JPH0232100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、水平の循環経路に於て回動可能に支
持された多数のトレーと、該トレーを移動させる
駆動手段とを備えた回転ラツク装置の改良に関す
るものである。

上記のような回転ラツク装置に於けるトレー
は、一般的に前端部が荷の出し入れのために開放
されており、トレー底板前端部には、このトレー
が前記水平循環経路の両端Ｕターン部を回動する
ときに遠心力で荷がトレーから飛び出すのを防止
するための立ち上がり部が設けられていた。然し
乍ら、出庫作業に際してトレー上の荷をプツシヤ
ーで前方へ押し出すような自動出庫装置を併用し
ようとする場合、前記のようにトレー底板前端部
に荷の押し出しを防害する立ち上り部を形成する
ことが出来ない。

本考案はこのような問題点を解決することを目
的とするものであつて、前記のようにトレー底板
前端に荷飛び出し防止用立ち上り部を設けること
が出来ない場合でも、トレーがＵターン部を回動
するときに荷が遠心力で飛び出すのを確実に防止
し得るようにせんとするものである。

以下、本考案の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、第１図及び第２図に於て、１は
多段に積層された回転ラツク単体であつて、
夫々、モーター２に伝動チエン３を介して連動連
結する駆動歯輪４と遊転歯輪５との間に掛張され
た駆動チエン６と、この駆動チエン６に等間隔置
きに内端部を連結された多数のトレー７と、この
トレー７を水平循環経路に於て移動可能に支持す
る内側ガイドレール８及び外側ガイドレール９と
を備えている。尚、図面では各段の回転ラツク単
体１を支持するフレーム関係を省略し、トレー７
も部分的に表している。

１０は入庫位置１１に停止した任意の段のトレ
ー７に荷を搬入する入庫装置であり、１２は出庫
位置１３に停止した任意の段のトレー７から荷を
出庫する出庫装置である。入庫装置１０は、支柱
１４にそつて昇降移動する可動ローラーコンベヤ
１５と、この可動ローラーコンベヤ１５上の荷を
対応する高さのトレー７上へ押し出すサイドプツ
シヤー１６とを備え、所定高さに位置する可動ロ
ーラーコンベヤ１５上へ荷を搬入する搬入用コン
ベヤ１７が併設されている。前記出庫装置１２
は、各段の回転ラツク単体１毎に配設された左右
一対の荷押し出し手段１８ａ，１８ｂと、この荷
押し出し手段１８ａ，１８ｂの何れか一方又は両
方によつて出庫位置１３にあるトレー７上から押
し出される荷を搬出用コンベヤ１９上へ搬送する
搬出手段２０とから成り、前記荷押し出し手段１
８ａ，１８ｂはシリンダー・ピストンユニツト２
１によつて出退移動自在なプツシヤー２２を備
え、前記搬出手段２０は、支柱２３にそつて昇降
移動する可動ローラーコンベヤ２４を備えてい
る。

第３図乃至第５図に示すように前記トレー７
は、底板２５、左右両側壁２６、及び内端壁２７
を備え、内端壁２７から後方に突設されたチエン
リンク兼用取付け板２８の両端部に於て、隣接す
るトレー７どうしがチエンリンク６ａによつて連
結されている。２９はトレー７の前端部下側に軸
支された一対の外側水平軸ローラー、３０はトレ
ー７の内端部下側に軸支された一対の内側水平軸
ローラー、３１は前記チエンリンク６ａの連結用
垂直軸を利用して取付け板１８の下側に軸支され
た振れ止め用ローラーである。尚、前記振れ止め
用ローラー３１は前記内側ガイドレール８に連設
した振れ止め用内溝部８ａに遊嵌する。

更に前記トレー７は、その底板２５の前端に斜
め前方上方に傾斜して立ち上がる傾斜部２５ａが
形成され、両側壁２６の前端部２６ａは左右両外
側に広がるように傾斜せしめられている。

尚、第１図に於て３２，３３は入庫位置１１の
トレー７とこれに隣接する高さに位置する可動ロ
ーラーコンベヤ１５との間、及び出庫位置１３の
トレー７とこれに隣接する高さに位置する可動ロ
ーラーコンベヤ２４との間に位置するように、各
段の回転ラツク単体１毎に架設された中継ガイド
プレートであり、前記トレー７の底板前端傾斜部
２５ａの最高部と略同一レベルに位置している。

本考案は上記のように構成された回転ラツク装
置に於て、各段の回転ラツク単体１に於けるトレ
ー７の水平循環経路の両端Ｕターン部３４，３５
（第１図参照）に、代表として一方のＵターン部
３５を示す第６図及び第７図に明らかなように、
前記トレー７の底板２５上に於ける荷支持部の前
端（即ち底板２５の平坦部と傾斜部２５ａとの境
界位置）より若干外側の位置で、トレー底板２５
上に支持される荷３６の前方に近接する位置に円
弧状の荷飛び出し防止ガイド３７を架設するもの
である。この荷飛び出し防止ガイド３７は、両端
部３７ａが外側に広がるように傾斜せしめられ、
適当間隔置きの位置で支持ブラケツト３８を介し
て前記Ｕターン部に於ける外側ガイドレール９に
取付けられている。

