JP2016157648A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、サイクル初期における容量保持率に優れた非水電解質二次電池を提供することである。【解決手段】前記課題は、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極電極、ブタノール真密度が1.58g/cc以下の難黒鉛化性炭素質材料を含む負極電極、並びに炭素数3以上のアルキレンカーボネート及びエーテルを含む非水溶媒系電解液であって、前記エーテルの含有量が50体積%未満である非水溶媒系電解液を含むことを特徴とする非水電解質二次電池によって解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。本発明によれば、サイクル初期における容量保持率の低下を抑制することができる。
近年、環境問題への関心の高まりから、エネルギー密度が高く、出力特性の優れた大型のリチウムイオン二次電池の電気自動車への搭載が検討されている。携帯電話やノートパソコンといった小型携帯機器用途では、体積当たりの容量が重要となるため、密度の大きい黒鉛質材料が主に負極活物質として利用されてきた。しかし、車載用リチウムイオン二次電池においては大型で且つ高価であることから途中での交換が困難である。従って、少なくとも自動車と同じ耐久性が必要であり、10年以上の寿命性能の実現(高耐久性)が求められる。黒鉛質材料又は黒鉛構造の発達した炭素質材料では、リチウムのドープ、脱ドープの繰り返しによる結晶の膨張収縮により破壊が起きやすく、充放電の繰り返し性能が劣るため、高いサイクル耐久性が求められる車載用リチウムイオン二次電池用負極材料としては適していない。これに対し、難黒鉛化性炭素はリチウムのドープ、脱ドープ反応による粒子の膨張収縮が小さく、高いサイクル耐久性を有するという観点からは自動車用途での使用に好適である(特許文献1)が、更なるサイクル特性の向上が求められている。
特許文献2には、正極活物質として硫黄単体を主体として用い、負極活物質としてハードカーボンを用い、そして非水溶媒として鎖状エーテル又は環状エーテルを用いることにより、サイクル特性及び充放電効率を向上させた非水電解質二次電池が開示されている。また、特許文献3には、正極活物質としてリチウム含有リン酸化合物を用い、黒鉛を負極に用い、そして非水溶媒としてエチレンカーボネート及び鎖状エーテルを用いることにより、耐久前後のハイレート特性の向上及び高出力化を達成した非水電解質二次電池が得られることが記載されている。
特開平8−64207号公報 特開2006−269234号公報 特開2011−96643号公報
本発明者らは、難黒鉛化性炭素質材料を負極として用い、非水溶媒としてアルキレン基の炭素数が3以上のアルキレンカーボネートを用いた二次電池において、サイクルの初期において、容量保持率の低下が大きいことに気がついた。そのため、サイクル初期における容量保持率の低下を抑制することにより、全体のサイクル特性を改善できると考えた。
従って、本発明の目的は、サイクル初期における容量保持率に優れた非水電解質二次電池を提供することである。
本発明者は、サイクル初期における容量保持率に優れた非水電解質二次電池について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、難黒鉛化性炭素質材料を負極として用い、非水溶媒として炭素数3以上のアルキレンカーボネートを用いた二次電池において、非水溶媒系電解液にエーテルを含有させることにより、サイクル初期における容量保持率の低下が劇的に抑制されることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極電極、ブタノール真密度が1.58g/cc以下の難黒鉛化性炭素質材料を含む負極電極、並びにエーテル及び炭素数3以上のアルキレンカーボネートを含む非水溶媒系電解液であって、前記エーテルの含有量が50体積%未満である非水溶媒系電解液を含むことを特徴とする非水電解質二次電池、
[2]前記難黒鉛化性炭素質材料が、石油ピッチ若しくはタール、又は石炭ピッチ若しくはタール由来である、[1]に記載の非水電解質二次電池、
[3]リチウム遷移金属複合酸化物が、層状酸化物系複合金属カルコゲン化合物、オリビン系複合金属カルコゲン化合物、スピネル系の複合金属カルコゲン化合物、又はそれらの組み合わせである、[1]又は[2]に記載の非水電解質二次電池、
[4]前記エーテルが鎖状エーテル、又は環状エーテルである[1]〜[3]のいずれかに記載の非水電解質二次電池
[5]前記難黒鉛化性炭素質材料の平均層面間隔d002が0.380nm以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の非水電解質二次電池、及び
[7]請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池を搭載した車両、
に関する。
本発明の非水電解質二次電池によれば、非水溶媒系電解液にエーテルを含有させることにより、サイクル初期における容量の低下を抑えることができる。更に、負極の難黒鉛化性炭素質材料のブタノール真密度を低下させることにより、サイクル初期における容量保持率を向上させることができる。
図1は、実施例1、6、及び7並びに比較例1及び2で得られた非水電解質二次電池の初期放電容量保持率(6サイクル目の放電容量保持率)をプロットしたグラフである。 図2は、実施例7及び比較例2の非水電解質二次電池の1〜6サイクルの容量保持率を示したグラフである。 図3は、実施例1、4及び5の非水電解質二次電池の1〜6サイクルの容量保持率を示したグラフである。
[1]非水電解質二次電池
本発明の非水電解質二次電池は、リチウム遷移金属複合酸化物含む正極電極、ブタノール真密度が1.58g/cc以下の難黒鉛化性炭素質材料を含む負極電極、並びに炭素数3以上のアルキレンカーボネート及びエーテルを含む非水溶媒系電解液を含む。
《正極電極》
本発明の非水電解質二次電池の正極電極は、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を含む限りにおいて、特に限定されないが、50質量%以上のリチウム遷移金属複合酸化物を含むものが好ましい。本明細書において、「リチウム遷移金属複合酸化物を50質量%以上含む」とは、正極活物質の全体量に対して50質量%以上含むことを意味する。正極電極は、通常、正極活物質以外に、結合剤(バインダー)、導電材、及び集電体を含む。
(正極活物質)
