JP3567950B2 - エポキシ樹脂組成物及びそれを用いてなるプリプレグ及び成形品 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びそれを用いてなるプリプレグ及び成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエポキシ樹脂組成物に関し、詳しくは層間剪断強度及び耐衝撃強度の改良された成形品の得られる繊維補強されたエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は操作性の良い注型成形用材料として広く用いられている。しかし成形品の層間剪断強度や耐衝撃強度が小さい欠点があったので釣竿やスケートボードのように曲げや衝撃の力を受ける用途には繊維状強化材をベースに種々の改質法が検討されてきた。例えば、末端カルボキシル基含有の液状アクリロニトリル−ブタジエンゴムを配合する方法等が行われているが、曲げ強度が低下する上、耐衝撃強度の改善も十分とは言えなかった。また、架橋ゴム状重合体及び繊維を配合するエポキシ樹脂組成物が提案され(特開平5−339472号公報)、曲げ強度はさほど低下せずに、耐衝撃強度のある程度の向上が見られた。しかし、積層して厚みのある成形品を曲げや衝撃の力が加わる用途に用いるためには、更に層間剪断強度や耐衝撃強度を更に抜本的に向上することが求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は高い層間剪断強度及び耐衝撃強度を持つ成型品を与えることができるエポキシ樹脂組成物を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる問題に対し鋭意研究を進めた結果、低ガラス転移点を有するコア部と高ガラス転移点を有するシェル層で構成され、金属カチオンによりイオン架橋された共重合体樹脂粉末と、繊維状強化材とを組合わせて配合したエポキシ樹脂組成物が、著しく耐衝撃強度を大きくし、積層成型品の層間剥離強度も極めて大きくすることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)(a)ガラス転移点が−30℃以下の重合体からなるコア部と(b)アクリル酸エステル系又はメタクリル酸エステル系単量体と不飽和カルボン酸単量体とのガラス転移点が70℃以上の共重合体からなるシェル層で構成されるコア/シェル型共重合体粒子に、金属カチオンを付加してイオン架橋させた共重合体樹脂粒子、(C)エポキシ樹脂用硬化剤及び(D)繊維状強化材を含有してなる成形用エポキシ樹脂組成物。
(2)(A)エポキシ樹脂 100重量部、(B)(a)ガラス転移点が−30℃以下の重合体からなるコア部と(b)アクリル酸エステル系又はメタクリル酸エステル系単量体と不飽和カルボン酸単量体とのガラス転移点が70℃以上の共重合体からなるシェル層で構成されるコア/シェル型共重合体粒子に、金属カチオンを付加してイオン架橋させた共重合体樹脂粒子 10〜40重量部、(C)エポキシ樹脂用硬化剤 3〜100重量部及び(D)繊維状強化材 20〜150重量部を含有してなる成形用エポキシ樹脂組成物、
(3)上記(1)又は上記(2)の成形用エポキシ樹脂組成物を加熱成形してなる成形品、
(4)上記(1)又は(2)の成形用エポキシ樹脂組成物をよび加熱することにより疑似硬化してなるシート状のプリプレグ、
(5)上記(1)又は(2)の成形用エポキシ樹脂組成物をよび加熱することにより疑似硬化してなるシート状のプリプレグを複数枚積層し、加熱硬化してなる成形品、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるエポキシ樹脂(A)は、常温で液状又はペースト状のエポキシ樹脂であり、ビスフェノール縮合物、ヒダントイン系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂などの広い種類のエポキシ樹脂が含まれる。特に好ましいエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA又はビスフェノールFにエピクロルヒドリンなどのエポキシ基含有化合物を反応させて得られる初期縮合物などが挙げられる。また、ビスフェノールAにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを2〜20モル付加した化合物から誘導されるエポキシ樹脂も使用することができる。
【0006】
本発明において、(B)成分に用いられるコア/シェル型共重合体樹脂粒子は、ガラス転移点が−30℃以下の重合体からなるコア部と、ガラス転移点が70℃以上のシェル層とで構成されるコア/シェル型共重合体である。
