JPH09100360A - プリプレグの表面改良方法 - Google Patents

プリプレグの表面改良方法

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JPH09100360A
JPH09100360A JP7260046A JP26004695A JPH09100360A JP H09100360 A JPH09100360 A JP H09100360A JP 7260046 A JP7260046 A JP 7260046A JP 26004695 A JP26004695 A JP 26004695A JP H09100360 A JPH09100360 A JP H09100360A
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Japan
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prepreg
powder
resin
tack
specific gravity
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JP7260046A
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English (en)
Inventor
Sadahito Nakahara
禎仁 中原
Masatoshi Kamata
正俊 鎌田
Toshihiro Kasai
俊宏 笠井
Tsutomu Ibuki
努 伊吹
Akihiro Ito
彰浩 伊藤
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリプレグ本来の柔軟性及び成形後の成形体
の機械的強度を損なうことなく、簡易に所望のレベルに
タックを低減しうるプリプレグの表面改良方法を提供す
る。 【解決手段】 強化繊維と熱硬化性樹脂からなるシート
状プリプレグの少なくとも片面に、粒径5〜100ミク
ロン、粒子比重0.1〜3.0の粉体を付着させること
により表面のべたつきを低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化プラスチ
ック等の繊維強化複合材料に用いられるプリプレグの表
面改良方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、プリプレグは、離型紙の片面
に樹脂を塗布し、該樹脂塗布面側にシート状に配列され
た複数の強化繊維を配置し、さらに片面に樹脂を塗布し
た別の離型紙を重ね合わせ、加熱、加圧等を行なってシ
ート状物に樹脂を含浸させ、次いで冷却した後、一方の
離型紙を剥離し、他方の離型紙とシート状物を合わせた
ままロール状に巻き取る方法により形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうして形成されたプ
リプレグは、その使用時には離型紙を剥がした後、プリ
プレグ単体として積層され、成形硬化されて所定の成形
体となるが、該プリプレグには以下の問題があった。す
なわち、プリプレグに含浸される樹脂はプリプレグ表面
にも存在しており、この樹脂の粘度が低い場合、該樹脂
のべたつき(以下タックという場合がある)が強く、例
えば作業者の積層作業に於いて、誤った積層を行ってし
まった後に、積層されたプリプレグを剥がそうとしても
剥ぐことが出来ない場合が発生し、繊維強化複合材料の
製造に著しい支障を来す。タックが強いほど、誤った積
層作業時のプリプレグの引き剥がし作業が困難であり、
また同時に作業者の手に樹脂が付着しやすい。タックは
積層に適するレベルで存在することが好ましい。このタ
ックの適正化のためには、マトリックス樹脂の高粘度化
が必要であるが、この高粘度化に伴い、強化繊維束への
樹脂の含浸性は悪化する傾向となり、樹脂含浸不良のプ
リプレグが発生しやすくなる。このプリプレグを用いた
成形体は、内部のボイドを多く含み、成形体機械特性を
十分に発揮できなくなる等の問題が発生する。さらに、
樹脂の高粘度化はプリプレグの生産速度も低下させる。
すなわち、樹脂含浸性とプリプレグの取扱性は相反する
樹脂粘度による問題点を含んでおり、従来の樹脂調整方
法では解決することが困難であった。
【0004】上記問題を解決する手段として特開平6−
166029号公報に、低粘度のマトリックスを用い、
プリプレグを調製し、そのプリプレグ表面に常温反応型
の硬化剤を塗布してその表面を弱く硬化することによ
り、タックを低減する方法が開示されているが、この方
法におけるタックレベルは雰囲気等への依存性が高く、
同一レベルの硬化反応によるタック調整を実現するのは
困難である。一般に、プリプレグのタックの要求は、使
用者の作業環境や成形方法により多岐にわたり、微妙な
タック調製が必要である。
【0005】本発明は、かかる従来の問題点を解消し、
プリプレグ本来の柔軟性及び成形後の成形体の機械的強
度を損なうことなく、簡易に所望のレベルにタックを低
減しうるプリプレグの表面改良方法の提供を課題とす
る。
【課題を解決するための手段】本発明は、強化繊維と熱
硬化性樹脂からなるシート状プリプレグの少なくとも片
面に、粒径5〜100ミクロン、粒子比重0.1〜3.
