JP3571819B2 - 生化学画像解析装置 - Google Patents

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    • G06V20/69Microscopic objects, e.g. biological cells or cellular parts

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、生化学画像解析装置に関するものであり、さらに詳細には、少なくとも一種の試料を一次元的に展開して得られた試料中の標識物質の位置情報を含む生化学測定画像上の定量解析すべき領域を自動的に画定することのできる生化学画像解析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この試料を、高感度X線フィルムなどの放射線フィルムに一定時間重ね合わせることによって、放射線フィルムを感光させ或いは露光し、放射線フィルムの感光された部位に基づき、試料中の放射性標識物質の位置情報を得るようにしたオートラジオグラフィ検出方法や、蛋白質、核酸配列などの固定された高分子を、化学発光物質と接触して、化学発光を生じさせる標識物質により、選択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された高分子と、化学発光物質とを接触させて、化学発光物質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を検出することによって、遺伝子情報などの高分子に関する情報を得るようにした化学発光検出方法が知られている。
これらの方法は、従来、検出材料として、写真フイルムを用い、写真フイルム上に、放射線画像や化学発光画像を記録し、目視によって、可視画像を検出することによって、おこなわれていたが、検出材料として、写真フイルムを用いる場合には、オートラジオグラフィ検出方法にあっては、放射線フイルムの感度が低く、画像記録に多大な時間を要するという問題があり、また、化学発光検出方法にあっては、微弱な化学発光を確実に検出するために、γ値の高い高感度フイルムを用いる必要があるが、γ値の高い高感度フイルムを用いるときは、確実に、特性曲線の直線部を用いて、露光することが困難であって、露光ミスが多く、露光条件を変えて、繰り返し、露光する必要があるという問題があり、さらには、いずれの方法にあっても、現像処理という化学的処理が必要不可欠であって、操作が煩雑であるという問題を有している。
【0003】
そこで、従来の写真フイルムに代えて、放射線、可視光、電子線などが照射されると、そのエネルギーを吸収して、蓄積し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線、可視光、電子線などのエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性蛍光体を、放射線、可視光、電子線などの検出材料として用い、輝尽性蛍光体から発せられた輝尽光を、光電的に検出して、ディジタル信号に変換し、得られた画像データに所定の画像処理を施した後に、画像を、CRT画面などの表示手段あるいは写真フイルム上に再生するようにしたオートラジオグラフィ検出方法および化学発光検出方法が提案されている(たとえば、特公平1−60784号公報、特公平1−60782号公報、特公平4−3952号公報、米国特許第5,028,793号、英国特許出願公開GB第2,246,197Aなど)。
この輝尽性蛍光体を用いた検出方法によれば、現像処理という化学的処理が不必要であるだけでなく、オートラジオグラフィ検出方法にあっては、露光時間を大幅に短縮することができ、化学発光検出方法にあっては、露光ミスが少なく、容易に、露光をおこなうことができるという利点があり、さらには、ディジタル信号に変換された後に、画像が再生されるので、画像データに、信号処理を施すことによって、所望のように、画像を再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能になり、好ましい。
【0004】
したがって、かかる方法を利用し、少なくとも一種の試料を一次元的に展開して得られた試料中の放射性標識物質の位置情報を含むオートラジオグラフィ画像あるいは試料中の標識物質の位置情報を含む化学発光画像を読み取って、画像データを生成し、解析する画像解析装置が提案されており、薄層クロマトグラフィー(TLC:Thin Layer Chromatography)法によって得られた画像、サザン・ブロット・ハイブリタイゼーション法を利用した遺伝子の画像、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうための画像の解析に利用されている。
これらのうち、薬物代謝研究の分野において、薬物代謝を調べるために、しばしば用いられている薄層クロマトグラフィー法は、固定相として、薬物との相互作用をもつ物質を均一な薄層にして、その上で、薬物あるいは代謝物を分離するものであり、オートラジオグラフィによる場合には、実験動物に放射性物質(放射性同位体:RI)で標識した薬物を投与し、その薬物が体内で変化した場合の成分を分析することができる。たとえば、放射性物質(放射性同位体:RI)で標識化した薬物を実験動物に投与してから一定時間経過後に、実験動物の特定の部位より採取した尿、血液、組織などに所定の処理を施し、それを、ガラス板の上に0.5mm程度の薄いシリカゲルの粉を塗布したTLCプレート上の所定の位置にスポットし、これを展開溶媒に浸して、クロマトグラフィー展開すると、TLCプレート上に、成分ごとに分離されたスポットが形成される。このTLCプレートを、蓄積性蛍光体シートに転写し、画像読み取り装置を用いて、蓄積性蛍光体シートを電磁波によって走査して、蓄積性蛍光体シートから放出される輝尽光を、光電的に検出し、試料から蓄積性蛍光体シートに転写された放射性標識物質の位置情報を電気信号に変換してデータを生成する。画像解析装置は、こうして得られたデータを受信し、これをハードディスクなどのデータ記憶手段に、記憶することによって、蓄積性蛍光体シートに転写された放射性標識物質の位置情報を含む画像データを記憶し、さらに、データ記憶手段に記憶された画像データから所望のデータを選択して、これに所望の信号処理を施し、あるいは、所定の拡大率で拡大することにより、放射性標識物質の位置情報を精度良く得るのに適した画像をCRTの画面などの表示手段上に再生することができる。
【0005】
このような画像解析装置においては、画像データの所望の領域を関心領域として画定し、蓄積性蛍光体シートからの発光量を、画像データの関心領域に含まれる画像を構成する画素の濃度を数値化して、その総和を求めることにより、画像の所望の領域の濃度、すなわち、蓄積性蛍光体シートからの発光量を定量化することができ、さらに、複数の関心領域をグループ化して、グループに属する関心領域の各々の濃度の比、すなわち、蓄積性蛍光体シートからの発光量の比などを算出して、画像の所望の領域間の濃度、すなわち、蓄積性蛍光体シートからの発光量を比較し、定量解析ができるように構成されている。たとえば、前述した薄層クロマトグラフィー法を用いた薬物代謝研究の分野において、TLCプレート上に、同時に複数の物質をスポットして、クロマトグラフィー展開する場合、たとえば、ある実験動物に薬物を投与してから、30分後、1時間後、2時間後、5時間後に、その実験動物から血液を採取し、それらをTLCプレート上に横方向にスポットし、クロマトグラフィー展開する場合に、このように生成されたTLCプレートを転写した蓄積性蛍光体シートから得られた画像データから、TLCプレート上のスポットが形成されている位置に対応する領域を関心領域として画定し、さらに、複数の所定の領域をグループ化し、各関心領域の濃度を数値化して、グループに属する各領域の濃度の比を調べることができる。
【0006】
このような定量化処理および定量解析をするために、オートラジオグラフィ画像解析装置あるいは化学発光画像解析装置は、表示装置の画面上に形成された画像中に、矩形などで囲まれた関心領域を画定し、関心領域内に存在する画像の濃度データを得ることができるように構成されている。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、従来のオートラジオグラフィ画像解析装置あるいは化学発光画像解析装置においては、操作者が定量しようとする領域ごとに、関心領域を画定する必要があり、その操作が煩雑であるという問題点があった。
たとえば、前述したように、TLCプレート上に、同時に二種以上の試料をスポットして、クロマトグラフィー展開したものを、転写した蓄積性蛍光体シートから画像データを得た場合に、画像の所望の関心領域間の濃度、すなわち、蓄積性蛍光体シートからの発光量を比較し、定量解析をするためには、操作者は、CRTなどの表示手段に表示された画像を観察して、TLCプレート上に形成されているスポットごとに、複数の関心領域を設定する必要がある。しかしながら、このような方法では、得られた画像データに形成されたスポットを含む所望の関心領域の定量処理を、迅速にすることができないという問題点があった。
さらに、たとえば、ある試料をクロマトグラフィー展開することにより得られた特定のレーン内に含まれる複数のスポットに対応する関心領域の濃度データの比などを求めて、定量解析をしようとする場合、或いは、クロマトグラフィー展開された二以上の試料間で、対応する位置に形成されたスポットに対応する関心領域の濃度データの比などを求めて、定量解析をしようとする場合には、設定した関心領域に基づき、複数の関心領域をグループ化する必要がある。しかし、画像を観察して、操作者が、このような複数の関心領域をグループ化するのでは、複数の所望の領域の定量解析を、迅速にすることができないという問題点があった。
【0008】
これらは、薄層クロマトグラフィー法によって得られた画像に限らず、少なくとも一種の試料を一次元的に展開して得られた試料中の放射性標識物質の位置情報を含むオートラジオグラフィ画像や試料中の標識物質の位置情報を含む化学発光画像の解析をおこなう必要があるサザン・ブロット・ハイブリタイゼーション法を利用した遺伝子の画像、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうための画像の解析をする場合にも同様に問題となっていた。
また、このことは、試料中の標識物質の位置情報を、従来のオートラジオグラフィや化学発光検出方法と同様に、写真フィルムに記録し、可視画像を、一旦、再生した後に、再生された可視画像を光電的に読み取って、電気信号化し、得られた画像データに、所望の信号処理を施すことにより、標識物質の位置情報を、画像として、CRT画面などの表示手段上に再生する場合にも、同様に問題になる。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、操作者による煩雑な操作を必要とすることなく、迅速に、生化学測定画像中の定量化あるいは定量解析すべき関心領域を画定することのできる生化学画像解析装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【発明の構成】
本発明によれば、少なくとも一つの試料を一次元的に展開して得られた試料中の標識物質の位置情報を、電気信号に変換して得られたデータに基づき、生成された生化学画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から画像データを選択して、所定の処理を施すことにより、平面座標系に展開された表示画像データを生成する表示画像データ生成手段と、前記表示画像データに基づき、画像を表示する表示手段と、前記表示画像データを、前記表示画像データが展開される前記平面座標系の一方の座標軸方向に分割して、前記一方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第1の分割座標データを生成する第1の画像データ分割手段と、前記表示画像データの中から、前記表示手段に表示されるべき画像のノイズに対応するデータを除去して、ノイズ除去画像データを生成する第1のノイズ除去手段を備え、前記第1の画像分割手段が、前記第1のノイズ除去手段によりノイズに対応するデータが除去されたノイズ除去データに一次元フーリエ変換を施して、濃度データのピークの座標を推定するピーク推定手段と、該ピーク推定手段により推定されたピークの座標を補正するピーク座標補正手段と、該ピーク座標補正手段により得られたピークの座標にしたがって、第1の分割座標データを生成するレーン分割座標データ生成手段を備えた、ことを特徴とする生化学画像解析装置が提供される。
【0011】
本発明の好ましい実施態様によれば、生化学画像解析装置は、さらに、前記一方の座標軸方向に分割された前記表示画像データを、前記平面座標系の他方の座標軸方向に分割し、前記レーンごとに、前記他方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するスポットを形成するための第2の分割座標データを生成する第2の画像データ分割手段と、前記第1の分割座標データと前記第2の分割座標データとに基づいて、前記各レーンに形成されたスポットが属すべきグループを示すグループデータを生成するグループデータ生成手段を備えている。
本発明の別の好ましい実施態様によれば、前記グループデータ生成手段が、各レーンの前記第2の分割座標データを対比して、前記各レーンに形成されたスポットをグループ化するスポットグループ化手段と、前記各レーンの前記第2の分割座標データを比較して、各レーンをグループ化するレーングループ化手段と、該レーングループ化手段による前記各レーンのグループ化の結果に基づいて、前記スポットグループ化手段によりグループ化されたスポットのグループを補正するスポットグループ化補正手段を備えている。
【0012】
また、本発明によれば、少なくとも一つの試料を一次元的に展開して得られた試料中の標識物質の位置情報を、電気信号に変換して得られたデータに基づき、生成された生化学画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から画像データを選択して、所定の処理を施すことにより、平面座標系に展開された表示画像データを生成する表示画像データ生成手段と、前記表示画像データに基づき、画像を表示する表示手段と、前記表示画像データを、前記表示画像データが展開される前記平面座標系の一方の座標軸方向に分割して、前記一方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第1の分割座標データを生成する第1の画像データ分割手段と、前記一方の座標軸方向に分割された前記表示画像データを、前記平面座標系の他方の座標軸方向に分割し、前記レーンごとに、前記他方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するスポットを形成するための第2の分割座標データを生成する第2の画像データ分割手段と、前記第1の分割座標データと前記第2の分割座標データとに基づいて、前記各レーンに形成されたスポットが属すべきグループを示すグループデータを生成するグループデータ生成手段と、を備え、前記グループデータ生成手段が、各レーンの前記第2の分割座標データを対比して、前記各レーンに形成されたスポットをグループ化するスポットグループ化手段と、前記各レーンの前記第2の分割座標データを比較して、各レーンをグループ化するレーングループ化手段と、該レーングループ化手段による前記各レーンのグループ化の結果に基づいて、前記スポットグループ化手段によりグループ化されたスポットのグループを補正するスポットグループ化補正手段を備えたことを特徴とする生化学画像解析装置が提供される。
