JP3571561B2 - 走査顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、集束された電子ビームやイオンビームを試料上で走査し、試料から得られた2次電子等の信号を検出して走査画像を得るようにした走査顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
走査顕微鏡は、電子銃あるいはイオン銃から放出された一次電子ビームあるいは一次イオンビームを電子レンズを用いて試料面上に集束させ、集束させた一次電子ビームあるいは一次イオンビームを走査し、試料面上から放出された2次電子を検出することで画像信号を得るものである。以下、走査電子顕微鏡を例に説明する。
【0003】
図1は従来の走査電子顕微鏡のシステム構成を示しており、1は対物レンズである。対物レンズ1は図示していない電子銃から発生し加速された一次電子ビームEBを試料2上に細く集束する。この対物レンズ1の励磁コイルには、対物レンズ制御器3から励磁電流が供給されており、この励磁電流量を調整することにより、対物レンズ1のレンズ強度は制御される。
【0004】
一次電子ビームEBの光軸に沿って、走査コイル4,5が配置されており、この走査コイル4,5には、走査制御器6から一次電子ビームEBを偏向する信号が供給される。この走査コイル4,5で一次電子ビームEBを偏向する強度は、各走査コイルに流される電流量で決まり、この電流量は走査制御器6によってX,Y方向に制御されている。
【0005】
この結果、試料2上の所定領域は一次電子ビームによって2次元的に走査される。試料2への一次電子ビームの照射によって発生した2次電子eは、対物レンズ1の磁界に拘束されて上方に取り出され、一次電子ビームEBの光軸から離れた位置に配置された2次電子検出器7の前面に印加された電圧によって検出器7方向に引きよせられ、検出器7によって検出される。
【0006】
検出器7の検出信号は、信号増幅器8によって増幅され、信号増幅器8内のAD変換器によってディジタル信号に変換された後、画像積算器9に供給される。画像積算器9に供給された信号は、フレームバッファ上で画像積算され、画像積算によってホワイトノイズが除去された像が陰極線管10上に表示される。
【0007】
上記した構成で、電子銃から発生し加速された一次電子ビームEBは、コンデンサレンズ(図示せず)と対物レンズ1とによって試料2上に細く集束される。更に、一次電子ビームEBは、走査コイル4,5によって試料2上の所定領域で2次元的に走査される。
【0008】
試料2への一次電子ビームの照射によって発生した2次電子eは、2次電子検出器7によって検出され、検出器7の検出信号は、信号増幅器8を介して画像積算器9に供給される。画像積算器9では、各画素ごとに積算処理が施されてノイズ成分が著しく低減される。このノイズ成分が低減された画像信号は、陰極線管10に供給され、陰極線管10上にはSN比の向上した走査2次電子像が表示される。
【0009】
ここで、対物レンズ1のレンズ強度を変えることにより、一次電子ビームEBの焦点位置の調整を行うことができ、また、走査コイル4,5に供給する電流量を調整することにより、一次電子ビームの試料上の2次元走査領域を変えて陰極線管10上の像の表示倍率を変えることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
次に、上記した走査電子顕微鏡において、図2,図3を用い、一次電子ビームEBの焦点位置による2次電子像の違いについて説明する。この説明は、試料2がウエハー基板上にパターンが形成されている半導体試料を例として行う。
【0011】
図2は半導体試料2の断面を示す。基板11上にパターン12が形成されている。パターン12の高さは、数μm程度あり、一次電子ビームEBをパターン12のどこで集束させるかによって2次電子像が変わってしまうという問題点が生じる。
【0012】
図2(a)は一次電子ビームEBをパターン12の底部13上に集束させた場合であり、パターン12の頂部14では一次電子ビームは集束していない。この場合に形成される2次電子像は、図3(a)に示すように、パターン12の底部13が鮮明に観察でき、パターン12の頂部14はぼけてしまっている。
【0013】
図2(b)は一次電子ビームEBをパターン頂部14上に集束させた場合であり、パターン底部13では、一次電子ビームは集束していない。この場合、形成される2次電子像は、図3(b)に示すように、パターン12の頂部14が鮮明に観察でき、パターン底部13はぼけてしまっている。
【0014】