該コア部のガラス転移点は−30℃以下、好ましくは−40℃以下である。その理由は、コア部のガラス転移点が−30℃より高いと、樹脂粒子(B)のエポキシ樹脂(A)の補強材としての機能が低下し、殊に耐衝撃性が低下するからである。ガラス転移点が−30℃以下の重合体を与える単量体の例としては、(メタ)アクリレート系重合体、ジエン系重合体又はシリコーンゴム系重合体を挙げることができる。本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味するものである。コア部には、ホモ重合体が−30℃以下のガラス転移点を与える単量体、又はそれを主成分とする単量体混合物を用いて重合する。−30℃以下のガラス転移点のホモ重合体を与える(メタ)アクリレート系単量体としては、例えば、n−プロピルアクリレート(ホモ重合体のガラス転移点−52℃)、n−ブチルアクリレート(同−54℃)、n−オクチルアクリレート(同−65℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(同−85℃)、n−デシルメタクリレート(同−65℃)などが挙げられる。特に、n−ブチルアクリレートや2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。また、ガラス転移点が−30℃以下のホモ重合体を与えるジエン系単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエンなどの共役ジエン系化合物;1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエン系化合物などが挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができるが、これらの中で、特にブタジエン及びイソプレンが好適である。
【0007】
本発明においては、前記の(メタ)アクリレート系又はジエン系単量体に、所望により架橋性単量体を添加して、一層ゴム弾性を有するコア部を形成することも有効である。このための架橋性単量体としては、反応性が実質上等しい2個以上の二重結合を有するもの、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレンジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼンなどの芳香族ジビニル単量体;トリメリット酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレートなどを用いることができる。これらの架橋性単量体は、得られる重合体のガラス転移点が−30℃以下となる範囲で単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その使用量は、コア部の単量体全重量に基づき、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で選ばれる。架橋性単量体の使用量がコア部の全重量の5重量%を超えると、コア部の架橋が著しくなり、エポキシ樹脂組成物の強度、殊に耐衝撃性が低下する。
【0008】
さらに、前記(メタ)アクリレート系単量体、ジエン系単量体、架橋性単量体等とともに、所望に応じ共重合可能な他の単量体を用いることができる。この所望に応じて用いられる共重合可能な他の単量体の例としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物;(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;2−ヒドロキシエチルフマレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、モノブチルマレエート、グリシジルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その使用量は、得られるコア部の重合体のガラス転移点が−30℃以下となる範囲で選ぶ必要があるが、通常コア部の単量体全重量に基づき50重量%以下の範囲で選ばれる。
【0009】
