JP3570088B2 - 鋼の連続鋳造用フラックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼の連続鋳造用フラックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般の連続鋳造用フラックスでは、主成分はCaOおよびSiO2 であり、粘度および凝固点の調整のために、これらの主成分にアルカリもしくはアルカリ土類金属酸化物、炭酸塩およびフッ化物が添加されている。
【0003】
このようなフラックスの物性値については、流入量の調整のために粘度や凝固点を調整し、鋳型内の抜熱量の調整のために塩基度や凝固点を調整する。また、溶鋼の組成に応じてフラックスの化学成分を調整する場合もある。
【0004】
特開平3−77753号公報は、フラックス中のAl2 O3 およびSiO2 の濃度に加えてさらに、他のCaO、Na2 O、FおよびMgOなどの濃度を規定することによって、Alを2%以上含有する鋼の鋳造を可能としたフラックスを提案している。これは、Alを含有する鋼の鋳造において、フラックス中へのAlの移行によるフラックスの流入不良を防止するものである。
【0005】
本発明者らは特開平5−15955号公報において、フラックス中の炭酸塩濃度、粘度、融点および塩基度を規定し、高速鋳造に適用可能なフラックスを開示した。これは、高速鋳造においてフラックスの流入量を確保することを目的としたものである。
【0006】
上記のいずれのフラックスにおいても、主目的は潤滑を安定に行わせることにある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、連続鋳造技術の進歩とともに、鋳造を円滑に行わせることの他に、鋳片の品質についても厳しい要求がなされるようになってきた。特に、薄板用スラブにおいては、その表面における気泡性欠陥や介在物性欠陥または溶融フラックスの溶鋼中への巻き込みによる欠陥などが問題となる。これらは、厚板用スラブや鋼管用ブルームまたはビレットにおいても、程度の差はあるものの同様に問題となる。ステンレス薄板については、圧延時のスケールロスが少ない上にその用途上、表面性状が重要視されるので、小さな気泡性欠陥も品質上の問題となる。
【0008】
潤滑を安定させるためには、フラックスの低粘性および低凝固点が必要であるが、これらの特性を具備させると前記の巻き込みなどには不利な条件となる。
【0009】
連続鋳造鋳型内の溶鋼中の介在物や気泡は、溶鋼と溶融フラックスとの界面を通過して浮上する。従来、これらの詳細な挙動に関する知見は十分得られておらず、連続鋳造用フラックスにおいて、その物性値との関連で介在物や気泡の界面離脱現象を考慮したものは見あたらない。
【0010】
本発明の目的は、溶融フラックスの溶鋼中への巻き込みを防止するとともに、溶鋼とフラックスとの界面の気泡および溶鋼中の非金属介在物のフラックス中への移行を促進し、鋳片の表面欠陥を防止することが可能な連続鋳造用フラックスを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、次の鋼の連続鋳造用フラックスにある。
【0012】
F含有量が4.0〜8.5重量%であり、1500℃における表面張力が0.4N/m以上0.6N/m以下および1300℃における粘度が0.05Pa・s以上0.5Pa・s以下であることを特徴とする鋼の連続鋳用フラックス。
【0013】
【発明の実施の形態】
連続鋳造鋳型内の溶鋼中の介在物や気泡が溶鋼と溶融フラックスとの界面を通過して浮上する際、溶融フラックスの表面張力が高すぎると、介在物や気泡が溶鋼と溶融フラックスとの界面に残留し、鋳片の表面欠陥の原因となる。また、表面張力が小さすぎると溶融フラックスが溶鋼中へ巻き込まれ、鋳片の表面欠陥になる。
【0014】
本発明者はこれらの現象を解明するとともに、前記界面を気泡や介在物が通過しやすく、かつ溶融フラックスの巻き込みを防止することが可能な連続鋳造用フラックスを見い出すべく、鋼種、溶融フラックスの表面張力および粘度の関係を詳細に調査し、溶鋼と溶融フラックスとの界面近傍で発生している現象について平衡論的に検討した。
【0015】
上記の界面に到達した介在物や気泡に作用する力は、溶鋼および溶融フラックスの表面張力ならびに溶鋼と溶融フラックスとの間の界面張力である。本発明者はこれらの力を熱力学的に考察し、気泡と介在物物の界面との間の釣合い条件を見い出した。すなわち、上記の界面張力と溶融フラックスの表面張力との和が溶鋼の表面張力に等しければ、介在物や気泡は界面に残留するのである。
【0016】
したがって、介在物や気泡を溶融フラックス中へ移行させようとすれば、溶融フラックスの表面張力を下げ、一方、溶鋼の表面張力を上げ、かつ溶鋼と溶融フラックスとの間の界面張力を低下させればよい。
【0017】
具体的には、溶融フラックスの表面張力が1500℃において0.6N/mを超えると、上記の関係から介在物や気泡が界面に残留し、これらが鋳片の表面欠陥となることが物性値測定の結果から明らかとなった。一方、溶融フラックスの表面張力が低いと前述のように、溶融フラックスが溶鋼中へ巻き込まれることがあり、これを防止できる表面張力の下限界は、水モデルおよび低融点金属を用いた実験結果によれば0.4N/mであった。上記のように温度を1500℃と限定したのは、通常の鋳込み温度がこの温度近傍であることによる。
【0018】
ここで本来、溶鋼と溶融フラックスとの間の界面張力を規定する必要がある。
【0019】
しかし、この界面張力は測定が困難であり、フラックス組成の設計や品質管理には不適切な物性値であるから、本発明者は界面張力と表面張力とが独立な物性値ではないことに着目し、これらの物性値を詳細に検討した。その結果、溶融フラックスの前記の表面張力の範囲では通常、界面張力を含んだ条件において、介在物や気泡を溶融フラックス中へ移行させることが可能であることを確認した。
