JPH10101529A - 多重相分離型洗浄料 - Google Patents

多重相分離型洗浄料

Info

Publication number
JPH10101529A
JPH10101529A JP27426296A JP27426296A JPH10101529A JP H10101529 A JPH10101529 A JP H10101529A JP 27426296 A JP27426296 A JP 27426296A JP 27426296 A JP27426296 A JP 27426296A JP H10101529 A JPH10101529 A JP H10101529A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
water
ether
cleaning agent
surfactant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP27426296A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisayoshi Yamashita
尚義 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP27426296A priority Critical patent/JPH10101529A/ja
Publication of JPH10101529A publication Critical patent/JPH10101529A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常は多重相分離状態を呈し、使用時に簡単
な振とうで乳化状態とすることができ、使用後は元の分
離状態が再現される多重相分離型洗浄料であって、メー
クに対してなじみがはやく、水で洗い流すことによりメ
ークを一度できれいに洗浄でき、洗い上がりはさっぱり
とした感触を有するメーキャップ洗浄料を提供する。 【解決手段】 (A)流動油分と、(B)水溶性溶媒
と、(C)水と、(D)界面活性剤として非イオン型界
面活性剤及び/又はアニオン型界面活性剤とを含有し、
(A)流動油分の配合量が組成物全量に対して20〜6
0重量%、(C)水/(B)水溶性溶媒の重量比が0〜
2、且つ(D)界面活性剤のトータルHLBが7〜15
であることを特徴とする多重相分離型洗浄料。また、
(A)中シリコン系油分を5〜80重量%含有する前記
多重相分離型洗浄料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄料、特にメー
クに対するなじみが早く、落ちにくいメークも一度でさ
っぱりと洗い流すことができる、多重相分離型洗浄料に
関する。
【0002】
【従来の技術】メーキャップ化粧料を落とすための洗浄
料(クレンジング)としては、O/W型乳化タイプ(ク
リーム状、乳液状、ジェル状等)、液晶ジェル状タイ
プ、活性剤ジェル状タイプ、オイル状、化粧水状等様々
な剤型のものが用いられている。クレンジング洗浄料に
おいては、通常、 1.メーク部分に塗布してなじませたときになじみがは
やい(メークがすぐに浮き上がってくる)。 2.メークを浮き上がらせた後、メークも洗浄料もきれ
いに塗布部から除くことができる。 3.使用後は油っぽさが残ったり、べたついたりせず、
さっぱり感が得られる。 等の機能が求められる。もちろん、製品上の観点からは
安定性も重要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の要求を全て満足するようなクレンジングは得られてい
ないのが現状である。例えば、オイル状タイプのものは
油性ベースであるためにメークに対するなじみが早く、
極短時間の間にメークを簡単に浮き上がらせることがで
きる。しかしながら、これらの洗浄料は拭き取りや洗い
流しの際に洗浄料中の油分が皮膚上に残りやすいためべ
たつき、また、通常このような残存油分を洗い流すため
に石鹸によるダブル洗顔を必要とし、煩雑さの問題があ
った。
【0004】一方、O/W乳化タイプや液晶ジェルタイ
プのものは水で洗い流すことができ、使用後の油っぽさ
やべたつき感は比較的少ないが、水性ベースであるため
にメークになじむまでにある程度の時間を要するという
問題があった。そして、この様なタイプの洗浄料におい
ては、一般になじみやすさと系の安定性は背反するファ
クターであり、これらを両立することは非常に困難であ
った。
【0005】すなわち、これらのタイプの洗浄料は、メ
ーク部分に塗布してなじませている間に系の構造が崩壊
(転相)し、乳化系や液晶構造中に分散されていた油分
がメークを溶解して浮き上がらせることによってメーク
を落とすものと考えられる。従って、メークになじみや
すい(より早く浮き上がらせることができる)というこ
とは、転相しやすい、すなわち構造がシェアによって容
易に崩壊しやすいということでもあり、製品としての乳
化安定性や構造安定性を高めるためには、メークに対す
るなじみやすさをある程度犠牲にせざるを得なかった。
また、活性剤ジェル状タイプの洗浄料は、水溶性高分子
中に界面活性剤を分散させたものであるが、水で洗い流
せて洗い上がりはさっぱりするものの、メークに対する
なじみやすさや洗浄性の点で油性ベースのものや他の水
性ベースの洗浄料に比べても十分と言えるものではなか
った。
【0006】近年では、落ちにくいファンデーションや
口紅等のメーキャップ化粧料が多く上市され人気を得て
おり、メークに対するなじみやすさや洗浄性において一
層の改善が望まれており、これらの落ちにくいメークも
一度の洗浄で素早くきれいにさっぱりと洗い流すことが
できることのできる洗浄料が求められている。本発明は
このような従来技術の課題に鑑み成されたものであり、
その目的は通常のメークはもちろん、落ちにくいメーク
に対しても素早くなじんで洗浄性が高く、水で容易に洗
い流すことができ、さっぱりとした洗い上がり感が得ら
れ、製品安定性にも問題のない洗浄料を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述のように、O/W乳
化型洗浄料においてメークに対して素早くなじむために
は、乳化構造がすぐ壊れて転相することが望ましい。つ
まり、クレンジング機能を考える時にはシェアをかける
ことによって容易に乳化状態が壊れる乳化安定性の悪い
ものが望まれる。しかし、乳化組成物の製品安定性の点
から見れば、乳化安定性を確保することもまた重要であ
る。
【0008】そこで、本発明者らは、メークに対するな
じみやすさを得るために乳化安定性の低い領域を選択す
ることとした。すなわち、保存時は油相と水相が分離し
た多重相分離型の洗浄料で、使用時には振とう等によっ
て容易に乳化し、O/W乳化組成物として塗布でき、振
