JP3574249B2 - 樹脂微粒子の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充填剤用、化粧用、トナー用等の用途に用いられる熱可塑性樹脂の微粒子の製造法に関し、更に詳しくは溶剤を使用することなく、直径が10μm以下程度の粒度分布に優れたポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の熱可塑性樹脂の微粒子を効率よく得られる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、充填剤用、化粧用、トナー用等の用途に用いられる樹脂微粒子は、粉砕法、重合法、析出法等の方法で製造されている。
しかし、粉砕法では微粒子とするには時間・エネルギー等がかかるうえ、粒子の形状が一定とならず、更には粒度分布も広くなる等の欠点を有し、又重合法においては均一な微粒子を得るためには重合条件を微妙にコントロールする必要があり、重合方法も複雑になるという欠点を有し、更に析出法では析出した微粒子が凝集しやすく、容易に良好な微粒子を得ることができない等の欠点を有している。
【0003】
これらの欠点を解決すべく、溶剤(I)に変性ポリオレフィン系樹脂を溶解させた後、該樹脂に貧溶媒である溶剤(II)を溶解度限度近くまで添加した後、該溶液を溶剤(II)の溶媒中に添加して該樹脂を析出させる方法(特開平6−256529号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術は、有機溶剤を使うことが必要で、昨今の環境問題を考慮すれば溶剤の不使用が望まれるところであり、また微粒子の収率が悪く、新なる改良検討の余地がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる事情に鑑みて鋭意研究した結果、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)を混合重量比(A)/(B)=99/1〜30/70(但し、(A)/(B)の混合重量比が75/25〜30/70の時は下式を満足するものとする)で混合して溶融成形物を得た後、該成形物を水と接触させてオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)を除去することにより、従来の如く溶剤を使うことなく、良好な樹脂微粒子が高収率で得られるという事実を見いだし、本発明の完成に至った。
|logη−logη|>0.7
(但し、η及びηは(A)及び(B)の230℃、剪断速度10sec−1における見かけの溶融粘度(Pa・s)を表す。)
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)とは、下記化1で示されるオキシアルキレン基を含有するポリビニルアルコール系樹脂で、より具体的には化1で示されるオキシアルキレン基を含有するエチレン性不飽和モノマーと酢酸ビニルとの共重合体をケンすることによって得られる。
【0007】
【化1】
Figure 0003574249
(但し、R、Rは水素又はアルキル基(特にメチル基又はエチル基)、Xは水素、アルキル基、アルキルエステル基、アルキルアミド基、スルホン酸塩基等の有機残基、nは正の整数)
【0008】
オキシアルキレン基を含有するエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等が挙げられる。オキシアルキレン単位の付加モル数を示すnは、いずれの場合も1〜300程度であり、特にnが5〜50程度が好ましい。上記の中では、ポリオキシエチレンアリルエーテルが実用的である。
【0009】
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂は上述のようなオキシアルキレン基を含有するエチレン性不飽和モノマーと酢酸ビニルとを共重合した後、ケン化することにより得られる。ケン化に当たっては共重合体をアルコールに溶解しアルカリ触媒の存在下に行なわれる。アルコールとしてはメタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。アルコール中の共重合体の濃度は20〜50重量%の範囲から選ばれる。ケン化触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いる。かかる触媒の使用量はビニルエステルに対して1〜100ミリモル当量にすることが必要である。又、酸触媒を用いてケン化を行っても特に差し支えない。
【0010】
酢酸ビニル成分のケン化度は50〜100モル%が好ましく、更には60〜100モル%が好ましく、特に好ましくは70〜100モル%で、重量平均重合度は200〜2500が好ましく、更には250〜2300が好ましく、特に好ましくは300〜2000の範囲で、ケン化度が50モル%未満では水溶性や熱安定性が低下し、また重量平均重合度が200未満では造膜性が低下して溶融成形不能となり、逆に2500を越えると粘度が高くなり過ぎて溶融成形性が低下して好ましくない。
ケン化により得られたオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂中のオキシアルキレン基の含有量は1〜50重量%、特に2〜45重量%、なかんずく5〜40重量%とすることが好ましい。その含有量が1重量%未満では溶融成形性が低下し、逆に50重量%を越えると熱安定性が悪くなって好ましくない。