【0013】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記第2の画像データ分割手段が、前記第1の画像データ分割手段により生成された第1の分割座標データに基づいて画定されたレーンごとに、前記他方の座標の値を共通にする画素データの有する濃度データの値を累算し、前記他方の座標方向の周辺分布データを算出する周辺分布データ算出手段と、前記周辺分布データ算出手段により算出された周辺分布に対応するデータに基づいて、前記レーンごとのスポットを画定する第2の分割座標データを生成するスポット分割座標データ生成手段とを有し、前記スポット分割座標データ生成手段が、前記周辺分布データ算出手段により算出された周辺分布に対応するデータの値を所定値と比較して、領域開始点および領域終了点を検出する領域開始点/終了点検出手段と、前記周辺分布データ算出手段により算出された周辺分布に対応し前記領域開始点と前記領域終了点との間に存在するデータの微分値の符号が変化するピーク点を検出するピーク点検出手段と、前記領域開始点および領域終了点ならびに前記ピーク点に基づいて、前記スポットを形成するための第2の分割座標データを算出する分割座標データ算出手段とを有する。
【0014】
本発明の好ましい実施態様によれば、さらに、前記表示画像データの中から、前記表示手段に表示されるべき画像の背景ノイズに対応するデータを除去して、ノイズ除去画像データを生成する背景ノイズ除去手段を備え、前記第1の画像データ分割手段が、前記ノイズ除去画像データを、前記表示画像データが展開される前記平面座標系の一方の座標軸方向に分割して、前記一方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第1の分割座標データを生成するように構成されている。
【0015】
本発明によれば、少なくとも一つの試料を一次元的に展開して得られた試料中の標識物質の位置情報を、電気信号に変換して得られたデータに基づき、生成された生化学画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から画像データを選択して、所定の処理を施すことにより、平面座標系に展開された表示画像データを生成する表示画像データ生成手段と、前記表示画像データに基づき、画像を表示する表示手段と、前記表示画像データを、前記表示画像データが展開される前記平面座標系の一方の座標軸方向に分割して、前記一方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第1の分割座標データを生成する第1の画像データ分割手段と、前記表示画像データの中から、前記表示手段に表示されるべき画像の背景ノイズに対応するデータを除去して、ノイズ除去画像データを生成する背景ノイズ除去手段を備え、前記第1の画像データ分割手段が、前記ノイズ除去画像データを、前記表示画像データが展開される前記平面座標系の一方の座標軸方向に分割して、前記一方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第1の分割座標データを生成するように構成され、前記背景ノイズ除去手段が、前記表示画像データを構成する複数の画素を含む領域を画定し、前記領域の所定の位置にある画素データの有する濃度データが、前記領域の他の位置にある画素データの有する濃度データと異なる場合に、前記所定の位置にある画素データの有する濃度データの値を、所定の値に変換し、前記領域中の孤立した濃度データを有する画素データを除去する孤立点除去手段と、前記孤立点除去手段から出力されたデータを二値化する二値化手段と、前記二値化手段から出力されたデータから、複数の画素データを含む領域を画定し、前記領域の所定の位置にある画素データの有する濃度データが、前記領域の他の位置にある画素データの有する濃度データと異なる場合に、前記所定の位置にある画素データの有する濃度データの値を、所定の値に変換し、該領域中の孤立した濃度データを有する画素データを除去する第2の孤立点除去手段を備えたことを特徴とする生化学画像解析装置が提供される。
【0016】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記濃度データの値が、大きくなるにしたがって、前記濃度データを有する画素データに対応する画像が、前記表示手段上に白く表示されるように構成され、前記背景ノイズ除去手段が、さらに、前記表示画像データを構成する画素データの有する濃度データを、所定の範囲に拡張して、コントラストを強調するコントラスト強調手段と、前記コントラストの強調された表示画像データの濃度ヒストグラムを生成し、前記濃度ヒストグラムの面積の所定の割合を占める点より大きな値を有する濃度データに、濃度データの最大値を付与する濃度変換手段とを有し、前記濃度変換手段により濃度データの変換されたデータが、前記孤立点除去手段に与えられる。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記濃度データの値が、大きくなるにしたがって、前記濃度データを有する画素データに対応する画像が、前記表示手段上に白く表示されるように構成され、前記背景ノイズ除去手段が、さらに、前記表示画像データを構成する画素データの有する濃度データを、所定の範囲に拡張して、コントラストを強調するコントラスト強調手段と、前記表示画像データから選択された所定の領域に含まれる画素データの有する濃度データの平均値を算出し、前記平均値より大きな値を有する濃度データに、濃度データの最大値を付与する濃度変換手段を有し、前記濃度変換手段により濃度データの変換されたデータが、前記孤立点除去手段に与えられる。
【0017】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、画像データが、蓄積性蛍光体シートを用いて生成されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記画像データが、オートラジオグラフィ画像データおよび化学発光画像データよりなる群から選ばれる画像データにより構成されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、オートラジオグラフィ画像データが、試料から発せられる放射線または電子線を、輝尽性蛍光体に蓄積、吸収させ、しかる後に、前記輝尽性蛍光体に、電磁波を照射して、該輝尽性蛍光体から発せられた光を光電変換することにより得られている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、化学発光画像データが、試料から発せられる可視光を、輝尽性蛍光体に蓄積、吸収させ、しかる後に、前記輝尽性蛍光体に、電磁波を照射して、該輝尽性蛍光体から発せられた光を光電変換することにより得られている。
本発明において、位置情報とは、試料中における放射性標識物質もしくはその集合体の位置を中心とした各種の情報、たとえば、試料中に存在する放射性標識物質の集合体の存在位置と形状、その位置における放射性標識物質の濃度、分布などからなる情報の一つもしくは任意の組み合わせとして得られる各種の情報を意味するものである。
【0018】
本発明において、オートラジオグラフィ画像を生成するために使用することのできる輝尽性蛍光体としては、放射線のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄積している放射線のエネルギーを光の形で放出可能なものであればよく、とくに限定されるものではないが、可視光波長域の光によって励起可能であるものが好ましい。具体的には、たとえば、特開昭55−12145号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(Ba1−x,2+ )FX:yA(ここに、M2+はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、He、Nd、YbおよびErからなる群より選ばれる少なくとも一種の3価金属元素、xは0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2である。)、特開平2−276997号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体SrFX:Z(ここに、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、ZはEuまたはCeである。)、特開昭59−56479号公報に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体BaFX・xNaX’:aEu2+(ここに、XおよびX’はいずれも、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦2、aは0<a≦0.2である。)、特開昭58−69281号公報に開示されたセリウム付活三価金属オキシハロゲン物系蛍光体であるMOX:xCe(ここに、MはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、XはBrおよびIのうちの一方あるいは双方、xは、0<x<0.1である。)、特開昭60−101179号公報および同60−90288号公報に開示されたセリウム付活希土類オキシハロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe(ここに、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、xは、0<x≦0.1である。)および特開昭59−75200号公報に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体MIIFX・aMX’・bM’II ’’ ・cMIII ’’’ ・xA:yEu2+(ここに、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、MはLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属元素、M’ IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属元素、MIII はAl、Ga、InおよびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、Aは少なくとも一種の金属酸化物、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、X’、X’’およびX’’’ はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは、0≦a≦2、bは、0≦b≦10−2、cは、0≦c≦10−2で、かつ、a+b+c≧10−2であり、xは、0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.2である。)が、好ましく使用し得る。
【0019】
本発明において、化学発光画像を生成するために、使用することのできる輝尽性蛍光体としては、可視光波長域の光のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄積している可視光波長域の光のエネルギーを光の形で放出可能なものであればよく、とくに限定されるものではないが、可視光波長域の光によって励起可能であるものが好ましい。具体的には、たとえば、特開平4−232864号公報に開示された金属ハロリン酸塩系蛍光体、希土類元素付活蛍光体、アルミン酸塩系蛍光体、珪酸塩系蛍光体、フッ化物系蛍光体が、好ましく使用し得る。
【0020】
【発明の作用】
本発明によれば、表示画像データから、生化学画像上の一方の座標方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第1の分割座標データが生成されるため、操作者による煩雑な操作を必要とすることなく、生化学画像上の定量解析すべき領域を生成することができる。
また、本発明の好ましい実施態様によれば、生化学画像上の他方の座標方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第2の分割座標データが生成されるため、操作者による煩雑な操作を必要とすることなく、レーンごとに、定量解析すべき領域を生成することができる。
また、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、各々のレーンに形成されたスポットが属すべきグループを示すグループデータが生成されるため、操作者が煩雑な操作をして、一つのグループに属すべきスポットを画定する必要がなくなり、迅速に、定量処理および定量解析を実行することが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施態様につき詳細に説明を加える。
図1は、本発明の実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置のための画像データを生成する画像読み取り装置の一例を示す略斜視図である。
図1において、蓄積性蛍光体シート1には、試料(図示せず)に含まれる放射性標識物質の位置情報が、放射線エネルギーの形で、蓄積されている。本実施態様においては、成分の異なる複数の種の薬物を、実験動物に投与し、所定時間経過後に、その尿、胆汁およびフンを採取して、これを、TLCプレート上にクロマトグラフィー展開し、TLCプレートから転写された画像が、蓄積性蛍光体シート1に蓄積記録されている。したがって、このTLCプレートから転写された蓄積性蛍光体シート1には、複数の実験動物ごとに、これから採取した尿、胆汁およびフンをクロマトグラフィー展開した一次元的なレーンが形成され、各レーン内には、それぞれ、各個体の状態などに応じた位置に、スポットが形成されている。
こうして試料中の放射性標識物質の位置情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート1を、レーザ光2により、走査して、励起し、輝尽光を発生させる。
【0022】
レーザ光2は、レーザ光源3により発生され、フィルタ4を通過することにより、レーザ光2による励起によって蓄積性蛍光体シート1から発生する輝尽光の波長領域に対応する波長領域の部分がカットされる。次いで、レーザ光2は、ビーム・エクスパンダ5により、そのビーム径が正確に調整され、ガルバノミラー等の光偏向器6に入射する。光偏向器6によって偏向されたレーザ光2は、fθレンズ7を介して、平面反射鏡8により反射され、蓄積性蛍光体シート1上に、一次元的に入射する。fθレンズ7は、蓄積性蛍光体シート1上を、レーザ光2により走査するときに、つねに、均一のビーム速度で、走査がなされることを保証するものである。
このようなレーザ光2による走査と同期して、蓄積性蛍光体シート1は、図1において、矢印Aの方向に移動され、その全面が、レーザ光2によって走査されるようになっている。
蓄積性蛍光体シート1は、レーザ光2が照射されると、蓄積記録していた放射線エネルギーに比例する光量の輝尽光を発光し、発光した輝尽光は、導光性シート9に入射する。
【0023】
導光性シート9は、その受光端部が直線状をなし、蓄積性蛍光体シート1上の走査線に対向するように近接して配置され、また、その射出端部は、円環状をなし、フォトマルチプライアなどの光電変換型の光検出器10の受光面に接続されている。この導光性シート9は、アクリル系合成樹脂などの透明な熱可塑性樹脂シートを加工して作られており、受光端部から入射した光が、その内面で、全反射を繰り返しながら、射出端部を経て、光検出器10の受光面に伝達されるように、その形状が定められている。
したがって、レーザ光2の照射に応じて、蓄積性蛍光体シート1から発光した輝尽光は、導光性シート9に入射し、その内部で、全反射を繰り返しながら、射出端部を経て、光検出器10によって受光される。