とう後ある程度の時間内にはもとの多重相にきれいに分
離するような洗浄料について検討を行うこととした。こ
のような多重相分離型洗浄料においては乳化組成物とし
ては安定性が低い系でも採用することができ、メークに
対してなじみが早い洗浄料が期待できるが、使用時に容
易に乳化すること、使用に支障がない程度の乳化安定性
を有しある程度の時間内には元の状態に分離すること、
メークになじませた際には容易に乳化状態が転相してメ
ークを素早く浮き上がらせ、しかも洗い流す際には水と
混合するとO/Wに再乳化してきれいにさっぱりと洗い
流すことができること等が要求される。
【0009】本発明者らがこれらの課題を解決するため
に鋭意検討を行った結果、流動油分と、水溶性溶媒と、
水と、非イオン型界面活性剤及び/又はアニオン型界面
活性剤とを含有し、その組成及び界面活性剤のHLB範
囲を適正な範囲とすれば、撹拌や振とうにより容易に乳
化する多重相分離型の洗浄料が得られ、塗布する際には
これまでにないなじみの早さが得られ、しかも水で洗い
流す際にはきれいにさっぱりと洗い流すことができるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明に係る多重相分離型洗浄
料は、(A)流動油分と、(B)水溶性溶媒と、(C)
水と、(D)界面活性剤として非イオン型界面活性剤及
び/又はアニオン型界面活性剤とを含有し、(A)流動
油分の配合量が組成物全量に対して20〜60重量%で
あり、(C)水/(B)水溶性溶媒の重量比が0〜2で
あり、且つ(D)界面活性剤のトータルHLBが7〜1
5であることを特徴とする。なお、(A)流動油分中、
シリコン系油分を5〜80重量%含有することが好適で
ある。
【0011】
【本発明の実施の形態】本発明の成分(A)の流動油分
としては、常温で流動性を有する油分であれば特に限定
されないが、通常化粧料や皮膚洗浄料に用いられている
流動油分が好適に用いられる。例えば、炭化水素油、天
然油脂、エステル油類、シリコーン系油分等、非極性油
から極性油まで、幅広く用いることができる。具体的に
例示すれば、炭化水素油としては、流動パラフィン、ス
クワラン、テルペン系炭化水素、その他の合成炭化水素
油等が挙げられる。
【0012】天然油脂としては、例えば、アボガド油、
ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロ
コシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴ
マ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ
油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、月見草油、エノ
油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、
シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリ
セリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチ
ン酸グリセリン等が挙げられる。
【0013】エステル油としては、ミリスチン酸イソプ
ロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデ
シル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチ
ル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オ
レイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、
乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリ
ン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12−
ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチル
ヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトー
ル脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキル
グリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リ
ンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン
酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロ
ールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプ
ロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリ
トール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリ
イソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2
−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテ
ート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチ
ルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエ
ステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パ
ルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイ
ソプロピル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−
オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチ
ルウンデシル、エチルラウレート、セパチン酸ジ−2−
エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、
パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−
ヘキシルデシル、セバチル酸ジイソプロピル、コハク酸
−2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸
アミル、クエン酸トリエチル等の合成エステル等が挙げ
られる。
