JP2001006599A - 電子ビーム装置における電子ビーム制御方法 - Google Patents

電子ビーム装置における電子ビーム制御方法

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JP2001006599A
JP2001006599A JP11175426A JP17542699A JP2001006599A JP 2001006599 A JP2001006599 A JP 2001006599A JP 11175426 A JP11175426 A JP 11175426A JP 17542699 A JP17542699 A JP 17542699A JP 2001006599 A JP2001006599 A JP 2001006599A
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篤 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観察画面上の試料の構造に関わりなく、常に
観察したい試料の構造部分のオートフォーカス等の動作
を高い精度で行うことができる電子ビーム装置における
電子ビーム制御方法を実現する。 【解決手段】 オートフォーカス動作の際には、あらか
じめ試料5の表面構造に応じて、オートフォーカスを行
うのに最適な電子ビームの走査パターンの選択が行われ
る。走査パターンメモリー32には、複数の走査パター
ンデータが格納されており、複数の走査パターンにより
読み取られた画像上の所定領域の走査を行う。各走査パ
ターンによる走査に基づいて得られた信号は積算ユニッ
トで積算され、各積算値の比較が処理ユニット33で行
われる。処理ユニットではこの比較により、最適な走査
パターンを選択し、オートフォーカス動作は選択された
走査パターンにより実行される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームのオー
トフォーカスやオート非点動作を高い精度で行うことが
できる電子ビーム装置における電子ビーム制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】図1は、オートフォーカス機能を有した
従来の走査電子顕微鏡の一例を示している。1は電子銃
(図示せず)から発生し加速された電子ビームである。
2,3は2段偏向コイルであり、2段偏向コイル2,3
の夫々には、水平と垂直方向の偏向コイルが含まれてい
る。4は対物レンズであり、対物レンズ4によって細く
集束された電子ビームは試料5に照射される。6は試料
5への電子ビームの照射によって発生した、例えば、2
次電子を検出するための検出器である。
【0003】2段偏向コイル2,3の水平方向の偏向コ
イルには、水平走査信号発生回路7から駆動回路8を介
して水平走査信号が供給され、垂直方向偏向コイルに
は、垂直走査信号発生回路9から駆動回路10を介して
垂直走査信号が供給される。水平走査信号発生回路7と
垂直走査信号発生回路9からの走査信号の速度(周期)
は、コンピュータの如き制御回路11によって制御され
る。
【0004】前記検出器6によって検出された信号は、
増幅器12を介して水平,垂直走査信号が供給されてい
る陰極線管13とフィルター回路14に供給される。フ
ィルター回路14の出力信号は絶対値回路15を介して
積分回路16に供給され、積分回路16によって積分さ
れる。積分回路16の積分値は、AD変換器17によっ
てデジタル信号に変換され、制御回路11内の信号強度
分布メモリー19に記憶される。
【0005】制御回路11内には信号強度分布メモリー
19に記憶された多数の積分値の最大値を検出する最大
値検出ユニット20を有している。更に、制御回路11
は対物レンズ値設定データメモリー21,補助コイル値
設定データメモリー22を有している。対物レンズ値設
定データメモリー21の値は、DA変換器23を介して
対物レンズ駆動回路24に供給される。
【0006】また、補助コイル値設定データメモリー2
2の値はDA変換器25を介して補助コイル26の駆動
回路27に供給される。なお、28は対物レンズ値変換
ユニット,29はオートフォーカスユニットである。こ
のような構成の動作は次の通りである。
【0007】通常の2次電子像を観察する場合、所望の
走査速度となるよう制御回路11は水平走査信号発生回
路7と垂直走査信号発生回路9を制御し、その結果、所
望の偏向信号が偏向コイル2,3に供給され、電子ビー
ム1は、偏向コイル2,3により偏向を受け、試料5の
所望領域を走査する。
【0008】電子ビームの試料5への照射に伴って発生
した2次電子は、検出器6によって検出され、その検出
信号は、増幅器12によって増幅された後、走査信号が
供給されている陰極線管13に供給されることから、陰
