JP3568563B2 - 二次電池電極用炭素質材料およびその製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、二次電池電極用炭素質材料に関するものであり、さらに詳しくは高エネルギー密度非水溶媒系二次電池の電極材料として好適な炭素質材料およびその製造法にに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
VTRや小型通信機器等の小型軽量化に伴い、それらの電源として高エネルギー密度の二次電池の要求が高まり、非水溶媒系リチウム二次電池が提案されている(例えば、特開昭57−208079号公報、特開昭62−90863号公報、特開昭62−122066号公報、特開平2−66856号公報参照)。これらは負極にリチウム金属を用いる代わりに、リチウムを炭素へドープして使用することにより、デンドライトの発生に伴う内部ショートの危険性を解消し、充放電サイクル特性、貯蔵安定性等を改良したものである。
【0003】
ところで、高エネルギー密度の電池を作成するには負極を構成する炭素質材料が多くのリチウムをドープ・脱ドープできることが重要である。電池容積当たりのエネルギー密度を高くするためには、単位重量当たりの活物質のドープ・脱ドープ容量が大きい炭素質材料を使用し、できるだけ多量の炭素質材料を電池の負極に充填することが重要である。
【0004】
上記公知技術においては、非水溶媒系リチウム二次電池の負極用炭素質材料として黒鉛、あるいは有機材料を炭素化して得られる炭素質材料を用いるものである。
【0005】
黒鉛は真密度が2.27g/cm3と大きく、多量の炭素質材料を負極に充填する点では有利である。しかしながら、黒鉛にリチウムをドープすることにより黒鉛層間化合物が形成されるが、c軸方向の結晶子の大きさが大きいほどドープ・脱ドープにより結晶子に繰り返し生じる歪みが大きく結晶の破壊が起き易い。そのため黒鉛又は黒鉛構造の発達した炭素質材料を用いて構成した二次電池は充放電の繰り返し性能が劣る。更に、このような黒鉛構造の発達した炭素質材料を使用した電池においては、電池の作動時に電解液の分解が起り易いという問題もある。
【0006】
また、フェノール樹脂やフラン樹脂を炭素化して得られる、いわゆる無定形炭素質材料では、単位重量当たりで高いドープ・脱ドープ容量が得られるが、真密度が1.5g/cm3程度と小さく、容積当たりの炭素質重量が小さい。そのため、これらの炭素質材料を用いて負極を構成した二次電池では、必ずしも容積当たりのエネルギー密度は高くならない。また、負極炭素にドープされたリチウムが完全には脱ドープされず、多量のリチウムが負極炭素中に残り、活物質であるリチウムが無駄に消費されるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、真密度が大きく、単位重量当たりのリチウムのドープ・脱ドープ容量が大きく、ドープ容量と脱ドープ容量の差として求められる活物質の不可逆容量が小さく、かつ電解液の分解等の少ない、サイクル特性の優れた高エネルギー密度の二次電池を可能とする電極用炭素質材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等の研究によれば、炭素質材料の微細組織を適切に制御することにより、大きな充放電容量を有し、充放電サイクル特性に優れ、不可逆容量の小さい(活物質利用率の大きい)非水溶媒系二次電池を可能とする炭素質材料が得られることが見出された。すなわち、本発明の非水溶媒系二次電池電極用炭素質材料は、粉末X線解析法により求めた(002)回析線より求められる平均層面間隔(以下「d002」と略記することがある。)が0.340〜0.375nm、c軸方向の結晶子の大きさ(以下「Lc(002)」と略記することがある。)が15nm以下で、1000倍の偏光顕微鏡によって観察される光学的異方性組織の構造が長径が10μm以下の異方性単位から構成される微細なモザイク(fine mosaic)構造を示すことを特徴とするものである。
【0009】
このような特性を有する炭素質材料は、石油系又は石炭系のタール若しくはピッチに架橋処理を施した後、減圧下又は不活性ガス雰囲気中で800℃以上で炭素化することによって製造することができる。
【0010】
【発明の具体的説明】