光検出器10の受光面には、蓄積性蛍光体シート1から発光される輝尽光の波長領域の光のみを透過し、レーザ光2の波長領域の光をカットするフィルタが貼着されており、光検出器10は、蓄積性蛍光体シート1から発光された輝尽光のみを光電的に検出するように構成されている。
光検出器10によって光電的に検出された輝尽光は、電気信号に変換され、所定の増幅率を有する増幅器11によって、所定のレベルの電気信号に増幅された後、A/D変換器12に入力される。電気信号は、A/D変換器12において、信号変動幅に適したスケールファクタで、ディジタル信号に変換され、ラインバッファ13に入力される。ラインバッファ13は、走査線1列分の画像データを一時的に記憶するものであり、以上のようにして、走査線1列分の画像データが記憶されると、そのデータを、ラインバッファ13の容量よりも大きな容量を有する送信バッファ14に出力し、送信バッファ14は、所定の容量の画像データが記憶されると、画像データを、オートラジオグラフィ画像解析装置に出力するように構成されている。
【0024】
図2は、本発明の実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置および画像読み取り装置のブロックダイアグラムである。
図2において、オートラジオグラフィ画像解析装置30は、蓄積性蛍光体シート1に蓄積記録され、画像読み取り装置20により読み取られて、ディジタル信号に変換された試料に含まれる放射性標識物質の位置情報を含む画像データを受理し、画像データに、たとえば、濃度、色調、コントラストなどが適正で、観察解析特性に優れた可視画像を再生し得るように信号処理を施すとともに、画像データの一部分に所望の領域を画定し、該領域内の濃度などを算出する信号処理手段40と、画像読み取り装置20から信号処理手段40に入力された画像データを一時的に記憶するとともに、信号処理後の画像データを記憶する画像データ記憶手段50と、試料に含まれる放射性標識物質の位置情報を含む画像データを画像として再生するCRT60と、操作者により操作され、信号処理手段40に所定の指示を与えるための入力データが入力される入力装置70とを備えている。オートラジオグラフィ画像解析装置30は、受信バッファ41と制御部42とを備えており、画像読み取り装置20の送信バッファ14に、一次的に記憶された画像データは、オートラジオグラフィ画像解析装置30の信号処理手段40の受信バッファ41に入力されて、一時的に記憶される。この受信バッファ41内に、所定量の画像データが記憶されると、制御部42の指令に基づき、記憶された画像データが、画像データ記憶手段50の画像データ一時記憶部51に出力され、記憶される。このようにして、画像読み取り装置20の送信バッファ14から、信号処理手段40の受信バッファ41に送られ、一時的に記憶された画像データは、さらに、受信バッファ41から、画像データ記憶手段50の画像データ一時記憶部51に記憶される。こうして、蓄積性蛍光体シート1の全面を、レーザ光2によって走査して得られた画像データが、画像データ記憶手段50の画像データ一時記憶部51に記憶されると、信号処理手段40の制御部42は、画像データ一時記憶部51から所定の画像データを読み出し、画像データ記憶部52に記憶する。
【0025】
さらに、オートラジオグラフィ画像解析装置30の信号処理手段40は、画像データ記憶部52に記憶された画像データを読み出し、これに所定の処理を施して、CRT60に出力するととも、画像データの定量解析をおこなう画像生成/解析部43を備えている。
図3は、本実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置30の画像生成/解析部43およびその周辺回路を詳細に示したブロック図である。図3に示されるように、画像生成/解析部43は、操作者が入力装置70を操作することにより、画像データ記憶部52から読み出された画像データに所定の処理を施して、CRT60に表示すべき画像に対応する表示画像データを生成する表示画像生成部102と、表示画像生成部102により生成された表示画像データから背景部分の雑音に対応するデータを除去する背景雑音処理部104と、表示画像データが展開される平面座標のx軸方向に、表示画像データを分割して、x軸方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するレーン分割処理部106と、レーン分割処理部106により形成されたレーンごとに、y軸方向の定量すべき領域を画定するスポットを認識して、スポット領域データを生成するスポット認識処理部108と、入力装置70に与えられた入力データにしたがって、スポット認識処理部108によって生成されたスポット領域データを修正するデータ修正部110と、スポット領域データに基づいて、スポットの各々に含まれる画素の濃度データを算出する定量処理部112と、定量処理部112により生成された濃度データなどを記憶する定量データ記憶部114と、定量データ記憶部114に記憶された濃度データなどに基づいて、CRT60に表示すべき表に対応する表データを生成する表データ生成部116と、表示画像生成部102によって生成された表示画像データ、レーン分割処理部106により形成されたレーンおよびスポット認識処理部108により生成されスポット領域データ、ならびに、表データ生成部116により生成された表データを合成する画像合成部118と、画像合成部118により合成された画像データを展開するウィンドウメモリ120と、スポット領域データに基づいて、各レーンごとに、そのレーンに含まれる各スポットを、属すべきグループに分類するグループデータを生成する代謝物分類処理部122とを備えている。
【0026】
図4は、本実施態様にかかる画像読み取り装置20により読み取られ、画像データ記憶部52に記憶された画像データの中から、入力装置70から入力されたデータにしたがって、表示画像生成部102により生成された表示画像データに基づき、CRT60の画面に表示される画像を示す図である。
図4に示されるように、CRT60の画面400には、TLCプレート上に滴下された10の試料をクロマトグラフィー展開することによって形成され、各々が複数のスポットを含んだレーン401−1ないし401−10が形成されている。ここに、レーン401−1、401−2および401−3は、それぞれ、オスの実験動物に薬物を投与し、4時間後、8時間後および24時間後に、その胆汁を採取して、これをTLCプレート上にクロマトグラフ展開したレーンに対応し、レーン401−4は、オスの実験動物に薬物を投与してから、24時間後に採取した糞をクロマトグラフ展開したレーンに対応し、また、レーン401−5は、メスの実験動物に薬物を投与してから、24時間後に採取した糞をクロマトグラフ展開したレーンに対応する。さらに、レーン401−6および401−7は、オスの実験動物に薬物を投与してから、それぞれ、4時間後および24時間後に採取した尿をクロマトグラフ展開したレーンに対応し、レーン401−8および401−9は、メスの実験動物に薬物を投与してから、それぞれ、4時間後および8時間後に採取した尿をクロマトグラフ展開したレーンに対応する。レーン401−10は、実験動物に投与した薬物自体を、すなわち、薬物を実験動物に投与することなく、クロマトグラフィー展開することにより形成されたレーンに対応するレファレンスである。
【0027】
また、蓄積性蛍光体シート1を露光する際に、宇宙線もしくは地中に含まれる放射線、または、たとえば、クロマトグラフ展開するためのTLCプレートが有する固有の放射線により、ほぼ均一に蓄積性蛍光体シート1上に生じるノイズ成分に対応する背景雑音が、画面400のスポットが形成されていない部分に現れている。
表示画像データは、複数の画素から構成されており、各画素ごとに、その濃度を示す濃度データの値を有している。本実施態様においては、濃度データの値の範囲は、0ないし255であり、濃度データの値が0のときに、CRT60の画面上で、その画素は黒で表わされ、濃度データの値が255のときに、その画素は白で表わされるようになっている。
図5は、背景雑音処理部104の構成を示すブロックダイアグラムである。
図5に示されるように、背景雑音処理部104は、表示画像データを構成する画素データの有する濃度データの偏りを補正して、コントラスト強調画像データを得るためのコントラスト強調処理部130と、背景部分に対応する画像データを構成する画素データの有する濃度データの値の範囲を決定する濃度変換パラメータを算出する濃度変換パラメータ算出部132と、各画素データの有する濃度データの値を変換する濃度変換処理部134と、変換された濃度データの値が所定範囲の画素データ中で、孤立している画素データを捜し出して、その画素データの有する濃度データを所定の値に変更することにより、濃度データの値が孤立している画素データを除去する濃度孤立点除去処理部136と、濃度孤立点除去処理部136によって得られた画像データを二値化する二値化処理部140と、二値化された画像データを構成する所定範囲の画素データ中で、さらに、濃度データの値が孤立している画素データを求め、その画素データの有する濃度データの値を変更して、これを除去する孤立点除去処理部142と、孤立点除去処理部142によって得られた二値化画像データの背景部分以外の領域の画素データに対応する画像データに、もとの濃度データを与える画像間演算部144を備えている。
【0028】
表示画像生成部102から出力された表示画像データが、コントラスト強調処理部130に入力されると、コントラスト強調処理部130により、この表示画像データを構成する各画素データの有する濃度データの値の範囲が求められる。次いで、コントラスト強調処理部130は、こうして求められた濃度データの値の範囲を、0ないし255の範囲に拡張するように、各画素データの有する濃度データの値を変換する。すなわち、表示画像データを構成する各画素データの有する濃度データの最小値をa、最大値をbとした場合に、濃度データの値がcであった画素データの有する濃度データは、次式にしたがって、濃度データc’に変換される。
c’=(c−a)×255/(b−a)
このように、各画素データの有する濃度データの値を変換することによって、TLCプレートを転写した蓄積性蛍光体シートの露光条件や、蓄積性蛍光体シートの特性などにより各画素データの有する濃度データの値の範囲に偏りがある場合に、表示画像データのコントラストを所望のように変換することができる。
コントラスト強調処理部130は、こうして、濃度データを変換して得たコントラスト強調画像データを濃度変換パラメータ算出部132および濃度変換処理部134に出力する。
【0029】
濃度変換パラメータ算出部132は、コントラスト強調処理部130から入力されたコントラスト強調画像データを構成する各画素データの有する濃度データの値のヒストグラムを生成し、このヒストグラムに基づき、背景部分に対応する画像データを構成する画素データの有する濃度データの値の範囲を決定する。
図6は、濃度変換パラメータ算出部132により生成された濃度ヒストグラムを示す図である。濃度変換パラメータ算出部132は、ある濃度データの値を有する画素データの数を、濃度データの値ごとに算出して、図6に示されるような濃度ヒストグラムを生成し、表示画像データを構成する画素データの総和のs%(sは、100より小さな正の数である。)を占める領域601に関連する濃度データの値dを、濃度パラメータとして、算出し、濃度変換処理部134に出力される。この濃度パラメータを決定するための値sは、入力装置70を用いて任意に設定することができる。
濃度変換処理部134は、コントラスト強調画像データを構成する画素データの有する濃度データの値eが、濃度パラメータdよりも大きい場合、すなわち、この画素データが、CRT60の画面上に、濃度パラメータdに対応する色よりも白く表示される場合に、濃度データの値を、255に変換する。すなわち、濃度変換処理部134は、その入力された濃度データの値eに基づき、以下のようにして、濃度変換画像データを生成して、濃度孤立点除去処理部136に出力する。
【0030】
濃度変換画像データ = 255 (d<e≦255)
濃度変換画像データ = e (0≦e≦d)
このようにして生成された濃度画像変換画像データは、たとえば、図4の領域402に示されるように、背景部分、すなわち、スポットが形成されていない領域に対応する画素であるにもかかわらず、濃度パラメータd以下の濃度データの値を有する画素データ、すなわち、CRT60上の画面上に部分的に黒く表示されるような濃度データの値を有する画素データを、依然として含んでいる。したがって、濃度孤立点除去処理部136は、濃度変換画像データを構成する画素データから、(2m+1)×(2m+1)個の矩形の画素データの領域を画定し、その領域に含まれる所定の画素データの有する濃度データの値を、矩形に含まれる画素データの濃度データの低い方からf番目の値に変換する。本実施態様においては、濃度孤立点除去処理部136は、mを1として、3×3個の矩形の画素データの領域を画定し、画定された領域の中央に存在する画素データの有する濃度データの値を、これらの矩形領域に含まれる画素データの有する濃度データの値のうち、低い方から3番目の値に変換するように構成されている。したがって、ある(2m+1)×(2m+1)の画素データから構成される濃度変換画像データの各画素データの有する濃度データが、図7(a)に示すような値を有している場合は、濃度孤立点除去処理部136は、図7(b)に示すように、その中央に位置する画素データの有する濃度データを、3番目に低い値、すなわち、255に変換する。なお、前述した矩形の領域を構成する画素データの数に関するパラメータm、および、濃度データの値を変換するために用いられるパラメータfは、入力装置70によって任意に設定することが可能である。このような処理をすることにより、背景部分であるにもかかわらず、CRT60の画面上に黒く表示される画素データを除去すること、すなわち、その画素データの有する濃度データの値を変更して、CRT60の画面上に表示するのに適した画像データを得ることが可能になる。
【0031】
濃度孤立点除去処理部136からの出力データは、二値化処理部140に与えられる。二値化処理部140は、濃度データの値が255である領域以外の領域は、すべてスポットが形成されている領域と判断し、その領域に属する画素データが有する濃度データの値を0にする。すなわち、二値化処理部140は、入力された濃度データの値gから、次式にしたがって、出力濃度データ値を生成し、孤立点除去処理部142に出力する。
出力濃度データ値 = 255 (g=255)
出力濃度データ値 = 0 (g≠255)
孤立点除去処理部142は、二値化処理部140から入力された画像データを構成する画素データから、n×n個の矩形の画素データの領域を画定し、画定された領域内に、濃度データの値が0である画素データの数が、h個以下であるときには、その領域内の画素データが有する濃度データの値をすべて255に変換する。本実施態様においては、孤立点除去処理部142は、n=3として、3×3個の矩形の画素データの領域を画定し、画定された領域内に濃度データの値が0である画素データの数が、2個以下である場合に、濃度データの値を255に変換するように構成されている。したがって、あるn×nの画素データから構成される濃度変換画像データの各画素データが有する濃度データが、図8(a)に示すような値を有している場合に、孤立点除去処理部142は、各画素データが有する濃度データの値をすべて、図8(b)に示されるように、255に変換する。なお、臨界画素データ数を示すパラメータhは、入力装置70により任意に設定することが可能である。このような処理をすることにより、背景部分であるにもかかわらず、CRT60の画面上に黒く表示される孤立点の画素データを、さらに、除去することが可能になる。
【0032】
