JP3568232B2 - ラック搬送装置及びラック貯蔵庫 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、冷蔵あるいは冷凍等のため食品等が入れられたラックが、搬送され貯蔵されるラック搬送装置及びラック貯蔵庫に関し、特に、ラック搬送装置とラック貯蔵庫との間で、ラックのスムーズな搬送をすることが可能なラック搬送装置及びラック貯蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、所定量の食品等を貯蔵庫に搬入するために、それらの食品等をラックに収納し、運搬に際してそのラックを台車に乗せて移動させる。そして、目的の貯蔵庫に移動された後、食品等が収納されたままの状態で台車から貯蔵庫へ直接ラックが搬入されることは従来より知られたものである。
このような従来のラックの搬入は、次に示すようにして行なわれており、それに使用されてきたラック搬送装置及びラック貯蔵庫に関して説明する。
【0003】
図10は、従来のラック搬送装置及びラック貯蔵庫を示す側面図である。食品等が収納されるラック31は、フレーム32によって直方体形状に組まれており、その縦長のラック31の両側面及び上底面には更に補強フレーム32aが設けられている。また、ラック31の両側面には、トレイ等を掛けるための棚33が平行に数段形成されている。更に、ラック31の両側面には、後述するラックレール37を転がるベアリング38a,38bが、同じ高さに前後して2個設けられている。これは、ラックレール37に掛けられたとき、ラック31が平行を保って浮いた状態になる高さである。
【0004】
また、台車34は、底面を構成する板材よりなる底板35上に、上記ラック31を構成するフレーム部材より更に剛性の高いフレームによって支持枠36が形成されている。支持枠36は、コ字状のフレーム部材がその開放端部を底板35の角部に位置するよう立てられている。そして、この支持枠36にはベアリング38a,38bが移動するためのラックレール37が支持枠36の両側で水平に形成されている。ラックレール37は、断面V字型の三角溝が支持枠36上部の内側に全長にわたって形成され、更に進行方向Aに延出して接続レール37aが形成されている。また、ベアリング38a,38bがこのラックレール37及び接続レール37aを転がるが、台車34の移動時等、ラック31の搬入、搬出時以外には転がらないようにベアリング38a,38b固定用の切り欠き39a,39bが設けられている。一方、台車34の移動を可能とするため、底板35下部にはその四隅にキャスタ40が設けられている。
【0005】
次に、上記ラック31が搬入される貯蔵庫41は、開口42が前面に形成され、内部両側面43にはラックレール44が形成されている。このラックレール44も断面V字型の三角溝であり、台車34に形成されたラックレール37と同じ高さに設けられている。そして、貯蔵庫41内で固定されるように、ベアリング38a,38b固定用の切り欠き45が形成されている。また、開口42の側面には、ピン47が設けられ、台車34のフレームに回転可能に設けられたフック46が嵌合するようになっている。
【0006】
このような、構成によりなるラック搬送装置及びラック貯蔵庫では以下のような作用によりラックが貯蔵庫に搬入あるいは搬出される。
先ず、台車34にラック31が載置され、そのラック31には食品等の貯蔵対象物が載せられた不図示のトレイが複数ある棚33にかけられる。このとき、台車34に載置されたラック31は、ラック31の側面に形成されたベアリング38a,38bが、台車34に形成されたラックレール37上に載せられ、更に、ベアリング38a,38bがラックレール37に形成された切り欠き39a,39bに嵌合し、その移動が制限されている。従って、ラック31を載置させた状態で台車34を移動するとき、例えば傾斜面上を移動するときや台車34を急に止めたとき等に、ベアリング38a,38bがラックレール37を転がることなくラック31が台車34から落ちるのを防止している。そこで、ベアリング38a,38bを切り欠き39a,39bに嵌合させた状態で、台車34を支えているキャスタ40によって目的とする貯蔵庫41まで台車34が移動される。
【0007】
そして、台車34の進行方向A前面を貯蔵庫41の開口42が設けられた面に当接するように配置される。このとき、台車34に設けられたフック46が開口42に設けられたピン47に嵌合されて、貯蔵庫41に当接された台車34が離れないようになっている。また、ラック31の接続レール37aが貯蔵庫41内のラックレール44に連続して一本の溝が構成される。
このように、台車34が貯蔵庫41に当接され、ラックレール37,44が連続して接続されると、ラック31が貯蔵庫41へ搬入される。即ち、ラック31が強く押されることによりベアリング38a,38bが切り欠き39a,39bから外れ、ラックレール37を転がる。そして、ベアリング38a,38bは、接続レール37a及びラックレール44を転がり、ラックレール44に形成された切り欠き45に嵌合され、貯蔵庫41内に収納される。
【0008】
一方、ラック31が貯蔵庫41から台車34に搬出される場合には、同じように台車34が貯蔵庫41に当接して固定され、そしてラック31が引っ張られることにより、ベアリング38a,38bがラックレール44から接続レール37aそして台車34のラックレール37へ転がって切り欠き39a,39bに嵌合され、ラック31が台車34に載置される。
前記のように、上記構成のラック搬送装置及びラック貯蔵庫によって、ラック31が貯蔵庫41に対して搬入及び搬出されこととなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したような従来のラック搬送装置及びラック貯蔵庫では、台車34及び貯蔵庫41のラックレール37,44がともに同じ高さに位置し、接続レール37aによってかけ渡されなくてはならない。従って、ラックレール37,44及び接続レール37aが同一高さになければならず、搬入する貯蔵庫に対して使用する台車が制限されてしまう。また、例えば台車34のキャスタ40のガタ等により、貯蔵庫41側のラックレール44との高さにズレが生じる場合には、接続部分に段差が発生してラックレール37を転がるベアリングの円滑な滑走を妨げるだけでなく、その段差が大きい場合にはラック31を持ち上げなければならず、大変な労力を必要とする。