本発明の炭素質材料が満たすべき第1の特性は、X線回折法により求めた(002)面の平均層面間隔d002 が0.340〜0.375nm、c軸方向の結晶子の大きさLc(002)が15nm以下となることである。d002 が0.340nm未満又はLc(002)が15nmを超えるような黒鉛構造の発達した炭素質材料は、このような炭素質材料を負極材料として用いた二次電池においては、活物質のドープ・脱ドープによる炭素質物質の崩壊や電解液の分解が起り易く、電池の充放電サイクル特性が劣るので、好ましくない。またd002 が0.375nmを超えるような炭素質材料は、リチウム等の活物質の不可逆容量が大きくなり、活物質の利用率が低下する。好ましくはd002 が0.340〜0.375nm、Lc(002)が10nm以下、更に好ましくはd002 が0.345〜0.370nm(更には0.345〜0.365nm)、Lc(002)が5nm以下である。
【0011】
本発明の炭素質材料が具備すべき第2の特性は、炭素質材料を偏光顕微鏡によって観察したとき、微細なモザイク構造の光学的異方性組織が観察されることである。
【0012】
この様な構造の炭素質材料は、微細な結晶子が無秩序に配列しており、結晶層間への活物質のドープ・脱ドープによる結晶の歪みが全体として等方的になり、活物質のドープ・脱ドープによる結晶の崩壊が抑制される。この様な炭素質材料から構成した負極を備える二次電池は良好な充放電サイクル特性を有する。光学的異方性組織を構成する異方性単位の寸法は、好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。
【0013】
炭素質材料を用いて二次電池の電極を構成する場合は、炭素質材料を100μm程度以下の微細な粒子とした後、バインダーを加えて加圧成形したものを集電体と電気的に接続する方法や、金属箔等の集電体の表面に炭素質材料微粒子とバインダーとからなるペースト状の組成物を塗布した後、乾燥する等の方法が採用されている。
【0014】
従って、電池容積当たりのエネルギー密度を高くするためには、炭素質材料の真密度が大きいほど有利である。本発明の炭素質材料は、上記d002 、Lc(002)で定まるように黒鉛化を抑制した範囲内で、真密度が1.70g/cm3以上、好ましくは1.75g/cm3以上、更に好ましくは1.80g/cm3以上である。
【0015】
本発明の炭素質材料は、例えば以下の方法により製造することができる。
【0016】
すなわち、石油系または石炭系のタール若しくはピッチに架橋処理を施した後、減圧下又は不活性ガス雰囲気中で800℃以上で炭素化する。
【0017】
タール又はピッチに対する架橋処理は、架橋処理を行ったタール又はピッチを炭素化して得られる炭素質材料の微細組織を制御する目的で行うものである。本発明の方法は、この架橋処理による架橋の度合い(架橋度)と、後の炭素化の条件との組み合わせによって、得られる炭素質材料の微細組織を適切に制御するものである。
【0018】
架橋度は、架橋処理を施したタール又はピッチを窒素気流中で1000℃で1時間熱処理して得た炭素質材料の試料を研磨して、直交ニコル下で例えば1000倍の偏光顕微鏡観察を行う架橋度判定法により知ることができる。観察される光学的異方性組織は、架橋度が小さいときはいわゆる流れ構造(例えば後述の比較例2、3で得られる炭素質材料の偏光顕微鏡写真である図4および図5参照)を示すが、架橋度が大きくなると微細なモザイク構造(例えば後述の実施例3、8で得られる炭素質材料の偏光顕微鏡写真である図2および図3参照)を示すようになる。架橋度の増大に伴い、観察される光学的異方性組織の異方性単位の寸法が小さくなり、遂には光学的異方性組織は観察されず、等方性(例えば後述の比較例4で得られる炭素質材料の偏光顕微鏡写真である図6参照)となる。架橋処理後に上述の方法で観察される光学的異方性組織は、その後の炭素化における炭素化温度の高低によってはそれ程大きくは変化しない。後の炭素化の温度が同一の場合、架橋度の増大に伴って、一般に炭素化後に得られる炭素質材料のd002は増大、Lc(002)は減少する。架橋度が同一の場合は、炭素化温度の上昇に伴って、一般に得られる炭素質材料のd002は減少、Lc(002)は増大する。
【0019】
本発明の方法においては架橋処理は、上述の架橋度判定法によって観察される光学的異方性組織が微細なモザイク構造の組織になる程度に行い、等方化する以前に止めるものである。架橋処理は、好ましくは微細モザイク状の光学的異方性組織を構成する異方性(モザイク)単位の寸法(長径基準)が10μm以下、更に好ましくは5μm以下になるように行う。異方性単位の下限は、1000倍の偏光顕微鏡写真でモザイク単位が充分確認でき、等方性相と区別できることである。
【0020】
本発明の製造方法においては、炭素質材料の原料として、エチレン製造時に副生する石油系のタール及びピッチ、石炭乾留時に生成するコールタール、コールタールの低沸点成分を蒸留除去した重質成分やピッチ、石炭の液化により得られるタール及びピッチのような石油系又は石炭系のタール若しくはピッチが使用できる。また、これらのタール及びピッチの2種以上を混合して使用してもよい。