本発明の非水電解質二次電池において、正極電極に用いるリチウム遷移金属複合酸化物は、特に限定されるものではないが、例えば層状酸化物系カルコゲン化合物(LiMOと表されるもので、Mは金属:例えばLiCoO、LiNiO、LiMnO、又はLiNiCoMo(ここでx、y、zは組成比を表す))、オリビン系カルコゲン化合物(LiMPOで表され、Mは金属:例えばLiFePOなど)、スピネル系カルコゲン化合物(LiMで表され、Mは金属:例えばLiMnなど)の複合金属カルコゲン化合物、又はこれらの混合物を用いることができる。また、コバルト酸リチウムのコバルトの一部をニッケルとマンガンで置換し、コバルト、ニッケル、マンガンの3つを使用することで材料の安定性を高めた三元系〔Li(Ni−Mn−Co)O〕や前記三元系のマンガンの代わりにアルミニウムを使用するNCA系材料〔Li(Ni−Co−Al)O〕が知られており、これらの材料を使用することができる。
なお、本実施例においては、対極性能のバラツキに影響されることなく精度良く、非水電解質二次電池の性能を評価するために、特性の安定したリチウム金属を正極に用いたハーフセルによって、サイクル初期における容量保持率の改善を示している。この容量保持率の改善は、電解液にエーテルを添加することによって得られるものである。非水電解質二次電池において、リチウム遷移金属複合酸化物及びリチウム金属の正極としての機能は同じである。従って、リチウム遷移金属複合酸化物を用いたフルセルにおいても、電解液にエーテルを添加することによってサイクル初期における容量保持率が改善することは、本発明の属する分野の当業者は、本明細書の記載及び実施例から、明確に理解できるものである。
正極に含まれるリチウム遷移金属複合酸化物の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上であり、最も好ましくは80質量%以上である。
リチウム遷移金属複合酸化物以外の正極活物質としては、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されるものではないが、リチウム金属、リチウム合金、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な炭素材料、リチウム含有酸化物、硫黄単体、又はTiS、TiS、MoS、MoS、FeS、NbSe、若しくはV等のリチウムを含有しない金属硫化物若しくは酸化物を挙げることができる。
(集電体)
集電体としては、従来使用され、或いは提案されている種々の材料を使用することが可能である。例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタル等の金属材料;カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が挙げられるが、好ましくは金属材料であり、特にアルミニウムが好ましい。
(結合剤(バインダー))
正極に用いられるバインダーとしては、電解液と反応しないものであれば特に限定されないが、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、フッ素ゴム(FR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ポリアクリル酸ナトリウム、プロピレン又はカルボキシメチルセルロース(CMC)などを挙げることができる。これらのバインダー1種を単独で用いてもよく、2種以上の適当な比率の組み合わせで用いてもよい。
結合剤の含有量は、特に限定されるものではないが、下限は正極に含まれる物質(ここで正極活物質量+バインダー量+導電助剤量=100重量%とする)に対して、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、更に好ましくは1.0質量%以上であり、最も好ましくは1.5質量%以上である。上限は正極に含まれる物質に対して、好ましくは8.0質量%以下であり、より好ましくは6.0質量%以下であり、更に好ましくは4.0質量%以下であり、最も好ましくは3.0質量%以下である。結合剤の含有量が0.1質量%〜8.0質量%であることによって、集電箔及び粒子間の良好な結合が維持され、結合剤による電子抵抗の上昇も抑えられる。
(導電助剤)
正極に用いる導電助剤としては、従来使用され、或いは提案されている種々の材料を使用することが可能である。例えば、銅、ニッケル等の金属材料;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト);アセチレンブラック等のカーボンブラック;ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料等が挙げられる。これらの導電助剤の1種を単独で用いてもよく、2種以上の適当な比率の組み合わせで用いてもよい。
導電助剤の含有量は、特に限定されるものではないが、下限は正極に含まれる物質(ここで正極活物質量+バインダー量+導電助剤量=100重量%とする)に対して、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、更に好ましくは0.1質量%以上であり、最も好ましくは1質量%以上である。上限は正極に含まれる物質に対して、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは4.0質量%以下であり、更に好ましくは3.5質量%以下であり、最も好ましくは3.0質量%以下である。導電助剤の含有量が0.01質量%〜5.0質量%であることによって、容量低下を抑えつつ、抵抗を低減することが可能である。
《溶媒》
正極電極を作製する場合に、正極活物質、バインダー、及び導電材に溶媒を添加して混練する。溶媒は、非水電解質二次電池用正極電極の製造時に用いられるものを制限なく使用することができる。例えば、水、アルコールと水との混合媒等が挙げられる。また、有機系媒体としては、例えば、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類;キノリン、ピリジン等の複素環化合物;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、アクリル酸メチル等のエステル類;ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン等のアミン類;ジエチルエーテル、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類;N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;又はヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。
《負極電極》
本発明の非水電解質二次電池の負極電極は、負極活物質としてブタノール真密度が1.58g/cc以下の難黒鉛化性炭素質材料を含む限りにおいて、特に限定されない。負極電極は、通常、負極活物質以外に、結合剤(バインダー)及び集電体を含む。また、必要に応じて、導電助剤を含んでもよい。
(負極活物質)
負極に含まれる難黒鉛化性炭素質材料の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上であり、最も好ましくは80質量%以上である。