このように、試料2上のパターンの高さが高いときには、一次電子ビームEBをパターンのどこに集束させるかによって2次電子像が変わってしまうという問題点があった。すなわち、凹凸の激しい試料の場合では、2次電子像の視野の中で、一次電子ビームの焦点位置の差によって像の中で鮮明な箇所と不鮮明な箇所とが生じてしまう。このような現象は、走査電子顕微鏡の分解能が高くなり、一次電子ビームの開き角が大きくなって焦点深度が浅くなってきたことに起因している。
【0015】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、凹凸の激しい試料であっても、視野の中で一様に鮮明な像を得ることができる走査顕微鏡を実現するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に基づく走査顕微鏡は、一次ビームを試料上で2次元的に走査する走査手段と、試料への一次ビームの照射によって得られた信号を検出する検出器と、走査手段による一次ビームの垂直走査の1フレームごとに同期して該一次ビームの焦点位置を変化させる手段と、1フレームごとに同期して焦点位置が変化した一次ビームに基づく検出信号を積算処理して記憶する画像積算器と、画像積算器に記憶された信号に基づいて像を表示する表示手段とを備えたことを特徴としている。
【0017】
第1の発明では、試料上に照射する一次ビームの焦点位置を走査手段による一次ビームの垂直走査の1フレームごとに同期して変化させ、1フレームごとに同期して焦点位置が変化した一次ビームに基づく検出信号を積算し、積算された信号に基づいて像の表示を行い、観察視野内のほぼ全域で焦点の合った像を得る。
第2の発明に基づく走査顕微鏡は、第1の発明において、前記一次ビームの焦点位置の変化を制御するための集束位置変化曲線を格納するデータ格納器をさらに備えたことを特徴としている。
【0018】
第3の発明に基づく走査顕微鏡は、第1若しくは2の発明において、一次ビームの焦点位置を変化させる手段を対物レンズの近傍に配置された焦点位置制御レンズとし、焦点位置制御レンズのレンズ強度が一次ビームの2次元走査に同期して変化させられることを特徴としている。
【0019】
第4の発明に基づく走査顕微鏡は、第1若しくは2の発明において、一次ビームの焦点位置を変化させる手段を対物レンズとし、対物レンズのレンズ強度が一次ビームの2次元走査に同期して変化させられることを特徴としている。
【0021】
第5の発明に基づく走査顕微鏡は、一次ビームを試料上で2次元的に走査する走査手段と、試料への一次ビームの照射によって得られた信号を検出する検出器と、走査手段による一次ビームの垂直走査の1フレームごとに同期して該一次ビームの焦点位置を変化させる手段と、1フレームごとに同期して焦点位置が変化した一次ビームに基づく検出信号を積算処理して記憶する画像積算器と、画像積算器に記憶された信号に基づいて像を表示する表示手段と、画像積算器からの信号に基づき試料の凹凸に対応した焦点位置範囲を検出する検出手段とを備えたことを特徴としている。
【0022】
第5の発明では、一次ビームの異なった焦点位置に基づく検出信号を1フレームごとに積算し、その積算結果に基づき試料の凹凸に対応した焦点位置範囲を検出し、試料上に照射する一次ビームの焦点位置を検出した焦点位置範囲に応じて変化させ、一次ビームの異なった焦点位置に基づく検出信号を積算し、積算された信号に基づいて像の表示を行い、観察視野内のほぼ全域で焦点の合った像を得る。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図4は本発明に基づく走査電子顕微鏡のシステムの一例を示しており、図1の従来システムと同一ないしは類似の構成要素には同一番号が付されている。
【0026】
図4において、1は対物レンズである。対物レンズ1は図示していない電子銃から発生し加速された一次電子ビームEBを試料2上に細く集束する。この対物レンズ1の励磁コイルには、対物レンズ制御器3から励磁電流が供給されており、この励磁電流量を調整することにより、対物レンズ1のレンズ強度は制御される。
【0027】
一次電子ビームEBの光軸に沿って、走査コイル4,5が配置されており、この走査コイル4,5には、走査制御器6から一次電子ビームEBを偏向する信号が供給される。この走査コイル4,5で一次電子ビームEBを偏向する強度は、各走査コイルに流される電流量で決まり、この電流量は走査制御器6によってX,Y方向に制御されている。
【0028】
この結果、試料2上の所定領域は一次電子ビームによって2次元的に走査される。試料2への一次電子ビームの照射によって発生した2次電子eは、対物レンズ1の磁界に拘束されて上方に取り出され、一次電子ビームEBの光軸から離れた位置に配置された2次電子検出器7の前面に印加された電圧によって検出器7方向に引きよせられ、検出器7によって検出される。
【0029】
