JP3573440B2 - 固形状乳化組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、清涼感を有し且つ耐水性に優れ、安定性が高く、コンパクト状の容器にても提供可能な固形状の乳化組成物、及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、界面活性剤全体のHLB値が7〜9となるように選択された2種以上の非イオン性界面活性剤と、ワックスを含む油相及び水を含有して成る、特に化粧料用として最適な固形状乳化組成物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンパクト状の容器に充填された固形状の化粧料は携帯に便利で、従来より好まれ、よく使用されている。水を配合した乳化化粧料を固形状とするには、油中水型の乳化系が用いられてきた。油中水型の乳化系は、皮膚への親和性,皮膚の柔軟性の維持,耐水性等の点で優れているが、清涼感に乏しく、またべたつきや油っぽさといった使用感上好ましくない性状をも有していた。
【0003】
一方、水中油型の乳化系は独特の清涼感を有し、保湿性に優れ、自然な仕上がりが得られる等好ましい性質を多く有しているが、一般に流動性を有し、コンパクト状の容器に充填して提供するには不向きであった。かかる水中油型の乳化物を固形状とする試みもなされており、ι−カラギーナンとキサンタンガム及び/又はローカストビーンガムを併用したり(特開平4−279509)、寒天,ゼラチン,ケイ酸ナトリウムマグネシウム等の水溶性固化剤と、セルロース誘導体,アルギン酸ナトリウム,カラギーナン,キサンタンガムといった天然高分子やポリビニルアルコール,カルボキシビニルポリマー,ポリアクリル酸ナトリウムといった合成高分子などの水溶性粘結剤とを併用する(特開平5−178723)等の技術が開示されている。
【0004】
しかしながら上記の技術では、2種以上の水溶性粘結剤或いは固化剤を併用する必要があり、かかる水溶性粘結剤や固化剤の品質管理をはじめ、適度で安定な硬度を付与するため製造工程上の管理を強化する必要があった。また、水溶性粘結剤等により外水相を固化させて得た水中油型乳化物は、耐水性に劣り、さらに保存に際し容器の気密性を要するという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記のような水溶性粘結剤或いは固化剤を用いる必要がなく、清涼感を有し且つ耐水性に優れ、安定性が高く、コンパクト状の容器にても提供可能な固形状の乳化組成物を得ることを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するにあたり、本発明者は耐水性の高い油中水型乳化組成物において清涼感を持たせることを検討した。すなわち、清涼感を示すには、内水相が完全な結合水の状態で存在するのではなく、自由水として存在する方が有効である。そこで、油中水型乳化組成物としては不安定な状態の組成物を調製し、これを高温で容器に充填して、冷却後相分離が生じるか或いは水中油型に変化する前に、内水相を固定化することを試みた。
【0007】
その結果、非イオン性界面活性剤より2種以上を選択して、界面活性剤全体のHLB値を7〜9の範囲に設定し、ワックスを含む油相と水とを乳化させた後、高温で金皿等の容器に充填し、次いで冷却,固化することにより、本発明の目的とする固形状乳化組成物を得ることに成功した。
【0008】
【作用】
本発明に係る固形状乳化組成物は、高い清涼感を有し、且つ耐水性に優れ、さらに安定性も良好である。また固形状であるため、コンパクト状容器に充填して提供することができ、携帯性及び使用性に優れる。さらに外相が油相であるため、特に気密性の高い容器を必要とすることもない。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる非イオン性界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレート,ソルビタンモノパルミテート,ソルビタンモノステアレート,ソルビタンセスキステアレート,ソルビタンモノオレエート,ソルビタンセスキオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート,ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタントリステアレート,ポリオキシエチレン(6.E.O)ソルビタンモノステアレート,ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノオレエート,ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタントリオレエート,ポリオキシエチレン(6E.O.)ソルビタンモノオレエート,ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノイソステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビトールモノラウレート,ポリオキシエチレン(6E.O.)ソルビトールヘキサステアレート,ポリオキシエチレン(6E.O.)ソルビトールテトラオレエート等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類、グリセリルモノステアレート,自己乳化型グリセリルモノステアレート,グリセリルモノオレエート,グリセリルモノイソステアレート,ポリグリセリルモノステアレート,ポリグリセリルモノオレエート等のグリセリン又はポリグリセリン脂肪酸エステル類、プロピレングリコールモノラウレート,プロピレングリコールモノステアレート,自己乳化型プロピレングリコールモノステアレート等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン(5E.O.)