【0014】また、シリコン系油分としては、ジメチル
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシ
ロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテ
トラシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性シ
リコーン油、エポキシ変性シリコーン油、エポキシ・ポ
リエーテル変性シリコーン油、ポリエーテル変性シリコ
ーン油、カルボキシ変性シリコーン油、アルコール変性
シリコーン油、アルキル変性シリコーン油、アンモニウ
ム塩変性シリコーン油、フッ素変性シリコーン油等の変
性シリコーン油等のシリコーン油が挙げられる。
【0015】本発明においてはこれら流動油分のうち、
1種又は2種以上を用いることができ、本発明の効果が
発揮されるためにはその配合量は洗浄料中20〜60重
量%が好適である。最近のシリコーン系樹脂が配合され
た落ちにくいメークに対しては、流動油分中にシリコン
系油分を配合することが効果的であり、落ちにくいファ
ンデーションや口紅等のメークに対しても素早くなじ
み、洗浄性の高い洗浄料をとすることができ、容易にし
かも一度でさっぱりときれいにメークを落とすことがで
きる。
【0016】流動油分中にシリコン系油分を配合する場
合には、シリコン系油分の含有量は流動油分中5〜80
重量%であることが好適である。シリコン油が少ないと
シリコン樹脂系メークに対する洗浄性向上の効果が得ら
れず、また、全てをシリコン系油分とすると振とう等に
よる乳化がしにくく、使用に足る乳化性が得られないこ
とがある。本発明の成分(B)の水溶性溶媒は、水相中
で後記の成分(D)界面活性剤とともに溶解することに
よって、油相と水相の間の界面張力を低下させて、簡単
な撹拌や振とうにより系が容易に乳化するのを助ける役
割を有するものである。このような水溶性溶媒として
は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール等の低級一価アルコール類、多価アルコール
類、モノエタノールアミンやトリエタノールアミン等の
アミン類等が挙げられるが、中でも通常化粧料等におい
て保湿剤として知られている多価アルコール類が好適で
ある。
【0017】具体例を例示すると、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレング
リコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−
1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレン
グリコール等の2価のアルコール、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、
等の3価のアルコール、ペンタエリスリトール等の4価
のアルコール、キシリトール等の5価のアルコール、ソ
ルビトール、マンニトール、等の6価のアルコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリ
ン、ポリグリセリン等の多価アルコール共重合体、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールノモブチル
エーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、
エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレング
リコールモノ−2−メチルヘキシルエーテル、エチレン
グリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベ
ンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエー
テル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレン
グリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブ
チルエーテル等の2価のアルコールアルキルエーテル
類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコール、モノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール
モノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等の2価の
アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベ
ート、エチレングリコールジサクシネート、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノフェニルエーテルアセテート等の2価の
アルコールエーテルエステル類、キシルアルコール、セ
ラキルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモ
ノアルキルエーテル、グリソリッド、テトラハイドロフ
ルフリルアルコール、POEテトラハイドロフルフリル
アルコール、POPブチルエーテル、POP・POEブ
チルエーテル、チルポリオキシプロピレングリセリンエ
ーテル、POPグリセリンエーテル、POPグリセリン
エーテルリン酸、POP・POEペンタエリスルトール
エーテル等が挙げられる。
【0018】本発明においてはこれらの水溶性溶媒の
内、1種又は2種以上を用いることができるが、特に好
ましくはグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコールである。
本発明の洗浄料において、水溶性溶媒は水/水溶性溶媒
の重量比が0〜2となるように配合することが好適であ
る。この比が2を越えて大きくなると、乳化性や分離再
現性が悪く、十分ななじみや洗浄性が得られない傾向が
ある。なお、水溶性溶媒の配合量としては特に限定され
ないが、通常5〜60重量%、好ましくは20〜60重
量%である。
【0019】本発明の成分(D)の界面活性剤として
は、非イオン型界面活性剤及び/又はアニオン型界面活
性剤を用いることができ、これら界面活性剤としては通
常化粧料に用いられているものであれば特に限定され
ず、一種又は二種以上を任意に選択して用いることがで
きるが、そのトータルHLB(用いた非イオン型界面活
性剤及びアニオン型界面活性剤全体でのHLB値)は7
〜15の範囲であることが好適である。HLBがこの範
囲をはずれた場合には、乳化性や分離再現性が悪く、な
じみや洗浄性、使用感が劣ることがある。
【0020】なお、本発明におけるHLB値は、非イオ