検出器7の検出信号は、信号増幅器8によって増幅され、信号増幅器8内のAD変換器によってディジタル信号に変換された後、画像積算器9に供給される。画像積算器9に供給された信号は、フレームバッファ上で画像積算され、画像積算によってホワイトノイズが除去された像が陰極線管10上に表示される。
【0030】
対物レンズ1の近傍には、一次電子ビームEBの集束位置を微調節するための焦点制御レンズ15が配置されている。この焦点制御レンズ15は、応答速度を速くするために空芯コイルが使用されることが望ましい。この焦点制御レンズ15の強度は、可変焦点位置制御器16によって制御される。
【0031】
可変焦点位置制御器16から焦点制御レンズ15への励磁電流は、集束位置データ格納器17からの信号により制御される。また、可変焦点位置制御器16からの励磁電流は、走査制御器6からの一次電子ビームEBの走査信号に同期して変化するように構成されている。
【0032】
18は焦点位置検出器であり、焦点位置検出器18は走査制御器6と同期して画像積算器9からの画像信号に基づき、例えば、試料2上に形成されたパターンの頂部と底部における一次電子ビームの焦点位置を検出する。なお、この一次電子ビームEBの焦点位置とは、パターンの頂部に焦点が合わされた時と、底部に焦点が合わされた時の焦点制御レンズ15に供給される励磁電流値に対応している。このような構成の動作を次に説明する。
【0033】
上記した構成で、電子銃から発生し加速された一次電子ビームEBは、コンデンサレンズ(図示せず)と対物レンズ1とによって試料2上に細く集束される。更に、一次電子ビームEBは、走査コイル4,5によって試料2上の所定領域で2次元的に走査される。
【0034】
試料2への一次電子ビームの照射によって発生した2次電子eは、2次電子検出器7によって検出され、検出器7の検出信号は、信号増幅器8を介して画像積算器9に供給される。画像積算器9では、各画素ごとに積算処理が施されてノイズ成分が著しく低減される。このノイズ成分が低減された画像信号は、陰極線管10に供給され、陰極線管10上にはSN比の向上した走査2次電子像が表示される。
【0035】
ここで、試料2に照射される一次電子ビームEBの集束位置(焦点位置)は、焦点制御レンズ15のレンズ強度を可変焦点位置制御器16によって制御することにより変えることができる。焦点制御レンズ15の強度と、一次電子ビームの集束位置との関係は図5に示すように予め判明している。
【0036】
図6(a)は、走査制御器6で制御される垂直走査振幅波形Sを示しており、また、図6(b)は、垂直走査の1フレームごとに同期して可変焦点位置制御器16によって制御される焦点位置制御曲線Fを示している。この焦点位置(集束位置)制御曲線Fは、データ化されて集束位置データ格納器17に格納されている。なお、この格納されるデータ作成の手順については後述する。図5や図6(b)における頂部、底部は、図2に示したパターン12の頂部14、底部13に対応している。
【0037】
この集束位置制御曲線Fは、前記したように走査制御器8と同期して変化し、画像積算器9のフレームバッファ上で画像積算される1フレームごとに焦点位置(集束位置)が一定値に固定されている。画像積算器9での画像積算数をNa回とした場合、図7に積算回数に応じた集束位置すなわち焦点制御レンズ15のレンズ強度の変化曲線Mを示している。
【0038】
この集束位置変化曲線Mは、集束位置データ格納器17に格納されており、観察すべき試料2に応じて凹凸に形成されたパターンのどこに集束させた画像を形成するかを制御することができる。
【0039】
前記した図7に示した集束位置変化曲線Mは、試料2上のパターン12の頂部14と底部13との間の各位置に同時に一次電子ビームを集束させた状態の画像が得られるようにすると共に、頂部14と底部13の位置で、フォーカスされた状態のときの積算回数を多めに設定した例である。
【0040】
この場合、数μmの高さを有する半導体試料のパターン観察でも、図8に示すように、パターン12の頂部14と底部13とで一次電子ビームの集束位置が異なっていても、画像上でのパターン12の全体に渡ってフォーカスずれのない、一様にフォーカスされた状態の画像を得ることができる。なお、集束位置データ格納器17に格納されている集束位置制御曲線の形状を変えることで、試料に応じて最終的に得られる像の画質を任意に変えることができる。
【0041】
図9は集束位置制御曲線Mの各種の例を示したもので、図9(a)はパターン12の中心にフォーカスを合わせることに重きを置いたケース、図9(b)はパターン12の底部13にフォーカスを合わせることに重きを置いたケース、図9(c)はパターン12の頂部14にフォーカスを合わせることに重きを置いたケースである。
【0042】
この図9(a)〜(c)の各ケースは、試料の高さ方向のほぼ特定の位置に焦点を合わせた場合に相当しており、このことは、本発明により、従来の特定高さ位置に焦点を合わせた画像も同様に得ることができることを示している。