(メタ)アクリレートと不飽和カルボン酸との、ガラス転移点が70℃以上の共重合体からなるシェル層(b)の原料成分としては、ホモ重合体がガラス転移点70℃以上を与える単量体を主に用いる必要がある。具体的には、例えば、イソプロピルメタクリレート(ホモ重合体のガラス転移点81℃)、t−ブチルメタクリレート(同107℃)、シクロヘキシルメタクリレート(同76℃)、フェニルメタクリレート(同110℃)、メチルメタクリレート(同105℃)などの(メタ)アクリレート系単量体などが挙げられる。これにスチレン(同100℃)、4−クロロスチレン(同110℃)、2−エチルスチレン(同103℃)などの芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル(同125℃)、塩化ビニル(同約80℃)などを重量基準で1/4以下併用してもよい。シェル層の主単量体としては、特にメチルメタクリレートが好適である。
本発明において、シェル層(b)のガラス転移点は70℃以上、好ましくは90℃以上である。シェル層のガラス転移点が70℃未満であると、コア/シェル型共重合体からなる樹脂粒子は凝集して塊になりやすい。
【0010】
本発明においては、イオン架橋の目的で、シェル層の原料成分として、ラジカル重合性の、好ましくは炭素数3〜8個の不飽和カルボン酸単量体を導入する。このような不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸などの不飽和ポリカルボン酸やその無水物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチルなどの少なくとも一つのカルボキシル基を有する不飽和ポリカルボン酸部分エステルなどが挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で特に(メタ)アクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸が好適である。
本発明において、シェル層の共重合体には、カルボキシル基を含む単量体単位が該共重合体100重量部当たり0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部の割合で存在する。カルボキシル基を含む単量体単位の含有量が該共重合体100重量部当たり0.01重量部未満であると、イオン架橋による粒子表面の改質効果の向上はほとんど発揮されない。カルボキシル基を含む単量体単位の含有量が該共重合体100重量部当たり20重量部を超えると、その量の割には粒子表面の改質効果の向上は認められず、むしろコア/シェル型共重合体本来の機械的特性が低下する。
本発明においては、また、所望によりシェル層の原料成分として架橋性単量体を併用することができる。この架橋性単量体としては、前記コア部を形成する重合体のための単量体説明において例示した架橋性単量体の中から1種又は2種以上を選んで用いることができる。この架橋性単量体の使用量は、シェル層の単量体全重量に基づき、通常0.01〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲で選ばれる。
【0011】
本発明において、コア部/シェル層の重量比は1/4〜3/1、好ましくは1/3〜2/1の範囲である。コア部/シェル層の重量比が1/4未満であると、成形品の耐衝撃強度が低下するおそれがある。コア部/シェル層の重量比が3/1を超えると、コア/シェル型共重合体からなる樹脂粒子のイオン架橋物とエポキシ樹脂との混合物の貯蔵時の粘度の増加が大きくなるおそれがある。
本発明においてコア/シェル型共重合体樹脂粒子(B)は、シェル層とエポキシ樹脂との相溶性が良いのでエポキシ樹脂中での分散性が良い。そのため、エポキシ樹脂との相溶性のないゴム質のコア部分が、シェル層が無ければマトリックス内に凝集して点在することになるところを孤立分散させることができる。しかもシェル層はエポキシ樹脂との相溶性が良いので、本発明組成物により得られる成形品は、積層して厚物に成形されたものでも耐層間剥離強度の大きいものとなる。
【0012】
一般的に、分散媒中にその分散媒と相溶性の良い重合体粒子が分散していれば、経時とともに分散媒が粒子に浸透して、系の粘度は増加してゆく。従って上記シェル層を有する樹脂粒子が液状のエポキシ樹脂中に分散された場合、硬化前の貯蔵中にエポキシ樹脂が粒子に浸透して顕著な粘度上昇を起こして加工不能になり易い。この場合、シェル層を共有結合により架橋させることにより貯蔵安定性は改善できるが、逆に、本来の目的である耐衝撃性が低下するという背反した結果となるが、本発明においては、シェル層の重合体にイオン架橋させることにより、貯蔵中の粘度上昇を防ぐことができる。
イオン架橋は、硫黄架橋やパーオキサイド架橋などの共有結合による架橋構造と異なり、熱可逆的に架橋構造の形成が変化するため、イオン架橋によって改質された樹脂粒子の表面は、室温では架橋された構造の性質を示し、一方、加熱硬化の成形条件下では架橋が弛緩した性質を示す。