ン型界面活性剤については下記の川上式(I)により算
出されるものを意味する。 HLB=7+11.7・log(Mw/Mo) …(I) ここで、式(I)においてMwは親水性基部の分子量、
Moは親油性基部の分子量をそれぞれ表す。
【0021】また、アニオン型界面活性剤のHLB値は
下記のデービス法による算出式(II)によって算出され
るものを意味する。 HLB=7+Σ(親水基の基数)−n(−CH2−基の基数) …(II) なお、上記式(II)においてnは−CH2−及び−CH3
の基数を表す。本発明においてトータルHLB(HLB
total)とは、上記(I)及び(II)で算出された各界
面活性剤のHLB値(HLBx)とその配合比率に基づ
いて相加平均したもの、すなわち次式(III)によって
算出されるものを意味する。 HLBtotal=Σ(HLBx×Wx)/Σ(Wx) …(III) なお、式(III)において、WxはHLBxの値を有する
界面活性剤の重量(g)を表す。
【0022】非イオン型界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシエチレン(以下POEと記す)オレイルエー
テル、POEステアリルエーテル、POEラウリルエー
テル、POEアルキルフェニルエーテル、POEベヘニ
ルエーテル、POE2−デシルペンタデシルエーテル、
POE2−デシルテトラデシルエーテル、POE2−オ
クチルデシルエーテル等のエーテル型活性剤、POE硬
化ヒマシ油、POE脂肪酸モノエステル、POE脂肪酸
ジエステル、POEソルビタン脂肪酸エステル等のエス
テル型活性剤、POEグルセリルモノイソステアレー
ト、POEグルセリルトリイソステアレート、POE硬
化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油
トリイソステアレート等のエーテルエステル型活性剤等
のエチレンオキシド付加型界面活性剤の他、デカグリセ
リルテトラオレート、ヘキサグリセリルトリイソステア
レート、テトラグリセリルジイソステアレート、ジグリ
セリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エ
ステル、グリセリルモノイソステアレート、グリセリル
モノオレート等のグリセリン脂肪酸エステル等の多価ア
ルコール脂肪酸エイテル型界面活性剤などが挙げられ
る。
【0023】アニオン型界面活性剤としては、例えば、
セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸
ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステ
ル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、PO
Eラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−ア
シルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウ
リンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリ
ウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂
肪酸アミドスルホン酸塩、POEオレイルエーテルリン
酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等のリ
ン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク
酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポ
リオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル
ポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等
のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリ
エタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸
トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホ
ン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイ
ルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグル
タミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタ
ミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、
硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂
肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、
POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルア
リルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール
硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エ
ステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナ
トリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタ
ノールアミン、カゼインナトリウムドデカン−1,2−
ジオール酢酸エーテルナトリウム、マルチトールヒドロ
キシアルキル(C12、C14)エーテル等が挙げられる。
界面活性剤の配合量は本発明の効果が得られる範囲で適
宜選択すればよいが、通常洗浄料中5〜50重量%であ
る。
【0024】本発明の洗浄料においては、上記必須成分
に加えて、本発明の効果を損なわない質的・量的範囲で
目的に応じて各種の成分を配合することができる。例え
ば、保湿剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、
防腐剤、紫外線吸収剤、香料、色素、キレート剤、酸化
防止剤、粉末の他、ホルモン、ビタミン等の薬剤等が挙
げられる。
【0025】本発明にかかる洗浄料は、油相と水相が分
離した多重相分離型の洗浄料であり、使用時に容器を振
とうするなどして撹拌することにより容易にO/W乳化
することを第1の特徴とする。そして、このような乳化