【0010】
また、図10に示した貯蔵庫41のように開口42に土手48が形成されている場合、ラック31の下端が土手48の上端より下に位置することも起こり得る。そのような場合には、別の台車に移し代えるか、あるいは搬入の際に持ち上げる等しなければならす、その煩わしさは大変なものであり、搬送作業の迅速性に欠けることとなる。
従って、以上のことは、開口42の扉の開いている時間が長くなり、電気エネルギの浪費が増すとともに、さらには品物の品質劣化を促進させることにもなりかねない。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ラックの搬送がスムーズに行なえ、搬送作業が迅速に行なうことが可能なラック搬送装置及びラック貯蔵庫を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のラック搬送装置は、食品等を収納する枠体からなり枠体の対向する一対の外側面に取り付けられた第1回転部材を有するラックを搭載し、底枠と底枠の両側に立設された一対の側枠とを有し各側枠の内面に配置されて各第1回転部材を摺動可能に支持する第1摺動レールが設けられたラック搬送装置であって、底枠の下面に配設されたキャスターを介してラックをラック貯蔵庫まで搬送するラック搬送装置において、前記各側枠の内面と前記ラックとの間に、前記各第1回転部材と第1摺動レールとにより摺動されるラックの摺動方向に沿ってラックを上方に持ち上げるラック持ち上げ手段を備えたものである。
また、望ましくは、本発明のラック搬送装置は、前記ラック持ち上げ手段が、前記各側枠の下部内面に配設された第2回転部材と、第2回転部材よりも下方位置にて前記ラックの底部に配設されラックの摺動に対応して第2回転部材を乗り越える第2摺動レールとからなるものである。
更に、望ましくは、本発明のラック搬送装置は、前記底枠の上面で前記各第2回転部材に対応して設けられるとともに各第2回転部材の高さを調節する調節手段を備えたものである。
【0013】
本発明のラック貯蔵庫は、食品等を収納する枠体からなり枠体の対向する一対の外側面に取り付けられた第1回転部材を有するラックを搭載し、底枠と底枠の両側に立設された一対の側枠を有し各側枠の内面に配置されて各第1回転部材を摺動可能に支持する第1摺動レールが設けられるとともに底枠の下面に配設されたキャスターを有するラック搬送装置を介して搬送されたラックを貯蔵するラック貯蔵庫であって、ラックの収納口が形成された前壁と前壁に対向する後壁とを有するラック貯蔵庫において、前記ラック搬送装置には、前記各側枠の内面と前記ラックとの間に、前記各第1回転部材と第1摺動レールとにより摺動されるラックの摺動方向に沿ってラックを上方に持ち上げるラック持ち上げ手段が配設され、前記ラック貯蔵庫には、前記ラック持ち上げ手段を介してラックが持ち上げられた時点における前記各第1回転部材の位置に対応して第3摺動レールが設けられるとともに、各第3摺動レールは前壁から後壁に向かって下方に傾斜された構成を有するものである。
【0014】
【作用】
本発明のラック搬送装置は、底枠の下面に配設されたキャスターによってラック貯蔵庫までラックを移動し、そのラックをラック搬送装置からラック貯蔵庫へ搬送するに際し、食品等を収納する枠体の対向する一対の外側面に取り付けられたラックの第1回転部材が、ラック搬送装置の底枠の両側に立設された一対の側枠の内面に配置された第1摺動レールを摺動することによって搬送される。そのとき、ラックがラック持ち上げ手段によって前記各第1回転部材と第1摺動レールとにより摺動されるラックの摺動方向に沿って上方に持ち上げられるので、ラック貯蔵庫への段差の有無にかかわらずスムーズにラックが搬送される。
【0015】
また、本発明のラック搬送装置は、ラックがラック搬送装置からラック貯蔵庫へ搬送されるのに際し、ラック搬送装置の各側枠の下部内面に配設された第2回転部材を、その第2回転部材よりも下方位置であって前記ラックの底部に配設された第2摺動レールが、ラックの移動に対応して乗り越えるようにして搬送されるので、ラック貯蔵庫への段差の有無にかかわらずスムーズに且つ迅速にラックが搬送される。
また、本発明のラック搬送装置は、調節手段によって各第2回転部材の高さが調節されるので、ラックの底部に配設された第2摺動レールの位置に適合させることができ、搬送されるラックのサイズにかかわらずスムーズにラックが貯蔵庫へ搬送される。
【0016】
また、本発明のラック貯蔵庫は、キャスタが配設されたラック搬送装置によって移動され、そのラック搬送装置に設けられた第1摺動レール上をラックに取り付けられた第1回転部材が摺動することによって搬送されるに際し、ラックが、ラック搬送装置に配設されたラック持ち上げ手段によって摺動方向に沿って上方に持ち上げられ、その持ち上げられたラックの第1回転部材が、ラックの収納口が形成された前壁から後壁に向かって下方に傾斜されたラック貯蔵庫の第3摺動レールに支持されて摺動し、そして、傾斜された状態で貯蔵されるようにしたので、ラックがその自重により傾斜された第3摺動レールに従ってラック貯蔵庫内にスムーズに搬送される。
【0017】
【実施例】
次に、本発明のラック搬送装置及びラック貯蔵庫の第1実施例について説明する。ここで、図1は、ラックが台車に載置された状態を示した側面図であり、図2は、ラックが台車に載置された状態を示した正面図である。また、図3は、ラックが貯蔵庫に収納された状態を示した側面図であり、図4は、ラックが貯蔵庫に収納された状態を示した正面図である。