【0011】
尚、上記重合に際しては、他のモノマーとして、酢酸ビニル以外のビニルエステル、アルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、エチレン性不飽和カルボン酸又はそのエステル・塩・無水物・α−オレフィン、塩化ビニル等を30モル%以下程度であれば存在させてもよい。
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂は場合により、ポリビニルアルコールに対するアルキレンオキシドの反応、あるいはポリオキシアルキレングリコールに対する酢酸ビニルの重合及びそれに引き続くケン化によっても取得できる。
【0012】
更に、上記オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂の見かけの溶融粘度ηは、通常は230℃、剪断速度10sec−1における(以下、特に断りのない限り同様)見かけの溶融粘度は10〜10000Pa・sであることが好ましく、更には20〜9000Pa・sであることが好ましく、かかるηが10Pa・s未満では造膜性に乏しく、逆に10000Pa・sを越えると溶融成形性が低下して好ましくない。
【0013】
次に本発明の熱可塑性樹脂(B)は、上記のオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と完全に相溶せずに溶融混合することが可能な熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、中でもポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が好適に用いられる。
【0014】
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、酢酸ビニル,アクリル酸エステル或いはブテン,ヘキセン,4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類を共重合したポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、エチレンをグラフト共重合したポリプロピレン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類を共重合したポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、及び上記ポリオレフィンに不飽和カルボン酸やその酸無水物,ビニルシラン系化合物,エポキシ基含有化合物等を共重合或いはグラフト重合してなる変性ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、好ましくは高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンが用いられる。
【0015】
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンアジペート共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリブチレンアジペート共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリカプロラクトン共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリカプロラクトン共重合体等が用いられる。
【0016】
ポリアミド系樹脂としては、ホモポリアミド及びコポリアミドが挙げられ、ホモポリアミドとしてはポリカプラミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカナミド(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサメチレンセパカミド(ナイロン6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10,6)、ポリドデカメチレンセパカミド(ナイロン10,8)等が挙げられ、コポリアミドとしてはカプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセパケート共重合体、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセパケート共重合体、テレフタル酸/イソフタル酸/ヘキサメチレンジアミン共重合体(非晶質ナイロン)、m−キシリレンアジパミド等が挙げられ、好ましくはテレフタル酸/イソフタル酸/ヘキサメチレンジアミン共重合体(非晶質ナイロン)、m−キシリレンアジパミド、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン6,12)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体が用いられる。
【0017】
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物としては、エチレン含有量20〜60モル%、ケン化度70〜100モル%のものが好ましく、更にはエチレン含有量25〜55モル%、ケン化度80〜100モル%のものが好適に用いられる。