すなわち、本発明においては、架橋剤としての金属カチオンが、コア/シェル型共重合体のシェル層に側鎖として導入されたカルボキシル基とカルボキシル基との間にイオン架橋を形成させ、これによる三次元ポリマー構造によって、分散媒であるエポキシ樹脂による室温での膨潤性を低下させる。それでいて加熱によりエポキシ樹脂がコア/シェル型共重合体に浸透しつつ硬化するので、均一なマトリックス中にゴム成分が均一に分散したエポキシ樹脂成形品が形成されるので大きな耐衝撃性を有する成形品が得られる。また、これを積層してなる成形品は層間の融合が良いので層間剪断強度が大きい。
本発明の(B)成分は、イオン架橋処理を施すことにより室温での耐溶剤性が良好になるので、メチルエチルケトン(MEK)やテトラヒドロフラン(THF)等の有機溶剤に溶解ないしは膨潤しにくくなる。本発明において、(A)、(B)及び(C)及び(D)成分を混合する際に、粘度低下の目的でMEKやTHFで該混合物を希釈することも可能である。
【0013】
本発明に使用するコア/シェル型共重合体を製造するには、例えば、まず前記のコア部形成のための単量体を用い、乳化重合又は微細懸濁重合により重合体粒子のラテックスを製造する。次いで、このラテックスに前記したシェル層を形成させるための単量体を添加して重合を続行する。この後段の反応は通常乳化重合法が採用される。その際、安定な反応生成物を得るため、乳化剤溶液やラジカル開始剤溶液を、乳化重合反応のある一定期間にわたって少量ずつ添加する方式が賞用される。
本発明に使用するイオン架橋型のコア/シェル型共重合体を製造するには、通常は上記の後段のシェル層形成のための単量体の中に前記のカルボキシル基含有単量体を所定量含有させる。シェル層全体にカルボキシル基が存在する共重合体にしてもよいし、シェル層の最外部に多くカルボキシル基を有する共重合体にしてもよい。シェル層の最外部に多くカルボキシル基を含む共重合体にするには、カルボキシル基含有単量体を、シェル層の重合反応の後期に連続的あるいは断続的に添加する方法と、シェル層の成分として(メタ)アクリレート系単量体を重合して調製した重合体粒子を、重合後にアルカリなどでけん化させる方法などがある。これらのシェル層の最外部のみにカルボキシル基を存在させる方法によって、カルボキシル基を有する単量体単位の粒子全体に占める割合を少量にして、コア/シェル型共重合体の物性低下を防止することが好ましい。このコア/シェル型共重合体は、前記のように少なくとも2段階の多段重合法により得ることができるが、場合によっては1段目で作成したシードラテックスを無機塩やアルコールや単量体などによって部分凝集させたのち、その上にグラフト重合することにより作成してもよい。
【0014】
次に、前記コア/シェル型共重合体に金属カチオンを添加してシェル層のカルボキシル基間をイオン架橋させる。この金属カチオンとしては、例えば、カリウム、ナトリウム、リチウム、セシウムなどの一価の金属イオン;カルシウム、亜鉛、スズ、クロム、鉛などの二価の金属イオンなどを使用することができるが、特に周期律表I又はII族に属する金属の一価又は二価のイオンが好ましい。また、該カチオンの供給体としては、前記金属類の酸化物;水酸化物;リン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、亜硝酸塩、亜硫酸塩などの無機酸の塩;さらにはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクチル酸、カプリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エルシン酸、リノレン酸、コハク酸、アジピン酸、ナフテン酸、チオカルボン酸などの有機酸の塩;アセチルアセトン塩、エトキシドやメトキシドなどのアルコラートなどが挙げられる。酸塩の場合は、酸の解離定数pKが4以上のものが望ましい。また、これらの金属カチオン供給体の中で、特に一価の金属の水酸化物及びカルボン酸塩がイオン架橋の反応効率や加熱成形品の機械的強度の点から有効である。前記の一価及び二価のカチオンは、溶液中においては、室温で数分以内でイオン架橋反応が可能であるという特徴を有している。
【0015】
本発明において、上記のイオン架橋させた樹脂粒子を得る方法には、カルボキシル基を有するコア/シェル型共重合体を用い、上記のような(1)重合工程後のコア/シェル型共重合体ラテックスにカチオン供給体を添加する方法、(2)コア/シェル型共重合体を適当な溶媒に溶かして、このポリマー溶液中にカチオン供給体を添加する方法、(3)未反応エポキシ樹脂にコア/シェル型共重合体の粉体を添加して混合する過程でカチオン供給体を添加する方法などがある。これらのいずれの方法も利用可能であるが、特に取扱い性と分散効率上から(1)のラテックス添加法が有用である。