状態は振とうに続いて皮膚等に塗布される間は十分に保
持されるが、製品をある程度の時間、例えば1分〜24
時間程度放置すれば元の分離状態が完全に再現される程
度の乳化安定性を有することを第2の特徴とする。
【0026】また、本発明の多重相分離型洗浄料は容易
に転相しやすい組成領域に調整されているため、使用時
に振とうによってO/W乳化されたものをメーク部分に
塗布し、なじませると、その際のシェアによって容易に
乳化状態が崩壊して転相し、乳化分散されていた油分が
メークと極めて迅速になじんでメークを素早く浮き上が
らせることができる。これが本発明の洗浄料の第3の特
徴である。さらに、メークとなじませた洗浄料を洗い流
す際には、水と混合すると該洗浄料は容易にO/W型に
再乳化され、洗浄料中の油分に溶解したメークとともに
水できれいにさっぱりと洗い流すことができる。これが
本発明の洗浄料の第4の特徴である。
【0027】このように、本発明にかかる多重相分離型
洗浄料は、メークに対するなじみやすさと、洗浄性、製
品安定性を全て兼ね備え、一度でメークをきれいにさっ
ぱりと洗い流すことができるという特徴を有する優れた
洗浄料である。また、その性状は分離型であるため、単
純な混合で簡単に製品を調製することができ、クレンジ
ングクリームやその他の乳化タイプの洗浄料の調製に必
要な乳化工程が不要であり、時間やコストが大幅に低減
される。
【0028】本発明の洗浄料を使用する際の乳化をより
容易にするために、容器中に本発明の洗浄料と共に撹拌
球を入れておくことも効果的である。撹拌球の材質は金
属やプラスティックなど、自由に選択することができ、
また粒径も目的とする撹拌力に応じて適宜選択できる。
【0029】また、粉末や顆粒等を入れて二層以上の多
重相分離型洗浄料としてもよい。粉末としては、例え
ば、タルク、カオリン、絹雲母(セリサイト)、白雲
母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、
バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、
タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオラ
イト、ベントナイト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウ
ム(焼石膏)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、
ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、窒化ホウ
素、二酸化チタン、酸化亜鉛などの無機粉末、ポリアミ
ド樹脂粉末、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、ポリプ
ロピレン粉末、ポリエステル粉末、ポリメタクリル酸粉
末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合
体樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹
脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末な
どの有機粉末が挙げられる。
【0030】以下、具体例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、以下の配合量及び比率は特に指定のない限り
重量%及び重量比で示す。まず、各試験で用いた各種試
験方法について説明する。
【0031】なじみ 女性パネラー10名の上腕内側に下記処方で調製した油
性ファンデーション(シリコン樹脂を含有する落ちにく
いタイプのもの)を直前によく撹拌混合してから塗布
し、乾燥させた後、良く振とうした被験試料をとってフ
ァンデーションとのなじみの早さ(メークの浮き上がり
の早さ)を評価した。
【0032】<調製方法>上記各成分を撹拌混合し、さ
らにホモミキサーで処理して油性ファンデーションを調
製した。 <なじみの評価基準> ◎…9名以上のパネラーがなじみが早いと評価した。 ○…7〜8名のパネラーがなじみが早いと評価した。 △…4〜6名のパネラーがなじみが早いと判断した。 ×…3名以下のパネラーがなじみが早いと評価した。
【0033】洗浄性 女性パネラーの上腕内側に上記なじみ試験において用い
た油性ファンデーションを塗布し、良く振とうした被験
試料をとって充分になじませた後、水で洗い流し、マイ
クロスコープにてファンデーションの残存を調べた。評
価は以下の基準で行った。 <洗浄性の評価基準> ◎…ファンデーションが完全に落ちている。 ○…皮溝にファンデーションが極僅かに残っている。 △…皮溝に明らかにファンデーションが残っている。 ×…皮溝及び皮丘にファンデーションが残っている。
【0034】使用感 上記なじみ試験後に水で洗浄し、洗い上がりの感触を女
性パネラー10名に評価してもらい、以下の基準で評価
を行った。 <使用感の評価> ◎:さっぱりしてべたつかないと評価したパネラーが9
名以上 ○:さっぱりしてべたつかないと評価したパネラーが7
〜8名 △:さっぱりしてべたつかないと評価したパネラーが4
〜6名 ×:さっぱりしてべたつかないと評価したパネラーが3
名以下
【0035】乳化性 本発明の多重相分離型洗浄料においては、使用時に簡単
な振とう等で容易に乳化することが必要である。そこ
で、乳化性を次のようにして評価した。すなわち、各洗
浄料20gを50ml容栓付容器に注入し、栓をして手
で上下に10回振とうし、その直後の外観を肉眼で観察
した。 <乳化性の評価> ◎:均一に乳化している。 ○:ほとんど均一に乳化している。 △:油相や水相の分離が認められ、均一に乳化されてい
ない部分がある。 ×:ほとんど乳化しない。
【0036】分離再現性 本発明の多重相分離型洗浄料において、振とう後の乳化
安定性を適度にコントロールし、ある時間経過後にはも
との分離状態が再現されることが製品価値上重要であ
る。そこで、分離再現性を次のように評価した。すなわ
ち、上記乳化試験と同様の操作を行った後、容器を静置
し、肉眼で元の状態が再現されるまでの時間を測定し
た。 <分離再現性の評価> ◎:再現までの時間が3分以上1時間未満 ○:再現までの時間が1分以上3分未満又は1時間以上
24時間未満 △:再現までの時間が30秒以上1分未満又は24時間
以上2日未満 ×:再現までの時間が30秒未満又は2日以上10日未
【0037】試験例1 水と水溶性溶媒の比率の検討 下記の表1に示す処方で各成分を混合し、洗浄料を調製
した。