難黒鉛化性炭素質材料以外の負極活物質としては、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されるものではないが、天然黒鉛、人造黒鉛、易黒鉛性炭素質材料、又はSiO、若しくはLTOなどの無機化合物を挙げることができる。本発明の目的は、難黒鉛化性炭素質材料を負極として用い、そして非水溶媒として炭素数3以上のアルキレンカーボネートを用いた場合の、サイクル初期における容量保持率の低下を抑制することである。従って、負極活物質として難黒鉛化性炭素質材料が含まれている場合に、本発明の課題を解決することができる。
(難黒鉛化性炭素質材料)
本発明の非水電解質二次電池において、負極電極に用いる難黒鉛化性炭素質材料は、特に限定されるものではないが、例えばピッチ、熱硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂を炭素源とする難黒鉛化性炭素質材料を挙げることができる。また、ピッチ、及び熱硬化性樹脂、を炭素源とする難黒鉛化性炭素質材料の製造の例について、後述する。
難黒鉛性炭素質材料のX線回折法により測定した(002)面の平均層面間隔は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.365−0.40nmであり、より好ましくは0.380−0.40nmである。ブタノール真密度が1.58g/cc以下の難黒鉛化性炭素質材料の場合、(002)面の平均層面間隔は0.380以上となるためである。
黒鉛、又は黒鉛構造の発達した易黒鉛化炭素質材料は、緻密な黒鉛の結晶構造を有しており、例えばリチウムイオン二次電池においては、リチウムのドープ、脱ドープの繰り返しにより、黒鉛層間は10%程度膨張するため黒鉛の結晶構造の破壊が起こりやすい。一方、難黒鉛化性炭素質材料は、黒鉛の結晶構造がそれほど発達していないため、結晶の乱れた微細な空隙にリチウムを格納することができる。このため、充放電による粒子の膨張収縮が小さく、充放電を繰り返すことによる粒子の構造破壊、電極内部における粒子間接触抵抗の増加、あるいは電極板の変形がほとんどない。従って、難黒鉛化性炭素質材料を負極として用いた場合の、リチウムのドープ、脱ドープ反応による耐久性に優れている。換言すると、難黒鉛化性炭素質材料は、黒鉛又は易黒鉛化炭素質材料と比較すると、充放電時の膨張収縮が小さく繰り返し性能(いわゆる、耐久性)において優れている。
本発明に用いる難黒鉛化性炭素質材料のBET比表面積は、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜30m/gである。BET比表面積が、30m/gを超えると、非水電解質二次電池の負極として用いた場合に、電解液との分解反応が増加し、不可逆容量の増加に繋がり、従って電池性能が低下する。一方、BET比表面積が1m/g未満であると、非水電解質二次電池の負極として用いた場合に、電解液との反応面積が低下することにより入出力特性が低下する可能性がある。
本発明に用いる難黒鉛化性炭素質材料の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは5〜30μmである。非水電解質二次電池の性能における出力特性を向上させるためには、電極の活性物質層の厚みを薄くして、抵抗を下げることが重要である。また、平均粒子径が50μm以下であると、粒子内のリチウム拡散長が短くなり、急速充電時において好ましい。
(ブタノール真密度)
前記難黒鉛化性炭素質材料のブタノール真密度は、特に限定されるものではないが、上限は好ましくは1.58g/cc以下であり、より好ましくは1.57g/cc以下であり、更に好ましくは1.56g/cc以下であり、最も好ましくは1.55g/cc以下である。ブタノール真密度が1.58g/cc以下の難黒鉛化性炭素質材料において、電解液にエーテルを添加した効果が堅調であるからである。下限は、限定されるものではないが、1.30g/cc以上が好ましく、1.32/cc以上がより好ましく、1.34/cc以上が更に好ましい。ブタノール真密度が1.56g/cc以下であると、効率的にサイクル初期における容量の低下を抑えることができる。
(集電体)
集電体としては、従来使用され、或いは提案されている種々の材料を使用することが可能である。例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料挙げることができるが、加工の容易性及びコストの観点から、銅が好ましい。
(結合剤(バインダー))
前記負極電極はバインダーを含む。本発明に用いることのできるバインダーは、電解液と反応しないものであれば特に限定されないが、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、フッ素ゴム(FR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ポリアクリル酸ナトリウム、プロピレン又はカルボキシメチルセルロース(CMC)などを挙げることができる。
中でもPVDFは、活物質表面に付着したPVDFがリチウムイオン移動を阻害することが少なく、良好な入出力特性を得るために好ましい。PVDFを溶解しスラリーを形成するためにN−メチルピロリドン(NMP)などの極性溶媒が好ましく用いられるが、SBRなどの水性エマルジョンやCMCを水に溶解して用いることも出来る。
結合剤の含有量は、特に限定されるものではないが、下限は負極に含まれる物質(ここで負極活物質量+バインダー量+導電材量=100重量%とする)に対して、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、更に好ましくは1.0質量%以上であり、最も好ましくは1.5質量%以上である。上限は負極に含まれる物質に対して、好ましくは13.0質量%以下であり、より好ましくは12.0質量%以下であり、更に好ましくは11.0質量%以下である。
結合剤の好ましい添加量は、使用するバインダーの種類によっても異なるが、例えばPVDF系のバインダーでは好ましくは3〜13重量%であり、更に好ましくは3〜10重量%である。一方、溶媒に水を使用するバインダーでは、SBRとCMCとの混合物など、複数のバインダーを混合して使用することが多く、使用する全バインダーの総量として0.5〜5重量%が好ましく、更に好ましくは1〜4重量%である。バインダーの添加量が多すぎると、得られる電極の電気抵抗が大きく、電池の内部抵抗が大きくなるため電池特性を低下させるので好ましくない。また、バインダーの添加量が少なすぎると、難黒鉛化性炭素質材料(負極活物質粒子)同士及び集電材との結合が不十分となり好ましくない。電極活物質層は集電板の両面に形成するのが基本であるが、必要に応じて片面でもよい。電極活物質層が厚いほど、集電板やセパレータなどが少なくて済むため高容量化には好ましいが、対極と対向する電極面積が広いほど入出力特性の向上に有利なため活物質層が厚すぎると入出力特性が低下するため好ましくない。好ましい活物質層(片面あたり)の厚みは10〜100μmであり、更に好ましくは20〜75μm、特に好ましくは20〜60μmである。