【0021】
タール又はピッチに対する架橋処理は、タール又はピッチに硝酸、硝酸アセチル、硫黄等を加えて熱処理する方法、タール又はピッチを酸化剤を用いて酸化する方法等によって行うことができる。酸化剤としては、O2、O3、NO2、これらを空気、窒素等で希釈した混合ガス、又は空気等の酸化性気体、及び硫酸、硝酸、過酸化水素水等の酸化性液体を用いることができる。
【0022】
タール又は低軟化点のピッチに硝酸、硝酸アセチル、硫黄等を加えて150〜400℃で熱処理して架橋処理を行う方法は、原料の炭化率を向上させる作用も有し、原料からの炭素質材料の取得収率が向上するので好ましい方法である。
【0023】
中でも硝酸を用いる方法は、均一な架橋反応を行わせることができ、反応の制御も容易で好ましい方法である。更に硝酸は安価であるため経済的にも有利である。
【0024】
硝酸を用いて架橋処理を行う場合、原料のタール又はピッチに硝酸を添加し、撹拌しながら反応させ、温度を徐々に上昇させ150〜450℃、好ましくは30〜400℃に10分〜4時間程度保持して反応させる。タール又はピッチに硝酸を添加すると発熱するので、反応の暴走を抑えるため、硝酸を徐々に添加し、反応系を冷却し、温度を40℃以下に保って1〜3時間程度反応させた後、昇温することが好ましい。反応の途中又は反応終了後、反応系に存在する低沸点成分を蒸留により除去することもできる。低沸点成分を除去することにより、この後に行われる炭素化の工程で発生する揮発分の量を低減し、炭素化の装置の負担の軽減、作業性の向上を図ることができる。
【0025】
使用する硝酸の濃度は特に限定されないが50〜68%程度が好ましい。硝酸の添加量は、使用するタール又はピッチの水素/炭素原子比(H/C)等により異なる。前述の架橋度判定法により適正な架橋度への炭素質材料が得られるように、その使用量を増減することにより、その範囲をほぼ適正に決定することができる。
【0026】
架橋処理の他の方法として、タール又は低軟化点のピッチを蒸留、エアブローイングその他の方法で処理したピッチを酸化剤で酸化する方法がある。この場合ピッチを微粉状、繊維状又はフィルム状に成形した後酸化する方法も採用され得るが、酸化を均一に又容易に行うため、以下の方法によることが好ましい。
【0027】
すなわち石油ピッチ、石炭ピッチ等のピッチに対し、添加剤として沸点200℃以上の2乃至3環の芳香族化合物又はその混合物を加えて加熱混合した後、成形しピッチ成形体を得る。次にピッチに対し低溶解度を有しかつ添加剤に対して高溶解度を有する溶剤で、ピッチ成形体から添加剤を抽出除去せしめ、多孔性ピッチとした後、酸化剤を用いて酸化する方法である。
【0028】
上記した芳香族添加剤の目的は、成形後のピッチ成形体から該添加剤を抽出除去せしめて成形体を多孔質となし、酸化による架橋処理を容易にすることにある。このような添加剤は、例えばナフタレン、メチルナフタレン、フェニルナフタレン、ベンジルナフタレン、メチルアントラセン、フェナンスレン、ビフェニル等の1種又は2種以上の混合物から選択される。ピッチに対する添加量は、ピッチ100重量部に対し10〜50重量部の範囲が好ましい。
【0029】
ピッチと添加剤の混合は、均一な混合を達成するため、加熱し溶融状態で行う。ピッチと添加剤の混合物は、添加剤を混合物から容易に抽出できるようにするため、粒径1mm以下の粒子に成形することが好ましい。成形は溶融状態で行ってもよく、また混合物を冷却後粉砕する等の方法によってもよい。
【0030】
ピッチと添加剤の混合物から添加剤を抽出除去するための溶剤としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ナフサ、ケロシン等の脂肪族炭化水素主体の混合物、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール類等が好適である。
【0031】
このような溶剤でピッチと添加剤の混合物成形体から添加剤を抽出することによって、成形体の形状を維持したまま添加剤を成形体から除去することができる。この際に成形体中に添加剤の抜け穴が形成され、均一な多孔性を有するピッチ成形体が得られるものと推定される。
【0032】
かくして得られた多孔性ピッチを、上述の酸化剤を用いて酸化し、架橋処理を施す。
【0033】