グリセリルモノオレエート,ポリオキシエチレン(10E.O.)グリセリルモノオレエート,ポリオキシエチレン(15E.O.)グリセリルモノオレエート,ポリオキシエチレン(5E.O.)グリセリルモノステアレート,ポリオキシエチレン(10E.O.)グリセリルモノステアレート,ポリオキシエチレン(15E.O.)グリセリルモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体類、ポリオキシエチレン(30E.O.)プロピレングリコールモノステアレート等のプロピレングリコール脂肪酸の酸化エチレン誘導体類、ポリオキシエチレン(6E.O.)モノラウレート,ポリオキシエチレン(10E.O.)モノラウレート,ポリオキシエチレン(2E.O.)モノステアレート,ポリオキシエチレン(4E.O.)モノステアレート,ポリオキシエチレン(10E.O.)モノステアレート,ポリオキシエチレン(2E.O.)モノオレエート,ポリオキシエチレン(6E.O.)モノオレエート,ポリオキシエチレン(10E.O.)モノオレエート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン(2E.O.)ラウリルエーテル,ポリオキシエチレン(4.2E.O.)ラウリルエーテル,ポリオキシエチレン(9E.O.)ラウリルエーテル,ポリオキシエチレン(2E.O.)セチルエーテル,ポリオキシエチレン(5.5E.O.)セチルエーテル,ポリオキシエチレン(7E.O.)セチルエーテル,ポリオキシエチレン(10E.O.)セチルエーテル,ポリオキシエチレン(2E.O.)オレイルエーテル,ポリオキシエチレン(7E.O.)オレイルエーテル,ポリオキシエチレン(10E.O.)オレイルエーテル,ポリオキシエチレン(5E.O.)ベヘニルエーテル,ポリオキシエチレン(10E.O.)ベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン(2E.O.)ノニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレン(5E.O.)ノニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレン(7.5E.O.)ノニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレン(3E.O.)オクチルフェニルエーテル,ポリオキシエチレン(10E.O.)オクチルフェニルエーテル,ポリオキシエチレン(15E.O.)オクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン(3E.O.)ヒマシ油,ポリオキシエチレン(10E.O.)ヒマシ油,ポリオキシエチレン(20E.O.)ヒマシ油,ポリオキシエチレン(40E.O.)ヒマシ油,ポリオキシエチレン(60E.O.)ヒマシ油等のポリオキシエチレンヒマシ油誘導体類、ポリオキシエチレン(10E.O.)硬化ヒマシ油,ポリオキシエチレン(20E.O.)硬化ヒマシ油,ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油,ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体類、ショ糖ラウリン酸エステル,ショ糖パルミチン酸エステル,ショ糖ステアリン酸エステル,ショ糖グリセリド脂肪酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン(10E.O.)メチルグルコシド,ポリオキシプロピレン(10P.O.)メチルグルコシド等のポリオキシアルキレン付加メチルグルコシド類、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体,ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体,ポリオキシエチレン・メチルフェニルポリシロキサン共重合体,ポリオキシプロピレン・メチルフェニルポリシロキサン共重合体,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルフェニルポリシロキサン共重合体等のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン類が挙げられ、これらより界面活性剤全体のHLB値が7〜9の範囲となるように2種以上を選択して用いる。
【0010】
なお後述するように、ワックスによる構造保持性を高めるには、油相成分として、ワックスに対する溶解性があまり高くないシリコーン油を含有させることが好ましいため、非イオン性界面活性剤としても、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン類より1種又は2種以上を選択することが好ましい。
【0011】
上記非イオン性界面活性剤の2種以上の固形状乳化組成物中における含有量としては、1.0〜10.0重量%とするのが適当である。
【0012】