《導電助剤》
本発明の炭素質材料を用いることにより特に導電助剤を添加しなくとも高い導電性を有する電極を製造することができるが、更に高い導電性を付与することを目的に必要に応じて電極合剤を調製時に導電助剤を添加することが出来る。すなわち、難黒鉛化性炭素質材料(炭素負極活物質)及びバインダーのみで非水電解質二次電池用負極電極を製造することも可能であるが、導電助剤を含み非水電解質二次電池用負極電極を製造することもできる。導電助剤としては、導電性のカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、気相成長炭素(VGCF(登録商標))、又はカーボンナノチューブなどを用いることができる。
導電助剤の添加量は使用する導電助剤の種類によっても異なるが、添加する量が少なすぎると期待する導電性が得られないので好ましくなく、多すぎると電極合剤中の分散が悪くなるので好ましくない。このような観点から、添加する導電助剤の好ましい割合は0.5〜10重量%(ここで活物質(炭素質材料)+バインダー量+導電助剤量=100重量%とする)であり、更に好ましくは0.5〜7重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%である。
《溶媒》
本発明の非水電解質二次電池用負極電極を作製する場合に、難黒鉛化性炭素質材料及びバインダー等に溶媒を添加して混練する。溶媒は、非水電解質二次電池用負極電極の製造時に用いられるものを制限なく使用することができる。具体的には、N−メチルピロリドン(NMP)を挙げることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデンの場合、N−メチルピロリドン(NMP)などの極性溶媒が好ましく用いられるが、SBRなどの水性エマルジョンを用いることもできる。
難黒鉛化性炭素質材料の炭素源は、特に限定されるものではなく、前記のように石油ピッチ若しくはタール、石炭ピッチ若しくはタール、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、ポリイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂、ポリアミドイミド、又はポリエーテルエーテルケトンを挙げることができる。更に、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂を挙げることができる。
以下に、ピッチ若しくはタール、又は樹脂からの炭素質材料の製造例を説明する。
《タール又はピッチからの炭素質材料の製造》
タール又はピッチからの本発明の炭素質材料の製造方法について、以下に例を挙げて説明する。
まず、タール又はピッチに対する架橋処理(不融化)は、架橋処理を行ったタール又はピッチを炭素化して得られる炭素質材料を難黒鉛化性にすることを目的とするものである。タール又はピッチとしては、エチレン製造時に複製する石油タール又はピッチ、石炭乾留時に生成するコールタール、及びコールタールの低沸点成分を蒸留除去した重質成分又はピッチ、石炭の液化により得られるタール又はピッチなどの石油又は石炭のタール又はピッチが使用できる。また、これらのタール及びピッチの2種類以上を混合してもよい。
具体的に、不融化の方法としては架橋剤を使用する方法、又は空気などの酸化剤で処理する方法等がある。架橋剤を用いる場合は、石油タール若しくはピッチ、又は石炭タール若しくはピッチに対し、架橋剤を加えて加熱混合し架橋反応を進め炭素前駆体を得る。例えば、架橋剤としては、ラジカル反応により架橋反応が進行するジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタクリレート、又はN,N−メチレンビスアクリルアミド等の多官能ビニルモノマーが使用できる。多官能ビニルモノマーによる架橋反応は、ラジカル開始剤を添加することにより反応が開始する。ラジカル開始剤としては、α,α’アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウロイル、クメンヒドロベルオキシド、1−ブチルヒドロペルオキシド、又は過酸化水素などが使用できる。
また、空気などの酸化剤で処理して架橋反応を進める場合は、以下のような方法で炭素前駆体を得ることが好ましい。すなわち石油系又は石炭系のピッチに対し、添加剤として沸点200℃以上の2乃至3環の芳香族化合物又はその混合物を加えて加熱混合した後、成形しピッチ成形体を得る。次にピッチに対し低溶解度を有しかつ添加剤に対して高溶解度を有する溶剤でピッチ成形体から添加剤を抽出除去して多孔性ピッチとした後、酸化剤を用いて酸化し、炭素前駆体を得る。前記の芳香族添加剤の目的は、成形後のピッチ成形体から該添加剤を抽出除去して成形体を多孔質とし、酸化による架橋処理を容易にし、また炭素化後に得られる炭素質材料を多孔質にすることにある。前記の添加剤としては、例えばナフタレン、メチルナフタレン、フェニルナフタレン、ベンジルナフタレン、メチルアントラセン、フェナンスレン、又はビフェニル等の1種又は2種以上の混合物から選択することができる。ピッチに対する芳香族添加剤の添加量は、ピッチ100重量部に対し30〜70重量部の範囲が好ましい。
ピッチと添加剤の混合は、均一な混合を達成するため、加熱し溶融状態で行う。ピッチと添加剤との混合物は、添加剤を混合物から容易に抽出できるようにするため、粒径1mm以下の粒子に成形してから行うことが好ましい。成形は溶融状態で行ってもよく、また混合物を冷却後粉砕する等の方法によってもよい。ピッチと添加剤の混合物から添加剤を抽出除去するための溶剤としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、又はヘプタン等の脂肪族炭化水素、ナフサ、又はケロシン等の脂肪族炭化水素主体の混合物、メタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノール等の脂肪族アルコール類が好適である。このような溶剤でピッチと添加剤の混合物成形体から添加剤を抽出することによって、成形体の形状を維持したまま添加剤を成形体から除去することができる。この際に成形体中に添加剤の抜け穴が形成され、均一な多孔性を有するピッチ成形体が得られるものと推定される。
得られた多孔性ピッチを架橋するため、次に酸化剤を用いて、好ましくは120〜400℃の温度で酸化する。酸化剤としては、O、O、NO、これらを空気、窒素等で希釈した混合ガス、又は空気等の酸化性気体、あるいは硫酸、硝酸、過酸化水素水等の酸化性液体を用いることができる。酸化剤として、空気又は空気と他のガス例えば燃焼ガス等との混合ガスのような酸素を含むガスを用いて、120〜400℃で酸化して架橋処理を行うことが簡便であり、経済的にも有利である。この場合、ピッチの軟化点が低いと、酸化時にピッチが溶融して酸化が困難となるので、使用するピッチは軟化点が150℃以上であることが好ましい。