酸化剤としては、空気又は空気と他のガス例えば燃焼ガス等との混合ガスのような酸素を含むガスを用いて、120℃〜300℃で架橋処理を行うことが簡便であり、経済的にも有利である。この場合、ピッチの軟化点が低いと、酸化時にピッチが溶融して酸化が困難となるので、使用するピッチは軟化点が150℃以上であることが好ましい。
【0034】
架橋処理の程度は前述の架橋度判定法によるのが確実であるが、目安として元素分析により求めた酸化処理後の多孔性ピッチの元素分析による酸素含有量が1〜5%となるように酸化することが好ましい。
【0035】
本発明の方法においては、炭素化は減圧下又は不活性ガス雰囲気中で800℃以上、好ましくは900〜2000℃、更に好ましくは1000〜1600℃で行う。炭素化の温度は架橋度とのかねあいで決定されるが、800℃未満では炭素化が不十分であり好ましくない。炭素化は減圧下又は不活性ガス雰囲気中で行うが、これは炭素化時に原料が酸化されるのを防止するもので、減圧下で行う場合は10kPa(約0.1atm)以下、好ましくは5kPa以下、更に好ましくは3kPa以下である。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等をあげることができる。
【0036】
微粉末状の炭素質材料が要求される場合は、炭素化完了後に得られた炭素質材料を粉砕することも可能であるが、タール又はピッチに上述のようにして架橋処理を施したものを、炭素化に先立ち更に不活性ガス雰囲気中で350〜700℃で熱処理し重縮合を進めると同時に低沸点成分を除去し、揮発分を15%以下とした炭素前駆体を得、これを平均粒径100μm以下、好ましくは50μm以下に粉砕した後炭素化することによって微粉末状の炭素質材料を製造することができる。
【0037】
炭素前駆体の揮発分を15%以下とするのは、焼成時に粉砕粒子の溶融や粉砕粒子同士の融着が起るのを防止するためである。炭素前駆体の揮発分は好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。
【0038】
炭素化前の炭素前駆体は、炭素化されたものに比べて、非常に粉砕が容易で粉砕機の摩耗等も少ないので、炭素化前に粉砕する方法は非常に有利である。また炭素前駆体の揮発分を少なくすることは、炭素化工程でのタールや分解ガスの発生を少なくし、焼成工程の負荷が軽減されるので好ましい。
【0039】
本発明の炭素質材料を用いて非水溶媒系二次電池の電極を構成する場合には、炭素質材料を、必要に応じて平均粒径約5〜100μmの微粒子とした後、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン等の非水溶媒に対して安定な結合剤により、例えば、円形あるいは矩形の金属板等からなる導電性の集電材に接着して厚さが例えば10〜200μmの層を形成する等の方法により電極を製造する。結合剤の好ましい添加量は、炭素質材料に対して1〜20重量%である。結合剤の添加量が多すぎると、得られる電極の電気抵抗が大きくなり電池の内部抵抗が大きくなり電池特性を低下させるので好ましくない。また結合剤の添加量が少なすぎると、炭素質材料粒子相互及び集電材との結合が不十分となり好ましくない。なお、上記は、比較的小容量の二次電池についての値であるが、より大容量の二次電池の形成のためには、上記炭素質微粒子と結合剤の混合物をプレス成形等の方法により、より大なる厚さの成形体を製造し、これを集電材と電気的に接続する等の方法も可能である。
【0040】
本発明の炭素質材料は、その良好なドープ特性を利用して、非水溶媒型二次電池の正極材料として用いることも可能であるが、上述したように、非水溶媒型二次電池の負極、特にリチウム二次電池の負極活物質としてのリチウムのドープ用負極、の構成に用いることが好ましい。
【0041】
この場合、正極材料としては、一般式LiMY2 (Mは、Co、Ni等の遷移金属の少なくとも一種;YはO、S等のカルコゲン元素)で表わされる複合金属カルコゲン化合物、特にLiCoO2 をはじめとする複合金属酸化物が好ましく、そのまま、あるいは適当なバインダーとともに成形して、導電性の集電材上に層形成される。
【0042】
これら正極及び負極との組合せで用いられる非水溶媒型電解液は、一般に非水溶媒に電解質を溶解することにより形成される。非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチレンカーボネート、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、1,3−ジオキソラン等の有機溶媒の一種または二種以上を組合せて用いることが出来る。また電解質としては、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiCF3 SO3 、LiAsF6 、LiCl、LiBr、LiB(C6 H5 )4 、LiCH3 SO3 等が用いられる。