極線管13には試料の2次電子像が表示される。
【0009】次にオートフォーカス動作について図2
(a)の補助コイル26の動作曲線、図2(b)の対物
レンズ4の動作曲線を参照しながら説明する。なお、図
2(a),(b)の横軸は時間であり、縦軸は励磁強度
(試料表面とレンズとの間の距離に等しい)である。
【0010】まず、対物レンズ値設定データメモリー2
1に図2(b)に示す初期値Zoを設定し、この初期値
に基づいて対物レンズ駆動回路24を動作させ、対物レ
ンズ4を励磁する。次にオートフォーカススタートユニ
ット29を動作させ、補助コイル値設定データメモリー
22の値を図2(a)に示すように変化させる。図2
(a)では設定値の変化を便宜上直線状に示したが、具
体的には図3(a)に示すようにステップ状に変化させ
る。
【0011】このステップ状の変化の都度、偏向コイル
2,3には試料5上の所望領域を1回走査するための走
査信号が供給される。試料5への電子ビームの照射に基
づいて発生した2次電子は検出器6によって検出され
る。検出信号は増幅器12によって増幅され、フィルタ
ー回路14によって特定の周波数成分をカットした後、
絶対値回路15において負信号が反転される。
【0012】絶対値回路15の出力は積分回路16に供
給されて信号の積分が行われる。この積分は試料上の所
望領域の1回の2次元走査の期間実行され、その走査が
終了した後、積分値はAD変換器17を介して制御回路
11内の信号強度分布メモリー19に送られて記憶され
る。このような積分動作を補助コイル26のステップ状
の励磁変化ごとに、そして、+Aから−Aまで行うと、
図3(b)に示す分布がメモリー19に記憶されること
になる。
【0013】制御回路11内の最大値検出ユニット20
は、図3(b)の分布の最大値を検出し、その時の補助
コイル26への励磁強度を対物レンズ値変換ユニット2
8に供給する。なお、この最大値の励磁の時に電子ビー
ムのフォーカスが合っている。この結果、対物レンズ値
設定データメモリー21の値は初期設定値Zoにフォー
カスが合っているときの補助コイルの励磁強度分(初期
値Zoと合焦点位置とのずれ量)ΔZ1が加算された値
となる。
【0014】対物レンズ4の励磁をZo+ΔZ1に設定
した後、再度上記したオートフォーカス動作を実行し、
その時のZo+ΔZ1と合焦点値とのずれ量ΔZ2につ
いては、補助コイル値設定データメモリー29にセット
される。このセットされる対物レンズの励磁値ΔZ1と
補助コイルの励磁値ΔZ2とは、図2(a),(b)に
示されている。このΔZ1とΔZ2との設定完了によっ
てオートフォーカス動作は終了する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したオートフォー
カス動作においては、試料上で電子ビームのフォーカス
を変化させ、観察画面上に表示している画像全体の信号
の変化により、合焦点位置を検出している。この際に必
要な条件は、SN比の良い画像信号をデータとして使用
することと、試料表面の形状に凹凸がある領域を電子ビ
ームで走査することである。従来のオトフォーカス動作
では、定められた走査速度と走査パターンによりフォー
カスサーチを行ってきた。この場合、試料の表面形状、
材質、SN比により、動作精度に大きな違いが生じる。
【0016】例えば、図4(a)に示すように、試料上
の電子ビームの走査領域に適度の凹凸部分(斜線部分)
がランダムに分布している場合と、図4(b)に示すよ
うに、凹凸部分(斜線部分)が一定方向に方向性がある
場合とでは、フォーカスサーチ時に積算値として得られ
る値の変化量に差が生じる。
【0017】すなわち、図4において、水平方向に電子
ビームの走査Sを行うと、フォーカス変化時のフォーカ
スデータ(画像信号の1走査の積算値)には図5に示す
ように大きな違いが生じる。すなわち、図4(a)の試
料の走査では、フォーカス変化により、図5(a)に示
すように画像信号の積算値信号強度に大きな差が生じ
る。
【0018】一方、図4(b)の試料の走査では、フォ
ーカス値変化により、図5(b)に示すように画像信号
の積算値信号強度に差が生じない。このため、積算値信
号強度のピークを探し、そのときのフォーカス値に設定
する動作において、両者では精度上大きな相違が生じ
る。このような問題点は、非点を自動的に最適な状態と
する場合にも生じる。
【0019】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、観察画面上の試料の構造に関わり
なく、常に観察したい試料の構造部分のオートフォーカ
ス等の動作を高い精度で行うことができる電子ビーム装
置における電子ビーム制御方法を実現するにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】第1の発明に基づく電子