【0043】
次に、焦点位置検出器18の動作について説明する。焦点位置検出器18は、走査制御器8と同期して画像積算器9から試料2上のパターン12の頂部14と底部13とにおける焦点位置を検出する。図10(a)は焦点位置検出器18でパターン12の頂部14と底部13との焦点位置を検出する場合の焦点制御レンズ15のレンズ強度変化を示している。
【0044】
1フレームの画像取り込みと同期して図10(a)に示すように、レンズ強度を探索下限から探索上限まで変化させる。そして、その際に得られた1フレームごとの信号を画像積算すると、図10(b)に示すように、2次電子の検出信号強度がレンズ強度の区間FbとFtとで強くなる。これは、この区間で一次電子ビームが試料上で集束していることを示しており、Fbの時のレンズ強度による焦点位置がパターン12の底部13となっており、Ftの時のレンズ強度による焦点位置がパターン12の頂部14の位置となっている。
【0045】
このようにして、可変焦点位置制御器16を用いて画像積算する前に、焦点位置検出器18でパターン12の頂部14と底部13の焦点位置を検出し、図5に示すレンズ強度と焦点位置との関係から、集束位置制御曲線Mを決める頂部および底部のレンズ強度を設定することができる。なお、集束位置データ格納器17に格納されている集束位置制御曲線Mは、陰極線管10上に表示させることができ、オペレータは陰極線管10の画面上に表示された曲線を見ながらこの曲線Mの修正を容易に行うことができる。
【0046】
前記した実施の形態は、試料が水平に位置されている場合であったが、試料を傾斜させた状態で観察する場合にも本発明を適用することができる。図11は試料を大きな角度で傾斜させることができる走査電子顕微鏡の要部を示している。図4の第1の実施の形態の構成と同一ないしは類似の構成には、同一番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0047】
図11において、試料2を大傾斜させた場合、低倍率において焦点位置の差が試料2上に形成されているパターンの頂部と底部とで数10μmとなり、同一視野内の全ての位置で焦点が合った画像を取得することができないという問題があった。
【0048】
このような試料を大傾斜させた場合でも、焦点制御レンズ15と図11には省いているが、図4で示したと同様な可変焦点位置制御器16と、集束位置データ格納器17と、焦点位置検出器18とを具備し、第1の実施の形態で説明したと同一の動作をさせれば、同一視野内の全ての位置で焦点が合った画像を取得することができる。
【0049】
図12(a)は走査制御器8から走査コイル4,5に供給される垂直走査振幅波形Sを示している。また、図12(b)は焦点制御レンズ15の強度を制御する可変焦点位置制御器16の焦点位置制御曲線Fを示す。始点および終点は、試料の傾斜角度に基づく同一視野内での焦点位置の最高と最低を示している。
【0050】
この集束位置制御曲線Fを図12(b)に示すように、1フレームの画像積算と同期して変化させることで、試料が傾斜していても、同一視野の全位置で焦点のあった像が得られる。この動作はダイナミックフォーカスと呼ばれ既知のものである。この集束位置制御曲線Fは、集束位置データ格納器17に格納されており、その内容は容易に修正することができる。
【0051】
図13は傾斜された試料2を示しており、パターン12は基板11上にあり、パターンの頂部14と底部13とで焦点位置が異なる。このような場合、集束位置制御曲線Mを図14に示すように、パターン頂部14とパターン底部13とで焦点が合うような曲線とすることで、試料に応じて、更には試料の傾斜の程度に応じて視野内で焦点ずれのない像を得ることができる。
【0052】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず幾多の変形が可能である。例えば、走査電子顕微鏡を例にして実施の形態を説明したが、イオンビームを試料上で2次元的に走査する走査顕微鏡にも本発明を適用することができる。
【0053】
また、2次電子を検出し、走査2次電子像を取得するようにしたが、反射電子や反射イオン等を検出し、走査像を表示する場合にも本発明を実施することができる。更に、対物レンズの近傍に焦点位置制御レンズを配置し、この制御レンズによって一次ビームの焦点位置を変化させるようにしたが、応答速度の面で問題があるものの、対物レンズ自体によって焦点位置を変化させても良い。
【0054】
【発明の効果】
第1の発明では、試料上に照射する一次ビームの焦点位置を走査手段による一次ビームの垂直走査の1フレームごとに同期して変化させ、1フレームごとに同期して焦点位置が変化した一次ビームに基づく検出信号を積算し、積算された信号に基づいて像の表示を行うようにしたので、試料表面上に凹凸が顕著に存在していても、観察視野内のほぼ全域で焦点の合った像を得ることができる。