【0043】
二次電池は、一般に上記のようにして形成した正極層と負極層とを、必要に応じて不織布、その他の多孔質材料等からなる透液性セパレータを介して、対向させ電解液中に浸漬することにより形成される。
【0044】
【作用及び効果】
本発明では、タール又はピッチに架橋処理を施した後炭素化して炭素質材料を製造し、炭素質材料の微細組織を適切に制御することにより、高密度で、高い活物質のドープ・脱ドープ容量を有しながら、ドープ容量と脱ドープ容量の差として求められる不可逆容量が小さい炭素質材料を得ることが可能となる。
【0045】
さらに、炭素質材料の微細な異方性組織を無秩序に配列させ、炭素質粒子全体としては等方性とし、結晶子を薄くすることにより、活物質のドープ・脱ドープ時の結晶子の歪みを小さくし、かつ歪みの方向を分散させ活物質のドープ・脱ドープによる炭素質材料の崩壊が防止される。
【0046】
従って、本発明の炭素質材料は、活物質を有効に利用する、充放電サイクル特性の優れた、高エネルギー密度の非水溶媒系二次電池の電極用炭素質材料として、優れた特性を有するものである。
【0047】
なお、本発明に記載する炭素質材料のd002 、Lc(002)、真密度、ピッチの揮発分、軟化点の測定及び偏光顕微鏡観察は、以下のようにして行った。
【0048】
「炭素質材料のd002 およびLc(002)」:炭素質材料粉末をアルミニウム製試料セルに充填し、グラファイトモノクロメーターにより単色化したCuKα線(波長λ=0.15418nm)を線源とし、X線回折図形を得る。(002)回折線のピーク位置は、重心法(回折線の重心位置を求め、これに対応する2θ値でピーク位置を求める方法)により求め、標準物質用高純度シリコン粉末の(111)回折線を用いて補正し、下記Braggの公式よりd002 を計算した。
【0049】
Lc(002)は、炭素試料の(002)回折線の半値幅から標準物質用高純度シリコン粉末の(111)回折線の半値幅を差し引いた値β1/2を用い下記Scherrerの式により計算した。ここで、形状因子Kは、0.9とした。
【0050】
d002=λ/(2・sinθ) (Braggの公式)
Lc(002)=K・λ/(β1/2・cosθ) (Scherrerの式)
「真密度」:真密度はJIS R7212に定められた方法に従い、ブタノール法により測定した。
【0051】
「揮発分」:揮発分はJIS R7212に定められた方法に準じて測定を行った。ただし、試料の加熱を800℃、30分間とした。
【0052】
「軟化点」:島津製作所製高化式フローテスターを用い、250μm以下に粉砕された試料1gを直径1mmのノズルを底部に有する断面積1cm2のシリンダーに充填し、9.8N/cm2(10kg/cm2)の加重を加えながら6℃/分の速度で昇温する。温度の上昇に伴い粉体粒子が軟化し充填率が向上し、試料粉体の体積は減少するが、ある温度以上では体積の減少は停止する。さらに昇温を続けるとシリンダー下部のノズルより試料が溶融して流出する。このときの試料粉体の体積減少が停止する温度をその試料の軟化点と定義する。なお軟化点の高い試料においてはノズルからの試料の流出は起らない場合もある。
【0053】
「偏光顕微鏡観察」:炭素質材料が粉末状の場合は、液状エポキシ樹脂に10重量%程度の炭素質材料粉末試料を添加し、よく混合した後シリコンゴム製の型枠(直径25mm)に充填し、炭素質材料が粒状又は塊状の場合は、炭素質材料を粒径数mmとした後上記型枠に充填した液状エポキシ樹脂中に数個埋め込み、120℃で24時間保持してエポキシ樹脂を硬化させた後、炭素質材料試料が表面に出るように適当な位置で硬化エポキシ樹脂を切断し切断面を研磨し、直交ニコル下1000倍で偏光顕微鏡観察を行った。
【0054】
光学的異方性組織を構成する異方性単位の寸法が「Aμm以下」との表現は、上記の偏光顕微鏡観察によって炭素質材料試料の重複しない任意の10領域を観察し、観察視野中で、異方性単位の寸法の最大の部分がAμm以上である異方性単位の合計面積が炭素質材料の全面積に占める割合が10%以下となるような光学的異方性組織中の異方性単位寸法を意味するものである。
【0055】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明を更に詳細に説明する。
【0056】
(実施例1)