ビーム装置における電子ビーム制御方法は、試料上の電
子ビームのフォーカスの状態を段階的に変化させるステ
ップ、各段階における試料上の特定領域の電子ビームの
走査に基づいて得られた検出信号を積算するステップ、
積算値を比較することによって最大の積算値が得られた
フォーカスの状態に電子ビームを制御するステップより
成る電子ビーム制御方法において、あらかじめ複数の異
なった走査パターンを準備し、あらかじめ読み取った画
像上でそれぞれの走査パターン毎にスキャンに沿った値
をデータ積算することを特徴としている。
【0021】第1の発明では、あらかじめ複数の異なっ
た走査パターンを準備し、各走査パターンごとに読み取
られた試料画像上の特定領域を走査し、各走査に基づき
得られた検出信号を積算し、各積算値に応じて特定の走
査パターンを選択し、選択された走査パターンによって
オートフォーカス動作を実行する。
【0022】第2の発明に基づく電子ビーム装置におけ
る電子ビーム制御方法は、第1の発明において、特定の
走査パターンの選択は、しきい値を越えた積算値の走査
パターンの内、最短の走査時間の走査パターンを選択す
るようにしたことを特徴としている。
【0023】第3の発明に基づく電子ビーム装置におけ
る電子ビーム制御方法は、試料上の電子ビームの非点の
状態を段階的に変化させるステップ、各段階における試
料上の特定領域の電子ビームの走査に基づいて得られた
検出信号を積算するステップ、積算値を比較することに
よって最大の積算値が得られた非点の状態に電子ビーム
を制御するステップより成る電子ビーム制御方法におい
て、あらかじめ複数の異なった走査パターンを準備し、
あらかじめ読み取った画像上でそれぞれの走査パターン
毎にスキャンに沿った値をデータ積算することを特徴と
する。
【0024】第3の発明では、あらかじめ複数の異なっ
た走査パターンを準備し、各走査パターンごとに読み取
られた試料画像上の特定領域を走査し、各走査に基づき
得られた検出信号を積算し、各積算値に応じて特定の走
査パターンを選択し、選択された走査パターンによって
オート非点制御動作を実行する。
【0025】第4の発明に基づく電子ビーム装置におけ
る電子ビーム制御方法は、第3の発明において、特定の
走査パターンの選択は、しきい値を越えた積算値の走査
パターンの内、最短の走査時間の走査パターンを選択す
るようにしたことを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図6は、本発明に基づくオ
ートフォーカス方法を実施するための走査電子顕微鏡の
一例を示しているが、図1の構成と同一ないしは類似の
要素には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0027】この図6に示した構成において、水平走査
信号発生回路7と垂直走査信号発生回路9とには、制御
回路11内の走査パターン選択ユニット31からの所定
の走査パターンに応じたデータが供給される。各走査信
号発生回路は、供給されたデータに基づいて所定の電子
ビームの走査を行うための走査信号を発生する。
【0028】走査パターン選択ユニット31は、各種の
走査パターンが記憶されている走査パターンメモリー3
2から、処理ユニット33によって処理された結果とし
て選択された走査パターンデータを読み出す。
【0029】試料5からの2次電子は、2次電子検出器
6によって検出されるが、この検出信号は、増幅器1
2、フィルター回路14、絶対値回路15を介してAD
変換器17に供給される。
【0030】AD変換器17でディジタル信号に変換さ
れた検出信号は、画像積算器34によって積算され、画
像出力用のバッファメモリー35に供給されて記憶され
る。バッファメモリー35に記憶された画像信号は、読
み出されてDA変換器36に供給されアナログ信号に変
換される。DA変換器36の出力は陰極線管13に供給
されることから、陰極線管13には試料の2次電子像が
表示される。
【0031】バッファメモリー35に記憶された画像信
号は読み出されて制御回路11内の画像メモリー37に
転送されて記憶される。以下のスキャンはこの記憶され
た画像データに対して行われる。画像メモリー37に記
憶された信号は積算ユニット38に供給され、信号の積
算処理が行われる。積算された1画面分の値は、処理ユ
ニット33に供給される。このような構成の動作を次に
説明する。
【0032】オートフォーカス動作の際には、あらかじ
め試料5の表面構造に応じて、オートフォーカスを行う
のに最適な電子ビームの走査パターンの選択が行われ
る。走査パターンメモリー32には、例えば、図7に示
すように4種の走査パターンデータが格納されている。
【0033】図7(a)の走査パターンS1は水平方向
走査し、垂直方向の走査間隔が比較的粗い走査するパタ
ーン、図7(b)の走査パターンS2は、斜め走査を行