本実施例のラック搬送装置は、ラック1を載置させる台車8によって構成され、ラック貯蔵庫は、ラック1が搬入される貯蔵庫15によって構成されている。ラック1は、直方体の各辺が高さフレーム2a、縦フレーム2b、そして横フレーム2cで形成されている。そして、4本の高さフレーム2aの内側にはL字状に折られた複数のL字板3が、4本の高さフレーム2aそれぞれについて高さを揃えて固定されている。この複数のL字板3は、高さフレーム2aに内側に設けられ、トレイ4が載せられるようになっている。また、ラック1側面には、両側面の縦フレーム2bに沿って断面U字形状の案内部材5が固設され、そのU字形状内部であって、その両端の各所定位置にはベアリング6a,6bが回転可能に設けられている。一方、ラック1の底部では、両縦フレーム2bに平行に断面U字形状の案内レール7が設けられている。そして、両端部では、案内レール7底部の滑走面7bが上方に反り上がった案内板7aが形成されている。
【0018】
次に、そのラック1を載置させて移動させる台車について説明する。
台車8は、底面を構成する板材よりなる底板9上に、上記ラック1を構成するフレーム部材より更に剛性の高いフレームによって支持枠10が形成されている。支持枠10は、コ字状のフレーム部材が、その開放端部を底板9の角部に位置するよう立てられている。
そして、この支持枠10にはラック1が移動するための断面V字型の三角溝を有するラックレール11が水平に形成されている。また、ラック1に設けられたベアリング6a,6bがこのラックレール11を転がるが、台車8の移動時等ラック31の搬入、搬出時以外には転がらないように、ベアリング6b固定用の切り欠き11aが搬入方向に対し後部側のベアリング位置に併せて設けられている。
【0019】
一方、搬入方向前面の支持枠10内側には上記案内レール7と係合する持ち上げベアリング12が形成されている。この持ち上げベアリング12は、上下に移動可能なレベル板13によって固定され、そのレベル板13には高さを調節するアジャストボルト14が係設されている。また、持ち上げベアリング12は、その上点が案内レール7の滑走面7bよりも高くなるように固設される。
更に、台車8の移動を可能とするため、底板9下部にはその四隅にキャスタ3が設けられている。
【0020】
次に、ラック1を貯蔵する貯蔵庫15は断熱材から構成される箱体である。そして、箱体前面には開口16が形成され、内部両側面17にはラックレール18が形成されている。このラックレール18は、断面V字型の三角溝であって台車8に形成されたラックレール11とほぼ同じ高さに設けられている。また、このラックレール18は、貯蔵庫15の開口16から背面側に向けて下がるように傾斜して設けられている。更に、貯蔵庫15の背面には、ラック1の上端が当たる位置にラック1の停止の際の衝撃を緩和させるゴム等の弾性部材からなるストッパ19が取り付けられている。
【0021】
以上のような構成を有する本実施例のラック搬送装置及びラック貯蔵庫によれば以下のような作用によりラックが搬送される。図5乃至図7は、ラック、台車及び貯蔵庫の側面を示した図であり、図5から図7にかけて順にラックが貯蔵庫へ搬入される状態を示している。
先ず、食品等の貯蔵対象物を載せたラック1が、台車8に載せられて目的とする貯蔵庫15まで台車8にて移動され、台車8が貯蔵庫15の開口に当接させた状態で不図示のフックによって離れないように固定される。
そして、ラック1を貯蔵庫15に向けて押すと切り欠き11aに嵌合していたベアリング6bが外れ、そのベアリング6a,6bがラックレール11を転がってラック1が移動する。そして、ラック1が移動すると、その底部に設けられた案内レール7の案内板7aが、持ち上げベアリング12に当接する。その後引続きラック1を貯蔵庫15へ向けて押し続けると、反り上がった案内板7aが持ち上げベアリング12の上点付近で接する。そして、案内レール7はその滑走面7bより上点が高い位置にある持ち上げベアリング12に乗り上げる。
【0022】
即ち、案内レール7が持ち上げベアリング12に上を移動することとなる。
従って、それまでラックレール11上のベアリング6a,6bに支えられていたラック1が持ち上げベアリング12によっても支えられることとなる。つまり、先ず進行方向先端のベアリング6aが浮いた状態でラック1を前進させ、貯蔵庫15の開口16を通過する。そして、ベアリング6aが貯蔵庫側のラックレール18にかかる位置にまで移動した時には、ラック1の重心がそれまで後半部にあったため後ろに傾いていたラック1を、持ち上げベアリング12を中心に回転させて前方に傾かせる。そして、次は後端のベアリング6bが浮いた状態でラックレール18に従って移動する。このようにベアリング6aが浮いた状態で貯蔵庫側へ移動するが、案内部材5が設けられているため、持ち上げベアリング12に衝突した勢いで大きくはね上がり、ラックレール11からベアリング6bまで外れてしまうのを防止している。
【0023】
そして、ラックレール18は開口16から背面側に向けて滑らかに傾斜しているため、ラック1は自重によってそのベアリング6a,6bがラックレールを滑走して移動する。そして、ベアリング6bがラックレール18上に載り、ラック1が貯蔵庫15内を滑らかに移動してその先端がストッパ19に当接して停止する。
逆に、貯蔵庫15から台車8に移すときも同じように案内レール7が持ち上げベアリング12を乗り上げて移動し、先ず、ベアリング6bが台車8のラックレール11にかかり、更にベアリング6aがかかる。そして、ベアリング6a,6bがラックレール11を移動して、ベアリング6bがラックレール11の切り欠き11aに嵌合してラック1が台車8に載置させる。
【0024】
以上、本実施例のラック搬送装置及びラック貯蔵庫によれば、持ち上げベアリング12によってラック1を持ち上げて移動させるので、台車8側のラックレール11と貯蔵庫15側のラックレール18との間の段差に影響されることなくスムーズにラックを搬送することが可能となった。
また、ラック1が回転する持ち上げベアリング12上を移動するため、搬送に際して労力を必要とせず、迅速に搬送作業を行なうことができる。
また、アジャストボルト14によってレベル板13を調節することにより、ベアリング12の高さを移動することができるので、ラック1の下端面の位置が高い場合にも適切に案内レール7が当接することが可能となった。
【0025】
次に、第2実施例として別構造の貯蔵庫について説明する。図8は、貯蔵庫内部の正面図である。