本発明において、水系重合媒体中でカルボキシル基含有単量体を共重合させた場合は、その親水性によってコア/シェル型共重合体粒子の表層に、カルボキシル基の大部分が集積されている。そのため水相にカチオン供給体を添加する場合は、水相中に解離したカチオンと解離性の高いカルボキシル基との遭遇の確率は極めて高く、また、イオン間の反応であるために、短時間でイオン架橋反応が完了する。
本発明において、上記イオン架橋においては、カルボキシル基の一部ないし全部がイオン化してカルボキシルアニオンとなり、金属イオンをカウンターカチオンとしてイオン結合を形成するために、イオン架橋率は添加するカチオン供給体の量によって容易に調節することができる。上述のイオン架橋反応は一般的に定量的に進行するが、理論量よりも過剰量のカチオン供給体を使用することができる。このイオン架橋の存在は、赤外吸収スペクトルによるカルボキシレート基の吸収の測定や、金属イオンの定量や、溶剤に対するコア/シェル型共重合体の膨潤度を測定することにより容易に分析することが可能である。イオン架橋の解離性については示差熱分析で確認することが可能である。
本発明において、コア/シェル型共重合体をイオン架橋させる場合は、所望の架橋度に応じて、コア/シェル型共重合体中に含有されるカルボキシル基当たりのカチオン供給体の金属原子のモル比を選択する必要がある。カチオン供給体の添加量は、コア/シェル型共重合体中のカルボキシル基量に対して0.1〜3モル倍が好適範囲で、このモル比でイオン架橋させた樹脂粒子は特に機械的特性が優れたものとなる。上記モル比が0.1モル倍未満の場合は、共重合体樹脂粉末とエポキシ樹脂の混合物の貯蔵安定性改良のための表面改質効果が著しく劣り、上記モル比が3モル倍を超えた場合は得られたイオン架橋させた樹脂粉末の吸湿性が高く、硬化物の機械的特性が低下する傾向が見られる。
【0016】
イオン架橋の済んだコア/シェル型共重合体ラテックスを、通常、多翼型回転ディスク式、円盤型回転ディスク式、ノズル式などの噴霧乾燥することにより、粉末状の樹脂粒子が得られる。この乾燥の場合、一般にコア/シェル型共重合体は噴霧液滴単位で凝集し、20〜100μm程度の凝集粒子を形成する。凝集の程度は乾燥条件によって異なり、乾燥後に粉砕してほぐす工程を設けることもできる。また、乳化重合後に塩析法や凍析法によりラテックス粒子を凝固分離し、脱水して調製したウェットケーキを流動床などで乾燥して、凝集粒子状として得ることもできる。
本発明における樹脂粒子(B)の使用量は、エポキシ樹脂(A)100重量部当たり10〜40重量部、好ましくは15〜30重量部である。樹脂粒子の使用量がエポキシ樹脂100重量部当たり10重量部未満では、得られた組成物の曲げ強度及び耐衝撃強度が小さく、樹脂粒子の使用量がエポキシ樹脂100重量部当たり40重量部を超えると、組成物の粘度が高くなり、また使用量の割には曲げ強度及び耐衝撃強度が上がらない。
【0017】
本発明において、(C)成分として用いられるエポキシ樹脂用硬化剤としては、例えばジシアンジアミド;4,4′−ジアミノジフェニルスルホン;2−n−ヘプタデシルイミダゾールのようなイミダゾール誘導体;イソフタル酸ジヒドラジド;N,N−ジアルキル尿素誘導体;N,N−ジアルキルチオ尿素誘導体;テトラヒドロ無水フタル酸のような酸無水物;イソホロンジアミン、m−フェニレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンのようなポリアミン;ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、トリスジメチルアミノメチルフェノール、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンのようなアミノアルキル環状化合物;メラミン;三フッ化ホウ素錯化合物;各種ダイマー酸とジアミンの付加物よりなるポリアミドアミンなどが挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、特にジシアンジアミドが好適である。
この(C)成分の硬化剤の配合量は、特に限定されるものではないが、通常(A)成分のエポキシ樹脂100重量部に対して3〜100重量部、好ましくは5〜85重量部の割合である。この量が、3重量部未満では硬化不良を起こして、各強度を著しく低減させる原因となり、100重量部を越えると成形時の過剰な発熱反応に伴い部分的な分解や熱劣化を起こし、各強度の顕著な低下や変色を呈する結果となる。