撹拌機付の内容積20リットルの反応容器に、残留炭素分14.1%、比重(15℃における試料の質量と4℃における等体積の純水の質量との比)1.09のエチレンボトムオイル15kgを仕込み、撹拌しながら冷却し温度を40℃以下に保ち61%硝酸2kgを添加し2時間反応させた。次に80℃で1時間保った後、100℃/hで380℃まで昇温し、380℃で2時間反応させた後、冷却してピッチ状物質を得た。このピッチ状物質は、原料エチレンボトムオイルに対して36.1%の収率で得られた。
【0057】
このピッチ状物質は、軟化点284℃、揮発分28.3%、酸素含有量0.5%、窒素含有量1.3%、H/C原子比0.63であった。
【0058】
このピッチ状物質を塊状のまま窒素ガス気流中で100℃/hの速度で1300℃まで昇温し、1300℃で1時間保持して炭化を行った。炭化の過程でピッチ状物質は一旦溶融し、その後再び固化して塊状の炭素質物質となった。冷却後粉砕し、平均粒径25μmの炭素質材料を製造した。得られた炭素質材料の特性を後記の表1に示す。
【0059】
(実施例2)
軟化点210℃、キノリン不溶分1重量%、H/C原子比0.63%の石油系ピッチ68kgとナフタレン32kgとを、撹拌翼のついた内容積300リットルの耐圧容器に仕込み、190℃に加熱し溶解混合した後、80〜90℃に冷却して押し出し、直径が約500μmの紐状成形体を得た。ついで、この紐状成形体を直径と長さの比が約1.5となるように粉砕し、得られた粉砕物を93℃に加熱した0.53%ポリビニルアルコール(ケン化度88%)水溶液中に投下し、撹拌分散し、冷却して球状ピッチ成形体を得た。大部分の水を濾過により除いたのち、球状ピッチ成形体の約6倍量の重量のn−ヘキサンでピッチ成形体中のナフタレンを抽出除去した。このようにして得られた球状ピッチ多孔体を加熱空気を通じながら165℃で1時間保持して酸化処理を行い、酸化ピッチを得た。
【0060】
この酸化ピッチの酸素含有率は2.0%であった。この酸化ピッチを、窒素雰囲気中、480℃で1時間熱処理して揮発分が4.7%の炭素前駆体を得た。この炭素前駆体を粉砕し、平均粒子径が約25μmの炭素前駆体微粒子とした。
【0061】
次にこの炭素前駆体微粒子を窒素気流中で1000℃で1時間炭素化し炭素質材料を得た。得られた炭素質材料の特性を、後記表1に示す。
【0062】
(実施例3〜5)
炭素化温度をそれぞれ1200℃(実施例3)、1400℃(実施例4)および1800℃(実施例5)とする以外は実施例2と同様にして炭素質材料を得た。
【0063】
(実施例6)
実施例2における酸化ピッチを窒素雰囲気中450℃で1時間熱処理して得た揮発分11.4%の炭素前駆体を平均粒子径30μmに粉砕した後、0.3kPaの減圧下、1200℃で1時間炭素化し炭素質材料を得た。得られた炭素質材料の特性を表1に示す。
【0064】
(実施例7)
実施例2における球状ピッチ多孔体を170℃で1時間空気で酸化処理し、酸化ピッチの酸素含有率を2.7%とした後、窒素雰囲気中600℃で1時間熱処理し揮発分を2%以下の炭素前駆体を得た。この炭素前駆体を平均粒子径が25μm程度となるまで粉砕し、窒素ガス雰囲気中1200℃で1時間炭素化し炭素質材料を得た。得られた炭素質材料の特性を表1に示す。
【0065】(実施例8)
実施例2における球状ピッチ多孔体を180℃で空気で酸化処理し、酸化ピッチの酸素含有率を3.4%とした後、窒素雰囲気中600℃で1時間熱処理し揮発分が2.0%以下の炭素前駆体を得た。この炭素前駆体を平均粒子径が25μmとなるまで粉砕し、窒素ガス雰囲気中1200℃で1時間炭素化し炭素質材料を得た。得られた炭素質材料の特性を表1に示す。
【0066】
上記実施例1〜8の炭素質材料は、偏光顕微鏡観察の結果、微細モザイク状の光学的異方性組織を示した。代表的に、実施例3及び8による炭素質材料の偏光顕微鏡写真(1000倍)を図2及び3に示す。
【0067】
(比較例1)
炭素化温度を2000℃とした以外は実施例2と同様にして炭素質材料を得た。この炭素質材料の特性を表1に示す。この炭素質材料を偏光顕微鏡(1000倍)で観察したところ、微細モザイク状の光学的異方性組織を示した。
【0068】
(比較例2)
実施例2で使用した石油ピッチを窒素雰囲気中で600℃で1時間熱処理したのち粉砕し平均粒径が25μmの炭素前駆体微粒子を得た。この炭素前駆体微粒子を1200℃で1時間炭素化して炭素質材料を得た。
【0069】
この炭素質材料を偏光顕微鏡で観察したところ、偏光顕微鏡写真(1000倍)を図4に示すように光学的異方性組織はモザイク構造を示さず、流れ構造を示した。この炭素質材料の特性を表1に示す。
【0070】
(比較例3)
平均重合度700のポリ塩化ビニルを比較例2と同様に処理して炭素質材料を得た。
【0071】