上述のようにして架橋処理を施した炭素前駆体を、予備焼成を行った後、非酸化性ガス雰囲気中で900℃〜1600℃で炭素化することにより、本発明の炭素質材料を得ることができる。
《樹脂からの炭素質材料の製造》
樹脂からの炭素質材料の製造方法について、以下に例を挙げて説明する。
本発明の炭素質材料は、樹脂を前駆体として用い、900℃〜1600℃で炭素化することによっても得ることができる。樹脂としては、フェノール樹脂又はフラン樹脂など、或いはそれらの樹脂の官能基を一部変性した熱硬化性樹脂を使用することができる。熱硬化性樹脂を必要に応じて900℃以下の温度で予備焼成したのち、粉砕し、900℃〜1600℃で炭素化することによっても得ることができる。熱硬化性樹脂の硬化促進、架橋度の促進、或いは炭素化収率の向上を目的に必要に応じて120〜400℃の温度で酸化処理(不融化処理)を行ってもよい。酸化剤としては、O、O、NO、これらを空気、窒素等で希釈した混合ガス、又は空気等の酸化性気体、あるいは硫酸、硝酸、過酸化水素水等の酸化性液体を用いることができる。粉砕工程は、炭素化後に行うことも出来るが、炭素化反応が進行すると炭素前駆体が硬くなるため、粉砕による粒子径分布の制御が困難になるため、粉砕工程は900℃以下の予備焼成の後で本焼成の前が好ましい。
更に、ポリアクリロニトリル又はスチレン/ジビニルベンゼン共重合体などの熱可塑性樹脂に不融化処理を施した炭素前駆体を使用することもできる。これらの樹脂は、例えばラジカル重合性のビニルモノマー及び重合開始剤を混合したモノマー混合物を、分散安定剤を含有する水性分散媒体中に添加し、撹拌混合により懸濁してモノマー混合物を微細な液滴とした後、ついで昇温することによりラジカル重合を進めて得ることができる。得られた樹脂を不融化処理により、架橋構造を発達させることにより球状の炭素前駆体とすることができる。酸化処理は、120〜400℃の温度範囲で行うことができ、特に好ましくは170℃〜350℃、更に好ましくは220〜350℃の温度範囲で行うことが好ましい。酸化剤としては、O、O、SO、NO、これらを空気、窒素等で希釈した混合ガス、又は空気等の酸化性気体、又は硫酸、硝酸、過酸化水素水等の酸化性液体を用いることができる。その後、前記のように熱に不融である炭素前駆体を、必要に応じて予備焼成を行った後、粉砕し、非酸化性ガス雰囲気中で900℃〜1600℃で炭素化することにより、本発明の炭素質材料を得ることができる。粉砕工程は、炭素化後に行うことも出来るが、炭素化反応が進行すると炭素前駆体が硬くなるため、粉砕による粒子径分布の制御が困難になるため、粉砕工程は900℃以下の予備焼成の後で本焼成の前が好ましい。
《非水溶媒系電解液》
本発明の非水電解質二次電池における非水溶媒系電解液は、非水溶媒としてアルキレン基の炭素数3以上のアルキレンカーボネート及びエーテルを含む。なお、本明細書において、「炭素数3以上のアルキレンカーボネート」における炭素数は、アルキレンカーボネートのアルキレン基の炭素数を意味する。
非水溶媒系電解液の非水溶媒としては、アルキレンカーボネートを用いることが多く、特にエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、又はブチレンカーボネートなどがよく使用される。本発明者らは、難黒鉛化性炭素質材料を負極として用い、非水溶媒としてアルキレン基の炭素数3以上のアルキレンカーボネートを用いた二次電池において、サイクルの初期において、容量保持率の低下が大きいことに気付いたものである。すなわち、プロピレンカーボネート、又はブチレンカーボネートなどを非水溶媒として用いた場合に、サイクルの初期の容量保持率の低下が見られた。この場合に、エーテルを非水溶媒電解液に添加することにより、容量保持率の低下を抑制できた。
なお、エチレンカーボネートにおいても、サイクルの初期の容量保持率の低下が見られるが、エーテルの添加による容量保持率の改善は、ほとんど見られない。
アルキレンカーボネートは、炭素数が3以上である限りにおいて限定されるものではないが、炭素数の上限は、好ましくは6以下であり、より好ましくは5以下であり、更に好ましくは4以下であり、最も好ましくは3以下である。具体的なアルキレンカーボネートとしては、プロピレンカーボネート(炭酸プロピレン)、ブチレンカーボネート(炭酸ブチレン)、又はヘキシレンカーボネート(炭酸ヘキシレン)、を挙げることができるが、プロピレンカーボネート又はブチレンカーボネートが好ましい。
アルキレンカーボネートの含有量は、本発明の効果が得られる限りにおいて、限定されるものではないが、含有量の下限は、好ましくは20体積%以上であり、より好ましくは30体積%以上であり、更に好ましくは40体積%以上であり、更に好ましくは50体積%以上であり、更に好ましくは50体積%を超え、最も好ましくは51体積%以上である。含有量の上限も特に限定されるものでないが、好ましくは99体積%以下であり、より好ましくは98体積%以下であり、更に好ましくは97体積%以下であり、更に好ましくは95体積%以下であり、更に好ましくは93体積%以下である。
本発明の非水電解質二次電池に用いるエーテルとしては、鎖状エーテル、環状エーテル又はそれらの混合物を挙げることができる。
環状エーテルとしては、2−メチル−1,3ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シオネール、クラウンエーテル、又はそれらの2種以上の混合物を挙げることができるが好ましくは、テトラヒドロフラン、又はクラウンエーテルである。
鎖状エーテルとしては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、又はそれらの2種以上の混合物を挙げることができるが好ましくは、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、又は1,2−ジエトキシエタンである。
本発明に用いる電解液におけるエーテルの含有量は、1体積%以上である限りにおいて、特に限定されるものではないが、下限は好ましくは2体積%以上であり、より好ましくは3体積%以上であり、更に好ましくは5体積%以上であり、最も好ましくは7体積%以上である。エーテルの含有量の上限は、50体積%未満であり、好ましくは49体積%以下であり、より好ましくは47体積%以下であり、より好ましくは45体積%以下であり、更に好ましくは40体積%以下である。
本発明の非水溶媒系電解液の非水溶媒は、本発明の効果が得られる限りにおいて、炭素数3以上のアルキレンカーボネート及びエーテル以外のその他の非水溶媒を含んでもよい。その他の非水溶媒としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチルラクトン、スルホラン、又は1,3−ジオキソランを挙げることができる。これらのその他の非水溶媒の含有量は、限定されるものではないが、好ましくは60体積%未満であり、より好ましくは30体積%未満であり、更に好ましくは20体積%未満であり、最も好ましくは10体積%未満である。