本発明に係る固形状乳化組成物において、ワックス以外の油相成分としては、アボカド油,アルモンド油,オリーブ油,ゴマ油,サザンカ油,サフラワー油,大豆油,ツバキ油,トウモロコシ油,ナタネ油,アンズ核油,ヒマシ油,綿実油,落花生油,カカオ脂,パーム油,パーム核油,モクロウ,ヤシ油,硬化ヒマシ油等の植物性油脂類、タートル油,ミンク油,卵黄油,牛脂,豚脂等の動物性油脂類、流動パラフィン,ワセリン,スクワラン等の炭化水素油類、ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,ベヘン酸,オレイン酸,ウンデシレン酸,ラノリン脂肪酸等の脂肪酸類、ラウリルアルコール,ミリスチルアルコール,セタノール,ステアリルアルコール,オレイルアルコール等の脂肪族アルコール類、コレステロール,シトステロール,スチグマステロール,カンペステロール,ラノステロール等のステロール類、ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ミリスチン酸オクチルドデシル,オレイン酸オレイル等のエステル類、ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン,オクタメチルテトラシクロシロキサン,デカメチルペンタシクロシロキサン等のシリコーン油等が使用できる。
【0013】
なお本発明においては、ワックスの構造保持性を向上させるため、ワックス以外の油相成分としてはワックスに対する溶解性のあまり高くないものを選択することが好ましい。その意味では、シリコーン油を主成分とすることが好ましい。ワックス以外の油相成分の含有量としては、組成物全量の10.0〜40.0重量%程度が適当である。
【0014】
本発明において必須の構成成分であるワックスとしては、常温で固体のロウ類又は炭化水素類を用いることができ、カルナウバロウ,キャンデリラロウ,モクロウ,ライスワックス等の植物性ロウ類、ミツロウ,鯨ロウ,硬質ラノリン等の動物性ロウ類、パラフィンロウ,オゾケライト,セレシン,マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類などが挙げられる。なおこれらに含まれる樹脂成分が、シリコーン油に対する溶解性に乏しく、油相成分溶解時に沈殿しやすいため、脱樹脂処理を施した後用いることが好ましい。組成物全量当たりの含有量としては、1.0〜10.0重量%程度が適当である。
【0015】
本発明の固形状乳化組成物は、金皿等に流し込んで成型するタイプの固形状化粧料に好適であり、固形状乳化ファンデーション,固形状乳化アイカラー,固形状乳化チークカラー,固形状乳化口紅等のメイクアップ化粧料に特に適する。
【0016】
なお本発明に係る固形状乳化組成物には、本発明の特徴を損なわない範囲で、グリセリン,1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類、アミノ酸,ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の保湿剤,酢酸トコフェロール,ビタミンE混合物等の抗酸化剤,パラメトキシ桂皮酸エチルヘキシル,オキシベンゾン,4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤,パラオキシ安息香酸エステル等の防腐剤,香料,体質顔料,着色顔料等の顔料,粉体類、色素等、一般的に化粧料に添加される原料,成分を添加することができる。また、溶融時の乳化安定性を向上させるため、塩化ナトリウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム等の塩を添加することが好ましい。
【0017】
本発明に係る固形状乳化組成物を製造するには、通常の油中水型の乳化組成物を得るのと同様に、非イオン性界面活性剤とワックスを含む油相成分と、水相成分とをそれぞれ混合,加熱溶解した後、油相に水相を添加してホモミキサー等により乳化し、これを高温で金皿等の容器に充填して、次いで冷却し固化させる。充填温度としては、60〜85℃の範囲が適当であり、特に70〜75℃とするのが好ましい。なお、香料等の高温で不安定な物質を添加する際には、乳化後組成物を50〜60℃に保ち、その温度で高温で不安定な物質を添加した後、再度組成物の温度を上昇させ、速やかに充填することが好ましい。
【0018】
【実施例】
さらに本発明について、実施例により詳細に説明する。
【0019】
[実施例1] 固形状乳化ファンデーション
製法:(1)〜(5)の油相成分を混合し、80〜85℃に加熱して溶融した後、(10)〜(15)の顔料を加え、均一に分散する。一方、(6)〜(9)の水相成分を混合,加熱溶解する。この水相を前記油相に徐々に添加し、ホモミキサーにて乳化,均一化し、(16)を添加して50〜60℃に保つ。これを充填機に注入し、再度70〜75℃に昇温して金皿に充填し、冷却,固化する。
【0020】
[実施例2] 固形状乳化メイクアップベースカラー
製法:(1)〜(9)の油相成分を混合し、80〜85℃に加熱して溶融した後、(14)〜(16)の顔料を加え、均一に分散する。一方、(9)〜(13)の水相成分を混合,加熱溶解する。この水相を前記油相に徐々に添加し、ホモミキサーにて乳化,均一化し、(17)を添加して50〜60℃に保つ。これを充填機に注入し、再度70〜75℃に昇温して金皿に充填し、冷却,固化する。
【0021】
[実施例3] 固形状乳化アイカラー
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、80〜85℃に加熱して溶融する。一方、(7)〜(9)の水相成分を混合,加熱溶解し、あらかじめ混合,均一化した(10),(11)を添加し、均一に分散する。この水相を前記油相に徐々に添加し、ホモミキサーにて乳化,均一化し、(12)を添加して50〜60℃に保つ。これを充填機に注入し、再度70〜75℃に昇温して金皿に充填し、冷却,固化する。
【0022】
[実施例4] 固形状乳化チークカラー