孤立点除去処理部142により、孤立点が除去された二値化データは、画像間演算部144に与えられる。画像間演算部144は、二値化データおよび表示画像生成部102から入力された表示画像データに基づいて、二値化データの値が255であった場合には、その画素データの濃度データの値を255に保持し、他方、二値化データの値が0であった場合には、その画素データに、表示画像データの対応する濃度データを与え、背景雑音の除去された雑音除去画像データを生成する。すなわち、二値化データの値が255であった画素データに対応する雑音除去画像データは255となり、二値化データの値が0であった画素データに対応する雑音除去画像データは、表示画像データに一致する値となる。
このように生成された雑音除去画像データは、レーン分割処理部106に送られる。
図9は、x軸方向の定量すべき領域を示すレーンを画定するレーン分割処理部106の構成を示すブロックダイアグラムである。図9に示されるように、レーン分割処理部106は、表示画像データが展開される平面座標の各x座標に含まれる画素データの有する濃度データの値の和、すなわち、x座標の値を共通にする画素データのy軸方向の濃度データの和を、それぞれ算出し、領域のx軸方向のデータ値の周辺分布を示す周辺分布データを生成するx軸方向周辺分布算出部150と、x軸方向周辺分布算出部150により生成された周辺分布データに基づき、複数のスポットが形成された定量すべきレーンを画定するレーンの開始点を検出するレーン開始点検出部152と、周辺分布データに基づき、レーンの終了点を検出するレーン終了点検出部154と、レーン開始点検出部152およびレーン終了点検出部154により検出されたデータに基づいて、スポットの形成されたレーンを画定するレーン分割座標データを生成するレーン分割座標算出部156とを備えている。
【0033】
CRT60の画面400上に、図10(a)に示されるような画像が表示されていた場合に、x軸方向周辺分布算出部150は、この画像に対応する雑音除去画像データ中のx座標の値を共通にする画素データの濃度データの和を、図10(b)に示すように算出する。次いで、x軸方向周辺分布算出部150は、算出された濃度データの和に含まれる高周波成分を除去するために、この濃度データの和に、ローパスフィルタ処理を施す。さらに、x軸方向周辺分布算出部150は、ローパスフィルタ処理が施され、高周波数成分が除去されたデータの値と、予め定められたしきい値iとを比較し、データ値が、しきい値iよりも大きいときは、これをしきい値iに置き換えて、x軸方向周辺分布データを生成する。
こうして生成されたx軸方向周辺分布データは、レーン開始点算出部152およびレーン終了点算出部154に出力される。
レーン開始点算出部152は、x軸方向周辺分布データに対して、さらに、k点平滑微分を施す。本実施態様においては、次式に示されるように、7点平滑微分が施され、平滑化されたデータが生成される。
b(n) =((−2)×a(n−2) + (−1)×a(n−1) +0×a(n) +1×a(n+1) +2×a(n+2))/5
上式において、a(n) は、あるx座標nに対するx軸方向周辺分布データの値であり、b(n) は、あるx座標nに対する平滑化されたデータの値である。
【0034】
次いで、レーン開始点算出部152は、平滑化されたデータの値が減少し始める点のx座標を算出する。このようにして、図11に示されるように、下降開始点S(1)ないしS(11) が求められる。
レーン終了点算出部154は、レーン開始点算出部152と同様に、x軸方向周辺分布データに対して、k点平滑微分を施して、平滑化されたデータの値の増大が終了する点、すなわち、データの値が最高値に到達した点のx座標を算出する。このようにして、図11に示すように、増大終了点E(1)ないしE(11) が求められる。
レーン開始点算出部152およびレーン終了点算出部154により算出された減少開始点S(1)ないしS(11) および増大終了点E(1)ないしE(11) に対応するx座標データは、レーン分割座標算出部156に出力される。レーン分割座標算出部156は、これらデータに基づいて、それぞれ、レーン分割座標データを生成する。ここに、レーンLnは、レーン分割座標データS(n)およびE(n+1)によって画定されるようになっている。すなわち、図11に示す場合には、たとえば、レーンL1は、レーン分割座標データS(1)およびE(2)により、レーンL2は、レーン分割座標データS(2)およびE(3)により、さらに、レーンL10は、レーン分割座標データS(10) およびE(11) により画定される。
【0035】
レーン分割座標算出部156によりレーン分割座標データが生成され、x軸方向の定量すべき領域を示すレーンが画定されると、レーン分割座標算出部156は、レーン分割座標データを、画像合成部118に出力する。画像合成部118は、表示画像データ生成部102から入力された表示画像データとレーン分割座標算出部156から入力されたレーン分割座標データとを合成し、この合成されたデータを、ウィンドウメモリ120を介して、CRT60に出力する。したがって、CRT60の画面400上には、図12に示されるような画像が表示される。
同時に、レーン分割座標算出部156は、レーン分割座標データを、スポット認識処理部108に出力する。
図13は、スポット認識処理部108の構成を示すブロックダイアグラムである。図13に示されるように、スポット認識処理部108は、画定されたレーンごとに、表示画像データが展開される平面座標のy座標の値を共通にする画素データの有するx軸方向の濃度データの和を、それぞれ算出し、y軸方向の濃度データの値の周辺分布を示すy軸方向周辺分布データを算出するy軸方向周辺分布算出部160と、y軸方向周辺分布データから、y軸方向に定量すべき領域を画定するスポットが形成された領域の開始点と終了点とを検出する領域開始点/終了点検出部162と、検出された領域内に存在する極大点を検出する領域内ピーク値検出部164と、開始点および終了点ならびに極大点に基づいて、スポットが形成された領域の座標を算出するスポット認識座標算出部166とを備えている。
【0036】
y軸方向周辺分布算出部160は、x軸方向周辺分布算出部150が、雑音除去画像データに対しておこなったのと同様に、雑音除去画像データ中の各レーン内で同一のy座標を有する画素データの有する濃度データの値を累算し、この処理を、すべてのy座標について繰り返し、さらに、得られたデータに対して、ローパスフィルタ処理を施して、高周波数成分を除去することによって、y軸方向周辺分布データを生成する。図14は、図12に示すレーンL6のy軸方向の周辺分布データを示す図である。
次いで、領域開始点/終了点検出部162は、y軸方向周辺分布データの最大値のj%の値を算出し、周辺分布データの値が、最大値×j%の値よりも小さくなる点である領域開始点ASと、最大値×j%の値よりも大きくなる点である領域終了点AEを算出する。たとえば、レーンL6の周辺分布データについて、図14に示すように、AS(1) およびAE(1) が求められる。このパラメータjは、入力装置70により、任意に設定することができる。本実施態様においては、jは95に設定されている。
さらに、領域内ピーク値検出部164は、領域開始点ASと領域終了点AEとの間に含まれる領域内に存在するy軸方向周辺分布データに対して、p点平滑微分を施す。次いで、領域内ピーク値検出部164は、p点平滑微分が施されたデータに基づいて、この領域内に存在する極大点を検出する。本実施態様においては、7点平滑微分が施される。たとえば、レーンL6のy軸方向周辺分布データについて、AS(1) およびAE(1) が求められていた場合には、図14に示すように、極大点P(1)ないしP(8)が検出される。
【0037】
このように、領域開始点/終了点検出部162により得られた領域開始点ASおよび領域終了点AEに対応するデータと、領域内ピーク値検出部164によって得られた極大点AS(1) およびAE(1) に対応するデータは、スポット認識座標算出部166に与えられる。
スポット認識座標算出部166は、まず、ある領域開始点とこれに隣接する極大点との間、隣接する極大点の間、あるいは、極大点とこれに隣接する領域終了点との間のy軸方向の長さを算出する。この長さが、入力装置70によって入力されたしきい値qよりも小さな場合には、スポット認識座標算出部166は、この長さを有する領域を、スポットとして認識しない。その一方、算出された長さが、しきい値q以上である場合には、スポット認識座標算出部166は、この長さを有する領域をスポットとして認識する。たとえば、図15に示されるようなy軸方向周辺分布データから、領域開始点AS(1) および領域終了点AE(1) と、これらの間の極大点P(1)およびP(2)とが得られるとともに、領域開始点AS(2) および領域終了点AE(2) と、これらの間の極大点P(1)およびP(2)とが得られた場合、スポット認識座標算出部166は、これらの間のy軸方向の長さl、l、l、l、lおよびlを算出する。本実施態様においては、しきい値qを20に設定している。したがって、l=11、l=12、l=16、l=110、l=100およびl=80という値が算出された場合には、領域開始点AS(1) と極大点P(1)との間の長さ、極大点P(1)とP(2)との間の長さ、および、極大点p(2)と領域終了点AE(1) との間の長さは、それぞれ、しきい値qの値より小さいから、領域開始点AS(1) と領域終了点AE(1) との間の領域は、領域内に極大点P(1)およびP(2)が含まれているにもかかわらず、一つのスポットSP(1) としてのみ認識される。これに対して、領域開始点AS(2) と極大点P(1)との間の長さ、極大点P(1)とP(2)との間の長さ、および、極大点p(2)と領域終了点AE(2) との間の長さは、それぞれ、しきい値qの値以上であるから、これらは、スポットSP(2) 、SP(3) およびSP(4) として認識される。スポット認識座標算出部166は、このように画定したスポットの両端のy座標の値から構成されるスポット領域データを生成し、画像合成部118に出力する。
【0038】
画像合成部118は、表示画像データ生成部102から入力された表示画像データと、レーン分割座標算出部156から入力されたレーン分割座標データと、スポット認識座標算出部166から入力されたスポット領域データとを合成し、この合成されたデータをウィンドウメモリ120を介して、CRT60に出力する。したがって、CRT60の画面400上には、図16に示すような画像が表示される。
また、データ修正部110に、入力装置70から、操作者により入力されたデータが与えられた場合には、データ修正部110は、入力データにしたがって、スポット認識処理部108により生成されたスポット領域データを削除し、スポットの両端のy座標の値の一方または双方を変更し、或いは、スポットの両端のy座標を新たに画定してスポット領域データを生成する。データ修正部110により、スポット領域データが削除され、変更され、或いは新たに生成された場合には、これらスポット領域データの修正に応じた画像が、CRT60の画面上に表示される。
さらに、スポット領域データは、スポット認識座標算出部166から、定量処理部112および代謝物分類処理部122に与えられる。定量処理部112は、レーン分割座標データにより画定されたレーンごとに、スポット領域データにより画定されたスポットに含まれる画素データの有する濃度データ、すなわち、蓄積性蛍光体シート1からの発光量(PSL値)を、それぞれ算出して、スポットごとの濃度データを、定量データ記憶部114の定量データベースの所定の領域に記憶する。
【0039】
代謝物分類処理部122は、すべてのレーンL1〜L9について、スポット領域データによって画定されたスポットの中心座標を示す中心座標データを生成する。第iレーンの第j番目のスポットに対応するスポット領域データを構成する二つのy座標データをys(i,j) 、ye(i,j) とすると、中心座標データyc(i,j) の値は、yc(i,j) ={ys(i,j) −ye(i,j) }/2と表わすことができる。このように、すべてのレーンのすべてのスポットの中心座標データを算出した後に、代謝物分類処理部122は、これら中で、最も小さい中心座標データを抽出して、この値からrの範囲に含まれる他のレーンに存在するスポットに対応する中心座標データを検索する。次いで、代謝物分類処理部122は、この範囲に含まれるスポットを同一の代謝物と判断し、これらのスポットを、第1のグループとして分類し、グループデータを生成する。さらに、代謝物分類処理部122は、第1のグループに属さないスポットの中心座標データのうち、その値の最も小さな中心座標データを抽出し、この値からrの範囲に含まれる他のレーンに存在するスポットに対応する中心座標データを検索する。代謝物分類処理部122は、この範囲に含まれるスポットを同一の代謝物と判断し、これらのスポットを、第2のグループとして分類し、グループデータを生成する。このような処理を繰り返すことにより、第1のグループないし第tのグループが形成され、これらに属するスポットを示すグループデータが形成される。上述したように、所定の中心座標データの値から所定の範囲に含まれる中心座標データを検索することにより、TLCプレートが均一でないことなどによって、展開溶媒の展開速度がレーンにより異なり、その結果、同一物質であるにもかかわらず、レーンによってスポットの位置がy軸方向にずれる場合であっても、これらスポットを同一のグループに属するように分類し、グループデータを生成することができる。
【0040】
図17は、CRT60の画面上に表示された画像を用いて、代謝物分類処理部122によりなされる処理を説明するための図である。図17に示すように、4つのレーンL1ないしL4が形成され、各レーンに、複数のスポットが形成されている場合に、代謝物分類処理部122は、スポットの中心座標データの中で、値の最も小さい中心座標データであるyc(3,1) から、rの範囲に含まれる値を有する中心座標データを検索する。図17に示される場合には、中心座標データyc(1,1) 、yc(2,1) 、yc(4,1) の三つの値が、yc(3,1) から、rの範囲に含まれる値を有する中心座標データに該当する。したがって、これら中心座標データに対応するスポットSP(1,1) 、SP(2,1) 、SP(3,1) およびSP(4,1) のy座標の値から構成されるスポット領域データが、第1のグループに属するものとして、分類されることになる。
次いで、代謝物処理部122は、yc(1,1) 、yc(2,1) 、yc(3,1) 及びyc(4,1) 以外の中心座標データのうちで、最も値の小さい中心座標データを検索し、さらに、この中心座標データの値からrの範囲に含まれる値を有する中心座標データを検索する。図17に示される場合には、yc(4,2) が、最も値の小さい中心座標データに該当し、中心座標データyc(1,2) が、yc(4,2) からrの範囲に含まれる値を有している。したがって、これら中心座標データに対応するスポットSP(1,2) およびSP(4,2) のy座標の値から構成されるスポット領域データが、第2のグループに属するものとして、分類されることになる。
【0041】
同様に、yc(2,2) からrの範囲に含まれる値を有する中心座標データを検索すると、yc(3,2) が、これに含まれる値を有する中心座標データとなる。したがって、これら中心座標データに対応するスポットSP(2,2) およびSP(3,2) のy座標の値から構成されるスポット領域データが、第3のグループに属するものとして、分類されることになる。
同様にして、SP(1,3) 、SP(2,3) およびSP(4,3) のy座標の値から構成されるスポット領域データが第4のグループに属することになり、SP(1,4) 、SP(2,4) 、SP(3,3) およびSP(4,4) のy座標から構成されるスポット領域データが第5のグループに属するものとして、分類されることになる。
ここに、rないしrは経験的に定められ、入力装置70に入力される。
こうして、代謝物分類処理部122により生成されたグループデータは、定量データ記憶部114の定量データベースに与えられる。