(セパレータ)
セパレータとしては、二次電池に通常用いられる不織布、その他の多孔質材料からなる透過性セパレータを用いることができる。
《非水電解質二次電池の製造》
以下に、非水電解質二次電池の製造方法の一例を記載する。
負極は、前記炭素質材料をそのまま用いるか、又は例えば1〜10重量%のアセチレンブラックや導電性カーボンブラック等の導電助剤と共に用いられる。結合剤(バインダー)及び適当な溶媒を適量添加し、混練することによって、電極合剤ペーストとする。その後、例えば、円形あるいは矩形の金属板等からなる導電性の集電材に塗布・乾燥後、加圧成形する。厚さが10〜200μmの層を形成し、負極として電極製造に用いられる。結合剤は前記のものを制限なく使用できる。例えばポリフッ化ビニリデンを結合剤として用いる場合、溶媒としてはN−メチルピロリドン(NMP)などの極性溶媒が好ましく用いられるが、SBRなどの水性エマルジョンを用いることも出来る。結合剤の好ましい添加量は、本発明の炭素質材料100重量部に対して、0.5〜10重量部である。結合剤の添加量が多すぎると、得られる電極の抵抗が大きくなるため、電池の内部抵抗が大きくなり電池特性を低下させるので好ましくない。また、結合剤の添加量が少なすぎると、負極材料粒子相互及び集電材との結合が不十分となり好ましくない。
正極も、前記のものを制限なく使用することができ、適当なバインダーと電極に導電性を付与するための炭素材料などとともに成形して、導電性の集電材上に層形成することにより正極を形成することができる。
非水溶媒系電解液は、エーテルを含む限りにおいて限定されるものではなく、例えばプロピレンカーボネート又はブチレンカーボネートなどと、エーテルを混合して非水溶媒とし、電解質として、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiAsF、LiCl、LiBr、LiB(C、又はLiN(SOCF等を混合することによって、電解液を調製することができる。しかしながら、電解質としてはフッ素含有リチウム塩、例えばLiPF、LiBF、LiCFSO、LiAsF、又はLiN(SOCFが好ましい。フッ素含有リチウム塩は、化学的安定性及び熱安定性に優れているからである。
前記のようにして形成した正極層と負極層とを必要に応じて不織布、その他の多孔質材料等からなる透液性セパレータを介して対向させ電解液中に浸漬させることにより、二次電池とする。セパレータとしては、二次電池に通常用いられる不織布、その他の多孔質材料からなる透過性セパレータを用いることができる。あるいはセパレータの代わりに、もしくはセパレータと一緒に、電解液を含浸させたポリマーゲルからなる固体電解質を用いることもできる。
[2]車両
本発明の非水電解質二次電池は、例えば自動車などの車両に搭載される電池(典型的には車両駆動用非水電解質二次電池)として好適である。
本発明による車両とは、通常電動車両として知られるものや燃料電池や内燃機関とのハイブリッド車など、特に制限されることなく対象とすることができるが、少なくとも上記電池を備えた電源装置と、該電源装置からの電源供給により駆動する電動駆動機構と、これを制御する制御装置を備えるものである。更に、発電ブレーキや回生ブレーキを備え制動によるエネルギーを電気に変換して前記非水電解質二次電池に充電する機構を備えてもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
なお、以下に炭素質材料及び炭素前駆体の物性値(「レーザー回折法による平均粒子径」、「比表面積」、「炭素材の平均層面間隔d002」、及び「ブタノール法による真密度」)の測定法を記載するが、実施例を含めて、本明細書中に記載する物性値は、以下の方法により求めた値に基づくものである。
(レーザー回折法による平均粒子径)
試料約0.01gに対し、分散剤(カチオン系界面活性剤「SNウェット366」(サンノプコ社製)を3滴加え、試料に分散剤を馴染ませる。つぎに、純水30mLを加え、超音波洗浄機で約2分間分散させたのち、粒径分布測定器(島津製作所製「SALD−3000S」)で、粒径0.5〜3000μmの範囲の粒径分布を求めた。粒子の屈折率は2.0〜0.1iとした。得られた粒径分布から、累積容積が50%となる粒径をもって平均粒子径Dv50(μm)とした。
(比表面積)
JIS Z8830に定められた方法に準拠し、比表面積(SSA)を測定した。概要を以下に記す。BETの式から誘導された近似式vm=1/(v(1−x))を用いて液体窒素温度における、窒素吸着による1点法(相対圧力x=0.2)によりvmを求め、次式により試料の比表面積を計算した:
比表面積(SSA)=4.35×vm(m/g)
(ここで、vmは試料表面に単分子層を形成するに必要な吸着量(cm/g)、vは実測される吸着量(cm/g)、xは相対圧力である。)
具体的には、MICROMERITICS社製「Flow Sorb II2300」を用いて、以下のようにして液体窒素温度における炭素質物質への窒素の吸着量を測定した。炭素材料を試料管に充填し、窒素ガスを20モル%濃度で含有するヘリウムガスを流しながら、試料管を−196℃に冷却し、炭素材に窒素を吸着させる。つぎに試験管を室温に戻す。このとき試料から脱離してくる窒素量を熱伝導度型検出器で測定し、吸着ガス量vとした。
(炭素材の平均層面間隔d002)
炭素質材料粉末を試料ホルダーに充填し、PANalytical社製X’Pert PROを用いて、対称反射法にて測定した。走査範囲は8<2θ<50°で印加電流/印加電圧は45kV/40mAの条件で、Niフィルターにより単色化したCuKα線(λ=1.5418Å)を線源とし、X線回折図形を得た。標準物質用高純度シリコン粉末の(111)面の回折ピークを用いて補正した。CuKα線の波長を0.15418nmとし、Braggの公式によりd002を計算した。
(ブタノール法による真密度)
JIS R7212に定められた方法に準拠し、ブタノールを用いて測定した。概要を以下に記す。内容積約40mLの側管付比重びんの質量(m)を正確に量る。次に、その底部に試料を約10mmの厚さになるように平らに入れた後、その質量(m)を正確に量る。これに1−ブタノールを静かに加えて、底から20mm程度の深さにする。次に比重びんに軽い振動を加えて、大きな気泡の発生がなくなったのを確かめた後、真空デシケーター中に入れ、徐々に排気して2.0〜2.7kPaとする。その圧力に20分間以上保ち、気泡の発生が止まったのち取り出して、更に1−ブタノールで満たし、栓をして恒温水槽(3.0±0.03℃に調節してあるもの)に15分間以上浸し、1−ブタノールの液面を標線に合わせる。次に、これを取り出して外部をよくぬぐって室温まで冷却した後、質量(m)を正確に量る。次に同じ比重びんに1−ブタノールで満たし、前記と同じようにして恒温水槽に浸し、標線を合わせた後、質量(m)を量る。また、使用直前に沸騰させて溶解した気体を除いた蒸留水を比重びんにとり、前と同様に恒温水槽に浸し、標線を合わせた後質量(m)を量る。真密度(ρBt)は次の式により計算する。これを、ρBtとする。