【0020】
なお、溶鋼の表面張力については、通常の鉄合金の場合はほとんど変化しないことから、特に限定する必要はない。
【0021】
溶融フラックスの粘度の条件は、介在物や気泡が界面から離脱するのを促進することと直接関係はない。しかし、1300℃における溶融フラックスの粘度が0.05Pa・sより低いと溶融フラックスの溶鋼中への巻き込みが発生するばかりか、過剰流入が生じることによって鋳片の表面割れが発生する。このとき、介在物や気泡がたとえ界面から離脱して低減されても、良好な表面性状の鋳片は得られない。一方、0.5Pa・sを超えるとフラックス流入の不足から鋳型内の熱流束が増大し、潤滑の不良、ディプレッション(横割れなどの表面欠陥)および表面割れが発生する。上記の粘度の範囲を1300℃のときとしたのは、フラックスの粘度はこの温度における値を代表値とするという通常の慣例に準じたものである。
【0022】
上記のような、1500℃における表面張力の範囲が0.4〜0.6N/mおよび1300℃における粘度の範囲が0.05〜0.5Pa・sである連続鋳造用フラックスを用いることにより、表面欠陥の少ない鋼鋳片を得ることが可能となる。
【0023】
本発明のフラックスは、Ca、Si、Al、Na、Mg、Li、K、Mn、Fe、BaおよびBなどの酸化物もしくはフッ化物の粉と残部の全部もしくは一部が炭素粉との混合物である。その具体的な組成は前記の表面張力および粘度の条件を満たす範囲内で鋳造条件に応じて決定し、上記以外の成分を添加することもある。
【0024】
本発明のフラックスは、鋼種、炭素含有量および連続鋳造機の種類によらず適用することができる。特に、ステンレス鋼や極低炭素鋼あるいは鋳造速度の範囲が0.5〜3m/min の場合に大きな効果を発揮する。連続鋳造機が縦型であればどのような形式のものにも適用できるが、本発明のフラックスの効果を十分に得ようとすれば、鋳型内が垂直である形式のものが望ましい。鋳片の形状はビレット、ブルームおよびスラブなど、いずれでもよいが、特に表面性状の厳しいスラブ形状の場合に本発明のフラックスを用いると有効である。
【0025】
【実施例】
表1に示す組成の溶鋼を対象として、表2に示す組成のフラックスを用いる連続鋳造試験を行い、鋳片表面の気泡性欠陥、フラックスの巻き込み性欠陥およびディプレッションを調査した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
連続鋳造機は湾曲半径10m の一点矯正型、鋳片断面形状は巾1000mm、厚さ150mmのスラブおよび鋳造速度は1.0m/min とした。
【0029】
いずれのフラックスにおいても鋳造は可能であった。スラブ表面の評価は、欠陥皆無をグレード5、圧延はグレード3以上で可能とする指数で行った。調査結果を図1〜図3に示す。
【0030】
図1は、スラブ表面の気泡性欠陥を指数で比較して示す図である。図1に示すように、気泡性欠陥は、表面張力が上限を超える試験番号3(比較例)で悪化した。
【0031】
図2は、スラブ表面のフラックスの巻き込み性欠陥を指数で比較して示す図である。図2に示すように、フラックスの巻き込み性欠陥は、表面張力が下限未満の試験番号3(比較例)および粘度が下限未満の試験番号6(比較例)で悪化した。
【0032】
図3は、スラブ表面のディプレッションを指数で比較して示す図である。図3に示すように、ディプレッションは、粘度が下限未満の試験番号6(比較例)または粘度が上限を超える試験番号7(比較例)で悪化した。
【0033】
一方、本発明例ではいずれも、気泡性およびフラックスの巻き込み性の表面欠陥ならびにディプレッションは認められなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の鋼の連続鋳造用フラックスを用いることにより、表面欠陥のない鋳片の鋳造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラブ表面の気泡性欠陥を指数で比較して示す図である。
【図2】スラブ表面のフラックスの巻き込み性欠陥を指数で比較して示す図である。
【図3】スラブ表面のディプレッションを指数で比較して示す図である。
Claims (1)
- F含有量が4.0〜8.5重量%であり、1500℃における表面張力が0.4N/m以上0.6N/m以下および1300℃における粘度が0.05Pa・s以上0.5Pa・s以下であることを特徴とする鋼の連続鋳用フラックス。
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JP15414196A JP3570088B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 鋼の連続鋳造用フラックス |
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JP15414196A JP3570088B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 鋼の連続鋳造用フラックス |
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JP15414196A Expired - Lifetime JP3570088B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 鋼の連続鋳造用フラックス |
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1996
- 1996-06-14 JP JP15414196A patent/JP3570088B2/ja not_active Expired - Lifetime
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