う走査パターン、図7(c)の走査パターンS3は、水
平方向に走査し、垂直方向の走査間隔が比較的密な走査
パターン、図7(d)の走査パターンS4は、同心円状
に電子ビームを走査する走査パターンである。
【0034】まず最初に、図7(a)に示す走査パター
ンS1が走査パターンメモリー32から読み出され、画
像メモリー37に記憶されている画像上を走査する。そ
して、スキャン毎に、スキャンに沿った値を積算ユニッ
ト38で積算する。
【0035】次に、図7(b)に示す走査パターンS2
が走査パターンメモリー32から読み出され、画像メモ
リー37に記憶されている画像上を走査する。そして、
スキャン毎に、スキャンに沿った値を積算ユニット38
で積算する。
【0036】同様にして、図7(c)に示した走査パタ
ーンS3と、図7(d)に示した走査パターンS4によ
って画像メモリー37が走査され、それぞれについて積
算ユニットで各画素の積算が行われ、各積算値は、走査
パターンと共に処理ユニット33に記憶される。
【0037】この結果、処理ユニット33には、4種の
走査パターンS1,S2,S3,S4による画像メモリ
37に記憶されている画像上の所定領域における電子ビ
ームの走査に基づいて得られた信号の積算値が記憶され
る。
【0038】処理ユニット33は、4種の走査パターン
S1,S2,S3,S4に基づく積算値を比較し、特定
の走査パターンをオートフォーカス用の走査パターンと
して選択する。この選択に当たっての比較材料は、積算
値の大きさと、走査パターンごとの1画面分の走査時間
である。
【0039】図8は、各走査パターンごとの積算値強度
を示しており、縦軸は積算値強度であるが、横軸は走査
パターンの種類とされている。この積算値強度について
は、しきい値が設けられており、しきい値以上の積算値
強度が得られた走査パターンがオートフォーカス用の走
査パターン候補となる。図8のケースでは、3つの走査
パターンS2,S3,S4がしきい値を越えた値を有し
ている。
【0040】処理ユニット33は、積算値がしきい値を
越えた走査パターンを比較し、その中で最も走査時間が
短い走査パターンを選択する。図8のケースでは、積算
値がしきい値を越えており、最も走査時間が短い走査パ
ターンS2が選択され、その情報は走査パターン選択ユ
ニット31に供給される。
【0041】このような事前の処理が終了した後、オー
トフォーカス動作が実行される。オートフォーカス動作
においては、走査パターン選択ユニット31によって走
査パターンS2が選択され、この走査パターンS2に応
じたデータが水平と垂直の走査信号発生回路7,9に供
給される。
【0042】この結果、走査パターンS2によって試料
5上の所定領域が走査され、図1を用いて説明したよう
なオートフォーカス動作が実行される。この場合、試料
の表面形状に対応して、必要なデータが得られるので、
オートフォーカスを精度高く行うことができる。なお、
図6に示した実施の形態では、画像積算器34の出力が
制御回路11の信号強度分布メモリー19に供給され、
この信号強度分布メモリー19において各フォーカスご
との積算された信号強度が得られる。
【0043】なお、上記した走査パターンの選択動作
は、オートフォーカス動作がONとなった場合に行われ
るが、画像観察中は、観察位置を常に移動して観察する
場合が多く、このため、画像観察している間に、一定間
隔で走査パターンの選択とオートフォーカス動作を行う
ことは好ましい。このようにすることにより、試料位置
の変化により生じる観察試料形状の違いに対応すること
ができる。
【0044】また、フォーカスが全く合っていない場合
には、各走査パターンに基づく信号の積算値にあまり相
違が生じない。そのため、複数の走査パターンにより試
料上を走査した結果、各走査パターンごとに得られた積
算値の間で強度の差が少ない場合、例えば、各積算値の
値の間で所定の差が生じない場合は、デフォルトの走査
パターン(例えば、走査パターンS1)でとりあえずフ
ォーカス合わせを行う。そして、ある程度フォーカスが
合った状態で上記した走査パターンの選択動作を行う。
【0045】更に、最初のフォーカスサーチは、常にデ
フォルトの走査パターンを使用し、ある程度フォーカス
が合った状態で前記した走査パターンの選択動作を働か
せるようにしても良い。
【0046】更にまた、上記した方法は、観察している
試料領域と同じ領域を同じ観察条件でオートフォーカス
動作を行うため、走査条件の違いによるチャージアップ
等の影響を受けにくい特徴を有している。特に、観察す
る試料ごとに、観察条件(加速電圧、照射電流等)を決
めている場合には、観察条件の記憶と同時に走査パター
ンをデフォルトデータとして記憶しておくことにより、
記憶した観察条件で繰り返し同種類の試料を観察する場
合に大きな効果が得られる。
【0047】以上本発明の実施の形態を詳述したが、本