かかる熱可塑性樹脂(B)の見かけの溶融粘度ηも、通常は10〜10000Pa・sであることが好ましく、更には20〜9000Pa・sであることが好ましく、かかるηが10Pa・s未満では造膜性に乏しく、逆に10000Pa・sを越えると溶融成形性が低下して好ましくない。
【0018】
上記の(A)と(B)の混合重量比は(A)/(B)=99/1〜30/70(好ましくは95/5〜30/70、更に好ましくは90/10〜30/70)で、(A)/(B)が75/25〜30/70の時はそれぞれの見かけの溶融粘度η及びη(但し、η及びηは(A)及び(B)の230℃、剪断速度10sec−1における見かけの溶融粘度(Pa・s)を表す。)が│logη−logη│>0.7(好ましくは2≧│logη−logη│>0.7)の関係を満足する必要がある。
【0019】
かかる(A)/(B)が99/1を越えると、樹脂微粒子の生産性が低下して実用的でなくなり、逆に30/70未満では(B)がマトリックスとなって樹脂微粒子を得ることができず不適である。
また、(A)/(B)が75/25〜30/70の範囲において、│logη−logη│≦0.7の時も(B)がマトリックスとなって樹脂微粒子を得ることができず不適である。
更にη及びηの大小関係は特に限定されないが、η≧ηの関係を有するほうが本発明の目的を達成するうえでは有利である。
【0020】
本発明においては、上記の(A)及び(B)に、更に(A)に親和性を付与することを目的として変性ポリオレフィン系樹脂(C)を混合することができる。かかる変性ポリオレフィン系樹脂(C)としては、上記のポリオレフィン系樹脂に不飽和カルボン酸やその酸無水物、ニルシラン系化合物、エポキシ基含有化合物等を共重合或いはグラフト重合してなる変性ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、より具体的には無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂等が好適に用いられる。
【0021】
かかる変性ポリオレフィン系樹脂(C)の溶融粘度指数(温度210℃、荷重2160gにおける)は特に限定されないが、上記(B)との混合性を考慮すれば、(B)の溶融粘度指数との差を100g/10分以下(更には80g/10分以下)とすることが望ましい。
また、変性ポリオレフィン系樹脂(C)の混合量は(A+B)の合計量に対して0.1〜30重量%が好ましく、更には0.5〜25重量%が好ましく、(C)が0.1重量%未満では樹脂微粒子表面への極性基の導入が不十分で親和性を十分付与することができず、逆に30重量%を越えると粘度が増大して溶融成形が困難となり好ましくない。
【0022】
上記の(A)及び(B)(更に(C))を混合して溶融成形物を得る方法としては特に限定されず公知の方法が採用され得る。
例えば、(A)と(B)(と(C))を混合する方法としては、ドライブレンド、溶融ブレンド等の公知の混合方法を採用することができ、また溶融成形物を得るには、公知の溶融成形方法、例えば押出成形法、射出成形法、ブロー成形法等が採用できる。
以下、二軸押出成形機による押出成形法について具体的に説明するが、本発明はこの方法に限定されるものではない。
【0023】
ドライブレンや溶融ブレンド等で得られた(A)と(B)(と(C))の混合物を二軸押出成形機(例えば、プラスチックス工学研究所社製、BT−30−S2−42−L等)を用いて、シリンダー径30〜150mm、シリンダー温度190〜220℃、ヘッド温度180〜220℃程度の条件で成形物を得るのである。かかる成形物の形状は特に限定されず、ストランド状、ペレット状、フィルム状等任意であるが、後の(A)の除去処理の効率を考慮すればペレット状が好ましい。
【0024】
次いで得られた成形物を20〜90℃程度(好ましくは30〜80℃)の(温)水浴中で水と接触させて成形物中の(A)成分を溶出させるのである。
かかる(温)水浴中での成形物と(温)水との接触時間は、(A)及び(B)(更には(C))の混合組成やフィルム厚さにより一概に断言できないが、0.5〜120分が好ましく、更には0.5〜100分である。
かくして平均粒径0.5〜10μmの熱可塑性樹脂微粒子が得られ、各種充填剤、化粧品、トナー等の用途に幅広く利用することができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。
尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特にことわりのない限り重量基準を示す。
実施例1
オキシアルキレン基含有量14重量%、ケン化度93モル%、重量平均重合度390、見かけの溶融粘度η350Pa・sの変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)と見かけの溶融粘度η2000Pa・sの線状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、「出光ポリエチレン−L 0134」、溶融粘度指数;1g/10分)(B)を(A)/(B)=60/40(重量比)の割合(│logη−logη│=│2.54−3.30│=0.76)で二軸押出機(プラスチックス工学研究所社製、BT−30−S2−42−L)を用いて、シリンダー径30mm、シリンダー温度210℃、ヘッド温度200℃の条件にて溶融混合して直径3mm程度のストランドを成形し、その後80℃の温水浴中に30分間浸漬させて(A)を溶出させたところ、平均粒径3μmの線状低密度ポリエチレン微粒子を収率95%で得ることができた。
