である。
【図2】図1中の油圧ユニット等を示す油圧回路図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態によるレリーズシリンダお
よび制御弁装置等を示す断面図である。
【図4】弁ケーシングのポートとランドとの関係を示す
図3中の矢示IV−IV方向からみた拡大断面図である。
【図5】本発明の実施の形態による自動クラッチ制御装
置の制御ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態によるクラッチモード判別
処理を示す流れ図である。
【図7】図4に続く流れ図である。
【図8】本発明の実施の形態によるPWM信号出力処理
を示す流れ図である。
【図9】図8に続く流れ図である。
【図10】本発明の実施の形態による不感帯補償値の演
算処理を示す流れ図である。
【図11】アクセル開度からクラッチ締結速度を求める
特性マップの特性線図である。
【図12】制御ステップ、クラッチ締結速度および制御
変位量等との関係を示す特性線図である。
【図13】本発明の実施の形態による自動クラッチ制御
装置によってクラッチを締結、開放させたときの検出位
置、目標位置の変化特性を示す特性線図である。
【図14】コントロールユニットから出力されるPWM
信号のデューティ比とタンクポート、ポンプポートの開
度との関係を示す特性線図である。
【図15】本発明の実施の形態によるクラッチを半クラ
ッチモードで作動させたときの検出位置、目標位置の変
化特性を示す特性線図である。
【図16】クラッチを締結、開放させるときのクラッチ
の位置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 変速機 3 クラッチ 4 レリーズシリンダ 10 制御弁装置 11 スプール弁 13 スプール(弁体) 15 ばね 16 電磁アクチュエータ 17 コントロールユニット 18 ストロークセンサ 19 スロットルセンサ 20 車速センサ 21 シフト位置センサ 22 エンジン回転数センサ 23 クラッチモード判別部(クラッチモード判別手
段) 24 制御電流演算部(制御信号出力手段) 25 PWM変換部 29 目標位置設定部 30 制御変位量設定部 31 偏差演算部(偏差演算器) 32 比例演算部(比例演算器) 33 積分演算部(積分演算器) 34 補償演算部(補償演算器)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと変速機との間に設けられ、該
    エンジンと変速機との間を断続するクラッチと、 前記エンジンから変速機にトルクを伝達する締結位置と
    前記エンジンから変速機にトルクを伝達しない開放位置
    との間でクラッチを切換えるレリーズシリンダと、 該レリーズシリンダのストローク位置を検出するストロ
    ークセンサと、 制御信号に応じて前記レリーズシリンダに圧油を給排す
    る制御弁装置と、 車両の運転状態を検出する車両運転状態検出手段と、 該車両運転状態検出手段からの検出信号により前記クラ
    ッチがエンジンから変速機にトルクの一部を伝達する半
    クラッチモードにあるか否かを判別する半クラッチモー
    ド判別手段と、 前記クラッチの半クラッチモード時には前記クラッチを
    締結位置に向けて移動させる速度を制御するために、前
    記レリーズシリンダの目標位置を予め決められた制御ス
    テップ毎に更新させる目標位置更新手段と、 該目標位置更新手段による目標位置と前記ストロークセ
    ンサによる検出位置との偏差を求め、前記クラッチモー
    ド判別手段による半クラッチモードの判定時に前記制御
    ステップ毎の目標位置に追従して前記偏差を減少させる
    制御信号を出力する制御信号出力手段とから構成として
    なる自動クラッチ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記車両運転状態検出手段はスロットル
    開度を検出するスロットルセンサを備え、前記目標位置
    更新手段は該スロットルセンサによるスロットル開度に
    対応させて前記目標位置の更新幅を変化させる構成とし
    てなる請求項1に記載の自動クラッチ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御弁装置は、油圧源と前記レリー
    ズシリンダとの間に配設されたスプール弁と、該スプー
    ル弁を切換制御する電磁アクチュエータとから構成し、
    該電磁アクチュエータは、前記レリーズシリンダの作動
    を停止させるときに前記スプール弁の弁体を一定幅の不
    感帯をもって中立位置に保持し、前記レリーズシリンダ
    を作動させるときに前記油圧源からの圧油をレリーズシ
    リンダに給排するため前記弁体を中立位置から摺動変位
    させてなる請求項1または2に記載の自動クラッチ制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記制御信号出力手段は、前記目標位置
    設定手段による目標位置と前記ストロークセンサによる
    検出位置との偏差を演算する偏差演算器と、該偏差演算
    器による偏差の比例演算を行なう比例演算器と、制御弁
    装置の不感帯補償を行なうため前記偏差演算器による偏
    差に対して前記不感帯分を補償演算する補償演算器とを
    備え、少なくとも前記比例演算器による演算値と補償演
    算器による演算値とを用いて前記制御信号を演算し出力
    してなる請求項3に記載の自動クラッチ制御装置。
JP9289195A 1997-10-06 1997-10-06 自動クラッチ制御装置 Withdrawn JPH11108081A (ja)

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