【表1】 ──────────────────────────────────── 成分* 組 成 (重量%) ──────────────────────────────────── (A)流動油分 30 30 30 30 30 30 (B)水溶性溶媒 60 40 30 20 15 12 (C)精製水 0 20 30 40 45 48 (D)界面活性剤 10 10 10 10 10 10 ──────────────────────────────────── (C)/(B)[重量比] 0 0.5 1 2 3 4 ──────────────────────────────────── 乳化性 ◎ ◎ ◎ ○ △ × 分離再現性 ◎ ◎ ◎ ○ △ × なじみ ○ ○ ○ ○ △ × 洗浄性 ○ ○ ○ ○ △ × ──────────────────────────────────── *表1で用いた成分は、具体的には次の通り。 (A)流動油分;流動パラフィン/セチル-2-エチルヘキサノエート=2/1 (B)水溶性溶媒;ジプロピレングリコール (D)界面活性剤;POE(6)オレイルエーテル(HLB=8)
【0038】表1からわかるように、水/水溶性溶媒の
比率が高くなると乳化性、分離再現性が低下し、このた
め、塗布が不均一となってなじみや洗浄性が劣る傾向が
認められた。これは、水/水溶性溶媒の比率が高くなる
ことによって水相の油相に対する界面張力が高くなるた
めと推察される。以上のことから、本発明の多重相分離
型洗浄料において水/水溶性溶媒の重量比は0〜2であ
ることが好適である。
【0039】試験例2 油分量の検討
【表2】 ──────────────────────────────────── 成分* 組 成 (重量%) ──────────────────────────────────── (A)流動油分 10 20 40 50 60 70 (B)水溶性溶媒 60 52.5 37.5 30 22.5 15 (C)精製水 20 17.5 12.5 10 7.5 5 (D)界面活性剤 10 10 10 10 10 10 ──────────────────────────────────── 乳化性 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ △ 分離再現性 △ ○ ◎ ◎ ○ ○ なじみ △ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ 洗浄性 △ ○ ○ ○ ○ △ 使用感 △ ○ ○ ○ ○ △ ──────────────────────────────────── *表2で用いた成分は、具体的には次の通り。 (A)流動油分;流動パラフィン (B)水溶性溶媒;プロピレングリコール (D)界面活性剤;POE(3)ラウリルエーテル
【0040】表2からわかるように、油分量を増量する
となじみはよくなるが、乳化性は低下する。このため、
洗浄性や使用感の評価が低くなった。一方、油分量が少
ない場合には乳化性は良好であるが、分離再現性が悪
く、また、メークを溶解するための油分量が相対的に少
ないためになじみや洗浄性、使用感も劣る結果となっ
た。以上のことから、本発明の多重相分離型洗浄料にお
いて流動油分の好適な配合量は20〜60重量%であ
る。
【0041】試験例3 シリコーン系油分の配合
【表3】 ──────────────────────────────────── 成分* 組 成 (重量%) ──────────────────────────────────── (A)流動油分 流動パラフィン 20 19 15 10 4 - シ゛メチルホ゜リシロキサン(20cps) - 1 5 10 16 20 (B)水溶性溶媒 60 60 60 60 60 60 (C)精製水 10 10 10 10 10 10 (D)界面活性剤 10 10 10 10 10 10 ──────────────────────────────────── 乳化性 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ 分離再現性 ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ なじみ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 洗浄力 ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 使用感 ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ──────────────────────────────────── *表3で用いた成分は、具体的には次の通り。 (B)水溶性溶媒;グリセリン (D)界面活性剤;POE(10)オレイルエーテル
【0042】表3からわかるように、流動油分中にシリ
コーン系油分を配合するとメークに対するなじみや洗浄
性などが向上した。一方、シリコーン系油分の配合量が
多すぎると乳化性が低下し、その結果、なじみや洗浄性
等が低下する傾向が認められた。以上のことから、本発
明の多重相分離型洗浄料において、流動油分全量に対す
るシリコーン系油分の配合量は5〜80重量%であるこ
とが好適である。
【0043】試験例4 HLBの検討 表4に示す、HLBが5〜17の非イオン型界面活性剤
を用いて下記の処方で混合し、洗浄料を調製した。な
お、その他の成分は、具体的には次の通り。 (A)流動油分;流動パラフィン/ジメチルポリシロキサ
ン(6cps)=4/1 (B)水溶性溶媒;1,3-ブチレングリコール <処方> (A)流動油分 50重量% (B)水溶性溶媒 30 (C)精製水 10 (D)非イオン型界面活性剤(表4参照) 10
【0044】
【表4】 ──────────────────────────────────── HLB 非イオン型界面活性剤 ──────────────────────────────────── 5 POE(3)セチルエーテル 7 POE(6)ステアリルエーテル 10 POE(10)オレイルエーテル 12 POE(15)オレイルエーテル 15 POE(25)セチルエーテル 17 POE(40)ステアリルエーテル ────────────────────────────────────
【0045】
【表5】 ──────────────────────────────────── HLB 5 7 10 12 15 17 ──────────────────────────────────── 乳化性 ○ ◎ ◎ ○ ○ △ 分離再現性 ○ ◎ ◎ ○ ○ △ なじみ ◎ ◎ ◎ ○ ○ △ 洗浄性 △ ○ ◎ ◎ ○ △ 使用感 △ ○ ◎ ◎ ○ △ ────────────────────────────────────
【0046】表5に示すように、非イオン型界面活性剤
のHLBが低すぎる場合にはなじみは早いが洗浄性が悪
く、後残り感からさっぱりしないため、使用感も悪かっ