【0026】
なお、見かけの溶融粘度は、(株)東洋精機製作所のキャピログラフPMD−Cを用い、キャピラリー径=1mm,キャピラリー長=10mmの条件で測定し、得られた樹脂微粒子の平均粒径は走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JST−5200)を用いて調べた。
また、樹脂微粒子の収率(%)は、(B)または(B+C)成分に対する得られた樹脂微粒子の重量%で算出した。
【0027】
実施例2
実施例1において、(B)の熱可塑性樹脂としてポリエステル系樹脂(東レデュポン(株)製、「ハイトレル 5577」、見かけの溶融粘度η2100Pa・s)を用いた(│logη−logη│=│2.54−3.32│=0.78)以外は同様に行い、平均粒径4μmのポリエステル微粒子を収率93%で得ることができた。
【0028】
実施例3
実施例1において、(B)の熱可塑性樹脂としてポリアミド系樹脂(三菱化学(株)製、「NOVAMID X21」、見かけの溶融粘度η2000Pa・s)を用いた(│logη−logη│=│2.54−3.30│=0.76)以外は同様に行い、平均粒径4μmのポリアミド(アモルファスナイロン)微粒子を収率93%で得ることができた。
【0029】
実施例4
実施例1において、(B)の熱可塑性樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(エチレン含有量38モル%、ケン化度99.6モル%、見かけの溶融粘度η2300Pa・s)を用いた(│logη−logη│=│2.54−3.36│=0.82)以外は同様に行い、平均粒径9μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を収率90%で得ることができた。
【0030】
実施例5
実施例1において、(A)/(B)の混合重量比を80/20とした以外は同様に行い、平均粒径4μmの線状低密度ポリエチレン微粒子を収率90%で得ることができた。
【0031】
実施例6
実施例1において、(C)成分としてカルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂(三井石油化学工業(株)製、「Adomer NF500」、溶融粘度指数;1.8g/10分)を更に10部混合した以外は同様に行い、平均粒径3μmの低密度ポリエチレン微粒子を収率87%で得ることができた。
【0032】
実施例7
実施例6において、(A)/(B)/(C)の混合重量比を80/20/5とした以外は同様に行い、平均粒径4μmの低密度ポリエチレン微粒子を収率90%で得ることができた。
【0033】
比較例1
実施例1において、(A)と(B)の混合重量比を(A)/(B)=99.5/0.5(重量比)とした以外は同様に行ったが、線状低密度ポリエチレン微粒子の分別回収が非常に困難で実質的に樹脂微粒子を得ることができなかった。
【0034】
比較例2
実施例1において、(A)と(B)の混合重量比を(A)/(B)=20/80(重量比)とした以外は同様に行ったが、低密度ポリエチレン微粒子は得られなかった。
【0035】
比較例3
実施例1において、(A)成分をオキシアルキレン基含有量14重量%、ケン化度93モル%、重量平均重合度530、見かけの溶融粘度η1000Pa・sの変性ポリビニルアルコール系樹脂とした(│logη−logη│=│3.00−3.30│=0.30)以外は同様に行ったが、多孔質のペレットとなり、低密度ポリエチレン微粒子の平均粒径は5μmで収率は3%であった。
【0036】
【発明の効果】
本発明においては、特定の溶融粘度指数を有する溶融成形可能な水溶性高分子及び熱可塑性樹脂を混合して溶融成形物とした後、該成形物を水と接触させて該水溶性高分子を除去しているため、従来の如く溶剤を使用することなく、平均粒径0.5〜10μm程度の樹脂微粒子を効率よく得ることができ、得られた樹脂微粒子は充填剤用、化粧用、トナー用等の用途に幅広く利用することができる。

Claims (4)

  1. オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)を混合重量比(A)/(B)=99/1〜30/70(但し、(A)/(B)の混合重量比が75/25〜30/70の時は下式を満足するものとする)で混合して溶融成形物を得た後、該成形物を水と接触させてオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)を除去することを特徴とする樹脂微粒子の製造法。
    |logη−logη|>0.7
    (但し、η及びηは(A)及び(B)の230℃、剪断速度10sec−1における見かけの溶融粘度(Pa・s)を表す。)
  2. 熱可塑性樹脂(B)がポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の樹脂微粒子の製造法。
  3. 更に変性ポリオレフィン系樹脂(C)を混合したことを特徴とする請求項1または2記載の樹脂微粒子の製造法。
  4. 変性ポリオレフィン系樹脂(C)の混合量が(A+B)の合計量に対して0.1〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の樹脂微粒子の製造法。
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