貯蔵庫20には、図に示すようにラック1が収納されるが、その上面及び両側面を仕切り板24a,24b,24cによって仕切られている。この仕切り板は、上面部の仕切り板24aが前面にわたって設けられているが、両側面の仕切り板24b,24cは、冷風が通過するように下方部分は除かれている。そして、その冷風を発する冷風機21が貯蔵庫20上部に設けられ、更に冷風が流れる通風路22が貯蔵庫20の内壁20aに沿って設けられている。また、その内壁20aに沿って設けられた通風路22の延長上には、ラック1が存在する貯蔵庫20の中心方向に向けて、風向を切りかえる風向調節板23が所定距離離れて設けられている。一方、貯蔵庫20の底面は、冷風の循環を良くするために両角に傾斜板26が設けられている。
【0026】
ところで、図9は、上記風向調節板23を示す平面図、及び側断面図である。図に示すように風向調節板23は、コ字形状をなし、その開放端部23a及び閉端部23bが所定角度傾斜して形成されている。また、平面部23cの閉端部23b側にはその両端に2本のピン27が立てられ、その各ピン27に沿ってスライドするよううに、切り欠き28aを有する短冊状のスライド板28が設けられている。そして、このような風向調節板23は、開放端部23aが貯蔵庫20の内壁20aに下向きに傾斜して所定数固定される。
【0027】
そこで、このように風向調節板23を取り付けると次のよう作用する。上記固定された風向調節板23を貯蔵庫20の上方から見ると、貯蔵庫20の内壁20aと風向調節板23によって囲まれた通風孔29が一直線上に形成される。従って、冷風機21から冷風が送り出されると、一部は通風路22の通風孔29を通って貯蔵庫20底部の傾斜板26に当たって上方に流れ、貯蔵庫20の壁面を循環する。一方、冷風機21から送り出された冷風の一部は、風向調節板23に当たって中央のラック1側に流れが変えられる。そのため、数段設けられた各風向調節板23では、通風孔29を通って流れてきた冷風の一部がその都度ラック1側に流され、ラック1に備えられたトレイ4の間を冷風が通って、壁面を循環する冷風に合流する。
このとき風向調節板23のスライド板28をスライドさせると、内壁面20aと風向調節板23によって囲まれた通風孔29の面積が変えられる。即ち、スライド板28をスライドさせて通風孔29の面積を狭くするとラック1側に流される冷風の量が多くなり、逆に広くするとその量は少なくなる。
【0028】
以上、本実施例の貯蔵庫によれば、通風向29を流れる冷風の量を変えるように、スライド板28を設けた風向調節板23を備えたことにより、ラック1のトレイ4の間を流れる冷風の量を調節することができるので、同じ貯蔵庫に収納されながらも、各トレイに載せられた品物に合わせた温度にすることができる。
【0029】
以上、本発明のラック搬送機器の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定される訳ではなく、その範囲を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、上記実施例では持ち上げ部材を台車低部に設けたベアリングとしたが、台車上面の先端部に三角形の傾斜台を設けて、ラック搬送の際にその傾斜台に沿ってラックが持ち上がるようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
上記本発明のラック搬送装置及びラック貯蔵庫によれば、ラック搬送装置の底枠の下面に配設されたキャスターによってラック貯蔵庫までラックを移動し、ラック搬送装置からラック貯蔵庫へ搬送するものであって、第1回転部材と第1摺動レールとにより摺動されるラックの摺動方向に沿ってラックが上方に持ち上げるラック持ち上げ手段を有するので、ラックの搬送がスムーズに行なえ、搬送作業が迅速に行なえることが可能なラック搬送装置及びラック貯蔵庫を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例でのラックが台車に載置された状態の側面を示した図である。
【図2】第1実施例でのラックが台車に載置された状態の正面を示した図である。
【図3】第1実施例でのラックが貯蔵庫内に搬入された状態の側面を示した図である。
【図4】第1実施例でのラックが貯蔵庫内に搬入された状態の正面を示した図である。
【図5】第1実施例でのラックが台車から貯蔵庫内に搬入される状態の側面を示した図である。
【図6】第1実施例でのラックが台車から貯蔵庫内に搬入される状態の側面を示した図である。
【図7】第1実施例でのラックが台車から貯蔵庫内に搬入される状態の側面を示した図である。
【図8】第2実施例でのラックが収納された貯蔵庫の正面を示した図である。
【図9】第2実施例の貯蔵庫内に固設された風向調節板を示した図である。
【図10】従来のラック搬送装置及びラック貯蔵庫を示す側面図である。
【符号の説明】
1・・・ラック、7・・・案内レール、7a・・・案内板、
7b・・・滑走面、8・・・台車、11・・・ラックレール
12・・・持ち上げベアリング、15・・・貯蔵庫、18・・・ラックレール
【産業上の利用分野】
本発明は、冷蔵あるいは冷凍等のため食品等が入れられたラックが、搬送され貯蔵されるラック搬送装置及びラック貯蔵庫に関し、特に、ラック搬送装置とラック貯蔵庫との間で、ラックのスムーズな搬送をすることが可能なラック搬送装置及びラック貯蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、所定量の食品等を貯蔵庫に搬入するために、それらの食品等をラックに収納し、運搬に際してそのラックを台車に乗せて移動させる。そして、目的の貯蔵庫に移動された後、食品等が収納されたままの状態で台車から貯蔵庫へ直接ラックが搬入されることは従来より知られたものである。
このような従来のラックの搬入は、次に示すようにして行なわれており、それに使用されてきたラック搬送装置及びラック貯蔵庫に関して説明する。
【0003】