(C)成分は50〜200℃に加熱されることにより、エポキシ樹脂のエポキシ基と架橋反応を起こし、組成物の硬化させる作用を有する。
【0018】
本発明において(D)成分として用いられる繊維状補強材としては、Eガラス、Cガラス、Sガラス、Dガラス、溶融石英又は化学処理高シリカガラスからなるガラス繊維;ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系又はリグニンポバール系からなるカーボン繊維;アルミナ、酸化ベリリウム、炭化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、クロム、銅、鉄又はニッケルからなるウィスカー;ホウ素−タングステン、ホウ素−溶融石英、ホウ化チタン又は炭化ホウ素−ホウ素−タングステンからなるボロン繊維;ポリアミド繊維(ケブラー繊維);耐高温ナイロン繊維(ノーメックス繊維);ポリエステル、ポリプロピレン、ビニロン又はポリアクリロニトリルからなる熱可塑性繊維等が挙げられる。
(D)成分の繊維状補強材の形態としては、クロス、ストランド、ロービング、マット、ロービングクロス等のいずれであってもよい。本発明における繊維状補強材(D)の配合割合は、エポキシ樹脂(A)100容量部当り20〜100容量部、好ましくは40〜80容量部である。20容量部未満では曲げ強度及び耐衝撃強度の改善が不十分となる可能性がある。100容量部より多いと繊維補強材の多量偏在箇所が生じて諸強度の欠陥が起き易くなる。
【0019】
本発明にはその他必要に応じて、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、石膏、カオリン、マイカ、カオリン等の充填剤;有機シラン化合物、有機チタネート化合物等のカップリング剤;顔料;難燃化剤;老化防止剤;希釈剤等を添加することができる。
【0020】
本発明組成物を調製するに際し、通常、先ず繊維状補強材を除く各成分を予め混合し、次いでこの混合物をマット状の繊維状補強材に含浸させる過程を採る。この繊維状補強材を除く各成分を予め混合する方法は任意であり、例えば、ディスパー、ニーダー、三本ロール、パドルミキサー、プラネタリーミキサーなどの混練機を使用することができる。
ところでエポキシ樹脂に耐衝撃性改質剤のコア/シェル樹脂粒子を配合すると、熱硬化温度より低いある一定温度より高い温度の加熱でゲル状に不動化する疑似硬化が発現することが知られている(特開平2−80483号公報、特開平6−172734合公報)。本発明のエポキシ樹脂組成物は、80℃以上に加熱することにより瞬時に疑似硬化することができる。この疑似硬化体は100℃以下の温度では再加熱しても流動化したり粘着性が現われたりすることがない。
本発明組成物は、通常、上記の(A)、(B)、(C)からなる混合物をマット状の(D)成分の繊維状補強材に含浸させてから、80〜100℃の温度に予備加熱して疑似硬化体のいわゆるプリプレグにする。こうしておけば、これを積層することにより成形品の成形が容易である。即ち、目標の厚さになるよう疑似硬化体のシートを積層してから、予備加熱より高温の120〜200℃に加熱することにより硬化成形体を得ることができる。本発明組成物は特にコア/シェル共重合体樹脂粒子が前記したようにマトリックス内に均一に分散する性質を有するので、疑似硬化シートを積層して加熱硬化された成形体は層間の融合が良好で、層間剪断強度が顕著に向上するという特徴を有する。
【0021】
本発明の態様を以下に列挙する。
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)(a)ガラス転移点が−30℃以下の重合体からなるコア部と(b)アクリル酸エステル系又はメタクリル酸エステル系単量体と不飽和カルボン酸単量体とのガラス転移点が70℃以上の共重合体からなるシェル層で構成されるコア/シェル型共重合体粒子に、金属カチオンを付加してイオン架橋させた共重合体樹脂粒子、(C)エポキシ樹脂用硬化剤及び(D)繊維状強化材を含有してなる成形用エポキシ樹脂組成物。
(2)(A)エポキシ樹脂 100重量部、(B)(a)ガラス転移点が−30℃以下の重合体からなるコア部と(b)アクリル酸エステル系又はメタクリル酸エステル系単量体と不飽和カルボン酸単量体とのガラス転移点が70℃以上の共重合体からなるシェル層で構成されるコア/シェル型共重合体粒子に、金属カチオンを付加してイオン架橋させた共重合体樹脂粒子 10〜40重量部、(C)エポキシ樹脂用硬化剤 3〜100重量部及び(D)繊維状強化材 20〜150重量部を含有してなる成形用エポキシ樹脂組成物。