0の粉体を付着させることにより表面のべたつきを低減
することを特徴とするプレプレグの表面改良方法によっ
て、上記課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、対象となる強化
繊維は、炭素繊維、有機高弾性繊維(例えばアラミド繊
維等)、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化
珪素繊維、タングステンカーバイド繊維等の高強度、高
弾性率繊維で、連続繊維からなる強化繊維もしくは連続
繊維からなる強化繊維束である。該強化繊維もしくは強
化繊維束は、同じプリプレグについて1種類のものを使
用しても良いし、複数種類のものを規則的に、または不
規則に並べて使用してもかまわない。通常、特定方向に
比強度、比弾性率が高いことを要求される用途には単一
方向プリプレグが最も適しているが、あらかじめ長繊維
マットや織物などのシート形態に加工したものを使用す
ることも可能である。
【0007】マトリックス樹脂として使用できる熱硬化
性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、アセ
チレン末端を有する樹脂、ビニル末端を有する樹脂、シ
アン酸エステル末端を有する樹脂等があげられるがこれ
らに限定されるものではない。これらの中で特に取り扱
い性、入手のしやすさなどからエポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、マレイミド樹脂等が好適に使用できる。また、
これら2種類以上を組み合わせて使用してもかまわな
い。尚、これらの樹脂が主成分であれば、靭性を改良す
るために、熱可塑性樹脂を併用してもかまわない。
【0008】本発明に適した熱硬化性樹脂の一例として
エポキシ樹脂が挙げられる。使用可能なエポキシ樹脂と
しては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、
ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチル
ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テ
トラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェ
ノールS、ジヒドロキシナフタレン等の2価フェノール
類をグリシジル化した化合物等があり、その他、たとえ
ば1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1,1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
4,4′−〔1−〔4−〔1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−メチルエチル(フェニルエチリデン)〕〕〕
ビスフェノール等のトリス(グリシジルオキシフェニ
ル)アルカン類やアミノフェノール等をグリシジル化し
た化合物がある。
【0009】また、例えばフェノールノボラック、クレ
ゾールノボラック等のノボラックをグリシジル化した化
合物がある。上記の他、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」
(昭晃堂発行、1985年)49頁〜104頁記載のグ
リシジル化合物や、垣内弘編著「新エポキシ樹脂−最近
の進歩−」(昭晃堂発行、1990年)21頁〜46頁
記載のグリシジル化合物が挙げられる。これら原料グリ
シジル化合物は1種または2種以上組み合わせて用いる
ことができる。
【0010】樹脂の原料非ハロゲン化グリシジル化合物
はこれらの化合物に限定されるものではないが、この中
で好ましい非ハロゲン化グリシジル化合物は、ビスフェ
ノールAのグリシジルエーテルである。樹脂の製造に用
いられる原料ハロゲン化グリシジル化合物とは、下記に
示す芳香族環にハロゲン基を有するグリシジルエーテル
類等であり、例えば、テトラブロモビスフェノールA、
テトラクロロビスフェノールA、テトラフロロビスフェ
ノールA、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフ
ェノールAノボラック、ブロモジフェノール等のグリシ
ジル化したグリシジル化合物や、垣内弘編著「新エポキ
