JP3574284B2 - 床板支持具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,建築物の床面を施工する際に、コンクリートスラブなどの地盤と床面との間に組み込む床板支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、床組みは床づか、大引、根太などにより構成される従来工法により施工されている。この方法では各部分に使用する材料の選定や加工には熟練度を要するだけでなく工期も相当かかっていた。また、コンクリートスラブ上に直接床材を施工する従来の直張り工法では、遮音が不十分なために階下や隣室への騒音漏れが問題となっており、更に直張りでは床面が固く弾力性に欠けるために身体への疲労等の問題が生じていた。一方、従来工法による施行では、地盤の沈下等によりコンクリートスラブが傾斜したり土台が下がると、それに伴って床面も下がるため建築物に歪が生じる結果、床面の一部が下がったり傾斜が生じていた。これを解決するために二重床による施工方法があるが、従来の施工方法より複雑な工程を必要とし、工期や費用負担の増大を余儀なくされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、出願人は既に特願平7−58189に示す、床板支持具を発明し既に出願済である。これは、中心に円形の導入口を設けた円板状の頂板の下面に、内周部に螺子を螺設した円筒胴を垂設したコマの螺子部に、上部を開口した円筒の外周に螺子を螺設し、底面には複数の穴を貫設したジョイントを螺合したものを、円板状の底板の上面に上部を開口した円筒胴を垂設し、円筒胴の内面に位置する底板上に複数の回り止めピンを垂設したものである。しかしながら、前記発明による床板支持具は、組立時にジョイント内部及びコマの内円筒胴外部と台の外円筒胴内部の間に寒水石或は乾燥砂を充填する必要があり、施工に手間が掛かっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明による床板支持具は、寒水石或は乾燥砂を用いなくても同様の効果を有する構造としている。即ち、円板状の頂板の下面に、内周部に雌螺子を螺設した内円筒胴を垂設したコマの螺子部に、上部を開口した円筒の外周に雄螺子を螺設し、底面を円弧状に形成すると共に複数の穴を貫設したジョイントを螺合したものを、円板状の底板上面に上部を開口した外円筒胴を垂設し、外円筒胴の内面に位置する底板上に回り止めピンを垂設した台に挿入している。
【0005】
また、台にジョイントを挿入後、容易に外れないようにするため、回り止めピンの先端部を鉤形としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明による床板支持具は、コマとジョイントと台より構成されている。
【0007】
コマの形状は、円板状の頂板の下面に、内周部に雌螺子を螺設した内円筒胴を垂設したもので、頂板の外周部には、中心に対してそれぞれ対称の位置に、レベル調整の際にコマを手で回転させる時の把手となる複数個の切欠を設けている。
【0008】
ジョイントの形状は、上部を開口した円筒の外周に雄螺子を螺設し、底面を円弧状に形成すると共に複数のガイド穴を貫設している。
【0009】
台の形状は、円板状の底板上面に上部を開口した外円筒胴を垂設し、該外円筒胴の内面に位置する底板上に2本の回り止めピンを垂設している。
【0010】
他の実施例においては、2本の回り止めピンの先端部を鉤形としているた。
【0011】
【実施例】
以下、この発明をその実施例を示す図に基づいて説明する。図1は本発明の床板支持具1の正面組立断面図、図2は台2の平面図である。床板支持具1の各部品はプラスチックで一体成型する。図において円板状の底板5の上面に外円筒胴6を垂設し、外円筒胴6の外周面には、床面からの加重に耐える強度を持たせるために4本のリブ7を等間隔に突設する。外円筒胴6の内面に囲まれた底板5の上面には、回り止めピン8を台2の中心に対して対称位置に2本垂設する。外円筒胴6の外周より外の底板5の上面には、円周上に接着穴9を各リブ7間に各3個貫設する。
【0012】
図3は、他の実施例を示す台30の側面断面図である。図において円板状の底板5の上面に外円筒胴6を垂設し、外円筒胴6の外周面には、床面からの加重に耐える強度を持たせるために4本のリブ7を等間隔に突設する。外円筒胴6の内面に囲まれた底板5の上面には、先端部を鉤形とした回り止めピン31を台30の中心に対して対称位置に2本垂設する。外円筒胴6の外周より外の底板5の上面には、円周上に接着穴9を各リブ7間に各3個貫設する。
【0013】