図10は、従来のラック搬送装置及びラック貯蔵庫を示す側面図である。食品等が収納されるラック31は、フレーム32によって直方体形状に組まれており、その縦長のラック31の両側面及び上底面には更に補強フレーム32aが設けられている。また、ラック31の両側面には、トレイ等を掛けるための棚33が平行に数段形成されている。更に、ラック31の両側面には、後述するラックレール37を転がるベアリング38a,38bが、同じ高さに前後して2個設けられている。これは、ラックレール37に掛けられたとき、ラック31が平行を保って浮いた状態になる高さである。
【0004】
また、台車34は、底面を構成する板材よりなる底板35上に、上記ラック31を構成するフレーム部材より更に剛性の高いフレームによって支持枠36が形成されている。支持枠36は、コ字状のフレーム部材がその開放端部を底板35の角部に位置するよう立てられている。そして、この支持枠36にはベアリング38a,38bが移動するためのラックレール37が支持枠36の両側で水平に形成されている。ラックレール37は、断面V字型の三角溝が支持枠36上部の内側に全長にわたって形成され、更に進行方向Aに延出して接続レール37aが形成されている。また、ベアリング38a,38bがこのラックレール37及び接続レール37aを転がるが、台車34の移動時等、ラック31の搬入、搬出時以外には転がらないようにベアリング38a,38b固定用の切り欠き39a,39bが設けられている。一方、台車34の移動を可能とするため、底板35下部にはその四隅にキャスタ40が設けられている。
【0005】
次に、上記ラック31が搬入される貯蔵庫41は、開口42が前面に形成され、内部両側面43にはラックレール44が形成されている。このラックレール44も断面V字型の三角溝であり、台車34に形成されたラックレール37と同じ高さに設けられている。そして、貯蔵庫41内で固定されるように、ベアリング38a,38b固定用の切り欠き45が形成されている。また、開口42の側面には、ピン47が設けられ、台車34のフレームに回転可能に設けられたフック46が嵌合するようになっている。
【0006】
このような、構成によりなるラック搬送装置及びラック貯蔵庫では以下のような作用によりラックが貯蔵庫に搬入あるいは搬出される。
先ず、台車34にラック31が載置され、そのラック31には食品等の貯蔵対象物が載せられた不図示のトレイが複数ある棚33にかけられる。このとき、台車34に載置されたラック31は、ラック31の側面に形成されたベアリング38a,38bが、台車34に形成されたラックレール37上に載せられ、更に、ベアリング38a,38bがラックレール37に形成された切り欠き39a,39bに嵌合し、その移動が制限されている。従って、ラック31を載置させた状態で台車34を移動するとき、例えば傾斜面上を移動するときや台車34を急に止めたとき等に、ベアリング38a,38bがラックレール37を転がることなくラック31が台車34から落ちるのを防止している。そこで、ベアリング38a,38bを切り欠き39a,39bに嵌合させた状態で、台車34を支えているキャスタ40によって目的とする貯蔵庫41まで台車34が移動される。
【0007】
そして、台車34の進行方向A前面を貯蔵庫41の開口42が設けられた面に当接するように配置される。このとき、台車34に設けられたフック46が開口42に設けられたピン47に嵌合されて、貯蔵庫41に当接された台車34が離れないようになっている。また、ラック31の接続レール37aが貯蔵庫41内のラックレール44に連続して一本の溝が構成される。
このように、台車34が貯蔵庫41に当接され、ラックレール37,44が連続して接続されると、ラック31が貯蔵庫41へ搬入される。即ち、ラック31が強く押されることによりベアリング38a,38bが切り欠き39a,39bから外れ、ラックレール37を転がる。そして、ベアリング38a,38bは、接続レール37a及びラックレール44を転がり、ラックレール44に形成された切り欠き45に嵌合され、貯蔵庫41内に収納される。
【0008】
一方、ラック31が貯蔵庫41から台車34に搬出される場合には、同じように台車34が貯蔵庫41に当接して固定され、そしてラック31が引っ張られることにより、ベアリング38a,38bがラックレール44から接続レール37aそして台車34のラックレール37へ転がって切り欠き39a,39bに嵌合され、ラック31が台車34に載置される。
前記のように、上記構成のラック搬送装置及びラック貯蔵庫によって、ラック31が貯蔵庫41に対して搬入及び搬出されこととなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したような従来のラック搬送装置及びラック貯蔵庫では、台車34及び貯蔵庫41のラックレール37,44がともに同じ高さに位置し、接続レール37aによってかけ渡されなくてはならない。従って、ラックレール37,44及び接続レール37aが同一高さになければならず、搬入する貯蔵庫に対して使用する台車が制限されてしまう。また、例えば台車34のキャスタ40のガタ等により、貯蔵庫41側のラックレール44との高さにズレが生じる場合には、接続部分に段差が発生してラックレール37を転がるベアリングの円滑な滑走を妨げるだけでなく、その段差が大きい場合にはラック31を持ち上げなければならず、大変な労力を必要とする。
【0010】
また、図10に示した貯蔵庫41のように開口42に土手48が形成されている場合、ラック31の下端が土手48の上端より下に位置することも起こり得る。そのような場合には、別の台車に移し代えるか、あるいは搬入の際に持ち上げる等しなければならす、その煩わしさは大変なものであり、搬送作業の迅速性に欠けることとなる。