(ここでdは水の30℃における比重(0.9946)である。)
《製造例1》
製造例1〜3では、石油ピッチを炭素源として、難黒鉛化性炭素質材料を製造した。
軟化点210℃、キノリン不溶分1%、H/C原子比0.63の石油系ピッチ68kgと、ナフタレン32kgとを、撹拌翼のついた内容積300Lの耐圧容器に仕込み、190℃で加熱溶融混合を行った後、80〜90℃に冷却して押し出し、径約500μmの紐状成形体を得た。ついで、この紐状成形体を直径と長さの比が約1.5になるように破砕し、得られた破砕物を93℃に加熱した0.53%のポリビニルアルコール(ケン化度88%)水溶液中に投入し、撹拌分散し、冷却して球状ピッチ成形体を得た。大部分の水を濾過により除いた後、球状ピッチ成形体の約6倍量のn−ヘキサンでピッチ成形体中のナフタレンを抽出除去した。
このようにして得た多孔性球状ピッチ多孔体を、加熱空気を通じながら、240℃で1時間保持して酸化処理を行い、熱に対して不融性の多孔性ピッチを得た。得られた熱に対し不融性の多孔性ピッチ成形体を、窒素ガス雰囲気中600℃で1時間予備焼成した後、ロッドミルを用いて粉砕し、炭素前駆体とした。炭素質前駆体10gを直径100mmの横型管状炉に入れ、10L/minの窒素ガスを流しながら、250℃/hの昇温速度で1200℃まで昇温した。1200℃で一時間保持することによって本焼成し、平均粒子径10μmの炭素質材料1を得た。炭素質材料1の平均層面間隔、比表面積及びブタノール真密度を表1に示す。
《製造例2》
酸化処理の温度を240℃に代えて、260℃としたことを除いては、製造例1の操作を繰り返して、炭素質材料2を得た。炭素質材料2の平均層面間隔、比表面積及びブタノール真密度を表1に示す。
《製造例3》
酸化処理の温度を240℃に代えて、330℃としたことを除いては、製造例1の操作を繰り返して、炭素質材料3を得た。炭素質材料3の平均層面間隔、比表面積及びブタノール真密度を表1に示す。
《比較製造例1》
酸化処理の温度を240℃に代えて、220℃としたことを除いては、製造例1の操作を繰り返して、比較炭素質材料1を得た。比較炭素質材料1の平均層面間隔、比表面積及びブタノール真密度を表1に示す。
《実施例1》
本実施例では、製造例3で得られた炭素質材料3及び1,2−ジメトキシエタンを含む電解液を用いて、コインセルを作製した。対極性能のバラツキに影響されることなく精度良く、非水電解質二次電池の性能を評価するために、特性の安定したリチウム金属を対極として非水電解質二次電池を製造した。
リチウム極の調製は、Ar雰囲気中のグローブボックス内で行った。2016サイズのコイン型電池用缶の外蓋に直径16mmのステンレススチール網円盤をスポット溶接した後、直径15mmの円盤状に打ち抜いた厚さ0.8mmの金属リチウム薄板をステンレススチール網円盤に圧着し、対極(正極)とした。
負極は、炭素質材料3(負極活物質)とPVdF(Poly Vinylidene Fluoride、#9100)を94:6の比でNMP(N−Methy−2−Pyrokidene)を加えてペースト状とし、ペーストを銅箔上に均一に塗布し、120℃で25min、N気流下で乾燥させた後、シート状の電極を直径15mmの円盤状に打ち抜き、これをプレスして電極とした。次に活物質重量が10mgとなるように調整し、電極嵩密度が1g/ccに近づくようにプレスを行った。
このようにして製造した電極の対を用い、電解液としてはプロピレンカーボネートと1,2−ジメチルエタンとを容量比55:45で混合した混合溶媒に、1.0mol/Lの割合でLiPFを加えたものを使用し、直径19mmのガラス繊維製微細細孔膜のセパレータ及びポリエチレン製のガスケットを用いて、Arグローブボックス中で、2016サイズのコイン型非水電解質系リチウム二次電池を組み立てた。
《実施例2》
電解液として、プロピレンカーボネートとテトラヒドロフランとを、容量比66:33で混合した混合溶媒に、1.0mol/Lの割合でLiPFを加えたものを用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返し、コイン型非水電解質系リチウム二次電池を得た。
《実施例3》
電解液として、プロピレンカーボネートとジエチルエーテルとを、容量比66:33で混合した混合溶媒に、1.0mol/Lの割合でLiPFを加えたものを用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返し、コイン型非水電解質系リチウム二次電池を得た。
《実施例4》
電解液として、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとを、容量比70:30で混合した混合溶媒に、1.0mol/Lの割合でLiPFを加えたものを用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返し、コイン型非水電解質系リチウム二次電池を得た。
《実施例5》
電解液として、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとを、容量比90:10で混合した混合溶媒に、1.0mol/Lの割合でLiPFを加えたものを用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返し、コイン型非水電解質系リチウム二次電池を得た。
《実施例6》
本実施例では、製造例1で得られた炭素質材料1及び1,2−ジメトキシエタンを含む電解液を用いて、コインセルを作製した。炭素質材料3に代えて、炭素質材料1を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返し、コイン型非水電解質系リチウム二次電池を得た。
《実施例7》
本実施例では、製造例2で得られた炭素質材料2及び1,2−ジメトキシエタンを含む電解液を用いて、コインセルを作製した。炭素質材料3に代えて、炭素質材料2を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返し、コイン型非水電解質系リチウム二次電池を得た。
《比較例1》
本比較例では、比較製造例1で得られた比較炭素質材料1及び1,2−ジメトキシエタンを含む電解液を用いて、コインセルを作製した。炭素質材料1に代えて、比較炭素質材料1を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返し、コイン型非水電解質系リチウム二次電池を得た。
《比較例2》
本実施例では、製造例2で得られた炭素質材料2及びエーテルを含まない電解液を用いて、コインセルを作製した。プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとを容量比55:45で混合した混合溶媒に代えて、プロピレンカーボネートの溶媒を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返し、コイン型非水電解質系リチウム二次電池を得た。