図4はコマ3の底面図である。図において円板状の頂板11の下面に内周面に雌螺子12を螺設した内円筒胴13を垂設する。頂板11の外周部にはコマ3の中心に対してそれぞれ対称の位置に、レベル調整の際にコマ3を手で回転させる時の把手となる4個の切欠14を設ける。また、内円筒胴13の外周面には、床面からの加重に耐える強度を持たせるため8本のリブ10を等間隔に突設する。頂板11の外周部には等間隔に4個の床板取付穴17を貫設する。
【0014】
図5はジョイント4の平面図であり、図6はその正面断面図である。図においてジョイント4は上部を開放した円筒状に形成し、円筒部の外周は雄螺子18を螺設する。円筒部の内側には十字形にステー22を設ける。底面19は円弧状に形成すると共に、中心位置に対して対象位置にガイド穴21を4個貫設する。
【0015】
図7は、本実施例による床板支持具1の施工状態を示す正面断面図であり、施工手順は次のとおりである。コンクリートスラブ23上に墨入れをして床板支持具1の設置位置を定める。台2の底面に接着剤24を塗布して、床板支持具1をコンクリートスラブ23上の所定位置に圧着する。すると接着剤24は上方からの圧力により接着穴9内にも入り込んで固化するため、より一層強い接着力が得られる。
【0016】
他の実施例による床板支持具を用いる場合には、予め台30の回り止めピン31にジョイント4のガイド穴21を挿入して連結し、該ジョイント4の外周に設けられた雄螺子18に、コマ3の雌螺子12を螺合して一体化しておく。
【0017】
台2を接着して適宜時間養生した後に、ジョイント4を螺合したコマ3を手で回転させてレベルを調整する。帯板25を部屋の全周に張設した後、所定の縦横間隔に帯板25を張設する。帯板25の上面からビスを用いて全てのコマ3を固定する。帯板25の上面に接着剤24を塗布して、床パネル26を帯板25の上面に接着後に釘止めする。床パネル26の上に仕上げ材27を貼って施工が終了する。なお、本発明の床板支持具1を用いれば、施工時に於てコンクリートスラブ23が傾斜していても、コマ3に螺合したジョイント4の底面が円弧状に形成されているため、台2の底板上部とは常に広い面積で接触するので、床板を確実に支持することができるから、床面からの加重を常に均一に保持できる。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明による床板支持具1を用いれば、前記に示した作用のとおり、コンクリートスラグ23に対して床板が多少傾斜していても、ジョイント4の底面19が円弧状となっているため、常に台2の底板上面部と広い面積で接触し、床板を確実に支持する。
【0019】
また、施工後にコンクリートスラブ23或は床板に傾斜が発生した時でも、ジョイント4の底面19と台2の底板上面部との接触面が移動して常に床板を確実に支持する。したがって、床面の歪や傾斜を防止する効果が顕著であり、建具の開閉困難、床鳴り等の不具合が解消される。
【0020】
更に、床面とコンクリートスラブ23の間に適当な間隔を設けることにより騒音を軽減できるだけでなく、直張りに比べて床面に弾力性を持たすことができるため、身体への疲労等を軽減することができる。
【0021】
回り止めピンの先端部の形状を鉤形としたことにより、台とジョイントが連結され、床板支持具を一体化することができるので、施工時の作業性及びハンドリングが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す正面組立断面図である。
【図2】本発明の実施例を示す台の平面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す台の側面断面図である。
【図4】コマの底面図である。
【図5】ジョイントの平面図である。
【図6】ジョイントの正面断面図である。
【図7】実施例の施工状態を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 床板支持具
2 台
3 コマ
4 ジョイント
5 底板
6 外円筒胴
7 リブ
8 回り止めピン
9 接着穴
10 リブ
11 頂板
12 雌螺子
13 内円筒胴
14 切欠
17 床板取付穴
18 雄螺子
19 底面
21 ガイド穴
30 台
31 回り止めピン

Claims (2)

  1. 円板状の頂板(11)の下面に、内周部に雌螺子(12)を螺設した内円筒胴(13)を垂設したコマ(3)の螺子部に、上部を開口した円筒の外周に雄螺子(18)を螺設し、底面(19)を円弧状に形成すると共に複数のガイド穴(21)を貫設したジョイント(4)を螺合し、円板状の底板上面に上部を開口した外円筒胴(6)を垂設し、該外円筒胴(6)の内面に位置する底板(5)上に回り止めピン(8)を垂設した台(2)に挿入したことを特徴とする床板支持具。
  2. 回り止めピン(31)の先端部の形状を鉤形としたことを特徴とする、請求項1記載の床板支持具
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