従って、以上のことは、開口42の扉の開いている時間が長くなり、電気エネルギの浪費が増すとともに、さらには品物の品質劣化を促進させることにもなりかねない。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ラックの搬送がスムーズに行なえ、搬送作業が迅速に行なうことが可能なラック搬送装置及びラック貯蔵庫を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のラック搬送装置は、食品等を収納する枠体からなり枠体の対向する一対の外側面に取り付けられた第1回転部材を有するラックを搭載し、底枠と底枠の両側に立設された一対の側枠とを有し各側枠の内面に配置されて各第1回転部材を摺動可能に支持する第1摺動レールが設けられたラック搬送装置であって、底枠の下面に配設されたキャスターを介してラックをラック貯蔵庫まで搬送するラック搬送装置において、前記各側枠の内面と前記ラックとの間に、前記各第1回転部材と第1摺動レールとにより摺動されるラックの摺動方向に沿ってラックを上方に持ち上げるラック持ち上げ手段を備えたものである。
また、望ましくは、本発明のラック搬送装置は、前記ラック持ち上げ手段が、前記各側枠の下部内面に配設された第2回転部材と、第2回転部材よりも下方位置にて前記ラックの底部に配設されラックの摺動に対応して第2回転部材を乗り越える第2摺動レールとからなるものである。
更に、望ましくは、本発明のラック搬送装置は、前記底枠の上面で前記各第2回転部材に対応して設けられるとともに各第2回転部材の高さを調節する調節手段を備えたものである。
【0013】
本発明のラック貯蔵庫は、食品等を収納する枠体からなり枠体の対向する一対の外側面に取り付けられた第1回転部材を有するラックを搭載し、底枠と底枠の両側に立設された一対の側枠を有し各側枠の内面に配置されて各第1回転部材を摺動可能に支持する第1摺動レールが設けられるとともに底枠の下面に配設されたキャスターを有するラック搬送装置を介して搬送されたラックを貯蔵するラック貯蔵庫であって、ラックの収納口が形成された前壁と前壁に対向する後壁とを有するラック貯蔵庫において、前記ラック搬送装置には、前記各側枠の内面と前記ラックとの間に、前記各第1回転部材と第1摺動レールとにより摺動されるラックの摺動方向に沿ってラックを上方に持ち上げるラック持ち上げ手段が配設され、前記ラック貯蔵庫には、前記ラック持ち上げ手段を介してラックが持ち上げられた時点における前記各第1回転部材の位置に対応して第3摺動レールが設けられるとともに、各第3摺動レールは前壁から後壁に向かって下方に傾斜された構成を有するものである。
【0014】
【作用】
本発明のラック搬送装置は、底枠の下面に配設されたキャスターによってラック貯蔵庫までラックを移動し、そのラックをラック搬送装置からラック貯蔵庫へ搬送するに際し、食品等を収納する枠体の対向する一対の外側面に取り付けられたラックの第1回転部材が、ラック搬送装置の底枠の両側に立設された一対の側枠の内面に配置された第1摺動レールを摺動することによって搬送される。そのとき、ラックがラック持ち上げ手段によって前記各第1回転部材と第1摺動レールとにより摺動されるラックの摺動方向に沿って上方に持ち上げられるので、ラック貯蔵庫への段差の有無にかかわらずスムーズにラックが搬送される。
【0015】
また、本発明のラック搬送装置は、ラックがラック搬送装置からラック貯蔵庫へ搬送されるのに際し、ラック搬送装置の各側枠の下部内面に配設された第2回転部材を、その第2回転部材よりも下方位置であって前記ラックの底部に配設された第2摺動レールが、ラックの移動に対応して乗り越えるようにして搬送されるので、ラック貯蔵庫への段差の有無にかかわらずスムーズに且つ迅速にラックが搬送される。
また、本発明のラック搬送装置は、調節手段によって各第2回転部材の高さが調節されるので、ラックの底部に配設された第2摺動レールの位置に適合させることができ、搬送されるラックのサイズにかかわらずスムーズにラックが貯蔵庫へ搬送される。
【0016】
また、本発明のラック貯蔵庫は、キャスタが配設されたラック搬送装置によって移動され、そのラック搬送装置に設けられた第1摺動レール上をラックに取り付けられた第1回転部材が摺動することによって搬送されるに際し、ラックが、ラック搬送装置に配設されたラック持ち上げ手段によって摺動方向に沿って上方に持ち上げられ、その持ち上げられたラックの第1回転部材が、ラックの収納口が形成された前壁から後壁に向かって下方に傾斜されたラック貯蔵庫の第3摺動レールに支持されて摺動し、そして、傾斜された状態で貯蔵されるようにしたので、ラックがその自重により傾斜された第3摺動レールに従ってラック貯蔵庫内にスムーズに搬送される。
【0017】
【実施例】
次に、本発明のラック搬送装置及びラック貯蔵庫の第1実施例について説明する。ここで、図1は、ラックが台車に載置された状態を示した側面図であり、図2は、ラックが台車に載置された状態を示した正面図である。また、図3は、ラックが貯蔵庫に収納された状態を示した側面図であり、図4は、ラックが貯蔵庫に収納された状態を示した正面図である。
本実施例のラック搬送装置は、ラック1を載置させる台車8によって構成され、ラック貯蔵庫は、ラック1が搬入される貯蔵庫15によって構成されている。ラック1は、直方体の各辺が高さフレーム2a、縦フレーム2b、そして横フレーム2cで形成されている。そして、4本の高さフレーム2aの内側にはL字状に折られた複数のL字板3が、4本の高さフレーム2aそれぞれについて高さを揃えて固定されている。この複数のL字板3は、高さフレーム2aに内側に設けられ、トレイ4が載せられるようになっている。また、ラック1側面には、両側面の縦フレーム2bに沿って断面U字形状の案内部材5が固設され、そのU字形状内部であって、その両端の各所定位置にはベアリング6a,6bが回転可能に設けられている。一方、ラック1の底部では、両縦フレーム2bに平行に断面U字形状の案内レール7が設けられている。そして、両端部では、案内レール7底部の滑走面7bが上方に反り上がった案内板7aが形成されている。
【0018】
次に、そのラック1を載置させて移動させる台車について説明する。
台車8は、底面を構成する板材よりなる底板9上に、上記ラック1を構成するフレーム部材より更に剛性の高いフレームによって支持枠10が形成されている。支持枠10は、コ字状のフレーム部材が、その開放端部を底板9の角部に位置するよう立てられている。
そして、この支持枠10にはラック1が移動するための断面V字型の三角溝を有するラックレール11が水平に形成されている。また、ラック1に設けられたベアリング6a,6bがこのラックレール11を転がるが、台車8の移動時等ラック31の搬入、搬出時以外には転がらないように、ベアリング6b固定用の切り欠き11aが搬入方向に対し後部側のベアリング位置に併せて設けられている。