図18は、図17に示される画像に基づき形成された定量データ記憶部114の定量データベースのメモリマップを示す図である。図18に示されるように、定量データベースには、第iレーンの第j番目のスポットを画定するための座標データys(i,j) およびye(i,j) と、そのスポットに含まれる画素の濃度データyp(i,j) と、代謝物分類処理部122により生成されたスポットSP(i,j) が属すべきグループのグループナンバーを示すグループデータとを有している。
【0042】
前述したように、スポット認識処理部108により形成され、あるいは、データ修正部110により修正されたスポットSP(i,j) の座標データおよび濃度データは、定量処理部112を介して、定量データ記憶部114の定量データベースに与えられ、また、このスポットスポットSP(i,j) が属すべきグループのグループナンバーは、グループデータとして代謝物分類処理部122により、定量データベースに与えられる。
表データ生成部116は、定量データ記憶部114の定量データベースに記憶されたデータに基づき、同一のグループナンバーを有するスポットの濃度データの総和を100とした場合に、各スポットの濃度データの値の割合を生成し、あるいは、同一のレーンに形成されたスポットの濃度データの総和を100とした場合に、各スポットの濃度データの値の割合を生成し、これら割合を示す表を生成し、これを画像合成部118に出力する。
以上のように構成された本実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置30の動作を以下に説明する。
まず、操作者が、入力装置70を操作して、所定のデータを入力することにより、画像データ記憶手段50の画像データ記憶部52から、所定領域の画像データが読み出される。
【0043】
次いで、画像データ記憶部52から読み出された画像は、操作者が入力したデータにしたがって、画像形成/解析部43の表示画像生成部102により拡大または縮小され、さらに、所定の処理が施され、その結果、得られた表示画像データが、画像合成部118および背景雑音処理部104に与えられる。表示画像データは、コントラスト強調処理部130により、表示画像データを構成する各画素データの有する濃度データの値が変換されて、そのコントラストが強調され、入力装置70から与えられた濃度パラメータを決定するためのデータsに基づいて、濃度変換パラメータ算出部132により得られた濃度パラメータdにしたがって、濃度変換画像データが形成される。
濃度変換処理部134により得られた濃度変換画像データは、濃度孤立点除去処理部136に与えられ、入力装置70から与えられたデータに基づいて得られた矩形の領域を構成する画素データ数を画定するパラメータmと、濃度データの値を変換するために用いられるパラメータfとにしたがって、背景部分、すなわち、スポットが形成されていないと考えられる領域であるにもかかわらず、CRT60の画面上に黒く表示される画素データ、すなわち、白く表示されるべきであるのに、白の濃度データの値255以外の値を有する画素データの有する濃度データの値を255にすることができ、このような領域に存在する孤立点を除去することができる。
【0044】
さらに、濃度孤立点除去処理部136からの出力は、二値化処理部140により二値化され、二値化されたデータは、入力装置70から与えられたデータに基づいて得られた矩形の領域を構成する画素データ数を画定するパラメータnと、臨界画素データ数を示すパラメータhとにしたがって、さらに、背景部分であるにもかかわらず、白く表示されないような濃度データ値を有する画素データの濃度データの値を255にすることができ、このような領域に存在する孤立点をさらに除去することができる。
次いで、画像間演算部144は、孤立点除去処理部142からの出力である孤立点が除去された二値化データと、表示画像データとに基づいて、二値化データの値が255である画素データに対しては、その値を225に保持し、他方、二値化データの値が0である画素データに対しては、この画素データに表示画像データの対応する濃度データを与える。このようにして、背景雑音処理部104により、背景部分に存在する画素データを白く表示することができ、スポットの形成されている領域を、より明確に、CRT60の画面400上に表示することが可能になる。
【0045】
こうして、背景雑音処理部104により生成された雑音除去画像データは、背景雑音処理部104から、レーン分割処理部106に出力される。レーン分割処理部106のx軸方向周辺分布算出部150は、CRT60の画面上に表示された画像に対応する雑音除去画像データ中のx座標を共通にする画素データの有する濃度データの和を生成し、この生成された濃度データの和にローパスフィルタ処理を施し、これに含まれる高周波数成分を除去する。さらに、x軸方向周辺分布算出部150は、高周波数成分が除去された濃度データの和の値と、しきい値iとを比較し、データ値がしきい値iよりも大きいときは、この値をしきい値iに置き換えて、x軸方向周辺分布データを生成する。
レーン開始点算出部152は、x軸方向周辺分布算出部150から出力されたx軸方向周辺分布データに対して、さらに、k点平滑微分を施し、微分されたx軸方向周辺分布データの値の減少が開始される点のx座標を算出し、他方、レーン終了点算出部154は、x軸方向周辺分布データに、k点平滑微分を施し、微分されたデータの値の増大が終了する点、すなわち、データの値が最高値に到達する点のx座標を算出する。前述したように、図10(a)に示されるような画像が、CRT60の画面上に表示されていた場合には、図11に示すように、伝承開始点S(1)ないしS(11) および増大終了点E(1)およびE(11) が、それぞれ得られる。
【0046】
次いで、レーン開始点算出部152およびレーン終了点算出部154により、それぞれ得られた減少開始点および増大終了点に対応するx座標に基づいて、
レーン分割座標算出部156は、レーン分割座標データを算出する。レーン分割座標データは、減少開始点S(n)および増大終了点E(n+1)に対応するデータから構成され、これらにデータにより、n番目のレーンLnが画定される。
図10(a)に示されるような画像が、CRT60の画面上に表示されていた場合には、図12に示されるように、10個のレーンL1ないしL10が形成される。
レーン分割処理部106により生成されたレーン分割座標データは、スポット認識処理部108に与えられる。スポット認識処理部108のy軸方向周辺分布算出部160は、雑音除去画像データに基づき、各レーン内のy座標を共通にする画素データの有する濃度データの値を累算する。たとえば、図12に示されるように、10個のレーンL1ないしL10が形成されている場合には、まず、レーンL1内のy座標を共通にする画素データの有する濃度データの値を、すべてのy座標について累算する。レーンL2ないしL10に対しても、同様な処理を施すことにより、各レーンごとのy軸方向周辺分布データが生成される。
【0047】
各レーンごとのy軸方向周辺分布データは、領域開始点/終了点検出部162に与えられる。領域開始点/終了点検出部162は、入力装置70から与えられたデータに基づいて得られたパラメータjにしたがって、各レーンごとのy軸方向周辺分布データの値が、最大値×j%よりも小さくなる点である領域開始点ASと、最大値×j%よりも大きくなる点である領域終了点AEとを算出する。図12に示されるように、10のレーンL1ないしL10が形成されている場合には、各レーンごとに、少なくとも一組の領域開始点ASおよび領域終了点AEが算出される。
各レーンの領域開始点ASおよび領域終了点AEに対応するデータは、領域内ピーク値検出部164に与えられる。領域内ピーク値検出部164は、各レーンごとに、領域開始点ASと領域終了点AEとの間に含まれる領域内に存在するy軸方向周辺分布データに対して、p点平滑微分を施し、さらに、この微分されたデータから、この領域内に存在する極大点を検出する。
領域開始点/終了点検出部162により検出された領域開始点ASおよび領域終了点AEに対応するデータならびに領域内ピーク点検出部164により検出された極大点に対応するデータは、スポット認識座標算出部166に与えられる。
【0048】
スポット認識座標算出部166は、これらデータに基づき、各レーンごとに、画定されたスポットの両端のy座標の値から構成されるスポット領域データを算出する。このスポット領域データは、画像合成部118に与えられ、たとえば、図16に示すような画像が、CRT60の画面400上に表示される。また、入力装置70に入力されたデータにより、データ修正部110が作動される場合には、このデータに基づいて、スポット領域データが修正される。
さらに、スポット領域データは、定量処理部112および代謝物処理部122に与えられる。定量処理部112は、レーンごとに、各スポットに含まれる画素データの有する濃度データを算出し、これを定量データ記憶部114の定量データベースに与える。たとえば、第1のレーンの第1のスポットsp(1,1) に含まれる画素データの有する濃度データは、図18に示す領域181に記憶され、第1レーンの第2のスポットsp(1,2) に含まれる画素データの有する濃度データは、領域182に記憶される。
また、代謝物分類処理部122は、各レーンに形成された各スポットが、どのグループに所属するかを示すグループデータ生成して、これを定量データ記憶部114の定量データベースに与える。第1のレーンの第1のスポットsp(1,1) が属すべきグループを示すグループデータは、図18に示される領域191に記憶され、第1レーンの第2のスポットsp(1,2) が属すべきグループを示すグループデータは、領域192に記憶される。したがって、同一の代謝物から得られたオートラジオグラフィ画像のスポットを、同一のグループに属するようにグループ化することができる。また、パラメータ l、l・・・・を入力装置70に入力されたデータに基づいて変更することにより、クロマトグラフ展開した際に、種々の原因によりスポットが形成される位置に生じる誤差を吸収することが可能になる。
【0049】
さらに、操作者が入力装置70に所定のデータを入力することにより、表データ生成部116は、定量データ記憶部114の定量データベースに記憶されたデータを読み出し、前述したように、入力されたデータにしたがって、同一のグループナンバーを有するスポットの濃度データの総和を100とした場合に、各スポットの濃度データの値の割合を生成し、あるいは、同一のレーンに形成されたスポットの濃度データの総和を100とした場合に、各スポットの濃度データの値の割合を生成し、これら割合を示す表データを生成する。たとえば、定量データベースに、図18に示されるようなデータが記憶されていた場合に、表データ生成部116は、グループナンバー1に属するスポットSP(1,1) 、SP(2,1) 、SP(3,1) などの濃度データyp(1,1) 、yp(2,1) 、yp(3,1) などの値の総和をとり、この値を100とした場合の、各濃度データyp(1,1) 、yp(2,1) 、yp(3,1) などの割合を示す表データを生成する。また、入力されたデータにしたがって、他のグループナンバー2ないし5に属するスポットの各濃度データの割合を示す表データを生成することもできる。
表データ生成部116により生成された表データは、画像合成部118に与えられ、画像合成部118からウィンドウメモリ120を介して、この表データはCRT60に与えられて、CRT60の画面上に、表データに対応する表が表示される。
【0050】
本実施態様によれば、表示画像生成部102により生成された表示画像データに基づき、背景雑音処理部104により、背景部分の雑音に対応するデータが除去されて、雑音除去画像データが生成され、レーン分割処理部106により、雑音除去画像データに基づいて、表示画像データが展開される平面座標のx軸方向に、表示画像データを分割して、x軸方向の定量すべき領域を画定するレーンが決定され、さらに、スポットの認識処理部108により、レーンごとに、表示画像データが展開される平面座標のy軸方向に、表示画像データを分割して、y軸方向の定量すべき領域を画定するスポットが決定される。したがって、操作者が煩雑な操作をする必要なく、定量すべき領域を画定することが可能となる。
図19は、本発明の他の実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置の画像生成/解析部のブロックダイアグラムである。
本実施態様においては、演算時間を短縮するため、背景雑音を除去する処理はなされておらず、前記実施態様における背景雑音処理部104は設けられていない。
図20は、x軸方向の定量すべき領域を示すレーンを画定するレーン分割処理部206の構成を示すブロックダイアグラムである。
【0051】
図20に示されるように、レーン分割処理部206は、表示画像データが展開される平面座標のx座標の値を共通にする画素データの有するy軸方向の濃度データの和を、それぞれ算出し、領域のx軸方向のデータ値の周辺分布を示すx軸方向周辺分布データを生成するx軸方向周辺分布算出部250を備えている。本実施態様においては、x軸方向周辺分布算出部250は、前記実施態様とは正負を反転した形で、x軸方向の周辺分布データを算出するように構成されている。レーン分割処理部206は、さらに、x軸方向周辺分布算出部250により算出されたx軸方向周辺分布データに基づき、x軸方向周辺分布データの濃度データのピーク値を与えるピーク位置を算出するピーク位置算出部252と、ピーク位置算出部252により算出されたピーク位置に基づいて、複数のスポットが形成され、x軸方向の定量すべき領域を画定するレーンの開始点および終了点を検出するレーン開始点/終了点検出部254と、レーン開始点/終了点検出部254により得られたデータに基づき、スポットの形成されたレーンを画定するレーン分割座標データを生成するレーン分割座標算出部256とを備えている。
図21は、ピーク位置算出部252のブロックダイアグラムである。
【0052】
図21に示されるように、ピーク位置算出部252は、x軸方向周辺分布算出部250によって算出されたx軸方向の周辺分布データのノイズを除去するノイズ除去部300と、ノイズ除去部300によりノイズが除去されたx軸方向の周辺分布データに一次元フーリエ変換を施して、ピークの位置を推定するピーク位置推定部302と、ピーク位置推定部302により推定されたピークの位置に基づき、ピークの位置を決定するピーク位置決定部304とを備えている。
ノイズ除去部300においては、x軸方向周辺分布算出部250により算出された周辺分布データにローパスフイルタ処理が施されて、高周波のノイズ成分が除去される。一般に、画像データ中のノイズは、小さな濃度データのゆらぎとして現れることが多いため、このような濃度データのゆらぎを除去するため、次いで、ヒステリシス平滑化処理が施される。図22は、ヒステリシス平滑化処理の方法を示すものである。図22に示されるように、ヒステリシス平滑化処理においては、入力されたx軸方向の周辺分布データの波形500に沿って、高さhのカーソル502が移動され、カーソル502の中心点の軌跡として、周辺分布データの出力波形504が得られる。具体的には、カーソル502を1ステップだけ、横軸方向に移動させ、入力波形500とカーソル502とが交わっているか否かを判定する。その結果、交わっていれば、カーソル502を、さらに、1ステップだけ、横軸方向に移動させる。他方、入力波形500とカーソル502とが交わっていない場合には、カーソル502の上端部よりも入力波形500が上側にあるときは、カーソル502の上端部が入力波形500と一致するように、カーソル502を縦軸方向に移動させ、カーソル502の下端部よりも入力波形500が下側にあるときは、カーソル502の下端部が入力波形500と一致するように、カーソル502を縦軸方向に移動させて、さらに、1ステップだけ、横軸方向に移動させる操作を繰り返す。こうして、カーソル502の中心点の軌跡を求めて、出力波形とすることにより、hよりも小さな入力波形500のゆらぎが除去されて、滑らかな出力波形504を得ることができる。こうして得られた出力波形504は、図22に示されるように、ヒステリシス平滑化処理によって、入力波形500に対して、位相がずれているため、ノイズ除去部300は、さらに、出力波形504に対して、逆方向から、ローパスフイルタ処理を施し、位相のずれを補正する。