シ樹脂−最近の進歩−」(昭晃堂発行、1985年)3
4頁〜37頁記載のグリシジル化合物が挙げられるが、
その他芳香環にハロゲン基を有するエポキシ樹脂が挙げ
られる。これらの原料非ハロゲン化グリシジル化合物
は、1種単独または2種以上組み合わせて使用される。
該樹脂の原料ハロゲン化グリシジル化合物はこれらの化
合物に限定されるものではないが、これらのなかで好ま
しいハロゲン化グリシジル化合物は、テトラブロモビス
フェノールAのグリシジルエーテルである。
【0011】これらの樹脂を含浸し得られたプリプレグ
表面は、この樹脂の粘度が低い場合タックが強い。これ
を解決する手段として、本発明はプリプレグの少なくと
も片面に、タックを低減するための粉体を付着させるも
のである。プリプレグに用いる粉体は、その粒径が5〜
100ミクロン以下が好ましく、10〜50ミクロンの
範囲が更に好ましい。この場合の粒径とは、遠心沈降速
度法などで求められる体積平均粒径を意味する。粒径が
100ミクロンを越えると、粉体を担持したプリプレグ
を積層し、成型品を製作する場合、粒子径が過度に大き
いため表面のタックが消失し、プリプレグの積層物の製
作が極めて困難になるだけではなく、積層中に粉体が強
化繊維の配列を乱し、複合材料成形体の機械的特性を著
しく低減させる恐れがある。一方、粒径が5ミクロン以
下の場合、粉体はプリプレグ表面に存在する熱硬化樹脂
の樹脂厚みより小さい場合が多く、何らかの外力によ
り、粉体がプリプレグ表面の熱硬化樹脂中に沈降し、プ
リプレグ表面のタックを低減させる効果が低下する。
【0012】粉体は、その粒子比重が0.1〜3.0が
好ましい。本発明に適用される粒子比重は、JIS Z
−8807個体比重測定方法の内の体積からの測定方法
により求められる値である。
【0013】0.1未満の粒子比重の上記粒径の粉体を
取り扱う場合、粉体が霧状に舞いやすく、作業環境を著
しく悪化させる。一方粒子比重が3.0をこえると、粉
体をプリプレグ表面に塗布した後、プリプレグを常温に
放置した場合、マトリックス樹脂の比重よりも大きいた
めに自然とプリプレグ内部に沈降しやすく、結果として
プリプレグ表面のタックを低減させる効果が低下する。
【0014】粉体は、タックを低減し、プリプレグ成形
体の機械的特性に影響を与えないものであって、市販品
として入手可能な粉体を用いることが出来る。また粉体
を市販品として入手することが出来ない場合でも、塊状
物を粉砕して粉体化することにより得ることが可能であ
る。また、樹脂を溶媒に溶融後、霧状に飛散させ乾燥さ
せるスプレードライ法や、沈殿法により粉体化させる方
法もある。
【0015】本発明で適用可能な粉体の形状は特に限定
されない。粉体形状は一般的にその製造方法により決定
される。例えば、塊状物を粉砕することにより粉体化さ
せた場合、形状は表面が滑らかな球状にはなりにくく角
張ったものになるし、樹脂を溶媒に溶融後、霧状に飛散
させ乾燥させるスプレードライ法を用いた場合は球状と
なり易い等の特徴を有する。タック低減用表面改良剤に
用いる粉体はこれらの形状の影響を受けるものではな
く、前述した粒径及び比重が満足していれば形状は特に
は限定されない。表面に塗布された粉体は、成形後にも
との形状を保持していても構わないし、又、形状を損失
しても構わない。
【0016】粉体の塗布量は、例えば粉体としてアクリ
ルポリマーを用いた場合は1〜5g/m2 、カーボンブ
ラックを用いた場合は1〜7g/m2、アルミニウムを
用いた場合は1〜10g/m2が、プリプレグのタック
を良好に保持し、且つ成形体の強度に影響を与えない点
から好ましい範囲である。塗布量が少なすぎるとタック
の低減がほとんど成されず、逆に塗布量が多すぎるとタ
ックが極めて弱くなり、成形作業に多大な支障が発生す
る。尚、塗布量が上記範囲内でもプリプレグ表面の外観
が異なるため、要望に応じた外観となる粉体塗布量を選
定することが好ましい。
【0017】粉体は、プリプレグのタックレベルを適性
値に調製し、そのプリプレグを用いて成形したコンポジ
ットの機械的特性を維持できるものであり、市販品とし
て入手可能な粉体を用いることが出来る。特に好ましく
は、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル等のアクリルポリマーが挙げられる。
【0018】上記アクリルポリマーは以下のモノマー群
から選ばれる1つ以上のモノマーを主成分として乳化重