《参考例1》
本参考例では、製造例2で得られた炭素質材料2、並びにエチレンカーボネート及び1,2−ジメトキシエタンを含む電解液を用いて、コインセルを作製した。炭素質材料1に代えて、炭素質材料2を用いたこと、プロピレンカーボネートに代えてエチレンカーボネート用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返し、コイン型非水電解質系リチウム二次電池を得た。
《電池容量の測定》
実施例1〜7、比較例1〜2、及び参考例1で得られたコイン型非水電解質系リチウム二次電池について、充放電試験装置(東洋システム製「TOSCAT」)を用いて充放電試験を行い、充放電は定電流定電圧法により行った。ここで、「充電」は試験電池では放電反応であるが、この場合は炭素材へのリチウム挿入反応であるので、便宜上「充電」と記述する。逆に「放電」とは試験電池では充電反応であるが、炭素材からのリチウムの脱離反応であるため、便宜上「放電」と記述することにする。ここで採用した定電流定電圧法は、電池電圧が0Vになるまで一定の電流密度0.5mA/cm2で充電を行い、その後、電圧を0Vに保持するように(定電圧を保持しながら)電流値を連続的に変化させて電流値が20μAに達するまで充電を継続する。このとき供給した電気量を電極の炭素材の重量で除した値を炭素材の単位重量あたりの充電容量(ドープ容量)(mAh/g)と定義した。充電終了後、30分間電池回路を開放し、その後放電を行った。放電は電池電圧が1.5Vに達するまで一定の電流密度0.5mA/cm2で行い、このとき放電した電気量を電極の炭素材の重量で除した値を炭素材の単位重量あたりの放電容量(脱ドープ容量)(mAh/g)と定義する。不可逆容量(非脱ドープ容量)(mAh/g)は、充電量−放電量として計算され、効率(%)は(放電容量/充電容量)×100として算出される。同一試料を用いて作製した試験電池についてのn=3の測定値を平均して充放電容量及び不可逆容量を決定した。結果を表2に示す。
《サイクル初期の容量低下の評価》
充電は、0.5mA/cm(0.884mA)で定電流充電を行い、電池電圧が0Vになった段階で、電圧を0Vに保持するように電流値を連続的に変化させて、電流値が0.02mAに達するまで充電を継続した。定電圧充電に切り替えた。充電終了後、10分間電池回路を開放し、その後放電を行った。
放電は電池電圧が1.5Vに達するまで、一定の電流密度0.5mA/cm(0.884mA)で行った。その後、10分間電池回路を開放した。
前記充電及び放電を25℃で6サイクル繰り返し、6サイクル目の放電容量保持率を計算した。結果を表2に示す。
表2に示すように、炭素質材料を負極に用い、そしてエーテルの含まれていない電解液を用いた比較例2では、初期の放電容量保持率は、93.8%であった。一方、エーテルの含まれている電解液を用いた実施例1〜7では、96.3%〜98.3%の初期の放電容量保持率を示した。
また、ブタノール真密度が1.55g/ccの炭素質材料1(製造例1)では、エーテルを含む電解液を用いることによって、初期放電容量保持率が96.3%(実施例6)に向上した。また、ブタノール真密度が1.52g/ccの炭素質材料2(製造例2)及びブタノール真密度が1.48g/ccの炭素質材料3(製造例3)では、エーテルを含む電解液を用いることによって、初期放電容量保持率が、それぞれ97.8%(実施例7)、及び98.3%(実施例1)に向上した。すなわち、炭素質材料のブタノール真密度が低い方が、エーテル添加による補機放電容量保持率の改善効果が大きかった。
一方、ブタノール真密度が1.60g/ccの比較例1では、エーテルを含む電解液を用いても初期放電容量保持率は95.2%でそれほど改善は見られなかった。
図1は、実施例1、6、及び7並びに比較例1及び2で得られた非水電解質二次電池の初期放電容量保持率(6サイクル目の放電容量保持率)をプロットしたグラフである。実施例1、6、及び7は、ブタノール真密度が低下するに従って、容量保持率が上昇する傾向があった。実施例7及び比較例2の結果から、同じブタノール真密度の難黒鉛化性炭素質材料を用いた場合、エーテルを含んだ電解液を用いた実施例7で得られた二次電池の方が、容量保持率が高かった。
図2は、実施例7及び比較例2の非水電解質二次電池の1〜6サイクルの容量保持率を示したグラフである。難黒鉛化性炭素質材料を用いた場合、プロピレンカーボネートのみを溶媒とし用いた電解液と用いた比較例2と比較して、プロピレンカーボネートに、1,2−ジメトキシエタンを添加した電解液を用いた実施例7では、初期放電容量保持率の低下が顕著に抑制された。
図3は、実施例1、4及び5の非水電解質二次電池の1〜6サイクルの容量保持率を示したグラフである。電解液における1,2−ジメトキシエタンの含有量が45体積%、30体積%、10体積%と少なくなっても、初期放電容量保持率は、ほとんど同じであった。すなわち、1,2−ジメトキシエタンの含有量が10体積%でも、十分に本発明の効果を得ることが可能であった。
本発明の非水電解質二次電池は、初期の容量保持率が優れており、従って優れたサイクル特性を有している。そのため、長寿命及び高い入出力特性が求められる、ハイブリッド自動車(HEV)及び電気自動車(EV)に用いることができる。

Claims (6)

  1. リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極電極、ブタノール真密度が1.58g/cc以下の難黒鉛化性炭素質材料を含む負極電極、並びにエーテル及び炭素数3以上のアルキレンカーボネートを含む非水溶媒系電解液であって、前記エーテルの含有量が50体積%未満である非水溶媒系電解液を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記難黒鉛化性炭素質材料が、石油ピッチ若しくはタール、又は石炭ピッチ若しくはタール由来である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. リチウム遷移金属複合酸化物が、層状酸化物系複合金属カルコゲン化合物、オリビン系複合金属カルコゲン化合物、スピネル系の複合金属カルコゲン化合物、又はそれらの組み合わせである、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記エーテルが鎖状エーテル、又は環状エーテルである請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記難黒鉛化性炭素質材料の平均層面間隔d002が0.380nm以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池を搭載した車両。
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