【0053】
こうして、ノイズ除去部300によりノイズが除去されたx軸方向の周辺分布データは、ピーク位置推定部302に入力される。ピーク位置推定部302においては、x軸方向の周辺分布データに一次元フーリエ変換が施され、複数の正弦波が得られる。こうして得られた複数の正弦波のうち、最も振幅が大きい正弦波が、x軸方向の周辺分布データの主たる波形成分と考えられるから、ピーク位置推定部302は、得られた複数の正弦波の中から、振幅が最も大きく、かつ、操作者により、x軸方向の周辺分布データが有しているであろうと予想され、入力装置70に入力された入力ピーク数以上のピーク数を有する正弦波を選択する。ピーク位置推定部302は、さらに、こうして選択された正弦波の位相および周波数に基づき、図23に示されるように、正弦波のピークの位置p(1)〜p(i)を求め、ピーク位置決定部304に出力する。
こうして求められた正弦波のピークの位置p(1)〜p(i)は、あくまでも、x軸方向の周辺分布データの主たる波形成分と考えられる正弦波のピークの位置にすぎないから、x軸方向の周辺分布データの実際のピークの位置とは、必ずしも一致してはいない。したがって、ピーク位置決定部304は、図24に示されるように、入力された正弦波のピークの位置p(1)〜p(i)に対応するピークの位置を中心として、所定の幅の範囲のx軸方向の周辺分布データの面積を求め、面積が最大となる位置をx軸方向の周辺分布データのピークの位置と暫定的に決定する。
【0054】
x軸方向の周辺分布データの波形によっては、こうして決定されたピークの位置がきわめて近接している場合があり、そのような場合は、一方は、ピークではないにもかかわらず、ピークと認識されたと認められるから、ピーク位置決定部304は、所定周期、たとえば、選択された正弦波の周期の1/4の範囲内に、2以上のピークが認識されているときは、位相の最も小さいピークのみをピークとして認識する。
前述のように、ピーク位置決定部304は、所定の幅の範囲のx軸方向の周辺分布データの面積に基づき、x軸方向の周辺分布データのピークを求めているため、こうして得られた複数のピークの間に、濃度データの小さいピークが存在しているにもかかわらず、ピークとして認識されていない場合がおこり得る。そこで、ピーク位置決定部304は、図25に示されるように、左右のピークの位置から、所定数の画素データ、たとえば、5画素データにわたり、連続的に濃度データが増大する部分があるか否かを判定し、そのような部分があるときは、濃度データが連続的に増大を開始した点の中点に、ピークがあると判定している。
こうして、ピーク位置算出部252により算出されたx軸方向の周辺分布データのピーク値は、レーン開始点/終了点検出部254に入力される。
【0055】
レーン開始点/終了点検出部254は、ピーク位置算出部252から入力されたx軸方向の周辺分布データのピーク値に基づいて、ピーク間の中点を求め、図26に示されるように、隣接する中点の間で、濃度データが連続的に増大を開始する位置を、それぞれ、レーン開始点およびレーン終了点と決定して、レーン分割座標算出部256に出力する。
レーン分割座標算出部256は、レーン開始点/終了点検出部254により得られたデータに基づき、前記実施態様と同様にして、スポットの形成されたレーンを画定するレーン分割座標データを生成する。
レーン分割座標算出部256によりレーン分割座標データが生成され、x軸方向の定量すべき領域を示すレーンが画定されると、レーン分割座標データは、画像合成部118に出力される。画像合成部118は、表示画像データとレーン分割座標データとを合成し、この合成されたデータを、ウィンドウメモリ120を介して、CRT60に与える。したがって、CRT60の画面400上には、図12に示すような画像が表示される。
また、レーン分割座標データは、スポット認識処理部208に与えられる。
【0056】
図27は、スポット認識処理部208の構成を示すブロックダイアグラムである。
図27に示されるように、スポット認識処理部208は、画定されたレーンごとに、表示画像データが展開される平面座標のy座標の値を共通にする画素データの有するx軸方向の濃度データの和を、それぞれ算出し、y軸方向の濃度データの値の周辺分布を示すy軸方向周辺分布データを算出するy軸方向周辺分布算出部260と、y軸方向周辺分布算出部260により算出されたy軸方向の周辺分布データのノイズ成分を除去するノイズ除去部262と、y軸方向に定量すべき領域を画定するスポットが形成された領域の開始点と終了点とを検出する領域開始点/終了点検出部262と、検出された領域内に存在する境界値を検出する領域内極大値検出部264と、開始点および終了点ならびに境界値に基づき、スポットが形成された領域内の隣接するスポットの境界の座標を算出するスポット境界座標算出部266と、スポット境界座標算出部266によって算出された隣接するスポットの境界の座標に基づき、スポットが形成された領域内の隣接するスポットの境界の座標を決定するスポット境界座標決定部268を備えている。
【0057】
次いで、領域開始点/終了点検出部262は、ノイズ成分が除去されたy軸方向周辺分布データに基づいて、前記実施態様の領域開始点/終了点検出部162と全く同様にして、領域開始点ASおよび領域終了点AEを算出する。
さらに、領域内極大値検出部264は、領域開始点ASと領域終了点AEとの間に含まれる領域内に存在する周辺分布データに対して、p点平滑微分を施し、p点平滑微分が施されたデータから、この領域内に存在する極大値を検出する。前記実施態様と同様に、本実施態様においては、7点平滑微分が施される。
こうして、領域開始点/終了点検出部262によって得られた領域開始点ASおよび領域終了点AEに対応するデータと、領域内極大値検出部264によって得られた極大値に対応するデータは、それぞれ、スポット境界座標算出部266に与えられる。
スポット認識処理部208においては、前記実施態様と同様に、濃度データの値が0のときに、CRT60の画面上で、その画素データは黒で表わされ、濃度データの値が255のときに、その画素データは白を表わされるようになっており、したがって、領域開始点ASおよび領域終了点AEおよび極大値を与える座標値は、スポットの境界線の座標値に対応するものと推定される。そこで、スポット境界座標算出部266は、領域開始点/終了点検出部262によって得られた領域開始点ASおよび領域終了点AEを与える座標値ならびに領域内強大値検出部264によって得られた極大値を与える座標値を、隣接するスポットの境界に対応する境界座標として検出して、スポット境界座標決定部268に出力する。
【0058】
しかしながら、こうして求めた境界座標は、領域開始点ASおよび領域終了点AEおよび極大値を与える座標値として求めたものにすぎず、その間に、スポットが実際に存在するとは限らず、場合によっては、ノイズによる濃度データの微小な変化が存在するにすぎない場合があるので、ただちに、スポットの境界座標と決定することはできない。そこで、スポット境界座標決定部268は、隣接する境界に対応する境界座標の間の領域内のy実願昭方向周辺分布データに対して、p点平滑微分を施して、その領域内に極小値が存在するか否かを判定する。その結果、極小値が検出されなかったときは、スポット境界座標決定部268は、その領域を画定する境界座標を、スポットの境界座標としては認識しない。本実施態様においては、7点平滑微分が施される。
さらに、ノイズによる濃度データの微小な変化が存在するにすぎない場合に、これを、スポットとして誤って認識することを防止するために、スポット境界座標決定部268は、2以上の境界座標が、所定数の画素データ、たとえば、5画素データ内に含まれるときは、1つの境界座標のみをスポットの境界座標として認識し、その他の境界座標はスポットの境界座標としては認識しない。
【0059】
スポット境界座標決定部268は、こうして得られたスポットの境界座標に基づいて、各レーンごとに、各スポットを画定する境界のy座標の値から構成されるスポット領域データを生成し、画像合成部218に出力する。その結果、前記実施態様と同様にして、たとえば、図16に示すように、レーン分割線によりレーン分割がされ、スポット分割線によりスポット分割された画像がCRT60の画面400上に表示される。
操作者が、入力装置70を操作して、画像データを修正するためのデータが、データ修正部210に入力されたときは、前記実施態様と同様に、データ修正部210により、画像データが修正され、修正された画像データに応じた画像が、CRT60の画面上に表示される。
さらに、スポット境界座標決定部268は、スポット領域データを、定量処理部212および代謝物分類処理部222に出力する。定量処理部212は、レーン分割座標データにより画定されたレーンごとに、スポット領域データにより画定されたスポットに含まれる画素データの有する濃度データ、すなわち、蓄積性蛍光体シート1からの発光量(PSL値)を、それぞれ、算出し、スポットごとの濃度データを、定量データ記憶部214の定量データベースの所定の領域に記憶する。
【0060】
図28は、代謝物分類処理部222のブロックダイアグラムである。
図28に示されるように、代謝物分類処理部222は、入力されたスポット領域データに基づいて、レーンを2本づつ、比較して、スポット分割線の位置の一致、不一致にしたがって、スポットをグループ化し、グループ化がされる毎に、各グループに、試料を展開した側から順に、グループナンバーを付す処理を実行するスポットグループ化部223と、濃度データの分布が類似したレーンを同じグループに分類し、グループ化するレーングループ化部224と、レーングループ化部224によるレーンのグループ化に基づいて、各スポットの属すべきグループを補正するスポットグループ補正部225を備えている。
スポット領域データを受けると、代謝物分類処理部122のスポットグループ化部223は、図29(a)に示されるように、2本のレーン内の対応すると認められるスポットを画定するスポット分割線の位置を比較し、対応するスポット分割線700および701、702および703の位置が一致した場合には、これらのスポットを同一グループに分類する。これに対して、図29(b)に示されるように、対応するスポット分割線700および701、702および703の位置が、いずれも一致しないときは、これらのスポットを別のグループに分類する。他方、図29(c)に示されるように、対応するスポットを画定するスポット分割線のうち、一方のスポット分割線の位置は一致したが、他方のスポット分割線の位置が一致しない場合には、スポットグループ化部223は、それぞれのスポット内のピークの位置を比較して、これが一致したときは、これらのスポットを同一グループに分類する。さらに、図29(d)に示されるように、2本のレーン内に、位置がほぼ一致するスポット分割線700および701、702および703の存在は認められるが、一方のレーン内のスポット分割線701および703の間に、さらに他のスポット分割線705が存在する場合には、スポットグループ化部223は、一対のスポット分割線700および702ならびに701および703により画定されるスポット内のピークの位置を比較して、これが一致したときは、これらのスポットを同一グループに分類し、一致しないときは、別のグループに分類する。
【0061】
こうして、図12に示されるレーンL1を、レーンL2ないしL9と順次比較し、さらに、レーンL2を、レーンL3ないしL9と、レーンL3を、レーンL4ないしL9と順次比較するというようにして、すべてのレーンを他のレーンと比較し、レーンL1ないしL9に含まれる各スポットをグループ化する。
こうしてなされたスポットのグループ化の結果、1つのレーン内の各スポットは、必ず、異なるグループに属することになるはずであるが、グループ化は、あるレーンの各スポットを他のすべてのレーンのすべてのスポットと比較して、あるスポットがどのスポットと同一グループに分類されているか否かを判定することによりなされ、同じレーン内のスポットを比較していないため、1つのレーン内に含まれる2以上のスポットが、同一グループに分類されていることが起こり得る。そこで、本実施態様においては、スポットグループ化部223は、1つのレーン内の2以上のスポットが、同一グループに分類されているときは、各スポットの面積を比較して、面積が最大のスポットのみを、そのグループに残し、他のスポットは、そのグループから外す処理をおこなう。
その結果、1つのレーン内の各スポットは、すべて、異なるグループに分類されることになるが、あるスポットが、2以上のグループに分類されている場合があり得る。そこで、代謝物分類処理部222のスポットグループ化部223は、各スポットを1つのグループに分類するため、2以上のグループに分類されているスポットと同じグループに属している他のレーン内のスポットが、そのレーンのレーンナンバーよりもレーンナンバーが小さいレーン内に存在するか否かを、レーンナンバーの大きい順に検索する。その結果、そのスポットと同じグループに分類されているスポットが、異なるレーン内で検索されたときは、スポットグループ化部223は、そのスポットを、レーンナンバーが最も大きいレーン内で検索されたスポットと同じグループに分類する。他方、そのスポットが含まれているレーンよりもレーンナンバーが小さい同一レーン内に、そのスポットが分類されているのと同じグループに属しているスポットが、2以上、検索されたときは、スポットグループ化部223は、そのスポットの面積と、検索された他のレーン内のスポットの面積との比を算出して、比較し、そのスポットを、面積比の大きいスポットと同じグループに分類する。これに対して、そのレーンよりもレーンナンバーの小さいレーン内には、そのスポットと同じグループに属するスポットが検索されなかったときは、スポットグループ化部223は、そのスポットを、グループナンバーの最も小さいグループに分類する。
【0062】
次いで、代謝物分類処理部222のレーングループ化部224は、L1ないしL9のレーンを比較して、同じグループに属するスポットの数が多いレーン、すなわち、一致するスポット分割線の割合の多いレーンを選択し、レーンのグループ化をおこなう。この際、3以上のレーン内に、2つのスポット分割線が互いに一致してはいるが、その間に、スポット分割線が存在するスポットがある場合には、一致したスポット分割線の間にあるスポットの面積の大きい方を同じグループのレーンとしてグループ化する。
こうして、レーンのグループ化が完了すると、代謝物分類処理部222のスポットグループ補正部225は、同じグループ内に分類されたレーン間の対応する位置に、異なるグループに属するスポットがあるときは、これらのスポットを同じグループに分類する処理をおこない、スポットグループ化データを書き換えを実行する。
以上のようにして、代謝物分類処理部222により生成されたグループデータは、定量データ記憶部214の定量データベースに与えられ、定量データ記憶部214の定量データベースには、図18に示されるのと同様なデータが記憶される。
【0063】
前記実施態様と同様にして、表データ生成部216によって、所望の表が生成され、画像合成図218に出力され、さらに、ウィンドメモリ220を介して、CRT60の画面上に表示される。