(3)(a)ガラス転移点が−30℃以下の重合体がジエン系重合体、アクリレート系重合体、メタクリレート系重合体又はシリコンゴムである(1)又は(2)
成形用エポキシ樹脂組成物。
【0022】
(4)コア部とシェル層の重量比が1/4〜3/1である上記(1)〜(3)のいずれかの成形用エポキシ樹脂組成物。
(5)不飽和カルボン酸単量体単位の含有量がシェル層共重合体100重量部当り0.01〜20重量部である上記(1)〜(4)のいずれかの成形用エポキシ樹脂組成物。
(6)不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸である上記(1)〜(5)のいずれかの成形用エポキシ樹脂組成物。
(7)金属カチオンの添加量がカルボキシル基量に対して0.1〜3モル倍である上記(1)〜(6)のいずれかも成形用エポキシ樹脂組成物。
(8)繊維状強化材がガラス繊維又はカーボン繊維である上記(1)〜(7)のいずれかの成形用エポキシ樹脂組成物。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかの成形用エポキシ樹脂組成物を加熱硬化してなる成形品。
(10)上記(1)〜(8)のいずれかの成形用エポキシ樹脂組成物からなるシート状のプリプレグを成形型内に積層し、加熱硬化してなる成形品。
【0023】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1〜4、比較例1〜4
繊維状補強材を除く表1に示す量比の配合成分をプラネタリーミキサーにて室温で15分間混合した。次に、この混合物をメチルエチルケトン(MEK)で希釈して300センチポイズ(cps)以下の粘度に調整して、30cm幅のカーボン繊維クロス又はガラス繊維クロスに含浸させ、ポリエチレンテレフタレート(PET)製離型フィルム上にのせた。一昼夜置いた後、40℃で3時間真空乾燥してMEKを除去した。ついでこれをPET製離型フィルムにのせたまま90℃熱風循環式オーブンで加熱処理して厚み約0.3mmシート状のプリプレグを形成した。下記試験法によりプリプレグ性、曲げ試験、層間剪断強度、衝撃試験等を行なった。結果を表1に示す。
【0024】
(プリプレグ性)
プリプレグ形成の際、90℃の加熱下で、疑似硬化して粘着性がなくなるものはその時間を非粘着化時間とした。次いで、PET製離型フィルムを剥した際、エポキシ樹脂組成物がフィルムに残らずに剥がれる場合を離型フィルム剥離性が良好とした。ただし、90℃の加熱で疑似硬化しない場合は評価外とした。
得られたプリプレグの両面をPET製離型フィルムでサンドウィッチし、23℃の恒温室内で貯蔵し、ゲル状のプリプレグが柔軟性を失うに至る迄の時間を貯蔵安定時間とした。
(曲げ試験)
厚み調整して積層したプリプレグの両面を接触面側から多孔性離型フィルムとブリーダークロスとPET離型フィルムの順にサンドウィッチした。120℃×5kg/cm で10分間予熱した後180℃で30分プレス成形し、厚み2mmのシートを得た。繊維含有量は、積層した枚数と加圧スピードによるブリーダークロスへの樹脂の移行量とから等量に調整した。プレスシートをダイアモンド刃で裁断し、整面処理して2×15×100mmの試験サンプルを得た。該試験サンプルを温度23℃、湿度50%の恒温室内に2時間保存した後、同環境下で、試験装置としてオートグラアフAG−25TE型引張試験機(島津製作所)に付加治具を装備したかご型曲げ試験機を組み合わせて用い、クロスヘッド移動速度を5mm/分としてJIS K 7078(カーボン繊維強化プラスチック)又はJIS K 7074(ガラス繊維強化プラスチック)により、曲げ強度及び曲げ弾性率を各5回測定して平均値を求めた。
【0025】
(層間剪断試験)
曲げ試験用サンプルと同様にして厚み2mmのプレスシートを作成して2×10×14mmの試験サンプルを得、温度23℃、湿度50%の恒温室内に2時間保存した。同環境下で、試験装置としてオートグラフAG−25TE型引張試験機(島津製作所)に付加治具を装備したかご型曲げ試験機を装備して用い、クロスヘッド移動速度を2mm/分としてJIS K 7078(カーボン繊維強化プラスチック)又はJIS K 7074(ガラス繊維強化プラスチック)により、層間剪断強度を5回測定して平均した。
(衝撃試験)