合などの手法で重合して得られるポリマーを指す。モノ
マー群としてはメチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜
18のアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン
酸、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジルメタク
リレート等に代表される上記以外の(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレン
グリコールジメタクリレート等の多官能性メタクリレー
トなどが挙げられる。これら粉体は、1種類単独で使用
しても、2種類以上を組み合わせて使用しても構わな
い。
【0019】また、無機粉体としては、カーボンブラッ
ク、ゼオライト、タルク等が好適に用いられる。また金
属粉体としては、アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウム等が挙げられる。
【0020】これら粉体は、強化繊維プリプレグ表面に
均一、又は不均一に塗布される。塗布方法は、例えば粉
体をプリプレグ上方から自由落下にて散布する方法や、
粉体固定床や粉体流動床中にプリプレグを通過させる方
法、またプリプレグ表面にスプレーコーティングする方
法等、種々の方法があり、これらの方法は限定させるも
のではなく、公知の方法が応用できる。
【0021】尚、本発明と類似の技術として特公昭6−
94515号公報にポリアミドやポリカーボネートなど
の粉末を層間に局在させることにより、耐衝撃性および
非繊維軸の引張強度の向上するプリプレグを得る方法が
開示されているが、本発明において表面改良剤はタック
の改良としてのみ働き、衝撃性や非繊維軸の引張強度の
向上に全く関与しない。従って、本発明と特公昭6−9
4515号公報に開示されている発明とは思想的に全く
異なるものである。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
する。
【0023】[実施例1〜7]油化シェルエポキシ社製
のエポキシ樹脂Ep1001およびEp828を50/
50で溶融混合したものを100部に対して、油化シェ
ルエポキシ社DICYおよび保土ヶ谷化学社製DCMU
をそれぞれ3部混合し樹脂組成物を得た。この樹脂組成
物と三菱レイヨン(株)製炭素繊維(TR40)を用
い、一方向プリプレグ(炭素繊維目付;157g/m
2 、樹脂含有率40%)を調製した。このプリプレグの
タックはきつく、積層等の作業の際、マトリックス樹脂
が手に付着したり、誤った積層を行ってしまった後に、
積層されたプリプレグを剥がそうとしても剥ぐことが出
来ないなど、作業性は極めて悪かった。
【0024】上記プリプレグの片面に、粉体として体積
平均粒径が27ミクロンのアクリル(Tg=60℃、組
成MMA/nBA/MAA調製、スプレードライ品)の
粉体7種類を各々、該粉末の塗布量が1〜5g/m2
なるように塗布した。各組成、及びアクリル粉末の塗布
量は表1に記載した通りである。この粉体を塗布するこ
とによりプリプレグのタックは良好となった。また、こ
のプリプレグを用いて成形した成形体の物性は、粉体を
用いない場合と比較して物性低下は見られなかった。ま
た、調製したプリプレグを室温で20日間放置してもタ
ックは良好であった。他の評価結果は表1に示した通り
である。
【0025】[比較例1]実施例1で用いた粉体を塗布
する前のプリプレグについて評価し、その結果を表1に
示した。
【0026】[比較例2]体積平均粒径が3.5ミクロ
ンのアクリルの粉体を、塗布量2.01g/m2で塗布
する以外は実施例1と同様に処理した。粉体を塗布した
直後のプリプレグはタックが良好であったが、該プリプ
レグを室温で、ロール状に巻き取った状態で20日間放
置した後はタックが強く、プリプレグ表面の改良効果が
得られなかった。他の評価結果は表1に示した通りであ
る。
【0027】[比較例3]体積平均粒径が20ミクロ
ン、粒子比重が3.9のアルミナ粉末の粉体を、塗布量
3.45g/m2 で塗布する以外は実施例1と同様に処
理した。粉体を塗布した直後のプリプレグはタックが良
好であったが、該プリプレグを室温で20日間放置した
後はタックが強く、プリプレグ表面の改良効果が得られ