この炭素質材料を偏光顕微鏡で観察したところ、偏光顕微鏡写真を図5に示すように光学的異方性組織はモザイク構造を示さず、流れ構造を示した。この炭素質材料の特性を表1に示す。
【0072】
(比較例4)
フェノール樹脂(「ベルパール C−800」;鐘紡(株)製)を170℃で3分間予備硬化後、130℃で8時間硬化させた。次に窒素雰囲気中で250℃/hの速度で1200℃まで昇温し、1200℃で1時間保持した後冷却してフェノール樹脂焼成炭を得た。このフェノール樹脂焼成炭を平均粒径20μmに粉砕して炭素質材料を製造した。
【0073】
この炭素質材料を粉砕前の塊状炭の状態で偏光顕微鏡で観察したところ、偏光顕微鏡写真を図6(視野の全体が塊状炭を示している)に示すように光学的異方性組織は観察されず、等方的であった。この炭素質材料の特性を表1に示す。
【0074】
(比較例5)
フラン樹脂(「ヒタフラン VF−303」;日立化成(株)製)を100℃で14時間硬化させた。次に窒素雰囲気中で250℃/hの速度で1200℃まで昇温し、1200℃で1時間保持した後、冷却してフラン樹脂焼成炭を得た。このフラン樹脂焼成炭を平均粒径20μmになるように粉砕して炭素質材料を製造した。この炭素質材料を偏光顕微鏡で観察したところ、光学的異方性組織は観察されず、等方的であった。この炭素質材料の特性を表1に示す。
【0075】
(活物質のドープ・脱ドープ試験)
上記実施例及び比較例で得られた各炭素質材料を用いて、以下のようにして非水溶媒系二次電池を作成し、その特性を評価した。
【0076】
本発明の炭素質材料は非水溶媒二次電池の負極として用いるのに適しているが、本発明の効果である電池活物質のドープ容量、脱ドープ容量及び脱ドープされずに炭素質材料中に残存する量(不可逆容量)を、対極の性能のバラツキに影響されることなく精度良く評価するために、特性の安定した大過剰のリチウム金属を対極(負極)とし、上記で得られた炭素質材料を正極とするリチウム二次電池を構成し、その特性を評価した。
【0077】
すなわち正極(炭素質材料電極)は以下のようにして製造した。上記のようにして製造した微粒子状炭素質材料を90重量部、ポリフッ化ビニリデン10重量部に、N−メチル−2−ピロリドンを加えてペースト状とし、銅箔上に均一に塗布し、乾燥した後、銅箔より剥離させ直径21mmの円板状に打ち抜く。これを直径21mmのステンレススチール網円板にプレスにより加圧して圧着し正極とした。なお正極中の炭素質材料の量は約40mgになるように調整した。負極には、厚さ1mmの金属リチウム薄板を直径21mmの円板状に打ち抜いたものを使用した。
【0078】
このようにして製造した正極及び負極を用い、電解液としてはプロピレンカーボネートとジメトキシエタンを容量比で1:1で混合した混合溶媒に1モル/リットルの割合でLiClO4 を加えたものを使用し、ポリプロピレン製微細孔膜をセパレータとし非水溶媒系リチウム二次電池を構成した。
【0079】
このような構成のリチウム二次電池において0.5mA/cm2の電流密度で炭素質材料にリチウムをドープした。このドーピングは、1時間通電した後2時間休止する操作を繰り返し、正極−負極間の平衡電位が0ボルトになるまで行った。このときの電気量を、使用した炭素質材料の重量で除した値をドープ容量と定義し、mAh/gの単位で表わした。次に同様にして逆方向に電流を流し炭素質材料にドープされたリチウムを脱ドープした。脱ドープは、0.5mA/cm2の電流密度で1時間通電した後、2時間休止する操作を繰り返し、端子電圧1.5Vをカットオフ電圧とした。このときの電気量を、使用した炭素質材料の重量で除した値を脱ドープ容量と定義し、mAh/gの単位で表わした。次いでドープ容量と脱ドープ容量との差として不可逆容量を求めた。脱ドープ容量をドープ容量で除した値に100を乗じて、放電効率(%)を求めた。これは活物質がどれだけ有効に使用されたかを示す値である。
【0080】
以上のようにして求めた各炭素質材料を正極としたリチウム二次電池の電池特性を表2に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
上記表1に示す材料特性を参照しつつ、表2に示す電池特性をみると、本発明の実施例で得た炭素質材料を使用した二次電池は、比較例4、5から得られる無定形炭素質材料を使用した電池に比較して不可逆容量が小さく、活物質が有効に利用されることがわかる。
【0084】
比較例1で得られる炭素質材料を使用した二次電池が不可逆容量が大きいが、これは比較例1で得られる炭素質材料の結晶構造がよく発達しているため、電解液の分解に消費された電気量が不可逆容量として観測されたためと考えられる。