【0019】
一方、搬入方向前面の支持枠10内側には上記案内レール7と係合する持ち上げベアリング12が形成されている。この持ち上げベアリング12は、上下に移動可能なレベル板13によって固定され、そのレベル板13には高さを調節するアジャストボルト14が係設されている。また、持ち上げベアリング12は、その上点が案内レール7の滑走面7bよりも高くなるように固設される。
更に、台車8の移動を可能とするため、底板9下部にはその四隅にキャスタ3が設けられている。
【0020】
次に、ラック1を貯蔵する貯蔵庫15は断熱材から構成される箱体である。そして、箱体前面には開口16が形成され、内部両側面17にはラックレール18が形成されている。このラックレール18は、断面V字型の三角溝であって台車8に形成されたラックレール11とほぼ同じ高さに設けられている。また、このラックレール18は、貯蔵庫15の開口16から背面側に向けて下がるように傾斜して設けられている。更に、貯蔵庫15の背面には、ラック1の上端が当たる位置にラック1の停止の際の衝撃を緩和させるゴム等の弾性部材からなるストッパ19が取り付けられている。
【0021】
以上のような構成を有する本実施例のラック搬送装置及びラック貯蔵庫によれば以下のような作用によりラックが搬送される。図5乃至図7は、ラック、台車及び貯蔵庫の側面を示した図であり、図5から図7にかけて順にラックが貯蔵庫へ搬入される状態を示している。
先ず、食品等の貯蔵対象物を載せたラック1が、台車8に載せられて目的とする貯蔵庫15まで台車8にて移動され、台車8が貯蔵庫15の開口に当接させた状態で不図示のフックによって離れないように固定される。
そして、ラック1を貯蔵庫15に向けて押すと切り欠き11aに嵌合していたベアリング6bが外れ、そのベアリング6a,6bがラックレール11を転がってラック1が移動する。そして、ラック1が移動すると、その底部に設けられた案内レール7の案内板7aが、持ち上げベアリング12に当接する。その後引続きラック1を貯蔵庫15へ向けて押し続けると、反り上がった案内板7aが持ち上げベアリング12の上点付近で接する。そして、案内レール7はその滑走面7bより上点が高い位置にある持ち上げベアリング12に乗り上げる。
【0022】
即ち、案内レール7が持ち上げベアリング12に上を移動することとなる。
従って、それまでラックレール11上のベアリング6a,6bに支えられていたラック1が持ち上げベアリング12によっても支えられることとなる。つまり、先ず進行方向先端のベアリング6aが浮いた状態でラック1を前進させ、貯蔵庫15の開口16を通過する。そして、ベアリング6aが貯蔵庫側のラックレール18にかかる位置にまで移動した時には、ラック1の重心がそれまで後半部にあったため後ろに傾いていたラック1を、持ち上げベアリング12を中心に回転させて前方に傾かせる。そして、次は後端のベアリング6bが浮いた状態でラックレール18に従って移動する。このようにベアリング6aが浮いた状態で貯蔵庫側へ移動するが、案内部材5が設けられているため、持ち上げベアリング12に衝突した勢いで大きくはね上がり、ラックレール11からベアリング6bまで外れてしまうのを防止している。
【0023】
そして、ラックレール18は開口16から背面側に向けて滑らかに傾斜しているため、ラック1は自重によってそのベアリング6a,6bがラックレールを滑走して移動する。そして、ベアリング6bがラックレール18上に載り、ラック1が貯蔵庫15内を滑らかに移動してその先端がストッパ19に当接して停止する。
逆に、貯蔵庫15から台車8に移すときも同じように案内レール7が持ち上げベアリング12を乗り上げて移動し、先ず、ベアリング6bが台車8のラックレール11にかかり、更にベアリング6aがかかる。そして、ベアリング6a,6bがラックレール11を移動して、ベアリング6bがラックレール11の切り欠き11aに嵌合してラック1が台車8に載置させる。
【0024】
以上、本実施例のラック搬送装置及びラック貯蔵庫によれば、持ち上げベアリング12によってラック1を持ち上げて移動させるので、台車8側のラックレール11と貯蔵庫15側のラックレール18との間の段差に影響されることなくスムーズにラックを搬送することが可能となった。
また、ラック1が回転する持ち上げベアリング12上を移動するため、搬送に際して労力を必要とせず、迅速に搬送作業を行なうことができる。
また、アジャストボルト14によってレベル板13を調節することにより、ベアリング12の高さを移動することができるので、ラック1の下端面の位置が高い場合にも適切に案内レール7が当接することが可能となった。
【0025】
次に、第2実施例として別構造の貯蔵庫について説明する。図8は、貯蔵庫内部の正面図である。
貯蔵庫20には、図に示すようにラック1が収納されるが、その上面及び両側面を仕切り板24a,24b,24cによって仕切られている。この仕切り板は、上面部の仕切り板24aが前面にわたって設けられているが、両側面の仕切り板24b,24cは、冷風が通過するように下方部分は除かれている。そして、その冷風を発する冷風機21が貯蔵庫20上部に設けられ、更に冷風が流れる通風路22が貯蔵庫20の内壁20aに沿って設けられている。また、その内壁20aに沿って設けられた通風路22の延長上には、ラック1が存在する貯蔵庫20の中心方向に向けて、風向を切りかえる風向調節板23が所定距離離れて設けられている。一方、貯蔵庫20の底面は、冷風の循環を良くするために両角に傾斜板26が設けられている。
【0026】
ところで、図9は、上記風向調節板23を示す平面図、及び側断面図である。図に示すように風向調節板23は、コ字形状をなし、その開放端部23a及び閉端部23bが所定角度傾斜して形成されている。また、平面部23cの閉端部23b側にはその両端に2本のピン27が立てられ、その各ピン27に沿ってスライドするよううに、切り欠き28aを有する短冊状のスライド板28が設けられている。そして、このような風向調節板23は、開放端部23aが貯蔵庫20の内壁20aに下向きに傾斜して所定数固定される。