なかった。他の評価結果は表1に示した通りである。
【0028】[実施例8〜10]実施例1で用いたのと
同じプリプレグの片面に、粉体として体積平均粒径が2
2ミクロン、粒子比重2.13であるカーボンブラック
の粉体を塗布量が1〜7g/m2 になるように塗布し
た。この粉体を塗布することによりプリプレグのタック
は良好となった。また、このプリプレグを用いて成形し
た成形体の物性は、粉体を用いない場合と比較して物性
低下は見られなかった。また、調製したプリプレグを室
温で20日間放置してもタックは良好であった。他の評
価結果は表2に示した通りである。
【0029】[実施例11]体積平均粒径が30ミクロ
ン、粒子比重が2.13であるゼオライトの粉体を、塗
布量3.45g/m2 で塗布する以外は実施例1と同様
に処理した。この粉体を塗布することによりプリプレグ
のタックは良好となった。また、このプリプレグを用い
て成形した成形体の物性は、粉体を用いない場合と比較
して物性低下は見られなかった。また、調製したプリプ
レグを室温で20日間放置してもタックは良好であっ
た。他の評価結果は表2に示した通りである。
【0030】[実施例12〜14]粉体として体積平均
粒径が17ミクロン、粒子比重が2.71であるアルミ
ニウムの粉体を塗布量が1〜10g/m2 になるように
塗布した。この粉体を塗布することによりプリプレグの
タックは良好となった。また、このプリプレグを用いて
成形した成形体の物性は、粉体を用いない場合と比較し
て物性低下は見られなかった。また、調製したプリプレ
グを室温で20日間放置してもタックは良好であった。
他の評価結果は表2に示した通りである。
【0031】[実施例15]体積平均粒径が22ミクロ
ン、粒子比重が1.03であるステアリン酸マグネシウ
ムの粉体を、塗布量3.97g/m2 で塗布する以外は
実施例1と同様に処理した。この粉体を塗布することに
よりプリプレグのタックは良好となった。また、このプ
リプレグを用いて成形した成形体の物性は、粉体を用い
ない場合と比較して物性低下は見られなかった。また、
調製したプリプレグを室温で20日間放置してもタック
は良好であった。
【0032】[比較例4]体積平均粒径が2.1ミクロ
ンのカーボンブラックの粉体を、塗布量3.10g/m
2で塗布する以外は実施例1と同様に処理した。粉体を
塗布した直後のプリプレグはタックが良好であったが、
該プリプレグを室温で20日間放置した後はタックが強
く、プリプレグ表面の改良効果が得られなかった。他の
評価結果は表2に示した通りである。
【0033】[比較例5]体積平均粒径が2.8ミクロ
ンのアルミニウムの粉体を、塗布量3.01g/m2
塗布する以外は実施例1と同様に処理した。粉体を塗布
した直後のプリプレグはタックが良好であったが、該プ
リプレグを室温で20日間放置した後はタックが強く、
プリプレグ表面の改良効果が得られなかった。他の評価
結果は表2に示した通りである。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】上述の如く構成された本発明によれば、
プリプレグ本来の柔軟性及び成形後の成形体の機械的強
度を損なうことなく、簡易に所望のレベルにタックを低
減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 9/00 B32B 9/00 A 27/04 27/04 Z 27/14 27/14 C08J 5/24 C08J 5/24 7/06 7/06 Z (72)発明者 伊吹 努 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 伊藤 彰浩 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維と熱硬化性樹脂からなるシート
    状プリプレグの少なくとも片面に、粒径5〜100ミク
    ロン、粒子比重0.1〜3.0の粉体を付着させること
    により表面のべたつきを低減することを特徴とするプレ
    プレグの表面改良方法。
  2. 【請求項2】 粉体がアクリルを主成分とする粉体であ
    る請求項1記載のプリプレグの表面改良方法。
  3. 【請求項3】 粉体が無機粉体である請求項1記載のプ
    リプレグの表面改良方法。
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