JIS K 7072(カーボン繊維強化プラスチック)又はJIS K 7074(ガラス繊維強化プラスチック)に記載の開放金型と同形状に2方向に開放の10×80mmのキャビティ平面を持つ雌雄嵌合式金型中に厚み2mmのスペーサーを使用して、10×80mmに裁断したプリプレグを積層してキャビティ内に置き、120℃に予熱後徐々に加圧し、5kg/cm になったら180℃で30分プレス成形した。冷却して脱型後、端部のみダイアモンド製研磨機で整面処理し、2×10×80mmのノッチなしの試験サンプルを作成した。同サンプルを温度23℃、湿度50%にて2時間保存し、試験装置としてシャルピー衝撃強度試験機(東洋精機(株)製)を用い、ハンマ持ち上げ角150度にて衝撃吸収エネルギーを求め、耐衝撃強度に換算した。5回測定し、平均値を求めた。
(ガラス転移温度)
曲げ試験用に作成したプレスシートから繊維を含有したまま約10mgの試料を採り、差動走査熱量計DSC220(セイコー電子工業(株)製)を用いて、昇温速度10℃/minにて測定した。
【0026】
【表1】
Figure 0003567950
【0027】

*1 エピコート828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製
*2 コア/シェル重合体:n−ブチルアクリレート/トリアリルトリメリテ−ト=47/0.5からなるガラス転移点−45℃のコアと、メチルメタクリレート/メタクリル酸/テトラエチレングリコールジメタクリレート=47/5/0.5(百分比は重量部)からなるガラス転移点105℃のシェルとからなり、重合反応直後のラテックスに水酸化カリウム2重量部添加後乾燥して得られた平均粒径0.3μmの粒子
*3 CTBN1300×8 末端カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム、宇部興産(株)製
*4 ゼオンF301:エポキシ基含有メチルメタクリレート系共重合体からなる平均粒径2μmの粒子、日本ゼオン(株)製
*5 カーボン繊維クロス:トレカT300−3000(平織り)、厚み0.25mm、東レ(株)製
*6 ガラス繊維クロス:グラスクロスWF(平織り)、厚み0.25mm、日東紡績(株)製
【0028】
プリプレグ性について見れば、本発明に係るコア/シェル粒子又はメチルメタクリレート系共重合体粒子を配合した実施例1〜4及び比較例3は90℃加熱で1分以内にゲル状に疑似硬化したが、末端カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム添加の例(比較例2)や重合体無添加の例(比較例1及び同4)では、エポキシ樹脂組成物は高粘度の液状となり成形用としては取扱い難いものとなった。また、実施例1〜4及び比較例3のプリプレグは良好な離型フィルム剥離性を示し、又安定貯蔵時間6ヶ月以上で十分に長期安定であった。
曲げ強度及び曲げ弾性率について見れば、カーボン繊維添加の場合、コア/シェル粒子を添加した実施例1〜3は、コア/シェル粒子無添加の比較例1とほぼ同等である。ガラス繊維添加でも実施例3と比較例4で同様なことが見られる。耐衝撃性及び層間剪断強度は、コア/シェル粒子添加の有無で明瞭に優劣が出た。
ガラス転移温度は、コア/シェル粒子の添加でごく若干の低下で済むが、末端カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム添加(比較例2)では大幅な低下が見られる。
これらの試験から、本発明に係るコア/シェル粒子を添加することにより、繊維状補強材配合のエポキシ樹脂組成物が、安定した取扱い性を有するプリプレグと、耐衝撃性及び特に層間剪断強度が顕著に向上した成形品を提供することが判る。
【0029】
【発明の効果】
本発明組成物により、取扱い性の良いプリプレグと、耐衝撃性及び層間剪断強度の大きなエポキシ樹脂成形品が得られる。

Claims (4)

  1. (A)エポキシ樹脂 100重量部、(B)(a)ガラス転移点が−30℃以下の重合体からなるコア部と(b)アクリル酸エステル系又はメタクリル酸エステル系単量体と不飽和カルボン酸単量体とのガラス転移点が70℃以上の共重合体からなるシェル層で構成されるコア/シェル型共重合体粒子に、金属カチオンを付加してイオン架橋させた共重合体樹脂粒子 10〜40重量部、(C)エポキシ樹脂用硬化剤 3〜100重量部及び(D)繊維状強化材 20〜150重量部を含有してなる成形用エポキシ樹脂組成物を予備加熱することにより、擬似硬化してなるシート状のプリプレグ。
  2. 80〜100℃の温度に予備加熱することを特徴とする請求項1記載のシート状のプリプレグ。
  3. 請求項1又は2記載のシート状のプリプレグを複数枚積層し、加熱硬化してなる成型品。
  4. 120〜200℃の温度に加熱することを特徴とする請求項3記載の成形品。
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