製法:(1)〜(9)の油相成分を混合し、80〜85℃に加熱して溶融する。一方、(10)〜(12)の水相成分を混合,加熱溶解し、あらかじめ混合,均一化した(13),(14)を添加し、均一に分散する。この水相を前記油相に徐々に添加し、ホモミキサーにて乳化,均一化し、(15)を添加して50〜60℃に保つ。これを充填機に注入し、再度70〜75℃に昇温して金皿に充填し、冷却,固化する。
【0023】
[実施例5] 固形状乳化口紅
製法:(1)〜(9)の油相成分を混合し、80〜85℃に加熱して溶融した後、(14)〜(18)の色材を加え、均一に分散する。一方、(9)〜(13)の水相成分を混合,加熱溶解する。この水相を前記油相に徐々に添加し、ホモミキサーにて乳化,均一化し、(19)を添加して50〜60℃に保つ。これを充填機に注入し、再度70〜75℃に昇温して金皿に充填し、冷却,固化する。
【0024】
上記の本発明の実施例について、保存安定性,清涼感及び耐水性の評価を行った。その際、次に示す比較例1及び比較例2についても同時に評価を行った。
【0025】
比較例1は、実施例1において(4)及び(5)の各ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体の配合量をそれぞれ3.2重量%及び0.8重量%とし、非イオン性界面活性剤全体のHLB値が5.6となるようにして、定法に従い油中水型の乳化組成物としたものである。
【0026】
比較例2としては、次に示す固形状の水中油型乳化組成物によるファンデーションを用いた。これは水溶性固化剤である寒天で外水相を固化したものである。
【0027】
[比較例2] 固形状水中油型乳化ファンデーション
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、80℃に加熱して均一に溶解する。一方、(7)〜(11)の水相成分を混合,加熱溶解し、あらかじめ均一に混合した(12)〜(16)の顔料を添加し、ホモジナイザーにて均一に分散させた後、80℃とする。この水相に前記油相を攪拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却後50℃にて(17)を添加した後、金皿に充填する。
【0028】
(1)保存安定性の評価 各実施例及び比較例を充填した金皿を通常のコンパクト容器に設置し、25℃で3カ月間保存した後、状態の変化を観察した。結果は「○;状態の変化が全く見られない」,「△;相分離や含有成分の析出,凝集がわずかに認められる」,「×;相分離や含有成分の析出,凝集が顕著に認められる、又は固化面のひび割れ等が認められる」として表した。
【0029】
(2)清涼感 20〜50才代の女性パネラー20名を1群とし、各群に実施例及び比較例をそれぞれブラインドにて使用させ、清涼感について官能評価させた。官能評価結果は「非常にある;5点」,「ややある;4点」,「どちらとも言えない;3点」,「ややない;2点」,「ない;1点」として点数化し、20名の平均値を求めた。
【0030】
(3)耐水性 スライドガラス上に各試料0.1gを採り、均一に塗布し乾燥した後接触角を測定し、次いでリーナツ型試験機に入れ、水道水700ml中に5分間浸した後乾燥し、再度接触角を測定して、水道水に浸漬処理する前後の接触角を比較して評価した。
【0031】
【表1】
以上の評価結果を表1にまとめて示した。表1において明らかなように、本発明の実施例はいずれも良好な保存安定性を示し、3カ月間保存した後においても全く状態変化を認めず、通常のコンパクト状容器による提供にも適することが示された。これに対し、油中水型の乳化組成物である比較例1は良好な保存安定性を示したが、外水相を寒天で固化させた水中油型乳化組成物である比較例2については、保存期間中に水分の蒸発によるひび割れが見られた。
【0032】
また、本発明の実施例においては、いずれにおいても良好な清涼感が認められていた。これに対し、油中水型乳化組成物である比較例1については、ほとんどのパネラーが清涼感がないと評価していた。
【0033】
さらに、本発明の実施例はいずれも大きな接触角を示し、水道水浸漬後の接触角の低下もほとんど見られず、耐水性に優れることが示された。これに対し、外水相を寒天で固化させた水中油型乳化組成物である比較例2では接触角が小さく、水道水浸漬処理による接触角の低下も顕著で、耐水性に問題のあることが示された。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、清涼感を有し且つ耐水性に優れ、安定性が高く、コンパクト状の容器にても提供可能で、化粧料用としても最適な固形状の乳化組成物を得ることができた。
Claims (2)
- 界面活性剤全体のHLB値が7〜9となるように選択された2種以上の非イオン性界面活性剤を含有しその1種以上がポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンより選択される非イオン性界面活性剤と、脱樹脂処理したワックス及びシリコーン油を含む油相及び水を含有し、非イオン性界面活性剤及びワックスを含む油相成分と水相成分とを混合,乳化した後、60〜85℃の温度で容器に充填し、次いで冷却固化して成る固形状油中水型乳化組成物。
- 非イオン性界面活性剤の全含有量が全組成物中1.0〜10.0重量%、ワックス以外の油相成分の含有量が10.0〜40.0重量%、ワックスの含有量が1.0〜10.0重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の固形状油中水型乳化組成物。
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