本実施態様によれば、背景雑音を除去する処理がなされていないため、小さな容量のメモリを用い、短時間に、操作者が煩雑な操作をすることを要せずして、定量すべき領域を画定することが可能になる。また、平滑化微分ではなく、ノイズ除去部300によりノイズが除去されたx軸方向の周辺分布データに一次元フーリエ変換を施して、ピークの位置を推定しているので、小さなピークも精度良く認識することができる。さらに、領域開始点ASおよび領域終了点AEおよび極大値を与える座標値を、ただちに、スポットの境界座標として認識せず、これらの間に、極小値が存在するか否かおよび2以上の境界座標が、所定数の画素に含まれるか否かを判定して、スポットの境界座標を決定しているので、ノイズ成分により濃度が微小に変化する部分をスポットとして誤って認識することを防止することができ、スポットの認識精度を向上させることができる。また、前記実施態様においては、スポットの中心座標に基づいて、スポットのグループ化をしているため、スポットの面積が大きく、濃度の高い部分がスポットの一方の境界の近くに存在するようなスポットがある場合には、2つのスポットの濃度の高い部分の座標はほぼ一致していても、濃度の高い部分の座標とスポットの中心座標が一致しないため、2つのスポットは異なるグループに分類されてしまうおそれがあった。しかしながら、本実施態様によれば、一方のスポット分割線の位置は一致したが、他方のスポット分割線の位置が一致しない場合には、スポットグループ化部223は、それぞれのスポット内のピークの位置を比較して、これが一致したときは、これらのスポットを同一グループにグループ化するようにしているので、スポットの面積が大きく、濃度の高い部分がスポットの一方の境界の近くに存在するようなスポットも、所望のように、グループ化することが可能になる。
【0064】
図30は、本発明の他の実施態様にかかるスポット認識処理部の構成を示すブロックダイアグラムである。
図30に示されるように、本実施態様にかかるスポット認識処理部208は、画定されたレーンごとに、表示画像データが展開される平面座標の各y座標に含まれる画素の濃度データの和、すなわち、y座標の値を共通にする画素のx軸方向の濃度データの和を、それぞれ算出し、y軸方向の濃度データの値の周辺分布を示す周辺分布データを算出するy軸方向周辺分布算出部860と、y軸方向周辺分布算出部860により算出されたy軸方向の周辺分布データのノイズ成分を除去するノイズ除去部861と、ノイズ成分が除去されたy軸方向の周辺分布データの極小値を検出する極小値検出部862と、ノイズ成分が除去されたy軸方向の周辺分布データの極大値を検出する極大値検出部863と、極小値検出部862によって検出された極小値に基づいて、スポットを決定するためのしきい値を決定するしきい値決定部864と、しきい値決定部864により決定されたしきい値に基づき、スポットを決定するスポット決定部865と、スポット決定部865により決定されたスポットに基づいて、スポット境界座標を決定するスポット境界座標決定部868を備えている。
【0065】
y軸方向周辺分布算出部860は、前記実施態様におけるy軸方向周辺分布算出部160と全く同様に、各レーン内で同一のy座標を有する画素に対応する画像データの濃度データの値を累算し、この処理を、すべてのy座標について繰り返し、y軸方向の周辺分布データを生成して、ノイズ除去部861に出力する。ノイズ除去部861は、入力されたy軸方向の周辺分布データに対して、ローパスフィルタ処理およびメディアン・フィルタ処理を施すことによって、y軸方向周辺分布データのノイズ成分を除去し、ノイズ成分が除去されたy軸方向の周辺分布データを、極小値検出部862に出力する。
極小値算出部862は、ノイズ成分が除去されたy軸方向の周辺分布データに対して、p点平滑微分を施し、p点平滑微分が施されたデータから、極小値を検出する。前記実施態様と同様に、本実施態様においても、7点平滑微分が施される。こうして検出された極大値は、しきい値決定部864に出力される。
しきい値決定部864は、入力された極小値を比較して、値の小さい順に、s個の極小値を選択して、選択された極小値の間のy軸方向周辺分布データの最大値を求める。図31に示されるように、本実施態様においては、s=3に設定され、3つの極小値V1、V2、V3が選択され、その間でのy軸方向周辺分布データの最大値dmax が求められている。図31においては、極小値V1とV2との間の極大値が選択されている。次いで、しきい値決定部864は、検出された最大値のu%をしきい値として、決定し、スポット決定部865に出力する。本実施態様においては、u=80%に設定されている。
【0066】
スポット決定部865は、しきい値決定部864から入力されたしきい値よりも小さい値を有する極小値をスポットとして決定し、スポット座標決定部868に出力する。
他方、極大値検出部863は、ノイズ成分が除去されたy軸方向の周辺分布データに対して、p点平滑微分を施し、p点平滑微分が施されたデータから、極大値を検出して、スポット境界座標決定部868に出力する。前記実施態様と同様に、本実施態様においても、7点平滑微分が施される。
スポット境界座標決定部868は、極大値検出部863から入力された極大値のうち、スポット決定部865により決定されたスポットを挟んで、隣接する極大値の座標を、スポットの境界を確定するスポット境界座標として決定する。
スポット境界座標決定部868は、こうして得られたスポットの境界座標に基づいて、各レーンごとに、各スポットを画定する境界のy座標の値から構成されるスポット領域データを生成して、前記実施態様と全く同様にして、画像合成部218、定量処理部212および代謝物分類処理部222に出力する。
第1の実施態様においては、y軸方向周辺分布データの最大値を基準として、しきい値を定めて、領域開始点ASと領域終了点AEとを決定し、その間で、スポット分割線を求めているので、そのレーン内のy軸方向周辺分布データの最大値がきわめて大きいとき、すなわち、そのレーン内に、濃度がきわめて低い部分が存在し、レーン内のスポット分割線の部分のy軸方向周辺分布データの値が、最大値に比して、小さいときには、領域開始点ASと領域終了点AEとの間に、スポット分割線を検出することができない場合がある。このような問題は、しきい値を定めるjの値を小さく設定すれば、ある程度、防止することは可能になるが、いかなる画像に対しても、適切に、jの値を決定することは困難である。しかしながら、本実施態様によれば、実際に、スポットが存在する部分におけるy軸方向周辺分布データの最大値、すなわち、濃度が低く、スポット分割線に相当する部分のy軸方向周辺分布データの値を基準として、スポット分割線を求めるしきい値を定めているので、いかなる画像に対しても、適切に、しきい値を決定し、スポット分割線を決定することが可能になる。
【0067】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることがいうまでもない。
たとえば、前記実施態様においては、複数の試料を、それぞれ、クロマトグラフィー展開する薄層クロマトグラフィ法につき、説明を加えたが、本発明は、単一の試料を一次元的に展開する薄層クロマトグラフィ法にも適用することもできる。
さらに、前記実施態様においては、実験動物から採取した尿、胆汁およびフンをクロマトグラフィー展開し、蓄積性蛍光体シートを用いて得られたオートラジオグラフィ画像の領域を画定する場合につき、説明を加えたが、少なくとも一つの試料を一次元的に展開して得られた試料中の位置情報を含む画像であれば、かかるオートラジオグラフィ画像に限定されることなく、サザン・ブロット・ハイブリダイゼーション法を利用した遺伝子のオートラジオグラフィ画像や、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による蛋白質のオートラジオグラフィ画像などの他のオートラジオグラフィ画像の領域を画定する場合はもとより、化学発光画像の領域を画定する場合にも適用することができる。
【0068】
また、第1の実施態様においては、レーン分割がなされた画像データを、さらに、スポット認識座標算出部166により、スポット領域データを生成しているが、スポット領域を画定することは、操作者が、CRT60の画面400上のオートラジオグラフィ画像を観察しながら、おこなう方が、正確になし得ることがあるので、レーン分割座標算出部156により、レーン分割座標データが生成され、CRT60の画面400上のオートラジオグラフィ画像が、自動的に、レーン分割されれば、大幅に、オートラジオグラフィ画像の解析を迅速化することが可能になり、その意味で、スポット認識座標算出部166により、スポット領域データを生成することは必ずしも必要でない。
さらに、第1の実施態様においては、背景雑音処理部104は、コントラスト強調処理部130、濃度変換パラメータ算出部132、濃度変換処理部134、濃度孤立点除去処理部136、二値化処理部140、孤立点除去処理部142および画像間演算部144を有し、これらによって、背景部分の雑音に対応するデータを除去しているが、背景雑音処理部104は、これに限定されるものではない。たとえば、図30に示すように、背景雑音処理部104には、濃度変換パラメータ算出部132の代わりに、CRT60の画面上に表示されたオートラジオグラフィ画像から、入力装置70を用いて選択された所望の領域の濃度データを算出する濃度データ算出部800と、この領域の面積を算出し、濃度データと面積とに基づいて、濃度データの平均値、すなわち、単位面積当たりの濃度データの値を算出する平均値算出部802とを設け、平均値算出部202により算出された値を、濃度変換パラメータdとして、濃度変換処理部134が、その入力されたデータの値eから、以下のような値を有する出力データ値を生成して出力するようにしてもよい。
【0069】
出力データ値 = 255 (d≦e≦255)
出力データ値 = e (0≦e≦d)
また、第1の実施態様においては、背景雑音処理部104が、濃度孤立点除去処理部136、二値化処理部140および孤立点除去処理部142とを備え、背景部分の雑音に対応するデータを除去しているが、二値化処理部140および孤立点除去処理部142を省略しても、あるいは、孤立点除去処理部142を省略してもよい。
さらに、第1の実施態様における背景雑音処理部104から、コントラスト強調処理部130あるいは濃度変換処理部134を省略してもよい。
また、第1の実施態様においては、レーン分割処理部106のx軸方向周辺分布算出部150が、濃度データの和にローパスフィルタ処理を施し、さらに、処理の施されたデータとしきい値iとを比較しているが、これらの処理の一方或いは双方を省略してもよい。
さらに、第1の実施態様においては、スポット認識座標算出部166は、ある領域開始点とこれに隣接する極大点との間、隣接する極大点の間、或いは、極大点とこれに隣接する領域終了点との間のy軸方向の長さが、しきい値q以上である場合にかぎって、その領域をスポットとして認識しているが、領域開始点とこれに隣接する極大点との間、隣接する極大点の間、或いは、極大点とこれに隣接する領域終了点との間のy軸方向の長さいかんにかかわらず、スポットと認識するようにしてもよい。
【0070】
また、第1の実施態様においては、画像データを構成する画素の濃度データの値が大きい場合に、対応する画像がより白く表示され、小さい場合に、対応する画像がより黒く表示されるように構成されているが、逆に、画像データを構成する画素の濃度データの値が小さい場合に、対応する画像がより白く表示され、大きい場合に、対応する画像がより黒く表示されるように構成してもよい。
さらに、前記実施態様においては、蓄積性蛍光体シート1を用いて得た画像データを、CRT60の画面上に、画像として表示しているが、蓄積性蛍光体シート1に代えて、写真フィルムを用いて、一旦、可視画像を形成し、この可視画像を光電的に読み取り、電気信号に変換した画像データに対して、同様の処理をおこなうことも可能である。
また、第2の実施態様においては、ノイズ除去部300により、ローパスフイルタ処理が施されて、高周波のノイズ成分が除去された画像データに対して、ヒステリシス平滑化処理が施され、画像データ中の濃度レベルのゆらぎを除去しているが、ヒステリシス平滑化処理に代えて、メディアン・フィルタ処理や移動平均法による処理を用いることもできる。同様に、ノイズ除去部261は、ローパスフィルタ処理に加えて、メディアン・フィルタ処理を施すことによって、y軸方向周辺分布データを生成しているが、メディアン・フィルタ処理に代えて、ヒステリシス平滑化処理あるいは移動平均法による処理を用いることもできる。
【0071】
さらに、第1の実施態様においては、背景雑音を除去することにより、画像データのノイズを除去し、第2の実施態様においては、x軸方向の周辺分布データに、ローパスフイルタ処理およびヒステリシス平滑化処理を施し、ローパスフィルタ処理およびメディアン・フィルタ処理を施して、y軸方向周辺分布データを生成することにより、画像データのノイズを除去しているが、第1の実施態様において、第2の実施態様において用いたノイズ除去方法を用い、第2の実施態様において、第1の実施態様において用いたノイズ除去方法を用いて、画像データのノイズを除去するようにしてもよい。
また、第1の実施態様におけるスポット認識処理部108でなされるスポット認識処理に代えて、第2の実施態様におけるスポット認識処理部208でなされるスポット認識処理をおこなっても、さらには、第2の実施態様におけるスポット認識処理部208でなされるスポット認識処理に代えて、第1の実施態様におけるスポット認識処理部108でなされるスポット認識処理をおこなうこともできる。
さらに、第2の実施態様におけるスポット境界座標決定部268における処理は任意であり、これを省略することもできるし、また、スポット境界座標決定部268における処理を、第1の実施態様において、実行することもできる。
【0072】
また、第1の実施態様における代謝物分類処理部122でなされる処理に代えて、第2の実施態様における代謝物分類処理部222でなされる処理をおこなっても、さらには、第2の実施態様における代謝物分類処理部222でなされる処理に代えて、第1の実施態様における代謝物分類処理部122でなされる処理をおこなうこともできる。
さらに、本明細書において、手段とは、必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウエアによって実現される場合も包含する。また、一つの手段の機能が二以上の物理的手段により実現されても、二以上の手段の機能が一つの物理的手段により実現されてもよい。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、操作者による煩雑な操作を必要とすることなく、迅速に、生化学測定画像中の定量化あるいは定量解析すべき関心領域を画定することのできる生化学画像解析装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置のための画像データを生成する画像読み取り装置の一例を示す略斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置および画像読み取り装置のブロックダイアグラムである。
【図3】図3は、本実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置の画像形成/解析部およびその周辺回路を詳細に示したブロック図である。
【図4】図4は、本実施態様にかかる画像読み取り装置により読み取られ、画像データ記憶部に記憶された画像データから生成された表示画像データに対応し、CRTに表示された画像を示す図である。
【図5】図5は、背景雑音処理部の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図6】図6は、濃度変換パラメータ算出部により生成された濃度ヒストグラムを示す図である。
【図7】図7は、濃度孤立点除去処理部による処理を説明するための図である。
【図8】図8は、孤立点除去処理部による処理を説明するための図である。
【図9】図9は、レーン分割処理部の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図10】図10は、x軸方向周辺分布算出部による処理を説明するための図である。
【図11】図11は、レーン分割処理部によるレーンの分割方法を説明するための図である。