【0085】
(電池の充放電繰り返し試験)
次に本発明及び比較例で得られた炭素質材料を負極とした二次電池の充放電サイクル特性試験を以下の方法で行った。
【0086】
炭素質材料としては、実施例3で得られた炭素質材料及び光学的異方性組織が流れ構造を示す比較例2、3で得られた炭素質材料を使用して比較試験を行った。
【0087】
上述のドープ・脱ドープ試験において正極として形成したものと同様の方法により製造した炭素質材料電極を負極(炭素質材料重量:40mg)とし、LiCoO291重量部、黒鉛粉末6重量部及びポリフッ化ビニリデン3重量部にN−メチル−2−ピロリドンを加えてよく混合しペースト状とした後乾燥したものを型込め成形により、直径21mmの円板状に成形したものを正極(LiCoO2重量:200mg)とし、上述のドープ・脱ドープ試験の場合と同様のリチウム二次電池を構成した。
【0088】
この二次電池について、充電量250mAh/g(炭素)、充電上限電圧4.3V、放電終了電圧を2.5V、充放電電流密度を0.86mAh/cm2として連続充放電試験を行った。結果を図1に示す。図1中、曲線(a)、(b)、(c)は、それぞれ実施例3、比較例3及び比較例2により得られた炭素質材料を負極とした二次電池の充・放電特性曲線である。
【0089】
図1から明らかなように、本発明の微細モザイク構造の光学的異方性組織を有する炭素質材料を用いて負極を製造した二次電池(a)は、光学的異方性組織が流れ構造を示す、すなわち結晶の配向が同一方向を向いている領域が大きい、比較例2(曲線(b))及び3(曲線(c))で得られる炭素質材料を用いて負極を製造した二次電池に比較して、充放電サイクル特性が顕著に優れていることがわかる。
【0090】
以上、本発明を適用した具体的実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び比較例により得られる炭素質材料を負極とした二次電池の充放電繰り返し試験の放電容量の変化を示す図である。
【図2】本発明の実施例3で得られる炭素質材料の偏光顕微鏡写真(1000倍)である。
【図3】本発明の実施例8で得られる炭素質材料の偏光顕微鏡写真(1000倍)である。
【図4】比較例2で得られる炭素質材料の偏光顕微鏡写真(1000倍)である。
【図5】比較例3で得られる炭素質材料の偏光顕微鏡写真(1000倍)である。
【図6】比較例4で得られる炭素質材料の偏光顕微鏡写真(1000倍)である。
Claims (7)
- X線回折法により求めた(002)面の平均層面間隔d002が0.340〜0.375nm、c軸方向の結晶子の大きさLc(002)が15nm以下であり、1000倍の偏光顕微鏡によって観察される光学的異方性組織の構造が長径が10μm以下の異方性単位から構成される微細なモザイク構造を示すことを特徴とする非水溶媒系二次電池電極用炭素質材料。
- 石油系又は石炭系のタール若しくはピッチに架橋処理を施した後、減圧下又は不活性ガス雰囲気中で800℃以上で炭素化することを特徴とするX線回折法により求めた(002)面の平均層面間隔d002が0.340〜0.375nm、c軸方向の結晶子の大きさLc(002)が15nm以下であり、1000倍の偏光顕微鏡によって観察される光学的異方性組織の構造が長径が10μm以下の異方性単位から構成される微細なモザイク構造を示す非水溶媒系二次電池電極用炭素質材料の製造法。
- 石油系又は石炭系のタール若しくはピッチに、硝酸を添加して架橋処理を施すことを特徴とする請求項2に記載の非水溶媒系二次電池電極用炭素質材料の製造法。
- 石油系又は石炭系のピッチに対し、添加剤として沸点200℃以上の2乃至3環の芳香族化合物の1種又は2種以上を加えて加熱混合した後、成形しピッチ成形体を得、次にピッチに対し低溶解度を有しかつ添加剤に対して高溶解度を有する溶剤で、ピッチ成形体から添加剤を抽出除去せしめ、得られた多孔性ピッチを酸化し架橋処理を施すことを特徴とする請求項2に記載の非水溶媒系二次電池電極用炭素質材料の製造法。
- 多孔性ピッチを酸素を含むガスで酸化して架橋処理を施すことを特徴とする請求項4に記載の非水溶媒系二次電池電極用炭素質材料の製造法。
- 石油系又は石炭系のタール若しくはピッチに架橋処理を施した後、熱処理して得た揮発分が15%以下の炭素前駆体を、平均粒子径100μm以下に粉砕した後、炭素化することを特徴とする請求項2〜5に記載の非水溶媒系二次電池電極用炭素質材料の製造方法。
- 請求項1に記載の炭素質材料からなる負極を有する非水溶媒系二次電池。
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