【0027】
そこで、このように風向調節板23を取り付けると次のよう作用する。上記固定された風向調節板23を貯蔵庫20の上方から見ると、貯蔵庫20の内壁20aと風向調節板23によって囲まれた通風孔29が一直線上に形成される。従って、冷風機21から冷風が送り出されると、一部は通風路22の通風孔29を通って貯蔵庫20底部の傾斜板26に当たって上方に流れ、貯蔵庫20の壁面を循環する。一方、冷風機21から送り出された冷風の一部は、風向調節板23に当たって中央のラック1側に流れが変えられる。そのため、数段設けられた各風向調節板23では、通風孔29を通って流れてきた冷風の一部がその都度ラック1側に流され、ラック1に備えられたトレイ4の間を冷風が通って、壁面を循環する冷風に合流する。
このとき風向調節板23のスライド板28をスライドさせると、内壁面20aと風向調節板23によって囲まれた通風孔29の面積が変えられる。即ち、スライド板28をスライドさせて通風孔29の面積を狭くするとラック1側に流される冷風の量が多くなり、逆に広くするとその量は少なくなる。
【0028】
以上、本実施例の貯蔵庫によれば、通風向29を流れる冷風の量を変えるように、スライド板28を設けた風向調節板23を備えたことにより、ラック1のトレイ4の間を流れる冷風の量を調節することができるので、同じ貯蔵庫に収納されながらも、各トレイに載せられた品物に合わせた温度にすることができる。
【0029】
以上、本発明のラック搬送機器の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定される訳ではなく、その範囲を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、上記実施例では持ち上げ部材を台車低部に設けたベアリングとしたが、台車上面の先端部に三角形の傾斜台を設けて、ラック搬送の際にその傾斜台に沿ってラックが持ち上がるようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
上記本発明のラック搬送装置及びラック貯蔵庫によれば、ラック搬送装置の底枠の下面に配設されたキャスターによってラック貯蔵庫までラックを移動し、ラック搬送装置からラック貯蔵庫へ搬送するものであって、第1回転部材と第1摺動レールとにより摺動されるラックの摺動方向に沿ってラックが上方に持ち上げるラック持ち上げ手段を有するので、ラックの搬送がスムーズに行なえ、搬送作業が迅速に行なえることが可能なラック搬送装置及びラック貯蔵庫を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例でのラックが台車に載置された状態の側面を示した図である。
【図2】第1実施例でのラックが台車に載置された状態の正面を示した図である。
【図3】第1実施例でのラックが貯蔵庫内に搬入された状態の側面を示した図である。
【図4】第1実施例でのラックが貯蔵庫内に搬入された状態の正面を示した図である。
【図5】第1実施例でのラックが台車から貯蔵庫内に搬入される状態の側面を示した図である。
【図6】第1実施例でのラックが台車から貯蔵庫内に搬入される状態の側面を示した図である。
【図7】第1実施例でのラックが台車から貯蔵庫内に搬入される状態の側面を示した図である。
【図8】第2実施例でのラックが収納された貯蔵庫の正面を示した図である。
【図9】第2実施例の貯蔵庫内に固設された風向調節板を示した図である。
【図10】従来のラック搬送装置及びラック貯蔵庫を示す側面図である。
【符号の説明】
1・・・ラック、7・・・案内レール、7a・・・案内板、
7b・・・滑走面、8・・・台車、11・・・ラックレール
12・・・持ち上げベアリング、15・・・貯蔵庫、18・・・ラックレール
Claims (4)
- 食品等を収納する枠体からなり枠体の対向する一対の外側面に取り付けられた第1回転部材を有するラックを搭載し、底枠と底枠の両側に立設された一対の側枠とを有し各側枠の内面に配置されて各第1回転部材を摺動可能に支持する第1摺動レールが設けられたラック搬送装置であって、底枠の下面に配設されたキャスターを介してラックをラック貯蔵庫まで搬送するラック搬送装置において、
前記各側枠の内面と前記ラックとの間に、前記各第1回転部材と第1摺動レールとにより摺動されるラックの摺動方向に沿ってラックを上方に持ち上げるラック持ち上げ手段を備えたことを特徴とするラック搬送装置。 - 前記ラック持ち上げ手段は、前記各側枠の下部内面に配設された第2回転部材と、第2回転部材よりも下方位置にて前記ラックの底部に配設されラックの摺動に対応して第2回転部材を乗り越える第2摺動レールとからなることを特徴とする請求項1記載のラック搬送装置。
- 前記底枠の上面で前記各第2回転部材に対応して設けられるとともに各第2回転部材の高さを調節する調節手段を備えたことを特徴とする請求項2記載のラック搬送装置。
- 食品等を収納する枠体からなり枠体の対向する一対の外側面に取り付けられた第1回転部材を有するラックを搭載し、底枠と底枠の両側に立設された一対の側枠を有し各側枠の内面に配置されて各第1回転部材を摺動可能に支持する第1摺動レールが設けられるとともに底枠の下面に配設されたキャスターを有するラック搬送装置を介して搬送されたラックを貯蔵するラック貯蔵庫であって、ラックの収納口が形成された前壁と前壁に対向する後壁とを有するラック貯蔵庫において、
前記ラック搬送装置には、前記各側枠の内面と前記ラックとの間に、前記各第1回転部材と第1摺動レールとにより摺動されるラックの摺動方向に沿ってラックを上方に持ち上げるラック持ち上げ手段が配設され、
前記ラック貯蔵庫には、前記ラック持ち上げ手段を介してラックが持ち上げられた時点における前記各第1回転部材の位置に対応して第3摺動レールが設けられるとともに、各第3摺動レールは前壁から後壁に向かって下方に傾斜されていることを特徴とするラック貯蔵庫。
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