発明は上記した形態に限定されない。例えば、2次電子
を検出したが、反射電子を検出してもよい。また、補助
レンズを用いてステップ状のフォーカス変化を実行した
が、補助レンズを用いず、ステップ状のフォーカス変化
を対物レンズを用いて行っても良い。
【0048】更に、オートフォーカス動作について詳述
したが、オート非点補正動作の際にも本発明は同様に適
用できる。その場合、電子ビームのフォーカスを変化さ
せることに代え、非点補正器により電子ビームの非点が
ステップ状に変化させられる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、オー
トフォーカス動作やオート非点動作を実行する際、あら
かじめ複数の異なった走査パターンを準備し、読み取ら
れた画像に対して各走査パターンごとに画像上の特定領
域を走査し、各走査に基づき得られた検出信号を積算
し、各積算値に応じて特定の走査パターンを選択する。
そして、選択された走査パターンによってオートフォー
カス動作やオート非点動作を実行するようにしたので、
試料の表面形状に応じた最適な走査パターンで各動作を
実行することができ、精度の高いフォーカス調整や非点
補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のオートフォーカス機能を有した走査電子
顕微鏡を示す図である。
【図2】図1の走査電子顕微鏡によるオートフォーカス
動作を説明するために用いた信号波系図である。
【図3】図1の走査電子顕微鏡によるオートフォーカス
動作を説明するために用いた信号波系図である。
【図4】試料表面の形状と電子ビームの走査を示す図で
ある。
【図5】図4のケースにおけるフォーカス値に応じた積
算信号強度を示す図である。
【図6】本発明の方法を実施するための走査電子顕微鏡
の一例を示す図である。
【図7】走査パターンの例を示す図である。
【図8】走査パターンごとの積算値を示す図である。
【符号の説明】
1 電子ビーム 4 対物レンズ 5 試料 6 検出器 11 制御回路 14 フィルタ回路 15 絶対値回路 17 AD変換器 20 最大値検出ユニット 21 対物レンズ値設定データメモリー 23,25 DA変換器 28 対物レンズ値変換ユニット 29 オートフォーカスユニット 31 走査パターン選択ユニット 32 走査パターンメモリー 33 処理ユニット 34 画像積算器 35 バッファメモリー 36 DA変換器 37 画像メモリー 38 積算ユニット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料上の電子ビームのフォーカスの状態
    を段階的に変化させるステップ、各段階における試料上
    の特定領域の電子ビームの走査に基づいて得られた検出
    信号を積算するステップ、積算値を比較することによっ
    て最大の積算値が得られたフォーカスの状態に電子ビー
    ムを制御するステップより成る電子ビーム制御方法にお
    いて、 あらかじめ複数の異なった走査パターンを準備し、あら
    かじめ読み取った画像上でそれぞれの走査パターン毎に
    スキャンに沿った値をデータ積算することを特徴とする
    電子ビーム装置における電子ビーム制御方法。
  2. 【請求項2】 得られた積算値の中で、最も積算値が大
    きい場合の走査パターンを記憶しておき、信号量にしき
    い値を設けておき、しきい値以上の値で一番走査時間の
    少ないパターンを選択することを特徴とする請求項1記
    載の電子ビーム装置における電子ビーム制御方法。
  3. 【請求項3】 試料上の電子ビームの非点の状態を段階
    的に変化させるステップ、各段階における試料上の特定
    領域の電子ビームの走査に基づいて得られた検出信号を
    積算するステップ、積算値を比較することによって最大
    の積算値が得られた非点の状態に電子ビームを制御する
    ステップより成る電子ビーム制御方法において、 あらかじめ複数の異なった走査パターンを準備し、あら
    かじめ読み取った画像上でそれぞれの走査パターン毎に
    スキャンに沿った値をデータ積算することを特徴とする
    電子ビーム装置における電子ビーム制御方法。
  4. 【請求項4】 得られた積算値の中で、最も積算値が大
    きい場合の走査パターンを記憶しておき、信号量にしき
    い値を設けておき、しきい値以上の値で一番走査時間の
    少ないパターンを選択することを特徴とする請求項3記
    載の電子ビーム装置における電子ビーム制御方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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