た。一方、HLBが高すぎる場合には乳化性や分離再現
性が悪く、なじみや洗浄性、使用感も劣る傾向があり、
これらのことから好適なHLBとしては7〜15である
ことが示唆された。
【0047】さらに、界面活性剤として、アニオン型界
面活性剤と非イオン型界面活性剤の混合系を用いた場合
についてもHLBの検討を行った。すなわち、(1)ア
ニオン型界面活性剤としてラウリン酸ナトリウム(HL
B=21)と、(2)非イオン型界面活性剤としてジイ
ソステアリン酸ジグリセリン(HLB=3)とを用い、
下記表6に示す割合で(1)と(2)を混合し、HLB
が5〜17の界面活性剤系列を調製した。この表6の各
界面活性剤を用い、前記表5と同様の処方で洗浄料を調
製した。その結果、下記表7に示すように、非イオン型
界面活性剤とアニオン型界面活性剤を併用した場合にお
いても界面活性剤のトータルHLBを7〜15の範囲と
すれば、前記表5の場合と同様に各評価において良好な
結果が得られた。以上のことから、本発明において用い
る界面活性剤のトータルHLBとしては、7〜15が好
適である。
【0048】
【表6】 ──────────────────────────────────── HLB (1)アニオン型界面活性剤/(2)非イオン型界面活性剤 ──────────────────────────────────── 5 11/89 7 22/78 10 39/61 12 50/50 15 67/33 17 78/22 ────────────────────────────────────
【0049】
【表7】 ──────────────────────────────────── HLB 5 7 10 12 15 17 ──────────────────────────────────── 乳化性 ○ ◎ ◎ ○ ○ △ 分離再現性 ○ ◎ ◎ ○ ○ △ なじみ ◎ ◎ ◎ ○ ○ △ 洗浄性 △ ○ ◎ ◎ ○ △ 使用感 △ ○ ◎ ◎ ○ △ ────────────────────────────────────
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げるが、本発明は
これに限定されるものではない。なお、配合量は全て重
量%である。
【0051】実施例1 ジメチルポリシロキサン(6cps) 10 デカメチルシクロペンタシロキサン 10 流動パラフィン 10 ホホバ油 5 グリセリン 20 ジプロピレングリコール 5 POE(12)ジイソステアレート 10 ラウリン酸ナトリウム 3 精製水 16.9 ポリエチレン粉末 5 エタノール 5 メチルパラベン 0.1 <製法>各成分を混合して容器に充填し、水相−油相−
粉末相からなる3相分離型洗浄料を得た。
【0052】実施例2 オレイン酸デシル 4 スクワラン 15 メチルフェニルポリシロキサン 10.5 マカデミアンナッツオイル 0.5 1,3-ブチレングリコール 14.9 エチレングリコール 10 POE(30)硬化ヒマシ油 10 精製水 30 顆粒* 5 d,l-トコフェロール 0.1
【0053】*顆粒の組成は、ポリエチレン粉末90重
量%、タルク8.5重量%、エチルセルロース1.5重
量%である。 <製法>各成分を混合して容器に充填し、水相−油相−
粉末相からなる3相分離型洗浄料を得た。
【0054】比較例1 クレンジングオイル 流動パラフィン 50 2-エチルヘキシルステアレート 20 シリコーンオイル 20 POEオレイルアルコールエーテル 10 <製法>各成分を混合して容器に充填し、単一相からな
るクレンジングオイルを得た。
【0055】比較例2 クレンジングクリーム(O/W型) ステアリン酸 2 セチルアルコール 3 ワセリン 10 流動パラフィン 38 イソプロピルミリステート 10 プロピレングリコール 5 モノステアリン酸グリセリン 2.5 POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 2.5 水酸化カリウム 0.1 精製水 26.9 <製法>上記の処方で、常法により乳化し、O/W型ク
レンジングクリームを得た。
【0056】比較例3 油性ジェル(乳化タイプ) 流動パラフィン 12 グリセロールトリ-2-エチルヘキサン酸エステル 50 ソルビトール 10 ポリエチレングリコール400 5 アシルメチルタウリン 5 POEオクチルドデシルアルコールエーテル 10 精製水 8 <製法>上記の処方で、常法により乳化し、油性ジェル
を得た。
【0057】上記比較例1〜3はそれぞれ従来よりメー
クのクレンジング用として汎用されている製品安定性の
高い洗浄料であるが、表8に示すように何れもなじみ
や、洗浄性、使用感全てを満足するものではない。これ
に対して、実施例1〜2は何れの評価においても優れた
ものであった。また、その形態は多重相分離型である
が、乳化性、分離再現性が良好で、製品安定性に特に問
題はなかった。
【表8】 ──────────────────────────────────── 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 比較例3 ──────────────────────────────────── なじみ ◎ ◎ ◎ ○ △ 洗浄性 ◎ ◎ ○ △ △ 使用感 ◎ ◎ × △ ○ ────────────────────────────────────
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、流動油分、水溶性溶
媒、水、界面活性剤を適正な割合及びHLB範囲で配合
することにより、使用時の振とうで容易に乳化し、静置
後はもとのように分離する多重相分離型洗浄料が得ら
れ、従来のクレンジング料では得ることのできなかった
メークに対するなじみの早さ、洗浄性、洗い上がりのさ
っぱり感を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)流動油分と、(B)水溶性溶媒
    と、(C)水と、(D)界面活性剤として非イオン型界
    面活性剤及び/又はアニオン型界面活性剤とを含有し、
    (A)流動油分の配合量が組成物全量に対して20〜6
    0重量%であり、(C)水/(B)水溶性溶媒の重量比
    が0〜2であり、且つ(D)界面活性剤のトータルHL
    Bが7〜15であることを特徴とする多重相分離型洗浄
    料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の洗浄料において、(A)
    流動油分中、シリコン系油分を5〜80重量%含有する
    ことを特徴とする多重相分離型洗浄料。