【図12】図12は、レーン分割処理部により形成されたレーンが表示されたCRTの画面を示す図である。
【図13】図13は、スポット認識処理部の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図14】図14は、図12に示されるレーンL6のy軸方向周辺分布データを示す図である。
【図15】図15は、スポット座標算出部による処理を説明するための図である。
【図16】図16は、スポット認識処理部より形成されたスポット表示されたCRTの画面を示す図である。
【図17】図17は、CRTの画面上に表示された画像を用いて、代謝物分類処理部による処理を説明するための図である。
【図18】図18は、定量データ記憶部の定量データベースを説明するための図である。
【図19】図19は、本発明の他の実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置の画像生成/解析部のブロックダイアグラムである。
【図20】図20は、x軸方向の定量すべき領域を示すレーンを画定するレーン分割処理部の構成を示すブロックダイアグラムである。
【図21】図21は、ピーク位置算出部のブロックダイアグラムである。
【図22】図22は、ヒステリシス平滑化処理の方法を説明するための図である。
【図23】図23は、ピーク位置推定部における処理を説明するための図である。
【図24】図24は、ピーク位置決定部における処理を説明するための図である。
【図25】図25は、ピーク位置決定部における処理を説明するための図である。
【図26】図26は、レーン開始点/終了点検出部における処理を説明するための図である。
【図27】図27は、スポット認識処理部の構成を示すブロックダイアグラムである。
【図28】図28は、代謝物分類処理部のブロックダイアグラムである。
【図29】図29は、代謝物分類処理部における処理を説明するための図である。
【図30】図30は、本発明の他の実施態様におけるスポット認識処理部の構成を示すブロックダイアグラムである。
【図31】図31は、しきい値を決定するための方法を示すグラフである。
【図32】図32は、本発明の他の実施態様にかかる背景雑音処理部の構成を示すブロックダイアグラムである。
【符号の説明】
1 蓄積性蛍光体シート
2 レーザ光
3 レーザ光源
4 フィルタ
5 ビーム・エクスパンダ
6 光偏向器
7 fθレンズ
8 平面反射鏡
9 導光性シート
10 光検出器
11 増幅器
12 A/D変換器
13 ラインバッファ
20 画像読み取り装置
30 オートラジオグラフィ画像解析装置
40 信号処理手段
41 ラインバッファ
42 制御部
43 画像生成/解析部
50 画像データ記憶手段
51 画像データ一時記憶部
52 画像データ記憶部
60 CRT
70 入力装置
102、202 表示画像生成部
104 背景雑音処理部
106、206 レーン分割処理部
108、208 スポット認識処理部
110、210 データ修正部
112、212 定量処理部
114、214 定量データ記憶部
116、216 表データ生成部
118、218 画像合成部
120 ウィンドウメモリ
122、222 代謝物分類処理部
130 コントラスト強調処理部
132 濃度変換パラメータ算出部
134 濃度変換処理部
136 濃度孤立点除去処理部
140 二値化処理部
142 孤立点除去処理部
144 画像間演算部
150、250 x軸方向周辺分布算出部
152 レーン開始点検出部
154 レーン終了点検出部
156 レーン分割座標算出部
160、260、860 y軸方向周辺分布算出部
162、262 領域開始点/終了点検出部
164 領域内ピーク値検出部
166 スポット認識座標算出部
223 スポットグループ化部
224 レーングループ化部
225 スポットグループ補正部
252 ピーク位置算出部
254 レーン開始点/終了点検出部
256 レーン分割座標算出部
261 ノイズ除去部
264 領域内極大値検出部
266 スポット境界座標算出部
268 スポット境界座標決定部
300 ノイズ除去部
302 ピーク位置推定部
304 ピーク位置決定部
400 CRTの画面
401−1、401−2、・・・・401−10 レーン
500 入力波形
502 カーソル
504 出力波形
700、701、702、703、705 スポット分割線
861 ノイズ除去部
862 極小値検出部
863 極大値検出部
864 しきい値決定部
865 スポット決定部
868 スポット境界座標決定部

Claims (11)

  1. 少なくとも一つの試料を一次元的に展開して得られた試料中の標識物質の位置情報を、電気信号に変換して得られたデータに基づき、生成された生化学画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
    前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から画像データを選択して、所定の処理を施すことにより、平面座標系に展開された表示画像データを生成する表示画像データ生成手段と、
    前記表示画像データに基づき、画像を表示する表示手段と、
    前記表示画像データを、前記表示画像データが展開される前記平面座標系の一方の座標軸方向に分割して、前記一方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第1の分割座標データを生成する第1の画像データ分割手段と、
    前記表示画像データの中から、前記表示手段に表示されるべき画像のノイズに対応するデータを除去して、ノイズ除去画像データを生成する第1のノイズ除去手段を備え、
    前記第1の画像分割手段が、前記第1のノイズ除去手段によりノイズに対応するデータが除去されたノイズ除去データに一次元フーリエ変換を施して、濃度データのピークの座標を推定するピーク推定手段と、該ピーク推定手段により推定されたピークの座標を補正するピーク座標補正手段と、該ピーク座標補正手段により得られたピークの座標にしたがって、第1の分割座標データを生成するレーン分割座標データ生成手段を備えた、
    ことを特徴とする生化学画像解析装置。
  2. さらに、前記一方の座標軸方向に分割された前記表示画像データを、前記平面座標系の他方の座標軸方向に分割し、前記レーンごとに、前記他方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するスポットを形成するための第2の分割座標データを生成する第2の画像データ分割手段と、
    前記第1の分割座標データと前記第2の分割座標データとに基づいて、前記各レーンに形成されたスポットが属すべきグループを示すグループデータを生成するグループデータ生成手段を備えた、
    ことを特徴とする請求項1に記載の生化学画像解析装置。
  3. 前記グループデータ生成手段が、各レーンの前記第2の分割座標データを対比して、前記各レーンに形成されたスポットをグループ化するスポットグループ化手段と、前記各レーンの前記第2の分割座標データを比較して、各レーンをグループ化するレーングループ化手段と、該レーングループ化手段による前記各レーンのグループ化の結果に基づいて、前記スポットグループ化手段によりグループ化されたスポットのグループを補正するスポットグループ化補正手段を備えた、
    ことを特徴とする請求項2に記載の生化学画像解析装置。
  4. 少なくとも一つの試料を一次元的に展開して得られた試料中の標識物質の位置情報を、電気信号に変換して得られたデータに基づき、生成された生化学画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
    前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から画像データを選択して、所定の処理を施すことにより、平面座標系に展開された表示画像データを生成する表示画像データ生成手段と、
    前記表示画像データに基づき、画像を表示する表示手段と、
    前記表示画像データを、前記表示画像データが展開される前記平面座標系の一方の座標軸方向に分割して、前記一方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第1の分割座標データを生成する第1の画像データ分割手段と、
    前記一方の座標軸方向に分割された前記表示画像データを、前記平面座標系の他方の座標軸方向に分割し、前記レーンごとに、前記他方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するスポットを形成するための第2の分割座標データを生成する第2の画像データ分割手段と、
    前記第1の分割座標データと前記第2の分割座標データとに基づいて、前記各レーンに形成されたスポットが属すべきグループを示すグループデータを生成するグループデータ生成手段と、を備え、
    前記グループデータ生成手段が、各レーンの前記第2の分割座標データを対比して、前記各レーンに形成されたスポットをグループ化するスポットグループ化手段と、前記各レーンの前記第2の分割座標データを比較して、各レーンをグループ化するレーングループ化手段と、該レーングループ化手段による前記各レーンのグループ化の結果に基づいて、前記スポットグループ化手段によりグループ化されたスポットのグループを補正するスポットグループ化補正手段を備えたことを特徴とする生化学画像解析装置。
  5. 前記第2の画像データ分割手段が、前記第1の画像データ分割手段により生成された第1の分割座標データに基づいて画定されたレーンごとに、前記他方の座標の値を共通にする画素データの有する濃度データの値を累算し、前記他方の座標方向の周辺分布データを算出する周辺分布データ算出手段と、
    前記周辺分布データ算出手段により算出された周辺分布に対応するデータに基づいて、前記レーンごとのスポットを画定する第2の分割座標データを生成するスポット分割座標データ生成手段とを有し
    前記スポット分割座標データ生成手段が、前記周辺分布データ算出手段により算出された周辺分布に対応するデータの値を所定値と比較して、領域開始点および領域終了点を検出する領域開始点/終了点検出手段と、前記周辺分布データ算出手段により算出された周辺分布に対応し前記領域開始点と前記領域終了点との間に存在するデータの微分値の符号が変化するピーク点を検出するピーク点検出手段と、前記領域開始点および領域終了点ならびに前記ピーク点に基づいて、前記スポットを形成するための第2の分割座標データを算出する分割座標データ算出手段とを有する、
    ことを特徴とする請求項ないし4のいずれか1項に記載の生化学画像解析装置。
  6. さらに、前記表示画像データの中から、前記表示手段に表示されるべき画像の背景ノイズに対応するデータを除去して、ノイズ除去画像データを生成する背景ノイズ除去手段を備え、
    前記第1の画像データ分割手段が、前記ノイズ除去画像データを、前記表示画像データが展開される前記平面座標系の一方の座標軸方向に分割して、前記一方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第1の分割座標データを生成するように構成された、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の生化学画像解析装置。
  7. 少なくとも一つの試料を一次元的に展開して得られた試料中の標識物質の位置情報を、電気信号に変換して得られたデータに基づき、生成された生化学画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
    前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から画像データを選択して、所定の処理を施すことにより、平面座標系に展開された表示画像データを生成する表示画像データ生成手段と、
    前記表示画像データに基づき、画像を表示する表示手段と、前記表示画像データを、前記表示画像データが展開される前記平面座標系の一方の座標軸方向に分割して、前記一方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第1の分割座標データを生成する第1の画像データ分割手段と、
    前記表示画像データの中から、前記表示手段に表示されるべき画像の背景ノイズに対応するデータを除去して、ノイズ除去画像データを生成する背景ノイズ除去手段を備え、
    前記第1の画像データ分割手段が、前記ノイズ除去画像データを、前記表示画像データが展開される前記平面座標系の一方の座標軸方向に分割して、前記一方の座標軸方向の定量すべき領域を画定するレーンを形成するための第1の分割座標データを生成するように構成され、
    前記背景ノイズ除去手段が、前記表示画像データを構成する複数の画素を含む領域を画定し、前記領域の所定の位置にある画素データの有する濃度データが、前記領域の他の位置にある画素データの有する濃度データと異なる場合に、前記所定の位置にある画素データの有する濃度データの値を、所定の値に変換し、前記領域中の孤立した濃度データを有する画素データを除去する孤立点除去手段と、前記孤立点除去手段から出力されたデータを二値化する二値化手段と、前記二値化手段から出力されたデータから、複数の画素データを含む領域を画定し、前記領域の所定の位置にある画素データの有する濃度データが、前記領域の他の位置にある画素データの有する濃度データと異なる場合に、前記所定の位置にある画素データの有する濃度データの値を、所定の値に変換し、該領域中の孤立した濃度データを有する画素データを除去する第2の孤立点除去手段を備えた、
    ことを特徴とする生化学画像解析装置。
  8. 前記濃度データの値が、大きくなるにしたがって、前記濃度データを有する画素データに対応する画像が、前記表示手段上に白く表示されるように構成され、前記背景ノイズ除去手段が、さらに、前記表示画像データを構成する画素データの有する濃度データを、所定の範囲に拡張して、コントラストを強調するコントラスト強調手段と、前記コントラストの強調された表示画像データの濃度ヒストグラムを生成し、前記濃度ヒストグラムの面積の所定の割合を占める点より大きな値を有する濃度データに、濃度データの最大値を付与する濃度変換手段とを有し、前記濃度変換手段により濃度データの変換されたデータが、前記孤立点除去手段に与えられる、
    ことを特徴とする請求項7に記載の生化学画像解析装置。
  9. 前記濃度データの値が、大きくなるにしたがって、前記濃度データを有する画素データに対応する画像が、前記表示手段上に白く表示されるように構成され、前記背景ノイズ除去手段が、さらに、前記表示画像データを構成する画素データの有する濃度データを、所定の範囲に拡張して、コントラストを強調するコントラスト強調手段と、前記表示画像データから選択された所定の領域に含まれる画素データの有する濃度データの平均値を算出し、前記平均値より大きな値を有する濃度データに、濃度データの最大値を付与する濃度変換手段を有し、前記濃度変換手段により濃度データの変換されたデータが、前記孤立点除去手段に与えられる、
    ことを特徴とする請求項7に記載の生化学画像解析装置。
  10. 前記画像データが、蓄積性蛍光体シートを用いて生成されたものである、
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の生化学画像解析装置。
  11. 前記画像データが、オートラジオグラフィ画像データおよび化学発光画像データよりなる群から選ばれた画像データにより構成されたこと、
    を特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の生化学画像解析装置。
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