入庫作業を行うときは、入庫対象のトレー７を
備えた回転ラツク単体１のモーター２を稼動させ
てトレー７群を水平循環経路に於て回動させ、入
庫対象トレー７を入庫位置１１に呼び出す。一
方、入庫すべき荷を搬入用コンベヤ１７より受け
継いだ入庫装置１０の可動ローラーコンベヤ１５
を、前記入庫位置１１に呼び出された入庫対象ト
レー７に隣接する中継ガイドプレート３２の高さ
まで昇降移動させる。この後、サイドプツシヤー
１６を横動させて可動ローラーコンベヤ１５上の
荷を、中継ガイドプレート３２を経由させて入庫
対象トレー７上へ押し出す。

出庫作業は次のように行われる。即ち、出庫対
象の荷を収納したトレー７を有する回転ラツク単
体１のモーター２を稼動させてトレー７群を水平
循環経路に於て回動させ、出庫対象トレー７を出
庫位置１３に呼び出す。一方、出庫装置１２に於
ける搬出手段２０の可動ローラーコンベヤ２４
を、前記出庫位置１３に呼び出された出庫対象ト
レー７に隣接する中継ガイドプレート３４の高さ
まで昇降移動させる。この後、荷押し出し手段１
８ａ，１８ｂの両方又は一方を稼動させ、そのプ
ツシヤー２２によりトレー７上の荷を中継ガイド
プレート３３を経由させて前記可動ローラーコン
ベヤ２４上へ押し出し、この後、該可動ローラー
コンベヤ２４を搬出用コンベヤ１９に接続する高
さまで昇降移動させ、前記可動ローラーコンベヤ
２４と搬出用コンベヤ１９とによつて出庫した荷
を搬出する。尚、入出庫される荷３６は第６図に
仮想線で示すようにトレー７の底板２５上に２個
並列状態で収納される小幅のものと、トレー７の
左右両側壁２６間に丁度収まる大幅のものとがあ
る。

上記のように、入出庫作業が行われるとき各段
の回転ラツク単体１のトレー７が水平循環経路に
於て回動することになるが、トレー７上に支持さ
れている荷３６には両端のＵターン部３４，３５
を回動するとき遠心力が作用し、トレー７の前端
開放部から荷３６が飛び出す傾向となる。然し乍
ら、前記Ｕターン部３４，３５には荷飛び出し防
止ガイド３７が架設されており、荷３６がトレー
７上から飛び出すのを当該ガイド３７が防止する
ことになる。

本考案の回転ラツク装置は以上のように実施し
使用し得るものであつて、水平の循環経路に於て
回動可能に支持された多数のトレーと、該トレー
を移動させる駆動手段とを備え、前記トレーの水
平循環経路の内、少なくとも両端のＵターン部
に、前記トレー上に支持された荷の前面に近接す
る円弧状の荷飛び出し防止ガイドを架設して成る
ものであるから、実施例のようにトレー上の荷を
押し出す荷押し出し手段を併用する関係から、ト
レーの底板前端に略直角に立ち上がる荷飛び出し
防止用立ち上り部を設けることが出来ない場合で
あつても、Ｕターン部を回動するときにトレー上
の荷が遠心力で飛び出すのを前記荷飛び出し防止
ガイドによつて確実に防止することが出来るので
ある。従つて、トレー上から不当に突出した荷が
フレーム等に衝突したり、遠心力で荷がトレー上
から落下するような事故を未然に防止し得るので
ある。

尚、実施例ではトレーの水平循環経路の内、両
端のＵターン部にのみ荷飛び出し防止ガイドを架
設したが、入出庫位置に対応する箇所を除いて、
水平循環経路の全域にわたつて当該荷飛び出し防
止ガイドを架設することも出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は概略平面図、第２図は概略正面図、第
３図はトレーを示す平面図、第４図は同縦断側面
図、第５図は同背面図、第６図は本考案実施例を
示す平面図、第７図は同要部の縦断側面図であ
る。 １……回転ラツク単体、２……駆動用モータ
ー、６……駆動チエン、７……トレー、１０……
入庫装置、１１……入庫位置、１２……出庫装
置、１３……出庫位置、１５，２４……可動ロー
ラーコンベヤ、１６……サイドプツシヤー、１７
……搬入用コンベヤ、１８ａ，１８ｂ……荷押し
出し手段、１９……搬出用コンベヤ、２０……搬
出手段、２２……プツシヤー、２５……底板、２
６……左右両側壁、２９，３０……水平軸ローラ
ー、３１……振れ止め用ローラー、３２，３３…
…中継ガイドプレート、３４，３５……Ｕターン
部、３６……荷、３７……荷飛び出し防止ガイ
ド、３８……支持ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平の循環経路に於て回動可能に支持された多
   数のトレーと、該トレーを移動させる駆動手段と
   を備え、前記トレーの水平循環経路の内、少なく
   とも両端のＵターン部に、前記トレー上に支持さ
   れた荷の前面に近接する円弧状の荷飛び出し防止
   ガイドを架設して成る回転ラツク装置。