JP27426296A 1996-09-24 1996-09-24 多重相分離型洗浄料 Withdrawn JPH10101529A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27426296A JPH10101529A (ja) 1996-09-24 1996-09-24 多重相分離型洗浄料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27426296A JPH10101529A (ja) 1996-09-24 1996-09-24 多重相分離型洗浄料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10101529A true JPH10101529A (ja) 1998-04-21

Family

ID=17539234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27426296A Withdrawn JPH10101529A (ja) 1996-09-24 1996-09-24 多重相分離型洗浄料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10101529A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1135421A (ja) * 1997-07-17 1999-02-09 Shiseido Co Ltd 液状油性皮膚洗浄料
JP2002241223A (ja) * 2001-02-14 2002-08-28 Kose Corp 油性洗浄料
WO2009004952A1 (ja) 2007-06-29 2009-01-08 The Nisshin Oillio Group, Ltd. シリコーンを含有する化粧料
JP2010024177A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Nippon Menaade Keshohin Kk メイクアップリムーバー
JP2010265265A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Evonik Goldschmidt Gmbh 多相化粧料組成物
WO2010140329A1 (ja) 2009-06-03 2010-12-09 花王株式会社 透明多層液状化粧料
CN107095807A (zh) * 2017-06-30 2017-08-29 广州澳希亚实业有限公司 一种双层沐浴液及其制备方法
JP2020033313A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 株式会社マンダム 皮膚化粧料
WO2021075549A1 (ja) * 2019-10-17 2021-04-22 株式会社 資生堂 多層クレンジング組成物

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1135421A (ja) * 1997-07-17 1999-02-09 Shiseido Co Ltd 液状油性皮膚洗浄料
JP2002241223A (ja) * 2001-02-14 2002-08-28 Kose Corp 油性洗浄料
WO2009004952A1 (ja) 2007-06-29 2009-01-08 The Nisshin Oillio Group, Ltd. シリコーンを含有する化粧料
JP2010024177A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Nippon Menaade Keshohin Kk メイクアップリムーバー
JP2010265265A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Evonik Goldschmidt Gmbh 多相化粧料組成物
WO2010140329A1 (ja) 2009-06-03 2010-12-09 花王株式会社 透明多層液状化粧料
CN102802597A (zh) * 2009-06-03 2012-11-28 花王株式会社 透明多层液状化妆品
CN107095807A (zh) * 2017-06-30 2017-08-29 广州澳希亚实业有限公司 一种双层沐浴液及其制备方法
CN107095807B (zh) * 2017-06-30 2020-06-16 广州澳希亚实业有限公司 一种双层沐浴液及其制备方法
JP2020033313A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 株式会社マンダム 皮膚化粧料
WO2021075549A1 (ja) * 2019-10-17 2021-04-22 株式会社 資生堂 多層クレンジング組成物
CN114555041A (zh) * 2019-10-17 2022-05-27 株式会社资生堂 多层清洁组合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5311842B2 (ja) クレンジング化粧料並びにその製造方法
EP0875235B1 (en) Hair cosmetics
JP5561756B2 (ja) マイクロエマルション
JP2537629B2 (ja) 毛髪化粧料
ES2693086T3 (es) Composición de gel
JP2009242340A (ja) クレンジング化粧料
JP2001039817A (ja) 透明化粧料
JP2017178930A (ja) 洗浄剤組成物
TW201336521A (zh) 水中油型乳化皮膚清洗料
JPH10101529A (ja) 多重相分離型洗浄料
JPH09165317A (ja) 水中油型乳化組成物
JP3665507B2 (ja) 固形状油中水型乳化化粧料
JP2000327529A (ja) クレンジング化粧料
JP2006045197A (ja) 化粧料用組成物及び化粧料
JPH07267814A (ja) 化粧水型乳化組成物
JP2000143454A (ja) 油性毛髪化粧料
JP4101437B2 (ja) ゲル状化粧料
JP3942531B2 (ja) 透明自己乳化型油性化粧料
JPH0725726A (ja) 皮膚洗浄料
JP3881953B2 (ja) 液状油性皮膚洗浄料
JPH11228378A (ja) 乳化化粧料
JP7028657B2 (ja) 液状油性の皮膚洗浄用組成物
JP2001288036A (ja) 透明クレンジング料
JP3568141B2 (ja) 油中水型乳化組成物
JPH11286418A (ja) 水中油型毛髪化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20031202