第2の発明では、第1の発明において、前記一次ビームの焦点位置の変化を制御するための集束位置変化曲線を格納するデータ格納器をさらに備えるので、試料に応じて最終的に得られる像の画質を任意に変えることができる。
【0055】
第3の発明に基づく走査顕微鏡は、第1若しくは2の発明において、一次ビームの焦点位置を変化させる手段を対物レンズの近傍に配置された焦点位置制御レンズとし、焦点位置制御レンズのレンズ強度が一次ビームの2次元走査に同期して変化させられることを特徴としており、応答速度を速くして一次ビームの焦点位置を変化させることができると共に、観察視野内のほぼ全域で焦点の合った像を得ることができる。
【0056】
第4の発明に基づく走査顕微鏡は、第1若しくは2の発明において、一次ビームの焦点位置を変化させる手段を対物レンズとし、対物レンズのレンズ強度が一次ビームの2次元走査に同期して変化させられることを特徴としており、第1若しくは2の発明と同等の効果が得られる。
【0059】
第5の発明では、一次ビームの異なった焦点位置に基づく検出信号を1フレームごとに積算し、その積算結果に基づき試料の凹凸に対応した焦点位置範囲を検出し、試料上に照射する一次ビームの焦点位置を検出した焦点位置範囲に応じて変化させ、一次ビームの異なった焦点位置に基づく検出信号を積算し、積算された信号に基づいて像の表示を行うようにしたので、観察視野内のほぼ全域で焦点の合った像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の走査電子顕微鏡のシステム構成を示す図である。
【図2】表面上にパターンが形成された試料断面と電子ビームの集束の様子を示す図である。
【図3】表示されるパターン像を示す図である。
【図4】本発明に基づく走査電子顕微鏡のシステム構成を示す図である。
【図5】レンズ強度と電子ビームの焦点位置との関係を示す図である。
【図6】電子ビームの垂直走査振幅波形とフレームごとの電子ビームの焦点位置とを示す図である。
【図7】画像の積算回数と電子ビームの集束位置との関係を示す図である。
【図8】本発明に基づいて表示される試料像の一例を示す図である。
【図9】各種の集束位置制御曲線を例示した図である。
【図10】レンズ強度を変化させた場合の電子ビームの焦点位置と検出信号強度の変化を示す図である。
【図11】試料を傾斜させて観察する場合の実施の形態を示す図である。
【図12】垂直走査振幅波形と電子ビームの焦点位置の変化曲線を示す図である。
【図13】傾斜された試料の状態を示す図である。
【図14】垂直走査振幅波形と電子ビームの焦点位置の変化曲線を示す図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ
2 試料
3 対物レンズ制御器
4,5 走査コイル
6 走査制御器
7 2次電子検出器
8 信号増幅器
9 画像積算器
10 陰極線管
15 焦点制御レンズ
16 可変焦点位置制御器
17 データ格納器
18 焦点位置検出器
Claims (5)
- 一次ビームを試料上で2次元的に走査する走査手段と、試料への一次ビームの照射によって得られた信号を検出する検出器と、走査手段による一次ビームの垂直走査の1フレームごとに同期して該一次ビームの焦点位置を変化させる手段と、1フレームごとに同期して焦点位置が変化した一次ビームに基づく検出信号を積算処理して記憶する画像積算器と、画像積算器に記憶された信号に基づいて像を表示する表示手段とを備えた走査顕微鏡。
- 前記一次ビームの焦点位置の変化を制御するための集束位置変化曲線を格納するデータ格納器をさらに備えた請求項1記載の走査顕微鏡。
- 一次ビームの焦点位置を変化させる手段は対物レンズの近傍に配置された焦点位置制御レンズであり、焦点位置制御レンズのレンズ強度が一次ビームの2次元走査に同期して変化させられる請求項1若しくは2記載の走査顕微鏡。
- 一次ビームの焦点位置を変化させる手段は対物レンズであり、対物レンズのレンズ強度が一次ビームの2次元走査に同期して変化させられる請求項1若しくは2記載の走査顕微鏡。
- 一次ビームを試料上で2次元的に走査する走査手段と、試料への一次ビームの照射によって得られた信号を検出する検出器と、走査手段による一次ビームの垂直走査の1フレームごとに同期して該一次ビームの焦点位置を変化させる手段と、1フレームごとに同期して焦点位置が変化した一次ビームに基づく検出信号を積算処理して記憶する画像積算器と、画像積算器に記憶された信号に基づいて像を表示する表示手段と、画像積算器からの信号に基づき試料の凹凸に対応した焦点位置範囲を検出する検出手段とを備えた走査顕微鏡。
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